JP2012173215A - 変圧器結線法の推定方法及び励磁突入電流発生源判定方法。 - Google Patents

変圧器結線法の推定方法及び励磁突入電流発生源判定方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】3相結線変圧器の3相電流に基づいて閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定することである。
【解決手段】励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定し、2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性を判定する。そして、2つの相電流の極性が同一極性であるときは3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定し、2つの相電流の極性が逆極性であるときは3相結線変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、励磁突入電流発生源の変圧器の結線法を推定する変圧器結線法の推定方法及び励磁突入電流発生源の変圧器を判定する励磁突入電流発生源判定方法に関する。
電力品質の重要な1項目である瞬時電圧低下の原因の1つに、無負荷変圧器の系統連系時の変圧器鉄心での磁気飽和による励磁突入電流がある。瞬時電圧低下は、制御機器の誤動作・停止などの障害を引き起こすので、瞬時電圧低下の原因となる変圧器を特定し、励磁突入電流発生源の推定を行うことが対策の基本となる。
励磁突入電流が測定不能な場合や発生源である変圧器の結線方法が不明な場合にも励磁突入電流現象を特定し、また、励磁突入電流発生源の変圧器の結線法を判定するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、変数変換のαβ変換により波形処理を行い、α相電圧もしくはβ相電圧を採用して閾値との比較により結線法を推定している。
特開2009−148018号公報
しかし、変数変換のαβ変換によるα相電圧もしくはβ相電圧を採用して閾値との比較により変圧器の結線法を判定するようにしているので、適切な閾値を選択する必要がある。また、変圧器の結線法によりα相電圧もしくはβ相電圧のいずれを採用するかが異なるので判定処理が複雑になる。すなわち、α相電圧を採用して変圧器の結線法を判定できない場合には、β相電圧を採用して変圧器の結線法を判定することになるので、判定処理が複雑になる。
本発明の目的は、3相結線変圧器の3相電流に基づいて閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定できる変圧器結線法の推定方法及び励磁突入電流発生源の変圧器を判定できる励磁突入電流発生源判定方法を提供することである。
請求項1の発明に係る変圧器結線法の推定方法は、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定し、2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性を判定し、2つの相電流の極性が同一極性であるときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定し、2つの相電流の極性が逆極性であるときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定することを特徴とする。
請求項2の発明に係る変圧器結線法の推定方法は、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し、2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分及び第2回路成分を求め、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より小さいときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がΔ結線法であると判定し、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定することを特徴とする。
請求項3の発明に係る変圧器結線法の推定方法は、請求項1または2の発明において、前記変圧器の3相電流の各相の絶対値を求め、前記各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を求め、前記最小の組合せの2相を変圧器結線法の判定に必要な相電流とすることを特徴とする。
請求項4の発明に係る変圧器結線法の推定方法は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の変圧器結線法の推定方法において、前記3相電流のうちの最大の相の電流絶対値が閾値を越え、かつ、その持続時間が所定時間を越えた場合に、前記閾値を越えた最初の時刻を変圧器結線法の判定の推定開始時刻とすることを特徴とする。
請求項5の発明に係る励磁突入電流発生源判定方法は、過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定し、2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性を判定し、2つの相電流の極性が同一極性であるときは励磁突入電流発生源の変圧器であると判定することを特徴とする。
請求項6の発明に係る励磁突入電流発生源判定方法は、過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し、2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分及び第2回路成分を求め、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは励磁突入電流発生源の変圧器であると判定することを特徴とする。
請求項7の発明に係る励磁突入電流発生源判定方法は、請求項5または6の発明において、前記変圧器の3相電流の各相の絶対値を求め、前記各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を求め、前記最小の組合せの2相を励磁突入電流の判定に必要な相電流とすることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しく、2つの相電流の極性が同一極性であるときは3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定し、2つの相電流の極性が逆極性であるときは3相結線変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定するので、閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定でき、判定処理が簡明になり誤判定を防止できる。
請求項2の発明によれば、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流のうちの2相電流につき2相回路理論により第1回路成分及び第2回路成分を求め、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より小さいときは3相結線変圧器の1次側の結線法がΔ結線法であると判定し、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定するので、閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定でき、判定処理が簡明になり誤判定を防止できる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明において、変圧器の3相電流の各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を変圧器結線法の判定に必要な相電流とするので、変圧器結線法の判定に必要な相電流を容易に得ることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか1項の発明において、3相電流のうちの最大の相の電流絶対値が閾値を越え、かつ、その持続時間が所定時間を越えた場合に、閾値を越えた最初の時刻を変圧器結線法の判定の推定開始時刻とするので、励磁突入電流でない場合に変圧器結線法の判定を行うことを防止でき誤判定を防止できる。
請求項5の発明によれば、過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しく、2つの相電流の極性が同一極性であることは、Y結線法の3相結線変圧器の励磁突入電流発生時の固有の現象であるので、これを判定することにより、励磁突入電流発生源の変圧器であると判定できる。
請求項6の発明によれば、過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流のうちの2相電流につき2相回路理論により求めた第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいことは、Y結線法の3相結線変圧器の励磁突入電流発生時の固有の現象であるので、これを判定することにより、励磁突入電流発生源の変圧器であると判定できる。
請求項7の発明によれば、請求項5または6の発明において、変圧器の3相電流の各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を変圧器結線法の判定に必要な相電流とするので、励磁突入電流の判定に必要な相電流を容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る変圧器結線法の推定方法の一例を示すフローチャート。 Δ結線法及びY接線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図。 本発明の第1実施形態に係る変圧器結線法の推定方法の他の一例を示すフローチャート。 電流閾値|I|が小で過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同された場合の3相電流I及び指標ΔIβの波形図。 2つの相の鉄心飽和重複時のΔ結線法及びY接線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図。 電流閾値|I|が大で励磁突流電流の検出が遅れた場合の3相電流I及び指標ΔIβの波形図。 電流閾値|I|が小で過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同されないように電流絶対値が閾値を超えた持続時間の所定値τを設定して変圧器結線法の判定の推定開始時刻を判断する場合の3相電流I及び指標ΔIβの波形図。 本発明の第2実施形態の励磁突入電流発生源判定方法の一例を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態の励磁突入電流発生源判定方法の他の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る変圧器結線法の推定方法の一例を示すフローチャート、図2はΔ結線法及びY接線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図であり、図2(a)はΔ結線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図、図2(b)はY結線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図である。
Δ結線法の変圧器は、1次巻線がΔ結線法で2次巻線はΔ結線法またはY結線法のいずれでもよい変圧器であり、Y結線法の変圧器は、1次巻線がY結線法で2次巻線はΔ結線法である変圧器である。図2(a)では、Δ結線法の変圧器として、1次巻線がΔ結線法で2次巻線がΔ結線法であるΔ−Δ変圧器を示し、図2(b)では、Y結線法の変圧器として、1次巻線がY結線法で2次巻線がΔ結線法であるY−Δ変圧器を示している。
いま、図2(a)に示すΔ結線法の変圧器では3相UVWのうちV相及びW相が飽和鉄心であるとし、図2(b)に示すY結線法の変圧器では3相UVWのうちU相が飽和鉄心であるとする。
図2(a)に示すように、Δ結線法の変圧器のV相及びW相が飽和すると、VW相間に励磁突入電流Iが流れる。いま、励磁突入電流IがW相からV相に流れるとすると、Δ結線法の変圧器の3相電流I、I、Iは、下記(1)式で示される。
[数1]
=0、I=−I、I=I
図2(b)に示すように、Y結線法の変圧器のU相が飽和すると、V相及びW相からU相に励磁突入電流Iが流れる。Y結線法の変圧器の3相電流I、I、Iは、下記(2)式で示される。
[数2]
−I=I、I=I/2、I=I/2
ここで、(1)式及び(2)式より、3相電流I、I、Iのうちの2つの相電流I、Iの絶対値は等しい。(1)式の場合には2つの相電流I、Iの極性はそれぞれ逆極性、(2)式の場合には2つの相電流I、Iの極性は同一極性である。
これらの関係から、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しく、2つの相電流の極性が同一極性であるときは変圧器の1次側の結線法はY結線法であると判定でき、2つの相電流の極性が逆極性であるときは変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定できる。
図1は、(1)式及び(2)式の関係から変圧器結線法を推定する場合の一例を示すフローチャートである。まず、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し(S1)、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定する(S2)。2つの相電流の絶対値が等しくないときは処理を終了する。
一方、2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性が同一極性か否かを判定する(S3)。2つの相電流の極性が同一極性であるときは、(2)式から3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定する(S4)。一方、2つの相電流の極性が同一極性ではなく逆極性であるときは、(1)式から3相結線変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定する(S5)。このように、閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定できるので、判定処理が簡明になり誤判定を防止できる。
さらに、(1)式及び(2)式の特徴を生かすため、2相回路理論により2相回路成分を導入して、変圧器の結線法を推定することも可能である。2相回路理論による2相回路成分を(3)式に示す。
Figure 2012173215
この(3)式に各結線法の電流条件(1)式及び(2)式を代入すると、2相回路成分には(4)式及び(5)式に示す特徴があるのが分かる。
[数4]
=0、I=I
[数5]
=I/2、I=0
従って、(4)式からΔ結線法の変圧器であることを判定する判定式として(6)式が得られ、(5)式からY結線法の変圧器であることを判定する判定式として(7)式が得られる。
[数6]
|I|<|I
[数7]
|I|>|I
この場合も、(6)式及び(7)式からわかるように、閾値を用いない大小関係による結線法の判別が可能となる。
図3は、本発明の第1実施形態に係る変圧器結線法の推定方法の他の一例を示すフローチャートであり、(6)式及び(7)式の関係から変圧器結線法を推定する場合の一例を示すフローチャートである。
まず、励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し(S1)、2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分I及び第2回路成分Iを求め(S2)。そして、第1回路成分Iの絶対値|I|が第2回路成分Iの絶対値|I|より小さいか否かを判定する(S3)。
第1回路成分Iの絶対値|I|が第2回路成分Iの絶対値|I|より小さいときは、(6)式から3相結線変圧器の1次側の結線法がΔ結線法であると判定する(S4)。一方、第1回路成分Iの絶対値|I|が第2回路成分Iの絶対値|I|より大きいときは、(7)式から3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定する(S5)。このように、この場合も、閾値を用いることなく大小関係で変圧器の結線法を推定できるので、判定処理が簡明になり誤判定を防止できる。
次に、変圧器結線法の判定に必要な2相電流の求め方について説明する。図2の場合には、V相電流IとW相電流Iとが変圧器結線法の判定に必要な2相電流であるが、実際のV相、W相が電流条件である(1)式、(2)式を満足するとは限らず、必要に応じ相を再振付けする必要がある。そこで、測定時の3相をXYZ相として、(1)式、(2)式を満足する新しいUVW相の設定法を以下に説明する。
この、設定法は変圧器の結線法に非依存なことが望まれるので、変圧器結線法の判定に必要な条件のうちΔ結線法及びY結線法の双方に共通な次の関係を用いる。図2に示した場合では、(8)式に示すように、V相電流Iの絶対値|I|とW相電流Iの絶対値|I|とが等しいことである。
[数8]
|I|=|I
さらに、(8)式の条件を用い易くするため、β相分に類似の指標ΔIβを導入する。この指標ΔIβを(9)式に示す。
[数9]
ΔIβ,x=||I|−|I||
ΔIβ,y=||I|−|I||
ΔIβ,z=||I|−|I||
ここで、添え字x、y、zは、XYZ相を示し、ΔIβの添え字x、y、zは、基準相を示す。すなわち、変圧器の3相電流の各相の絶対値|I|、|I|、|I|を求め、各相の絶対値|I|、|I|、|I|のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値||I|−|I||、||I|−|I||、||I|−|I||を求める。これを指標ΔIβ,x、ΔIβ,y、ΔIβ,zとする。そして、2つの相の絶対値の差の絶対値である指標ΔIβ,x、ΔIβ,y、ΔIβ,zが最小の組合せの2相を求める。
図2の場合には、U相の指標ΔIβ,uが最小であり、そのときの(1)式または(2)式は、指標ΔIβを用いて表すと(10)式のようになる。
[数10]
ΔIβ,u=0、ΔIβ,v=ΔIβ,w=K|I
ここで、パラメータKはY結線法の変圧器の場合は1/2、Δ結線法の場合は1となる。このように、測定時のXYZ相で3つのΔIβ,x、ΔIβ,y、ΔIβ,zを作成し、その内で最小のΔIβを与える2相の組合せを新たなVW相とする。この場合でも、判別は大小関係で行うため、閾値は必要ではない。
次に、変圧器結線法の推定法の実用性を高めるためには、結線法の推定開始時刻Tを自動選択する機能が必要となる。この場合は、過電流の突入電流状態を確認するには、推定開始時刻Tで電流絶対値が最大の相を対象に、その電流絶対値が電流閾値|I|を逸脱であることが必要であるが、電流閾値|I|のみを用いると、次なる二律背反の誤推定問題が生じる。
(1)電流閾値|I|が小の場合
変圧器連系時の過渡高次振動電流が大なるとき、過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同され誤推定が生じる。すなわち、励磁突入電流を判定する電流閾値|I|が小の場合には、過渡高次振動電流が大となると、励磁突入電流でないにもかかわらず、3相電流のうちのいずれかの相電流が電流閾値|I|を逸脱することがある。
図4は、電流閾値|I|が小で過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同された場合の3相電流I(I、I、I)及び指標ΔIβ(ΔIβ,u、ΔIβ,v、ΔIβ,w)の波形図である。図4では、3相電流のうちのW相電流IWが時刻Tで電流閾値|I|を逸脱した場合を示している。また、時刻Tは、変圧器鉄心の磁気飽和開始時刻である。3相電流のうちのW相電流IWが時刻Tで電流閾値|I|を逸脱したとすると、時刻Tを結線法の推定開始時刻Tとして結線法の推定を開始することになる。この場合は、励磁突入電流ではないので、(1)式及び(2)式、または(6)式及び(7)式の判定式で、変圧器の結線法を推定しても誤推定となる。
(2)電流閾値|I|が大の場合
電流閾値|I|が大の場合には過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同することはないが、励磁突流電流の検出が遅れるので、変圧器の2つの相の鉄心飽和は、最初の飽和相(a相)と次の飽和相(b相)とが重複することがある。最初の飽和相(a相)と次の飽和相(b相)とが重複すると、重複領域に磁気飽和開始時刻Tが存在することになり、電流条件(1)式及び(2)式または(6)式及び(7)式に誤差が発生する。
図5は、2つの相の鉄心飽和重複時のΔ結線法及びY接線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図であり、図5(a)はΔ結線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図、図5(b)はY結線法の変圧器での励磁突入電流の流れの説明図である。
図5(a)に示すように、最初の飽和相(a相)がV相及びW相であると、励磁突入電流IがW相からV相に流れるが、次の飽和相(b相)がU相及びV相であると、励磁突入電流IがU相からV相に流れ、励磁突入電流Iに重複して流れる。
図5(b)に示すように、最初の飽和相(a相)がU相であると、励磁突入電流IがV相及びW相からU相に流れるが、次の飽和相(b相)がW相であると、励磁突入電流IがW相からU相及びV相に流れ、励磁突入電流Iに重複して流れる。
図6は、電流閾値|I|が大で励磁突流電流の検出が遅れた場合の3相電流I(I、I、I)及び指標ΔIβ(ΔIβ,u、ΔIβ,v、ΔIβ,w)の波形図である。図6では、変圧器鉄心の磁気飽和開始時刻Tから時刻Tまでが最初の飽和相(a相)により励磁突入電流Iが流れるphaseAであり、時刻Tから以降が最初の飽和相(a相)及び次の飽和相(b相)の励磁突入電流(I+I)が流れる重複領域であるphaseA&Bである。
このように、電流閾値|I|が大のときには重複領域に磁気飽和開始時刻Tが存在し、(1)式及び(2)式、または(6)式及び(7)式の判定式で、変圧器の結線法を推定しても誤推定となる。
そこで、電流値が大の高次振動電流は振動電流で値大の時間幅が小なことに着目し、電流閾値|I|は過渡高次振動電流よりも小さい値に設定しておき、3相電流のうちの最大の相の電流絶対値が閾値を越え、かつ、その持続時間が所定時間τを越えた場合に、閾値を越えた最初の時刻を変圧器結線法の判定の推定開始時刻とする。電流値が電流閾値|I|を越えた所定時間τは、高次振動電流よりも高次の周期より大きい時間とする。例えば、高次の25次の周期よりも大の1[ms]以上とする。
図7は、電流閾値|I|が小で過渡高次振動電流が励磁突入電流と混同されないように、電流絶対値が閾値を超えた持続時間の所定値τを設定して変圧器結線法の判定の推定開始時刻を判断する場合の3相電流I(I、I、I)及び指標ΔIβ(ΔIβ,u、ΔIβ,v、ΔIβ,w)の波形図である。図7では過渡高次振動電流が発生した場合を示している。
いま、時刻Tで、3相電流のうちの最大のW相の電流絶対値|IW|が電流閾値|I|を越えたとすると、電流絶対値|IW|が電流閾値|I|を越えた持続時間をカウントする。図7の場合には、電流絶対値|IW|が閾値を越えた持続時間は、所定時間τより短いので、時刻Tを変圧器結線法の判定の推定開始時刻としない。
一方、時刻Tで鉄心が磁気飽和し、時刻Tにおいて3相電流のうちの最大のV相の電流絶対値|I|が電流閾値|I|を越えたとすると、電流絶対値|I|が電流閾値|I|を越えた持続時間をカウントする。そして、所定時間τを経過した時刻T’になっても、電流絶対値|I|が電流閾値|I|を越えているので、電流絶対値|I|が最初に電流閾値|I|を超えた時刻Tを変圧器結線法の判定の推定開始時刻とする。
このような推定開始時刻の判断の追加条件を付加するので、高次振動電流による誤判定は回避できる。すなわち、電流閾値|I|を過大に設定しなくてもよいので、飽和重複領域に推定時刻Tが設定されることがなくなり、推定精度の低下を回避できる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図8は本発明の第2実施形態の励磁突入電流発生源判定方法の一例を示すフローチャートである。
以上の説明では、過電流を励磁突入電流であるとして、(1)式及び(2)式、または(6)式及び(7)式を用いて、励磁突入電流の発生源の変圧器の結線法を推定する場合について説明したが、逆に、予め変圧器の結線法がY結線法(Y-Δ、Y-Y-Δ)であると知られている場合には、(2)式、または(7)式を用いて、過電流の原因が励磁突入電流か否かの推定に適用できる。
すなわち、過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しく、2つの相電流の極性が同一極性であることは、Y結線法の3相結線変圧器の励磁突入電流発生時の固有の現象である。従って、これを判定することにより、励磁突入電流発生源の変圧器であると判定できる。
なお、Δ結線法の3相結線変圧器においては、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しく2つの相電流の極性が逆極性であることは、直ちに励磁突入電流の発生であるとは判定できない。相間短絡事故や2線地絡事故の場合にも同様の現象が発生することがあるからである。
図8は、(2)式の関係からY結線法の3相結線変圧器の励磁突入電流を判定する場合の一例を示すフローチャートである。まず、 過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し(S1)、3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定する(S2)。3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しくないときは処理を終了する。
2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性が同一極性であるか否かを判定し(S3)、2つの相電流の極性が同一極性でないときは処理を終了する。一方、2つの相電流の極性が同一極性であるときは、励磁突入電流発生源の変圧器であると判定する(S4)。
図9は、本発明の第2実施形態に係る励磁突入電流発生源判定方法の一例を示すフローチャートであり、(7)式の関係から3相結線変圧器の励磁突入電流を判定する場合の一例を示すフローチャートである。
過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し(S1)、2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分及び第2回路成分を求める(S2)。そして、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいか否かを判定し(S3)、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きくないときは処理を終了する。一方、第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは、励磁突入電流発生源の変圧器であると判定する(S4)。
この変圧器の励磁突入電流を判定する場合においても、励磁突入電流の判定に必要な2相の相電流は、変圧器の結線法を推定する場合と同様に求める。すなわち、(9)式により、変圧器の3相電流の各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を求めて、最小の組合せの2相を励磁突入電流の判定に必要な相電流とする。
本発明の実施形態によれば、励磁突入電流を発生した相及び結線法を電流の大小比較で推定できる。また、変圧器の結線法が予めY結線法であることが分かっているときは、過電流が発生した場合に励磁突入電流であるか否かの判定を行うことができる。
…第1回路成分、I…第2回路成分、ΔIβ…指標、I…電流閾値、T…磁気飽和開始時刻、T…推定開始時刻

Claims (7)

  1. 励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し、
    3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定し、
    2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性を判定し、
    2つの相電流の極性が同一極性であるときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定し、
    2つの相電流の極性が逆極性であるときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法が△結線法であると判定することを特徴とする変圧器結線法の推定方法。
  2. 励磁突入電流を発生する3相結線変圧器の3相電流を検出し、
    2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分及び第2回路成分を求め、
    第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より小さいときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がΔ結線法であると判定し、
    第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは前記3相結線変圧器の1次側の結線法がY結線法であると判定することを特徴とする変圧器結線法の推定方法。
  3. 前記変圧器の3相電流の各相の絶対値を求め、
    前記各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、
    2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を求め、
    前記最小の組合せの2相を変圧器結線法の判定に必要な相電流とすることを特徴とする請求項1または2に記載の変圧器結線法の推定方法。
  4. 前記3相電流のうちの最大の相の電流絶対値が閾値を越え、かつ、その持続時間が所定時間を越えた場合に、前記閾値を越えた最初の時刻を変圧器結線法の判定の推定開始時刻とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の変圧器結線法の推定方法。
  5. 過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し、
    3相電流のうちの2つの相電流の絶対値が等しいか否かを判定し、
    2つの相電流の絶対値が等しいときは2つの相電流の極性を判定し、
    2つの相電流の極性が同一極性であるときは励磁突入電流発生源の変圧器であると判定することを特徴とする励磁突入電流発生源判定方法。
  6. 過電流が発生したY結線法の3相結線変圧器の3相電流を検出し、
    2相回路理論により3相電流のうちの2相電流につき第1回路成分及び第2回路成分を求め、
    第1回路成分の絶対値が第2回路成分の絶対値より大きいときは励磁突入電流発生源の変圧器であると判定することを特徴とする励磁突入電流発生源判定方法。
  7. 前記変圧器の3相電流の各相の絶対値を求め、
    前記各相の絶対値のうちの2つの相の組合せの絶対値の差の絶対値を求め、
    2つの相の絶対値の差の絶対値が最小の組合せの2相を求め、
    前記最小の組合せの2相を励磁突入電流の判定に必要な相電流とすることを特徴とする請求項5または6に記載の励磁突入電流発生源判定方法。
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