JP2012172872A - 真空式温水器 - Google Patents

真空式温水器 Download PDF

Info

Publication number
JP2012172872A
JP2012172872A JP2011033560A JP2011033560A JP2012172872A JP 2012172872 A JP2012172872 A JP 2012172872A JP 2011033560 A JP2011033560 A JP 2011033560A JP 2011033560 A JP2011033560 A JP 2011033560A JP 2012172872 A JP2012172872 A JP 2012172872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchange
heat
water
heat medium
pipe group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011033560A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5580224B2 (ja
Inventor
Kunihisa Hayashi
訓央 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Thermoener Co Ltd
Original Assignee
Nippon Thermoener Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Thermoener Co Ltd filed Critical Nippon Thermoener Co Ltd
Priority to JP2011033560A priority Critical patent/JP5580224B2/ja
Publication of JP2012172872A publication Critical patent/JP2012172872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5580224B2 publication Critical patent/JP5580224B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 温水器に設けられた燃焼バーナから排出される燃焼排ガスの燃焼熱を効率的に回収して所望の加温水を供給するとともに、温水器内部の温度・圧力の上昇や加温水の過熱を防ぎ、破裂した際の危険がない真空式温水器を提供することを目的とする。
【解決手段】 燃焼バーナ1aと上部水管群1bが備えられた燃焼室1と、燃焼室1の上部に配設された減圧蒸気室4と、燃焼室1の下部に配設された下部熱媒体室5を備えた本体ユニット10と、減圧蒸気室4と連通して気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部6が配設され上部熱交換空間8と、下部熱媒体室5と連通して液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部7が配設され下部熱交換空間9が形成される熱交換ユニット20と、を有し、上部熱交換空間8の断面積Cが、上部水管群1b内部の総断面積よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、真空式温水器に関し、特に、産業用の温水発生装置である真空式温水器として有用である。
従来、産業用の温水発生装置として多種多様な方式が利用されているが、100℃以下の温水を得る温水発生装置として、真空式温水器が多用されている。真空式温水器は、都市ガスや灯油、ペレットなどの燃料を燃焼し、その燃焼熱および排ガスを燃焼室の周囲に存在する熱媒水と熱交換させる。熱媒水は、大気圧下に減圧された減圧蒸発室で80℃〜90℃程度で減圧沸騰し、同室内にある熱交換器を介して給温水を加温する。熱媒水は燃焼室内に設けた伝熱管で燃焼排ガスと熱交換するが、通常は約200℃程度の排ガス温度まで熱回収する。熱効率は概ね90%程度である。
こうした真空式温水器として、具体的には、例えば図5に示すような構成を有する真空式温水ボイラが挙げられる(例えば特許文献1参照)。上部に蒸気室102が形成されるよう熱媒水103を封入した熱媒水貯槽(缶体)101の下部内側に、上記熱媒水103に没するように燃焼室104を設けてバーナ105を設置し、且つ上記熱媒水貯槽101の頂部に、真空ポンプ106を、開閉弁108を備えた真空引きライン107を介し接続すると共に、上記蒸気室102となる熱媒水貯槽101内の上部位置に、加熱対象となる水109を外部から流通させることができるようにした熱交換器としての伝熱管110を設けた構成として、真空ポンプ106の作動により熱媒水貯槽101の内部を真空に引いた状態において、バーナ105を燃焼させることにより燃焼室104の壁面を介して熱媒水103を加熱し、これにより真空中にある熱媒水103を100℃以下の温度、たとえば、約80℃にて急速に沸騰、蒸発させ、発生した減圧蒸気を、蒸気室102に充満させると共に伝熱管110の表面で凝縮させることにより、該伝熱管110を流通する水109と熱交換を行わせて、該伝熱管110の出口より上記減圧蒸気の温度まで加熱された温水109aを回収できるようにしてある。なお、111は燃焼室104の排気口、112は燃焼室104内の中央部にてバーナ105に対峙するよう設置した火堰、113は火堰112の後方の煙道となる部分に燃焼室104を上下方向に貫通するよう設けた伝熱用水管である。凝縮伝熱を利用することで伝熱面積を小さくできると共に、減圧下における熱媒水103の凝縮領域の温度を制御温度とすることにより、加熱対象流体である水109を間欠的に熱交換させるような場合であっても、熱媒水103の温度が大きく変化することはなく、したがって、常に一定温度に加熱された温水109aを製造できるという特徴を有している(特許文献1段落0003〜0004参照)。
特開2003−279160号公報
しかし、上記のような真空式温水器では、以下に挙げるような問題点や課題が生じることがあった。
(i)従来方式では、熱媒水の温度を通常80℃〜90℃に加熱した状態で保持し、減圧蒸気室の熱交換器で冷水を温水に熱交換する。従来の構造では排ガス温度を熱媒水温度以下にすることができないため、構造的に大幅なボイラの高効率化は難しいという課題があった。
(ii)また、減圧蒸気室に複数の熱交換器が設けられた場合であって、過量の燃焼熱によって熱媒水の沸騰が生じた場合、熱媒水の飛沫が熱交換器の表面に付着し、熱交換器の効率ムラをきたす可能性があった。特に、燃焼排ガスの燃焼熱を水管群によって減圧蒸気室に気相の熱媒水を形成される構成を有する場合には、内径の小さな水管からの噴出しによって、液面よりも高い位置の熱交換器まで高温の飛沫が付着し、効率ムラをきたす可能性が強くなる。
本発明の目的は、温水器に設けられた燃焼バーナから排出される燃焼排ガスの燃焼熱を効率的に回収して所望の加温水を供給するとともに、温水器内部の温度・圧力の上昇や加温水の過熱を防ぎ、破裂した際の危険がない真空式温水器を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す真空式温水器によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、真空式温水器であって、
燃焼バーナと上部水管群と上部排気部が備えられた燃焼室と、該燃焼室の上部に配設され、前記上部水管群と接続する減圧蒸気室と、前記燃焼室の下部に配設され、前記上部水管群と接続する下部熱媒体室と、を備えた本体ユニットと、
前記減圧蒸気室と上部連通流路で連通し、気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部が配設される上部熱交換空間と、前記下部熱媒体室と下部連通流路で連通し、液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部が配設される下部熱交換空間が形成される熱交換ユニットと、を有し、
停止時の液相の熱媒体の水位を基準水位とし、前記熱交換ユニット内部における、少なくとも基準水位よりも上方の前記上部熱交換空間の断面積が、前記上部水管群内部の総断面積よりも大きいことを特徴とする。
既述のように、真空式温水器においては、燃焼排ガスの燃焼熱の効率的な回収が大きな課題になる。本発明は、燃焼熱の回収に際して、燃焼排ガスと回収に利用する熱媒体とをより接触面積の大きな水管群を介して熱交換させることによって、高い熱交換効率の確保を図った。また、真空式温水器においては、用いた熱媒体の温熱を効率的に利用して加温水を作製することが課題になる。本発明は、熱媒体の温熱の利用に際して、熱媒体と加温の対象となる供給水とを2段階の熱交換を行なうとともに、両流体を各段階において向流的に熱交換させることによって、熱媒体の潜熱のみならず顕熱まで吸熱することができ、非常に高い熱交換効率を得ることができる。さらに、熱媒体の循環に伴う流通抵抗により生じる熱交換ユニット内部での熱媒体の水位の押し上げは、本来気相の熱媒体との熱交換を行う熱交換器に対し、液相の熱媒体との接触の可能性を発生させる。本発明は、熱交換ユニットが水位の変動の大きい本体ユニットと分離されるとともに、熱交換ユニットにおいて第2熱交換部への水位の影響を及ぼすことないように、上部熱交換空間の断面積を本体ユニット内の熱媒体の水位の変動量を吸収する大きさとし、第2熱交換部への水位の影響を吸収することができる。以上のような構成によって、温水器に設けられた燃焼バーナから排出される燃焼排ガスの燃焼熱を、従前にない高い効率で回収して所望の加温水を供給することが可能になるとともに、温水器内部の温度・圧力の上昇を防ぎ、破裂した際の危険がない真空式温水器を提供することが可能となった。
また、本発明は、真空式温水器であって、
燃焼バーナと上部水管群と上部排気部が備えられた燃焼室と、該燃焼室の上部に配設され、前記上部水管群と接続する減圧蒸気室と、前記燃焼室の下部に配設され、前記上部水管群と接続する下部熱媒体室と、を備えた本体ユニットと、
前記減圧蒸気室と上部連通流路で連通し、気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部が配設される上部熱交換空間と、前記下部熱媒体室と下部連通流路で連通し、液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部が配設される下部熱交換空間が形成される熱交換ユニットと、を有し、
停止時の液相の熱媒体の水位を基準水位とし、前記本体ユニットの基準水位よりも下部の前記上部水管群の内容積が、前記熱交換ユニットの基準水位よりも上部でかつ前記第2熱交換部よりも下部の内容積よりも小さいことを特徴とする。
上記のように、本体ユニット内部での熱媒体の水位の変化が、熱交換ユニットにおける第2熱交換部に影響しないような構成が、課題の1つとなる。本発明は、熱交換ユニットが水位の変動の大きい本体ユニットと分離されるとともに、こうした水位の変動に伴う熱交換ユニットにおける影響を、液相の熱媒体の容量によって捉え、第2熱交換部の下部に所定の空間を配設し、その内容積を本体ユニット内の基準水位よりも下部の上部水管群の内容積を超える大きさとした。つまり、前者は、熱交換ユニットにおいて基準水位よりも上部でかつ前記第2熱交換部よりも下部の内容積であり、後者は、本体ユニットにおける基準水位よりも下部の上部水管群の内容積に相当する。こうした構成によって、温水器に設けられた燃焼バーナから排出される燃焼排ガスの燃焼熱を、従前にない高い効率で回収して所望の加温水を供給することが可能になるとともに、温水器内部の温度・圧力の上昇を防ぎ、破裂した際の危険がない真空式温水器を提供することが可能となった。
本発明は、上記真空式温水器であって、前記上部連通流路から移送される熱媒体の前記上部熱交換空間の入口近傍に、前記上部連通流路断面をカバーする大きさの板状体が配設されることを特徴とする。
本体ユニットの減圧蒸気室内における熱媒体は、上部連通流路を介して上部熱交換空間に移送され、第2熱交換器において供給水と熱交換し、凝縮・液化する。このとき、減圧蒸気室内における熱媒体には、小径の液滴や液相の飛沫が多く混在する可能性があり、第2熱交換器における気相の熱媒体の凝縮を妨げ、熱交換効率を悪化させるおそれがある。本発明は、上部熱交換空間の入口近傍に板状体を配設し、液滴や飛沫を含む熱媒体を衝突させ、大きな粒径の液滴や凝縮液を形成させた後、気相のみの熱媒体を第2熱交換器と接触させる構成とする。これによって、上部熱交換空間に設けられた第2熱交換器における気相の熱媒体と供給水との熱交換を非常に効率よく行なうとともに、第1熱交換器における液相の熱媒体と供給水との熱交換を非常に効率よく行なうことが可能となった。
本発明は、上記真空式温水器であって、前記本体ユニットが、前記燃焼室の下方に配設され、排ガス流通路と下部水管群または煙管群と下部排気部が備えられた対流室と、前記上部排気部と前記排ガス流通路とを接続する接続路と、を備えることを特徴とする。
既述のように、真空式温水器においては、燃焼排ガスの燃焼熱の効率的な回収が大きな課題になる。本発明は、燃焼熱の回収に際して、燃焼排ガスと回収に利用する熱媒体とを2段階の熱交換を行なうとともに、両流体を各段階において向流的に熱交換させることによって、非常に高い熱交換効率を得ることができることを見出した。つまり、本体ユニットにおいて、上方に燃焼室、下方に対流室を配設して上方から下方に燃焼排ガスを流通させることによって、上方の高温条件と下方の低温条件を形成するとともに、熱媒体を下方から上方に流通させて各段階において向流的に熱交換させることによって、非常に効率よく燃焼排ガスの燃焼熱を回収し、上方から気化させた熱媒体を取出すことを可能にした。熱交換ユニットにおける熱媒体による2段階の熱交換機能については、上記の通りである。以上のような構成によって、温水器に設けられた燃焼バーナから排出される燃焼排ガスの燃焼熱を、従前にない高い効率で回収して所望の加温水を供給することが可能になるとともに、排ガスエコノマイザーのような直接排ガスと温水を熱交換させる設備を設けなくても高い効率を確保することができることから、温水器内部の温度・圧力の上昇を防ぎ、さらに破裂した際の危険がない真空式温水器を提供することが可能となった。
本発明は、上記真空式温水器であって、前記本体ユニットにおいて、前記燃焼室と前記対流室の中間に、前記上部水管群と前記下部水管群または煙管群を接続する中間熱媒体室を備えたことを特徴とする。
上記のように、本発明に係る温水器の本体ユニットにおいては、2段階(於燃焼室と於対流室)の熱交換が、水管群あるいは煙管群によって行なわれる。このとき、燃焼室および対流室では、水管や煙管の位置によって水管群あるいは煙管群内の管同士の燃焼排ガスによる加熱状態に差が生じることがあり、燃焼室の水管から対流室水管あるいは煙管へ繋がった状態で、管内部を流通する熱媒体が連続的に流通すると、熱交換の効率バランスあるいは段階的な熱交換の形成に影響を与える可能性がある。本発明は、各段階での熱回収機能を明確に区分するとともに、一旦下方からの熱媒体を集合させることによって、熱媒体の温熱の均一化を図り、上方の燃焼室の水管群でのより効率的な熱回収を確保することが可能となった。
本発明に係る真空式温水器の基本構成例(第1構成例)の停止時の状態を示す全体構成図 本発明に係る真空式温水器の基本構成例(第1構成例)の稼動時の状態を示す全体構成図 本発明に係る真空式温水器の上部熱交換空間の形態を例示する全体構成図 本発明に係る真空式温水器の第2構成例を示す全体構成図 従来技術に係る真空式温水ボイラの概略を例示する全体構成図
本発明に係る真空式温水器(以下「本温水器」という)は、以下の本体ユニットと熱交換ユニットを有する。本体ユニットは、燃焼バーナと上部水管群と上部排気部が備えられた燃焼室と、燃焼室の上部に配設され、上部水管群と接続する減圧蒸気室と、燃焼室の下部に配設され、上部水管群と接続する下部熱媒体室と、を備え、熱交換ユニットは、減圧蒸気室と上部連通流路で連通し、気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部が配設される上部熱交換空間と、下部熱媒体室と下部連通流路で連通し、液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部が配設される下部熱交換空間が形成される。
ここで、停止時の液相の熱媒体の水位を基準水位とし、熱交換ユニット内部における、少なくとも基準水位よりも上方の上部熱交換空間の断面積が、上部水管群内部の総断面積よりも大きいこと、あるいは本体ユニットの基準水位よりも下部の上部水管群の内容積が、熱交換ユニットの基準水位よりも上部でかつ第2熱交換部よりも下部の内容積よりも小さいことを特徴とする。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<本温水器の基本構成例>
本温水器の1つの実施態様として、その基本構成の概略を図1(A),(B)および図2(A)〜(C)に示す(第1構成例)。図1(A)は、本温水器の停止時の状態を例示し、図1(B)は、そのときの熱交換ユニット20の断面を例示する。図2(A)は、本温水器の稼動時の状態を例示し、図2(B)は、そのときの熱交換ユニット20の断面を例示し、図2(C)は、そのときの燃焼室1のAA断面を例示する。本温水器は、本体ユニット10と熱交換ユニット20が上部連通流路Luおよび下部連通流路Lbで連通され、熱媒体が、本体ユニット10から上部連通流路Luを介して熱交換ユニット20へ移送され、熱交換ユニット20から下部連通流路Lbを介して本体ユニット10へ移送される。こうした熱媒体の循環的な動きによって、効率的な温熱移動を行うことができる。また、本体ユニット10は、温熱源であり、かつ1次的伝熱の場である燃焼室1、減圧蒸気室4および下部熱媒体室5を有し、熱交換ユニット20は、2次的伝熱の場であり、かつ温熱の放出端である第2熱交換部6、3次的伝熱の場である第1熱交換部7を有し、温熱移送の場である上部熱交換空間8と下部熱交換空間9を形成する。ここで、熱媒体は、通常市水等の水が利用される。
図1(A),(B)に示すように、本温水器の停止時においては、本体ユニット10内部および熱交換ユニット20内部の熱媒体は、基準水位Woで一定となる。本温水器の稼動に伴い、熱媒体は循環系を移送し、図2(A),(B)に示すように、上部水管群での沸騰による気液混合状態の形成、第2熱交換部6における凝縮液の発生と下部熱交換空間への滴下を伴い、熱交換ユニット20内部の熱媒体の水位が上昇し(稼動水位Wm)、本体ユニット10内部の熱媒体との間で水位差(Wd)が生じる。つまり、燃焼熱によって熱媒体の移送が始まり、流通経路において流通抵抗が発生することによって、水位差が生じる。反面、このように生じた水位差Wdによって、液相の熱媒体が、熱交換ユニット20から下部連通流路Lbを介して本体ユニット10に移送される。従って、本温水器における熱媒体の移送は、自然循環系を利用しているといえ、循環系を形成する熱媒体の移送量は、燃焼負荷率と本体ユニット10の水位によって規定され、本体ユニット10と熱交換ユニット20の水位差は、系全体の流通抵抗によって規定され、各ユニット10,20の水位は、この循環系を流通する熱媒体の移送量と流通抵抗がバランスする位置で安定する。
ここで、熱媒体の水位差の発生とその影響を検証する。本体ユニット10の上部水管群1bでは、熱媒体の沸騰によって気液混合状態が形成されるとともに、燃焼熱との熱交換効率を上げるために、上部水管群1bの水管として細管を用いることから、熱媒体の水管内の流通に伴い流通抵抗が生じる。また、こうした系全体の流通抵抗は、本体ユニット10−熱交換ユニット20間の熱媒体の循環に伴い、熱交換ユニット20内部での熱媒体の実質的な水位を基準水位Woよりも押し上げる圧力を発生させ、本来気相の熱媒体との熱交換を行う第2熱交換器6に対し、液相の熱媒体との接触の可能性を発生させる。これに対し、本温水器は、後述するように、熱交換ユニット20における上部熱交換空間8の(1)断面積Cあるいは(2)内容積Vを特定の条件に設定することによって、第2熱交換部6への水位の影響を低減することができる。
本温水器においては、燃焼器1において発生する温熱を、直接あるいは燃焼排ガスを介して熱媒体に吸熱させ、さらに熱媒体を介して供給水に吸熱させるという2段階の熱交換が行なわれる。最初の熱媒体への温熱の移送段階は、本体ユニット10において、向流的に熱交換が行なわれる。具体的には、燃焼室1での高温条件の熱交換が行われる。熱媒体から供給水への温熱の移送段階は、熱交換ユニット20において、向流的に2段階の熱交換が行なわれる。具体的には、上方に配設された第2熱交換部6での気相の熱媒体と供給水の高温条件の熱交換(潜熱の吸熱)と、下方に配設された第1熱交換部7での液相の熱媒体と供給水の低温条件の熱交換(顕熱の吸熱)が行われる。つまり、熱エネルギーの循環系を形成する熱媒体の相変化を伴う加温機能、熱媒体による燃焼排ガスおよび供給水との交流的な2段階の熱交換機能によって、燃焼熱を本温水器の熱源として最大限利用し、本温水器の熱効率を向上させることができる。
〔本体ユニット〕
本体ユニット10には、図2(A)および(C)に例示するように、燃焼バーナ1aと上部水管群1b(前段水管群1eと後段水管群1fからなる)と上部排気部1cが備えられた燃焼室1が設けられる。燃焼室1では、別途供給された燃料と燃焼空気(図示せず)の燃焼反応により火炎1dが発生し、熱エネルギーの放射が行われる。これらの熱エネルギーは、複数の水管が配設された上部水管群1b内を流通する熱媒体によって吸収される。つまり、燃焼排ガスの燃焼熱は、主として後段水管群1fを介して吸収され、火炎1dの放射熱エネルギーは、前段水管群1eを介して吸収される。このように、上部水管群1bを燃焼室1内に適切に配設することによって、効率よく吸熱させることができる。ここで、上部水管群1bを構成する水管は、循環系を流通する熱媒体の必要な移送量を得るために、定格負荷において水管出口部の蒸気流速が2〜6m/s程度になるように、水管の内径を設定することが好ましい。また、燃焼反応によって発生した燃焼排ガスは、減温されて(約150〜200℃)排気部1cから排気される。
減圧蒸気室4は、減圧条件(例えば−0.1MPa)に維持された空間が形成される。つまり、本体ユニット10および熱交換ユニット20において気相あるいは液相の熱媒体が充たされる空間は、例えば真空ポンプ等によって減圧され、熱媒体の常圧での沸点よりも低い温度で気相の熱媒体を形成することができように構成される。このとき、上記のように、燃焼室1で発生した燃焼熱の多くは、上部水管群1bからの熱媒体を介して、減圧蒸気室4内の気相の熱媒体に移行される。また、気相の熱媒体の温度は、上部水管群1bの内部温度と殆どバラツキがないことが確認されている。上部水管群1bの内部を含む熱媒体の対流効果によるものである。このように、減圧蒸気室4では、減圧条件における熱媒体の温度を通常80〜90℃に加熱した状態(減圧沸騰した状態)で維持され、上部連通流路Luを介して熱交換ユニット20へ移送される。
下部熱媒体室5は、下部連通流路Lbを介して熱交換ユニット20から還流される熱媒体を受け入れる。循環系を流通する熱媒体の移送量は、燃焼負荷率と上部水管群等1b内部の熱媒体の水位によって規定され、上部水管群等1b内部の熱媒体の水位と熱交換ユニット20内部の水位差は、循環系を流通する熱媒体の移送量と流通抵抗がバランスする位置で安定する。上部水管群等1b内部の熱媒体の水位は、沸騰状態で気液混合状態であればその平均的水位が相当すると推定される。燃焼負荷率が増加すれば、循環系を流通する熱媒体の移送量が増加し、該流通抵抗も増加するとともに、水位差も増加する。
〔熱交換ユニット〕
熱交換ユニット20は、第2熱交換部6が配設され、気相の熱媒体が存在する上部熱交換空間8と、第1熱交換部7が配設され、液相の熱媒体が存在する下部熱交換空間9が形成される。熱媒体の温熱の利用に際して、熱媒体と加温の対象となる供給水とを2段階の熱交換を行なうとともに、両流体を各段階において向流的に熱交換させることによって、熱媒体の潜熱のみならず顕熱まで吸熱することができ、非常に高い熱交換効率を得ることができることを見出した。つまり、上方から下方に本体ユニット10において加熱された高温の熱媒体を流通させるとともに、上方に第2熱交換部6、下方に第1熱交換部7を配設して低温の供給水を下方から上方に流通させて向流的に各熱交換部6,7において熱交換させる。第2熱交換部6において、供給水が熱媒体の潜熱を吸熱して加温される一方、熱媒体は給熱によって凝縮する。第1熱交換部7において、供給水が液相の熱媒体からの顕熱を吸熱して加温される一方、熱媒体は給熱によって低温化する。こうした構成によって、非常に効率よく熱媒体の温熱を回収し、上方の第2熱交換部6から高温の加温水を取出すことを可能にした。このとき、第2熱交換部7で生成した熱媒体の凝縮液が、滴下して下部熱交換空間9の液相の一部を形成するとともに、第1熱交換部7をその液層内に浸漬させることによって、効率的な熱媒体の顕熱の吸熱が可能となった。また、上部熱交換空間8は、液相の熱媒体の稼動水面Wmを確定し、維持する機能と同時に、本体ユニット10内の液相の熱媒体の液面との水位差による本体ユニット10への移送圧力の形成機能を有することによって、安定した熱媒体の循環系を形成することができる。
このとき、熱交換ユニット20の上部空間部8aにおける液相熱媒体の液面位置を正確に把握することが好ましい。本体ユニット10内の液相の熱媒体の液面を正確に測定することは困難であることから、熱交換ユニット20の液面位置を正確に把握することによって、水位差を正確に把握し、異常の有無を判断することができる。例えば、図2(A)に例示するように、上部空間部8aの上部に設けられた液面検知器Sによって検出することができる。液面検知器Sとしては、超音波式や電極式等を用いることができる。
具体的には、上部熱交換空間8に配設された第2熱交換部6において、高温(約80〜90℃)の気相の熱媒体と第2熱交換部6内部を流通する供給水(約40〜50℃)の高温条件の熱交換(潜熱の吸熱)が行なわれる。気相の熱媒体は、その潜熱を放出しながら第2熱交換部6の表面で凝縮し、液滴状の液相の熱媒体を形成する。凝縮した熱媒体は、所定の大きさに拡大した状態で、第2熱交換部6の上部から流下する熱媒体の流れに沿って下方の下部熱交換空間9へ落下し、貯留される。このとき、第2熱交換部6表面の液滴の残留は、第2熱交換部6の伝熱機能を阻害することから、上方から下部熱交換空間9への気相の熱媒体の流れによる液滴の落下を促進する機能は、第2熱交換部6の熱交換効率向上に対して有効である。
上部熱交換空間8には、本体ユニットが稼動する限りにおいて、常に気相の熱媒体が供給されることから、第2熱交換部6は、非常に安定な伝熱機能を有することができる。従って、供給水の吸熱機能も安定することから、非常に安定した温度の加温水を供給することができる。また、上部熱交換空間8は、第2熱交換部6において気相の熱媒体との熱交換が行なわれる範囲において、その形状・容積は問わない。第2熱交換部6において吸熱した供給水は、約70〜80℃に加温され、加温水として供出される。加温水は、給湯用や暖房用等の給温水等産業用の温水として使用される。また、供給水の供給量は、給水ポンプ(図示せず)による昇圧および絞り弁(図示せず)によって調整される。また供給水として使用する水は、通常市水等を用いることができる。
このとき、第2熱交換部6での高温気相の熱媒体と供給水との熱交換条件が、供出される最終の加温水の温度を決定することから重要な役割を担う。一方、第2熱交換部6表面への凝縮液の付着や凝縮液との接触は、第2熱交換部6での熱交換機能に大きな影響を与える。従って、本温水器は、第2熱交換部6が配設される上部熱交換空間8を、以下のような特有の条件によって構成していることを特徴とする。
(1)構成条件1(上部熱交換空間の断面積の設定)
図1(A)に例示する構成において、上部熱交換空間8の断面積Cを設定することによって、第2熱交換部6の熱交換機能を確保する。つまり、基準水位Woよりも上方の上部熱交換空間8の断面積Cを、上部水管群1b内部の総断面積よりも大きくすることを特徴とする。1つには、本体ユニット10内部での水位の低下によって生じる液相の熱媒体の変化量(減少量)は、概ね上部水管群1bの総断面積と低下水位の積で表される一方、これに伴う熱交換ユニット20内部での液相の熱媒体の変化量(増加量)は、上部熱交換空間8の断面積Cと上昇水位の積で表される。従って、上部熱交換空間の断面積Cを大きくし、上昇水位を抑えることすることによって、第2熱交換部6への水位の影響を低減することができる。
(2)構成条件2(上部熱交換空間の内容積の設定)
図1(A)に示す構成において、第2熱交換部6よりも下部の内容積Vを設定することによって、第2熱交換部6での熱交換機能を確保する。つまり、本体ユニット10の基準水位Woよりも下部の上部水管群1bの内容積が、熱交換ユニット20の基準水位Woよりも上部でかつ第2熱交換部6よりも下部の内容積Vよりも小さいことを特徴とする。前者は、本体ユニット10における水位の低下によって熱交換ユニット20に移送される熱媒体の最大容量に相当し、後者は、熱交換ユニット20における水位の上昇があっても第2熱交換部に影響を与えることがないよりも熱媒体の最大容積である。こうした構成によって、第2熱交換部6への水位の影響を吸収することができる。
ここで、上部熱交換空間8の構成について検証する。第2熱交換部6における気相の熱媒体と内部を流通する供給水との熱交換機能は、第2熱交換部6の周囲に高温で一定温度の気相の熱媒体の存在があれば、その上部の形状,容積は問わない。つまり、上部熱交換空間8は、上記のような気相の熱媒体の供給機能と水位の影響を吸収する機能があれば、基本的に、その上部の形状,容積は問わない。一方、上部熱交換空間8の容量は、その温度維持およびコンパクトな温水器の要請等から制限される。
こうした条件から、上部熱交換空間8は、図3(A)〜(F)に例示するような種々の断面形状を有する形態を適用することができる。なお、以下における断面あるいは立体形状の表示は、広く全体形状として概ね該形状であることをいい、部分的な変形のみならず全体的な変形についても、これを排除するものではない。
(a)図3(A)は、断面三角の上部熱交換空間8を示す。上部空間での熱媒体の比較的速い流れを生じさせ、かつ基準水位近傍の断面積Cを大きくするとともに、第2熱交換部6下部の内容積Vを確保することができる。合せて、上部熱交換空間8全体の空間容量を小さくすることができる。立体的には、三角錐状体あるいは三角柱状体を横に倒した形態等とすることができる。
(b)図3(B)は、断面三角の下方に方形を加えた上部熱交換空間8を示す。上記(a)の形態に、下方に方形(立体的には円柱状体や楕円柱状体あるいは直方体状体)を付加することによって、(a)の特徴に加え、かつ第2熱交換部6下部の内容積Vをさらに大きくすることができる。
(c)図3(C)は、断面逆三角の上方に方形を加えた上部熱交換空間8を示す。第2熱交換部6下部の内容積Vを確保するとともに、凝縮液の収集による迅速な稼動水位Wmの確定を図り、水位差を大きくして自然循環系における熱媒体の移送機能を高くすることができる。立体的には、上記(b)を上下逆にした形態等とすることができる。
(d)図3(D)は、三角と逆三角の組み合わせた断面形状を有する上部熱交換空間8を示す。上記(a)と(c)の形態を組み合わせることによって、両者の特徴を、その組み合わせた比率に応じて確保することができる。
(e)図3(E)は、断面水滴状体の上部熱交換空間8を示す。上記(d)の断面形状に曲率を付加することによって上部空間での熱媒体の比較的速い流れを生じさせ、かつ基準水位近傍の断面積Cを大きくするとともに、空間容量を小さくすることができる。立体的には、三角錐状体あるいは三角柱状体を横に倒した形態等とすることができる。
(f)図3(F)は、上部熱交換空間8の熱媒体の入口近傍に、上部連通流路Luの断面をカバーする大きさの板状体Pが配設された構成例を示す。本体ユニットの減圧蒸気室内における熱媒体は、上部連通流路を介して上部熱交換空間に移送され、第2熱交換器において供給水と熱交換し、凝縮・液化する。このとき、減圧蒸気室内における熱媒体は、気相成分を主とするものの、上部水管群内での沸騰状態によっては、小径の液滴や液相の飛沫が多く混在する可能性がある。こうした液滴や飛沫を含む熱媒体は、第2熱交換器における気相の熱媒体の凝縮を妨げ、熱交換効率を悪化させるおそれがある。本温水器においては、上部熱交換空間の入口近傍に板状体を配設し、液滴や飛沫を含む熱媒体を衝突させることによって、こうした液滴や飛沫をより大きな粒径の液滴や凝縮液を形成させた後、気相のみの熱媒体を第2熱交換器と接触させる構成とする。これによって、上部熱交換空間に設けられた第2熱交換器における気相の熱媒体と供給水との熱交換を非常に効率よく行なうことができる。また、液状熱媒体の形成が妨げられることないことから、気相のみならず、第1熱交換器における液相の熱媒体と供給水との熱交換を非常に効率よく行なうことができる。
下部熱交換空間9に設けられた第1熱交換部7において、液相の熱媒体(約80〜90℃)と第1熱交換部7内部を流通する供給水(入口温度約20〜30℃)の低温条件の熱交換(顕熱の吸熱)が行われる。下部熱交換空間9には、第2熱交換部6において凝縮した液相の熱媒体を含む循環系を流通する熱媒体が収集され、貯留される。貯留された液相の熱媒体は、下部連通流路Lbを介して本体ユニット10へ移送される。このとき、下部熱交換空間9は、液相の熱媒体の液面を確定し、維持する機能を有することによって、安定した熱媒体の循環系を形成することができる。
熱媒体の液層内に浸漬させる第1熱交換部7については、熱交換効率の高い種々の形態の熱交換器を使用することができる。第2熱交換部6については、熱交換効率が高いことに加え、気相の熱媒体が凝縮しやすい表面を有し、発生した液滴の迅速な凝集が可能で、凝縮液を迅速に落下させることができる構成が要求される一方、液層内の第1熱交換部7には、熱交換効率の高さを最優先とする構成を選択することができる。具体的には、U字形状の熱交換器のみならず、フィン付水管を用いた熱交換器やプレート式熱交換器等を適用することができる。
<本温水器の第2構成例>
ここで、本体ユニット10が、図4(A),(B)に例示するように、燃焼室1の下方に配設され、排ガス流通路2aと下部水管群または煙管群(以下「下部水管群等」という)2bと下部排気部2cが備えられた対流室2と、上部排気部1cと排ガス流通路2aとを接続する接続路3と、を備えることが好ましい(第2構成例)。燃焼器1において発生する燃焼熱を、直接あるいは燃焼排ガスを介して熱媒体に吸熱させる最初の熱媒体への温熱の移送段階において、本体ユニット10において、向流的に2段階の熱交換が行なわれることによって、非常に高い燃焼熱の回収が可能となる。具体的には、上方に配設された燃焼室1での高温条件の熱交換と、下方に配設された対流室2での低温条件の熱交換が行われる。
〔本体ユニット〕
本体ユニット10には、図4(A)に例示するように、燃焼室1の下方に対流室2が設けられる。燃焼室1における機能は、第1構成例と同様である(以下、重複する説明を省略することがある)。燃焼室1において発生した燃焼熱は、複数の水管が配設された上部水管群1b内を流通する熱媒体によって、効率よく吸熱させることができる。燃焼反応によって発生した燃焼排ガスは、減温されて(約150〜200℃)排気部1cから排気され、断熱処理が施された接続路3を介して対流室2に給送される。
対流室2には、排ガス流通路2aと下部水管群等2bと下部排気部2cが備えられる。接続路3を介して対流室2に給送された燃焼排ガスの燃焼熱は、燃焼排ガスが排ガス流通路2aを流通する間に、複数の水管が配設された下部水管群等2b内を流通する熱媒体によって吸収されるとともに、対流室2を囲むように隣接した熱媒体(下部熱媒体室5内や上部水管群1b内部、あるいは後述する中間熱媒体室内の熱媒体)によって吸収される。また、下部水管群等2bに用いる水管あるいは煙管(以下「水管等」という)は、外周にフィンを配した中空菅を用いることが好ましい。フィンの伝熱面積を確保することができ、熱交換効率のさらなる向上を図ることができる。従って、排ガス流通路2aを流通する燃焼排ガスは、効率よく吸熱された状態(約70〜80℃)で、下部排気部2cを介して対流室2から排出される。このように、燃焼室1および対流室2において、それぞれ異なる機能を有する2段階の熱交換によって、燃焼熱を非常に効率よく熱媒体に吸熱させることができる。
下部熱媒体室5は、下部連通流路Lbを介して熱交換ユニット20から還流される熱媒体を受け入れるとともに、対流室2との隔壁を介して排ガス流通路2a内の燃焼排ガスの燃焼熱を吸収する。下部熱媒体室5に受け入れられた熱媒体は、対流室2の下部水管群等2bへ移送される。
ここで、燃焼室1と対流室2の中間に、上部水管群1bと下部水管群等2bを接続する中間熱媒体室2dを備えることが好ましい。燃焼室1と対流室2での2段階熱交換が、主として上部水管群1bと下部水管群等2bによって行なわれる。このとき、これらの水管等の位置によって燃焼熱の吸熱条件に差が生じることがあり、上部水管群1b内部と下部水管群等2b内部を熱媒体が連続的に流通するように水管等を接続すると、水管同士あるいは水管等同士での差が、そのまま熱交換の効率バランスあるいは段階的な熱交換の形成に影響を与える可能性がある。中間熱媒体室Sを備え、各段階での熱回収機能を明確に区分するとともに、一旦下方からの熱媒体を集合させることによって、熱媒体の温熱の均一化を図り、上方の燃焼室1の上部水管群1bでのより効率的な熱回収を確保することできる。
10 本体ユニット
20 熱交換ユニット
1 燃焼室
1a 燃焼バーナ
1b 上部水管群
1c 上部排気部
1d 火炎
1e 前段水管群
1f 後段水管群
2 対流室
2a 排ガス流通路
2b 下部水管群等
2c 下部排気部
2d 中間熱媒体室
3 接続路
4 減圧蒸気室
5 下部熱媒体室
6 第2熱交換部
7 第1熱交換部
8 上部熱交換空間
8a 上部空間部
9 下部熱交換空間
S 液面検知器
Lu 上部連通流路
Lb 下部連通流路

Claims (5)

  1. 燃焼バーナと上部水管群と上部排気部が備えられた燃焼室と、該燃焼室の上部に配設され、前記上部水管群と接続する減圧蒸気室と、前記燃焼室の下部に配設され、前記上部水管群と接続する下部熱媒体室と、を備えた本体ユニットと、
    前記減圧蒸気室と上部連通流路で連通し、気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部が配設される上部熱交換空間と、前記下部熱媒体室と下部連通流路で連通し、液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部が配設される下部熱交換空間が形成される熱交換ユニットと、を有し、
    停止時の液相の熱媒体の水位を基準水位とし、前記熱交換ユニット内部における、少なくとも基準水位よりも上方の前記上部熱交換空間の断面積が、前記上部水管群内部の総断面積よりも大きいことを特徴とする真空式温水器。
  2. 燃焼バーナと上部水管群と上部排気部が備えられた燃焼室と、該燃焼室の上部に配設され、前記上部水管群と接続する減圧蒸気室と、前記燃焼室の下部に配設され、前記上部水管群と接続する下部熱媒体室と、を備えた本体ユニットと、
    前記減圧蒸気室と上部連通流路で連通し、気相の熱媒体が充たされ、第2熱交換部が配設される上部熱交換空間と、前記下部熱媒体室と下部連通流路で連通し、液相の熱媒体が充たされ、第1熱交換部が配設される下部熱交換空間が形成される熱交換ユニットと、を有し、
    停止時の液相の熱媒体の水位を基準水位とし、前記本体ユニットの基準水位よりも下部の前記上部水管群の内容積が、前記熱交換ユニットの基準水位よりも上部でかつ前記第2熱交換部よりも下部の内容積よりも小さいことを特徴とする真空式温水器。
  3. 前記上部連通流路から移送される熱媒体の前記上部熱交換空間の入口近傍に、前記上部連通流路断面をカバーする大きさの板状体が配設されることを特徴とする請求項1または2記載の真空式温水器。
  4. 前記本体ユニットが、前記燃焼室の下方に配設され、排ガス流通路と下部水管群または煙管群と下部排気部が備えられた対流室と、前記上部排気部と前記排ガス流通路とを接続する接続路と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空式温水器。
  5. 前記本体ユニットにおいて、前記燃焼室と前記対流室の中間に、前記上部水管群と前記下部水管群または煙管群を接続する中間熱媒体室を備えたことを特徴とする請求項4記載の真空式温水器。
JP2011033560A 2011-02-18 2011-02-18 真空式温水器 Active JP5580224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011033560A JP5580224B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 真空式温水器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011033560A JP5580224B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 真空式温水器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012172872A true JP2012172872A (ja) 2012-09-10
JP5580224B2 JP5580224B2 (ja) 2014-08-27

Family

ID=46975946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011033560A Active JP5580224B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 真空式温水器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5580224B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111569628A (zh) * 2020-05-09 2020-08-25 苏州乔发环保科技股份有限公司 一种蓄热式烟气处理装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110630997B (zh) * 2019-09-05 2021-04-13 中油锐思技术开发有限责任公司 发生器及其控制方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5899638A (ja) * 1981-12-10 1983-06-14 Miura Co Ltd 温水発生装置
JPS6389547U (ja) * 1986-12-01 1988-06-10
JPH04158102A (ja) * 1990-10-22 1992-06-01 Takuma Co Ltd 減圧式ボイラ
JPH0649468A (ja) * 1992-07-30 1994-02-22 Tokyo Gas Co Ltd 減圧ボイラ式気化器
JPH08200816A (ja) * 1995-01-26 1996-08-06 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 都市ガス用ラインヒータ
JP2006266627A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Takuma Co Ltd 温水・蒸気兼用型熱交換器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5899638A (ja) * 1981-12-10 1983-06-14 Miura Co Ltd 温水発生装置
JPS6389547U (ja) * 1986-12-01 1988-06-10
JPH04158102A (ja) * 1990-10-22 1992-06-01 Takuma Co Ltd 減圧式ボイラ
JPH0649468A (ja) * 1992-07-30 1994-02-22 Tokyo Gas Co Ltd 減圧ボイラ式気化器
JPH08200816A (ja) * 1995-01-26 1996-08-06 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 都市ガス用ラインヒータ
JP2006266627A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Takuma Co Ltd 温水・蒸気兼用型熱交換器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111569628A (zh) * 2020-05-09 2020-08-25 苏州乔发环保科技股份有限公司 一种蓄热式烟气处理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5580224B2 (ja) 2014-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1807848B (zh) 双流体蒸汽式双发电装置
JP2011011202A (ja) 相変化媒体を利用した蒸発式海水淡水化装置
JP5580225B2 (ja) 真空式温水器
JP5244230B2 (ja) 吸収器と、吸収装置のための吸収器−蒸発器アセンブリと、前記吸収器と吸収器−蒸発器アセンブリを組み込んだ臭化リチウム−水吸収装置
JP5604267B2 (ja) 真空式温水機排ガスの熱回収装置およびこれを用いた熱回収方法
CN103884100A (zh) 真空热水锅炉
KR101739442B1 (ko) 현열과 잠열을 이용한 진공식 온수보일러
KR20120108205A (ko) 진공 보일러
CN203797950U (zh) 一体式中心回燃冷凝真空热水锅炉
JP5722594B2 (ja) 真空式温水機排ガスの熱回収装置およびこれを用いた熱回収方法
JP5580224B2 (ja) 真空式温水器
JP5710453B2 (ja) 真空式温水機排ガスの熱回収装置およびこれを用いた熱回収方法
CN207555643U (zh) 一种双层螺旋盘管膜式壁炉膛及其炉体、供热装置
CN101975525B (zh) 一种用于太阳能热水器高温控制的分离式热管装置
JP5653861B2 (ja) 温水器
CN102072681B (zh) 用于热泵热水器的热管式换热器
CN203797949U (zh) 一体式膜式壁冷凝真空热水锅炉
WO2021002231A1 (ja) 液化天然ガス気化器及び冷水供給方法
CN204963193U (zh) 热泵热水装置
CN203116073U (zh) 一种高效回收烟气余热加热锅炉助燃空气的装置
CN106870041B (zh) 利用火炬余热的发电系统
CN101285571B (zh) 汽水循环与重力热管双作用加热器
CN106369825A (zh) 一种燃气热水器及余热回收方法
CN103776007B (zh) 一种闪蒸产蒸汽的多腔式热交换节能供热装置
RU2375660C2 (ru) Теплоутилизатор

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5580224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250