JP2012170409A - 16α位水酸化ステロイド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物に作用させてステロイド骨格D環の16α位に水酸基を導入する16α位が水酸化されたステロイド化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
研究を行う対象として、すでにゲノム情報が公開されている、放線菌 ストレプトマイセス グリセウス (Streptomyces griseus) NBRC 13350株由来の 27個のP450遺伝子を取得した。そして、これらのP450遺伝子の機能解析を、pREDベクター(図1、特許文献1、非特許文献13および非特許文献14)を用いて行った。
(i) CYP154に属するタンパク質またはこれを含む人工の融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物に作用させることにより、このステロイド化合物のD環16α位に位置選択的、かつ立体選択的に水酸基を効率的に導入できる。
(ii) 上記の反応は、例えば、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質と、必要に応じて(特に前者の場合)CYP154に属するタンパク質に電子を伝達するタンパク質(電子伝達タンパク質;レドックスパートナータンパク質)とを共に発現する組換えベクターを導入した形質転換体をステロイド化合物に作用させることにより行うことができるが、従来のpREDベクターにCYP154に属するタンパク質をコードする遺伝子を挿入した組換えベクターで大腸菌(エシェリキア・コリ)を形質転換した形質転換体を用いれば、水酸基導入反応が進行し易い。
(iii) 上記の反応は、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質を発現する大腸菌等の生きた細胞を用いて行うことができるので、高価なNADPHまたはNADHの添加が不要で、また、反応の際に酵素を精製して使用する必要がなく、しかも反応後は遠心分離等により菌体を容易に除去することができることから、生成物の精製も容易である。このため、目的化合物を酵素法で安価で簡便に、しかも大量に製造することができる。
項1. シトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物に作用させてステロイド骨格のD環16α位に水酸基を導入することを特徴とする16α位が水酸化されたステロイド化合物の製造方法。
項2. CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体と、置換基を有するステロイド化合物とを共存させることにより、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質を、該置換基を有するステロイド化合物に作用させる項1に記載の製造方法。
項3. 置換基を有するステロイド化合物が、下記一般式(1)
(A)R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基、アセトキシ基またはオキソ基であり、
R3は、水酸基、アセチル基、ヒドロキシメチルカルボニル基、アセトキシメチルカルボニル基、2-ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基またはヒドロキシメチルカルボニル基であり、
R4は、水素またはメチル基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である、または、
(B)R3およびR4が一緒になってオキソ基であり、
R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基またはオキソ基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である)で表されるステロイド化合物であることを特徴とする項1または2に記載の製造方法。
項4. CYP154に属するタンパク質が以下の(a)または(b)である項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸配列が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチド
項5. 融合型タンパク質が、CYP154に属するタンパク質と電子伝達タンパク質との融合型タンパク質である、項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 融合型タンパク質が、CYP154に属するタンパク質と、電子伝達タンパク質であるロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼP450RhFに含まれる還元酵素ペプチドまたはそれと同等の機能を有する還元酵素ペプチドとの融合型タンパク質である、項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 電子伝達タンパク質が以下の(c)または(d)のポリペプチドである項5または6に記載の製造方法。
(c) 配列番号2記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(d) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列からなり、かつ還元酵素活性を有するポリペプチド
項8. 形質転換体が、CYP154に属するタンパク質をコードする以下の(e)〜(g)のいずれかのDNAの3’末端側に、リンカーを介して、還元酵素ペプチドをコードする以下の(h)〜(j)のいずれかのDNAを連結した融合型タンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌ベクターに挿入した組換えプラスミドを大腸菌に導入してなるものである項2〜7のいずれかに記載の製造方法。
(e) 配列番号3の塩基配列からなるDNA
(f) 配列番号3のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチドをコードするDNA
(g) 配列番号1のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸配列が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチドをコードするDNA
(h) 配列番号4の塩基配列からなるDNA
(i) 配列番号4のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ還元酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(j) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列からなり、かつ還元酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
本明細書中、シトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質を、CYP154に属するタンパク質という。
本発明の16α位が水酸化されたステロイド化合物の製造方法は、シトクロムP450の1ファミリーであるCYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物原料(基質)に作用させて、置換基を有するステロイド化合物の酸化物を製造する方法である。より具体的には、本発明の16α位が水酸化されたステロイド化合物の製造方法においては、シトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物に作用させてステロイド骨格のD環16α位に水酸基を導入する。これにより、16α位が水酸化されたステロイド化合物を製造する。本発明の製造方法における原料(基質)には、種々の置換基を有するステロイド化合物を用いることができる。
本発明の製造方法において原料として用いられる置換基を有するステロイド化合物は特に限定されないが、ステロイド骨格(シクロペンタヒドロフェナントレン骨格)の16位に置換基を有さないものが好ましい。
(A)R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基、アセトキシ基またはオキソ基であり、
R3は、水酸基、アセチル基、ヒドロキシメチルカルボニル基、アセトキシメチルカルボニル基、2-ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基またはヒドロキシメチルカルボニル基であり、
R4は、水素またはメチル基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である。
R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基またはオキソ基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である。
R1は、水酸基、またはオキソ基であることが好ましい。R2は、水素、水酸基、またはオキソ基であることが好ましい。R3は、水酸基、アセチル基、ヒドロキシメチルカルボニル基、アセトキシメチルカルボニル基、またはヒドロキシメチルカルボニル基であることが好ましい。R4は、水素、またはメチル基であることが好ましい。R5は、メチル基であることが好ましい。R6は、メチル基であることが好ましい。−A−A’−は、−CH2-CH2−、または−CH=CH−であることが好ましい。−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、または−CH=C−CH2−であることが好ましい。
R1は、水酸基、またはオキソ基であることが好ましい。R2は、水素、またはオキソ基であることが好ましい。R5は、メチル基であることが好ましい。R6は、メチル基であることが好ましい。−A−A’−は、−CH2-CH2−、または−CH=CH−であることが好ましい。−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、または−CH=C−CH2−であることが好ましい。
置換基を有するステロイド化合物のステロイド骨格D環の16α位に水酸基を導入するとは、ステロイド化合物を構成するD環の16α位の炭素原子に直接水酸基を導入することを意味する。
本発明の製造方法におけるバイオコンバージョン反応(以下、「反応」と略称することがある。)は、適当な溶液または溶媒中で、基質(原料化合物)とCYP154に属するタンパク質(以下、「CYP154タンパク質」と略称することがある。)またはこれを含む融合型タンパク質を、必要に応じてレドックス(redox;酸化還元)パートナータンパク質(電子伝達タンパク質)と共に反応させることにより行うことが好ましい。電子伝達タンパク質としては、フェレドキシンレダクターゼおよびフェレドキシンが好ましい。CYP154タンパク質は、生物材料から単離して用いることもできる。単離したCYP154タンパク質としては、菌体のような生物材料の破砕物、抽出物、精製物などが挙げられる。単離したCYP154は適当な担体に固定化されたものであってもよい。この場合、酸化反応を触媒する電子伝達タンパク質であるフェレドキシンレダクターゼおよびフェレドキシンを、反応系に共存させることが好ましい。なお、CYP154タンパク質と、P450RhF(ロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼ)の還元酵素末端のような電子伝達タンパク質とが融合したタンパク質(融合型タンパク質)を基質と反応させる場合は、別途フェレドキシンレダクターゼやフェレドキシンと共存させる必要は無い。CYP154タンパク質と電子伝達タンパク質とを共に反応させることにより、CYP154タンパク質はモノオキシゲナーゼとしてより効率よく機能する。
以下、CYP154タンパク質を生産する細胞を用いた方法について説明する。なお、以下では例としてCYP154タンパク質を生産する細胞を用いた方法を説明するが、CYP154タンパク質を含む融合型タンパク質を生産する細胞を用いる場合も、同様である。
反応は、回分反応や流加(半回分)反応などのバッチ方式;灌流反応などの連続反応方式のいずれでも行い得る。基質は一括、または連続的に添加し得る。
バイオコンンバージョン反応で生じた16α位に水酸基を有するステロイド化合物は、常法により精製され得る。例えば、必要に応じ遠心分離、濾過等の処理を施して菌体等の懸濁物を除去し、次いで一般的な抽出溶剤、例えば酢酸エチル、クロロホルム、メタノール等の有機溶剤で抽出する。次いで、有機溶剤を減圧下で除去し、そして減圧蒸留、クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、または吸着性樹脂等の処理を行うことにより精製され得る。
本発明におけるシトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質は、モノオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質である。好ましくは、本発明におけるCYP154に属するタンパク質は、ステロイド骨格のD環16α位に選択的に一酸素原子を添加するモノオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質である。
前記CYP154に属するタンパク質としては、例えば、ストレプトマイセス(Streptomyces) 属、ノカルディア(Nocardia)属、サーモビフィーダ(Thermobifida)属、ノカルディオプシス(Nocardiopsis)属等に属する細菌が生産するCYP154タンパク質が挙げられる。
すなわちCYP154タンパク質を含む融合型タンパク質としては、CYP154タンパク質と、電子伝達タンパク質であるロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼP450RhFに含まれる還元酵素ペプチド(ドメイン)またはそれと同等の還元酵素活性を有するペプチドとの融合型タンパク質が好ましい。ロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼP450RhFに含まれる還元酵素ペプチド(ドメイン)は、(c)配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。本発明においては、また、ロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼP450RhFに含まれる還元酵素ペプチドと同等の還元酵素活性を有するペプチドとして、(d)配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列からなり、かつ還元酵素活性を有するポリペプチドも好ましく用いることができる。ポリペプチドが還元酵素活性を有することは、基質が知られた既知のP450と該ポリペプチドの融合型タンパク質を作り、実際に反応生成物が生じるかどうかを確かめることで確認することができる。
CYP154タンパク質またはそれを含む融合型タンパク質を生産する細胞は、これらをコードするDNAを含む組換えベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体であることが好ましい。すなわち本発明においては、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体と置換基を有するステロイド化合物とを共存させることにより、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質を、該置換基を有するステロイド化合物に作用させることが好ましい。このようにCYP154タンパク質を高発現する形質転換体を用いることにより、効率よく反応を行うことができる。
配列番号3の塩基配列は、配列番号1のポリペプチドをコードするDNA配列であり、配列番号4の塩基配列は、配列番号2のポリペプチドをコードするDNA配列である。
本発明における形質転換体は、CYP154タンパク質と、電子伝達タンパク質との融合型タンパク質をコードする遺伝子を導入したものであることが好ましい。形質転換体は、CYP154タンパク質をコードする上記(e)〜(g)のいずれかのDNAの3’末端側に、リンカーを介して、還元酵素ペプチドをコードする上記(h)〜(j)のいずれかのDNAを連結した融合型タンパク質をコードする遺伝子を、上述したベクターに挿入した組換えプラスミドを宿主に導入してなるものであることがより好ましい。CYP154タンパク質をコードする遺伝子は、より好ましくは上記(e)の遺伝子である。還元酵素ペプチドをコードする遺伝子は、より好ましくは上記(h)の遺伝子である。また、好ましい態様においては、CYP154に属するタンパク質をコードする上記(e)〜(g)のいずれかのDNAの3’末端側に、リンカーを介して、還元酵素ペプチドをコードする上記(h)〜(j)のいずれかのDNAを連結した融合型タンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌ベクターに挿入した組換えプラスミドを大腸菌に導入してなる形質転換体を用いる。
組換えプラスミドとしては、上記(e)〜(g)のいずれかのDNAの3’末端側に、リンカーを介して、還元酵素ペプチドをコードする上記(h)〜(j)のいずれかのDNAを連結した融合型タンパク質発現カセットを、T7プロモーターとpET系ベクターの翻訳シグナルを利用するようにpET系ベクターに挿入した組換えベクターが特に好ましい。
該大腸菌形質転換体において、導入した遺伝子の誘導発現を行う場合には、通常、菌体濃度を高めた後、IPTG等を添加して誘導発現を行うことが好ましい。また、大腸菌を宿主として、ヘムタンパク質であるP450、具体的にはCYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質を誘導発現する場合には、5−アミノレブリン酸(5-Aminolevulinic Acid)および塩化鉄(II)(FeCl2)、硫酸鉄(II)(FeSO4)、硫酸アンモニウム鉄(Fe(NH4)2(SO4)2)などの2価の鉄の塩を各々終濃度10〜300 mM程度にて培地又は反応液に添加することが好ましい。誘導発現は、基質存在下での培養と同時に行ってもよい。
(1)ストレプトマイセス属由来P450の系統樹解析
ゲノム配列情報が公開されている5種のストレプトマイセス属 Streptomyces avermitilis (http://www.ls.kitasato-u.ac.jp/)、 Streptomyces griseus (http://streptomyces.nih.go.jp/griseus/)、 Streptomyces coelicolor A3(2) (http://www.sanger.ac.uk/resources/downloads/bacteria/streptomyces-coelicolor.html、Streptomyces scabiei (http://www.sanger.ac.uk/resources/downloads/bacteria/streptomyces-scabies.html、 Streptomyces bingchenggensis BCW-1 (http://gib.genes.nig.ac.jp/single/main.php?spid=Sbin_BCW1)のゲノムに存在するP450遺伝子のアミノ酸配列情報を検索および収集した。得られたアミノ酸配列情報について、Blast (http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を使用して相同性検索し、それぞれのCYP154をサブファミリーに分類した。
P450 Engineering Database (http://www.cyped.uni-stuttgart.de/)から公開されている以下の細菌のゲノムに存在するCYP154のアミノ酸配列情報を検索および収集した。得られたアミノ酸配列情報について、Blast (http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を使用して相同性検索した。
Streptomyces albus J1074
Streptomyces roseosporus NPRL 15998
Streptomyces flavogriseus ATCC 33331
Streptomyces sp. Mg1
Streptomyces ghanaensis ATCC 14672
Streptomyces griseoflavus Tu4000
Streptomyces sp. e14
Streptomyces coelicolor A3(2)
Streptomyces lividans TK24
Streptomyces ambofaciens ATCC 23877
Streptomyces avermitilis MA-4680
Nocardia farcinica IFM 10152
Streptomyces hygroscopicus ATCC 53653
Nocardiopsis dassonvillei DSM 43111
Thermobifida fusca YX
Catenulispora acidiphila DMS 44928
Streptomyces clavuligerus ATCC 27064
Streptomyces violaceusniger Tu 4113
Streptomyces hygroscopicus ATCC 53653
Streptomyces bingchenggensis BCW-1
Streptomyces flaveolus FJ 809786
Thermomonospora curvata DSM 43183
Streptomyces ghanaensis ATCC 14672
Frankia sp. EUN1f
Streptomyces viridochromogenes DSM 40736
Streptomyces scabiei 87.22
Streptomyces pristinaespiralis ATCC25486
Streptomyces fradiae AF 145049
Streptomyces rishinensis EU 147298
Streptomyces rochei pSLA2-L
Streptomyces tsukubaensis GU 067679
Streptomyces peucetius ATCC 27952
Streptomyces roseum DSM 43021
Salinispora tropica CNB-440
Salinispora arenicola CNS-205
ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株由来のCYP154遺伝子の大腸菌での機能発現用プラスミドの作製
次に、ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株由来のCYP154遺伝子の機能発現用プラスミドpRED-CYP154の作製を行った。
本発明者らは、上記でも述べたように大腸菌でのP450遺伝子の機能発現系を構築した(特許文献1および非特許文献13)。本研究で機能解析を実施するストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株由来のCYP154遺伝子の機能発現解析に、このpREDベクターを利用した。
塩基配列の確認の為に、α相補性を利用した青白選抜が可能である大腸菌用プラスミドベクターpHSG396(クロラムフェニコール耐性;TaKaRa Bio 社製)を材料として用いた。その後のP450遺伝子のサブクローニング操作が容易となるように、マルチクローニング部位を新たに付与し、汎用性を高めたpHSG396NMSベクターを構築した。その後、このpHSG396NMSに、ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株のゲノムからPCR法により増幅したCYP154遺伝子(終止コドンは除いている)を挿入し、pHSG396NMS-CYP154プラスミドを作製し、CYP154遺伝子の塩基配列の確認を行った。pHSG396NMSに連結(挿入)したCYP154遺伝子の塩基配列は、配列番号3で示される塩基配列から終始コドン(TAG)を除去したもの(1,251 bp)である。また、開始コドンのGTGを大腸菌で利用されやすい開始コドンであるATGへ改変した。
pHSG396プラスミドベクター(TakaraBio社製)をHindIIIとHincIIとで二重消化した後、アガロース電気泳動をかけてDNA断片をゲルから切り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いてゲル抽出を行った(2,218 bp)。次にHindIII-NdeI-NotI-MfeI(MunI)-SpeI-HincII部位を持つようにデザインした合成DNAを二重鎖になるようにアニーリングしたもの(0.5 μg)(配列は図4に示す)をHindIII-HincII切断したpHSG396ベクター(0.2 μg)と混合し、Ligation high溶液(東洋紡社製)と1:1の量比で混合し、16℃、45分間のライゲーション反応を行い、合成二本鎖DNAをpHSG396ベクターに連結した。その後、氷水中で大腸菌コンピテントセル(ECOS Competent E. coli DH5α(ニッポンジーン社製))にライゲーション反応液を1/10量混合し、5分間氷水中で放置した後、42℃、45秒間処理することで形質転換した。次に、SOC培地 (2% トリプトン、0.5% yeast extract、10 mM NaCl、2.5 mM KCl、10 mM MgCl2、10 mM MgSO4、20 mM グルコース)を菌体溶液の2倍量加え、37℃、30分間インキュベートした。その後、30 μg/mlのクロラムフェニコールを含み、30 μlの100 mM IPTG(イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド)と30 μlの20%のX-Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)-DMSO (Dimethyl sulfoxide)溶液を塗布したLB培地プレート (1% Bacto-tryptone、0.5% Bacto-yeast extract、1% NaCl、0.02% 5 N NaOH、1.5%アガロース)にインキュベートした菌体溶液を塗布し、37℃で16時間培養した。16時間の培養後、プラスミドを抽出するために、白色コロニーを採り、クロラムフェニコールを30 μg/ml含むLB培地 (1% Bacto-tryptone、0.5% Bacto-yeast extract、1% NaCl、0.02% 5 N NaOH)へ移植し、37℃で16時間、170 rpm (恒温振盪培養器)の条件下、振盪培養した。培養した形質転換大腸菌から、QIAprep Spin Miniprep Kit (QIAGEN社製)を用いてプラスミドの抽出を行った。抽出したプラスミドを、マルチクローニングサイトの外側の塩基配列から設計したプライマーを使用し、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit (Applied Biosystems 社製)を用いてシークエンス反応に供した。シークエンス反応条件は、1 μlのReady reaction premix、3.5 μlの5×BigDye sequencing Buffer、プライマー (3.5 μlのフォワードプライマー:pHSG396NMS-Fo (1μmol/μl)もしくは、3.5 μlのリバースプライマー:pHSG396NMS-Rv (1 μmol/μl))、200 ngのプラスミドDNA、および滅菌蒸留水を20 μlとなるように混合し、シークエンス反応として96℃で1分間加熱した後、96℃で10秒間、50℃で5 秒間、および60℃で4分間を30サイクル行った。その後、model 3730 DNA analyzer (Applied Biosystems 社製)を使用して、インサートの塩基配列を確認し、P450遺伝子の塩基配列確認用プラスミドをpHSG396NMS (2,347 bp)とした。
シークエンス確認に使用したプライマーの塩基配列は以下の通りである。
pHSG396NMS-Fo : 5’- AGTCACGACGTTGTA -3’(配列番号6)
pHSG396NMS-Rv : 5’- CAGGAAACAGCTATGAC -3’(配列番号7)
前述のpHSG396に挿入したHindIII-NdeI-NotI-MfeI(MunI)-SpeI-HincIIの合成二本鎖DNAは、図4に示す通りである。構築したpHSG396NMSの塩基配列を、配列番号8に示す。なお、図4の上段に示される配列は、配列番号8の塩基配列中、1187番目〜1219番目に挿入されていた。
<ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株のゲノムDNAの抽出>
ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株菌体(約1 g)に300 μlのSTE Buffer(100 mM NaCl、10 mM Tris・HCl (pH8.0)、1 mM EDTA (pH8.0))を加え、懸濁後、4℃、15分間、8,000 rpm遠心分離し、上清を除いた。菌体を300 μlのSTE Bufferに再懸濁し、68℃、15分間のインキュベートにより、DNaseを失活させた。4℃、15分間、8,000 rpm遠心分離し、上清を除いた。菌体にリゾチームを終濃度5 mg/ml、および60 μlのRNase A (10 mg/ml)を加えた600 μlの溶菌 Buffer(50 mM グルコース、25 mM Tris・HCl (pH8.0)、10 mM EDTA (pH8.0))を加え、再懸濁し、37℃、30分間保温した。12 μlのProteinase K (20 mg/ml) (TaKaRa Bio 社製)を加え、混和後、さらに37℃で10分間保温した。6 mgのN-Lauroylsarcosine・Naを加え、混和後、37℃、16時間保温し、菌体を溶菌させた。600 μlのフェノール/クロロホルム(TE Buffer (10 mM Tris・HCl (pH8.0)、1 mM EDTA (pH8.0))飽和フェノール:(クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1)=1:1)を加え、5分間混和後、10℃、15分間、9,000 rpm遠心分離した。上層を回収し、400 μlのフェノール/クロロホルムを加え、5分間混和後、10℃、15 分間、9,000 rpm遠心分離した。再度、上層を回収し、400 μlのフェノール/クロロホルムを加え、5分間混和後、10℃、15 分間、9,000 rpm遠心分離した。上層を回収し、1/10量の3 M酢酸ナトリウム、1/10量の125 mM EDTA、および3倍量の100%エタノールを加え、4℃、20分間、10,000 rpm遠心分離し、上清を除いた。70%エタノールを500 μl加え、4℃、10分間、10,000 rpm遠心分離し、上清をよく除いた。200 μlのTE Bufferを加え、沈殿したゲノムDNAを4℃で24時間溶解させた。
pHSG396NMSプラスミドベクターを、制限酵素NdeIとEcoRIとで37℃、4時間、2重消化した。その後、1.5%アガロース電気泳動を行い、NdeIとEcoRIとで切断されたpHSG396NMSを切り出し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いてゲル抽出を行った。このDNAをベクターDNAとした。
前述のプライマーの塩基配列は以下の通りである。
SGR1085_F: 5’-TACCATATGAACTGCCCGCACACTGC-3’(配列番号9)
SGR1085_R: 5’-TACGAATTCTCAGCCCAGGAGGACCG-3’(配列番号10)
CYP154のアミノ酸配列 (417アミノ酸)を、配列番号1に示す。
pREDベクター(配列番号11)を制限酵素NdeIとEcoRIとで37℃、3時間、2重消化した。処理後は、0.8%アガロース電気泳動を行い、バンドを切り出し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いてゲル抽出を行った。これを酵素機能発現用ベクターDNAとした。プラスミドpHSG396NMS-CYP154を制限酵素NdeIとEcoRIとで37℃、3時間、2重消化した。制限酵素処理後、0.8% アガロース電気泳動に供し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いてゲル抽出を行った。これをインサートDNAとした。次いで、ベクターDNAとインサートDNAとをモル比で3:1の割合で混合し、Ligation Convenience Kitを等量加えて混合後、16℃、15分間ライゲーションした。氷水中で2.5 μlのライゲーション反応液を25 μlの大腸菌コンピテントセル (ECOS Competent E. coli DH5α)へ加え、5分間氷水中で放置した後、42℃、45秒間処理することで形質転換した。その後、SOC培地を25 μl加え、100 μg/mlのアンピシリンを含むLBプレートへ塗り広げた。これを、37℃、16時間培養し、コロニーを形成させた。次に、生じたコロニーを採り、コロニーダイレクトPCR法を用いて、プラスミドへのインサート配列の挿入を確認した。コロニーダイレクトPCRの条件は、生じたコロニーを0.125 μlのSpeedSTAR HS DNA polymelase、2.5 μlの10×Fast Buffer I、0.7 μlのフォワードプライマー:SGR1085_F (10 pmol/μl)、0.7 μlのリバースプライマー:SGR1085_R (10 pmol/μl)、1.25 μlのDMSO、2 μlのdNTP Mixture (2.5 mM each)、および17.725 μlの滅菌蒸留水に少量混合し、PCR反応として98℃で5秒間、64℃で10秒間、および72 ℃で10秒間を30サイクル行った。反応後、PCR反応液を3 μl、1.5%アガロース電気泳動することで、インサート配列の挿入を確認した。その後、プラスミドを抽出するために、インサートを確認したコロニーを100 μg/mlのアンピシリンを含む10 mlのLB培地に植菌し、37℃で16時間振盪培養した。培養した形質転換大腸菌は、QIAprep Spin Miniprep Kitを用いてプラスミドを抽出した。目的とするCYP154機能発現用プラスミド (CYP154-Redと命名)は、7,631 bpの大きさであり、インサートチェックの結果、挿入したCYP154遺伝子の1,251 bpの増幅を確認し、CYP154-Redの作製を確認した。
基質スクリーニング
ストレプトマイセス グリセウス NBRC 13350株由来のCYP154は、これまでに機能解析された例がなく、また、ストレプトマイセス属の代謝経路における機能も不明であった。そのため、基質のスクリーニングを行う必要があった。本発明者らは、効率的に基質スクリーニングしCYP154の触媒機能を見つけるために、スクリーニング用有機低分子化合物として種々の基質候補物質を含む96穴プレートを作製した。その中から変換される化合物を探索し、さらに、変換した基質化合物についてはその類似体の変換試験を実施することで、CYP154の触媒する反応、触媒可能な基質の同定を行った。
基質スクリーニングの前に、実施例2で作製したCYP154-Redプラスミドを大腸菌BLR(DE3)で発現させ、これにコードされるCYP154とP450RhF還元酵素末端 (reductase domain)との融合型タンパク質 (以後CYP154-Redと呼ぶ)の活性型が作られるかどうかを確認した。以下にその詳細を示す。P450RhFは、ロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼである。
基質スクリーニングにおいては、プラスミドCYP154-Redを導入した大腸菌BLR(DE3)株の懸濁液を、独自のスクリーニング用化合物基質が入ったプレートに加えて反応させ、その後、反応液から変換産物を抽出し、HPLC (高速液体クロマトグラフィー;High Performance Liquid Chromatography)-PDA (PhotoDiode Array Detector)分析を行うことにより基質全体のバイオコンバージョンのプロフィールを調べた。以下にその詳細を示す。
0.5 μlのCYP154-Redのプラスミド (約200 ng/μl)を5 μlの大腸菌BLR(DE3) 株コンピテントセルに加え、氷水中で30分間放置した。その後、42℃、45 秒間加熱し、氷水中で3分間冷却し、25 μl のSOC培地を形質転換溶液に加えた。得られた形質転換体を含む培地を、100 μg/mlのカルベニシリンを含むLBプレートへ塗り広げた後、37℃、16 時間培養した。100 μg/mlのカルベニシリン(終濃度100 μg/ml)を含む2×YT培地5 mlを加えた50 ml試験管へ生じたコロニー各3個を移植し、37℃、4時間、300 rpm (レシプロ振盪培養器)の条件下、振盪培養し、前培養液とした。続いて、カルベニシリン (終濃度100 μg/ml)、5-Aminolevulinic Acid (5-ALA) (終濃度80 μg/ml)、Fe(NH4)2(SO4)2 (終濃度0.1 mM)を含む2×YT培地 50 mlを2本の500 mlバッフル付三角フラスコに調製し、前培養液を50 μl移植した。OD600が約0.8になるまで37℃、3時間、150 rpm (ロータリー培養器)の条件で培養した。その後、およびIPTG (終濃度0.05 mM)を加えて20℃、150 rpm (ロータリー培養器)の条件で21時間培養を続け、導入遺伝子を発現させ、本培養液とした。
培養終了後、OD600を測定し、50 ml遠沈管に培養液を移し、5,000 rpm、4℃、20分間遠心分離した。培養上清を除去後、菌体湿重量を測定し、本培養液の1/5量のリン酸緩衝液(50 mMリン酸ナトリウム緩衝液、グリセロール (終濃度10%)、pH7.2)を菌体に加え、vortexで完全に菌体を再懸濁した。次に、96穴ディープウェルプレート (PP-MASTER BLOCK 2ML、128,0/85 MM 96WELL STERIL、Greiner bio-one社製)の各ウェルに5 μlの様々な100 mMの基質候補物質-DMSO溶液をそれぞれ加え、細胞懸濁液を各500 μl分注した。その後、シーリングマット (Flexible Sealing Mat for 2.2 ml Deep Well Plate、IWAKI社製)あるいはCO2透過シート(BREATHseal、Greiner bio-one社製)でウェルを密閉し、25℃、24時間、1,500 rpm(商品名MS 3 basic、IKA社製)の条件で変換試験を実施した。
変換試験終了後、各ウェルの溶液を、飽和食塩水を200 μlと、酢酸エチルを500 μl加えた2.0 mlエッペンチューブへ全量ピペットアウトした。10分間vortexした後、15,000 rpm、25℃、15分間遠心分離を行い、酢酸エチル層を回収した。水層に再び酢酸エチルを500 μl加え、10分間vortexした後、15,000 rpm、25℃、15分間遠心分離を行い、酢酸エチル層を回収した。合併した酢酸エチル層は、減圧下濃縮した後、酢酸エチル200 μlに再溶解してHPLC分析試料とした。HPLC分析条件は以下の通りに実施した。
検出器:Waters2998 Photodiode array detector (PDA) 検出器 (waters社製)
カラム:Waters Xterra MS C18 5μm I.D.4.6 mm×100 mm (waters社製)
移動相:0-3 min: 5% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
3-38 min: 5% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
→100% CH3CN/H2O (0.1% TFA) (リニアグラジエント)
38-43 min: 100% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
カラム温度:35℃
サンプル温度:20℃
流速:1 ml/min
検出波長域:PDA (200-450 nm)
分析試料:10 μl
変換率は、λmaxで抽出した基質、および変換産物各々のピーク面積値から、生成物と基質との合計面積に占める生成物の面積の割合として算出した。
HPLC-PDA分析の結果、1,4-アンドロスタジエン-3,17-ジオン (1,4-Androstadiene-3,17-dione)、11α-ヒドロキシプロゲステロン(11α-Hydroxyprogesterone)、1-デヒドロ-17α-メチルテストステロン(1-Dehydro-17α-methyltestosterone)、4-プレグネン-3,11,20-トリオン (4-Pregnane-3,11,20-trione)、アドレノステロン (Adrenosterone)、コルチコステロン(Corticosterone)、デヒドロエピアンドロステロン (Dehydroepiandrosterone)、デオキシコルチコステロン (Deoxycorticosterone)、メチルテストステロン(Methyltestosterone)、プレグネノロン(Pregnenolone)、プロゲステロン (Progesterone)、テストステロン (Testosterone)およびΔ4-アンドロステン-3,17-ジオン (Δ4-Androstene-3,17-dione)等の置換基を有するステロイド化合物についてバイオコンバージョン反応が進行することが明らかになった。バイオコンバージョン結果を表2に示す。一方、サーモビフィーダ フスカ(Thermobifida fusca)由来のCYP154H1が変換することができると報告されている(非特許文献18)エチルベンゼン (Ethylbenzene)、ノルマルプロピルベンゼン (n-Propylbenzene)、チオアニソール (Thioanisole)およびインドール (Indole)を用いてバイオコンバージョン反応を行ったが、反応は全く進行しなかった。この際、エチルベンゼン (Ethylbenzene)およびノルマルプロピルベンゼン (n-Propylbenzene)を用いた実験ではガスクロマトグラフィーを用いて検出をおこなった。
変換産物の構造解析
実施例3の基質スクリーニングにおいて変換が認められた一部の基質について、スケールアップした基質変換試験を行い、得られた変換産物について、MS (Mass Spectrometry、質量分析法)およびNMR (Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy、核磁気共鳴分光法)による構造解析を実施した。
CYP154-Redを導入した大腸菌BLR(DE3)株のコロニー3個をカルベニシリン (終濃度100 μg/ml)を含む2×YT培地5 mlを加えた50 mlガラス試験管に懸濁した。培養液はOD600が約0.8になるまで37℃、300 rpm、4 時間振盪培養 (レシプロ振盪培養器)し、前培養液とした。続いて、カルベニシリン (終濃度100μg/ml)、グリセロール (終濃度0.4%)、5-ALA (終濃度80 μg/ml)、Fe(NH4)2(SO4)2 (終濃度0.1 mM)を含むTB培地1 Lを加えた5 Lバッフル付三角フラスコを2本調製し、前培養液をそれぞれ1 ml移植した。OD600が約0.8になるまで37℃、150 rpmの条件で培養 (ロータリー培養器)した後、IPTG (終濃度0.05 mM)と10 μlの消泡剤SI (和光純薬工業社製)を加えて20℃、150 rpmで20時間培養を続け導入遺伝子を発現させた。培養終了後、500 ml遠沈管に培養液を移し、6,000 rpm、4℃、20分間遠心分離した。上清を除去後、400 mlのリン酸緩衝液(50 mMリン酸ナトリウム緩衝液、グリセロール (終濃度10%)、pH7.2)に菌体を再懸濁した。次に、菌体懸濁液を5 Lバッフル付三角フラスコに全量移し、DMSO溶解基質 (終濃度1 mM)を加え、変換試験液とした。変換試験液は、CO2透過シート(BREATHseal、Greiner bio-one社製)でフラスコの口をシールして25℃、48時間、150 rpmの条件下、変換試験を実施した。
(a) 変換産物の精製
変換試験液に200 mlの飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルを600 ml加え、次いで、回転子とスターラーを用いて室温で20分間撹拌抽出した。有機溶媒耐性の遠沈管へ移し8,000 rpm、30℃、20分間遠心分離した。酢酸エチル層を回収した後、水層に等量の酢酸エチルを加え、再度同様に抽出、遠心分離、酢酸エチル層の回収を実施した。回収した酢酸エチル層を合併し無水硫酸ナトリウムで脱水後、シリカゲルカラムクロマトグラフ(I.D. 10×200 mm、Silica Gel 60 (Merck 社製))に供した後、減圧下濃縮して粗体を得た。粗体を分取HPLCに供し、変換産物を分取した。目的物を含む分画を、減圧にてアセトニトリルを留去した液を氷冷後、遠心分離(0℃、3500 rpm、15 min)し、上清を除去した。さらに、残渣に蒸留水を加え、氷冷後、遠心分離(0℃、3500 rpm、15 min)し、上清を除去する操作を3回繰り返し、得られた残渣を凍結乾燥して精製産物とした。分取HPLCは以下の条件で実施した。
検出器:Waters996 Photodiode array detector (PDA) 検出器 (waters社製)
カラム:DOCOSIL-B I.D 20 mm×250 mm (センシュウ科学社製)+ DOCOSIL-B I.D 10 mm×30 mm (センシュウ科学社製)
移動相:0-5 min: 27% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
5-35 min: 27% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
→73% CH3CN/H2O (0.1% TFA) (リニアグラジエント)
36-50 min: 100% CH3CN/H2O (0.1% TFA)
カラム温度:室温
流速:5 ml/min
検出波長域:PDA (200-500 nm)
分析試料:150 μl
精製産物の構造はLC-ESI-TOF-MS (JMS-T100LC JEOL)およびNMR (500 MHz、JNM-A500 JEOLまたは500 MHz、INOVA-500AS Varian)分析により取得したスペクトルデータを解析し同定を行った。
(a)プロゲステロン(Progesterone)
基質スクリーニングの結果、ストレプトマイセス グリセウス (Streptomyces griseus) NBRC 13350株由来のCYP154は、様々な置換基を有するステロイド化合物のD環の16α位を位置選択的かつ立体選択的に水酸化する反応を触媒することが判明した。特に新規化合物である16α-ヒドロキシ-4-プレグネン-3, 11, 20-トリオン、16α-ヒドロキシアドレノステロンの例のように難化学合成化合物を合成するCYP154による触媒反応は、これまでの医薬品等の研究開発段階におけるシード・リード化合物のスクリーニング範疇にない化合物の合成を触媒出来る可能性が高く、触媒機能の応用性が期待される。
また、該CYP154の触媒能力は、例えば、1 mMのテストステロンを70%程度変換するので、ノカルディア ファルシニカ(Nocardia farcinica)IFM 10152株由来のCYP154が0.1 mMのテストステロンを50%程度変換した例(非特許文献17)と比べると、10倍以上も高い事が明らかになり、工業生産レベルでの利用が期待される。
Claims (8)
- シトクロムP450のファミリー154(CYP154)に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をモノオキシゲナーゼとして機能させ、置換基を有するステロイド化合物に作用させてステロイド骨格のD環16α位に水酸基を導入することを特徴とする16α位が水酸化されたステロイド化合物の製造方法。
- CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体と、置換基を有するステロイド化合物とを共存させることにより、CYP154に属するタンパク質またはこれを含む融合型タンパク質を、該置換基を有するステロイド化合物に作用させる請求項1に記載の製造方法。
- 置換基を有するステロイド化合物が、下記一般式(1)
(A)R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基、アセトキシ基またはオキソ基であり、
R3は、水酸基、アセチル基、ヒドロキシメチルカルボニル基、アセトキシメチルカルボニル基、2-ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基またはヒドロキシメチルカルボニル基であり、
R4は、水素またはメチル基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である、または、
(B)R3およびR4が一緒になってオキソ基であり、
R1は、水酸基、オキソ基またはアセトキシ基であり、
R2は、水素、水酸基またはオキソ基であり、
−A−A’−は、−CH2−CH2−または−CH=CH−であり、
−B−B’−B’’−は、−CH2−CH−CH2−、−CH2−C=CH−、−CH=C−CH2−または−CH=C−CHF−であり、
R5は、水素、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基であり、
R6は、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはホルミル基である)で表されるステロイド化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。 - CYP154に属するタンパク質が以下の(a)または(b)である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸配列が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチド - 融合型タンパク質が、CYP154に属するタンパク質と電子伝達タンパク質との融合型タンパク質である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 融合型タンパク質が、CYP154に属するタンパク質と、電子伝達タンパク質であるロドコッカス属NCIMB 9784株由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼP450RhFに含まれる還元酵素ペプチドまたはそれと同等の機能を有する還元酵素ペプチドとの融合型タンパク質である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 電子伝達タンパク質が以下の(c)または(d)のポリペプチドである請求項5または6に記載の製造方法。
(c) 配列番号2記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(d) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列からなり、かつ還元酵素活性を有するポリペプチド - 形質転換体が、CYP154に属するタンパク質をコードする以下の(e)〜(g)のいずれかのDNAの3’末端側に、リンカーを介して、還元酵素ペプチドをコードする以下の(h)〜(j)のいずれかのDNAを連結した融合型タンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌ベクターに挿入した組換えプラスミドを大腸菌に導入してなるものである請求項2〜7のいずれかに記載の製造方法。
(e) 配列番号3の塩基配列からなるDNA
(f) 配列番号3のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチドをコードするDNA
(g) 配列番号1のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸配列が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつシトクロムP450モノオキシゲナーゼとして機能するポリペプチドをコードするDNA
(h) 配列番号4の塩基配列からなるDNA
(i) 配列番号4のDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ還元酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
(j) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が付加、欠失または置換されたアミノ酸配列からなり、かつ還元酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNA
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