JP2012169794A - 静電容量型電気機械変換装置の製造方法 - Google Patents

静電容量型電気機械変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融接合を用いて静電容量型電気機械変換装置を作製する作製方法において、接合面積などの境界条件が異なる箇所で生じる振動膜の初期変形のバラツキを低減し、装置の均一性を高め感度等を安定させることである。
【解決手段】静電容量型電気機械変換装置の作製方法は、第一のシリコン基板1上に絶縁層2を形成し、少なくとも一つ以上の凹部3を形成する工程と、第二のシリコン基板5を絶縁層2上に溶融接合により接合する工程と、第二のシリコン基板5を薄化し、シリコン膜7を形成する工程を有する。第二のシリコン基板5を絶縁層2上に接合する工程の前に、一つ以上の凹部3の周囲の絶縁層2に溝4を形成する工程を行う。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、超音波変換装置などとして用いられる静電容量型電気機械変換装置の製造方法に関する。
従来、マイクロマシニング技術によって製造される微小機械部材はマイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。このような技術を用いた静電容量型電気機械変換装置(CMUT;Capacitive
Micromachined Ultrasonic Transducer)は、圧電素子の代替品として研究されている。このようなCMUTによると、振動膜の振動を用いて超音波を送信、受信することができ、特に液中において優れた広帯域特性を容易に得ることができる。こうした装置の一つに、シリコン基板上に接合等により形成した単結晶シリコン振動膜を用いる静電容量型電気機械変換装置がある(特許文献1参照)。特許文献1では、シリコン基板の接合を溶融接合で行い、接合後に単結晶シリコン膜を露出させ、溶融接合した膜を有するセルを形成することで作製された静電容量型電気機械変換装置が示されている。
また、特許文献2には、静電容量型電気機械変換装置の最外周部もしくは端に存在するセルの外側に、振動膜の変位或いは振動膜の振動により発生する信号の送受を遮断する為の信号遮断部を設けたものが開示されている。これによりセルが均一かつ安定的な動作をする静電容量型電気機械変換装置の構造が示されている。
米国特許第6,958,255号 国際公開第2008/136198号
高温処理が施される接合方法によりシリコン基板上に単結晶シリコン振動膜を形成し、静電容量型電気機械変換装置を作製することができる。静電容量型電気機械変換装置を構成するトランスデューサ素子(エレメント)において、高温処理が施される接合時に、素子に含まれるセルの周辺の接合面積が異なる箇所で、各セルの振動膜変形量にバラツキを生じることがある。これらのバラツキは、振動膜と絶縁層の熱膨張係数の違いや、高温処理が施された際に発生する水分やガスの残存量の違い、振動膜と絶縁層の内部応力の影響による基板の反りが要因として考えられる。このセル毎の振動膜変形量のバラツキは超音波の送信効率や検出感度のバラツキとなる。しかしながら、上記特許文献2の技術は、こうしたバラツキそのものを低減できるものではない。本発明は、こうした課題解決のため、素子を構成するセルの振動膜の変形量バラツキを低減し、送信効率や検出感度のバラツキを低減することができる静電容量型電気機械変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の静電容量型電気機械変換装置の作製方法は、次の工程を有する。すなわち、第一のシリコン基板上に絶縁層を形成し、少なくとも一つ以上の凹部を形成する工程と、第二のシリコン基板を前記絶縁層上に溶融接合により接合する工程と、前記第二のシリコン基板を薄化し、シリコン膜を形成する工程と、を有する。そして、前記第二のシリコン基板を前記絶縁層上に接合する工程の前に、前記一つ以上の凹部の周囲の前記絶縁層に溝を形成する工程を行う。
本発明の静電容量型電気機械変換装置の作製方法では、第一のシリコン基板と第二のシリコン基板を溶融接合する前に、第一のシリコン基板に設けられた凹部(間隙となる部分)の周囲に溝を形成する。溶融接合時にこの溝が存在することにより、素子内の各セルが有する振動膜の初期変形のバラツキを低減することができるため、装置の検出感度や送信効率のバラツキを低減できる。
本発明の実施形態ないし実施例1の静電容量型電気機械変換装置の作製方法を説明する為の図2のA−B断面における図。 同じく図1のA−B断面における図。 実施形態ないし実施例1の作製方法を説明する為の上面図。 図2のA’−B’断面図。 本発明の実施例2の作製方法を説明する為の上面図。 図4のC’−D’断面図。 本発明の実施例2及び実施例3の作製方法を説明する為の断面図。 本発明の作製方法による振動膜変形量バラツキの改善効果を示すグラフ。 本発明の作製方法で作製される電気機械変換装置の一例の上面図。 本発明の作製方法による電気機械変換装置の素子の一例の上面図。
本発明の特徴は、第一のシリコン基板上に形成され少なくとも一つ以上の凹部を有する絶縁層上に第二のシリコン基板を溶融接合により接合する工程の前に、前記一つ以上の凹部の周囲の絶縁層に溝を形成する工程を行うことである。こうした基本的な構成において、本発明の静電容量型電気機械変換装置の作製方法は種々の形態を取ることができる。典型的には、前記一つ以上の凹部と前記溝との間は、凹部の周囲を囲んで閉じた分離溝を振動膜に形成したり(図2の例など)、溝上にシリコン膜が存在しない(図8の例など)ようにしたりすることで、電気的に分離される。また、前記一つ以上の凹部を形成する工程と前記溝を形成する工程とは、同一工程にすることができる(後述の実施例2参照)。前記溝は、連続的な閉じた周回溝であったり(図2の例)、始点と終点とを有し両点の間の絶縁層には形成されていない溝であったり(図4の例など)する。周回溝である場合、図2などに示す様に、周回溝を横切って、凹部上の電極と繋がった電気配線を形成することができる。始点と終点を有する溝である場合、図4などに示す様に、溝の始点と終点との間の絶縁層上に、凹部上の電極と繋がった電気配線を形成することができる。溝または周回溝は、一つ以上の凹部の周囲に、図2や図8に示す様に一重だけ形成してもよいし、図4などに示す様に複数重、並行(相並んでの意味であって、平行な状態であってもよいし、非平行な状態であってもよい)して形成してもよい。溝は、各セルの接合面積等の境界条件をほぼ揃えて、溝のある第一のシリコン基板に第二のシリコン基板を溶融接合する時に発生する熱応力等によるセルの振動膜の初期変形のバラツキを低減できるのであれば、凹部の周囲にどの様な態様で配されてもよい。
以下に、図1−1〜図3を用いて本発明の静電容量型電気機械変換装置の作製方法の一実施形態を説明する。静電容量型電気機械変換装置では、図2に示す様に、複数のセル構造102を有する素子(エレメント)101を複数アレイ状に配置している。図2では、6つの素子のみを記載しているが、素子数は幾つでも構わない。また、素子101は、16個のセル構造102から構成されているが、セル構造の個数は幾つであっても構わない。ここでは、セルの平面形状は円形であるが、四角形、六角形等であっても構わない。また、セルや素子の配置位置は、どの様なものでも構わない。
図2のA−B断面図の図1−2(g)と図2のA’−B’断面図の図3に示す様に、セル構造102は、単結晶シリコン振動膜7、空隙などである間隙(凹部)3、振動膜7を支持する振動膜支持部17、及び第一のシリコン基板1で構成されている。単結晶シリコン振動膜は、積層成膜した振動膜(例えば、窒化シリコン膜)と比較して、残留応力が殆どなく、厚みバラツキも小さく、振動膜としてのバネ定数のバラツキが小さいため、素子間、セル構造間の性能バラツキを小さくできる。振動膜支持部17は、絶縁体が望ましく、酸化シリコン、窒化シリコン等で形成される。絶縁体でない場合は、第一のシリコン基板1と単結晶シリコン振動膜7との絶縁を行うため、第一のシリコン基板1上に絶縁層を形成する必要がある。ここでは、第一のシリコン基板1は、素子間の共通電極として用いるため、オーミックがとりやすい低抵抗基板であることが望ましく、抵抗率は0.1Ωcm以下がよい。オーミックとは、電流の方向と電圧の大きさによらず抵抗値が一定であることである。
単結晶シリコン振動膜7は、分離溝15を形成し、素子毎の信号を取り出す信号取り出し電極として用いることができる。第一のシリコン基板1や単結晶シリコン振動膜7の導電特性を向上するため、薄いアルミニウム等の金属膜を第一のシリコン基板1や単結晶シリコン振動膜7上に形成しても良い。単結晶シリコン振動膜7も、信号取り出し電極として用いるため、低抵抗であることが望ましく、抵抗率は0.1Ωcm以下が良い。
素子101は、その周囲において、絶縁膜支持部と同一の絶縁層に溝103(図1−1、図1−2、図3では4で示し、本実施形態では、閉じた周回溝である)を有している。溝103は、図2の様に、素子101の周囲を完全に囲うように閉じた一重の周回溝として配されている。周回溝103によって、各セル構造の接合面積等の境界条件をほぼ揃えることができるので、溶融接合時に発生する熱応力等による振動膜7の変形量のバラツキを低減することができる。素子101の周囲において、単結晶シリコン振動膜7と周回溝103上の単結晶シリコン膜とを電気的に分離することによって、素子と周回溝との間を電気的に分離している。素子101を駆動する際に、周回溝103と電気的に分離されていないと、周回溝上の単結晶シリコン膜が同時に駆動してノイズとなることがある。従って、素子と周回溝の間に、凹部と周回溝の内縁部との間を電気的に分離する為の分離溝15を形成することによって、こうしたノイズを低減できる。周回溝の内縁部とは、周回溝を設ける領域20(図1−2(g)参照)の、間隙3の凹部から近い方の端面を意味する。図2において、分離溝15は、凹部と周回溝との間の電気的な分離と、信号取り出し電極の形成とを行っている。上記構成によって、素子及び素子アレイの均一性を高め、受信感度等を安定させることができる。
本実施形態の駆動原理を説明する。静電容量型電気機械変換装置で超音波を受信する場合、図示しない電圧印加手段で、直流電圧を単結晶シリコン振動膜7に印加しておく。超音波を受信すると、振動膜7が変形するため、距離18(図1−2(g)参照)すなわち振動膜7(信号取り出し電極)と第一のシリコン基板1(共通電極)との距離が変わり、静電容量が変化する。この静電容量変化によって、振動膜7に電流が流れる。この電流を図示しない電流−電圧変換素子によって電圧に変換し、超音波の受信信号として出力する。また、単結晶シリコン振動膜7に直流電圧と交流電圧を印加し、静電気力によって、振動膜7を振動させることができる。これによって、超音波を送信できる。
図1−1と図1−2に沿って、本実施形態の静電容量型電気機械変換装置の作製方法を説明する。図1−1(a)に示す様に、第一のシリコン基板1上に絶縁膜2を成膜する。第一のシリコン基板1は、低抵抗基板であり、抵抗率は0.1Ωcm以下が好ましい。絶縁層2は、酸化シリコン或いは窒化シリコン等である。絶縁層2は、CVD(Chemical−Vapor−Deposition)或いは熱酸化等によって形成できる。
次に、図1−1(b)に示す様に、間隙となる凹部3を形成する。凹部3は、ドライエッチング、ウェットエッチング等によって形成することができる。凹部3は、キャパシタの誘電体に相当する。次に、図1−1(c)に示す様に、周回溝4を形成する。周回溝4は、ドライエッチング、ウェットエッチング等によって形成することができる。周回溝4は、一つ以上の凹部3の最外周の周囲に設けることができる。また、セル間距離や素子間距離が不均一であり接合面積などの境界条件が異なる箇所に、溝を設けるのが良い。
周回溝4の様な溝を一つ以上設けることの効果について、図7を用いて説明する。図7(a)は振動膜変形量バラツキと最外周部のセル・溝間の距離との関係を示している。図7(b)は振動膜変形量バラツキと溝を設ける領域との関係を示している。図7(a)の横軸は、凹部3の直径に対する最外周部のセルと溝間の距離19の比率である。縦軸は、溝を設けた場合の最外周部のセルが有する振動膜変形量と中心部のセルが有する振動膜変形量の差の絶対値を、中心部セルの振動膜変形量の絶対値に対する比率で表している。この比率が大きいほど、送信或いは受信感度のバラツキを大きくする。つまり、上記振動膜変形量の差の絶対値が0に近い電気機械変換装置では、素子内或いは素子間の性能均一性を高め、受信感度等を安定させることができる。図7(a)では、溝を設けた領域20が100μmの場合を示している。系列は溝の幅107(図2参照)の違いを示しており、0.25などの数字は凹部3の直径に対する溝幅107の比率を示す。例えば、凹部3の直径が35μmの場合、系列0.25の溝幅は8.75μm、系列0.75の溝幅は26.25μm、系列1.5の溝幅は52.5μm、となる。この溝幅の違いにより、領域20に設ける溝の多重数(本数)が異なる。図7(a)に示す様に、溝の本数が異なっても、最外周部のセルと溝間の距離の増加により、振動膜の変形量バラツキは低減する。
図7(a)に示す様に、凹部3の直径に対する最外周部のセルと溝間の距離19の比率が0.5以上の場合、上記振動膜変形量の差はほぼ0になる。従って、凹部3の直径に対する最外周部のセルと溝間の距離19の比率は、0.5以上が好ましい。溝が有する単結晶シリコン膜がセルの振動膜よりも変形しやすい為、溝が凹部3に近すぎると、溝が有する単結晶シリコン膜の変形が、セルの振動膜7に影響を及ぼし、変形量を増加させるからである。一方、上記比率が大きくなると、つまり、溝を設けない状態に近づくと、接合面積等の境界条件が不均一な状態となり、上記振動膜変形量の差が大きくなる。従って、凹部3の直径に対する最外周部のセルと溝間の距離19の比率は、0.5〜2.0程度の範囲が好ましい。
また、図7(b)の横軸は、周回溝を設ける領域20の距離を示し、縦軸は図7(a)と同じである。系列も図7(a)と同じである。図7(b)では、凹部3の直径に対する最外周の間隙端面と溝端面との距離19の比率が0.75の場合を示している。図7(b)に示す様に、溝を設ける領域20を50μm以上とする場合、上記振動膜変形量の差はほぼ0になる。従って、周回溝を設ける領域20は、50μm以上であれば、受信感度、送信効率のバラツキを大幅に低減できるので好ましい。0.25などで示す系列の違いに応じて、溝の多重数(本数)は異なるが、溝は上記領域20に一重以上設ければよい。図7(b)では上記比率が0.75の場合を示したが、この比率が0.75とは異なる場合でも、同様に、溝を設ける領域20の距離の増加により、振動膜変形量のバラツキは低減する。
ところで、セル構造と同等の構造を素子の周囲に設けることで、振動膜の変形量バラツキを低減することもできる。ただし、これにより変形量バラツキを十分に低減するには、上記周回溝の如き溝よりも広い領域を必要とする。従って、後述する図8に示す様に素子がアレイ状に配置された静電容量型電気機械変換装置の場合、セル構造と同等の構造を素子の周囲に形成すると、引出し配線の取り出しができなくなることがある。他方、本実施形態のような周回溝の場合、セル構造と同等の構造よりも狭い領域に配置して、振動膜の変形量をほぼ均一にできるので、素子の配置間隔106が小さくても、配線を引き出すことができる。
溝4(図2の溝103)の深さは、所望の深さにすることができるが、溝4の底部に絶縁層2が残る深さにすることが好ましい。溝4の底部に絶縁層2が存在することで、溝上の単結晶シリコン膜を除去した際に、第一のシリコン基板1の露出を防ぐことができる。第一のシリコン基板1の露出を防止することにより、振動膜7上の電極11と溝4の間に外部から導電性の物質が付着する等による電極11と第一のシリコン基板1との間の短絡を防止できる。また、溝4と凹部3を同等の深さにすることで、凹部3と溝4を同時に形成することができる。これにより、フォトマスク枚数の低減、作製工程数の低減、アライメントずれの防止等を実現することができる(後述する実施例2を参照)。
周回溝4の幅107は、所望の幅にすることができる。図7(a)で示した様に、最外周部のセルと溝間の距離19が近い場合でも、狭い溝幅107とすれば振動膜変形量の差を小さくできる。こうした場合、最外周部のセルの近傍に溝を形成できるため、配線領域108(図8参照)を広くすることができ、多数の配線を取り出すことができる。また、溝が有する単結晶シリコン膜が溝の底部に接触しない幅107にするのが好ましく、凹部3の直径より小さい溝幅であれば、溝の単結晶シリコン膜は底部に接触しない。従って、溝の幅は、凹部3の直径と同程度以下が好ましい。
溝の幅107が凹部3の直径よりも大きく、溝上の単結晶シリコン膜の変形量が、凹部3が有する単結晶シリコン振動膜の変形量よりも大きい場合、次の様な問題が生じる。電極11と溝4の間に外部から導電性の物質等が付着したままで、静電容量型電気機械変換装置に電圧を印加すると、凹部3の単結晶シリコン振動膜よりも先に、溝の単結晶シリコン膜が、第一のシリコン基板1と接触する。更に印加電圧を大きくすると、溝が有する単結晶シリコン膜と第一のシリコン基板1の間で絶縁破壊が生じ、静電容量型電気機械変換装置として機能しなくなる可能性がある。こうした観点からも、溝の幅107は、凹部3の直径と同程度以下が好ましい。また、溝の単結晶シリコン膜が溝の底部に接触すると、凹部3の単結晶シリコン振動膜の変形量が設計値と変わることがある。従って、溝の幅は、凹部3の直径と同程度以下が好ましい。
また、溝は、図9に示す様に始点と終点の異なるL字状の溝109、110、111、112などを複数用いて素子の周りに複数重配することもできる。この構成では、始点と終点の間が複数箇所存在することにより、複数箇所から電気配線を引き出すことができる。また、図8に示す様に、溝上のシリコン膜を除去することもできる。これにより、凹部3が有する単結晶シリコン振動膜7に、溝上のシリコン膜が振動することによるノイズが発生することを防止できる。なお、図8の構成では、振動膜は、素子と配線の所を除いて、除去され、図9の構成では、溝109、110、111、112上にシリコン膜が存在している。
図1−1と図1−2を用いた作製方法の説明に戻る。次に、図1−2(d)に示す様に、第二のシリコン基板5を第一のシリコン基板1に接合する。第二のシリコン基板5と第一のシリコン基板1とは、溶融接合により接合する。溶融接合とは、研磨したシリコン基板やその上にSiO膜を形成したものを重ねて熱処理することによって、分子間力で貼り合わせるものである。大気中にて表面を重ねると、Si−OHによるOH基同士が水素結合する。この状態で600〜1000℃程度の高温にすると、OH基からHO分子がとれて酸素で結合する。更に1000度以上では酸素がシリコンウェハ中に拡散してSi原子間で結合が生じる。図1−2(d)では、第二のシリコン基板5としてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いている。SOI基板は、シリコン基板9(ハンドル層)と表面シリコン層(活性層)6の間に酸化シリコン層8(BOX(Buried Oxide)層)を挿入した構造の基板である。
次に、図1−2(e)に示す様に、第二のシリコン基板5を薄化し、単結晶シリコン振動膜7を形成する。単結晶シリコン振動膜は、数μm以下が好ましいため、第二のシリコン基板5に対して、エッチング或いはグラインディング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)を行って、薄化を行う。バックグラインディング、CMPによって、2μm程度まで削ることが可能である。図1−2(e)に示す様に、第二のシリコン基板5としてSOI基板を用いた場合、SOI基板の薄化は、ハンドル層9、BOX層8を除去することによって行う。ハンドル層の除去は、グラインディング、CMP、エッチングで行うことができる。また、BOX層の除去は、酸化膜のエッチング(ドライエッチングやフッ酸等のウェットエッチング)により実施することができる。フッ酸によるウェットエッチングは、シリコンがエッチングされることを防止できるので、エッチングによる単結晶シリコン振動膜の厚みバラツキを低減できて、より好ましい。SOI基板の活性層6は、厚みバラツキが小さいため、単結晶シリコン振動膜の厚みバラツキを低減することができ、単結晶シリコン振動膜のバネ定数バラツキを低減できる。そのため、静電容量型電気機械変換装置の性能バラツキを低減することができる。
次に、電気機械変換装置の駆動時に電圧を印加したり、信号を取り出したりする為に必要な電極を形成する。電極は、単結晶シリコン振動膜7と第一のシリコン基板1との間に電圧を印加できればよく、形成する場所や構造等は特に問わない。単結晶シリコン振動膜7を共通電極とし、第一のシリコン基板1を分割して、分割したシリコン基板を信号取り出し電極として用いても良い。また、第一のシリコン基板1を共通電極とし、単結晶シリコン振動膜7を信号取り出し電極としても良い。
図1−2(f)、図1−2(g)は、単結晶シリコン振動膜7を信号取り出し電極として用い、第一のシリコン基板1を共通電極として用いる場合であって、信号取り出し電極の配線と電極パッドを振動膜側に形成する製法の一例を示す。図1−2(f)では、第一のシリコン基板1の導通を取る為に、コンタクトホール10を形成する。図1−2(g)では、電極11と配線12、電極パッドを形成する。すなわち、図1(g)に図示する様に、凹部と溝との間を電気的に分離する為に、単結晶シリコン振動膜に分離溝15を形成する。分離溝15は、ドライエッチング、ウェットエッチング等によって形成できる。分離溝は、凹部と溝とを電気的に分離できればよく、上述した様に、単結晶シリコン膜以外の部分に設けることもできる。ここで、素子とは、分離溝が形成された内側の領域であって、配線12や第一の電極パッド13、第二の電極パッド14を除いた部分である。
第一の電極パッド13と第二の電極パッド14間に電圧を印加することで、素子に電圧を印加し、駆動することができる。上記作製方法によれば、溶融接合の前に溝を形成することでシリコン振動膜のバラツキを低減できるため、送信効率や検出感度のバラツキを低減することができる。上記作製方法において、溝を複数重形成することもできる。図4に示す様に、素子の凹部を囲う1つ目の溝104を更に囲う様に、2つ目の溝105を形成することもできる。この構成によって、振動膜の変形バラツキを更に低減することができる。
以下、より具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1の静電容量型電気機械変換装置の作製方法を図1−1〜図3を用いて説明する。本実施例では、振動膜変形量の差が10nm以下となるように周回溝を設ける。周回溝の幅107及び最外周部のセルと周回溝間の距離19は凹部3の直径と同等の45μmとし、周回溝を設ける領域20は45μmとする。
まず、図1−1(a)に示す様に、第一のシリコン基板1上に絶縁膜2を成膜する。第一のシリコン基板1の抵抗率は0.01Ωcmである。絶縁層2は、熱酸化により形成した酸化シリコンであり、厚さは400nmである。熱酸化により形成する酸化シリコンは、表面粗さが非常に小さく、第一のシリコン基板上に形成しても、第一のシリコン基板の表面粗さからの粗さ増加を防止でき、表面粗さは、Rms=0.2nm以下である。溶融接合により接合する場合、この表面粗さが大きい場合、例えばRms=0.5nm以上である場合、接合することが難しく、接合不良を引き起こす。熱酸化による酸化シリコンの場合、表面粗さを増大させないので、接合不良が発生しにくく、製造歩留まりを向上できる。
次に、図1−1(b)に示す様に、凹部3を形成する。凹部3は、ウェットエッチングによって形成することができる。凹部3の深さ(距離18)は200nmであり、直径は45μmである。凹部3の配置間隔は50μmであり、図2に示す様に4行4列で形成している。凹部3は、キャパシタの誘電体に相当する。
次に、図1−1(c)に示す様に、周回溝4を形成する。周回溝4は、ウェットエッチングよって形成することができる。周回溝の深さは200nmであり、周回溝の横幅107は、凹部3の直径と同じ45μmである。また、周回溝は図2に示す様に、凹部3の周囲を一周完全に囲む様に形成される。最外周部のセルと周回溝間の距離19は45μmである。
次に、図1−2(d)に示す様に、第二のシリコン基板5を溶融接合する。本実施例での溶融接合は真空条件下で行い、凹部3の内部をほぼ真空状態とする。第二のシリコン基板5としてSOI基板を用い、SOI基板の活性層6を接合する。活性層6は、単結晶シリコン振動膜7として用いる。活性層6の厚みは1.25μmであり、厚みバラツキは5%以下である。また、活性層6の抵抗率は0.01Ωcmである。接合後のアニール温度は1000℃であり、アニール時間は4時間である。
次に、図1−2(e)に示す様に、第二のシリコン基板5を薄化し、単結晶シリコン振動膜7を形成する。図1−2(e)に示す様に、第二のシリコン基板として用いているSOI基板の薄化は、ハンドル層8、BOX層9を除去することによって行う。ハンドル層8の除去は、グラインディングで行う。また、BOX層9の除去は、フッ酸によるウェットエッチングで行う。フッ酸によるウェットエッチングの場合、シリコンがエッチングされることを防止できるので、エッチングによる単結晶シリコン振動膜7の厚みバラツキを低減できる。
次に、図1−2(f)に示す様に、振動膜7が形成されている側から第一のシリコン基板1の導通を取る為に、コンタクトホール10を形成する。まず、コンタクトホールを形成する箇所の振動膜7の一部を、ドライエッチング、ウェットエッチング等によって除去する。次に絶縁膜2をドライエッチング、ウェットエッチング等によって除去する。これにより、第一のシリコン基板1が露出し、コンタクトホール10を形成できる。
次に、図1−2(g)及び図3に示す様に、素子101に電圧を印加する為に必要な上部電極11、配線12、電極パッドを設ける。まず、第一のシリコン基板1や単結晶シリコン振動膜7の導電特性を向上するため、導電性の良い金属膜を第一のシリコン基板1や単結晶シリコン振動膜7上に形成する。こうした金属膜は、Al、Cr、Ti、Au、Pt、Cuなどの金属を使用することができる。電極11となる金属膜は、所望の厚さ設ければよく、振動膜7の振動を妨げない程度の厚さとすることが好ましい。また、配線12となる金属膜は、所望の配線抵抗となる厚さにするのが好ましい。電極パッド13、14となる金属膜は、導通が取れる程度の厚さにするのが好ましい。これらの金属膜の厚さは、一度の成膜とエッチングで形成する為に同じ厚さとしても良いし、異なる厚さとする為に複数回の成膜とエッチングで形成しても良い。金属膜の成膜後、電極11、配線12、第一の電極パッド13、第二の電極パッド14をパターニングして形成する。配線12と電極パッドを設ける位置は、所望の位置に設ければよい。
本実施例では、Alを200nm成膜し、電極11、配線12、第一の電極パッド13、第二の電極パッド14をパターニングして形成する。図2では、凹部の周囲を溝が囲うように周回溝103を設けており、図3のように配線12が周回溝(図3では4で示す)の上に形成されているが、配線12や分離溝15を無くして、第一のシリコン基板1を分割して、裏側から信号を引き出すようにしても良い。
次に、単結晶シリコン振動膜7に分離溝15を形成する。分離溝は、ドライエッチングによって形成できる。分離溝15により、凹部3と周回溝4は電気的に分離される。第一の電極パッド13と第二の電極パッド14の間に電圧を印加することで、素子101に電圧を印加することができる。
本実施例の作製方法で作製される静電容量型電気機械変換装置の素子内において、大気圧下での最外周部のセルの振動膜と中心部のセルの振動膜の変形量の差は、約5nmである。一方、図1−1(c)の工程を実施しない、つまり、溝を有しない素子が有する大気圧下での上記変形量の差は、約40nmである。このように、周回溝の様な溝を形成することにより、振動膜の変形バラツキを低減することができ、検出感度や送信効率のバラツキを大幅に低減することができる。
(実施例2)
実施例2の静電容量型電気機械変換装置の作製方法を図1−1、図1−2、図4、図5、図6(a)を用いて説明する。本実施例の作製方法は、実施例1とほぼ同様である。図4のC−D間の断面図が、図1−1(g)であり、図4のC’−D’間の断面図が、図5である。また図6(a)は、図1−1(b)と図1−1(c)の工程を同一工程とする時の図である。実施例2の作製方法では、前述の図7に基づいて、振動膜変形量の差が2nm以下となるような条件の溝を設ける。
本実施例では、溝の幅107及び最外周のセルと溝間の距離19は凹部3の直径と同等の45μmとし、溝を設けた領域20は95μmである。図6(a)に示す様に、凹部3と溝4とを同一工程で形成する。これらは、実施例1の図1−1(b)と図1−1(c)における形成と同様に形成することができる。これによって、作製に必要となるフォトマスクの枚数、作製工程数を低減できるとともに、凹部形成と溝形成の時のアライメント誤差をなくすことができる。
また、図4に示す様に、溝は、第二の溝104と第三の溝105を設ける。第二の溝104と第三の溝105は、素子の周囲をほぼ周回する溝であるが閉じてはおらず、始点と終点とが異なるように設ける。ここでは、溝の始点と終点との間が45μmとなるようにほぼ周回する溝を設ける。そして、図1−2(g)及び図5に示す様に、素子に電圧を印加する為に必要な電極11、配線12、電極パッドを設ける。図5に示す様に、溝の途切れた部分に配線12を設ける。これにより、電気配線下に間隙を有していないため、超音波を受信したときに溝上の電気配線が振動することを防止できる。従って、電気配線に発生するノイズを防止することができる。更に、配線下に間隙を有する場合と比較して、配線の強度を保つこともできる。また、図9に示す様に、始点と終点の異なるL字状等の溝109〜112を複数有することもできる。この構成では、始点と終点の間が複数箇所存在することにより、複数箇所から電気配線を引き出すことができる。
本実施例で作製される静電容量型電気機械変換装置の素子内において、大気圧下での最外周部のセルの振動膜と中心部のセルの振動膜の変形量の差は、約1nmである。一方、溝を有しない素子が有する上記変形量の差は、約40nmである。このように、上記の如き溝を形成することにより、振動膜の変形バラツキを更に低減することができ、検出感度や送信効率のバラツキを大幅に低減することができる。
(実施例3)
実施例3の静電容量型電気機械変換装置の作製方法を図1−1、図1−2、図4、図5、図6(b)を用いて説明する。本実施例の静電容量型電気機械変換装置の作製方法は、実施例1とほぼ同様である。図4のC−D間の断面図が、図1−2(g)であり、図4のC’−D’間の断面図が、図5である。また図6(b)は、溝上の単結晶シリコン膜を除去する工程を示す図である。本実施例でも、実施例2と同等のほぼ周回する溝を設ける。
本実施例の静電容量型電気機械変換装置の作製方法は6(b)に示す様に、溝上の単結晶シリコン膜を除去する。単結晶シリコン膜の除去は、図1−2(g)と同様に、次の様に行う。まずAlを200nm成膜し、電極11、配線12、第一の電極パッド13、第二の電極パッド14をパターニングして形成する。次に、シリコンをドライエッチングによって除去する。これにより、凹部上の単結晶シリコン振動膜以外の単結晶シリコン膜が除去され、凹部3と溝4を電気的に分離することができる。溝上の単結晶シリコン膜が除去されるため、受信或いは送信時に溝上の単結晶シリコン膜が振動することによって凹部の単結晶シリコン振動膜にノイズが発生することを、防止できる。
本実施例で作製される静電容量型電気機械変換装置の素子内において、大気圧下での最外周部のセルの振動膜と中心部のセルの振動膜の変形量の差は、約1nmである。一方、溝を有しない素子が有する大気圧下での上記変形量の差は、約40nmである。上記の様な溝を形成することにより、振動膜の変形バラツキを低減することができ、検出感度や送信効率のバラツキを大幅に低減できる。本実施例で作製される装置でも、溝の底面に絶縁膜を有している。これにより、溝上の単結晶シリコン膜を除去した構成において第一のシリコン基板1の露出を防ぎ、上部の電極11と溝の間に外部から導電性の物質が付着する等による電極11と第一のシリコン基板1との間の短絡を防止することができる。
1・・第一のシリコン基板、2・・絶縁層、3・・凹部(間隙)、4、103・・溝(周回溝)、5・・第二のシリコン基板、7・・シリコン膜(単結晶シリコン振動膜)

Claims (9)

  1. 第一のシリコン基板上に絶縁層を形成し、少なくとも一つ以上の凹部を形成する工程と、
    第二のシリコン基板を前記絶縁層上に溶融接合により接合する工程と、
    前記第二のシリコン基板を薄化し、シリコン膜を形成する工程と、
    を有する静電容量型電気機械変換装置の作製方法であって、
    前記第二のシリコン基板を前記絶縁層上に接合する工程の前に、前記一つ以上の凹部の周囲の前記絶縁層に溝を形成する工程を行うことを特徴とする作製方法。
  2. 前記一つ以上の凹部と前記溝との間を電気的に分離する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の作製方法。
  3. 前記一つ以上の凹部を形成する工程と前記溝を形成する工程とが、同一工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の作製方法。
  4. 前記溝の上に形成される前記シリコン膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の作製方法。
  5. 前記溝は、始点と終点とを有し、両点の間の前記絶縁層には形成されていない溝であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作製方法。
  6. 前記溝の始点と終点との間の前記絶縁層上に、前記凹部上の電極と繋がった電気配線を形成する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の作製方法。
  7. 前記溝は、連続的な閉じた周回溝であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作製方法。
  8. 前記周回溝を横切って、前記凹部上の電極と繋がった電気配線を形成する工程を有することを特徴とする請求項7に記載の作製方法。
  9. 前記溝または周回溝は、前記一つ以上の凹部の周囲に複数重、並行して形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の作製方法。
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