JP2012169155A - コネクタ及びそれに用いるローラ接触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した電流の送給に対応することができるとともに、耐久性が極めて高く、且つ、小型に構成することのできるコネクタ及びそれに用いるローラ接触子を提供する。
【解決手段】内周面48が円形である外周部材22と、外周部材22に対して相対的に回転自在であり、外周部材22の中空部に内周面48と同軸に配設される軸体34と、外周部材22及び軸体34間に回転自在に配設されるローラ接触子16とを備え、ローラ接触子16を介して、外周部材22及び軸体34を電気的に接続するコネクタ10において、ローラ接触子16は、軸体34の軸線に平行な軸線を中心として回転自在な回転軸64と、回転軸64の周りに配設される弾性部材66と、弾性部材66の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体68と、導電性積層体68の外周部に装着される導電性カバーとを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内周面が円形である外周部材と、外周部材に対して相対的に回転自在であり、外周部材の中空部に前記内周面と同軸に配設される軸体と、外周部材及び軸体間に回転自在に配設されるローラ接触子とを備え、ローラ接触子を介して、外周部材及び軸体を電気的に接続するコネクタ及びそれに用いるローラ接触子に関する。また、本発明は、雌部と、雌部に着脱自在に嵌合する雄部と、雌部又は雄部に配設される接触子とを備え、接触子を介して、雌部及び雄部を電気的に接続するコネクタに関する。
従来から、相対的に回転する部材同士を電気的に接続し、これらの間で電流を送給するため、ロータリコネクタが広汎に使用されている。
ロータリコネクタには、ブラシ型、ワイヤ型、リング型、水銀型、ギア型、電磁誘導型等がある。このうち、水銀型は、部材間で大電流、例えば、100A以上の電流を送給するのに適している。例えば、水銀型のロータリコネクタは、相対的に回転する内側導体と外側導体との間隙に水銀を充填したものである。水銀型のロータリコネクタは、小型で安価であり、狭い間隙に充填された水銀により導体間の接触面積を確保するとともに、水銀による電路を短くすることで、接触抵抗が小さく、チャタリングが発生することのない安定した接続を実現することができる。
しかしながら、水銀は、有害物質であり、内側導体と外側導体との間に確実に密閉する必要がある。この場合、水銀を密閉させる圧力により、導体の相対的な回転に必要な回転トルクが増大してしまう。また、水銀は、体積膨張率が大きいことから、水銀を用いたロータリコネクタの使用可能な温度が60℃程度に制限されており、製品の使用に際して、この制限が大きな制約になっている。
一方、ブラシ型のロータリコネクタは、内側導体と外側導体とをカーボン素材からなる導電性のブラシにより接続したものであり、ブラシの十分な接触面積を確保することにより、大電流に対応することが可能である。
しかしながら、ブラシ型のロータリコネクタは、水銀型に比較すると大型であり、また、摺動によって発生した導電性の摩耗粉が周辺回路に与える悪影響を回避するため、定期的なメンテナンスが必要である。
さらにまた、ブラシ型の場合、導体間の接続状態が不安定であり、接続不良に伴って発生する電流の瞬断、その際に発生するチャタリングやアーク放電による焼損等が懸念される。これらの問題を回避するため、回転する導体の周上の複数個所にブラシを配設したものがあるが、この場合、摺動抵抗が増大するだけでなく、ロータリコネクタが大型化する不具合が生じてしまう。
そこで、上記の不具合を解消可能な先行技術として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1は、電動機を構成する固定子と回転子との間隙に配設され、これらを電気的に接続するローラ型集電子に関するものである。ローラ型集電子は、金属ローラの周囲を弾性部材であるゴムばねにより被覆し、さらに、ゴムばねの周囲を低抵抗の導電性シートで被覆して構成される。ローラ型集電子は、固定子と回転子との間隙に挟設されて弾性変形することにより、固定子及び回転子間の接触面積が確保される。この場合、水銀のような有害物質に対する対策は不要であり、また、ブラシのような摩耗粉が発生するおそれも極めて少ない。
実開平6−17365号公報
しかしながら、特許文献1における導電性シートをゴムばねの周囲に被覆する場合、通常、導電性シートをゴムばねに固定するため、接着剤を用いることになる。しかしながら、接着剤を用いた場合、ローラ型集電子の回転に伴い、導電性シートからはみ出した接着剤により、固定子及び回転子間で接触不良が生じたり、回転子の回転動作に支障が生じる問題がある。
また、特許文献1は、導電性シートを有するローラ型集電子を開示しているだけである。このような構造からなるローラ型集電子を用いて大電流を送給しようとすると、必要な電流を確保するためには、導電性シートの肉厚を相当に厚く設定しなければならない。肉厚を厚くすると、導電性シートの剛性が大きくなって適度な弾性が得られなくなるため、十分な接触面積を確保することができず、接続状態が不安定となることが懸念される。
これに対処するためには、固定子と回転子との間に配設するローラ型集電子の個数を増やすか、ローラ型集電子を長くして接触面積を確保することが考えられる。しかしながら、この場合、ローラ型集電子の形状が大型になるだけでなく、重量も増大してしまう。
そこで、本出願人は、ロータリコネクタに適用できるローラ接触子として、導電率が高く、且つ、接触面積を確保するために弾性変形させることのできるローラ接触子の開発を行った。すなわち、特許文献1の導電性シートに代えて、ゴム材料に導電率の高い薄い銅パイプを装着することで、弾性変形し易いローラ接触子を考えた。しかしながら、このような構造とした場合、銅パイプには、回転後直ちにクラックが入ってしまい、十分な耐久性が得られないことが判明した。
本発明は、前記の不具合を解消するためになされたものであって、安定した電流の送給に対応することができ、また、摩耗やめくれが生じないだけでなく、接着剤の漏洩による接触不良や回転の不具合のない、耐久性が極めて高く、且つ、小型に構成することのできるコネクタ及びそれに用いるローラ接触子を提供することを目的とする。
本発明に係るコネクタは、内周面が円形である外周部材と、前記外周部材に対して相対的に回転自在であり、前記外周部材の中空部に前記内周面と同軸に配設される軸体と、前記外周部材及び前記軸体間に回転自在に配設されるローラ接触子とを備え、前記ローラ接触子を介して、前記外周部材及び前記軸体を電気的に接続するコネクタにおいて、前記ローラ接触子は、前記軸体の軸線に平行な軸線を中心として回転自在な回転軸と、前記回転軸の周りに配設される弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを有することを特徴とする。
本発明に係るコネクタは、前記弾性部材のショアA硬さが30〜90であり、前記導電性カバーの厚さtが0.1mm≦t<0.2mmであり、前記ローラ接触子の外径が、前記外周部材の内周面と前記軸体の外周面との間の幅よりも0.7%〜2%大きく設定されることを特徴とする。
本発明に係るコネクタ用ローラ接触子は、内周面が円形である外周部材と、前記外周部材の中空部に前記外周部材と同軸に配設される軸体との間に配設され、前記外周部材及び前記軸体を電気的に接続するローラ接触子において、前記ローラ接触子は、前記軸体の軸線に平行な軸線を中心として回転自在な回転軸と、前記回転軸の周りに配設される弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを備えることを特徴とする。
本発明に係るローラ接触子は、前記弾性部材のショアA硬さが30〜90であり、前記導電性カバーの厚さtが0.1mm≦t<0.2mmであり、前記ローラ接触子の外径が、前記外周部材の内周面と前記軸体の外周面との間の幅よりも0.7%〜2%大きく設定されることを特徴とする。
本発明に係るコネクタは、雌部と、前記雌部に着脱自在に嵌合する雄部と、前記雌部又は前記雄部に配設される接触子とを備え、前記接触子を介して、前記雌部及び前記雄部を電気的に接続するコネクタにおいて、前記接触子は、前記雌部に対する前記雄部の着脱方向を中心に配設されるリング状の弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを備えることを特徴とする。
本発明のコネクタ及びそれに用いるローラ接触子によれば、複数回巻回した銅シートから形成される積層導電体によって十分な接続断面積を確保するとともに、弾性変形するローラ接触子を介して外周部材及び軸体を確実に接続するため、安定した状態で大電流を送給することができ、しかも、小型に構成することができる。また、巻回した銅シートの外周部にローラ接触子の弾性変形を阻害することのない導電性カバーを装着しているため、銅シートを巻回しただけの状態であっても、銅シートの摩耗やめくれが生じることがなく、極めて高い耐久性を得ることができる。さらに、巻回した銅シートを導電性カバーにより接着剤を用いることなく保持することができるため、接着剤がローラ接触子の外部に漏洩することによる接触不良や、回転に対する不具合が生じることがない。
同様にして、本発明のコネクタによれば、雌部及び雄部を接触子を介して電気的に接続する際、リング状の弾性部材の周りに銅シートを複数回巻回し、その周りに導電性カバーを装着して接触子を構成することにより、雌部及び雄部を確実に接続し、安定した状態で大電流を送給することができ、且つ、コネクタを小型に構成することができる。また、銅シートの摩耗やめくれが生じることがなく、極めて高い耐久性を得ることができるとともに、接着剤がローラ接触子の外部に漏洩することによる接触不良や、回転に対する不具合が生じることもない。
本発明に係るコネクタの第1実施形態であるロータリコネクタの斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 第1実施形態のロータリコネクタを構成するローラ接触子の分解斜視図である。 図2のIV−IV線断面図である。 第1実施形態のロータリコネクタを構成するローラ接触子の各パラメータに対する実験結果の説明図である。 本発明に係るコネクタの第2実施形態である着脱コネクタの断面図である。 第2実施形態の着脱コネクタを構成する接触子の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るコネクタの第1実施形態であるロータリコネクタ10の斜視図である。また、図2は、図1のII−II線断面図である。
ロータリコネクタ10は、外周部にねじが切られた固定軸12と、固定軸12と同軸であって外周部にねじが切られ、固定軸12に対して矢印方向に回転自在に連結される回転軸14と、固定軸12及び回転軸14間に回転自在に配設される複数のローラ接触子16とを備える。ロータリコネクタ10は、ローラ接触子16を介して、固定軸12と回転軸14とを電気的に接続するものである。なお、回転軸14は、固定軸12に対して相対的に回転するものであり、従って、固定軸12が回転軸14に対して回転可能であってもよい。
固定軸12には、フランジ部18が一体に形成されており、フランジ部18には、ホルダ20を介して、円筒状の固定ボディ22(外周部材)の一端部がボルト24により固定される。また、固定ボディ22の他端部には、ホルダ26を介して、キャップ28がボルト30により固定される。
固定ボディ22に対して回転自在であり、固定ボディ22と同軸に配設される回転軸14は、キャップ28側から、第1軸部32、第1軸部32よりも大径である第2軸部34(軸体)、第1軸部32と同径である第3軸部36、及び、第3軸部36よりも小径である第4軸部38を有する。
第1軸部32は、ベアリング40を介してキャップ28に回転自在に軸支される。また、ホルダ26には、ベアリング42を介してローラホルダ44が回転自在に保持され、このローラホルダ44に第1軸部32が間隙を介して嵌合する。
第2軸部34は、固定ボディ22に挿入される。第2軸部34の外周面46と、固定ボディ22の内周面48との間には、円筒状の中空部50(図4参照)が形成される。この中空部50には、第2軸部34の円形の外周面46と、固定ボディ22の円形の内周面48とにそれぞれ当接して転動する複数本(図4に示す実施形態では8本)のローラ接触子16が配設される。
第3軸部36は、ホルダ20にベアリング52を介して回転自在に保持されるローラホルダ54に間隙を介して嵌合する。ローラ接触子16は、両端部がベアリング56及び58を介して、ローラホルダ44及びローラホルダ54に回転自在に軸支される。第4軸部38は、ベアリング60を介してフランジ部18に回転自在に軸支される。
図3は、ロータリコネクタ10を構成するローラ接触子16の分解斜視図である。
ローラ接触子16は、両端部がスペーサ62a、62bを介してベアリング56及び58に軸支され(図2参照)、第2軸部34の軸線に平行な軸線を中心として回転自在に構成される回転軸64を備える。回転軸64の周りには、例えば、ウレタンゴムからなる弾性部材66が配設される。また、弾性部材66の外周部には、通電路の断面積を確保して所望の電流が流れるように、圧延銅箔からなる銅シート67を複数回数巻回して形成される導電性積層体68が配設される。なお、銅シート67の表面には、酸化膜の生成防止を目的として、銅シート67の柔軟性を阻害することのない金、銀、錫等の軟質金属のメッキが施される。さらに、導電性積層体68の外周部には、導電率の高い導電性の弾性材料、例えば、リン青銅やベリリウム銅からなる円筒状のパイプ70(導電性カバー)が装着される。
ローラ接触子16は、パイプ70の径、すなわち、ローラ接触子16の外径が、中空部50の幅L(固定ボディ22の内周面48と、第2軸部34の外周面46との間の距離を幅Lとする。)よりも0.7%〜2%大きく設定され、中空部50に挿入されることで、図4に示すように弾性変形する。
第1実施形態のロータリコネクタ10は、基本的には以上のように構成される。次に、ロータリコネクタ10の動作及び作用効果について説明する。
ロータリコネクタ10は、ローラ接触子16の外周部のパイプ70が、回転軸14における第2軸部34の外周面46と、固定軸12側の固定ボディ22の内周面48とに圧着されることで、固定軸12及び回転軸14間が電気的に接続される。回転軸14が固定軸12に対して回転すると、内周面48及び外周面46に圧着しているローラ接触子16は、回転軸14の回転方向と反対方向に回転(自転)するとともに(図4の矢印X方向)、ローラホルダ44、54を介して回転軸14の回転方向と同じ方向に回転(公転)する(図4の矢印Y方向)。従って、固定軸12に対して回転軸14が回転する状態で、固定軸12及び回転軸14間で電流を送給し、電力や信号の送受信が行われる。
この場合、固定軸12と回転軸14との間で、適切な状態で所望の電流を送給するためには、ローラ接触子16が内周面48と、外周面46とに圧着し、且つ、長時間の回転に対して、安定して電気的接続状態を維持するとともに、ローラ接触子16から摩耗粉を含む塵埃が発生することがなく、しかも、回転トルクが十分に小さいことが重要である。
第1実施形態のローラ接触子16は、銅シート67を弾性部材66に必要回数だけ巻回させて導電性積層体68を形成しているため、所望の電流の送給に必要な通電路の断面積を確保することができる。従って、銅シート67の巻回回数を増加させることで、容易に大電流の送給に適応することができる。
また、導電性積層体68は、銅シート67を巻回して形成されているため、ローラ接触子16にラジアル方向の外力が付加されたとき、銅シート67間で滑りが生じるため、シート体ではない銅塊を用いる場合と比較すると、ローラ接触子16が容易に弾性変形する。従って、ローラ接触子16は、銅シート67の巻回回数、すなわち、導電性積層体68の厚みの影響を受けることなく、容易に弾性変形して、固定軸12の内周面48と回転軸14の外周面とが確実に圧着する。この結果、固定軸12、回転軸14及びローラ接触子16間の接触不良によるチャタリングの発生を回避し、安定した状態で電流を送給することができる。
さらに、弾性部材66に巻回された導電性積層体68は、その外周部にパイプ70を装着することで巻回状態が保持されている。この場合、導電性積層体68を形成する銅シート67を、例えば、接着剤を用いて固定し、その外周部にパイプ70を装着しない状態で提供すると、ローラ接触子16の回転時に接着剤が銅シート67間からはみ出し、また、ローラ接触子16が銅シート67の巻き付け方向に回転すると、銅シート67が巻き戻されてしまうため、銅シート67のめくれによる接触不良や回転動作の支障が生じる。また、銅シートが摩耗することによる接触不良や塵埃発生の問題もある。
これに対して、第1実施形態のローラ接触子16は、銅シート67を巻回した導電性積層体68の外周部にパイプ70を装着しているため、導電性積層体68を構成する銅シート67の少なくとも端部を接着剤等を用いて固定する必要がなく、また、巻回された銅シートの端部が固定軸12の内周面48や回転軸14の外周面46に当接して塵埃が発生したり、接触抵抗が増大してしまうといった不具合が生じることはない。この結果、構造が単純で、且つ、耐久性の高いローラ接触子16及びロータリコネクタ10を提供することができる。
また、パイプ70は、銅シート67に比較すると導電率が小さいため、可能な限り薄くすることが望ましい。一方、通電のための十分な接触圧力を得るためには、パイプ70が大きく変形することが必要である。しかしながら、変形量が大きくなると、パイプ70にクラックが発生してしまう。第1実施形態では、ローラ接触子16の内部に弾性部材66を配設することにより、パイプ70にクラックが発生するような大きな変形を生じさせることなく、通電に十分な接触圧力を得ることができる。すなわち、弾性部材66は、銅シート67を弾性変形させているだけでなく、パイプ70に不足している接触圧力を補完することができる。
ここで、ローラ接触子16に所望の弾性を付与して固定軸12及び回転軸14に密着させ、適切な状態で所望の電流を送給するためには、ローラ接触子16のパラメータを適切な範囲に設定することが望ましい。
図5は、第1実施形態のロータリコネクタ10を構成するローラ接触子16の各パラメータに対する実験結果の説明図である。
第1実施形態のローラ接触子16では、ショアA硬さが30〜90であるウレタンゴムの弾性部材66の外周部に、厚さ35μmの銀メッキした銅シート67を12回巻回させた導電性積層体68を装着し、次いで、導電性積層体68の外周部に、肉厚tが異なるベリリウム銅のパイプ70を装着した複数のローラ接触子16を作成した。そして、これらのローラ接触子16を、固定ボディ22の内周面48と、第2軸部34の外周面46との間の幅Lが6.98mmである中空部50に挿入し、中空部50の幅Lとローラ接触子16の外径との差分αを変化させて、実験を行った。
弾性部材66のショアA硬さを90よりも大きくした場合、ローラ接触子16が変形しずらくなり、接触圧力が大きくなり過ぎて、摩耗によるクラックが発生する。弾性部材66のショアA硬さを30よりも小さくした場合、ローラ接触子16が変形し易いため、接触圧力が不足して通電時に発熱する。
また、パイプ70の肉厚tが0.1mm≦t<0.15mmの範囲において、差分αを250μm以上にした場合、接触圧力が大きくなり過ぎて、パイプ70に摩耗によるクラックが発生し、差分αを50μmよりも小さくした場合、接触圧力が不足して通電時に発熱する。
さらに、差分αが50μm≦α<100μmの範囲において、肉厚tを0.35mm以上にした場合、ローラ接触子16が変形しずらくなり、接触圧力が大きくなり過ぎて、パイプ70に摩耗によるクラックが発生し、肉厚tを0.1mmよりも小さくした場合、接触圧力が不足して通電時に発熱する。
実験の結果、ショアA硬さが30〜90の範囲の弾性部材66を用いて、差分αが50μm≦α<250μmの範囲であり、且つ、肉厚tが0.1mm≦t<0.15mmの範囲に設定し、又は、差分αが50μm≦α<100μmの範囲であり、且つ、肉厚tが0.1mm≦t<0.35mmの範囲に設定し、より好ましくは、差分αが50μm≦α<150μmの範囲(ローラ接触子16の外径が中空部50の幅Lよりも0.7%〜2%大きい範囲)であり、且つ、肉厚tが0.1mm≦t<0.2mmの範囲に設定することにより、ローラ接触子16の接触圧力(反発力)が、固定軸12及び回転軸14間で送給される電流値に対して十分な値となり、且つ、回転によるローラ接触子16の摩耗粉の発生や、パイプ70にクラックが発生せず、十分な耐久性の得られることが分かった。
また、第1実施形態では、1本のローラ接触子16当たり、20A〜30Aの電流を通電させることができ、従って、8本のローラ接触子16を有するロータリコネクタ10では、160A〜240Aの電流を通電させることができた。
<第2実施形態>
図6は、本発明に係るコネクタの第2実施形態である着脱コネクタ80の断面図である。図7は、第2実施形態の着脱コネクタ80を構成する接触子90の平面図である。
着脱コネクタ80は、嵌合部82を有する雌部84と、嵌合部82に着脱自在に嵌合する雄部86とを備える。嵌合部82の内周部には、周溝88が形成され、この周溝88に接触子90が係合する。着脱コネクタ80は、雌部84と雄部86とを接触子90を介して電気的に接続するものである。なお、接触子90は、雌部84に配設する代わりに、雄部86の外周部に周溝を形成し、雄部86側に配設してもよい。
接触子90は、リング状に形成される弾性部材92の外周部の複数の所定個所(図7では4個所)に、銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体94を配設し、導電性積層体94の外周部に断面C字状の導電性弾性材料からなる導電性カバー96を装着して構成される。なお、導電性カバー96の断面形状をC字状とするのは、接触子90の製造を容易にするためである。すなわち、導電性積層体94に導電性カバー96を装着した後、導電性カバー96を導電性積層体94の外周部にかしめて装着し、隙間のない円筒状に成形することができる。
このように構成される着脱コネクタ80において、接触子16が、銅シートを弾性部材92に複数回巻回させて導電性積層体94を形成しているため、所望の電流の送給に必要な通電路の断面積を確保し、雌部84及び雄部86間で、例えば、大電流を送給することができる。また、銅シートを巻回させて導電性積層体94を形成することにより、容易に弾性変形する接触子16を得ることができる。従って、弾性変形した接触子16により、雌部84及び雄部86を確実に接続し、安定した状態で電流を送給することができる。さらに、銅シートを巻回した導電性積層体94の外周部に導電性カバー96を装着しているため、巻回された銅シートがめくれてしまう不具合が生じることがない。さらにまた、導電性カバー96を装着することで、巻回された銅シートを接着剤を用いて固定する必要がなく、また、銅シートが摩耗することもないため、接着剤の漏洩や銅シートの摩耗による接触不良や塵埃発生の問題もない。
このように、着脱コネクタ80は、雌部84の嵌合部82に対して雄部86を挿入した際、接触子90が弾性変形し、雄部86の外周部に導電性カバー96が圧着されることにより、雌部84と雄部86とが電気的に確実に接続される。また、雄部86の抜き差しの繰り返しに対して、十分な耐久性を有する着脱コネクタ80を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。例えば、外周部材である固定ボディ22は円筒状としたが、その形状は円筒状に限定されるものでなく、外周面の形状を多角形等としてもよい。
10…ロータリコネクタ
12…固定軸
14、64…回転軸
16…ローラ接触子
18…フランジ部
20、26…ホルダ
22…固定ボディ
24、30…ボルト
28…キャップ
32…第1軸部
34…第2軸部
36…第3軸部
38…第4軸部
40、42、52、56、58、60…ベアリング
44、54…ローラホルダ
46…外周面
48…内周面
50…中空部
62a、62b…スペーサ
66、92…弾性部材
67…銅シート
68、94…導電性積層体
70…パイプ
80…着脱コネクタ
82…嵌合部
84…雌部
86…雄部
88…周溝
90…接触子
96…導電性カバー

Claims (5)

  1. 内周面が円形である外周部材と、前記外周部材に対して相対的に回転自在であり、前記外周部材の中空部に前記内周面と同軸に配設される軸体と、前記外周部材及び前記軸体間に回転自在に配設されるローラ接触子とを備え、前記ローラ接触子を介して、前記外周部材及び前記軸体を電気的に接続するコネクタにおいて、
    前記ローラ接触子は、前記軸体の軸線に平行な軸線を中心として回転自在な回転軸と、前記回転軸の周りに配設される弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを有することを特徴とするコネクタ。
  2. 請求項1記載のコネクタにおいて、
    前記弾性部材は、ショアA硬さが30〜90であり、
    前記導電性カバーは、厚さtが0.1mm≦t<0.2mmであり、
    前記ローラ接触子は、外径が前記外周部材の内周面と前記軸体の外周面との間の幅よりも0.7%〜2%大きく設定されることを特徴とするコネクタ。
  3. 内周面が円形である外周部材と、前記外周部材の中空部に前記内周面と同軸に配設される軸体との間に配設され、前記外周部材及び前記軸体を電気的に接続するローラ接触子において、
    前記ローラ接触子は、前記軸体の軸線に平行な軸線を中心として回転自在な回転軸と、前記回転軸の周りに配設される弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを備えることを特徴とするローラ接触子。
  4. 請求項3記載のローラ接触子において、
    前記弾性部材は、ショアA硬さが30〜90であり、
    前記導電性カバーは、厚さtが0.1mm≦t<0.2mmであり、
    前記ローラ接触子は、外径が前記外周部材の内周面と前記軸体の外周面との間の幅よりも0.7%〜2%大きく設定されることを特徴とするローラ接触子。
  5. 雌部と、前記雌部に着脱自在に嵌合する雄部と、前記雌部又は前記雄部に配設される接触子とを備え、前記接触子を介して、前記雌部及び前記雄部を電気的に接続するコネクタにおいて、
    前記接触子は、前記雌部に対する前記雄部の着脱方向を中心に配設されるリング状の弾性部材と、前記弾性部材の外周部に銅シートを複数回巻回して形成される導電性積層体と、前記導電性積層体の外周部に装着される導電性カバーとを備えることを特徴とするコネクタ。
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