JP2012168178A - 時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調速機 - Google Patents

時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調速機 Download PDF

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Abstract

【課題】枢動する慣性ブロック(4)を含む、枢動軸(D1)の周りの歯車セット(3)の枢動速度(ω)を調節する時計用歯車調速機(1)を提供すること。
【解決手段】調速機(1)は、前記ブロック(4)を前記軸(D1)の方へ戻す手段(7)を含み、前記歯車セット(3)が基準速度(ωc)より遅い速度で枢動するとき、前記ブロック(4)は、第1の回転体積(VI)内に抑えられたままになり、前記歯車セット(3)が前記基準速度(ωc)より速い速度で枢動するとき、前記ブロック(4)は、ブロック(4)の1つの周辺部分(30)で、前記第1の体積(VI)の外側に隣接する第2の体積(VE)内に係合され、前記周辺部分(30)は、前記第2の体積(VE)内で、前記歯車セット(3)を制動して前記歯車セット(3)の枢動速度(ω)を前記基準速度(ωc)に戻すように、そして余分なエネルギーを散逸させるように構成された調節手段と協働する。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1の枢動軸の周りの歯車セットの枢動速度を基準速度値前後で調節するための時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調速機に関し、前記歯車セットは、機械トルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段を介して駆動され、また前記歯車セットは、前記第1の枢動軸に対して平行で前記第1の枢動軸から距離を隔てた第2の枢動軸の周りの1次枢動部の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロックを含む。
本発明はまた、第1の枢動軸の周りの歯車セットの枢動速度を基準速度値前後で調節するための慣性調速機を備えるばねに関し、前記歯車セットは、可変の角速度で可変のトルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段を介して駆動され、前記歯車セットは、前記第1の枢動軸の周りに主枢動部またはアーバーを含み、前記歯車セットは、前記第1の枢動軸に対して平行で前記第1の枢動軸から距離を隔てた第2の枢動軸の周りの1次枢動部の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロックを含み、また前記慣性ブロックは、前記第1の枢動軸および前記第2の枢動軸に対して平行に第3の枢動軸を画定する2次枢動部を含む。
本発明はさらに、エネルギー源または香箱と、前記エネルギー源または前記香箱から音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットへ機械トルクを伝送する手段とを含む時計またはオルゴール向けの音楽または打方機構に関する。
本発明はまた、音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットを含む時計またはオルゴールに関する。
本発明は、回転アセンブリ向けの機械的速度調節の分野に関する。
より詳細には、本発明は、測時学の分野に関し、より詳細には、打方付き腕時計、オルゴールなどの打方機構または音楽機構を含む時計に関する。
複雑な音楽ムーブメントおよび/または打方機構を含む時計またはオルゴールの製造には、少なくとも音楽または打方サイクルの過程で、収容されている時計ムーブメントに同等の品質の動作上の規則性を有する機構を使用することが必要であり、サイクル時間の持続時間が変化しないことが要求されるわけではないが、音楽または打方シーケンスに課されるリズムを必ず観察しなければならない。実際には、特に時計が高価なものである場合、あらゆる欠陥は耳に聞こえ、使用者にとって不快である。
一般に打方機構の香箱によって形成されるエネルギー源は通常、1つまたはいくつかのハンマーを持ち上げてゴング、共鳴体、もしくはベル、またはさらにはオルゴールの場合は共鳴箱を打つためのエネルギーを供給する。これらのゴングなどの振動は、時計の中央部分、ベゼル、および結晶へ伝送され、空気中に放射される。このエネルギーは通常、時計ムーブメントによって、または目覚まし時計機能もしくは目覚ましの場合は使用者によって制御されるレバーまたはトリガ・デバイスによって作動される簡単なまたは複数の打方機構用歯車セットなどのカムまたはのこぎり状のデバイスによって必要とされる。ハンマーを巻くために使用されるエネルギーの量は、時計ムーブメントの動作に必要なエネルギー量と比較して、非常に大きい。また、打方機構、一般に香箱ばねのエネルギー源は、エネルギー源が機械、電気、または別のタイプであるかどうかにかかわらず、使用者があまりにも頻繁に巻いたり充電したりしなくてもすむように、十分に寸法設定しなければならない。
打方機構によって使用されるエネルギーは、瞬間的な消費のピークを特徴とし、これはまた、耐疲労性を確保するために、エネルギー源の寸法が大きいことにも影響を与える。
さらに、一方ではエネルギー源内で広く利用可能な大量のエネルギーの突然の解放と、他方では慣性を組み合わせた影響で、打方機構が乱調をきたすことは珍しいことではない。その結果は、特に後の打方シーケンスの性質に関して有害であり、後の打方シーケンスが不正確になる可能性がある。または、後の打方が、正しい時間に行われない可能性があり、こちらはより深刻である。
振り子および刻時機構の乱調を防止するには、空気の摩擦によって回転を制動する風切を使用することが知られている。これらのデバイスは空間を必要とし、腕時計内に適切に組み込むことができない。
打方のテンポまたは旋律の適当な調節は、打方機構に使用される香箱の減退速度を安定化させる調速機によって実現される。この香箱は、ムーブメントの香箱とすることができ、または振り子の場合は一般に別個の香箱とすることができる。
このように、打方機構向けの周知の調速機は、摩擦または衝撃に基づいている。これらの調速機は、作製するのが困難なことが多く、速度に関して精度が低く、また雑音がうるさいことが非常に多く、高価な音楽またはグランド・ストライク付きの時計では許容することができない。
従来、この速度のあらゆる調節は、存在する場合、Barbezat−Baillot名義のスイス国特許第34号に開示されているものなどの慣性ブロックを有するレバーシステムまたは機械的調速機で実現される。これらの慣性ブロックは、大量のエネルギーを使用し、嵩張る可能性がある。周知の調速機は精度が低く、角速度の偏りを精密に制限することができない。
最も小型のものは、レバー調速機であり、作製および調整するのが容易で、簡単な停止ピンを使用する。通常、このタイプの調速機は、1秒当たり約100〜150回の振動で、高速で動作し、その結果、1秒当たり200〜300回の衝撃を受ける。これらの衝撃は振動を生成し、中央部分、ベゼル、および結晶へ伝送され、打方機構のチャイムのように空気中へ放射され、チャイムの音には雑音が干渉する。
さらに、これらの衝撃または摩擦に基づく調速機は、作製するのが困難であり、速度の調節に関して精度が低く、また雑音がうるさいことが多い。
要約すると、打方機構またはオルゴールを含む時計、特に音楽付き腕時計またはミニッツ・リピータ腕時計では、テンポの変動は、香箱ばねの減退曲線に厳密に関連する。したがって、多くの場合、チャイムまたは音楽は機能の終わりで減速し、使用者にとって不快である。周知の調速機は、大量の空間を必要とし、かつ/または雑音がうるさい。
スイス国特許第34号
本発明は、これらの欠点を克服すること、そして調節列内のトルクの差を吸収しながら一定の速度が得られ、それでもなお完全に静かなままである、打方機構またはオルゴールを含む時計、特に音楽付き腕時計またはミニッツ・リピータ腕時計向けの調速機を提供することを提案する。
したがって本発明は、特に腕時計に適した、乱調の問題に対する新しい解決策を提供することを提案する。
要約すると、打方サイクル中に解放されるエネルギーの一部を使用して、乱調を防止する。
本発明は、エネルギーを使用する機構を組み込むことによって、この問題を革新的に解決する。したがって、本発明は、打方機構にちょうど適したレベルに電力消費を調節するように構成され、この目的のためにエネルギー散逸手段を含む時計打方機構向けの調節デバイスに関する。
したがって、本発明は、第1の枢動軸の周りの歯車セットの枢動速度を基準速度値前後で調節するための時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調速機に関し、前記歯車セットは、機械トルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段を介して駆動され、また前記歯車セットは、前記第1の枢動軸に対して平行で前記第1の枢動軸から距離を隔てた第2の枢動軸の周りの1次枢動部の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロックを含む。
本発明によれば、前記調速機は、前記少なくとも1つの慣性ブロックを前記第1の枢動軸の方へ戻す手段を含み、前記少なくとも1つの慣性ブロックは、前記歯車セットが前記基準速度以下の速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロックが、前記第1の枢動軸の周りの第1の内側回転体積の範囲内に抑えられたままになるように、また前記歯車セットが前記基準速度より速い速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロックが、少なくとも慣性ブロックの周辺部分で、前記第1の回転体積の外側に隣接する前記第1の枢動軸の周りの第2の回転体積内に係合されるように構成され、前記周辺部分は、前記第2の回転体積内で、前記歯車セットを制動して前記歯車セットの枢動速度を前記基準速度に戻すように、そして余分なエネルギーを散逸させるように構成された調節手段と協働する。
本発明の特徴によれば、前記時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機は、慣性ブロックの前記周辺部分が前記第1の体積から前記第2の体積へ進むときに作用する制動手段を含み、前記制動手段は、基準速度を超えると展開される空気制動手段またはエアロ・ブレーキから形成され、あるいは前記慣性ブロックの前記周辺部分に制動トルクを印加する表面を有するドライ制動手段もしくは摩擦手段、または慣性ブロックの周辺部分に制動トルクを印加する表面を有し、印加される制動トルクが第1の枢動軸からの半径と交差するように構成された摩擦手段から形成される。
本発明の特徴によれば、前記周辺部分は導電性であり、前記調節手段は、前記周辺部分と前記磁界の間の相互作用が前記歯車セットの枢動に抵抗することによって前記歯車セットを制動する渦電流を生成するような向きの磁力線を含む少なくとも1つの可変の磁界を生成する手段によって形成される。
本発明の特徴によれば、前記歯車セットが前記基準速度以下の速度で枢動するとき、前記戻し手段は、前記少なくとも1つの慣性ブロックを前記第1の内側回転体積の範囲内に抑えたまま保つように構成され、また前記歯車セットが前記基準速度より速い速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロックを少なくとも慣性ブロックの周辺部分で前記第2の回転体積内に係合できるように構成される。
本発明の特徴によれば、前記戻し手段は機械的戻し手段であり、前記第1の枢動軸の方向で、前記少なくとも1つの慣性ブロック内に含まれる2次枢動部に戻し力を作用させる。2次枢動部は、前記第1の枢動軸および第2の枢動軸に対して平行な第3の枢動軸を画定する。
本発明の特徴によれば、前記戻し手段は弾性の戻し手段であり、前記第1の枢動軸の周りの前記歯車セット内に含まれる主枢動部またはアーバーの周りに第1の枢動ガイドを含み、また前記第3の枢動軸の周りの前記少なくとも1つの慣性ブロック内に含まれる前記2次枢動部の周りに少なくとも1つの第2の枢動ガイドを含む。
本発明の特徴によれば、前記歯車セットは、前記第1の枢動軸の周りに等距離を隔てて構成された複数の前記慣性ブロックを含み、前記弾性の戻し手段は、前記第1の枢動軸の周りの前記歯車セット内に含まれる主枢動部またはアーバーの周りに第1の枢動ガイドを含み、それぞれの前記慣性ブロック専用の前記第3の枢動軸の周りのそれぞれの前記慣性ブロック内に含まれる前記2次枢動部の周りに第2の枢動ガイドを含む。
本発明の特徴によれば、前記弾性の戻し手段は、少なくとも1つのばねによって形成される。
本発明の特徴によれば、前記ばねは、前記第1の枢動軸に対する径方向における第2の枢動ガイドの径方向の行程に対応するプリロードを含み、前記ばねの未結合の位置と前記慣性ブロックの前記2次枢動部上の前記ばねの結合位置との間で前記ばねが前記主枢動部上の前記第1のガイドによって案内されるとき、前記歯車セットおよび前記慣性ブロックは停止位置にあり、前記プリロードは、前記ばねの結合位置で、前記慣性ブロックの前記2次枢動部を前記第1の枢動軸の方へ径方向に引き寄せる。
本発明の特徴によれば、前記ばねの剛性は、前記慣性ブロックに印加されて前記2次枢動部へ戻される径方向の力の値が、前記慣性ブロックの停止位置に対する前記第2の枢動軸上の前記1次枢動部の周りの前記慣性ブロックの角度位置の実質上一次関数になるように規定され、その場合、前記径方向の力のゼロ値が絶対値で前記プリロードの行程に対応する。
本発明の特徴によれば、前記ばねは、微細加工可能な材料、あるいはシリコンもしくは石英またはこれらの化合物、あるいはMEMS技術から導出された合金、あるいはDRIEまたはLIGA方法を介して得られる合金から作製され、あるいは少なくとも部分的に非晶質の材料から作製される。
本発明の特徴によれば、前記慣性ブロックは、前記第1の枢動軸に対して平行方向に、導電性の材料もしくは金から作製され、または銅もしくは銀から作製され、あるいは前記チャンバ内の前記磁界を受ける部分内で、導電性の材料もしくは金から作製され、または銀もしくは銅から作製された部分を含む。
本発明はまた、第1の枢動軸の周りの歯車セットの枢動速度を基準速度値前後で調節するための慣性調速機向けのばねに関し、前記歯車セットは、可変の角速度で可変のトルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段を介して駆動され、前記歯車セットは、前記第1の枢動軸の周りに主枢動部またはアーバーを含み、前記歯車セットは、前記第1の枢動軸に対して平行で前記第1の枢動軸から距離を隔てた第2の枢動軸の周りの1次枢動部の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロックを含み、また前記慣性ブロックは、前記第1の枢動軸および前記第2の枢動軸に対して平行に第3の枢動軸を画定する2次枢動部を含み、前記ばねは、前記2次枢動部上で前記第1の枢動軸の方向に戻し力を作用させるように、そして前記少なくとも1つの慣性ブロックを前記第1の枢動軸の方へ戻すように構成されることを特徴とし、また前記ばねは、前記主枢動部の周りに第1の枢動ガイドを含み、前記少なくとも1つの慣性ブロックの前記2次枢動部の周りに少なくとも1つの第2の枢動ガイドを含むことを特徴とする。
本発明はさらに、エネルギー源または香箱と、前記エネルギー源または前記香箱から音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットへ機械トルクを伝送する手段とを含む時計またはオルゴール向けの音楽または打方機構に関し、前記伝送手段は、前記時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機内に含まれる少なくとも1つの前記歯車セットを駆動させることを特徴とする。
本発明はさらに、音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットを含む時計またはオルゴールに関し、時計またはオルゴールは、このタイプの音楽もしくは打方機構、および/またはこのタイプの時計用歯車セットもしくは打方機構用歯車セットの調速機を含むことを特徴とする。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読めば明らかになるであろう。
本発明による時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機の概略側面図である。 部分的に示す時計内に組み込まれた部分的に示す打方機構内に組み込まれた、本発明の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機の第1の実施形態の、第1の枢動軸を通過する概略横断面図である。 図2の調速機の一部、および前記調速機内に含まれる可動慣性ブロックについて、第1の折畳み位置を実線で示し、第2の展開位置を点線で示す概略上面図である。 慣性ブロックが環状のチャンバ内で動いている、第1の実施形態の調速機の概略上面図である。 図4の調速機の分解図である。 第1の変形形態による慣性ブロックを弾性的に戻す手段を備える図4の調速機の分解図である。 第2の変形形態による慣性ブロックを弾性的に戻す手段を備える図4の調速機の部分概略上面図である。 第3の変形形態による慣性ブロックを弾性的に戻す手段を備える図4の調速機の部分概略上面図である。 異なる数の慣性ブロックを備える図6の調速機の部分概略上面図である。 いくつかの重ね合わせた歯車セットを含む調速機の変形形態の概略図である。 戻す機能である慣性ブロックに結合されていない未結合の状態で示す前記戻し手段の好ましい実施形態において、第2の変形形態による慣性ブロックを弾性的に戻す手段を備える図8の調速機の部分概略上面図である。 戻し手段が慣性ブロックに結合され、歯車セットが停止している、図11の機構を示す図である。 戻し手段が慣性ブロックに結合され、歯車セットが枢動しており、慣性ブロックが展開位置にある、図11の機構を示す図である。 歯車セット内に含まれる慣性ブロックの異なる回転体積を示す、歯車セットの第1の枢動軸を通る概略横断面図である。 2つの異なるタイプの速度調速機に対する制動トルクを枢動速度の関数として示す曲線である。 2つの異なる調節特徴に対する制動トルク曲線Cの外観を枢動速度ωの関数として示す図である。 前記慣性ブロックの枢動軸に対する本発明による調速機内に含まれる慣性ブロック戻し手段の取付けアーバーの位置の、静止位置に対する変動である、径方向の戻し力の変動を角度αの関数として表す曲線である。 本発明の改善された形態の概略斜視図である。 図18の実施形態における渦電流損失の変化を、それぞれの枢動部上の慣性ブロックの角度位置の関数として示す曲線である。 本発明によって速度を調節するために磁界をともに生成する1列の下部磁石に対する1列の上部磁石の角度シフトの関数として、他はすべて等しい状態での渦電流損失の変化を示す曲線である。
本発明は、回転アセンブリに対する機械的速度調節の分野に関する。
本発明は、特に測時学の分野に関し、より詳細には打方機構を含む時計の分野に関し、本発明について、この好ましい適用分野に対してより具体的に説明する。しかし、本発明は、いかなる規模のものであっても、あらゆる回転アセンブリに対する枢動速度調節に適用することができる。
本発明の好ましい用途に関するこの説明では、本発明は、以下総称として「時計」と呼ぶ時計またはオルゴールのための時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調節機構1に関する。
時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けのこの調速機1は、機構、具体的には以下詳細に述べて図に示す特定の適用分野では音楽または打方機構10の動作を調節するためのものである。以下、「時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1」とは、時計用歯車セット向け、特に打方機構用歯車セットまたは音楽ムーブメント用歯車セット向けの調速機を意味し、「打方機構10」とは、音楽または打方機構を意味する。他の時計用歯車セットの調節に本発明をどのように適用するかについては、当業者には分かるであろう。
打方機構に対する例示的な適用分野では、あらゆる偏りは耳に聞こえ、使用者にとって不快であるため、非常に精密に、好ましくは3%より良好な精度で調節を行わなければならないこと、そしてチャイムの音量に対して雑音レベルを非常に低く抑えなければならないことに固有の特定の制約を考慮する。したがって、本発明は、調節精度と静かさを組み合わせる。
この打方機構10は、従来通り、エネルギー源または香箱と、エネルギー源または香箱から音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットの方へ機械トルクを伝送する手段2とを含む。前記生成用の歯車セットは、ハンマー、レバーなどによって形成される。このエネルギー源、香箱などは通常、ばねの減退の関数として変動するトルクを伝達する。もちろん、以下に説明する本発明による調速機1はまた、速度精度の調節を保証し、衝撃などの恐れを防止するという唯一の目的で、一定であると仮定される速度で一定であると仮定されるトルクを伝達するエネルギー源とともに使用することができる。
香箱の減退は、時間の関数としてトルクが著しく、たとえば約4分の1に低減することに関連する。調速機の歯車セット上の残留トルクの包絡線の変動は、香箱の負荷の変動による。高周波トルクのピークは、音楽用の羽根の充電に関連することがある。簡単な性質およびシステムの慣性のため、これらの高周波トルクの変動は、速度レベルにほとんど影響を与えず、したがって考慮されない。
したがって、使用者向け歯車セット、この場合は打方機構用歯車セットでトルクとして受け取られるエネルギーの数量は、非常に変動しやすい。使用者向け歯車セットには、可能な限り最も規則的なエネルギーが供給され、一方では歯車セットの枢動速度を安定化させ、また他方では香箱の減退の始めに余分なエネルギーを使用する。
特定の適用分野に対する所望の調速機の特徴は、速度の変動が小さく(公称速度の3%未満)、動力の散逸が大きい(6mWを超える)ことである。理論上、公称速度を下回る場合、調速機によって引き起こされる制動トルクはゼロになるはずである。公称速度を上回る場合、速度の関数として制動トルクは急激に増大するはずである。この特性の傾斜が高ければ高いほど、速度の変動は小さくなる。図15は、調速機の典型的なトルク特性を示す。点線で示す曲線は、速度変動の大きい調速機に対する曲線である。逆に、実線で示す曲線は、この速度変動を低減させ、トルクに対する速度感度を低減させるために大きい傾斜を有する。これが、本発明が実現することを提案するものである。
関係式P=f(ωn)で表される動力の形で時間の関数としてエネルギー散逸特性を得ることが求められている。上式で、n>2であり、値n=2は、トルクの2乗に対して均一であり、したがって角速度の2乗に比例する動力に対応する。したがって本発明は、この散逸を可能な限り改善することを提案する。
これを最適な形で実現するために、第1の変形形態では、本発明は、伝送手段および/または戻し手段、特に弾性の戻し手段を介してエネルギー源によって動力供給される歯車セットに対して枢動できる慣性ブロックの使用を実施する。第2の変形形態では、本発明は、これらの慣性ブロックと可変の磁界の間の相互作用によって生じる渦電流の使用を実施し、熱を解放することによって余分なエネルギーを使用することができるが、必要より多くのエネルギーを使用しない。
本発明は、戻し手段によって戻されるこれらの枢動する慣性ブロックの使用と、慣性ブロックと可変の磁界の間の相互作用によって生じる渦電流の使用を組み合わせることが好ましい。
したがって本発明は、時計ムーブメントで利用可能な体積が小さいという制約にかかわらず効率的である受動的に調節された制動を行う。
本発明の別の実施形態では、枢動する慣性ブロックの使用は、遠心力を補償する手段および制動手段と組み合わされる。
時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1は、第1の枢動軸D1の周りの歯車セット3の枢動速度ωを基準速度値ωc前後で調節するように工夫される。この歯車セット3は、機械トルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段2を介して駆動される。この歯車セット3は、第1の枢動軸D1に対して平行に第1の枢動軸D1から距離を隔てて第2の枢動軸D2を画定する1次枢動部6の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロック4を含む。
本発明によれば、調速機1は、慣性ブロック4を第1の枢動軸D1の方へ戻す手段7を含む。この慣性ブロック4は、
− 一方では、歯車セット3が基準速度ωc以下の速度で枢動するとき、慣性ブロック4が第1の枢動軸D1の周りの第1の回転体積VIの範囲内に抑えられたままになり、
− 他方では、歯車セット3が基準速度ωcより速い速度で枢動するとき、この慣性ブロック4が少なくとも慣性ブロック4の周辺部分30で、第1の回転体積VIに隣接する第1の枢動軸D1の周りの第2の回転体積VE内に係合されるように構成される。
図14に見られる第1の構成では、第2の体積VEは、第1の体積VIの外側にある。
図示しないが第2の構成では、第2の体積VEは、第1の体積VIの内側にある。
もちろん、複数の隣接する体積による他の構成も可能であり、複数の隣接する体積はそれぞれ特定の特性を有し、慣性ブロック4と相互に作用したり、相互に作用しなかったりする。
周辺部分30は、第2の回転体積VE内で、歯車セット3の制動を引き起こして歯車セット3の枢動速度ωを基準速度ωcに戻すように、そして余分なエネルギーを散逸させるように構成された調節手段と協働する。
本発明に特有の特に有利な方法では、歯車セット3が基準速度ωc以下の速度で枢動するとき、戻し手段7は、この少なくとも1つの慣性ブロック4を第1の内側回転体積VIの範囲内に抑えたまま保つように構成され、また歯車セット3が基準速度ωcより速い速度で枢動するとき、前記慣性ブロック4を少なくとも慣性ブロック4の周辺部分30で第2の回転体積VE内に係合できるように構成される。
戻し手段7は機械的戻し手段であり、前記少なくとも1つの慣性ブロック4内に含まれる2次枢動部72に第1の枢動軸D1の方向に戻し力を作用させることが好ましい。2次枢動部72は、第1の枢動軸D1および第2の枢動軸D2に対して平行な第3の枢動軸D3を画定する。
戻し手段7は弾性の戻し手段であり、第1の枢動軸D1の周りの前記歯車セット3内に含まれる主枢動部15またはアーバーの周りに第1の枢動ガイド74を含み、また第3の枢動軸D3の周りの前記少なくとも1つの慣性ブロック4内に含まれる2次枢動部72の周りに少なくとも1つの第2の枢動ガイド73を含むと有利である。
以下に説明するように、この弾性の戻し手段7は、プリロードをもつ少なくとも1つのばね71を含むことが好ましい。維持すべき基準速度に応じて精密に計算されたプリロードをもつようにこれらのばねを精密に製造することで、精度が低いという従来技術の問題を克服する。非常に迅速に渦電流を散逸させることと組み合わせることで、大量のエネルギーを非常に短い時間で散逸させることによって、安定化された速度を提供する。
特定の実施形態では、時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1は、慣性ブロック4の周辺部分30が第1の体積VIから第2の体積VEへ進むときに作用する制動手段を含む。この制動手段は、基準速度ωcを上回ると展開される空気制動手段もしくはエアロ・ブレーキから形成され、または慣性ブロック4の周辺部分30に印加される制動トルク表面を有し、印加される制動トルクが第1の枢動軸D1からの半径と交差するように構成されたドライ制動手段もしくは摩擦手段から形成される。
したがって、制動手段は、慣性ブロック4の周辺部分30が第1の体積VIから第2の体積VEへ進むとき、慣性ブロック4の周辺部分30に制動トルクを印加するように作用し、したがって印加される制動トルクは、第2の体積VEの中心で、第1の枢動軸D1からのそれぞれの前記慣性ブロックの径方向の位置と交差する。
図に示す好ましいエネルギー散逸原理は、渦電流損失の原理である。可変の磁界または交番する磁界内で枢動する導電性の歯車セット、具体的には円板などが、引き起こされる渦電流の中心であり、以下の式に従ってジュール効果損失を引き起こす。
(2.1)P_{eddy}≒ρ.BC2.Ω2.e
上式で、ρは、枢動する伝導材料の電気抵抗率であり、BCは、その材料で見られる誘導ピークであり、Ωは枢動速度であり、eは材料の厚さである。
また渦電流制動トルクは、
(2.2)M_{eddy}≒ρ.BC2.Ω.e
と表すことができる。
本発明の非常に簡単な実施形態では、検討されている調速機は、可変の磁界、好ましくは交番する磁界内で枢動する、たとえば銀から作製された導電性の円板または歯車セットを含み、その制動トルクは、式2.2に従う。
このシステムのトルクと速度の関係は、純粋に直線的な特性であり、その傾斜は、パラメータρ、BC2、およびeに依存する。
しかし、このシステムは、公称速度制動トルクを有する。さらに、傾斜は、前に引用したパラメータによって調整できるが、限界値を伴う。実際には、抵抗率は、銀の場合に最小値を有する。誘導値も、無期限に増大させることはできない。したがって、許容できる体積内で非常に急勾配の傾斜を得るのは困難であり、そのため図4に示す本発明の好ましい実施形態が考慮される。
本発明による時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1は、第1の枢動軸D1の周りの少なくとも1つの使用者向け歯車セットの枢動速度ωを基準速度値ωc前後で調節するように工夫される。時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1は、伝送手段2によって前記第1の枢動軸D1の周りで枢動されるように構成された少なくとも1つの歯車セット3を含む。
図1に見られるように、この歯車セット3は、直接または間接的に、導電性の材料から作製された少なくとも1つの周辺部分30を含み、少なくとも歯車セット3が停止位置にないとき、この周辺部分30の少なくとも一部は、調速機1内に含まれる磁化部分によって少なくとも部分的に分界された調速機1内に含まれるチャンバ8内、または磁極22と磁極23の間のスロット21内の少なくとも1つの可変の磁界の作用を受ける。
トルク伝送手段2によって駆動されると、歯車セット3は枢動し、この周辺部分30は、可変の磁界内へ、好ましい実施形態では特に前記チャンバ8内へ動かされ、したがって歯車セット3の枢動速度は、前記磁界と前記周辺部分30の間、または図2〜9および11〜13の好ましい場合と同様に歯車セット3がいくつかの前記磁界を有する場合は複数の前記周辺部分30との間の相互作用によって引き起こされる渦電流によって調節される。
実際には、歯車セット3が枢動するとき、周辺部分30によって形成される導体内に、渦電流制動原理に従って、歯車セットと磁界の間の相対的なムーブメントに抵抗する傾向がある電流が生じ、制動トルクは、一定の表面速度が増大すると増大する。もちろん、歯車セットの周辺表面30が増大した場合も、制動トルクは増大する。調速機1の様々な要素が適切に寸法設定されるとき、エネルギー源を形成する香箱の減退速度は、調速機1によって適切に安定化される。歯車セット3は、音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットと同期し、したがってそのテンポは、うまく調節される。
本発明の好ましい形態では、図2〜9に見られるように、歯車セット3は、少なくとも1つの慣性ブロック4、好ましくは複数の前記慣性ブロック4を含み、慣性ブロック4はそれぞれ、中心を外れた1次枢動部6の周りに枢動可能に取り付けられ、1次枢動部6は、伝送手段2によって直接または間接的に駆動される歯車セット3に、具体的には枢動するフランジ31上に固定されており、第1の枢動軸D1に対して平行に第1の枢動軸D1から距離を隔てて第2の枢動軸D2を画定する。複数の慣性ブロック4A、4B、...の場合、各慣性ブロックは、それぞれの第2の軸D2A、D2B、...の周りを枢動することが明らかである。各慣性ブロック4の枢動は、歯車セット3内に含まれるピンなどの相補型の案内手段6と協調して、穿孔などの案内手段5内で行われ、または逆も同様である。
各慣性ブロック4の慣性の中心は、関連する慣性ブロック4の1次枢動部6より第1の枢動軸D1から遠いことが好ましい。
本発明によれば、エネルギーの散逸が渦電流を使用する好ましい形態では、各慣性ブロック4の少なくとも1つの周辺部分30、または慣性ブロック4全体が、導電性の材料、またはそれぞれ磁化された材料から作製される。
本発明によれば、各慣性ブロック4の少なくとも一部は周辺部分30を形成しており、各慣性ブロック4の少なくとも周辺部分30が導電性の材料から作製されている場合、少なくとも関連する慣性ブロック4が静止位置にないとき、好ましくは歯車セット3の特定の枢動速度閾値を超えているとき、慣性ブロック4が動かされるチャンバ8内で少なくとも1つの可変の磁界、または交番するもしくは正弦波の磁界の作用を受け、したがって歯車セット3の枢動速度は、チャンバ8と慣性ブロック4の周辺部分30の間の相互作用によって引き起こされる渦電流の作用によって調節されることが好ましい。
各慣性ブロック4の少なくとも1つの周辺部分30が磁化材料から作製されている代替の場合、歯車セット3、したがって慣性ブロック4の枢動するムーブメントは、伝導部分によって少なくとも部分的に分界されたチャンバ8内で可変の磁界、または交番するもしくは正弦波の磁界を生じさせ、これらの部分と前記磁界の相互作用は、歯車セットの枢動に抵抗することによって歯車セットを制動する傾向がある渦電流を生成する。
この慣性ブロック4は、振幅が可変の磁界を受け、またはそれぞれ生成するはずである。もちろん、磁界が交番する場合、変動の振幅ははるかに大きくなり、条件は最適になる。しかし、一方では磁界がゼロの磁化されていない領域と、他方では磁石の作用を受ける領域との間の磁界の簡単な変動もまた、本発明によって必要とされる渦電流散逸条件をもたらすことに留意されたい。
以下でより詳細に説明する一実施形態では、周辺部分30は導電性であり、速度調節手段は、この周辺部分30と可変の磁界の間の相互作用が歯車セット3の枢動に抵抗することによって歯車セット3を制動する傾向がある渦電流を生成するような向きの磁力線を含む少なくとも1つの磁界を生成する手段によって形成される。
周辺部分30が磁化材料から作製され、チャンバ8が伝導表面を含む逆の構成をどのように実現するかについては、当業者には分かるであろう。したがって、この代替実施形態について、この説明では詳述しない。
本発明によれば、この慣性ブロック4、好ましくは各慣性ブロック4は、一方では、歯車セット3が基準速度ωc以下の速度で枢動するとき、この慣性ブロック4が第1の枢動軸D1の周りの第1の回転体積VIの範囲内に抑えられたままになるように構成され、また他方では、歯車セット3が基準速度ωcより速い速度で枢動するとき、この慣性ブロック4が少なくとも慣性ブロック4の周辺部分30で、第1の回転体積VIに隣接し、好ましくは第1の回転体積VIの外側にある第1の枢動軸D1の周りの第2の回転体積VE内に係合されるように構成される。周辺部分30は、第2の回転体積VE内で、歯車セット3の制動を引き起こして歯車セット3の枢動速度ωを基準速度ωcに戻すように、そして余分なエネルギーを散逸させるように構成された調節手段と協働する。
デバイスはまた、第2の体積VEが第1の体積VIの内側にある第2の構成でも動作できるが、散逸がより少ないため、第2の体積VEが第1の体積VIの外側にある第1の構成ほど効率的でないことが明らかである。
この第2の構成では、レバー慣性ブロックの形で慣性ブロック4を作製することが可能であり、第1のレバー・アーム上の比較的大きい質量が周辺の遠心力を受け、第2のレバー・アーム上の慣性の小さい伝導部分は、歯車セットの枢動軸に近接している。
本発明によれば、調速機1は、少なくとも1つの慣性ブロック4、好ましくは調速機がいくつかを有するときは各慣性ブロック4を、この第1の枢動軸D1の方へ戻す手段7を含む。
したがって、各慣性ブロック4は、戻し手段7によって、好ましくは弾性の戻し手段7によって、第1の枢動軸D1の方へ戻される。各慣性ブロック4は、一方では歯車セット3の停止位置に対応する折畳み静止位置と、他方では歯車セット3の最高の枢動速度に対応する最大に展開された中心を外れた位置との間を動くことができ、各慣性ブロック4の周辺部分30は、遠心力の作用を受けて第1の枢動軸D1から離れる傾向がある。
特に少なくとも1つのばね71によって形成されるこの弾性の戻し手段7は、各慣性ブロック4を第1の枢動軸D1に、もしくはフランジ31に、または別の慣性ブロック4に連結させることが好ましい。本発明によれば、弾性の戻し手段7はプリロードを有し、プリロードは、公称速度ωcに到達すると慣性ブロック4が中心を外れるように決定されると有利である。弾性の戻し手段7、特にばね71の剛性は、前記ブロックの任意の角度位置で慣性ブロック4の遠心力を補償するように計算される。
公称速度ωcを下回ると、慣性ブロック4は、第1の枢動軸D1に近接する折畳み位置に留まり、チャンバ8内で作用される磁界の外側に位置する。この磁界は、図2、6、および13に見られるように、ヨーク・フランジ16、17上の固定子ヨーク19に取り付けられた1つまたは複数の磁石12によって生じる。
公称速度ωcに到達すると、慣性ブロック4は中心を外れ、永久磁石12によって生じる磁界に入る。
渦電流の制動は、それぞれの枢動部上の慣性ブロック4の角度位置の関数として増大する。したがって、弾性の戻し手段7、特にばね71は、公称速度ωcに到達すると、速度のわずかな変動で制動トルクを大きく変動させるように寸法設定される。このばね71の剛性は、任意の角度位置で遠心力を均衡させるのに単に必要な剛性よりわずかに大きくしなければならない。したがって、このシステムには、特定の自己調節式の速度安定性が保証される。
したがって、本発明は、基準速度ωcを上回る慣性ブロック4の径方向の可動性という条件だけをもたらす。これを実現するために、機構の軸の方へ径方向に戻す手段は、プリロードされたばね71の形で、特に信頼性が高い解決策を形成する。このばねは、枢動する慣性ブロック4に印加される時点で、基準速度ωcで前記ブロックに印加される遠心力をちょうど補償する。
図16の曲線は、制動トルク曲線Cの外観を枢動速度ωの関数として示す。曲線C1は、理想的な理論上の曲線であり、動力はすべて基準速度ωcだけで使用される。曲線C2は、実際の曲線であり、先の曲線から角度θだけシフトしている。理想的な解決策に可能な限り近づくには、この角度θを最小にしなければならない。ばねが硬ければ硬いほど、角度θは大きくなる。利点は、非常に急勾配の特性曲線を得るのに十分なほど低い剛性のばね71を使用することであり、したがって、枢動速度が基準速度ωcを上回ってわずかに増大する結果、対応する慣性ブロック4の径方向の行程は大きくなり、大量のエネルギーが散逸する。エネルギーの散逸は、可変の磁界と相互に作用して渦電流を生成する慣性ブロック4の表面に比例する。より具体的には、この磁界は、周辺の環状チャンバ8内で生成され、したがって調節すべき歯車セットの角度位置にかかわらず、調節は効率的である。
図に示す香箱の例をとると、1分当たり約3000回転で調節するには、数mW、約5mWを散逸させることが可能でなければならない。図2の構成要素の寸法比率で本発明を実装し、特別な可変の磁界を選択することで、8mWの散逸が可能であり、これは特に有利である。
図2の実施形態では、打方機構列が調節用小歯車29を駆動させ、したがってトルク伝送手段2を形成する。歯車セット3は、それぞれ各慣性ブロック4内に含まれる穿孔5内でピン6上に自由に取り付けられた2つの慣性ブロック4A、4Bを保持するフランジ31を含む。この図では、慣性ブロック4A、4Bは、戻し手段7を形成するばね71によって互いに連結される。ばね71は、調節用小歯車を保持する歯車セット3内に含まれるアーバー15上に自由に取り付けられる。可変の磁界8を生成する磁石12の下に慣性ブロック4が浸入する深さは、歯車セットの枢動速度の関数として変動する。慣性ブロック4の周辺部分30が径方向に浸入する深さが大きければ大きいほど、渦電流によって引き起こされる制動トルクが大きくなる。
図4〜13に示すように、調速機1、特に歯車セット3は、複数の慣性ブロック4を含むことが好ましい。慣性ブロックは、歯車セット3の最大の枢動速度で、歯車セット3および慣性ブロック4から形成されるアセンブリを動的に均衡させるように、第1の枢動軸D1の周囲に分散されることが好ましい。
歯車セット3が基準速度ωc以下の速度で枢動するとき、戻し手段7は、この慣性ブロック4または各慣性ブロック4を第1の内側回転体積VIの範囲内に抑えたまま保つように構成され、また歯車セット3が基準速度ωcより速い速度で枢動するとき、前記慣性ブロック4を少なくとも慣性ブロック4の周辺部分30で第2の回転体積VE内に係合できるように構成される。
戻し手段7は機械的戻し手段であることが好ましく、第1の枢動軸D1の方向で、各慣性ブロック4内に含まれる2次枢動部72に戻し力を作用させる。2次枢動部72は、第1の枢動軸D1および第2の枢動軸D2に対して平行な第3の枢動軸D3を画定する。
各慣性ブロック4の2次枢動部72は、関連する慣性ブロック4の1次枢動部より第1の枢動軸D1から遠いことが好ましい。
図11〜13に見られるように、戻し手段7は弾性の戻し手段であり、第1の枢動軸D1の周りの歯車セット3内に含まれる主枢動部15またはアーバーの周りに第1の枢動ガイド74を含み、また2次枢動部72の周り、または径方向の弾性の戻し手段7が慣性ブロック4のすべてに共通であるときは各2次枢動部72の周りに、少なくとも1つの第2の枢動ガイド73を含むことが好ましい。
したがって、弾性の戻し手段7の効果は、歯車セット3が停止しているときは、軸D1に近接して慣性ブロック4を保つことであり、調節する渦電流が生じ始める過渡的な段階では、歯車セット3が速度を増すにつれて、それぞれの第2の枢動軸D2の周りの慣性ブロック4の枢動を制限することである。弾性の戻し手段7の設計で基準速度が決まり、基準速度を上回ると、遠心力が戻し力に優先して慣性ブロック4を軸D1から離し、前記ブロックまたは少なくともブロックの周辺部分30をチャンバ8の磁界に入れることができる。この基準速度は、歯車セット3の基準枢動速度ωcに等しいことが好ましい。次いで、慣性ブロック4内で引き起こされる渦電流が前記ブロックを制動し、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する。この弾性の戻し手段7は、1つまたはいくつかのばね71によって形成されることが好ましい。各ばね71の適切な寸法設定、および慣性ブロック4とその支持部の間の取付け位置によって、慣性ブロックの折畳み位置に対する枢動速度よりわずかに速い、慣性ブロック4の展開位置に対する枢動速度を得ることが可能である。この速度差は、調速機1の速度調節精度に等しい。トルクに応じて、より多くのエネルギーまたはより少ないエネルギーを散逸するように、慣性ブロック4が磁界内へ浸入する深さが変動する。
また弾性の戻し手段7には、いくつかの慣性ブロックが存在するとき、前記ブロックの効果および位置を均衡させるという効果がある。実際には、歯車セット3は、第1の枢動軸D1の周囲に等距離を隔てて分散された複数の慣性ブロック4を有することが好ましい。弾性の戻し手段7はまた、第1の枢動軸D1の周りの歯車セット3内に含まれる主枢動部15またはアーバーの周りに第1の枢動ガイド74を含み、また各慣性ブロック4専用の第3の枢動軸D3の周りの各慣性ブロック4内に含まれる前記2次枢動部72の周りに第2の枢動ガイド74を含む。
これらの慣性ブロック4は互いに同一であり、慣性ブロック4のそれぞれの第2の枢動軸D2は、第1の枢動軸D1から同じ距離のところにあり、等距離を隔てて分散され、すべての弾性の戻し手段7は同一であり、慣性ブロック4に同様に固定されることが好ましい。これらの慣性ブロック4は、歯車セット3の最大枢動速度で、慣性ブロック4を備える歯車セット3から形成されるアセンブリを動的に均衡させるように、第1の枢動軸D1の周りに分散されると有利である。
戻し手段7は、1つまたは複数の慣性ブロック4の位置にかかわらず、第1の回転体積VIの範囲内に抑えられることが好ましく、2次枢動部72も同様である。
もちろん、異なる変形形態を想定することができる。
図3の第1の変形形態では、慣性ブロック4、ここでは2つの慣性ブロック4Aおよび4Bは、弾性の戻し手段7によって対で連結されており、弾性の戻し手段7は、歯車セット3の最大枢動速度で、歯車セット3および慣性ブロック4から形成されたアセンブリを動的に均衡させるように寸法設定される。
図4の第2の変形形態では、慣性ブロック4はすべて、単一の弾性の戻し手段7によって互いに連結されており、弾性の戻し手段7は、歯車セット3の最大枢動速度で、歯車セット3および慣性ブロック4から形成されたアセンブリを動的に均衡させるように寸法設定される。
図5の第3の変形形態では、慣性ブロック4はそれぞれ、独立した弾性の戻し手段7によって、第1の枢動軸D1に沿って歯車セット3内に含まれるアーバー15に連結される。これらの弾性の戻し手段7は、歯車セット3の最大枢動速度で、歯車セット3および慣性ブロック4から形成されたアセンブリを動的に均衡させるように寸法設定される。
図11〜13に示す好ましい実施形態は、第2の変形形態と第3の変形形態を組み合わせることによって形成される。
難点は、特定の速度を上回ったときだけ慣性ブロックを展開できるように、慣性ブロック4および戻し手段7を構成することであることが明らかである。本発明は、プリロードを含む少なくとも1つのばね71によって弾性の戻し手段7が形成される革新的な解決策を提案する。図11と図12の比較は、このプリロードが、第1の枢動軸D1に対する径方向における第2の枢動ガイド73の径方向のプリロード行程CPに対応することを示す。ばね71の未結合の位置とばねが慣性ブロック4の2次枢動部72上へ結合された位置との間でばね71が主枢動部15上の第1のガイド74によって案内されるとき、歯車セット3および慣性ブロック4は停止位置にあり、プリロードは、ばね71の結合位置で、慣性ブロック4の2次枢動部72を第1の枢動軸D1の方へ径方向に引き寄せる傾向がある。
ばね71は、図11〜13に見られるように、慣性ブロックにかかる戻し力が常に第1の枢動軸D1を通過するように作製され、第1のガイド74は、主枢動部15の周りに摩擦がないように枢動可能に備えられた中心である。
要約すると、プリロードは、枢動速度のために2次枢動部72に印加される遠心力に抵抗する径方向の戻し力を、慣性ブロックの2次枢動部72に作用させ、またこのプリロードも、歯車セット3が臨界速度に到達する前の慣性ブロック4の展開を防止する。臨界速度は、基準速度値ωcで選択されることが好ましい。
前記ばね71の剛性は、慣性ブロック4に印加されて2次枢動部72へ戻される径方向の力の値が、慣性ブロック4の停止位置に対する第2の枢動軸D2上の1次枢動部6の周りの慣性ブロック4の角度位置αの実質上一次関数になるように規定され、その場合、図17に見られるように、ゼロの径方向の力の値は、絶対値でプリロード行程CPに対応する。図17は、第2の枢動軸D2に対する第3の枢動軸D3の図12の静止位置に対する位置の変動である径方向の戻し力の変動を角度αの関数として表す。
別の式では、ばねのプリロード行程CPを超えて慣性ブロックに印加される径方向の力は、枢動軸D1に対する2次枢動部72の径方向の位置の一次関数である。これはまた、図11に示すように、2次枢動部72の位置と、慣性ブロック4上に組み立てられていないばねの取付け点の位置との間の、任意の所与の時点における距離、またはより簡単に表すとばね71が延びる距離の一次関数である。図12のように、ばねが慣性ブロック4に結合されると、この距離は、径方向のプリロード行程CPに等しい。
慣性ブロック4に印加される径方向の力が、2次枢動部72の径方向の位置の増大に実質上比例して増大するというこの特性は、どのような慣性ブロックの角度であっても遠心力の均衡を計算することによって得られる曲線を平滑にすることによる近似の結果である。
追加の効果は、可変のレバー・アームを得るための互いに関連する枢動部の特定の構成によって得られ、それによって、基準速度ωcを上回るように速度をわずかに増大させるために、慣性ブロック4の広い展開が可能になる。
ばね71のアームは、必要とされるちょうどの剛性を得るのに十分な可撓性をばねに与えるように、コイル状または螺旋状の形で作製できると有利である。
現象の完全な反復性および完全な再現性を得るために、ばね71は、微細加工可能な材料、あるいはシリコンもしくは石英またはこれらの化合物、あるいはMEMS技術から導出された合金、あるいはDRIEまたはLIGA方法によって得られるものなどの合金で作製され、あるいは少なくとも部分的に非晶質の材料で作製されることが好ましい。この方法および/または材料の選択肢はまた、非磁性の磁化できないばね71を提供する。このばね71は、磁界の影響を受けたり、調速機1を取り囲む時計ムーブメントに拡散したりする可能性がない。他の利点は、ばねのヤング係数が温度とともにほとんど変動しないことであり、したがって調節速度からの偏りが生じない。
もちろん、ばね71はまた、従来通り、たとえば測時学でぜんまいまたは香箱ばねに使用されるばね材料、特にばね鋼で製造することができる。
しかし、基準速度を調節できることが望ましい。これは、ばねの剛性、もしくはばねのプリロード、または両方を修正することによって可能である。したがって、特性C2を特性C’2で置き換えた図16に見られるように、別の基準速度値に対応するゼロのオフセットを実行することによって曲線をシフトさせるために、たとえば中間フランジ(図示せず)を枢動させる緩急針などの静的な要素で機構を構成することが可能である。工場でこの緩急針を使用することで、所望の値へ精密に調整することができる。図示しないが有利な代替手段では、ばね71は、複数の枢動ガイド73を並列に含み、複数の枢動ガイド73はそれぞれ、慣性ブロック4の2次枢動部72と協働するように構成された中心から形成され、各中心は、特定の記憶可能かつ再現可能な調整を表し、工場での事前調整を容易にすることができる。これらの中心73は、一列に、互い違いに、または他の構成で構成することができ、好ましくは組立てを容易にするように参照することができる。この構成は、ばねへのあらゆる圧迫を回避するため、緩急針の構成に好ましい。
腕時計に対して少なくとも1つの可変の磁界を生成する手段は、チャンバ8の両側に構成される永久磁石12によって形成されることが好ましく、各慣性ブロック4の周辺部分30は特定の速度範囲で動き、前記永久磁石12は、前記チャンバ8の両側で、対で反対の極性のものである。
時計ムーブメントまたは機構への干渉が生じるのを回避するために、磁界が生じるチャンバ8は、磁気絶縁スクリーン9によって分界されることが好ましい。これらの永久磁石12は、チャンバ8を取り囲むヨーク19の内周部11に構成されることが好ましく、前記ヨーク19は、前記磁気絶縁スクリーン9によって分界されることが好ましく、永久磁石12は、チャンバ8の両側で、第1の枢動軸D1に対して実質上平行方向に位置合わせされる。図2および3〜5に見られる非限定的な例では、チャンバ8は、ヨーク・リング18によって連結された上部ヨーク・フランジ16と下部ヨーク・フランジ17の2つを含むヨーク19によって分界される。
これらの図に見られる特定の実施形態では、チャンバ8は、第1の枢動軸D1の周りを回る。
チャンバ内部に生じる可変の磁界は、様々な方法で生成することができる。振り子などの静的な時計の場合、またはオルゴールの場合、電源動作式または電池式の電磁石の使用を想定することができる。
したがって、チャンバ8は、その内周部11に、磁界を生じさせるように構成された複数の永久磁石12を含むことが好ましい。これらの永久磁石12は、チャンバ8内で、歯車セット3の第1の枢動軸D1に対して平行の磁力線を生じさせるように構成されることが好ましい。したがって、チャンバ8内または空隙内の磁界は軸方向であり、調速機は軸線束を有する。
特定の実施形態では、図6に見られるように、永久磁石12は、チャンバ8内で歯車セット3の第1の枢動軸D1に対して平行の磁力線を生じさせるように、チャンバ8の対向する表面13、14上に対で構成され、互いに面する。各慣性ブロック4はまた、軌道の両側に構成されたこれらの2つの対向する永久磁石12間を動くことができることが好ましい。
同じく図6に見られる別の変形形態では、同じ表面13または14上に整数の永久磁石12が交番する極性で取り付けられ、したがって各慣性ブロック4が軌道中に通過する磁界は、最大強度の交番する磁界である。磁界は、第1の方向で所与の極を受け、反対の方向ですぐ近傍の極を受ける。したがって、歯車セット3が枢動するとき、各慣性ブロック4は、正弦波形状の周期的な高調波の磁界を受ける。具体的には、ヨーク19は、チャンバ8の両側に、第1の一連の永久磁石12を保持する第1のフランジ16と、第2の一連の永久磁石12を保持する第2のフランジ17とを含み、第1のフランジ16と第2のフランジ17はそれぞれ、関連するフランジの周辺部に交番する極性で取り付けられた整数の永久磁石12を含み、したがって動いている慣性ブロック4の周辺部分30から見た磁界は、交番する磁界である。
図示しないが別の変形形態では、永久磁石12は、全体的な角度、半径、および発生が可変の状態で、中心から円形に繰り返すように交番しない極性で同じ表面13または14上に取り付けられ、したがって軌道中に動いている慣性ブロック4の周辺部分30から見た磁界は、交番する可変の磁界である。
既に前述したように、慣性ブロックの周辺部分から見た磁界の変動性は、渦電流およびエネルギー散逸を生じさせる条件である。したがって、本明細書では好ましい実施形態について説明するが、このシステムはまた、整数でない磁石で、またはさらにはすべて同じ極性を有する磁石でも動作することを理解されたい。本明細書で提案する例は特に、最善かつ最も規則的な散逸を可能にする例であるが、非限定的なものである。
特定の実施形態では、第1のフランジ16および第2のフランジ17は、相対的な位置に応じて、磁力線を前記第1の枢動軸D1に対して平行に位置合わせするように、または第1の枢動軸D1の周りの回転の円錐もしくは円筒の表面で、第1の枢動軸D1に対して磁力線の向きを斜めにするように、第1の枢動軸D1の周りを互いに対して枢動可能に動くことができる。螺旋または円錐状の磁力線を得ることで、エネルギー散逸を変動させることができ、調節を可能な限りうまく調整することができる。この構成はまた、慣性ブロック4のより良好な展開を可能にすることができる。図20の曲線は、第2のフランジ17に対する第1のフランジ16の角度シフトの関数として、他はすべて等しい状態での慣性ブロックの完全な展開位置における渦電流損失の変化を示す。
別の特定の実施形態では、第1のフランジ16および第2のフランジ17は、空隙値を修正するように、第1の枢動軸D1の方向に互いに対して平行移動で動くことができ、または枢動可能に動くことができる。
別の特定の実施形態では、第1のフランジ16および第2のフランジ17は、慣性ブロック4の周辺部分30が空隙を貫通する影響のため、第1の枢動軸D1の方向に互いに対して平行移動で動くことができ、かつ/または枢動可能に動くことができ、たとえば前記周辺部分の双円錐形の部分または隅部は、特にフランジを停止位置まで互いの方へ戻すばねに対抗して、フランジを離す傾向がある。
別の特定の実施形態では、第1のフランジ16および第2のフランジ17は、慣性ブロック4の周辺部分30が空隙を貫通する影響のため、第1の枢動軸D1の方向に互いに対して枢動し、これはたとえば、1つの可動フランジを、固定されたままの他方のフランジに対して枢動させる傾向がある。
別の特定の実施形態では、第1のフランジ16および第2のフランジ17は、エネルギー源を形成する香箱の作用を受けて、動力保有機構と同様に打方機構の香箱のエネルギー損失を補償するように、第1の枢動軸D1の方向に互いに対して平行移動で動くことができ、または第1の枢動軸D1の方向に互いに対して枢動可能に動くことができる。
前述のように磁石を保持し、または磁石が慣性ブロック4によって保持されるときは伝導要素を保持するフランジが、こうして相対的に枢動および/または平行移動で動けることで、特に、図示のように打方機構への適用分野の場合、テンポの調整を可能にする。
図示しないが特定の実施形態では、永久磁石12は、第1の枢動軸D1に対して径方向に動くことができる。したがって、第1の枢動軸D1の周囲で実質上円筒形の磁界層が、歯車セット3の枢動速度が増大するにつれて軸D1から徐々に離れた場合、制動トルクもまた、歯車セット3の枢動速度が増大した場合に増大される。調速機1は、たとえば遠心力を使用することによって、または引き起こされた渦電流によって動力供給される電動化を使用することによって、歯車セット3の枢動速度の関数として第1の枢動軸D1に対する永久磁石12および/またはチャンバ8の径方向のムーブメントを可能にするように構成された手段を含むと有利である。
図示しないが特定の実施形態では、調速機1は、歯車セット3の枢動速度の関数として、第1の枢動軸D1の周りの永久磁石12および/またはチャンバ8の回転ムーブメントをオーソライズする(authorise)ように構成された手段を含む。有利な実施形態では、この回転ムーブメントは、引き起こされた電流、したがって関連する制動を倍にするように、歯車セット3の枢動方向とは反対の方向に発生する。
特定の実施形態では、永久磁石を保持するフランジまたはヨークを軸方向に電動化することによって、エネルギーの散逸をさらに改善することができる。具体的には、差動歯車を使用することで、慣性ブロック4および永久磁石12を反対の方向に同時に枢動させることができ、これは、より遅い回転速度を使用して同じ散逸および調節を想定できることを意味し、摩耗に関して有利である。または、たとえば磁石および慣性ブロックのそれぞれの速度が両方向で等しくなるように差動歯車が設計される場合、同じ速度を維持しながら、渦電流の散逸を倍にすることができる。
少なくとも1つの慣性ブロック4、有利には各慣性ブロック4は、第1の枢動軸D1に対して平行の方向に磁界が横切る厚さ全体にわたって、導電性の材料もしくは金から作製され、または銅もしくは銀から作製され、あるいはチャンバ8内の磁界を受ける部分内で、導電性の材料もしくは金から作製され、または銀もしくは銅から作製された部分を含むことが好ましい。
特定の構成では、図10に見られるように、調速機1は、第1の枢動軸D1の方向に層をなす複数の枢動可能に一体化された歯車セット3を含み、歯車セット3はそれぞれ、別個のチャンバ8内で動くことができ、または他の慣性ブロック4と共通の少なくとも1つの慣性ブロック4を保持する。この構成は、時計ムーブメント内の水平空間が制限される場合に有利なものとすることができる。
図1に示す時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1の特定の実施形態では、歯車セット3の周辺部分30の少なくとも一部は、チャンバ内ではないが、永久磁石または電磁石内に含まれる反対の極性の2つの磁極22、23間のスロット21内を動くことができ、スロット21は、第1の枢動軸D1に対する直交平面を画定する。歯車セット3の1つの表面で周辺部に近接して付着される電磁石24によって調節を実現することができ、前記電磁石24は、歯車セット3の枢動によって引き起こされる電流によって動力供給される。このときこの調速機1は、たとえば鋼または鉄から作製された磁気ループを形成する枠と、この枠内に構成されたスロット21の周りの磁気回路とを含むことが好ましい。スロット21の両側で、磁気回路は、反対の極性の極を有する。磁気回路の極は、可動回転子3の周辺部に近接して構成される。可動回転子3は、回転する打方機構用歯車セットを形成し、あるいは回転する打方機構用歯車セットに直接、または列もしくは別の直接伝送を介して結合される。エネルギー源の作用を受けて打方機構用歯車セットが枢動することで、回転子は枢動し、したがって極間の空隙内に可変の磁界を生じさせる。この可変の磁界により、導電材料または磁気材料から作製された回転子内で同じく可変である電流が引き起こされる。
この電流を使用して、モータを駆動させることができ、モータのアーバーは、アセンブリのタイプに応じて、回転子を駆動または制動するように回転子に直接または間接的に結合される。また、ラプラスの法則に従って回転子の枢動を制動するために、または打方機構用歯車セットの制動デバイスを活動化させるために、この電流を使用して電磁石を活動化させることができ、またはこの電流を周辺部に近接する回転子の表面に印加することができる。
可能な限り小型にするように、ならびに最小の数の構成要素を有するように、回転子および打方機構用歯車セットは、組立て後に単体を形成し、枠は、スロットの両側に反対の極性の永久磁石を含み、周辺部に近接して回転子の表面に付着された電磁石が回転子の枢動によって引き起こされる電流によって動力供給されることによって、調節が実行されることが好ましい。
ラプラスの力および電磁石によって実現される制動は、回転子の枢動速度に実質上比例する。打方機構が乱調する場合、速度の差の結果、制動の差が生じ、回転子、したがって打方機構用歯車セットの枢動速度を基準値に戻す。これは、機械的乱調の影響を無効にするだけでなく、打方機構用歯車セットの枢動速度を調節し、したがって音楽または打方シーケンスを完全にペース調整し、使用者にとって快適なものにする。
図18に見られるように、簡略化された実施形態は、以下の要素を含む。
− 直径1.7mmおよび厚さ0.25mmの12個の「Recoma 25」永久磁石が軸方向で磁化が交番するように取り付けられた、「ミューメタル」から作製された直径13mmの2つの強磁性体のヨーク・フランジ。
− 内径2mm、外径5.6mm、および厚さ0.9mmの2つの銅の慣性ブロック。
− 慣性ブロックが枢動するにつれて打ち込まれる真鍮ピンを有する直径6mmの真鍮の慣性ブロック支持部。
− 永久磁石によって引き起こされる磁束の連続性を確実にするための長さ2.5mmの外側「CK45」鋼管形のヨーク・リング。したがって前記ヨーク・リングは、遮蔽を形成する。
− 戻しばねを固定するために慣性ブロック内へ打ち込まれる2つのピン。
− アーバーをそれぞれの固定ピンに連結させる2つのゴムのOリング・タイプの戻しばね。
簡略化されているが、特定の寸法をもたない戻しばねを有するこの形態は、システムの自己調節速度に関して安定して動作する。
慣性ブロックおよび戻しばねの対称性は、非均衡性および振動を防止するのに非常に重要であることを明記することが重要である。実際には、慣性ブロックは、対称性がないために異なる角度ムーブメントで中心を外れ、最悪の場合、1つの慣性ブロックしか角運動しない可能性がある。さらに、ばねは中心アーバーに結合される。単一のばねが2つの慣性ブロックを連結させるが中心アーバーに連結されないのとは異なり、この解決策はあらゆる非対称性を防止し、2つの慣性ブロックが中心アーバーの周りを振動するのを停止させる。
本発明が確実にすることを提案する調節条件を満たすことができる特定のより入念な形態を図18に示す。この形態は、以下を含む。
− 「AFK502」のFeCoから作製された2つの強磁性体の固定子ヨーク・フランジ。各ヨーク・フランジは、軸方向の磁化が交番する「VACODYM 655 HR」のNdFeBタイプの直径1.3mm、厚さ0.25mmの14個の永久磁石を保持する。
− 2つの慣性ブロックは、導電性が非常に低いため、銀から作製されるように選択される。
− 慣性ブロックの空隙内の誘導を増大させるために、磁性の空隙、すなわち2つの磁石層間の軸方向の距離は低減される。慣性ブロックの厚さは0.3mmであり、磁石と慣性ブロックの間の機械的空隙は0.12mmである。
− デバイスの寸法は、音楽付き腕時計内部で利用可能な空間に適合され、外径は8.4mmに、高さは1.35mmに制限される。
− ばねは、3100回転/分の速度で任意の慣性ブロック角度位置に対する遠心力を均衡させるように寸法設定される。
これらの結果は予測に合致し、速度変動が小さく、公称速度が3%未満であり、また動力の散逸が大きく、6mWを超える。
図19の曲線は、この好ましい実施形態におけるそれぞれの枢動部上の慣性ブロックの角度位置の関数として、渦電流損失の変化を示す。
慣性ブロックがともに閉じているとき、渦電流によって散逸される動力はゼロであることが分かる。したがって、システムは、公称速度を下回ると制動しない。
戻しばねの特性は、ばねの取付け点において公称速度で慣性ブロックに作用する遠心力を均衡することによって決まる。したがってこの場合、必要なばね剛性およびばねプリロードの値は、それぞれ0.0014N/mmおよび0.006Nである。
静止したばねの端部の径方向の位置およびプリロード距離を、それぞれ0.93mmおよび0.44mmの値を有するように決定することも可能である。ばねは中心アーバーによって保持されるが、自由に回転できるように指定するべきである。したがって、ばねの戻し力は常に、システムの回転の中心の方へ誘導される。
図20は、慣性ブロックが完全に展開された状態において3100rpmの公称速度で散逸される動力を、上部ヨーク磁石の角度シフトの関数として示す。この角度シフトは、上部ヨーク磁石と下部ヨーク磁石の間の磁気位相シフトに対応する。最大の散逸動力の変動は、磁気位相シフトの関数として最高90°まで大きく変動することに留意されたい。この挙動により、公称速度で遠心力を均衡させるのに必要なものよりわずかに硬いばねを可能にすることによって、調節速度間隔の微調整が可能になる。したがって、渦電流で散逸される動力の挙動は、それぞれの枢動部上の慣性ブロックの角度位置の関数として変動させることができる。したがって、散逸した動力が同じ場合、下部磁石に対して上部磁石の位相をシフトさせることは、慣性ブロックがさらに中心を外れて動かなければならないことを意味する。適したばねを用いて、慣性ブロックが必要な動力を散逸させる角度位置に到達するように、速度を増大させなければならない。
この調速機によって引き起こされる時計のテンプ輪ばね内の磁気干渉は、1nT未満である。
温度は、磁石、慣性ブロック、およびばねという3つの要素を介してデバイスの挙動に影響を与える。温度は、磁石の残留磁気誘導および慣性ブロックの抵抗率に影響を与える。したがって、温度が増大すると、慣性ブロックは、必要な動力散逸を実現するために、さらに中心を外れてわずかに動かなければならない。渦電流制動トルクと回転速度の関係の厳密さが非常に高い場合、温度が磁石および慣性ブロックを介して調節速度に与える影響は無視できるほどである。「Enlivar」タイプの材料を使用して、温度がばねの弾性係数に与える影響を低減させ、それによって温度がばねプリロードの厳密さに与える影響を低減させることができると有利である。
渦電流に依拠しない本発明の別の実施形態では、歯車セット3は、同様に枢動可能に取り付けられた慣性ブロックを含み、慣性ブロックは、前述の特徴に応じて、戻し手段7、この場合1つまたはいくつかのばね71によって形成された遠心力補償手段の第1の枢動軸D1の方へ戻される。この構造に加えて、このときデバイス1は、慣性ブロック4の周辺部分30が図14の第1の体積VIから第2の体積VEへ進むときに作用する制動手段を含み、このとき必ずしも磁界8を含む必要はなくなる。
この制動手段は、空気制動手段によって、たとえば基準速度ωcを上回るとエアロ・ブレーキを展開することによって、またはドライ制動手段によって、たとえば慣性ブロック4の周辺部分30と制動トルク表面の間の摩擦によって形成することができる。具体的には、この表面は、印加される制動トルクが第1の枢動軸D1からの半径とともに増大するように、たとえば粗さが前記第1の枢動軸D1からの距離とともに増大するように構成される。
この場合も、各慣性ブロック4の慣性の中心は、関連する慣性ブロック4の1次枢動部6より第1の枢動軸D1から遠いことが好ましい。
各慣性ブロック4の2次枢動部72は、関連する慣性ブロック4の1次枢動部より第1の枢動軸D1から遠いことが好ましい。
もちろん、この完全に機械的な実施形態を、渦電流制動トルクの実施形態と組み合わせることもできる。
本発明による調速機1は、図13でAおよびBと呼ぶ2つの反対の枢動方向に動作することができる。システムに印加される力の結果が異なる限り、動作方向は異なる効果をもたらす。
第2の体積VEが第1の体積VIの外側にあり、慣性ブロック4が少なくとも部分的に伝導性であり、また方向Aに枢動中のチャンバ8内に磁界が存在する、図示する例示的な実施形態に戻ると、慣性ブロック4は容易に離れ、可変の磁界領域に入り、したがって渦電流エネルギーの散逸を可能にする。
反対の枢動方向Bでは、回転の始まりの過渡的なモードで、慣性の中心と同一ではない枢動点の周りで慣性ブロックの回転が引き起こされ、事前に巻いたばね71の戻し力に印加され、遠心力に抵抗するため、慣性ブロック4は加速度による力によって保持される。したがって、慣性ブロックを歯車セット3の枢動軸D1から離すのはより困難であり、磁界領域に入るのはそれほど容易ではない。したがって、力が互いに印加される方向Aの歯車セット3の枢動とは異なり、この動的効果は遠心力に抵抗する。
システムの寸法設定は、特に調速機1軸部分で磁界の漏れを考慮しなければならない。これらの漏れは、磁気由来の力を生じさせ、調速機1が方向Aに枢動している場合は慣性ブロックを軸D1から離し、反対の場合は慣性ブロックを軸D1に近づける傾向がある。この力の強度は枢動速度とともに増大し、この力は、高速の、具体的には約3000rpmの回転力で評価する際、決して無視できるレベルではない。
空気制動式慣性ブロックを有する従来の調速機から周知の空気力学の効果もまた、小さいが、磁石および慣性ブロックの計算の際には無視するべきでないことを留意されたい。
過渡的な歯車セットの加速度段階の品質は、ばねの正しい寸法設定およびプリロード条件に依存する。
図示しないが本発明の変形形態では、これらの動的な力および/または磁界の漏れに関連する力を使用して、慣性ブロックの形状を動作中に変化させることができ、それによって調節の可能性の範囲をさらに広げる。
本発明の別の変形形態では、調速機1は、戻し手段7、ばね71、または類似の要素を含まず、慣性ブロックにかかる遠心力は、渦電流による力を補償するように計算される。
さらに別の変形形態では、慣性ブロック4の一部をチャンバ8の空隙内に永久的に保つことができ、したがって、歯車セット3が枢動し始めると直ちに、渦電流が生じ、慣性ブロック4に、したがって間接的に歯車セット3に印加される力の評価に加えられる。
要約すると、本発明は、簡単かつ非常に信頼性が高い機構を用いて大量のエネルギーを散逸することによって、非常に良好な速度調節に対する条件を提供する。
採用される寸法設定に応じて、本発明の原理によるが逆に多くのエネルギーを使用しないシステムを工夫することも可能であり、その場合主な調節効果は、渦電流によって生じる正味の力である。
したがって、単一の機構を用いて、選択される枢動方向に応じて異なる特徴をもつ少なくとも2つの調節の可能性を有することが可能であり、また有利なことがある。
本発明の特定の変形形態では、エネルギー散逸は、液体の媒体内、特に粘性の媒体内で発生する。
したがって、本発明による調速機1は、様々な乾燥した潤滑媒体間で摩擦のない密閉された機械的連結を行うことが可能であるため、石油などの液体内で動作することができる。実際には、可変の磁界効果と流体力学的現象に起因する効果を組み合わせると特に有利である。
本発明はさらに、エネルギー源または香箱と、エネルギー源または香箱から音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットへ機械トルクを伝送する手段2とを含む時計またはオルゴール向けの音楽または打方機構10に関し、伝送手段2は、本発明による時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機1内に含まれる少なくとも1つの歯車セット3を駆動させる。
本発明はさらに、音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットを含む時計またはオルゴールに関し、時計またはオルゴールは、このタイプの音楽もしくは打方機構10、および/またはこのタイプの時計用歯車セットもしくは打方機構用歯車セットの調速機1を含む。
特定の実施形態では、時計は、音楽付き腕時計である。
本発明はさらに、打方機構または音楽機構の調節以外の適用分野、たとえば、測時学の分野内では、ムーブメントの調節、または測時学以外の分野では、可変のトルクを伝達するエネルギー源によって枢動される任意の機構の速度の調節、より一般的には、時間を測定および/または表示する任意のシステム向けの、前述の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機に同一の組成の慣性調速機に関する。クロノグラフ、クロノメータ、レバーの運動速度を調節する機構、たとえば瞬時日付機構、別個のムーブメント間の速度を変動させる可能性を有する自動化機構、アラーム、グランド・ストライク、チャイム、もしくはミニッツ・リピータ機構、ピン歯車セットもしくは空気機構を有するオルゴールなど、または機械的慣性中心を有する機構という機構を引用することができる。この一覧は、非限定的なものである。
本発明はさらに、本明細書に記載した適用分野以外の適用分野向け、特に慣性調速機向けの、前述したばね71と同じタイプのばねに関する。
要約すると、本発明は、打方機構を調節する磁気調速機の好ましい利用を提案する。
打方機構に対する磁気調速機の適用分野は新規である。時計機構に対する所定の周波数を保証するための制御機構、したがって送信器回路向けの周知の調速機とは異なり、本発明によれば、磁気調速機は受信器としてふるまい、エネルギーを使用する。磁気調速機は、基準値より高い場合は速度を下げ、余分な運動エネルギーを変換して記憶および/または使用されるエネルギーにすることによって、回転する打方列、特に打方機構用歯車セットの回転速度を基準速度で制御する。
磁気調速機は必ず、磁石および/または電磁石を含み、磁界の影響を受けにくい特定の材料を使用して干渉の影響を回避できると好ましい。具体的には、本明細書ではシリコンのテンプ輪の使用が好ましい。これはまた、磁気遮蔽を形成する非磁性の材料から作製された磁気絶縁スクリーン9によって分界され、時計環境内で最小の干渉を引き起こし、ムーブメントの動作を妨げない、チャンバ8の特定の形態が好ましい理由である。この目的のため、チャンバ8はまた、環状の形状に作製され、開口は歯車セット9のアーバー15の通過に制限される。
本発明による調速機は、周知の調速機に類似の設計原理を使用して、近い枢動速度および同等の制動力で構築されると有利であるが、この新規な調速機には、現況技術の調速機の欠点がない。
この磁気調速機を使用することで、極めて精密な速度の静かな機構を提供する。実際には、本発明によって実現される可変の渦電流の制動は、いかなる接触もなく歯車セット3の枢動速度を安定化させるのに十分であり、したがって雑音をまったくまたはほとんど出さない。
本発明により、腕時計の製造者は、たとえばヨーク・フランジ16、17の一方および/または他方がヨーク・リング18上に備えられ、またはさらにねじ止めされる一実施形態により、たとえば第1の実施形態のチャンバ8が表面13と表面14の間の距離を調整できるように工夫される場合、あるいは第2の実施形態では、磁極22と磁極23の間のスロット21の空隙が調整可能である場合、制動トルクを調整することができる。
組立て中に調節される速度の反復性は、既存のシステムの場合よりはるかに良好である。
枯らし中の速度の安定性は、摩擦および衝撃を取り除くことによってはるかに信頼性が高くなる。
減退中に香箱トルクが半分変動する場合でも、歯車セット3の速度は十分に調節される。
この調速機の主要な要素は、一方では、調節速度を決定する慣性ブロックの戻しばねであり、他方では、散逸される動力、したがって制動トルクを特徴付ける永久磁石および導電性の慣性ブロックである。
この調速機は特に信頼性が高く、これは時計製品にとって不可欠なことである。
中心を外れた慣性ブロックを有するこのデバイスは、制動トルクと調節速度の間の関係の厳密さを特徴付け、公称速度より遅い速度の場合に磁気制動から回転システムを解放する新規な設計である。
要約すると、本発明によって提供される利点は数多い。
− 特に3%未満で調節される非常に精密な枢動速度、
− 静かな動作、
− 摩耗のない信頼性、
− 組立て中の容易な調整、
− 振幅/速度の規定に関して開発中に不確実性がないこと、
− 同じ速度に対する幅広い動作トルク範囲。
1 時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セット向けの調節機構、調速機
2 伝送手段
3 歯車セット
4 慣性ブロック
4A 慣性ブロック
4B 慣性ブロック
5 案内手段、穿孔
6 1次枢動部、ピン、案内手段
7 戻し手段
8 チャンバ
9 磁気絶縁スクリーン
10 打方機構
11 内周部
12 磁石、永久磁石
13 表面
14 表面
15 主枢動部、アーバー
16 上部ヨーク・フランジ
17 下部ヨーク・フランジ
18 ヨーク・リング
19 固定子ヨーク
21 スロット
22 磁極
23 磁極
24 電磁石
29 調節用小歯車
30 周辺部分
31 フランジ
71 ばね
72 2次枢動部
73 第2の枢動ガイド
74 第1の枢動ガイド
C 制動トルク曲線
CP 径方向のプリロード行程
D1 第1の枢動軸
D2 第2の枢動軸
D2A 第2の軸
D2B 第2の軸
D3 第3の枢動軸
VI 第1の回転体積
VE 第2の回転体積
ω 枢動速度
ωc 基準速度

Claims (20)

  1. 第1の枢動軸(D1)の周りの歯車セット(3)の枢動速度(ω)を基準速度値(ωc)前後で調節するための時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)であって、前記歯車セット(3)は、機械トルクを伝達するエネルギー源によって伝送手段(2)を介して駆動され、前記歯車セット(3)は、前記第1の枢動軸(D1)に対して平行に前記第1の枢動軸(D1)から距離を隔てて第2の枢動軸(D2)を画定する1次枢動部(6)の周りに枢動可能に取り付けられた少なくとも1つの慣性ブロック(4)を含む、時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)において、前記調速機(1)は、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)を前記第1の枢動軸(D1)の方へ戻す手段(7)を含み、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)は、一方では、前記歯車セット(3)が前記基準速度(ωc)以下の速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)は、前記第1の枢動軸(D1)の周りの第1の回転体積(VI)の範囲内に抑えられたままになり、他方では、前記歯車セット(3)が前記基準速度(ωc)より速い速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)は、少なくとも前記慣性ブロック(4)の周辺部分(30)で、前記第1の回転体積(VI)に隣接する前記第1の枢動軸(D1)の周りの第2の回転体積(VE)内に係合されるように構成され、前記周辺部分(30)は、前記第2の回転体積(VE)内で、前記歯車セット(3)を制動して前記歯車セット(3)の前記枢動速度(ω)を前記基準速度(ωc)に戻すように、そして余分なエネルギーを散逸させるように構成された調節手段と協働することを特徴とし、前記周辺部分(30)は導電性であり、前記調節手段は、磁化部分によって少なくとも部分的に分界されたチャンバ(8)内に少なくとも1つの可変の磁界を生成する手段によって形成され、前記可変の磁界は、前記周辺部分(30)と前記磁界の間の相互作用が前記歯車セットの枢動に抵抗することによって前記歯車セットを制動する傾向がある渦電流を生成するような向きの磁力線を含み、あるいは前記周辺部分(30)は磁化材料から作製され、前記歯車セット(3)および前記慣性ブロック(4)の枢動ムーブメントは、伝導部分によって少なくとも部分的に分界されたチャンバ(8)内で可変の磁界、または交番するもしくは正弦波の磁界を生じさせ、前記磁界との相互作用は、前記歯車セットの枢動に抵抗することによって前記歯車セットを制動する傾向がある渦電流を生成することを特徴とする時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  2. 前記第1の枢動軸(D1)の周りの前記第2の回転体積(VE)は、前記第1の回転体積(VI)の外側に隣接することを特徴とする、請求項1に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  3. 前記第1の枢動軸(D1)の周りの前記第2の回転体積(VE)は、前記第1の回転体積(VI)の内側に隣接することを特徴とする、請求項1に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  4. 前記慣性ブロック(4)の前記周辺部分(30)が前記第1の体積(VI)から前記第2の体積(VE)へ進むとき、前記慣性ブロック(4)の前記周辺部分(30)に制動トルクを印加するように作用する制動手段を含み、したがって印加される前記制動トルクは、前記第2の体積(VE)の中心で前記第1の枢動軸(D1)からのそれぞれの前記慣性ブロックの径方向の位置と交差することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  5. 前記チャンバ(8)は、磁気遮蔽を形成する非磁性の材料から作製された磁気絶縁スクリーン(9)によって分界されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  6. 前記歯車セット(3)が前記基準速度(ωc)以下の速度で枢動するとき、前記戻し手段(7)は、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)を前記第1の内側回転体積(VI)の範囲内に抑えたまま保つように構成され、また前記歯車セット(3)が前記基準速度(ωc)より速い速度で枢動するとき、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)を少なくとも前記慣性ブロック(4)の周辺部分で前記第2の回転体積(VE)内に係合できるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  7. 前記戻し手段(7)は弾性の戻し手段であり、前記第1の枢動軸(D1)の方向で、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)内に含まれる2次枢動部(72)に戻し力を作用させ、前記2次枢動部(72)は、前記第1の枢動軸(D1)および前記第2の枢動軸(D2)に対して平行な第3の枢動軸(D3)を画定し、前記戻し手段(7)は、前記第1の枢動軸(D1)の周りの前記歯車セット(3)内に含まれる主枢動部(15)またはアーバーの周りに第1の枢動ガイド(74)を含み、前記第3の枢動軸(D3)の周りの前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)内に含まれる前記2次枢動部(73)の周りに少なくとも1つの第2の枢動ガイド(73)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  8. 前記歯車セット(3)は、前記第1の枢動軸(D1)の周りに等距離を隔てて構成された複数の前記慣性ブロック(4)を含み、前記弾性の戻し手段(7)は、前記第1の枢動軸(D1)の周りの前記歯車セット(3)内に含まれる主枢動部(15)またはアーバーの周りに第1の枢動ガイド(74)を含み、それぞれの前記慣性ブロック(4)専用の第3の枢動軸(D3)の周りのそれぞれの前記慣性ブロック(4)内に含まれる2次枢動部(72)の周りに第2の枢動ガイド(74)を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  9. 前記弾性の戻し手段(7)は、前記第1の枢動軸(D1)に対して径方向に、前記戻し手段(7)の前記第2の枢動ガイド(73)の径方向の行程に対応する値だけプリロードをかけて組み立てられた少なくとも1つのばね(71)によって形成され、前記ばね(71)の未結合の位置と前記ばねが前記慣性ブロック(4)の前記2次枢動部(72)上で結合された位置との間で前記ばね(71)が前記主枢動部(15)上の前記第1のガイド(74)によって案内されるとき、前記歯車セット(3)および前記慣性ブロック(4)は停止位置にあり、前記プリロードは、前記ばね(71)の結合位置で、前記慣性ブロック(4)の前記2次枢動部(72)を前記第1の枢動軸(D1)の方へ径方向に引き寄せる傾向があることを特徴とする、請求項7に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  10. 前記調節手段が、少なくとも1つの可変の磁界を生成する前記手段によって形成されるとき、前記手段は、永久磁石(12)によって形成され、前記永久磁石(12)は、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)の前記周辺部分(30)が動くチャンバ(8)の両側に構成され、前記永久磁石(12)は、前記チャンバ(8)を取り囲むヨーク(19)の内周部上に構成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  11. 前記ヨーク(19)は、前記チャンバ(8)の両側に、第1の一連の前記永久磁石(12)を保持する第1のフランジ(16)と、第2の一連の前記永久磁石(12)を保持する第2のフランジ(17)とを含み、前記第1のフランジ(16)および第2のフランジ(17)は、前記第1のフランジ(16)と第2のフランジ(17)の相対的な位置に応じて、前記磁力線を前記第1の枢動軸(D1)に対して平行に位置合わせするように、または前記第1の枢動軸(D1)の周りの回転の円錐もしくは円筒の表面で、前記枢動軸に対して前記磁力線の向きを斜めにするように、前記第1の枢動軸(D1)の周りを互いに対して枢動可能に動くことができることを特徴とする、請求項10に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  12. 前記ヨーク(19)は、前記チャンバ(8)の両側に、第1の一連の前記永久磁石(12)を保持する第1のフランジ(16)と、第2の一連の前記永久磁石(12)を保持する第2のフランジ(17)とを含み、前記第1のフランジ(16)および第2のフランジ(17)は、前記フランジ間の空隙の値を修正するように、前記第1の枢動軸(D1)の方向に互いに対して平行移動で動くことができることを特徴とする、請求項10に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  13. 前記ヨーク(19)は、前記チャンバ(8)の両側に、第1の一連の前記永久磁石(12)を保持する第1のフランジ(16)と、第2の一連の前記永久磁石(12)を保持する第2のフランジ(17)とを含み、前記第1のフランジ(16)および第2のフランジ(17)は、前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)の前記周辺部分(30)が前記フランジ間の前記空隙を貫通する影響のため、前記第1の枢動軸(D1)の方向に互いに対して平行移動で動くことができ、かつ/または枢動可能に動くことができることを特徴とする、請求項10に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  14. 前記ヨーク(19)は、前記チャンバ(8)の両側に、第1の一連の前記永久磁石(12)を保持する第1のフランジ(16)と、第2の一連の前記永久磁石(12)を保持する第2のフランジ(17)とを含み、前記第1のフランジ(16)および第2のフランジ(17)は、前記エネルギー源を形成する香箱の作用を受けて、前記第1の枢動軸(D1)の方向に互いに対して平行移動で動くことができ、かつ/または枢動可能に動くことができることを特徴とする、請求項10に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  15. 前記永久磁石(12)は、前記第1の枢動軸(D1)に対して径方向に動くことができるように取り付けられることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  16. 前記ばね(71)は、前記第1の枢動軸(D1)の方向で前記軸の方へ、前記2次枢動部(72)に戻し力を作用させて前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)を前記第1の枢動軸(D1)の方へ戻すように構成されることを特徴とし、前記ばね(71)は、追加のガイドとして前記主枢動部(15)と協働するように構成された第1の枢動ガイド(74)を含み、また追加のガイドとして前記少なくとも1つの慣性ブロック(4)の前記2次枢動部(72)と協働するように構成された少なくとも1つの第2の枢動ガイド(73)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  17. 前記ばね(71)の剛性は、前記慣性ブロック(4)に印加されて前記2次枢動部(72)へ戻される径方向の力の値が、前記慣性ブロック(4)の停止位置に対する前記第2の枢動軸(D2)上の前記1次枢動部(6)の周りの前記慣性ブロック(4)の角度位置(α)の実質上一次関数になるように規定され、その場合、前記径方向の力のゼロ値は絶対値で前記プリロードの行程に対応することを特徴とする、請求項16に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  18. 前記ばね(71)は、微細加工可能な材料、あるいはシリコンもしくは石英またはこれらの化合物、あるいは少なくとも部分的に非晶質の材料から作製されることを特徴とする、請求項9に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)。
  19. エネルギー源または香箱と、前記エネルギー源または前記香箱から音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットへ機械トルクを伝送する手段(2)とを含む時計またはオルゴール向けの音楽または打方機構において、前記伝送手段(2)は、請求項1から18のいずれか一項に記載の時計用歯車セットまたは打方機構用歯車セットの調速機(1)内に含まれる少なくとも1つの前記歯車セット(3)を駆動させることを特徴とする音楽または打方機構。
  20. 音楽を生成する歯車セットまたは打方機構用歯車セットを含む時計またはオルゴールにおいて、請求項19に記載の音楽もしくは打方機構、および/または請求項1から18のいずれか一項に記載の時計用歯車セットもしくは打方機構用歯車セットの調速機(1)を含むことを特徴とする時計またはオルゴール。
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