JP2012168134A - 遮熱コーティングの検査方法 - Google Patents

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【課題】遮熱コーティング(TBC)の性能を使用前の状態において簡便に、かつ、短時間で判定できる検査方法を提供する。
【解決手段】ガスタービン用高温部材の基材の表面に施工したボンドコートと、このボンドコートの表面に施工したトップコートとで構成された遮熱コーティングの剥離寿命を推定する際、複数種類のボンドコートの結晶化面積割合とその剥離寿命との相関を求め、試験片の結晶化面積割合を計測し、この試験片の結晶化面積割合と上記の相関とから剥離寿命を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン部材等に好適な遮熱コーティングの検査方法に関する。
近年、ガスタービンにおいては、高効率化を目指して燃焼ガス温度の高温化が進んでいる。現在、既に燃焼ガス温度は、タービン動翼、静翼等の耐熱合金部材の融点を超えており、各種の冷却技術に加えて、タービンの動翼及び静翼の表面への遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)の施工が普及してきている。
TBCは、遮熱のためのトップコートと、耐酸化性及び耐食性の確保のためのボンドコートとで構成されるものであって、燃焼ガスから耐熱合金基材への熱流束を減少させ、耐熱合金基材の表面温度を低減する効果が得られるものである。
トップコートには、熱伝導率が低い酸化物であるイットリア部分安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia:YSZ)が広く用いられている。YSZは、イットリアを添加することにより結晶構造を安定化したものである。また、ボンドコートには、MCrAlY合金(Mは、Ni、Co及びFeのうち1種類以上の金属元素を含む。)やNi−Al、Ni−Al−Pt等のアルミナイドが用いられている。ボンドコートの表面には、高温に暴露している際に熱成長酸化物(Thermal Grown Oxide:TGO)が形成してあり、酸化性ガス及び腐食性ガスを遮断することにより、耐酸化性及び耐食性を確保している。
最近のTBCの場合、約150℃の遮熱効果があると言われている。しかしながら、ガスタービンにおいては、定常的に高温に暴露されるほか、起動・停止の際、加熱・冷却に伴う熱応力の変化が大きく、トップコートが剥離し、脱落してしまう。トップコートが剥離・脱落すると、ボンドコートが直接高温の燃焼ガスに曝され、局所的に温度が上昇し、タービンの動翼、静翼等の耐熱合金部材の損傷を引き起こすことになる。したがって、遮熱コーティングの健全性を保ち、ガスタービンの信頼性向上を目指す上で、TBCの劣化、特にトップコートの剥離を予測する検査法が望まれている。
このような課題を解決するために、トップコートに鋼球等を衝突させてできた損傷部分を加熱し、損傷部分の温度分布を赤外線映像装置により検出し、剥離長さ算出することにより劣化を判断するセラミックスコーティング材の劣化検査方法が開発されている(特許文献1)。また、TBC試験片に室温で機械的荷重負荷を繰り返し与え、ひずみ量と剥離量を計測し、剥離量に対するひずみ量及び繰り返し数の関数で示される剥離パラメータを設定し、剥離パラメータにより剥離量を評価するコーティング剥離評価方法が開発されている(特許文献2)。
また、特許文献3及び特許文献4には、TBCを備えた高温部品について劣化状況を推定して高温部品の寿命を管理する遮熱コーティングの寿命管理方法として、ボンドコート層中の界面酸化物形成金属の平均含有量に着目して、計測値の相関から遮熱コーティングの寿命を推測する技術が開示されている。
特開2000−206072号公報 特開2006−47074号公報 特開2008−14747号公報 特開2008−14748号公報
従来、産業用ガスタービン部材における遮熱コーティング(TBC)施工後の検査としては、生産性の点から、短時間で実施可能な方法が望まれ、TBCの表面の亀裂、剥離、変色等の外観検査が主であり、施工時に発生する外部の欠陥を見つけることはできても、TBCの内部の状態や、使用中におけるトップコート剥離等の劣化を予測することは困難であった。
特許文献1又は2に記載の技術を用いれば、TBCの劣化を診断、予測するのに一定の効果はある。しかしながら、損傷後の劣化度合いを測定しているため、その試験に多大な時間と費用とを必要とし、種々のTBCを短時間に検査する事は困難であった。また、損傷を受けていない施工直後のTBCが使用中にどの程度の経年劣化を示すのか予測することが可能とはいえなかった。
特許文献3又は4に記載の技術に関しては、実機で使用された高温部品の状態を計測するものであり、使用前に寿命を推測することは困難であった。また、特許文献3又は4に記載の技術においては、ボンドコート層中の界面酸化物形成金属の平均含有量、すなわち界面酸化物形成金属の「組成」を計測するものであり、界面酸化物形成金属の「組織」に着目したものではない。
本発明の目的は、TBCの性能を使用前の状態において簡便に、かつ、短時間で判定できる検査方法を提供することにある。
本発明の遮熱コーティングの検査方法においては、ガスタービン用高温部材の基材の表面に施工したボンドコートと、このボンドコートの表面に施工したトップコートとで構成された遮熱コーティングの剥離寿命を推定する際、複数種類のボンドコートの結晶化面積割合とその剥離寿命との相関を求め、試験片の結晶化面積割合を計測し、この試験片の結晶化面積割合と前記相関とから剥離寿命を推定する。
本発明によれば、短時間で、容易にTBCのトップコート剥離を予測し、TBCの耐久性及び施工の良否を判定することができる。
また、本発明によれば、部品を組み立てる前又は出荷する前に、部品の出来不出来を判別することができる。
遮熱コーティングの検査方法の手順を示すフローチャートである。 TBCの熱サイクル試験におけるトップコート剥離に至るまでの加熱・冷却の回数を示すグラフである。 TBC施工後のボンドコートAの構成を示すEBSD像である。 TBC施工後のボンドコートBの構成を示すEBSD像である。 TBC施工後のボンドコートCの構成を示すEBSD像である。 ボンドコートの結晶化面積割合とトップコート剥離に至るまでの加熱・冷却の回数との相関を示す概念的なグラフである。
本発明は、例えばガスタービン部材に好適な遮熱コーティングのボンドコートの検査法に関する。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、TBCのトップコート剥離と施工後のボンドコートの結晶組織との相関を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明を実施するための形態(以下、適宜「本実施形態」という。)を詳細に説明するが、本実施形態は、以下の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る遮熱コーティングの検査方法について説明する。
前記遮熱コーティングの検査方法は、ガスタービン用高温部材の基材の表面に施工したボンドコートと、このボンドコートの表面に施工したトップコートとで構成された遮熱コーティングの剥離寿命を推定する検査方法であって、複数種類のボンドコートの結晶化面積割合とその剥離寿命との相関を求める工程と、試験片の結晶化面積割合を計測する工程と、試験片の結晶化面積割合と上記の相関とから剥離寿命を推定する工程とを含む。
前記遮熱コーティングの検査方法は、結晶化面積割合を算出する際、結晶化面積の測定に用いる部位の断面を研磨する。
前記遮熱コーティングの検査方法において、ボンドコートの結晶化面積は、電子後方散乱回折によって測定する。
前記遮熱コーティングの検査方法は、図1に示すように、主に下記の手順を経て行われる。
(1)ガスタービン用高温部材の基材に種々のTBCを施工する(TBC施工工程)。
(2)種々のTBCの断面観察を行い、それぞれのボンドコートの結晶状態を測定する(結晶状態測定工程)。
(3)上記(2)に記載のボンドコートの結晶質部分の面積比(結晶化面積割合)を算出する(結晶化面積割合算出工程)。
(4)結晶化面積割合とトップコートが剥離に至るまでの加熱・冷却の回数(トップコートの剥離寿命に対応する値である。)との相関を求める(相関算出工程)。
(5)上記(4)に記載の相関を用いて、実機に組み込む前の試験片のトップコートの剥離寿命を推定する(剥離寿命推定工程)。
(6)上記(5)に記載の試験片のTBCの耐久性及び施工の良否を判定する(判定工程)。
上記の試験片は、ガスタービン用高温部材の一部(実機に組み込まない部分が望ましい。)を切り出して用いてもよいし、ガスタービン用高温部材の基材にTBCを施工する際、別途準備した試験片の基材に同時に施工してもよい。
また、上記(4)に記載の相関を求めるために用いる種々のTBCは、実際のガスタービン用高温部材の基材に施工してもよいし、上記の試験片の基材に施工してもよい。
以下、それぞれの工程について説明する。
(TBC施工工程)
本実施形態においては、先ず、耐熱合金基材にボンドコート及びトップコートを順次積層して、評価対象とするTBCを施工した試験片を用意する。
ボンドコートとしては、例えば、優れた耐食性及び耐酸化性を発揮するMCrAlYが使用される。厚さは、特に限定されないが、通常、約100〜200μm程度であり、具体的な成膜方法としては、例えば減圧プラズマ溶射法(Low Pressure Plasma Spray:LPPS)、高速フレーム溶射法(High Velocity Oxy−fuel Frame−spraying:HVOF)等を用いることができる。
トップコートには、熱伝導率が低い材料、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ:ZrO−6〜8Y)が使用され、通常、約300〜500μm程度である。トップコートの堆積には、例えば大気圧下での大気圧プラズマ溶射法(Air Plasma Spray:APS)が通例用いられる。
このようにして、評価するTBC試験片を準備するが、本実施形態においては、TBCの断面観察による検査を行うため、試験片としては、ガスタービン部材に施工されている状態のものや、試験用に平板、円板状等の簡易な形状の基材に施工した種々の形状のものが使用可能である。
このように、試験片の形状、測定部位に左右されずに検査を行える点は、本実施形態の利点である。溶射による成膜においては、その性質上、平面部と曲面部とで膜質が異なる場合があるが、局所的な検査・評価を行い、施工条件の検討に活用することができ、信頼性の高いTBCの施工に寄与する。
一方、特許文献1に示す鋼球等を衝突させる方法の場合、鋼球の衝突する角度により損傷の程度が変わり、試験片の形状が翼形状等の複雑な場合、精度良く劣化を推定することは困難である。また、特許文献2に記載されている機械的荷重を与える評価方法の場合、歪量を測定するため、試験片の形状が平板、円筒、丸棒状等の簡易な形状に限られる。
(結晶状態測定工程)
TBC試験片を準備した後、断面観察を行い、ボンドコートの結晶状態を測定する。
断面の調整は、一般的な金属組織の観察方法と同様に、任意の評価部分を採取し、樹脂等へ埋め込み、観察する断面を研磨する。
研磨後の断面について、その結晶状態を測定する。結晶状態は、例えば、電子後方散乱回折(Electron Back−Scattering Diffraction:EBSD)を用いて測定することができる。このEBSDは、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の反射電子回折における菊池線のパターンを解析して任意の点における結晶方位を測定する方法である。EBSDを用いることにより、合金の組織(結晶状態の分布)を観察することができる。
最近は、全自動解析システムが開発され、数μm間隔で多数(数万点〜数十万点)の結晶方位を測定し、観察面の結晶方位の情報を画像情報として容易に得ることができるようになっている。
以上のように、本実施形態においては、試験片の準備から結晶状態の測定までに要する時間が、特許文献1及び2に記載されている試験を実施する評価法に比較して短いことが特徴である。
(結晶化面積割合算出工程)
上記の結晶化状態測定工程において得られた画像情報を用いて、ボンドコートにおける結晶質部分の面積割合(結晶化面積割合)を計測する。
EBSD測定においては、結晶粒界など結晶格子が歪んでいる部分や非晶質部分では、結晶方位の測定が困難であり、測定精度が低下する。通常は、測定精度に関する指標として信頼性指数(Confidence Index:CI値)を用い、CI値が一定値以上の部分を結晶質と判定する。画像表示においては、任意にCI値の閾値の設定が可能であり、CI値の高低により結晶質部分と非晶質または高歪部分とを区別することが可能である。
本工程においては、結晶状態を測定し得られた画像情報から、ボンドコートの単位面積に占めるCI値が一定値以上の結晶質部分の面積を計測する。
(相関算出工程)
上記の工程で得られた結晶質面積割合とトップコート剥離寿命との相関を求める。
トップコート剥離寿命は、トップコートが剥離に至るまでの加熱・冷却の回数(サイクル数)で定義する。このサイクル数は、熱サイクル試験を行うことによって求める。熱サイクル試験の温度、保持時間等の条件は、任意に設定が可能であるが、ガスタービン用高温部材の場合は900〜1200℃の高温で一定時間保持した後、室温に冷却し保持する工程を1サイクルとして実施するのが通例である。保持時間は、実機の運転条件により任意に設定される。
予め結晶化面積を変化させたTBCをいくつか用意し、結晶化面積の計測を行うとともに、数回の熱サイクル試験を実施し、それぞれのトップコート剥離寿命を測定し、結晶化面積及びトップコート剥離寿命をパラメータとしてマスターカーブ(相関グラフ)を作成する。
(剥離寿命推定工程)
上記の相関算出工程において算出した相関と、試験片から求められた結晶化面積割合とを対照させることにより、試験片のトップコート寿命を推定する。 すなわち、上記の相関算出工程において得られたマスターカーブに対して、試験片より得られた結晶化面積割合を対応させる。
(判定工程)
結晶化状態によるトップコート剥離寿命の推定の結果に基づき、TBC健全(TBC良好)又はTBC不健全(TBC不良)の判定を行う。TBCが健全(良好)であれば出荷し、TBCが不良であれば出荷せずに再コーティング、施工条件の再検討等の決定を行い、品質を管理する。
以下、実施例を用いて説明する。
ガスタービン部材に好適なNi基合金IN738を棒状に鋳造し、直径1インチ、厚さ3ミリに機械加工し、基材とした。
基材の表面に対する溶射の前処理として、粒度24のアルミナ粒子を用い、圧力5kgf/cmの条件でブラスト処理を行った。
ボンドコートの成膜方法は、様々な方法が利用可能で有ることは自明であるが、本実施例においては、高速フレーム溶射(HVOF)又は減圧プラズマ溶射(LPPS)を用いて基材の上に約150μmの厚さで成膜した。
後述するボンドコートA及びDは、Niリッチの合金であり、ボンドコートB及びCは、Coリッチの合金である。また、ボンドコートA及びBは、高速フレーム溶射(HVOF)を用いたものであり、ボンドコートC及びDは、減圧プラズマ溶射(LPPS)を用いたものである。ここで、Niリッチの合金の粉末は、NiCoCrAlY(組成式:Ni−23Co−17Cr−12.5Al−0.5Y(mass%))であり、Coリッチの合金の粉末は、CoNiCrAlY(組成式:Co−32Ni−21Cr−8Al−0.5Y(mass%))である。
トップコートについては、市販のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を、大気圧プラズマ溶射(APS)を用いて約300μmの厚さで施工した。
本実施形態の検査法の有効性を確認するため、上述の方法にて作製したTBCについて熱サイクル試験を1093℃で10h保持後、室温に冷却し、15分保持を1サイクルとする条件で実施した。
図2は、熱サイクル試験における剥離サイクル数を示すグラフである。
横軸にボンドコートの種類をとり、縦軸にトップコート剥離に至るまでの加熱・冷却の回数(Number of Cycles:サイクル数(剥離サイクル数とも呼ぶ。))をとって示している。
本図から、ボンドコートAは、サイクル数が30以下と小さく、ボンドコートB及びCは、サイクル数が60以上と大きいことがわかる。
図3、図4及び図5は、図2に示す熱サイクル試験を実施したTBCを施工した試験片の断面の結晶状態を示すEBSD像である。
これらの図に示す試験片は、基材1の上にボンドコート2及びトップコート3を順次施工したものである。
また、これらの図においては、前述のCI値が0.1以下の部分を非晶質または高歪部分として判定した。図中においては、最も灰色を濃くした部分すなわち黒色で示す部分が非晶質または高歪部分である。
図3に示すボンドコートAにおいては、ボンドコートの大部分が非晶質または高歪部分であり、図5に示すボンドコートCにおいては、ほぼ全体が結晶質であることがわかる。
ボンドコートの単位面積に占める結晶化部分の面積(結晶化面積割合)を画像解析により測定した結果は、ボンドコートAが5%であり、ボンドコートBが22%であり、ボンドコートCが100%である。すなわち、ボンドコートA、ボンドコートB、ボンドコートCの順で結晶質が多くなっていることがわかる。
また、EBSD像を示していないが、ボンドコートDの場合、結晶化面積割合は100%であった。
結晶化面積割合の大小関係と図2に示す熱サイクル試験における剥離サイクル数とから、結晶化部分に比例して剥離寿命が長くなっている傾向がわかった。そこで、結晶化部分の面積及び剥離サイクル数をパラメータとして関係を整理した。
図6は、結晶化面積割合(Fraction of Crystallized Area)とトップコート剥離に至るまでの加熱・冷却の回数(Number of Cycles)との相関を示す概念的なグラフである。
本図より、結晶化割合から剥離寿命を推定することが可能である。本実施例においては、結晶化面積割合が10%程度の場合、約30サイクルと早期のトップコート剥離を示すが、結晶化面積割合が20%程度以上の場合、70サイクル程度と良好な剥離寿命(剥離寿命が長いこと)を示している。そこで、良好な剥離寿命を示した結晶化面積割合の閾値を20%以上と規定することにより、TBCの健全性を判断することができる。
表1は、ボンドコートA〜Dの評価結果をまとめたものである。
Figure 2012168134
表中、カッコ内の数値は、結晶化面積割合(%)を示したものであり、○及び×はそれぞれ、剥離寿命の良否(剥離寿命が十分長いこと及び剥離寿命が短いこと)を表している。
以上の説明の通り、本発明のボンドコート遮熱コーティングの検査方法によれば、TBCのボンドコートの結晶化割合からトップコート剥離寿命を推定することができ、TBCの健全性を評価し、品質管理を効率的に行うことが可能となる。
1:基材、2:ボンドコート、3:トップコート。

Claims (3)

  1. ガスタービン用高温部材の基材の表面に施工したボンドコートと、このボンドコートの表面に施工したトップコートとで構成された遮熱コーティングの剥離寿命を推定する検査方法であって、複数種類の前記ボンドコートの結晶化面積割合とその剥離寿命との相関を求める工程と、試験片の前記結晶化面積割合を計測する工程と、前記試験片の結晶化面積割合と前記相関とから前記剥離寿命を推定する工程とを含むことを特徴とする遮熱コーティングの検査方法。
  2. 前記結晶化面積割合を算出する際、結晶化面積の測定に用いる部位の断面を研磨することを特徴とする請求項1記載の遮熱コーティングの検査方法。
  3. 前記ボンドコートの結晶化面積は、電子後方散乱回折によって測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の遮熱コーティングの検査方法。
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