JP2012167320A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引張強度が極めて高く曲げ性及び伸びフランジ性に優れる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】鋼板は、質量%で、C:0.07%超0.15%以下、Si:0.001%超0.80%以下、Mn:2.1%超3.5%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上0.40%以下、Ti:0.030%以上0.25%以下、B:0.0015%超0.010%以下およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有し、面積%で、フェライト:20%以上60%以下および残留オーステナイト:0.5%以上3.0%以下を含有し、未再結晶フェライトが0.5%未満である鋼組織を有し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が980MPa以上である機械特性を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。具体的には、本発明は、980MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら優れた曲げ性および伸びフランジ性を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保護を目的として自動車の燃費向上が求められていることから、乗員の安全性を確保しつつ車体の軽量化を可能にする高強度鋼板へのニーズが高まっている。特に、自動車用骨格部材の軽量化は車体の軽量化への寄与が大きいことから、自動車用骨格部材に供される鋼板について980MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板、とりわけ、防錆性が要求される部材への適用が可能な高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板へのニーズが高まっている。
そして、自動車用骨格部材に供される鋼板には、高い引張強度のみならず、プレス成形性、溶接性、めっき密着性といった、部材成形時に要求される様々な性能を満足することが必要とされる。中でも、ロッカーやピラー類のような自動車用骨格部品の成形プロセスにおいて曲げ成形と伸びフランジ成形とが多用されていることから曲げ性および伸びフランジ性に優れることが必要とされる。
したがって、980MPa以上の引張強度を有しながら曲げ性および伸びフランジ性に優れる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が求められている。
また、曲げ性や伸びフランジ性が良好であったとしても、鋼板の降伏強度が高いと、しわが発生したり、スプリングバックが大きくなることによる形状不良の問題が顕在化したりする場合がある。したがって、曲げ性および伸びフランジ性に優れるとともに、降伏強度が低いことが好ましい。具体的には、700MPa以下であることが好ましい。
しかし、一般に引張強度と曲げ性および伸びフランジ性とはトレードオフの関係にあり、引張強度の上昇に伴って曲げ性や伸びフランジ性は著しく低下する。このため、高い引張強度と優れた曲げ性および伸びフランジ性とを両立させることは容易ではない。
ところで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、生産性の観点から連続溶融亜鉛めっき設備により製造されることが一般的である。連続溶融亜鉛めっき設備における製造プロセスは、冷延鋼板などの基材鋼板を加熱し、所定の温度範囲内にて基材鋼板を保持し(この処理を「均熱」といい、均熱における保持温度を「均熱温度」という。)、この保持終了後の基材鋼板を冷却し、この均熱温度からの冷却の際に、400℃以上の温度に維持された溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、再加熱して合金化処理を施す、という特徴的な温度履歴を有する。すなわち、均熱温度からの冷却過程において400℃以上の温度域で一旦冷却が中断される。高い引張強度を確保するために調整された化学組成を有する高強度鋼板において、400℃以上500℃以下の温度域は本質的にベイナイト変態が進行しやすい温度域である。そのため、均熱温度からの冷却過程において上記温度域に一旦保持されることによりベイナイト変態が進行するのであるが、上記温度域に保持される時間が短時間であるため、MnやBを多く含有する高強度鋼においては、ベイナイト変態が完結せずに、変態したベイナイトから排出されたCが未変態のオーステナイトに濃化する。斯かる状態から常温までの冷却が施されると、Cが濃化した前記オーステナイトは残留オーステナイトとして多量に残存し、プレス成形が施されると変態して非常に硬質なマルテンサイトとなり、不均一変形を助長し、曲げ成形や伸びフランジ成形において割れを誘発する。したがって、斯様な組織が形成されると優れた曲げ性および伸びフランジ性を確保することは極めて困難となる。特に、従来の980MPa以上の引張強度を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、フェライトの面積率が60%超であると、ひずみがフェライトと硬質な組織との界面に集中してしまうために、伸びフランジ性が不芳であった。
また、連続溶融亜鉛めっき設備における製造プロセスにおいて、均熱温度からの冷却速度は通常0.5〜50℃/秒程度であり、連続焼鈍設備における製造プロセスのものより小さい。このため、980MPa以上の引張強度を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することはそれ自体容易なことではない。
このように、980MPa以上の引張強度を有しながら曲げ性および伸びフランジ性に優れる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することは非常に困難な技術課題であるが、幾つかの技術がこれまでに提案されている。
上記技術課題を解決するアプローチの多くは、鋼板の化学組成と連続溶融亜鉛めっき設備における温度履歴等とを適正化するというものである。
先ず、曲げ性を改善する技術として、特許文献1には、特定の化学組成を有する冷延鋼板に対して、800℃以上に加熱した後、5℃/s以上の冷却速度で冷却し、溶融亜鉛めっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを施し、さらに530℃以下で合金化処理を施す高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。次に、伸びフランジ性を改善する技術として、特許文献2には、特定の化学組成を有する冷延鋼板に対して、最高加熱温度を(Ac+Ac)/2℃以上で焼鈍した後、760〜680℃間で10秒以上の保持を行い、680℃〜550℃間を平均冷却速度1℃/秒以上で(亜鉛めっき浴温度−40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、室温まで冷却する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、特定の化学組成を有する冷延鋼板に対して、A(℃)以上、(A+30)(℃)以下で再結晶焼鈍を施し、その後600℃まで5℃/s以上の速度で冷却し、ついで酸洗後、鋼組成におけるSi,MnおよびNiの含有量により規定される温度A(℃)以下、500℃以上の温度範囲で熱処理を行い、ついで溶融亜鉛めっき処理を施す溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、合金元素を適正に調整し、焼鈍過程における均熱温度からの冷却時に(Ms−100℃)〜(Ms−200℃)の温度域まで強冷却してオーステナイトの一部をマルテンサイトに変態させる部分焼入れを行った後、再加熱してめっき処理を施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。
特開2010−229493号公報 特開2009−263686号公報 特開2004−211126号公報 特開2009−203548号公報
上述したように、980MPa以上の引張強度を有しながら曲げ性および伸びフランジ性に優れる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することについて幾つかの技術が提案されているが、何れも十分なものとはいえない。
特許文献1に開示された技術では優れた伸びフランジ性を確保することが困難である。すなわち、特許文献1に開示された鋼はフェライトを主相とするものであるが、具体的に開示されているのはフェライト面積率を60%超とするものである。このため、引張強度を980MPa以上とすると、ひずみがフェライトと硬質な組織との界面に集中してしまい、優れた伸びフランジ性を確保することが困難となる。
特許文献2に開示された技術では980MPa以上の引張強度と優れた曲げ性および伸びフランジ性とを安定して確保することが困難である。すなわち、特許文献2の特許請求の範囲には最高加熱温度を(Ac+Ac)/2℃以上で焼鈍することが記載されているものの、実施例の記載等から明らかなように最高加熱温度をAc℃以下で焼鈍するもの、すなわち二相域温度で焼鈍するものである。そして、特許文献2に開示された鋼は、Tiを微量に添加した化学組成とするものであるところ、Tiを微量に添加した鋼を二相域温度で焼鈍すると未再結晶のフェライトが残存してしまい、斯かる未再結晶のフェライトは引張強度を著しく上昇させるものの分率の制御が極めて困難である。このため、高い引張強度と優れた曲げ性および伸びフランジとを安定して確保することが困難となる。したがって、特許文献2に開示された技術は、980MPa以上の引張強度と優れた曲げ性および伸びフランジ性とを安定して確保することが困難である。
特許文献3に開示された技術は、980MPa以上の引張強度を安定して確保することが困難であるとともに量産技術への適用が困難である。すなわち、一般に急冷プロセスを有する連続焼鈍炉で熱処理した鋼板に高温の熱処理を施すと強度低下を招いてしまうところ、特に、Mnの拡散が活発となる500℃以上A点以下の温度域で熱処理を施す特許文献3に開示された技術においては斯かる傾向が顕著となり、熱処理温度の変動に伴う引張強度の変動が顕著となる。したがって、特許文献3に開示された技術は、材質安定性に欠けるものであり、980MPa以上の引張強度と良好な曲げ性および伸びフランジ性とを安定して確保することが困難である。また、再結晶焼鈍後に再度高温域に保持する熱処理を必要とする製造方法は生産性に劣るため、量産技術への適用は現実的でない。
特許文献4に開示された技術は、量産技術への適用が困難である。すなわち、特許文献3に開示された技術においては、均熱後にMs点以下の温度域まで急冷却するため、鋼板の平坦性が著しく劣化してしまい、後続する溶融亜鉛めっき処理が困難となり、不めっきや外観ムラが散発するようになる。したがって、特許文献4に開示された技術の量産技術への適用は現実的でない。
このように、980MPa以上の引張強度を有しながら曲げ性および伸びフランジ性に優れる高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することについて幾つかの技術が提案されているが、何れも十分なものとはいえなかった。
本発明は、上述したように従来製造することが困難であった、980MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら優れた曲げ性および伸びフランジ性を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。ここで、「優れた曲げ性」とは、試験片の端面をシャー切断ままとし、曲げ角度:90゜および曲げ内側半径:2.0t(但し、t:試験片の板厚)の曲げ試験を施した際に、試験片の湾曲部の外面および端面において肉眼で割れが確認されない機械特性を有することをいう。また、「優れた伸びフランジ性」とは、下記式(1)で規定される穴拡げ率(HER)が35%以上である機械特性を有することをいう。
HER=(D−D)/D×100 (1)
ここで、Dは初期穴径(mm)、Dは破断後の穴径(mm)であり、12.5%のクリアランスで打抜いた直径10mm(=D)の円形の打抜き穴を、バリがダイス側となるようにして円筒平底ポンチ(直径:33mmφ、肩R:3mm)で押し拡げ、前記打抜き穴の縁において厚さ方向に貫通する亀裂が発生した際の前記打抜き穴の径(=D)である。
なお、クリアランスとは、打抜きによって試験片に穴を開けたときの、ダイスとポンチの間隙を試験片の厚さに対する比率で表したものであり、下記式(2)により定義される。
c=(d−d)/2t×100 (2)
ここで、cはクリアランス(%)、dは打抜きダイスの内径(mm)、dは打抜きポンチの直径(d=10mm)、tは試験片の厚さ(mm)である。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の化学組成について、C、Si、Mn、TiおよびB含有量を極めて限られた範囲に制御するとともに、それに対する最適な製造条件を適用することによって、従来の技術では製造することが困難であった、980MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら優れた曲げ性および伸びフランジ性をも有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができるという新知見を得た。
本発明は、上記新知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を備える合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼板は、質量%で、C:0.07%超0.15%以下、Si:0.001%超0.80%以下、Mn:2.1%超3.5%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上0.40%以下、Ti:0.030%以上0.25%以下、B:0.0015%超0.010%以下およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有し、面積%で、フェライト:20%以上60%以下および残留オーステナイト:0.5%以上3.0%以下を含有し、未再結晶フェライトが0.5%未満である鋼組織を有し、前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が980MPa以上である機械特性を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(2)前記化学組成が、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:0.12%以下、Cu:0.5%以下およびNi:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする上記(1)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、Bi:0.05%以下をさらに含有することを特徴とする上記(1)から上記(3)のいずれか1項に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(5)下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(A)上記(1から上記(4までのいずれか1項に)記載の化学組成を有する鋼材を1100℃以上1300℃以下として熱間圧延を施し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上680℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
(C)前記冷延鋼板に、100℃以上700℃以下の温度域における平均加熱温度を1℃/秒以上50℃/秒以下として加熱し、次いで720℃以上800℃以下の温度域に20秒間以上160秒間以下保持し、さらに下記式(i)により規定されるT(℃)以上かつ810℃以上950℃以下の温度域に5秒間以上150秒間以下保持した後、580℃以上750℃以下の温度域における平均冷却速度を3℃/秒以上30℃/秒以下として400℃以上560℃以下の温度域まで冷却し、引き続いて、400℃以上540℃以下の温度域にめっき浴浸漬時および合金化処理時を含めて25秒間以上500秒間以下保持するとともに500℃以上540℃以下の温度域で合金化処理を施し、さらに300℃以上500℃以下の温度域に20秒間以上50秒間以下保持し、室温まで冷却して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
T=910−203×(C0.5)−15.2×Ni+44.7×Si
+104×V+31.5×Mo−30×Mn−11×Cr−20×Cu
+700×P+400×Al+50×Ti (i)
ここで、式中における元素記号は前記鋼材における各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
本発明により、980MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら優れた曲げ性および伸びフランジ性を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、産業上、特に、自動車分野において、広範に使用可能である。特に、自動車の車体のようにプレス成形、その中でも、従来適用が困難であった曲げ性および伸びフランジ成形が必要不可欠となる用途に好適である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
1.化学組成
はじめに、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の化学組成を上述のように規定した理由を説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量を表す「%」は特に断りがない限り質量%を意味する。
(C:0.07%超0.15%以下)
Cは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。C含有量が0.07%以下では980MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.07%超とする。一方、C含有量が0.15%超では伸びフランジ性の劣化が顕著となる。したがって、C含有量は0.15%以下とする。冷間圧延時の荷重を低減して生産性を向上させる観点からはC含有量を0.12%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.11%以下である。
(Si:0.001%超0.80%以下)
Siは、延性をさほど劣化させることなく、あるいは、延性を向上させて、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。また、めっき密着性を高める作用を有する元素でもある。Si含有量が0.001%以下では上記作用を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.001%超とする。Si含有量を0.05%以上にすると、めっき密着性が一層向上する。したがって、Si含有量は0.05%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が0.80%超では、めっき濡れ性の低下が著しくなり、不めっきが多発する。したがって、Si含有量は0.80%以下とする。
(Mn:2.1%超3.5%以下)
Mnは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。Mn含有量が2.1%以下では、980MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は2.1%超とする。Mn含有量を2.3%以上にすると、連続溶融亜鉛めっき設備における製造工程において均熱温度を880℃以下とすることが可能となり、これにより、均熱炉の損傷を抑制するとともに生産性を向上させることが可能となる。このため、Mn含有量は2.3%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が3.5%超では、バンド組織が発達してしまい曲げ性の劣化が著しくなる。したがって、Mn含有量は3.5%以下とする。冷間圧延時の荷重を低減して生産性を向上させる観点からは2.7%以下とすることが好ましい。
(P:0.02%以下)
Pは、一般には鋼に不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.02%超では溶接性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.02%以下とする。好ましくは、0.012%以下である。上記作用をより確実に得るには、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
(S:0.01以下)
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。S含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。
(sol.Al:0.001%以上0.40%以下)
Alは、鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素であり、また、Ti等の炭窒化物形成元素の歩留まりを向上させる作用を有する元素でもある。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.015%以上である。一方、sol.Al含有量が0.40%超では、溶接性の低下が著しくなるとともに、酸化物系介在物が増加して表面性状の劣化が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は0.40%以下とする。好ましくは0.080%以下である。
(Ti:0.030%以上0.25%以下)
Tiは、本発明において重要な元素であり、鋼中に炭化物、窒化物、または炭窒化物である微細な析出物を形成することにより、鋼板の強度を著しく高める作用を有する元素である。そして、C含有量、Mn含有量およびB含有量を厳格に規定し、さらに、後述するような連続溶融亜鉛めっき処理条件を組み合わせることによって、980MPa以上の極めて高い引張強度を有しながら優れた曲げ性および伸びフランジ性を有する高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることが可能となる。Ti含有量が0.030%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Ti含有量は0.030%以上とする。一方、Ti含有量が0.25%超では、上記析出物が粗大化してしまい、鋼板の強度を著しく高める作用を得ることが困難となり、980MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、Ti含有量は0.25%以下とする。
(B:0.0015%超0.010%以下)
Bは、本発明において重要な元素であり、ひずみが界面に集中するのを抑制することにより曲げ部の割れの発生を抑制して、鋼板の曲げ性を高める作用を有する。B含有量が0.0015%以下では、上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、B含有量は0.0015%超とする。一方、B含有量が0.010%超では、Bを含む酸化物が鋼板表面に生成して表面性状が劣化する。したがって、B含有量は0.010%以下とする。
(N:0.01%以下)
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、伸びフランジ性の観点からは低いほど好ましい。N含有量が0.01%超では伸びフランジ性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
(Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:0.12%以下、Cu:0.5%以下およびNi:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも鋼板の強度を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、NbおよびVについては、それぞれ0.1%を超えて含有させると熱間圧延および冷間圧延が困難になる。また、Crは1.0%を超えて含有させても、そして、CuおよびNiはそれぞれ0.5%を超えて含有させても、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となり、また、熱間圧延や冷間圧延が困難となる。また、Moは0.12%を超えて含有させると、フェライト変態が過度に抑制され、目的とする鋼組織が得られずに降伏強度が過度に高くなる場合がある。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Nb:0.003%以上、V:0.003%以上、Cr:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Cu:0.005%以上およびNi:0.005%以上の少なくとも一つを満足させることが好ましい。
(Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上)
これらの元素は、いずれも介在物制御、特に介在物の微細分散化に寄与し、曲げ性を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、いずれも0.01%を超えて含有させると表面性状の劣化が顕在化する場合がある。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、これらの元素の少なくとも一つの含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
ここで、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、上記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。
(Bi:0.05%以下)
Biは、曲げ性を高める作用を有する元素である。したがって、含有させてもよい。しかしながら、0.05%を超えて含有させると、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になる。したがって、Bi含有量は0.05%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
2.鋼組織
次に、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の鋼組織について説明する。
(フェライトの面積率:20%以上60%以下)
フェライトは、延性を向上させるとともに、降伏強度を低下させる作用を有する。フェライトの面積率が20%未満では、降伏強度が高くなり、しわが発生したり、スプリングバックが大きくなることによる形状不良の問題が顕在化したりする場合がある。したがって、フェライトの面積率は20%以上とする。一方、フェライトの面積率が60%超では、上述したように、鋼板の引張強度が980MPa以上になると伸びフランジ性の劣化が著しくなる。したがって、フェライトの面積率は60%以下とする。
(残留オーステナイトの面積率:0.5%以上3.0%以下)
残留オーステナイトは、TiおよびBを含有する高強度鋼において降伏強度を低下させる作用を有する。残留オーステナイトの面積率が0.5%未満では、降伏強度が高くなり、しわが発生したり、スプリングバックが大きくなることによる形状不良の問題が顕在化したりする場合がある。したがって、残留オーステナイトの面積率は0.5%以上とする。一方、残留オーステナイトの面積率が3.0%超では、プレス成形が施されると変態して非常に硬質なマルテンサイトとなり、不均一変形を助長し、曲げ成形や伸びフランジ成形において割れを誘発する。したがって、残留オーステナイトの面積率は3.0%以下とする。
(未再結晶フェライトの面積率:0.5%未満)
未再結晶フェライトの面積率が0.5%以上では、引張強度が980MPa以上となる領域で、安定した引張強度と目的とする曲げ性および伸びフランジ性とを得ることが困難である。したがって、未再結晶フェライトの面積率は0.5%未満とする(0%の場合も含む)。ここで、本発明において「未再結晶フェライト」とは、顕微鏡観察によって確認される圧延方向に伸長した相をいう。
3.合金化溶融亜鉛めっき層
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化溶融亜鉛めっき層の化学組成は特に限定されないが、以下の条件を満足することが好ましい。
(Fe:8質量%以上15質量%以下)
合金化溶融亜鉛めっき層中のFe含有量を8質量%以上とすることにより、合金化処理後のめっき層の表層部における軟質部位の形成が抑制され、摺動性が高まってめっき層が基材である鋼板との界面から剥離することによるフレーク状の剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は8質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは9.5質量%以上である。一方、Fe含有量を15質量%以下にすると、鋼板に曲げ加工が施された際に曲げ部の内側で合金化溶融亜鉛めっき層が圧縮変形を受けることによって生じるパウダリング剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は15質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは14質量%以下である。
(Al:0.15質量%以上0.50質量%)
溶融亜鉛めっき層中のAl含有量を0.15質量%以上とすることにより、溶融亜鉛めっき浴中における合金層の発達をより適正に抑制することができ、めっき付着量の制御が容易となる。したがって、Al含有量は0.15質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.20質量%以上、特に好ましくは0.25質量%以上である。一方、Al含有量を0.50質量%以下とすることにより、適度な合金化速度を確保することができ、通常のライン速度でも540℃以下の合金化処理温度で上記Fe含有量を確保することができ、降伏強度を700MPa以下にすることが容易になる。したがって、Al含有量は0.50質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.45質量%以下、特に好ましくは0.40質量%以下である。
(その他)
溶融亜鉛めっき層中へは、合金化処理過程において、母材からSi、Mn、P、S、Ti、Nb、V、Cr、Mo、Cu、Ni、B、Ca、Mg、Zr、REM、Bi等がとりこまれるが、通常の条件で溶融めっきおよび合金化処理した際にめっき層中にとりこまれる範囲内であれば、めっき品質に悪影響を及ぼさないので、問題ない。ここでいう通常のめっき条件とは、後述するように、めっき浴温度が400℃以上490℃以下で、鋼板の侵入温度が400℃以上500℃以下、合金化温度が500℃以上600℃以下である。
4.製造方法
次に、上記の特徴を有する本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の好ましい製造方法について説明する。
(A)熱間圧延工程
上述した鋼組成を有する溶鋼を転炉、電気炉等の常法の溶製方法で溶製し、連続鋳造法でスラブ等の鋼材とするのが好ましい。なお、連続鋳造法に代えて、造塊法、薄スラブ鋳造法などを採用してもよい。この鋼材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。熱間圧延は、鋳造された鋼材を室温まで冷却せず温片のまま加熱炉に装入して加熱した後に圧延する直送圧延、または、わずかの保熱を行った後に直ちに圧延する直接圧延、または、鋼材を一旦冷却した後に再加熱して圧延する再加熱圧延の何れでもよい。このとき、熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上圧延工程とからなる場合には、粗圧延後仕上圧延前の粗バーに対して誘導加熱等により全長の温度均一化を図ると、特性変動を抑制することができるので好ましい。
(熱間圧延に供する鋼材の温度:1100℃以上1300℃以下)
熱間圧延に供する鋼材の温度は、1100℃以上1300℃以下とする。
本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、Ti等の微細析出物を分散させることによって目的とする引張強度を確保する。したがって、熱間圧延に供する段階においてTi等を固溶状態とする必要がある。熱間圧延に供する鋼材の温度が1100℃未満では、Ti等を固溶状態とすることが困難な場合がある。したがって、熱間圧延に供する鋼材の温度は1100℃以上とする。一方、熱間圧延に供する鋼材の温度を1300℃超としても、Ti等を固溶状態とする効果が飽和するだけでなく、スケールロス増加による歩留まりの低下が著しくなる。したがって、熱延鋼板に供する鋼材の温度は1300℃以下とする。熱間圧延に供する際に1100℃以上1300℃の温度域に保持する時間は特に規定しないが、Ti等をより確実に固溶状態とするために10分間以上とすることが好ましく、30分間以上とすることがさらに好ましい。また、過度のスケールロスを抑制するために10時間以下とすることが好ましく、5時間以下とすることがさらに好ましい。なお、直送圧延または直接圧延を行う場合であって、Ti等が固溶状態にある場合には、加熱処理を施さずにそのまま熱間圧延に供してもよい。
(圧延完了温度:800℃以上1000℃以下)
圧延完了温度は800℃以上1000℃以下とする。圧延完了温度が800℃未満では、圧延時の変形抵抗が大きく、操業が困難となる。したがって、圧延完了温度は800℃以上とする。一方、圧延完了温度が1000℃超では、粒界酸化が顕著となり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、圧延完了温度は1000℃以下とする。
(巻取温度:400℃以上680℃以下)
巻取温度は400℃以上680℃以下とする。巻取温度が400℃未満では、硬質なベイナイトやマルテンサイトが生成し、その後の冷間圧延が困難となる。したがって、巻取温度は400℃以上とする。好ましくは500℃以上である。一方、巻取温度が680℃超では、粒界酸化が顕著となり、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、巻取温度は680℃以下とする。好ましくは600℃以下である。
(B)酸洗・冷間圧延工程
熱延鋼板は常法により酸洗を施された後に冷間圧延が行われ、冷延鋼板とされる。
酸洗の前または後に0〜5%程度の軽度の圧延を行って形状を修正すると、平坦確保の点で有利となるので好ましい。また、酸洗前に軽度の圧延を行うことより酸洗性が向上し、表面濃化元素の除去が促進され、めっき密着性を向上させる効果がある。
連続溶融亜鉛めっき後の鋼板の組織を微細化する観点からは、冷間圧延の圧下率は30%以上とすることが好ましい。また、冷間圧延中の破断を抑制する観点からは、冷間圧延の圧下率は70%以下とすることが好ましい。
(C)連続溶融亜鉛めっき工程
本発明では、Mnを多量に含有させ、さらにTiとBとを含有させているため、加工フェライトの再結晶は著しく抑制される。さらに、Tiはフェライト変態を促進し、Bはフェライト変態を抑制する作用を有する。したがって、鋼組織におけるフェライトの面積率を好適な範囲として高い引張強度と優れた曲げ性および伸びフランジ性とを確保するには、連続溶融亜鉛めっき工程における条件が極めて重要となる。したがって、以下のような連続溶融亜鉛めっき処理条件にて処理を行うことが、目的とする性能の鋼板を得る観点から好ましい。
(100℃以上700℃以下の温度域における平均加熱温度を1℃/秒以上50℃/秒以下)
均熱温度までの加熱に際しては、100℃以上700℃以下の温度域における平均加熱速度を1℃/秒以上50℃/秒以下とする。前記平均加熱速度が1℃/秒未満では生産性の低下が著しくなる。したがって、前記平均加熱速度は1℃/秒以上とする。一方、前記平均加熱速度が50℃/秒超では、連続溶融亜鉛めっき工程における温度制御が困難となり、安定した引張強度を確保することが困難となる。したがって、前記平均加熱速度は50℃/秒以下とする。
(720℃以上800℃以下の温度域に20秒間以上160秒間以下保持)
均熱温度までの加熱に際しては、720℃以上800℃以下の温度域に20秒間以上160秒間以下保持する。均熱までの加熱過程において720℃以上800℃以下の温度域における保持は、Mnの界面拡散による分配を促進するためであり、これにより、後続する熱処理におけるフェライト変態の制御が可能となり、目的とする鋼組織を確保することができる。上記温度域における保持時間が20秒間未満では、Mnの界面拡散による分配が不十分となり、後続する熱処理におけるフェライト変態の制御ができず、後述する条件を満たすようにしても目的とするフェライトの面積率を確保することが困難である。したがって、上記温度域における保持時間は20秒間以上とする。一方、上記温度域における保持時間が160秒間超では、粒界酸化が著しくなり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状が劣化する場合がある。したがって、上記温度域における保持時間は160秒間以下とする。
(T(℃)以上かつ810℃以上950℃以下の温度域に5秒間以上150秒間以下保持)
均熱処理は、下記式(1)により規定されるT(℃)以上かつ810℃以上950℃以下の温度域に5秒間以上150秒間以下保持することにより行う。
T=910−203×(C0.5)−15.2×Ni+44.7×Si
+104×V+31.5×Mo−30×Mn−11×Cr−20×Cu
+700×P+400×Al+50×Ti (1)
ここで、式中における元素記号は前記鋼材における各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
均熱温度がT(℃)未満または810℃未満では、未再結晶が多く残存してしまい、鋼板の引張強度が安定せず、曲げ性が劣化する場合がある。したがって、均熱温度はT(℃)以上かつ810℃以上とする。一方、均熱温度が950℃超では、焼鈍炉の損傷が顕在化するとともに生産性が低下する。したがって、均熱温度は950℃以下とする。好ましくは880℃以下である。
均熱時間が5秒間未満では、連続溶融亜鉛めっき工程における温度制御が困難となり、安定した引張強度を確保することが困難となる。したがって、均熱時間は5秒間以上とする。一方、均熱時間が150秒間超では、生産性が低下するばかりか、粒界酸化が著しくなり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状が劣化する場合がある。
(580℃以上750℃以下の温度域における平均冷却速度を3℃/秒以上30℃/秒以下として400℃以上560℃以下の温度域まで冷却)
上記均熱処理の後、580℃以上750℃以下の温度域における平均冷却速度を3℃/秒以上30℃/秒以下として400℃以上560℃以下の温度域まで冷却する。580℃以上750℃以下の温度域における冷却は、フェライト変態を制御して、目的とする鋼組織を確保するために重要である。上記温度域における平均冷却速度が3℃/秒未満ではフェライト変態が過度に進行してしまい、高い引張強度と優れた伸びフランジ性とを両立することが困難となる。したがって、上記温度域における平均冷却速度は3℃/秒以上とする。好ましくは、4℃/秒以上である。一方、上記温度域における平均冷却速度が30℃/秒超では、フェライト変態が過度に抑制されてしまい、降伏強度が高くなり、しわが発生したり、スプリングバックが大きくなることによる形状不良の問題が顕在化したりする場合がある。したがって、上記温度域における平均冷却速度が30℃/秒以下とする。好ましくは25℃/秒以下である。
本発明では、Mnを多量に含有させ、さらにBを含有させているため、ベイナイト変態が著しく抑制される。このため、残留オーステナイトの面積率を適正なものとするには冷却後の条件が重要となる。
上記冷却停止温度が400℃未満では、めっき浴浸漬時の抜熱が大きく、操業が困難となる。したがって、冷却停止温度は400℃以上とする。一方、冷却停止温度が560℃を超えると、ベイナイト変態が十分に進行せず、その結果、残留オーステナイトが過剰に残存してしまい、伸びフランジ性が劣化する場合がある。したがって、冷却停止温度は560℃以下とする。なお、溶融亜鉛めっきでは、常法に従って、400℃以上490℃以下の溶融亜鉛めっき浴中に浸漬することにより行う。
(400℃以上540℃以下の温度域にめっき浴浸漬時および合金化処理時を含めて25秒間以上500秒間以下保持)
上記冷却の後、溶融亜鉛めっき処理を施し、さらに合金化処理を施すが、この際、400℃以上540℃以下の温度域にめっき浴浸漬時および合金化処理時を含めて25秒間以上500秒間以下保持する。400℃以上540℃以下の温度域における保持時間が25秒間未満では、ベイナイト変態が十分に進行せず、その結果、残留オーステナイトが過剰に残存してしまい、伸びフランジ性が劣化する場合がある。したがって、上記保持時間は25秒間以上とする。一方、上記保持時間が500秒間超では、ベイナイト変態が過度に進行してしまい、その結果、適正量の残留オーステナイトを残存させることができず、降伏強度が著しく上昇してしまう場合がある。したがって、上記保持時間は500秒間以下とする。なお、生産性の観点からは、上記滞在時間を300秒間以下とすることが好ましい。
(500℃以上540℃以下の温度域で合金化処理)
めっき浴浸漬後に合金化処理を施す際の合金化処理温度は500℃以上540℃以下とする。合金化処理温度が500℃未満では、残留オーステナイトが過剰に残存してしまい、伸びフランジ性が劣化する場合がある。したがって、合金化処理温度は500℃以上とする。好ましくは510℃以上である。一方、合金化処理温度が540℃を超えると、適正量の残留オーステナイトを残存させることができず、降伏強度が著しく上昇してしまう場合がある。したがって、合金化処理温度は540℃以下とする。好ましくは530℃以下である。合金化処理時間は特に規定しないが、好適な合金化度(合金化溶融亜鉛めっき層のFe含有量)を確保する観点からは、5秒間以上60秒間以下とすることが好ましい。このようにすることにより、合金化度を8質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
(300℃以上500℃以下の温度域に20秒間以上50秒間以下保持)
合金化処理後に300℃以上500℃以下の温度域に20秒間以上50秒間以下保持する。合金化処理後に上記温度域に保持するのは、再びベイナイト変態を緩やかに進行させ、残留オーステナイトの面積率を精緻に制御するためである。上記温度域における保持時間が20秒間未満ではベイナイト変態を適度に進行させることができずに、残留オーステナイトが過剰に残存してしまい、伸びフランジ性が劣化する場合がある。したがって、上記温度域における保持時間は20秒間以上とする。一方、上記温度域における保持時間が50秒間超ではベイナイト変態が過度に進行してしまい、適正量の残留オーステナイトを残存させることができず、降伏強度が著しく上昇してしまう場合がある。したがって、上記温度域における保持時間は50秒間以下とする。
連続溶融亜鉛めっき処理後、さらに調質圧延を伸び率0.05〜1%の範囲で行うことが好ましい。調質圧延によって降伏点伸びが抑制されるとともに、降伏強度が調整される。
さらに、本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
1.評価用鋼板の製造
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により245mm厚のスラブとした。
Figure 2012167320
得られたスラブを表2に示す条件にて熱間圧延し、2.6mm厚の熱延鋼板を製板した。
Figure 2012167320
得られた熱延鋼板を酸洗し、冷間圧延し、1.2mm厚の冷延鋼板を製板した。
得られた冷延鋼板について、連続溶融亜鉛めっき処理における熱履歴を模擬するように、表3に示す条件の熱処理を施して焼鈍冷延鋼板を作製した。すなわち、表3に示す条件にて加熱した後に冷却し、冷却停止温度で冷却後から所定の時間(浸漬前保持時間)保持し、想定めっき浴温である460℃まで4秒間かけて冷却し、460℃で2秒間保持した。続いて表3に示す合金化処理温度まで4秒間かけて加熱し、合金化処理を模擬するように、各々の合金化処理温度で5秒間保持し、その後、300℃以上500℃以下の温度域に表3に示す時間保持し、さらに、平均冷却速度20℃/秒で室温まで冷却した。このようにして得られた焼鈍冷延鋼板を伸び率0.1%で調質圧延し、各種評価用鋼板を準備した。
Figure 2012167320
本例において作製した焼鈍冷延鋼板は、溶融亜鉛めっきが施されていないが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板と同じ熱履歴を受けているので、鋼板の機械的性質は同じ熱履歴を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板と実質的に同一である。
2.評価方法
各種製造条件で得られた焼鈍冷延鋼板に対して、鋼組織を解析し、引張試験、曲げ試験および伸びフランジ試験を実施し、それぞれの機械特性を評価した。各評価の方法は次のとおりである。
(フェライトの面積率)
各焼鈍冷延鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を電子顕微鏡で観察し、8mmの領域を写真撮影し、画像解析によりフェライトの面積率を調査した。
(残留オーステナイトの面積率)
各焼鈍冷延鋼板から25mm×25mm×板厚1.2mmの試験片を切り出し、この試験片に化学研磨を施して0.3mm減厚し、化学研磨後の試験片表面に対しX線回折を三回実施し、得られたプロファイルを解析し、残留オーステナイトの面積率を平均した値を算出した。
(未再結晶フェライトの面積率)
各焼鈍冷延鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を電子顕微鏡で観察し、8mmの領域を写真撮影し、画像解析により未再結晶フェライトの面積率を調査した。
(引張試験)
各焼鈍冷延鋼板から、圧延方向に直角方向からJIS5号引張試験片を採取し、TS(引張強度)およびYS(降伏強度)を測定した。
(曲げ試験)
各焼鈍冷延鋼板から、曲げ稜線が圧延方向となるように、圧延方向に対して直角方向が長手方向となる曲げ試験片(幅40mm×長さ60mm×板厚1.2mm)を採取した。試験片の端面はシャー切断ままとした。先端に2.4mmの半径を持つ90゜のポンチで押し込み、曲げ試験を実施し、表面および端面の割れの有無を目視にて確認した。表面および端面のいずれにも割れが無いものを「良好」とし、表面および端面の少なくとも一方に割れがあるものを「不良」とした。
(伸びフランジ試験)
各焼鈍冷延鋼板(幅100mm×長さ100mm×板厚1.2mm)の中央に、直径10mm(=D)の丸穴を、クリアランスが12.5%となる条件で打ち抜き、伸びフランジ試験片を作製した。打ち抜き部のバリがダイス側となるようにして、直径33mm、肩R3mmの円筒平底ポンチで押し拡げ、上記丸穴の縁において亀裂が板厚を貫通した直後の穴の直径Dを測定し、次式で得られるHER(穴拡げ率)を算出した。HERが35%以上であるものを「良好」とし、35%未満のものを「不良」とした。
HER=(D−D)/D×100 (1)
3.評価結果
上記の評価の結果を表4に示す。
Figure 2012167320
なお、表1〜4において下線を付された数値は、その数値により示される含有量、条件、または機械特性が本発明の範囲外であることを示している。
表4における供試材No.1、4、6、8、10、12、17、20、22、27〜29および33は、本発明の条件を全て満足する本発明例の鋼板である。
一方、供試材No.2、15および19は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、残留オーステナイトの面積率が0.5%以下となった。これらは降伏強度が700MPa超であり好ましくなかった。
供試材No.3および16は、化学組成が発明で規定する範囲を外れるため、曲げ性が悪かった。
供試材No.5は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、目的とする引張強度が得られなかった。
供試材No.7および30は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、フェライトの面積率が60%超となり、伸びフランジ性が悪かった。
供試材No.9、25、31および32は、化学組成が発明で規定する範囲を外れるため、目的とする引張強度が得られなかった。
供試材No.11および23は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、未再結晶フェライトの面積率が0.50%以上となり、曲げ性と伸びフランジ性に劣っていた。
供試材No.13、14、18および34は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、残留オーステナイトの面積率が3.0%超となり、伸びフランジ性が悪かった。
供試材No.21は、製造条件が本発明で規定する範囲を外れるため、フェライトの面積率が20%未満となった。降伏強度は700MPa超となり好ましくなかった。
供試材No.24は、化学組成が発明で規定する範囲を外れるため、伸びフランジ性が悪かった。
供試材No.26は、化学組成が発明で規定する範囲を外れるため、フェライトの面積率が20%未満となった。降伏強度は700MPa超となり好ましくなかった。

Claims (5)

  1. 鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を備える合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、
    前記鋼板は、質量%で、C:0.07%超0.15%以下、Si:0.001%超0.80%以下、Mn:2.1%超3.5%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上0.40%以下、Ti:0.030%以上0.25%以下、B:0.0015%超0.010%以下およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有し、面積%で、フェライト:20%以上60%以下および残留オーステナイト:0.5%以上3.0%以下を含有し、未再結晶フェライトが0.5%未満である鋼組織を有し、
    前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が980MPa以上である機械特性を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記化学組成が、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Cr:1.0%以下、Mo:0.12%以下、Cu:0.5%以下およびNi:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 前記化学組成が、質量%で、Bi:0.05%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼材を1100℃以上1300℃以下として熱間圧延を施し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上680℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
    (C)前記冷延鋼板に、100℃以上700℃以下の温度域における平均加熱温度を1℃/秒以上50℃/秒以下として加熱し、次いで720℃以上800℃以下の温度域に20秒間以上160秒間以下保持し、さらに下記式(1)により規定されるT(℃)以上かつ810℃以上950℃以下の温度域に5秒間以上150秒間以下保持した後、580℃以上750℃以下の温度域における平均冷却速度を3℃/秒以上30℃/秒以下として400℃以上560℃以下の温度域まで冷却し、引き続いて、400℃以上540℃以下の温度域にめっき浴浸漬時および合金化処理時を含めて25秒間以上500秒間以下保持するとともに500℃以上540℃以下の温度域で合金化処理を施し、さらに300℃以上500℃以下の温度域に20秒間以上50秒間以下保持し、室温まで冷却して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
    T=910−203×(C0.5)−15.2×Ni+44.7×Si
    +104×V+31.5×Mo−30×Mn−11×Cr−20×Cu
    +700×P+400×Al+50×Ti (1)
    ここで、式中における元素記号は前記鋼材における各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
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