JP2012167264A - 超音波硬化型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】照射した超音波を減衰又は遮蔽する着色剤等の物質が高濃度で存在する場合や厚い膜厚の場合でも少エネルギー量で硬化可能な超音波硬化型組成物の提供。
【解決手段】下記(1)〜(3)を含有する超音波硬化型組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であることを特徴とする超音波硬化型組成物;(1)ラジカル開始剤(A)、(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、(3)重合性物質(D)。
【選択図】なし

Description

本発明は、超音波により硬化する組成物に関する。
超音波で硬化させることによる表面コーティングは、その作業性(速硬化性)や低VOC化の観点から、コーティング剤や塗料、印刷インキ等、広く適用範囲が検討されている。
一般に超音波硬化性コーティング剤は、重合開始剤、ラジカル重合性モノマー、オリゴマー又はポリマー、用途に応じ着色剤及び添加剤からなる。着色剤は大別して顔料及び染料からなり、塗膜を着色させるために配合される。着色剤は、各々に応じた超音波吸収特性を持ち、照射する超音波の一部を吸収して超音波を減衰させてしまう為、塗布された塗膜の深部にまで超音波が届かないことがある。この問題を解決する為に、特定の重合開始剤を使用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は特定の構造の重合開始剤を併用するものであり、従来使用されてきた重合開始剤系よりも少ないエネルギー照射量で硬化できる点においては改良されているが、インキ組成物中の着色剤濃度を上げたり、膜厚を厚くしたりすると硬化性が不足するという問題がある。
特表2008−519086号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、照射した超音波を減衰又は遮蔽する着色剤等の物質が高濃度で存在する場合や厚い膜厚の場合でも少エネルギー量で硬化可能な超音波硬化型組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、ラジカル開始剤、重合性物質及び着色剤等の超音波を減衰する物質を含有する超音波硬化型組成物中に、酸発生剤及び/又は塩基発生剤を共存させることにより、超音波が減衰された部分でも優れた硬化性を示すことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記3発明である。
(I)下記(1)〜(3)を含有する超音波硬化型組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であることを特徴とする超音波硬化型組成物;
(1)ラジカル開始剤(A)、
(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、
(3)重合性物質(D)。
(II)上記の超音波硬化型組成物が超音波の照射により硬化されてなる硬化物。
(III)ラジカル開始剤(A)、並びに酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)の存在下、超音波の照射により重合性物質(D)を重合させる超音波硬化物の製造方法であり、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基である超音波硬化物の製造方法。
本発明の超音波硬化型組成物を使用することにより、照射した超音波を減衰する着色剤等の物質が高濃度で存在しても少エネルギー量で厚膜硬化可能となる。
また、照射した超音波を減衰する物質として金属酸化物粉末又は金属粉末を使用するセラミック電子部品のグリーンシート形成及び電極層形成を短時間で行なうことが可能となる。
本発明の超音波硬化型組成物は、下記(1)〜(3)を含有する;
(1)ラジカル開始剤(A)、
(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、
(3)重合性物質(D)。
本発明の超音波硬化型組成物においては、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)が、(H)の発生源以外のラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行する。ここで、活性種(H)及び(I)としては、ラジカル、酸及び塩基等が挙げられるが、上記反応において、活性種(H)又は(I)のいずれかは酸及び/又は塩基であることが必要である。活性種(H)が拡散することにより、一般的な重合開始剤では硬化が困難な、超音波が減衰している部分の硬化が可能となる。活性種(H)が拡散するためには、重合性物質(D)として、活性種(H)と反応しないものを使用することが好ましい。
本発明において、ラジカル開始剤(A)とは、超音波、酸及び塩基のうちの少なくとも1種によりラジカルを発生する化合物を意味し、超音波によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、並びに酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)等の公知の化合物を用いることができる。
例えば、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(A127)等は、超音波、酸及び塩基いずれによってもラジカルを発生させることが可能で(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる。
また、有機過酸化物系重合開始剤(A21)、アゾ化合物系重合開始剤(A22)、その他のラジカル開始剤(A23)等は、酸及び/若しくは塩基によってラジカルを発生させることが可能で、(A2)として適用できる。
(A)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(A121)は、(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる化合物の1番目の例であることを示す。同様に、(A21)は、(A2)として適用できる化合物の1番目の例であることを示す。
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[BASF社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
チタノセン誘導体系重合開始剤(A127)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASF社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤(A21)としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物系重合開始剤(A22)としては、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
その他の重合開始剤(A23)としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
酸及び/若しくは塩基によってラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)としては、有機過酸化物系重合開始剤(A21)及び/又はアゾ化合物系重合開始剤(A22)が好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物中のラジカル重合開始剤(A)の添加量は、超音波硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において酸発生剤(B)とは、超音波、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により酸を発生する化合物を意味し、超音波により酸を発生する酸発生剤(B1)、並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)等の公知の化合物が挙げられる。
例えば、スルホニウム塩誘導体(B121)及びヨードニウム塩誘導体(B122)等は超音波、ラジカル、酸及び塩基のいずれによっても酸を発生させることが可能で、(B1)又は(B2)として適用できる。
また、スルホン酸エステル誘導体(B21)、酢酸エステル誘導体(B22)及びホスホン酸エステル(B23)等はラジカル、酸及び塩基のいずれによっても酸を発生させることが可能であり、(B2)として適用できる。
(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(B121)は、(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる化合物の1番目の例であることを示す。
本発明におけるスルホニウム塩誘導体(B121)としては、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2012167264
一般式(1)又は(2)において、A1は一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar1〜Ar7はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であってAr1〜Ar4、Ar6及びAr7は1価の基、Ar5は2価の基であり、(X1-及び(X2-は陰イオンを表し、aは0〜2の整数、bは1〜3の整数で、かつa+bは2又は3でA1の価数と同じ整数である。
Figure 2012167264
一般式(5)〜(8)におけるR1〜R7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1とR2、R4とR5、及びR6とR7は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(2)におけるA1として、酸発生効率の観点から好ましいのは、一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるAr1〜Ar7は、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar1〜Ar7におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
ベンゼン環骨格を1個有する場合の例としては、例えばベンゼン、又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、クマリン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を2個有する場合の例としては、例えばナフタレン、ビフェニル、フルオレン、又はジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キサントン、キサンテン、チオキサントン、アクリジン、フェノチアジン及びチアントレン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格3個有する場合の例としては、例えば、アントラセン、フェナントレン、ターフェニル、p−(チオキサンチルメルカプト)ベンゼン及びナフトベンゾチオフェン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格4個有する場合の例としては、例えばナフタセン、ピレン、ベンゾアントラセン及びトリフェニレン等から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、フッ素及び塩素が好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、sec−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−、又はneo−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−又はiso−プロピルチオ基、n−、sec−又はtert−ブチルチオ基、n−、iso−又はneo−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基及びオクチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基及びトリイソプロピルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。ここでアルキルは直鎖構造でも分岐構造でも構わない。
Ar1〜Ar7に置換する原子又は置換基として、酸発生効率の観点から好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアシル基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
Ar1〜Ar4、Ar6及びAr7として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、p−(チオキサンチルメルカプト)フェニル基及びm−クロロフェニル基である。
Ar5として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニレン基、2−又は3−メチルフェニレン基、2−又は3−メトキシフェニレン基、2−又は3−ブチルフェニレン基及び2−又は3−クロロフェニレン基である。
一般式(1)又は(2)において(X1-又は(X2-で表される陰イオンとしては、ハロゲン化物アニオン、水酸化物アニオン、チオシアナートアニオン、炭素数1〜4のジアルキルジチオカルバメートアニオン、炭酸アニオン、炭酸水素アニオン、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族カルボキシアニオン(安息香酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロアルキル酢酸アニオン、及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族スルホキシアニオン(トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等)、6フッ化アンチモネートアニオン(SbF6 -)、リンアニオン[6フッ化リンアニオン(PF6 -)及び3フッ化トリス(パーフルオロエチル)リンアニオン(PF3(C253 -)等]及びボレートアニオン(テトラフェニルボレート及びブチルトリフェニルボレートアニオン等)等が挙げられ、酸発生効率の観点から、ホスフィンアニオン、ハロゲンで置換された脂肪族スルホキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
スルホニウム塩誘導体(B121)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−p−トリルスルホニウムカチオン又は[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物及び下記一般式(11)〜(14)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(11)〜(14)で示される化合物である。
Figure 2012167264
一般式(11)〜(14)における(X3-〜(X6-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明におけるヨードニウム塩誘導体(B122)は下記一般式(15)又は下記一般式(16)で示される。
Figure 2012167264
式中、A2は前記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar8〜Ar12はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar8〜Ar10及びAr12は1価の基、Ar11は2価の基であり、(X7-及び(X8-は陰イオンを表し、cは0〜2の整数、dは1〜3の整数で、かつc+dは2又は3でA2の価数と同じ整数である。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(16)におけるA2として、酸を発生する効率の観点から好ましいのは、前記一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(15)又は一般式(16)におけるAr8〜Ar12は、一般式(15)又は一般式(16)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar8〜Ar12におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4であり、Ar8〜Ar12の具体例としては、一般式(1)又は一般式(2)のAr1〜Ar7として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
(X7-及び(X8-としては、一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ヨードニウム塩誘導体(B122)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ヨードニウムカチオン、[ビス(4−メトキシフェニル)]ヨードニウムカチオン及び[ビス(4−メトキシフェニル)]ヨードニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物及び下記一般式(17)〜(20)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(17)〜(20)で示される化合物である。
Figure 2012167264
一般式(17)〜(20)において、R8〜R13は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基であり、(X9-〜(X12-は陰イオンを表す。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
8〜R13として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
一般式(17)〜(20)における(X9-〜(X12-としては一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
スルホン酸エステル誘導体(B21)としては、メタンスルホン酸シクロヘキシルエステル、エタンスルホン酸イソプロピルエステル、ベンゼンスルホン酸−t−ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルエステル及びナフタレンスルホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
酢酸エステル誘導体(B22)としては、ジクロロ酢酸シクロヘキシルエステル及びトリクロロ酢酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ホスホン酸エステル(B23)としては、トリフェニルホスホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
本発明の超音波硬化型組成物中の酸発生剤(B)の含有量は、超音波硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において塩基発生剤(C)とは、超音波、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により塩基を発生する化合物を意味し、超音波により塩基を発生する塩基発生剤(C1)並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)等の公知の化合物を用いることができる。
例えば、オキシム誘導体(C121)、4級アンモニウム塩誘導体(C122)及び4級アミジン塩誘導体(C123)等は、超音波、ラジカル、酸及び塩基のいずれによっても塩基を発生させることが可能で、(C1)又は(C2)として適用できる。
また、カルバメート誘導体(C21)はラジカル、酸又は塩基のいずれによっても塩基を発生させることが可能で、(C2)として適用できる。
(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(C121)は、(C1)、(C2)のいずれとしても適用できる化合物の1番目の例であることを示す。
オキシム誘導体(C121)としては、例えばO−アシロキシム等が挙げられる。
カルバメート誘導体(C21)としては、例えば1−Fmoc−4−ピペリドン及びo−ニトロベンゾイルカルバメート等が挙げられる。
4級アンモニウム塩誘導体(C122)及び4級アミジン塩誘導体(C123)としては、例えば下記一般式(21)〜(23)のいずれかで示される化合物が挙げられる。
Figure 2012167264
一般式(21)〜(23)におけるR14〜R41はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、一般式(24)で表される置換基及び一般式(25)で表される置換基からなる群から選ばれる原子又は置換基であって、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R24〜R31のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R32〜R41のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
Figure 2012167264
一般式(24)及び(25)におけるR42〜R45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、(X13-及び(X14-は、陰イオンを表し、eは2〜4の整数である。
一般式(21)〜(23)におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(21)で示される化合物はアントラセン骨格、一般式(22)で示される化合物はチオキサントン骨格、一般式(23)で示される化合物はベンゾフェノン骨格を有する化合物である。R14〜R23は感度の調整、熱安定性、反応性、分解性等を考慮して変性させるものであり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20のアシル基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基で目的に応じて変性される。但し、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
14〜R23として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
上記のR14〜R23の具体例としては一般式(17)〜(19)のR8〜R13の説明で記載した化合物が例示される。
一般式(24)で示される置換基はカチオン化したアミジン骨格を有する置換基であり、eは2〜4の整数である。この置換基としては、eが4である1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンがカチオン化した構造を有する置換基及びeが2である1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンがカチオン化した構造を有する置換基が好ましい。R42とR43は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましいのは水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましいのは水素原子及び炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(25)は4級アンモニウム構造を有しており、R44とR45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。また、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、直鎖でも分岐でも環状でもよい。R46〜R48は好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(24)及び(25)における(X13-及び(X14-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの内、超音波分解性の観点から、脂肪族又は芳香族カルボキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
一般式(24)で示される化合物は超音波の照射により、R42とR43が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂してアミジン骨格を有する塩基性化合物を生成し、一般式(25)で示される化合物は超音波の照射により、R44とR45が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂して3級アミンが生成する。
これらの塩基発生剤(C1)の内、超音波分解性の観点から、下記一般式(26)で示される化合物が好ましい。
Figure 2012167264
一般式(26)における(X15-は、陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの内、超音波分解性の観点から、脂肪族又は芳香族カルボキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
カルバメート誘導体(C21)としては、例えば1−Z−4−ピペリドン等が挙げられる。
本発明の超音波硬化型組成物中の塩基発生剤(C)の含有量は、超音波硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
また、酸発生剤(B)と塩基発生剤(C)を併用する場合の合計含有量は、超音波硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更
に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明においては、(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)及び(C2)を以下の(1)〜(8)のいずれかの組み合わせで含有することが好ましい。
(1)(A1)及び(B2)を含有する。
(2)(A1)及び(C2)を含有する。
(3)(A1)、(B2)及び(C2)を含有する。
(4)(B1)及び(A2)を含有する。
(5)(B1)、(A2)及び(C2)を含有する。
(6)(C1)及び(A2)を含有する。
(7)(C1)、(A2)及び(B2)を含有する。
(8)上記(1)〜(7)の2種以上の組み合わせ。
上記(1)〜(3)においては、超音波の照射により活性種(H)としてラジカルが発生し、活性種(I)として酸及び/又は塩基が発生する。
上記(4)、(5)においては、超音波の照射により活性種(H)として酸が発生し、活性種(I)としてラジカル、又はラジカルと塩基が発生する。
上記(6)、(7)においては、超音波の照射により活性種(H)として塩基が発生し、活性種(I)としてラジカル、又はラジカルと酸が発生する。
本発明における重合性物質(D)としては、ラジカル重合性化合物(D1)及びイオン重合性化合物(D2)等の公知の化合物を用いることができる。(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの内、硬化速度の観点でラジカル重合性化合物(D1)が好ましい。また、必要により、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類等の重合禁止剤を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物(D1)として例えば、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D13)、炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(D14)及びその他のラジカル重合性化合物(D15)が挙げられる。
尚、上記及び以下において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(D11)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D12)としては、例えば以下の単官能〜六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
尚、上記「単官能〜六官能の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が1〜6個の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと記載)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D13)としては、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(D14)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記「単官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が1個の、「多官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が2個以上の、それぞれビニルエーテル化合物を意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
その他のラジカル重合性化合物(D15)としては、アクリロニトリル、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から好ましいのは、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D13)及び炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(D14)であり、更に好ましいのは炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(D11)及び炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D12)である。
イオン重合性化合物(D2)としては、炭素数3〜20のエポキシ化合物(D21)及び炭素数4〜20のオキセタン化合物等(D22)が挙げられる。
炭素数3〜20のエポキシ化合物(D21)としては、例えば以下の単官能又は多官能エポキシ化合物が挙げられる。
尚、上記「単官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が1個の、「多官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が2個以上の、それぞれエポキシ化合物を意味する。
単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイドが挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンが挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、硬化速度の観点から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、脂環式エポキシドが特に好ましい。
炭素数4〜20のオキセタン化合物(D22)としては、オキセタン環を1個〜6個有する化合物等が挙げられる。
オキセタン環を1個有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
オキセタン環を2〜6個有する化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物が好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物は、更に、着色剤(E)を含有することができる。(E)を含有することにより、遮蔽部の硬化性がより顕著に発揮できる。(E)としては、従来、塗料及びインキ等に使用されている無機顔料及び有機顔料等の顔料並びに染料が使用できる。
無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、イソシンドリノン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリノン系及びペリレン系等の多環式又は複素環式化合物が挙げられる。
染料の具体例として、イエロー染料としては、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類若しくは開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料及びモノメチンオキソノール染料等のメチン染料、ナフトキノン染料及びアントラキノン染料等のキノン系染料等、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料並びにアクリジノン染料等が挙げられる。
マゼンタ染料としては、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類若しくはヘテロ環(ピロール、イミダゾール、チオフェン及びチアゾール誘導体等)を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分としてピラゾロン類又はピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料等のメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のキノン系染料並びにジオキサジン染料等の縮合多環系染料等を挙げられる。
シアン染料としては、インドアニリン染料及びインドフェノール染料等のアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料及びメロシアニン染料等のポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジノン若しくはピロロトリアジノン誘導体を有するアリール又はヘテリルアゾ染料(C.I.ダイレクトブルー14等)並びにインジゴ・チオインジゴ染料を挙げられる。
着色剤(E)の粒子径は、塗膜の鮮映性の観点から、体積平均粒子径として0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.01μm〜1.0μmが更に好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物中に着色剤(E)を用いる場合の含有量は特に限定されないが、超音波硬化型組成物中に1〜60重量%の範囲で添加されることが好ましい。また、重合性物質(D)の重量に対して1〜1200重量%の範囲で添加されることが好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物は、顔料を用いる場合その分散性及び超音波硬化型組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加することが好ましい。
顔料分散剤としてはビックケミー社製顔料分散剤(Anti−Terra−U、Disperbyk−101,103、106、110、161、162、164、166、167、168,170、174、182、184又は2020等)、味の素ファインテクノ社製顔料分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)、ルーブリゾール社製顔料分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)が挙げられる。これらの顔料分散剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料分散剤の含有量は特に限定されるものではないが、超音波硬化型組成物中に0.1〜10重量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物は、更に、金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)を含有することができる。(F)又は(G)を含有することにより、セラミック電子部品のグリーンシート形成及び電極層形成に使用することができる。
金属酸化物粉末(F)は、誘電体層を形成する際に使用される。(F)としては、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、酸化ニオブ及びチタン酸ジルコン酸鉛等が挙げられ、好ましいのはチタン酸バリウムである。
(F)の粒子径は、誘電率の観点から、体積平均粒子径として0.01μm〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.01μm〜1.0μmである。
金属粉末(G)は導電体層を形成する際に使用される貴金属及び卑金属であり、具体的には、パラジウム、ニッケル、銅、銀及び金等が挙げられ、好ましいのはパラジウム、ニッケル及び銅である。
(G)の体積平均粒子径は、0.01μm〜10μmであることが好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物中に金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)を用いる場合の含有量は特に限定されないが、重合性物質(D)の重量に対して、(F)と(G)の合計で1〜2000重量%の範囲で添加されることが好ましい。
本発明の超音波硬化型組成物は、必要により、更に溶剤、増感剤及び密着性付与剤(シランカップリング剤等)等を含有することができる。
溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル類(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
超音波硬化型組成物における溶剤の含有量は、0〜99重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等の内(C)以外のものが挙げられる。増感剤の含有量は、超音波硬化型組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、超音波硬化型組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
本発明の超音波硬化型組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
本発明の超音波硬化型組成物は、ラジカル開始剤(A)と、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)と、重合性物質(D)と、必要により着色剤(E)、金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)と、溶剤その他の成分等とをボールミル又は3本ロールミル等で混練することで得られる。混練温度は通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
本発明の超音波硬化型組成物は、超音波の照射で硬化できる為、一般的に使用されている超音波装置が使用可能[超音波ホモジナイザー(SONIC社製 vibra cell 20kHz)等]である。
本発明の超音波硬化型組成物の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布にも適用できる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[酸発生剤(B)の製造]
製造例1
[酸発生剤(B121−1){化学式(27)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)2−(フェニルチオ)チオキサントン[中間体(B121−1−1)]の合成:
2−クロロチオキサントン11.0部、チオフェノール4.9部、水酸化カリウム2.5部及びN,N−ジメチルホルムアミド162部を均一混合し、130℃で9時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/ヘキサン=1/1:容量比)で精製し、中間体(B121−1−1)(黄色固体)3.1部を得た。
(2)2−[(フェニル)スルフィニル]チオキサントン[中間体(B121−1−2)]の合成:
中間体(B121−1−1)11.2部、アセトニトリル215部及び硫酸0.02部を40℃で撹拌しながら、これに30%過酸化水素水溶液4.0部を徐々に滴下し、40〜45℃で14時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/トルエン=1/3:容量比)にて生成物を精製して、中間体(B121−1−2)(黄色固体)13.2部を得た。
(3)酸発生剤(B121−1)の合成:
中間体(B121−1−2)4.3部、無水酢酸4.1部及びアセトニトリル110部を40℃で撹拌しながら、これにトリフルオロメタンスルホン酸2.4部を徐々に滴下し、40〜45℃で1時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水150部中に投入し、クロロホルムで抽出し、水相のpHが中性になるまで水で洗浄した。クロロホルム相をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去した後、トルエン50部を加えて超音波洗浄器でトルエン中に分散し約15分間静置してから上澄みを除く操作を3回繰り返して、生成した固体を洗浄した後、残渣を減圧乾燥した。この残渣をジクロロメタン212部に溶かし、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液65部中に投入してから、室温(約25℃)で2時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去することにより、酸発生剤(B121−1)(黄色固体)5.5部を得た。
製造例2
[酸発生剤(B121−2){化学式(28)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
反応容器にIRGACURE 819[BASF社製]4.2部、p−トリルスルホキシド[東京化成工業(株)製]2.8部、ノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム[東京化成工業(株)製]4.1部、硫酸[和光純薬工業(株)製]1.2部及びアセトニトリル100部を仕込んで溶解させ、60℃で6時間攪拌した。ジクロロメタン200部を加え、イオン交換水200部で3回有機層を洗浄し、有機層から溶剤を減圧留去することで酸発生剤(B121−2)(黄色固体)6.7部を得た。
製造例3
[酸発生剤(B121−3){化学式(29)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
反応容器にLUCIRIN TPO[BASF社製]3.5部、ジフェニルスルホキシド[東京化成工業(株)製]2.4部、ヘキサフルオロりん酸カリウム[東京化成工業(株)製]2.2部、硫酸[和光純薬工業(株)製]1.2部及びアセトニトリル100部を仕込んで溶解させ、60℃で6時間攪拌した。ジクロロメタン200部を加え、イオン交換水200部で3回有機層を洗浄し、有機層から溶剤を減圧留去することで酸発生剤(B121−3)(黄色固体)5.4部を得た。
製造例4
[酸発生剤(B121−4){化学式(30)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
反応容器にIRGACURE 907[BASF社製]2.8部、ブロモベンゼン[東京化成工業(株)製]1.7部、テトラフルオロホウ酸銀[東京化成工業(株)製]2.3部及びテトラヒドロフラン100部を仕込んで溶解させ、60℃で6時間攪拌した。ジクロロメタン200部を加え、イオン交換水200部で3回有機層を洗浄し、有機層から溶剤を減圧留去することで酸発生剤(B121−4)(淡黄色固体)3.3部を得た。
製造例5
[酸発生剤(B122−1){化学式(31)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
t−ブチルベンゼン[東京化成工業(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成工業(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(B122−1)(淡黄色液体)14.0部を得た。
製造例6
[酸発生剤(B122−2){化学式(32)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
「t−ブチルベンゼン8.1部」を「メトキシベンゼン[東京化成工業(株)製]7.5部」に、「カリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部」を「カリウムヘキサフルオロホスフェート[東京化成工業(株)製]80部」に変更した以外、製造例5と同様にして酸発生剤(B122−2)(淡黄色液体)12.1部を得た。
製造例7
[酸発生剤(B122−3){化学式(33)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
「t−ブチルベンゼン8.1部」を「フェノキシ酢酸メチル[東京化成工業(株)製]9.2部」、「カリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部」を「カリウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート[東京化成工業(株)製]140部」に変更した以外、製造例5と同様にして酸発生剤(B122−3)(淡黄色液体)13.3部を得た。
製造例8
[酸発生剤(B122−4){化学式(34)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
反応容器にIRGACURE 651[BASF社製]2.4部、ヨウ化カリウム[東京化成工業(株)製]4.0部、ヘキサフルオロアンチモン酸銀[東京化成工業(株)製]8.2部、硫酸[和光純薬工業(株)製]2.4部、ベンゼン5.0部及びアセトニトリル100部を仕込んで溶解させ、60℃で6時間攪拌した。ジクロロメタン200部を加え、イオン交換水200部で3回有機層を洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで酸発生剤(B122−4)10.7部(淡黄色固体)を得た。
[塩基発生剤(C)の製造]
製造例9
[塩基発生剤(C122−1){化学式(35)でされる化合物}の合成]
Figure 2012167264
9−クロロメチルアントラセン(アルドリッチ社製)2.0部をクロロホルムに溶解させ、そこへ、トリオクチルアミン[和光純薬工業(株)製]3.1部を少量ずつ加え(添加後若干の発熱が見られた。)、このまま室温(約25℃)で1時間攪拌して反応液を得た。ナトリウムテトラフェニルボレート塩4.0部及び水40部からなる水溶液に、反応液を少しずつ滴下し、更に1時間室温(約25℃)で攪拌した後、水層を分液操作により除き、有機層を水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去することで、白色固体7.1部を得た。この白色固体をアセトニトリルで再結晶させて、塩基発生剤(C122−1)(白色固体)6.2部を得た。
製造例10
[塩基発生剤(C122−2){化学式(36)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)メチルチオキサントン[中間体(C122−2−1)]の合成:
ジチオサリチル酸[和光純薬工業(株)製]10部を硫酸139部に溶解させ、1時間室温(約25℃)で攪拌した後、氷浴にて冷却して冷却溶液を得た。ついで、この冷却溶液の液温を20℃以下に保ちながら、トルエン25部を少しずつ滴下した後、室温(約25℃)にもどし、更に2時間攪拌して反応液を得た。水815部に反応液を少しずつ加えた後、析出した黄色固体を濾別した。この黄色固体をジクロロメタン260部に溶解させ、水150部を加え、更に24%KOH水溶液6.7部を加えて水層をアルカリ性とし、1時間攪拌した後、分液操作にて水層を除去し、有機層を130部の水で3回洗浄した。ついで有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、有機溶剤を減圧留去して、中間体(C122−2−1)(黄色固体)8.7部を得た。尚、中間体(C122−2−1)は、2−メチルチオキサントンと3−メチルチオキサントンの混合物である。
(2)2−ブロモメチルチオキサントン[中間体(C122−2−2)]の合成:
中間体(C122−2−1)2.1部をシクロヘキサン120部に溶解させ、これにN−ブロモスクシンイミド[和光純薬工業(株)製]8.3部及び過酸化ベンゾイル[和光純薬工業(株)製]0.1部を加え、還流下で4時間反応させた後(3−メチルチオキサントンは反応しない)、溶剤(シクロヘキサン)を留去し、そこへクロロホルム50部を加えて残渣を再溶解させてクロロホルム溶液を得た。クロロホルム溶液を30部の水で3回洗浄し、分液操作により水層を除去した後、有機溶剤を減圧留去して、褐色固体1.7部を得た。これを酢酸エチルで再結晶させて(3−メチルチオキサントンはここで除かれる)、中間体(C122−2−2)(黄色固体)1.5部を得た。
(3)N−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−N,N,N−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイド[中間体(C122−2−3)]の合成:
中間体(C122−2−2)(2−ブロモメチルチオキサントン)1.0部をジクロロメタン85gに溶解し、これにトリエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]0.5部を滴下した後(滴下後発熱した)、室温(約25℃)下、1時間攪拌し、有機溶剤を減圧留去して、白色固体2.2部を得た。この白色固体をテトラヒドロフラン/ジクロロメタン混合溶液で再結晶させて、中間体(C122−2−3)(褐色固体)1.0部を得た。
(4)塩基発生剤(C122−2)の合成:
ナトリウムテトラフェニルボレート塩[ナカライテスク(株)製]0.8部を水17部で溶解させた水溶液に、あらかじめクロロホルム50部に中間体(C122−2−3)1.0部を溶解させた溶液を少しずつ滴下した後、1時間室温(約25℃)で攪拌し、水層を分液操作により除き、有機層を30部の水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をアセトニトリル/エーテル混合溶液で再結晶させて、塩基発生剤(C122−2)(微黄色粉末)1.3部を得た。
製造例11
[塩基発生剤(C122−3){化学式(37)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)N−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイド[中間体(C122−3−3)]の合成:
「トリエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]0.5部」を「ジメチルエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]0.3部」に変更した以外、製造例10の(1)〜(3)と同様にして中間体(C122−3−3)(褐色固体)0.8部を得た。
(2)塩基発生剤(C122−3)の合成:
「中間体(C122−2−3)1.0部」を「中間体(C122−3−3)0.8部」に変更した以外、製造例10の(4)と同様にして塩基発生剤(C122−3)(白色粉末)1.0部を得た。
製造例12
[塩基発生剤(C122−4){化学式(38)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
「トリオクチルアミン[和光純薬工業(株)製]3.1部」を「1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン1.0部」に変更したこと以外、製造例9と同様にして、塩基発生剤(C122−4)(白色固体)4.4部を得た。
製造例13
[塩基発生剤(C123−1){化学式(39)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
「トリオクチルアミン[和光純薬工業(株)製]3.1部」を「1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン[サンアプロ(株)製「DBU」]1.3部」に変更したこと以外、製造例9と同様にして、塩基発生剤(C123−1)(白色固体)4.7部を得た。
製造例14
[塩基発生剤(C123−2){化学式(40)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
「トリオクチルアミン[和光純薬工業(株)製]3.1部」を「1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン[サンアプロ(株)製「DBN」]1.1部」に変更したこと以外、製造例9と同様にして、塩基発生剤(C123−2)(白色固体)4.6部を得た。
製造例15
[塩基発生剤(C123−3){化学式(41)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)フェニルグリオキシル酸銀の調製:
フェニルグリオキシル酸(アルドリッチ社製)3.9部をメタノール20部に溶解させ、そこへ水酸化ナトリウム[和光純薬工業(株)製]0.9部を少しずつ加え(中和による発熱がみられた)、1時間攪拌し、そこへ1mol/L硝酸銀水溶液[和光純薬工業(株)製]10.4部を加えた後、析出した灰色固体を濾別し、メタノールで洗浄し、乾燥して、フェニルグリオキシル酸銀(灰色固体)4.4部を得た。
(2)塩基発生剤(C123−3)の合成:
9−クロロメチルアントラセン(アルドリッチ社製)2.0部をメタノール40gに溶解させ、そこへ1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン[サンアプロ(株)製「DBU」]1.3部を少量ずつ加え(添加後若干の発熱が見られた。)、このまま室温(約25℃)で1時間攪拌して反応液を得た。フェニルグリオキシル酸銀3.0部及びメタノール20部からなる分散液に、反応液を少しずつ滴下し、更に1時間室温(約25℃)で攪拌した後、生じた灰色固体を濾過により除いた濾液を減圧留去して、褐色固体4.5部を得た。この褐色固体をエーテル/ヘキサン混合溶液で再結晶させて、塩基発生剤(C123−3)(黄色固体)2.6部を得た。
製造例16
[塩基発生剤(C123−4){化学式(42)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)8−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド[中間体(C123−4−3)]の合成:
「トリエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]」を「1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン[サンアプロ(株)製「DBU」]」に変更した以外、製造例10の(1)〜(3)と同様にして中間体(C123−4−3)(白色固体)2.2部を得た。
(2)塩基発生剤(C123−4)の合成:
「中間体(C122−2−3)」を「中間体(C123−4−3)」に変更した以外、製造例10(4)と同様にして塩基発生剤(C123−4)(淡黄白色粉末)1.3部を得た。
製造例17
[塩基発生剤(C123−5){化学式(43)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)2,4−ジ−tert−ブチル−7−メチルチオキサントン[中間体(C123−5−1)]の合成:
中間体(C122−2−1)2.1部をジクロロメタン85部に溶解させ、これに塩化アルミニウム(III)[和光純薬工業(株)製]0.5部と2−クロロ−2−メチルプロパン[和光純薬工業(株)製]1.9部を加え、23時間室温(約25℃)で攪拌した。水層を分液操作により除き、有機層を30部の水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去して、淡黄色固体を得た。この淡黄色固体を酢酸エチル/ヘキサン混合溶液にて再結晶させて、中間体(C123−5−1)(黄色粉末)0.5部を得た。
(2)2,4−ジ−tert−ブチル−7−ブロモメチルチオキサントン[中間体(C123−5−2)]の合成:
「中間体(C122−2−1)2.1部」を「中間体(C123−5−1)1.0部」に変更した以外、製造例10の(2)と同様にして中間体(C123−5−2)(黄色粉末)1.2部を得た。
(3)8−(2,4−ジ−tert−ブチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−7−イル)メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド[中間体(C123−5−3)]の合成:
「中間体(C122−2−2)」を「中間体(C123−5−2)」に変更した以外、製造例10の(3)と同様にして中間体(C123−5−3)(微黄色粉末)1.3部を得た。
(4)塩基発生剤(C123−5)の合成:
「中間体(C122−2−2)1.0部」を「中間体(C123−5−3)0.8部」に変更した以外、製造例10の(4)と同様にして塩基発生剤(C123−5)(微黄色粉末)1.0部を得た。
製造例18
[塩基発生剤(C123−6){化学式(44)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)4−ブロモメチルベンゾフェノン[中間体(C123−6−1)]の合成:
4−メチルベンゾフェノン(アルドリッチ社製)25.1部、N−ブロモスクシンイミド[和光純薬工業(株)製]22.8部、過酸化ベンゾイル[20%含水:和光純薬工業(株)製]0.54部及びアセトニトリル80部を加え、80℃まで加熱し、還流下2時間反応させ、冷却した後、有機溶剤を減圧留去して、メタノール160部で再結晶させて、中間体(C123−6−1)(白色結晶)26部を得た。
(2)8−(4−ベンゾイルフェニル)メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド[中間体(C123−6−2)]の合成:
中間体(C123−6−1)25.8部をアセトニトリル100部に溶解させ、これに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン[サンアプロ(株)製「DBU」]14.6部を滴下した後(滴下後発熱した。)、室温(約25℃)下、18時間攪拌し、有機溶剤を減圧留去して、褐色固体を得た。この褐色固体をアセトニトリルで再結晶を行い、中間体(C123−6−2)(白色固体)28.2部を得た。
(3)塩基発生剤(C123−6)の合成:
ナトリウムテトラフェニルボレート塩[ナカライテスク(株)製]0.8部を水17部に溶解させ、あらかじめクロロホルム50部に中間体(C123−6−2)6.8部を溶解させた溶液を少しずつ滴下した後、2時間室温(約25℃)で攪拌して反応液を得た。反応液を濾過し、濾液を減圧留去して得た黄色液体をアセトニトリルに溶解して再結晶して、塩基発生剤(C123−6)(白色固体)7.6部を得た。
製造例19
[塩基発生剤(C123−7){化学式(45)で表される化合物}の合成]
Figure 2012167264
(1)8−(9−ナフタリルメチル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド[(C123−7−1)]の合成:
「中間体(C123−6−1)25.8部」を「2−ブロモメチルナフタレン[東京化成工業(株)製]1.1部」に変更した以外、製造例18(2)と同様にして中間体(C123−7−1)(白色粉末)1.3部を得た。
(2)塩基発生剤(C123−7)の合成:
「中間体(C123−6−2)6.8部」を「中間体(C123−7−1)0.8部」に変更した以外、製造例18の(3)と同様にして塩基発生剤(C123−7)(微黄色粉末)1.3部を得た。
実施例1〜21(顔料を用いたラジカル重合の例)
[超音波硬化型組成物の調製]
<高濃度分散液の調製>
顔料としての酸化チタン(石原産業社製「タイペークR−930」)43部、顔料分散剤(ルーブリゾール社製「ソルスパーズ32000」)4部及びラジカル重合性化合物としてのポリエチレングリコールジアクリレート[共栄社化学(株)製「ライトアクリレート14EG−A」]53部からなる混合物を、ボールミルを用いて3時間混練することにより顔料濃度43%の顔料分散液を調製した。
<超音波硬化型組成物の調製>
前記高濃度顔料分散液47部、ラジカル重合性化合物としてのポリエチレングリコールジアクリレート[共栄社化学(株)製「ライトアクリレート14EG−A」]46部、増感剤としてのジエチルチオキサントン[日本化薬(株)製「カヤキュアDETX−S」]2部及び表1に示すラジカル発生剤(A)3部、酸発生剤(B)1部及び塩基発生剤(C)1部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して本発明の超音波硬化型組成物(Q−1)〜(Q−21)を製造した。
Figure 2012167264
実施例22〜42(染料を用いたイオン重合の例)
「酸化チタン」を「C.I.ダイレクトブルー14」[東京化成工業(株)製]に、「ラジカル重合性化合物としてのPEG600ジアクリレート」を「イオン重合性化合物としてのシクロヘキセンオキサイド」に変更する以外は実施例1〜21と同様にして本発明の超音波硬化型組成物(Q−22)〜(Q−42)を製造した。
比較例1[酸発生剤(B)と塩基発生剤(C)をいずれも用いない場合]
実施例1における酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)を使用せず、ラジカル発生剤(A)の使用量を5部に変更する以外は実施例1と同様にして、比較用の超音波硬化型組成物(Q’−1)を製造した。
尚、表1に記載の化合物に関して、(A121)としてのLUCIRIN TPOはBASF社製、(C21)としての1−Fmoc−ピペリドンはALDRICH製、(A21)としてのBPO(ベンゾイルパーオキサイド)は日油製「ナイパーBW」、(B21)としてのp−トルエンスルホン酸シクロヘキシルエステルは東京化成工業(株)製の商品を用いた。
[塗膜硬化性評価]
実施例1〜42及び比較例1で得た各超音波硬化型組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布した。超音波ホモジナイザー(SONIC社製 vibra cell 20kHz)で超音波照射した直後の塗膜の硬化性を、指触及び爪で強く引っ掻くことにより、以下の評価基準で評価した結果を表2に示す。
◎:表面にタックがなく爪で傷つかない。
○:表面にタックはないが、爪で傷つく。
△:表面にタックがあり、爪で傷つく。
×:未硬化。
Figure 2012167264
[セラミックグリーンシートの作製]
実施例43[金属酸化物粉末(F)を用いた例]
<超音波硬化型組成物の調製>
チタン酸バリウム粉末[堺化学工業(株)製「BT−03」]80部、ラジカル重合性化合物としてのポリエチレングリコールジアクリレート[新中村化学(株)製「NKエステルA−600」]13部、増感剤としてのジエチルチオキサントン[日本化薬(株)製「カヤキュアDETX−S」]1部、分散剤としてのイオネットDO−1000[三洋化成工業(株)製]1部、実施例1で使用したラジカル発生剤(A)3部、酸発生剤(B)1部及び塩基発生剤(C)1部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して本発明の超音波硬化型組成物(Q−43)を製造した。
[電極層の作成]
実施例44[金属粉末(G)を使用した例]
「チタン酸バリウム粉末」を「パラジウム粉末[住友金属鉱山(株)製「SFP−030」]」に変更する以外は実施例43と同様にして、超音波硬化型組成物(Q−44)を製造した。
比較例2[酸発生剤(B)と塩基発生剤(C)をいずれも用いない場合]
実施例44における酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)を使用せず、ラジカル発生剤(A)の使用量を5部に変更する以外は実施例44と同様にして、比較用の超音波硬化型組成物(Q’−2)を製造した。
[塗膜硬化性評価(セラミックグリーンシート及び電極層)]
実施例43〜44及び比較例2で得た各超音波硬化型組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布した。超音波ホモジナイザー(SONIC社製 vibra cell 20kHz)で超音波照射した直後の塗膜の硬化性を、指触及び爪で強く引っ掻くことにより、以下の評価基準で評価した結果を表3に示す。
◎:表面にタックがなく爪で傷つかない。
○:表面にタックはないが、爪で傷つく。
△:表面にタックがあり、爪で傷つく。
×:未硬化。
Figure 2012167264
[積層セラミックコンデンサの評価]
実施例43記載の超音波硬化型組成物を使用してドクターブレード法により塗布、超音波照射して硬化し、グリーンシートを作製した。次に実施例44記載の超音波硬化型組成物をスクリーン印刷法により印刷し、超音波照射、硬化させた。これを30層重ね合わせ、49MPaの圧力で加圧圧着を行なった。その後積層体を所定の大きさに裁断しチップとした。これを350℃4時間で脱脂後更に1320℃2時間で焼結させ、更にこの焼結体に外部電極を形成することで積層セラミックコンデンサを得た。得られたコンデンサについて静電容量をJIS C 5101−1−1998に基づき測定し問題ないことを確認した。また、外観及び内部を光学顕微鏡にて欠陥をチェックした結果、異常は見られなかった。
実施例45[着色剤(E)、金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)を使用しない例]
酸化チタン及び顔料分散剤を使用せず、高濃度分散液の調製をしない以外は実施例1と同様にして本発明の超音波硬化型組成物(Q−45)を製造し、塗膜硬化性評価を実施した。
比較例3[着色剤(E)、金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)を使用しない例]
実施例45における酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)を使用せず、ラジカル発生剤(A)の使用量を5部に変更する以外は実施例45と同様にして、比較用の超音波硬化型組成物(Q’−3)を製造し、塗膜硬化性評価を実施した。
Figure 2012167264
本発明の超音波硬化型組成物は、少エネルギー量でも高着色剤濃度で厚膜硬化可能であるため、コーティング剤、インキ(UV印刷インキ及びインクジェット印刷インキ等)塗料、接着剤又はセラミック電子部品製造用材料として極めて有用である。

Claims (14)

  1. 下記(1)〜(3)を含有する超音波硬化型組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であることを特徴とする超音波硬化型組成物;
    (1)ラジカル開始剤(A)、
    (2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、
    (3)重合性物質(D)。
  2. 更に着色剤(E)、金属酸化物粉末(F)又は金属粉末(G)を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 前記ラジカル開始剤(A)が、超音波によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、又は酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)であり、前記酸発生剤(B)が、超音波により酸を発生する酸発生剤(B1)、又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)であり、前記塩基発生剤(C)が、超音波により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、又はラジカル酸、及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)であって、(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)及び(C2)を以下の(1)〜(8)のいずれかの組み合わせで含有する請求項1又は2記載の超音波硬化型組成物。
    (1)(A1)及び(B2)を含有する。
    (2)(A1)及び(C2)を含有する。
    (3)(A1)、(B2)及び(C2)を含有する。
    (4)(B1)及び(A2)を含有する。
    (5)(B1)、(A2)及び(C2)を含有する。
    (6)(C1)及び(A2)を含有する。
    (7)(C1)、(A2)及び(B2)を含有する。
    (8)上記(1)〜(7)の2種以上の組み合わせ。
  4. 前記超音波によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、又は前記酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)が、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(A127)、有機過酸化物系重合開始剤(A21)、及びアゾ化合物系重合開始剤(A22)からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤である請求項23記載の超音波硬化型組成物。
  5. 前記超音波により酸を発生する酸発生剤(B1)、又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)が、スルホニウム塩誘導体(B121)及び/又はヨードニウム塩誘導体(B122)、スルホン酸エステル誘導体(B21)、酢酸エステル誘導体(B22)及びホスホン酸エステル(B23)からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸発生剤である請求項3又は4記載の超音波硬化型組成物。
  6. 前記スルホニウム塩誘導体(B121)が一般式(1)又は一般式(2)で示される化合物である請求項5記載の超音波硬化型組成物。
    Figure 2012167264
    [式中、A1は一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり;Ar1〜Ar7はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であってAr1〜Ar4、Ar6及びAr7は1価の基、Ar5は2価の基であり;(X1-及び(X2-は、それぞれ陰イオンを表し;aは0〜2の整数、bは1〜3の整数で、かつa+bは2又は3でA1の価数と同じ整数である。]
    Figure 2012167264
    [式中、R1〜R7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1とR2、R4とR5、及びR6とR7は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
  7. 前記ヨードニウム塩誘導体(B122)が一般式(15)又は一般式(16)で示される化合物である請求項5又は6記載の超音波硬化型組成物。
    Figure 2012167264
    [式中、A2は一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり;Ar8〜Ar12はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar8〜Ar10及びAr12は1価の基、Ar11は2価の基であり;(X7-及び(X8-は、それぞれ陰イオンを表し;cは0〜2の整数、dは1〜3の整数で、かつc+dは2又は3でA2の価数と同じ整数である。]
  8. 前記超音波により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)が、オキシム誘導体(C121)、4級アンモニウム塩誘導体(C122)、4級アミジン塩誘導体(C123)及びカルバメート誘導体(C21)からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基発生剤である請求項3〜7のいずれか記載の超音波硬化型組成物。
  9. 前記4級アンモニウム塩誘導体(C122)及び4級アミジン塩誘導体(C123)が、一般式(21)〜(23)のいずれかで示される化合物である請求項8記載の超音波硬化型組成物。
    Figure 2012167264
    [式中、R14〜R41はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、一般式(24)で表される置換基及び一般式(25)で表される置換基からなる群から選ばれる原子又は置換基であって、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり;R24〜R31のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり;R32〜R41のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。]
    Figure 2012167264
    [式中、R42〜R45はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり;R46〜R48はそれぞれ水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり;(X13-及び(X14-は、それぞれ陰イオンを表し;eは2〜4の整数である。]
  10. 前記重合性物質(D)がラジカル重合性化合物(D1)及び/又はイオン重合性化合物(D2)である請求項1〜9のいずれか記載の超音波硬化型組成物。
  11. 前記ラジカル重合性物質(D1)及び/又はイオン重合性化合物(D2)が、炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D13)及び炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(D14)、炭素数3〜20のエポキシ化合物(D21)及び炭数4〜20のオキセタン化合物(D22)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性物質である請求項10記載の超音波硬化型組成物。
  12. コーティング剤用、インキ用、塗料用、接着剤用又はセラミック電子部品製造用である請求項1〜11のいずれか記載の超音波硬化型組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか記載の超音波硬化型組成物が超音波の照射により硬化されてなる硬化物。
  14. ラジカル開始剤(A)、並びに酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)の存在下、超音波の照射により重合性物質(D)を重合させる超音波硬化物の製造方法であり、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが超音波の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基である超音波硬化物の製造方法。
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