JP2012166405A - 加硫装置、インナーブラダ装置、生タイヤの加硫方法 - Google Patents

加硫装置、インナーブラダ装置、生タイヤの加硫方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱性能、伝熱性の向上、エネルギや運用コストの低減、加硫品質の安定化、エネルギ効率の改善といった効果を得ることのできる加硫装置、インナーブラダ装置、生タイヤの加硫方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ブラダ34の内部にインナーブラダ100Aを設け、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に加熱媒体を流すことで、生タイヤTを内側から加熱し、インナーブラダ100Aの内部空間300に加圧媒体を供給して生タイヤTを内側から加圧するようにした。このようにして、加圧媒体と加熱媒体の流路を別々に区分し、それぞれの流路に加圧媒体、加熱媒体を単独で導入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、生タイヤを加硫する加硫装置、それに用いることのできるインナーブラダ装置、生タイヤの加硫方法に関する。
通常、加硫装置において生タイヤを加硫するには、内部に生タイヤが装填された金型を加熱媒体により加熱するとともに、生タイヤの内部空間に、高温・高熱容量の蒸気からなる加熱媒体と、窒素ガス等の非凝縮性ガスからなる加圧媒体とを供給することによって、生タイヤを外側と内側から加熱することが広く行われている。
ここで、加硫装置においては、ブラダと呼ばれるゴム風船状の物体をタイヤ内部に設置し、ブラダ内へ加熱・加圧媒体を流入することにより、タイヤ内側へブラダを押し当てて、加硫を行う方式がある(例えば、特許文献1、2参照)。
図6に示すように、この方式の加硫装置1は、ボイラ2で加熱された蒸気を加熱媒体としてプラテン3および生タイヤTの内側に設けられたブラダBの内部空間4に供給する。
ボイラ2では、給水タンク5から送り込まれた水を加熱し、高温の飽和蒸気とする。そして、その飽和蒸気の一部を、第一の供給経路L1を介してプラテン3に供給し、金型6を加熱することで生タイヤTを外側から加熱する。プラテン3を経た蒸気は、循環用ポンプ7により、第一の回収経路L2を経て給水タンク5へと循環される。
また、ボイラ2から送り出された高温の飽和蒸気の残部は、第二の供給経路(加熱媒体供給路)L3を経てブラダBの内部空間4に供給される。第二の供給経路L3の途中で、飽和蒸気にガスタンク8から窒素ガス等の非凝縮性ガスが導入され、これにより、ブラダBの内部空間4には、第二の供給経路L3から飽和蒸気と非凝縮性ガスからなる高圧の混合気体が送り込まれてブラダBが膨張し、生タイヤTが内側から加熱・加圧される。タイヤTの内部空間4から押し出された混合気体は、気水分離器9で冷却することで、ガスと飽和水とが分離される。分離されたガスは排出され、飽和水は、循環用ポンプ10により、第二の回収経路L4を経て給水タンク5へと循環される。
特許第4437861号公報 特開2009−29035号公報
しかしながら、図7に示すように、上記の混合気体は、飽和蒸気単体と比較して、熱伝達率が低く、加熱性能が劣る。なお、図7において、横軸は、水蒸気中における空気の混在量(質量分率)、縦軸は熱伝達率であり、混合気体の流速が1m/s、20m/sのときの鉛直面への凝縮熱伝達を示している。
また、図8に示すように、ブラダBの内部空間4に流入した混合気体は、特にブラダBの下部面11に沿って流れないため、特に下部面11において伝熱性が悪く、ブラダB全体としても伝熱性において改善の余地がある。現状では、その伝熱性の悪さをカバーするため、蒸気流量を大きくする必要があり、エネルギや運用コストの低減の妨げとなっている。
さらに、ブラダBの内部空間4において凝縮して生じた飽和水Wが、ブラダBの下部面11に溜まるため、生タイヤTの上下に温度差が生じ、タイヤ品質の低下や加硫時間の長期化といった問題が生じる。
さらに、ブラダBから排出された混合気体に含まれる蒸気(ドレン)を循環利用する場合、混合気体を気水分離器9で冷却することで、ガスと飽和水とを分離して、飽和水を回収する必要がある。ここには熱的なロスが存在し、エネルギ効率の面で改善の余地がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、加熱性能、伝熱性の向上、エネルギや運用コストの低減、加硫品質の安定化、エネルギ効率の改善といった効果を得ることのできる加硫装置、インナーブラダ装置、生タイヤの加硫方法を提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明は、金型内の生タイヤを加硫処理する加硫装置であって、生タイヤをキャビティに収容する金型と、金型を加熱する金型加熱部と、キャビティ内の生タイヤの内側に配置された可撓性を有した材料からなる袋状のブラダと、ブラダの内側に配置された可撓性を有した材料からなる袋状のインナーブラダと、ブラダとインナーブラダとの間に、生タイヤを内側から加熱するための加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、インナーブラダの内側に、ブラダを内側から生タイヤに押圧させるための加圧媒体を供給する加圧媒体供給路と、を備えることを特徴とする。
このような加硫装置では、ブラダとインナーブラダの間に加熱媒体供給路から加熱媒体を供給し、生タイヤに加熱処理を施した後、加熱媒体の供給を停止し、しかる後、インナーブラダの内側に加圧媒体供給路から加圧媒体を供給し、インナーブラダを膨張させてブラダの内周面に押し付けることにより、生タイヤを内側から加圧する加圧処理を施すことで、生タイヤを加硫することができる。
これにより、加硫処理と加熱処理とを独立して行うことができ、加熱媒体供給経路と加熱媒体供給路を別々に分けることが可能となる。
ここで、インナーブラダの中心部に、下方からインナーブラダを貫通し、当該インナーブラダの頂部からブラダとの隙間に加熱媒体を供給する加熱媒体流入ノズルを形成することもできる。
さらに、ブラダとインナーブラダとの間に、ブラダとインナーブラダとの隙間を形成するスペーサを設けても良い。このスペーサは、ブラダの内周面に設けても良いが、インナーブラダの外表面に一体に設けるのが好ましい。
このようなスペーサを設けた場合、ブラダとインナーブラダの間に加熱媒体供給路から加熱媒体を供給し、生タイヤに加熱処理を施す工程と、インナーブラダの内側に加圧媒体供給路から加圧媒体を供給し、インナーブラダを膨張させてスペーサをブラダの内周面に押し付けることにより、生タイヤを内側から加圧する加圧処理を施す工程と、を同時に行うことが可能となる。
本発明のインナーブラダ装置は、金型内の生タイヤの内側に配した袋状のブラダを用いて生タイヤを加硫処理する加硫装置に設置されるインナーブラダ装置であって、ブラダの内側に配置され、可撓性を有した材料からなる袋状のインナーブラダと、ブラダとインナーブラダとの間に、生タイヤを内側から加熱するための加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、インナーブラダの内側に、ブラダを内側から生タイヤに押圧させるための加圧媒体を供給する加圧媒体供給路と、を備えることを特徴とする。
このようなインナーブラダ装置は、ブラダの内側に設ければ良いので、既存の加硫装置や金型に対しても容易に設置できる。
本発明によれば、ブラダの内部にインナーブラダを設け、ブラダとインナーブラダとの隙間に加熱媒体を流すことで生タイヤを内側から加熱し、インナーブラダの内部空間に加圧媒体を供給して生タイヤを内側から加圧するようにした。
このようにして、加圧媒体と加熱媒体の流路を別々に区分し、それぞれの流路に加圧媒体、加熱媒体を単独で導入できる。これにより、加熱媒体からの伝熱性(熱伝達率)を高く保つことができ、加熱処理を熱的に効率よく行うことができる。さらに、加硫媒体を分離・回収するための気水分離器が不要となり、容易に回収・再利用が可能となる。
また、加圧媒体を加熱する必要が無いことから、窒素加熱器を排除し、熱エネルギの消費を抑えることができる。
さらに、ブラダとインナーブラダとの隙間は、ブラダ全体の内部空間に比べれば流路が狭いため、ブラダへの熱伝達を効率よく行うことができる。これにより、加硫時間を短縮し、生産性向上につなげることができる。さらに、加熱媒体の流量が少なくて済み、蒸気を生成するための熱エネルギ使用量、コストを抑えることができる。加えて、ブラダとインナーブラダとの隙間に飽和水が貯まりにくい。また、発生した飽和水は、ブラダとインナーブラダとの隙間が狭いために、隙間の入口側から出口側に向かって一方向に流れやすく、その排出性を高めることができる。これらの結果、生タイヤの加硫温度に分布が生じず、加硫品質を高めることができる。
本実施の形態における加硫システムの構成を示す図である。 加硫装置の断面図である。 インナーブラダの他の例を示す断面図である。 インナーブラダのさらに他の例を示す断面図である。 インナーブラダに設けた突起の形状、配置例を示す斜視図である。 従来の加硫システムの構成を示す図である。 蒸気中における窒素ガスの混在量(質量分率)と、強制対流凝縮時における熱伝達率との関係を示す図である。 加硫装置の断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本実施の形態におけるタイヤ加硫システム20のシステム構成を説明するための図である。
この図1に示すように、タイヤ加硫システム20は、加硫装置30と、加硫装置30に高温の飽和蒸気を加熱媒体として供給するための蒸気供給システム40と、加硫装置30に窒素等の非凝縮性ガスを加圧媒体として供給するためのガス供給機構50と、を備える。
図1、図2に示すように、加硫装置30は、生タイヤTが充填されるキャビティを形成する金型31を備えている。金型31は、上下2分割構造で、下金型32と、上金型33とからなり、これら下金型32と上金型33の内部空間に生タイヤTが充填され、生タイヤTの内側に袋状のブラダ34が配置される。ブラダ34は、可撓性を有するゴム材料から形成されている。
金型31を加熱する金型加熱部として、金型31の下方にはボトムプラテン35が設けられ、上方にはボルスタープラテン36が設けられ、金型31の外周部にはジャケット37が設けられている。これらボトムプラテン35、ボルスタープラテン36、ジャケット37には、加熱媒体流路35a、36a、37aが形成されている。
ブラダ34の内側には、インナーブラダ100Aが設けられている。インナーブラダ100Aは、ブラダ34と同様、可撓性を有するゴム材料から形成され、中心機構38と一体に設けられている。
中心機構38は、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に、加熱媒体である飽和蒸気を送り込むとともに、インナーブラダ100Aの内部空間300に加圧媒体である窒素等の非凝縮性ガスを送り込む。
図1に示したように、蒸気供給システム40は、給水タンク41と、給水タンク41から供給された水を加熱して飽和蒸気を生成するボイラ42と、ボイラ42で生成された飽和蒸気を加硫装置30のボトムプラテン35、ボルスタープラテン36、ジャケット37に向けて送り込む第一の供給経路L1と、第一の供給経路L1の途中から分岐し、ボイラ42で生成された飽和蒸気を、中心機構38を通して加熱媒体として加硫装置30のブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に抜けて送り込む第二の供給経路L3と、を備える。
また、蒸気供給システム40は、ボトムプラテン35、ボルスタープラテン36、ジャケット37の加熱媒体流路35a、36a、37aを経て凝縮された水を回収する第一の回収経路L2と、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200を経た混合気体を、中心機構38を通して回収する第二の回収経路L4と、を備える。
そして、第一の回収経路L2、第二の回収経路L4には、それぞれ循環用ポンプ44、45が設けられている。
このような蒸気供給システム40では、給水タンク41から送り込まれた水をボイラ42で加熱し、高温の飽和蒸気とする。そして、その飽和蒸気の一部を、第一の供給経路L1を介してボトムプラテン35、ボルスタープラテン36、ジャケット37の加熱媒体流路35a、36a、37aに供給し、金型31を加熱することで生タイヤTを外側から加熱する。ボトムプラテン35、ボルスタープラテン36、ジャケット37を経た蒸気は、循環用ポンプ44により、第一の回収経路L2を経て給水タンク41へと循環される。
また、ボイラ42から送り出された高温の飽和蒸気の残部は、第二の供給経路L3を経てブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に供給される。ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に送り込まれた飽和蒸気により、生タイヤTがブラダ34の内側から加熱される。ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200から第二の回収経路L4に押し出された飽和蒸気は、循環用ポンプ45により、第二の回収経路L4を経て給水タンク41へと循環される。
ガス供給機構50は、ガスタンク51からガス供給経路(加圧媒体供給路)L5を介してインナーブラダ100Aの内部空間300に窒素等の非凝縮性ガスを加圧媒体として送り込む。そして、インナーブラダ100Aの内部空間300から押し出された非凝縮性ガスは、ガス回収経路L6を介してガスタンク51に循環される。
上記したような構成のタイヤ加硫システム20では、まず、蒸気供給システム40でブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200に飽和蒸気を供給して生タイヤTをブラダ34の内側から加熱する。
予め定めた条件での加熱が完了した後、蒸気供給システム40における飽和蒸気の供給を停止するとともに、インナーブラダ100Aの内部空間に非凝縮性ガスを加圧媒体として供給する。これにより、インナーブラダ100Aが膨張してブラダ34の内周面に密着し、ブラダ34ごと生タイヤTの内側に押し付けて加圧処理を行う。そして、予め定めた条件での加圧が完了した後、加圧媒体の供給を停止する。これにより、生タイヤTの内側からの加硫処理が完了する。なお、生タイヤTの外側からの加硫処理は従来と同様であるため、その説明を省略する。
上述したような構成によれば、ブラダ34の内部にインナーブラダ100Aを設け、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200を加熱媒体である飽和蒸気が流れることで、生タイヤTを内側から加熱し、インナーブラダ100Aの内部空間300に加圧媒体を供給して生タイヤTを内側から加圧するようにした。
このようにして、加圧媒体と加熱媒体の流路を別々に区分し、それぞれの流路に加圧媒体、加熱媒体を単独で導入できる。これにより、加圧媒体である飽和蒸気からの伝熱性(熱伝達率)を高く保つことができ、加熱処理を熱的に効率よく行うことができる。
また、加圧媒体である窒素等の非凝縮性ガスを加熱する必要が無いことから、窒素加熱器を排除し、熱エネルギの消費を抑えることができる。
さらに、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200は、ブラダ34全体の内部空間に比べれば流路が狭いため、ブラダ34への熱伝達を効率よく行うことができる。これにより、加硫時間を短縮し、生産性向上につなげることができる。
さらに、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200が狭いため、加熱媒体である飽和蒸気の流量が少なくて済み、蒸気を生成するための熱エネルギ使用量、コストを抑えることができる。
加えて、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200が狭いため、その途中に飽和水が貯まりにくい。これは、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200が狭いためにその内部における飽和蒸気の流速が早くなり、飽和水が生じた場合にも、これをブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200から押し出す力が強く働くためである。また、発生した飽和水は、ブラダ34とインナーブラダ100Aとの隙間200が狭いために、隙間200の入口側から出口側に向かって一方向に流れやすく、その排出性を高めることができる。これらの結果、生タイヤTの加硫温度に分布が生じず、加硫品質を高めることができる。
また、加熱媒体としての飽和蒸気、加圧媒体としての非凝縮性ガスとも、それぞれ別々の系統で独立して流すため、従来のように、気水分離器によるガス・水の分離処理が不要となり、水、非凝縮性ガスの循環再利用が容易に行える。また、気水分離器を用いない構成とすることで、設備コストを低減できるだけでなく、冷却のために熱エネルギを廃棄することもなく、熱エネルギ利用効率を高めることができる。
さらに、インナーブラダ100Aは、中心機構38と一体に設けたインナーブラダ装置とすることができるため、既存の加硫装置30に対しても、既存の中心機構を、インナーブラダ100Aを備えた中心機構38(インナーブラダ装置)に入れ替えるのみで適用することができる。
[第二の実施形態]
次に、本発明に係る第二の実施形態について説明する。
ここでは、インナーブラダの構成が上記第一の実施形態と異なるのみであり、加硫装置30の他の構成や、タイヤ加硫システム20の全体構成については上記第一の実施形態と共通する。そこで、以下においては、上記第一の実施形態と異なる構成を中心に説明し、上記第一の実施形態と共通する構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態のインナーブラダ100Bは、ブラダ34の内側に設けられており、このインナーブラダ100Bには、中央部に蒸気流入ノズル(加熱媒体流入ノズル)110が形成されている。ボイラ42から送り出された高温の飽和蒸気は、第二の供給経路L3から蒸気流入ノズル110に送り込まれる。そして、蒸気流入ノズル110の上端部110aにおいて、ブラダ34の内周面に突き当たり、そこから周方向全周において、外周側のインナーブラダ100Bとブラダ34の隙間210に流れ込み、中心機構38の外周側から第二の回収経路L4に押し出されるようになっている。
ここで、蒸気流入ノズル110は、その上端部110aに向けて、その内径が漸次拡大するテーパ状とするのが好ましい。
また、ガス供給機構50は、ガスタンク51からガス供給経路L5を介してインナーブラダ100Bの内部空間310に、蒸気流入ノズル110の外周側から窒素等の非凝縮性ガスを加圧媒体として送り込む。そして、インナーブラダ100Bの内部空間310から押し出された非凝縮性ガスは、ガス回収経路L6を介してガスタンク51に循環される。
上記したような構成のタイヤ加硫システム20では、上記第一の実施形態と同様、まず、蒸気供給システム40でブラダ34とインナーブラダ100Bとの隙間210に蒸気流入ノズル110から飽和蒸気を供給して生タイヤTをブラダ34の内側から加熱する。
予め定めた条件での加熱が完了した後、蒸気供給システム40における飽和蒸気の供給を停止するとともに、インナーブラダ100Bの内部空間に非凝縮性ガスを加圧媒体として供給する。これにより、インナーブラダ100Bが膨張してブラダ34の内周面に密着し、ブラダ34ごと生タイヤTの内側に押し付けて加圧処理を行う。そして、予め定めた条件での加圧が完了した後、加圧媒体の供給を停止する。これにより、生タイヤTの内側からの加硫処理が完了する。
上述したような構成によれば、上記第一の実施形態と同様の作用効果が得られるのに加え、以下に示すような効果が得られる。
すなわち、インナーブラダ100Bには、中央部に蒸気流入ノズル110が形成されている。これにより、飽和蒸気は、蒸気流入ノズル110の上端部110aから、その周方向全周に均一に広がるため、蒸気をブラダ34の全面に均一に流すことが可能となる。その結果、温度分布の均一性を高めることができ、より高品質な加硫処理を行うことができるのである。
[第三の実施形態]
次に、本発明に係る第三の実施形態について説明する。
ここでは、インナーブラダの構成が上記第二の実施形態と異なるのみであり、加硫装置30の他の構成や、タイヤ加硫システム20の全体構成については上記第二の実施形態と共通する。そこで、以下においては、上記第二の実施形態と異なる構成を中心に説明し、上記第二の実施形態と共通する構成については同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のインナーブラダ100Cは、その外周面に、多数の突起(スペーサ)120が形成されている。この突起120は、例えば図5(a)に示すように、円柱状とすることもできるし、図5(b)に示すように、直方体状とすることもできる。各突起120は、その先端面120aが、ブラダ34の内周面の曲率に対応した面に形成されている。
このようなインナーブラダ100Cは、ガス供給機構50により、インナーブラダ100Cの内部空間320に窒素等の非凝縮性ガスが加圧媒体として送り込まれると膨張する。これにより、各突起120の先端面120aがブラダ34の内周面に押し付けられる。その結果、ブラダ34を生タイヤTの内側に押し付けて加圧処理を行うことができる。
また、インナーブラダ100Cに加圧媒体を送り込んで膨張させることにより突起120の先端面120aをブラダ34の内周面に押し付けた状態では、互いに隣接する突起120、120の間に、ブラダ34とインナーブラダ100Cとの隙間220が形成される。
したがって、ボイラ42から送り出された高温の飽和蒸気を、第二の供給経路L3から蒸気流入ノズル110に送り込むと、飽和蒸気は、蒸気流入ノズル110の上端部110aにおいて、ブラダ34の内周面に突き当たり、そこから周方向全周において、外周側のインナーブラダ100Cとブラダ34の隙間220に流れ込み、中心機構38の外周側から第二の回収経路L4に押し出され、加熱処理を行うことができる。
ここで、飽和蒸気は、蒸気流入ノズル110の上端部110aから外周側のインナーブラダ100Cとブラダ34の隙間220に流れ込み、中心機構38の外周側から排出される。このときの流れを損失の少ないものとするため、図5(a)、(b)に示すように、突起120は、蒸気流入ノズル110の上端部110aから放射状に配列するのが好ましい。
上記したような構成のタイヤ加硫システム20では、上記第一、第二の実施形態と同様、まず、蒸気供給システム40でブラダ34とインナーブラダ100Cとの隙間220に蒸気流入ノズル110から飽和蒸気を供給して生タイヤTをブラダ34の内側から加熱して加硫処理を行った後、インナーブラダ100Cを加圧媒体により膨張させて突起120をブラダ34の内周面に押しつけて加圧処理を行うこともできるが、加硫処理と加圧処理を同時に行うこともできる。
すなわち、インナーブラダ100Cに加圧媒体を送り込んで膨張させることにより突起120の先端面120aをブラダ34の内周面に押し付けた状態でブラダ34を生タイヤTの内側に押し付けて加圧処理を行いつつ、ボイラ42から送り出された高温の飽和蒸気を、第二の供給経路L3から蒸気流入ノズル110に送り込み、インナーブラダ100Cとブラダ34の隙間220に流すことで、加熱処理を行うことができる。
上述したようなインナーブラダ100Cを備えることで、上記第一の実施形態と同様の作用効果が得られるのに加え、以下に示すような効果が得られる。
まず、多数の突起120でブラダ34を押圧することにより、圧力を確実に伝達して加圧処理を確実に行うことができる。
また、加圧処理と加硫処理を同時に行うことができるため、加硫時間を短縮し、生産性を高めることが可能となる。
なお、上記したような突起120は、第一の実施形態で示したインナーブラダ100Aにも同様に適用することができる。
さらに、突起120の形状、配置、サイズ等は、得られる作用効果が最大となるように適宜設定すればよい。
また、突起120に変えて、加熱媒体の流路を形成するためのスリットを多数有したシートをインナーブラダ100Cの外周面に一体に設けるような構成とすることも可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
20…タイヤ加硫システム、30…加硫装置、31…金型、34…ブラダ、38…中心機構、40…蒸気供給システム、50…ガス供給機構、51…ガスタンク、100A…インナーブラダ、100B…インナーブラダ、100C…インナーブラダ、110…蒸気流入ノズル(加熱媒体流入ノズル)、120…突起(スペーサ)、120a…先端面、200、210、220…隙間、300、310、320…内部空間、L1…第一の供給経路、L2…第一の回収経路、L3…第二の供給経路(加熱媒体供給路)、L4…第二の回収経路、L5…ガス供給経路(加圧媒体供給路)、L6…ガス回収経路

Claims (7)

  1. 金型内の生タイヤを加硫処理する加硫装置であって、
    生タイヤをキャビティに収容する金型と、
    前記金型を加熱する金型加熱部と、
    前記キャビティ内の前記生タイヤの内側に配置された可撓性を有した材料からなる袋状のブラダと、
    前記ブラダの内側に配置された可撓性を有した材料からなる袋状のインナーブラダと、
    前記ブラダと前記インナーブラダとの間に、前記生タイヤを内側から加熱するための加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、
    前記インナーブラダの内側に、前記ブラダを内側から前記生タイヤに押圧させるための加圧媒体を供給する加圧媒体供給路と、を備えることを特徴とする加硫装置。
  2. 前記インナーブラダの中心部に、下方から前記インナーブラダを貫通し、当該インナーブラダの頂部から前記ブラダとの隙間に加熱媒体を供給する加熱媒体流入ノズルが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加硫装置。
  3. 前記ブラダと前記インナーブラダとの間に、前記ブラダと前記インナーブラダとの隙間を形成するスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の加硫装置。
  4. 前記スペーサは、前記インナーブラダの外表面に一体に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の加硫装置。
  5. 金型内の生タイヤの内側に配した袋状のブラダを用いて前記生タイヤを加硫処理する加硫装置に設置されるインナーブラダ装置であって、
    前記ブラダの内側に配置され、可撓性を有した材料からなる袋状のインナーブラダと、
    前記ブラダと前記インナーブラダとの間に、前記生タイヤを内側から加熱するための加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、
    前記インナーブラダの内側に、前記ブラダを内側から前記生タイヤに押圧させるための加圧媒体を供給する加圧媒体供給路と、を備えることを特徴とするインナーブラダ装置。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の加硫装置における生タイヤの加硫方法であって、
    前記ブラダと前記インナーブラダの間に前記加熱媒体供給路から加熱媒体を供給し、前記生タイヤに加熱処理を施した後、
    前記加熱媒体の供給を停止し、
    しかる後、前記インナーブラダの内側に前記加圧媒体供給路から加圧媒体を供給し、前記インナーブラダを膨張させて前記ブラダの内周面に押し付けることにより、前記生タイヤを内側から加圧する加圧処理を施すことを特徴とする生タイヤの加硫方法。
  7. 請求項3または4に記載の加硫装置における生タイヤの加硫方法であって、
    前記ブラダと前記インナーブラダの間に前記加熱媒体供給路から加熱媒体を供給し、前記生タイヤに加熱処理を施す工程と、
    前記インナーブラダの内側に前記加圧媒体供給路から加圧媒体を供給し、前記インナーブラダを膨張させて前記スペーサを前記ブラダの内周面に押し付けることにより、前記生タイヤを内側から加圧する加圧処理を施す工程と、を同時に行うこと特徴とする生タイヤの加硫方法。
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