JP2012166296A - 締結機、ボルト締付機、電動工具、及び保持方法 - Google Patents

締結機、ボルト締付機、電動工具、及び保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具を必要とせずにソケットを装着することができる締結機の提供。
【解決手段】シャーボルトに螺合するナットと係合するアウターソケット83を保持すると共に、内部にシャーボルトに係合するインナーソケット81が配置されるアウターソケットホルダ55を備え、アウターソケットホルダ55には、アウターソケット83のアウターソケットホルダ55に対するアウターソケットホルダ83の回転軸方向への移動を防止する抜止部56を有し、抜止部56は、回転軸に対する半径方向であってアウターソケットホルダ55からアウターソケット83に向かう係合方向に移動可能なピン57と、ピン57を係合方向に付勢するバネ58とを有し、ピン57の係合方向及び反係合方向への移動に応じてアウターソケット83のアウターソケットホルダ55への固定及び解除が行われる締結機を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は締結機に関し、特にシャーボルトを締め付けるボルト締結機、ボルト締付機、電動工具及びこれらの工具にインナーソケット、ウエイト、アウターソケットを保持させる保持方法に関する。
建築及び土木の現場施工工事において、構造物を締結するのに用いられるシャーボルト(トルシア形高力ボルト)が用いられており、このシャーボルトを締結するために、締結機であるシャーレンチが使用されている。シャーボルトは、種々の径が存在するため、特許文献1に示されるように、種々の径に対応したソケットをシャーレンチにネジによって装着する必要がある。
特開2004−001233号公報
ネジでソケットをシャーレンチに装着するには、ネジを回すドライバが必要になるが、都度ドライバを用いてのソケット装着作業は煩わしい。よって本発明は、工具を必要とせずにソケットを装着することができる締結機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、シャーボルトに螺合するナットと係合するアウターソケットを保持すると共に、内部に該シャーボルトに係合するインナーソケットが配置されるアウターソケットホルダを備え、該アウターソケットホルダには、該アウターソケットの該アウターソケットホルダに対する該アウターソケットホルダの回転軸方向への移動を防止する抜止部を有し、該抜止部は、該回転軸方向と交差する方向であって該アウターソケットホルダから該アウターソケットに向かう係合方向に移動可能なピンと、該ピンを該係合方向に付勢する付勢部材とを有し、該ピンの該係合方向及び反係合方向への移動に応じて該アウターソケットの該アウターソケットホルダへの固定及び解除が行われる締結機を提供する。
上記構成の締結機において、該アウターソケットホルダは、該抜止部が位置すると共に該アウターソケットと対面する対向面を有し、該ピンは、該係合方向へと移動した状態で該ピンの係合方向先端が該対向面から該アウターソケット側に突出し、該アウターソケットには、該ピンの係合方向先端と係合するピン被係合部を有することが好ましい。
これらのような構成によると、ピンによってアウターソケットの脱着が可能になる。ピンは作業者が手で操作できる程度の付勢力で付勢されればよいため、工具を用いずに、アウターソケットの脱着が可能になる。
また該アウターソケットホルダは、該抜止部が位置すると共に該アウターソケットに対して反係合方向側に位置する外周面を有し、該外周面には、該係合方向に凹む凹部が形成され、該ピンは凹部内に配置されると共に、該係合方向へと移動した状態で該ピンの係合方向後端が該凹部内に位置して該外周面から突出しないように構成されていることが好ましい。
このような構成によると、アウターソケットをアウターソケットホルダに装着した状態で、ピンが外周面から突出することが無い。よって作業時に、ピンが外因によって反係合方向へと移動しアウターソケットがアウターソケットホルダから外れることが抑制される。
また該ピンは、該係合方向後端側に該ピンの軸心周りに回転可能な鍔部を有し、該凹部は、該鍔部が該軸心周りにおいて第一の位置に回動した状態で凹部内空間に該鍔部が挿入可能であり、該鍔部が該軸心周りにおいて第二の位置に回動した状態で該凹部内空間に該鍔部を挿入不能に形状化されていることが好ましい。
このような構成によると、ピンが反係合方向へと移動した状態を保つことができる。よってアウターソケットの着脱時に、指等でピンを反係合方向へと移動した状態に保つ必要が無く、アウターソケットの着脱が容易になる。
また上記課題を解決するために、モータと、該モータを収容するハウジングと、該ハウジングに接続され、回転軸を中心に第一の方向へと回転可能であってシャーボルトと係合可能なインナーソケットと、該ハウジングに接続され、該回転軸を中心に該第一の方向の反対方向である第二の方向へと回転可能なアウターソケットホルダと、該アウターソケットホルダに接続され、該シャーボルトに螺合するナットと係合可能なーアウターソケットと、を有し、該アウターソケットによって該インナーソケットの回転軸方向への移動を規制可能なボルト締付機において、該アウターソケットホルダに、係合部と該係合部を付勢する付勢手段とを設け、該アウターソケットに該係合部と係合可能な被係合部を設けたボルト締付機を提供する。
また上記課題を解決するために、モータと、該モータによって回転駆動される動力伝達部と、該動力伝達部に四手って回転駆動さえる先端工具保持部と、該先端工具保持部に着脱可能に保持され、被係合部を有する先端工具と、を有する電動工具であって、該先端工具保持部は、該被係合部と係合する係合部材と、該係合部材に接触して該係合部材を付勢する付勢部材と、該付勢部材と接触する筒状部材と、を有する電動工具を提供する。
また上記課題を解決するために、モータと、該モータによって回転駆動される動力伝達部と、該動力伝達部に四手って回転駆動さえる先端工具保持部と、該先端工具保持部に着脱可能に保持され、被係合部を有する先端工具と、を有する電動工具であって、該先端工具保持部は、該被係合部と係合可能なピンと、該ピンを保持する筒状部と、該ピンを付勢する付勢部材と、を有し、該ピンに筒状部から抜けないようにするための抜止部を設けた電動工具を提供する。
また上記課題を解決するために、ハウジングと、該ハウジングに接続される付勢手段と、該付勢手段によって付勢される係合部とを有するボルト締付機に、シャーボルト係合可能なインナーソケットと、該インナーソケット内部に一部が挿入可能なウエイトと、該シャーボルトに螺合するナットと係合可能であって該係合部と係合可能な被係合部を有するアウターソケットと、を保持させる保持方法であって、該ハウジングに、該インナーソケット及び該ウエイトを保持させる第一のステップと、該ハウジングに、該アウターソケットを接続させる第二のステップと、該係合部を付勢力に抗して移動させる第三のステップと、該係合部と該被係合部とを係合させる第四のステップと、を有する保持方法を提供する。
本発明の締結機、ボルト締付機、電動工具及び保持方法によれば、工具を必要とせずにソケットを容易に装着することができる。
本発明の実施の形態に係るシャーレンチの側面断面図。 本発明の実施の形態に係るシャーレンチのアウターソケットホルダ周辺を表す側面部分断面図(アウターソケットを取り外し不能な状態)。 本発明の実施の形態に係るシャーレンチのアウターソケットホルダ周辺を表す部分側面図(アウターソケットを取り外し不能な状態)。 図2のIV−IV線に沿った断面図(アウターソケットを取り外し不能な状態)。 本発明の実施の形態に係るシャーレンチのアウターソケットホルダ周辺を表す部分側面図(アウターソケットを取り外し可能な状態)。 本発明の実施の形態に係るシャーレンチのアウターソケットホルダ周辺を表す部分側面図(アウターソケットを取り外し可能な状態)。 図2のIV−IV線に沿った断面図(アウターソケットを取り外し可能な状態)。
以下、本発明の実施の形態に係るボルト締結機(ボルト締付機)について図1乃至図7に基づき説明する。図1に示されるボルト締結機であるシャーレンチ1は、ハウジング2と、モータ3と、ギア機構4と、遊星ギア機構5と、付勢機構6と、保持部7と、ソケット部8とから主に構成されている電動工具である。
ハウジング2は、シャーレンチ1の外郭を成し、主にハンドル2Aと、モータケース2Bと、ギアケース2Cとから構成されている。ハンドル2Aは、ギアケース2Cの長手方向(後述のロッド61が移動する方向であって後述のインナーソケット81及びアウターソケット83の回転軸方向)と略直交する方向にギアケース2Cから延出されて構成されており、内部にモータ3の制御を行うスイッチ機構21を有している。スイッチ機構21には外部電源に接続されるコードが接続されると共に、作業者がハンドル2Aを把持した状態で引くことができるトリガ21Aが設けられている。またハンドル2Aのギアケース2Cからの付け根部分には、保持部7を操作するレバー23が設けられている。以下、ギアケース2Cからハンドル2Aが延出される方向を下方向と定義し、反対側を上方向と定義する。またギアケース2Cの長手方向であって上下方向と直交する方向を前後方向と定義し、上下方向、前後方向と直交する方向(図1の紙面と直交する方向)を左右方向と定義する。レバー23は、作業者により引かれることにより上方へと回動するように構成されている。
モータケース2Bは、ハンドル2Aの前側位置にギアケース2Cから下側に延出されて設けられており、内部にモータ3が内蔵されていると共に、モータ3の下方にスイッチ機構21とモータ3との間に介在して、モータ3の回転制御を行う制御部22が配置されている。
ギアケース2Cは、内部に、ギア機構4、遊星ギア機構5、付勢機構6、保持部7等が内蔵されている。またギアケース2C内において後端位置には、ロッドカバー24が固定されて配置されている。ロッドカバー24には、後述のロッド61の後端部が挿入される挿入孔24aが穿孔方向を前後方向として形成されると共に、保持部7の後述の係止部材71が上下方向移動可能に保持されている。
モータ3は出力軸である回転軸部31を有しており、モータケース2B内に回転軸部31が上下方向を向くように配置されている。回転軸部31の基端部分には冷却ファン32が設けられ、先端部分にはピニオンギア31Aが設けられている。
ギア機構4は、遊星ギア機構5とモータ3との間に介在しており、ピニオンギア31Aと噛合する第一ギア41と、第一ギア41に噛合する第二ギア部42と、第二ギア部42と噛合する第三ギア部43とから主に構成されている。第一ギア41は平ギアであり、回転軸部31の回転軸と平行な回転軸で、ハウジング2に軸受を介して回転可能に支持されている。第二ギア部42は、平ギアであり第一ギア41と噛合する第二ギア42Aと第二ギア42Aと同軸一体回転する第一傘歯ギア42Bとを有しており、第一ギア41と平行な回転軸で、ハウジング2にベアリングを介して回転可能に支持されている。また第二ギア部42には、内部に後述のプレートロッド73が挿通される孔が上下方向に貫通している。第三ギア部43は、傘歯ギアであり第一傘歯ギア42Bと噛合する第二傘歯ギア43Aと、第二傘歯ギア43Aと同軸一体回転すると共に第二傘歯ギア43Aに対して前側に位置する第一太陽ギア43Bとを有しており、第二ギア部42と直交して前後に延びる回転軸で、ロッドカバー24の前端にベアリングを介して回転可能に支持されている。また第三ギア部43はその回転軸中心位置に、第一太陽ギア43B前端に開口し後端が挿入孔24aと対向する位置に開口する貫通孔が形成されている。
遊星ギア機構5は、第一遊星ギア51、第二遊星ギア52、第三遊星ギア53、これら第一〜第三遊星ギア51〜53のリングギアとなる外周部54、アウターソケットホルダ55とから構成されている。第一遊星ギア51は、第三ギア部43の前方に配置され、第一太陽ギア43Bを太陽ギアとし外周部54をリングギアとして公転しており、第一太陽ギア43Bの回転を減速して出力する第二太陽ギア51Aを有している。第二遊星ギア52は、第一遊星ギア51の前方に配置され、第二太陽ギア51Aを太陽ギアとし外周部54をリングギアとして公転しており、第二太陽ギア51Aの回転を減速して出力する第三太陽ギア52Aを有している。第三遊星ギア53は、第二遊星ギア52の前方に配置され、第三太陽ギア52Aを太陽ギアとし外周部54をリングギアとして公転しており、第三太陽ギア52Aの回転を減速して出力する出力部53Aを有している。
出力部53Aは前端が開口しており、内部に後述のインナーソケット81を収容可能であって付勢機構6が収容されているソケット収容空間53aを有している。ソケット収容空間53aの内周には、前後方向に延びる溝及び凸部から構成されるスプライン受部53Bが設けられている。また内周において、前端部分には周方向に一連な凹部53bが形成されている。凹部53bは、凹部53bの底面部分におけるソケット収容空間53aの内径が、スプライン受部53B内面におけるソケット収容空間53aの内径より大径になるように形成されている。第一〜第三遊星ギア51〜53には、前端がソケット収容空間53a内に開口し、後端が第一太陽ギア43B前端に開口する貫通孔が形成されており、この貫通孔は、第三ギア部43の貫通孔に連通している。
外周部54は、第一〜第三遊星ギア51〜53とのそれぞれと噛合するギアを有し、第一〜第三遊星ギア51〜53に装着されると共に図2に示されるように、第三遊星ギア53にベアリングを介して支持されている。故に外周部54は、ハウジング2に対して回転可能であると共に前後動不能である。この遊星ギア機構5及びギア機構4から動力伝達部が構成される。
先端工具保持部であるアウターソケットホルダ55は図3、図4に示されるように環状を成す筒状に構成され、図2に示されるように、外周部54に装着され、内周面55Aと、凸部55Bと、外周面55Cとが主に規定されている。内周面55Aは、後述のアウターソケット83の外周と対面・当接する対向面であり、アウターソケットホルダ55に対しアウターソケット83が回転軸と直交する方向へ移動することを規制している。また内周面55Aにおいて、前端位置には、後述の抜止部56の一部が収容される収容空間55aが形成されている。
凸部55Bは、図3に示されるように、アウターソケットホルダ55の前端面に、前方へ向けて突出すると共に周方向に複数個並んで配置されており、後述のアウターソケット83と係合して、後述のアウターソケット83がアウターソケットホルダ55と同軸一体回転するように固定している。外周面55Cには前後方向に延びる溝部55cが一対形成されている。一対の溝部55cは同形状を成し、外周面55Cを周方向で二分割する位置にそれぞれ配置されている。一対の溝部55cは同一形状であるため、一方の溝部55cについて説明する。溝部55cは係合方向へと凹む凹部を形成し、溝部55c底面には収容空間55aと連通する孔が形成され、この孔位置に抜止部56が配置されている。
抜止部56は、ピン57と、バネ58と、鍔部59とから構成されており、それぞれの溝部55c内に配置されている。それぞれの溝部55c内に配置される抜止部56は同形状であるので一方の抜止部56について説明する。ピン57は、溝部55c内に形成された孔55dを貫通して、アウターソケットホルダ55の回転軸の軸方向と直交する半径方向に移動可能に構成されている。この半径方向において回転軸に向かう方向(アウターソケットホルダ55からアウターソケット83へと向かう方向)を係合方向として以下説明する。ピン57において、係合方向先端側近傍位置にはフランジ57Aが設けられている。またピン57において係合方向先端には、アウターソケット83と係合する係合部57Bが設けられている。
バネ58は、収容空間55a内に位置し、ピン57が孔55dに挿通された状態で収容空間55a内の内面とフランジ57Aとの間に介在し、フランジ57Aを介してピン57を係合方向へと付勢している。このバネ58の付勢力は、指でピン57を掴んで反係合方向へと移動可能な程度の付勢力であり、アウターソケットホルダ55が回転した際に遠心力でピン57が反係合方向へと移動しない程度の付勢力である。
鍔部59は、ピン57の反半径方向側端部に装着され、半径方向と直交する平面形状が長手方向と短手方向とを有する長方形を成し、ピン57の軸心周りでピン57に対して回転可能に構成されている。鍔部59の短手方向距離は溝部55cの幅より小さく、長手方向距離は、溝部55cの幅より大きくなるように構成されている。よって鍔部59の長手方向と溝部55cの延出方向とが一致する位置(第一の位置)に鍔部59を配置することにより、鍔部59は溝部55c内に挿入される。この鍔部59が溝部55cの底面と当接することにより、バネ58に付勢されたピン57の半径方向への移動が規制される。即ち鍔部59がピン57の抜止部として作用する。
また鍔部59及びピン57は、図4に示されるように、バネ58でピン57が付勢され鍔部59が溝部55cの底面と当接した状態で溝部55c外に突出しないように構成され、かつ鍔部59が溝部55c外に位置する状態で、係合部57Bが内周面55Aより突出しないように構成されている。
付勢機構6は、ロッド61及びウエイト62と、ウエイト62を前方に付勢するウエイト付勢バネ63とから主に構成されている。ロッド61は、外径が挿入孔24aより略小径の棒状に構成されており、先端がウエイト62の後端に固定されると共に、後端側に被係合部である凹部61aが形成され、凹部61aを含む後端がソケット収容空間53a内から第一〜第三遊星ギア51〜53に形成された貫通孔、及び第三ギア部43に形成された貫通孔を貫通して、挿入孔24a内に配置されている。ウエイト62は、ウエイト付勢バネ63を受ける座部62Aと、座部62Aの前端に位置してロッド部の先端になり後述のチップ保持空間81a内に突出可能な付勢部62Bとから構成されており、ソケット収容空間53a内に配置されている。ウエイト付勢バネ63は、ソケット収容空間53a内に配置され、前端が座部62Aに接触すると共に後端がソケット収容空間53aの後端面に接触してウエイト62を前側へと付勢している。
保持部7は、係合部である係止部材71と付勢部材であるバネ72とプレートロッド73とから主に構成されている。係止部材71は上下方向に移動可能であり、前後に貫通してロッド61の後端が挿入される孔が形成されている。
バネ72は、係止部材71を下方に付勢している。ロッド61において凹部61aが係止部材71の孔に挿入された状態で、係止部材71がバネ72で下方に付勢されることにより、凹部61aが係止部材71と係合してロッド61が後方に移動した状態で保持される。
プレートロッド73は棒状に構成されており、第二ギア部42に形成された孔内に長手方向を上下方向として配置されており、上端が係止部材71の底壁部と接合され、下端がレバー23と当接可能な位置に配置されている。よってレバー23が引かれて上方に回動することにより、レバー23でプレートロッド73が上方へと付勢され、この付勢力により係止部材71はバネ72に抗って上方へと移動し、係止部材71と凹部61aとの係合が解かれる。
ソケット部8は主に先端工具であるインナーソケット81及びアウターソケット83と、ソケット付勢バネ82とから構成されている。インナーソケット81にはチップ保持空間81aが形成されると共に、スプライン部81Aと、押さえボール81Cと、図示せぬチップ付勢部が設けられており、ソケット収容空間53a内に収容可能に構成されている。またインナーソケット81の外周面において前後方向の略中心位置に、後述のインナーソケット規制部材83Bと当接する段部が設けられている。
チップ保持空間81aは、インナーソケット81前端に開口して内部に図示せぬシャーボルトの図示せぬボルトチップを収容・保持する構成を成しており、内周面に図示せぬボルトチップのスプライン形状と嵌合するスプライン溝形状を成している。故にインナーソケット81と図示せぬボルトチップとは共回りすることが可能になる。インナーソケット81においてチップ保持空間81aの底面となる部分には、ウエイト62の付勢部62Bが貫通してチップ保持空間81a内に突出可能な開孔81bが形成されている。またインナーソケット81において開孔81bの後端位置には、ウエイト62の座部62Aを収容可能な座部収容空間81cが形成されている。
スプライン部81Aは、インナーソケット81外周の後端側に設けられており、ソケット収容空間53a内のスプライン受部53Bと係合可能に構成されている。スプライン部81Aとスプライン受部53Bとが係合することにより、インナーソケット81は出力部53Aに対して前後動可能かつ回転不能となり、故にインナーソケット81は出力部53Aと一体回転する。
図示せぬチップ付勢部はインナーソケット81のチップ保持空間81a内周面に開口する孔内に配置され、図示せぬバネにより付勢されてチップ保持空間81a内に突出することによりチップ保持空間81a内に収容された図示せぬボルトチップと当接して図示せぬボルトチップを保持することができる。
押さえボール81Cは、インナーソケット81の外周面及び座部収容空間81c内周面を貫通する孔内に移動可能に配置されている。この孔内に配置されることにより、座部62Aが座部収容空間81c内に収容された状態で、押さえボール81Cが座部62A外周と当接してインナーソケット81外周面から突出する構成を成している。よってインナーソケット81が出力部53Aの前方に位置した状態で座部62Aが座部収容空間81c内に位置することにより、押さえボール81Cの一部がインナーソケット81外周面より突出して凹部53bに挿入される。この状態でインナーソケット81をソケット収容空間53a内に挿入しようとしても、凹部53bに挿入された押さえボール81Cの一部がスプライン受部53Bに引っ掛かるため、インナーソケット81の後方への移動が抑制される。座部62Aを座部収容空間81cから退出させることにより、押さえボール81Cが座部収容空間81c内に突出可能になると共に凹部53bから退出可能になり、故にインナーソケット81の後方への移動が可能になる。
ソケット付勢バネ82は、内部にウエイト62及びウエイト付勢バネ63を収容した状態でソケット収容空間53aに収容される共に前端がインナーソケット81に当接し、下端がソケット収容空間53aの後端面に当接するように構成されている。ソケット付勢バネ82によりインナーソケット81は前方へと付勢される。
アウターソケット83は、図3に示されるように、後端に前側に向けて凹む凹部83aを複数有し、この凹部に83aに凸部55Bが挿入されてアウターソケットホルダ55の前端部分に装着され外周部54と一体回転している。図1、図2に示されるようにアウターソケット83内部には、ナット保持空間83bが形成され、インナーソケット規制部材83Bを備えている。ナット保持空間83bは、アウターソケット83前端に開口して内部に図示せぬナットと係合する構成を成している。故にアウターソケット83と図示せぬナットとは共回りすることができる。インナーソケット規制部材83Bはナット保持空間83bの後端面位置に規定されており、インナーソケット81の前端部分のみが挿通可能な開孔83cを有している。インナーソケット81の前端部分が開孔83cを貫通した状態では、インナーソケット81の段部がインナーソケット規制部材83Bに当接するため、インナーソケット規制部材83Bによってインナーソケット81がソケット付勢バネ82の付勢力によりナット保持空間83b内に脱落することを防止している。またアウターソケット83において、凹部83a(図2)の後方には、アウターソケットホルダ55において内周面55Aで画成される空間内に挿入され内周面55Aと当接する筒部83Cが設けられている。筒部83Cには、一対の抜止部56に対応した位置に、ピン57の係合部57Bが挿入されるピン被係合部である挿入孔83dが形成されている。この挿入孔83d内に係合部57Bが挿入されることにより、アウターソケットホルダ55からアウターソケット83が回転軸方向へと移動して外れることを抑制している。
上記構成のシャーレンチ1において、アウターソケット83を取り替えるには、指で一方のピン57及び鍔部59を摘んで、図5に示されるようにピン57をバネ58の付勢力に抗って反係合方向へと移動させ、鍔部59を溝部55c外へと移動させると共に係合部57Bを挿入孔83dから抜く。その後に図6、図7に示されるように、鍔部59を長手方向が溝部55cの延出方向と略直交する位置(第二の位置)に回動させる。第二の位置に鍔部59を配置することにより、ピン57及び鍔部59から指を離しても鍔部59が溝部55c周囲の外周面55Cと当接して、ピン57の係合方向への移動を阻害し、再び係合部57Bが挿入孔83dに挿入されることは抑制される。一方の抜止部56の鍔部59を第二の位置に配置した状態で、他方の抜止部56も同様に鍔部59を第二の位置に配置することにより、同様に係合部57Bが挿入孔83dから抜けた状態を保つことができ、アウターソケット83をアウターソケットホルダ55に対して回転軸方向へと移動し、外すことができる。
アウターソケットホルダ55にアウターソケット83を装着するには、インナーソケット81及びウエイト62が上述のようにソケット収容空間53a内に収容された状態(第一のステップ)で、筒部83Cをアウターソケットホルダ55内に挿入して挿入孔83dが係合部57Bと係合可能な位置に配置する(第二のステップ)。指で一方のピン57及び鍔部59を摘んで、図5に示されるようにピン57をバネ58の付勢力に抗って反係合方向へと移動させ(第三のステップ)、この状態で鍔部59を第一の位置に移動させることにより、バネ58の付勢力により自動的に係合部57Bが係合孔83d内に挿入され(第四のステップ)、装着が完了する。
本実施の形態によると、ピン57によってアウターソケット83の脱着が可能になる。ピン57は作業者が手で操作できる程度の付勢力で付勢されているため、工具を用いずに、アウターソケット83の脱着が可能になる。またアウターソケット55をアウターソケットホルダ83に装着した状態で、ピン57及び鍔部59が溝部55c内に配置され、外周面55Cから突出することが無い。よって作業時に、ピン57が外因によって反係合方向へと移動しアウターソケット83がアウターソケットホルダ55から外れることが抑制される。また鍔部59が溝部55c内に挿入される第一の位置から溝部55cに挿入不能な第二の位置へと移動することにより、ピン57、鍔部59を作業者が保持しておかなくても、ピン57が係合方向係合へと移動することが抑制されるので、指等でピン57を反係合方向へと移動した状態に保つ必要が無く、アウターソケット83の着脱が容易になる。
1:シャーレンチ 2:ハウジング 2A:ハンドル 2B:モータケース
2C:ギアケース 3:モータ 4:ギア機構 5:遊星ギア機構 6:付勢機構
7:保持部 8:ソケット部 21:スイッチ機構 21A:トリガ 22:制御部
23:レバー 24:ロッドカバー 24a:挿入孔 31:回転軸部
31A:ピニオンギア 32:冷却ファン 41:第一ギア 42:第二ギア部
42A:第二ギア 42B:第一傘歯ギア 43:第三ギア部 43A:第二傘歯ギア
43B:第一太陽ギア 51:第一遊星ギア 51A:第二太陽ギア
52:第二遊星ギア 52A:第三太陽ギア 52a:ソケット収容空間
53:第三遊星ギア 53A:出力部 53B:スプライン受部
53a:ソケット収容空間 53b:凹部 54:外周部
55:アウターソケットホルダ 55A:内周面 55B:凸部 55C:外周面
55a:収容空間 55c:溝部 55d:孔 56:抜止部57:ピン
57A:フランジ 57B:係合部 58:バネ 59:鍔部 61:ロッド
61a:凹部 62:ウエイト 62A:座部 62B:付勢部
63:ウエイト付勢バネ 71:係止部材 72:バネ 73:プレートロッド
81:インナーソケット 81A:スプライン部 81B:チップ付勢部
81C:ボール 81a:チップ保持空間 81b:開孔 81c:座部収容空間
82:ソケット付勢バネ 83:アウターソケット 83B:インナーソケット規制部材
83C:筒部 83a:凹部 83b:ナット保持空間 83c:開孔83d:挿入孔

Claims (8)

  1. シャーボルトに螺合するナットと係合するアウターソケットを保持すると共に、内部に該シャーボルトに係合するインナーソケットが配置されるアウターソケットホルダを備え、
    該アウターソケットホルダには、該アウターソケットの該アウターソケットホルダに対する該アウターソケットホルダの回転軸方向への移動を防止する抜止部を有し、
    該抜止部は、該回転軸方向と交差する方向であって該アウターソケットホルダから該アウターソケットに向かう係合方向に移動可能なピンと、該ピンを該係合方向に付勢する付勢部材とを有し、該ピンの該係合方向及び反係合方向への移動に応じて該アウターソケットの該アウターソケットホルダへの固定及び解除が行われることを特徴とする締結機。
  2. 該アウターソケットホルダは、該抜止部が位置すると共に該アウターソケットと対面する対向面を有し、
    該ピンは、該係合方向へと移動した状態で該ピンの係合方向先端が該対向面から該アウターソケット側に突出し、
    該アウターソケットには、該ピンの係合方向先端と係合するピン被係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の締結機。
  3. 該アウターソケットホルダは、該抜止部が位置すると共に該アウターソケットに対して反係合方向側に位置する外周面を有し、
    該外周面には、該係合方向に凹む凹部が形成され、
    該ピンは凹部内に配置されると共に、該係合方向へと移動した状態で該ピンの係合方向後端が該凹部内に位置して該外周面から突出しないように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の締結機。
  4. 該ピンは、該係合方向後端側に該ピンの軸心周りに回転可能な鍔部を有し、
    該凹部は、該鍔部が該軸心周りにおいて第一の位置に回動した状態で凹部内空間に該鍔部が挿入可能であり、該鍔部が該軸心周りにおいて第二の位置に回動した状態で該凹部内空間に該鍔部を挿入不能に形状化されていることを特徴とする請求項3に記載の締結機。
  5. モータと、
    該モータを収容するハウジングと、
    該ハウジングに接続され、回転軸を中心に第一の方向へと回転可能であってシャーボルトと係合可能なインナーソケットと、
    該ハウジングに接続され、該回転軸を中心に該第一の方向の反対方向である第二の方向へと回転可能なアウターソケットホルダと、
    該アウターソケットホルダに接続され、該シャーボルトに螺合するナットと係合可能なーアウターソケットと、を有し、該アウターソケットによって該インナーソケットの回転軸方向への移動を規制可能なボルト締付機において、
    該アウターソケットホルダに、係合部と該係合部を付勢する付勢手段とを設け、
    該アウターソケットに該係合部と係合可能な被係合部を設けたことを特徴とするボルト締付機。
  6. モータと、
    該モータによって回転駆動される動力伝達部と、
    該動力伝達部に四手って回転駆動さえる先端工具保持部と、
    該先端工具保持部に着脱可能に保持され、被係合部を有する先端工具と、を有する電動工具であって、
    該先端工具保持部は、該被係合部と係合する係合部材と、該係合部材に接触して該係合部材を付勢する付勢部材と、該付勢部材と接触する筒状部材と、を有することを特徴とする電動工具。
  7. モータと、
    該モータによって回転駆動される動力伝達部と、
    該動力伝達部に四手って回転駆動さえる先端工具保持部と、
    該先端工具保持部に着脱可能に保持され、被係合部を有する先端工具と、を有する電動工具であって、
    該先端工具保持部は、該被係合部と係合可能なピンと、該ピンを保持する筒状部と、該ピンを付勢する付勢部材と、を有し、該ピンに筒状部から抜けないようにするための抜止部を設けたことを特徴とする電動工具。
  8. ハウジングと、該ハウジングに接続される付勢手段と、該付勢手段によって付勢される係合部とを有するボルト締付機に、シャーボルト係合可能なインナーソケットと、該インナーソケット内部に一部が挿入可能なウエイトと、該シャーボルトに螺合するナットと係合可能であって該係合部と係合可能な被係合部を有するアウターソケットと、を保持させる保持方法であって、
    該ハウジングに、該インナーソケット及び該ウエイトを保持させる第一のステップと、
    該ハウジングに、該アウターソケットを接続させる第二のステップと、
    該係合部を付勢力に抗して移動させる第三のステップと、
    該係合部と該被係合部とを係合させる第四のステップと、を有することを特徴とする保持方法。
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