JP2012166281A - 加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工装置Aの小型化及び低コスト化を図れる構造を実現する。
【解決手段】主軸12を円筒状の支持部材30の内部に支持固定する。支持部材30は、移動部材23xに軸受部33によりz軸方向の変位自在に支持される。また、支持部材30の外周面は、案内面30aとして軸受部33の複数のコロ51と当接する。z軸駆動部20zの送りねじ22zが回転すると、ナット部31と共に支持部材30がz軸方向に移動する。この際、支持部材30は、案内面30aが移動部材23xに固定された軸受部33の複数のコロ51と当接し、複数のコロ51が従動回転することにより、z軸方向に案内されつつ円滑に移動する。これにより、主軸12の支持構造の部品点数を少なくしたりして、加工装置Aの小型化及び低コスト化を図れる。
【選択図】図2
【解決手段】主軸12を円筒状の支持部材30の内部に支持固定する。支持部材30は、移動部材23xに軸受部33によりz軸方向の変位自在に支持される。また、支持部材30の外周面は、案内面30aとして軸受部33の複数のコロ51と当接する。z軸駆動部20zの送りねじ22zが回転すると、ナット部31と共に支持部材30がz軸方向に移動する。この際、支持部材30は、案内面30aが移動部材23xに固定された軸受部33の複数のコロ51と当接し、複数のコロ51が従動回転することにより、z軸方向に案内されつつ円滑に移動する。これにより、主軸12の支持構造の部品点数を少なくしたりして、加工装置Aの小型化及び低コスト化を図れる。
【選択図】図2
Description
本発明は、作業台に固定したワークに対して、主軸に固定した工具により切削などの加工を行う加工装置に関する。
加工装置は、主軸に工具を取り付け、この主軸と作業台とを例えば3軸(x、y、z軸)方向に相対移動させることにより、作業台に固定したワークに所定の加工を施す。このような加工装置として、作業台を固定のままとし、主軸を3軸方向に移動させる構造の他、作業台をx軸方向(或いはy軸方向)に移動させ、主軸をz軸方向及びy軸方向(或いはx軸方向)に移動させる構造もある(特許文献1参照)。
何れの場合も、主軸をz軸方向(回転軸方向)に移動させる必要がある。例えば、図10に示すように、主軸1を保持する保持ブロック2を、x軸方向に移動するx軸ステージ3にz軸方向の移動自在に支持する構造がある。
即ち、x軸ステージ3は、x軸方向に配置された2本のx案内軸3a、3bに沿って、送りねじ3cが不図示のモータにより回転駆動されることにより移動する。また、x軸ステージ3には、それぞれz軸方向に配置された2本のz案内軸4a、4b及び送りねじ4cを設けている。保持ブロック2は、先端部に主軸1を保持し、基端部を2本の案内軸4a、4bに案内して、送りねじ4cの回転駆動によりz軸方向に移動可能としている。
主軸1は、保持ブロック2がz軸方向に移動することにより、保持ブロック2と共にz軸方向に移動し、x軸ステージ3がx軸方向に移動することにより、z軸ステージ3、保持ブロック2と共にx軸方向に移動する。そして、主軸1の先端部に設けた工具5を所定位置に移動させて、加工を行う。
上述のように、主軸1を保持ブロック2を介してz軸方向に移動させる構造の場合、z案内軸4a、4b及び保持ブロック2を有するため、部品点数が多く、装置の大型化及び製造コストの増大を招く。
また、図11に示すように、保持ブロック2を案内するz案内軸4a、4bから主軸1まで距離(オーバーハング)Lがあるため、保持ブロック2の剛性を確保する必要がある。即ち、保持ブロック2の剛性が小さいと、主軸1をz軸と平行に保持できなかったり、加工時に作用する負荷により主軸1にブレが生じたりして、加工精度が低下してしまう。このため、従来、保持ブロック2として、例えば、鋳物や鉄板溶接品を使用することが一般的であった。
しかしながら、保持ブロック2を鋳物などにより構成した場合、保持ブロック2の重量が嵩むため、保持ブロック2を支持する構造の剛性も十分に確保する必要がある。具体的には、z案内軸4a、4b、x軸ステージ3、x案内軸3a、3b、更には、x案内軸3a、3bを支持する装置の躯体の剛性を高くする必要がある。この結果、装置が大型化すると共に、装置の製造コストも高くなる。
本発明は、このような事情に鑑み、加工装置の小型化及び低コスト化を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明は、取り付けられた工具を回転させる主軸と、筒状からなり、前記筒状の内部に前記主軸を支持し、前記筒状の外周面が案内面となる支持部材と、前記支持部材に接続され、前記支持部材及び前記主軸を回転軸方向に移動させる駆動装置と、前記駆動装置が支持される駆動支持部と、前記支持部材を前記駆動支持部に対して、前記案内面に沿って前記回転軸方向に移動自在に保持する保持部と、を備えた、ことを特徴とする加工装置にある。
本発明によると、主軸を支持する支持部材を、その外周に設けた案内面に沿って回転軸方向に移動自在に、駆動支持部に保持しているため、保持ブロックとz案内軸を有する構造に比べて、主軸の支持構造の部品点数を少なくできる。この結果、加工装置の小型化及び低コスト化を図れる。
本発明の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の加工装置Aの全体構成について、図1及び図2により説明する。加工装置Aは、躯体Bと、ワークW(図2)を固定する作業台10と、ドリルなどの工具Tを取り付けて、加工用モータ11(図2)により工具Tを回転させる主軸12とを備える。そして、これら作業台10と主軸12とをx軸、y軸、z軸の各方向に相対移動可能に構成されている。
本実施形態では、作業台10をy軸方向に、主軸12をx軸方向とz軸方向(回転軸方向)とに、それぞれ移動させる。このために、作業台10をy軸方向に移動させるy軸駆動部20yと、主軸12をx軸方向とz軸方向とにそれぞれ移動させるx軸駆動部20x及びz軸駆動部20zとを備え、これらを躯体Bに組み付けている。
固定部材である躯体Bは、板金製の複数の板部を組み合わせてなる。即ち、各板部は、鉄板などの金属板を所定の大きさに打ち抜き、打ち抜いた板の周囲を折り曲げるなどして強度を高くし、所定の形状としたものである。そして、各板部をボルトなどの締結手段によりそれぞれ締結して、躯体Bを構成している。具体的には、x軸方向に直交するように配置された一対の支持板部b1、b2を、装置の下部に配置された底板部b3、及び、装置の後側に配置された背板部b4を介して連結することにより構成している。なお、装置の前側は、ワークWを着脱したり、装置内を清掃したりするため、開口させている。
次に、各駆動部20x、20y、20zの構造について説明する。まず、共通する構造について説明する。なお、共通する構造については、それぞれの駆動部の構成であることを示す添え字を省略して、総括的に説明する。駆動部20は、モータ21と、送りねじ22と、移動部材23と、を備える。
モータ21は、例えば、外部端末などの指令に基づいて駆動される。送りねじ22は、外周面に雄ねじ部を有し、各軸方向とそれぞれ平行に配置され、モータ21の駆動により回転する。移動部材23は、送りねじ22の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、送りねじ22の回転に伴い、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合に基づいて送りねじ22に沿って移動する。
[x軸駆動部]
次に、各駆動部のそれぞれの構成について説明する。x軸駆動部20xの移動部材(x軸ステージ)23xには、主軸12を支持する支持部材30をz軸方向の変位自在に保持すると共に、z軸駆動部20zが固定されている。そして、移動部材23xと共に主軸12及び支持部材30が、送りねじ22xの配設方向であるx軸方向に移動する。なお、本実施形態では、x軸方向が特許請求の範囲に記載した回転軸方向と異なる方向であり、移動部材23xが同じく回転軸方向と異なる方向に移動する移動部材である。
次に、各駆動部のそれぞれの構成について説明する。x軸駆動部20xの移動部材(x軸ステージ)23xには、主軸12を支持する支持部材30をz軸方向の変位自在に保持すると共に、z軸駆動部20zが固定されている。そして、移動部材23xと共に主軸12及び支持部材30が、送りねじ22xの配設方向であるx軸方向に移動する。なお、本実施形態では、x軸方向が特許請求の範囲に記載した回転軸方向と異なる方向であり、移動部材23xが同じく回転軸方向と異なる方向に移動する移動部材である。
このような移動部材23xは、板材に板金加工を施して形成されている。即ち、鉄板などの金属板を所定の形状に打ち抜き、所定の曲げ加工を施すと共に、所定位置に貫通孔や切欠を打ち抜きにより形成した複数の板材を組み合わせて構成している。このように構成される移動部材23xは、x軸方向に平行に2本配置されたx案内軸13a、13bに軸受部14a、14bを介して支持されている。
これらx案内軸13a、13bは、それぞれ円筒状或いは円柱状の棒部材で、両端部を躯体Bを構成する一対の支持板部b1、b2に固定している。2本のx案内軸13a、13bは、図示の例では、送りねじ22xを挟むように配置されている。また、主軸12は、送りねじ22xとx案内軸13aとの間に配置されている。このような2本のx案内軸13a、13bのうち、主軸12に近い側に配置されるx案内軸13aを基準軸、主軸12から遠い側に配置されるx案内軸13bを補助軸としている。基準軸は、主として、移動部材23xのx軸方向の移動を案内し、補助軸は、主として、移動部材23xが基準軸を中心として回転することを阻止する、言い換えれば、基準軸回りの回転モーメントを支持する。
[軸受部]
軸受部14a、14bは、図3に示すように、移動部材23xを構成する複数の板材の一部である側板15にそれぞれ配置されており、移動部材23xをx案内軸13a、13bに沿って移動自在に支持する。このような軸受部14a、14bは、それぞれ、x案内軸13a、13bの周囲に配置され、移動部材23xの移動によりx案内軸13a、13bの外周面との当接に基づき従動回転する複数の回転体である円筒状のコロ51を有する。なお、複数の回転体は、コロ以外に、球状のものなど他の構造であっても良い。これら複数のコロ51は、それぞれ軸方向両側に突出した回転支持軸52a、52bを有し、これら回転支持軸52a、52bがそれぞれ移動部材23xの側板15に回転自在に支持されている。なお、回転支持軸52aは、回転支持軸52bよりも長い。
軸受部14a、14bは、図3に示すように、移動部材23xを構成する複数の板材の一部である側板15にそれぞれ配置されており、移動部材23xをx案内軸13a、13bに沿って移動自在に支持する。このような軸受部14a、14bは、それぞれ、x案内軸13a、13bの周囲に配置され、移動部材23xの移動によりx案内軸13a、13bの外周面との当接に基づき従動回転する複数の回転体である円筒状のコロ51を有する。なお、複数の回転体は、コロ以外に、球状のものなど他の構造であっても良い。これら複数のコロ51は、それぞれ軸方向両側に突出した回転支持軸52a、52bを有し、これら回転支持軸52a、52bがそれぞれ移動部材23xの側板15に回転自在に支持されている。なお、回転支持軸52aは、回転支持軸52bよりも長い。
側板15は、主軸12をx軸方向両側から挟むように、それぞれx軸方向に直交して配置されている。また、側板15には、案内軸13a、13bの外径よりも大きい内径を有する貫通孔53、及び、貫通孔53の周囲に複数の切欠54がそれぞれ形成されている。そして、それぞれの貫通孔53に案内軸13a、13bが挿通されると共に、それぞれの切欠54にコロ51が配置された状態で、軸受部14a、14bが側板15に固定されている。したがって、移動部材23xは、x案内軸13aに対しては2個所の軸受部14aにより、x案内軸13bに対しては2個所の軸受部14bにより、それぞれ支持される。
また、軸受部14a、14bは、図4に示すように、案内軸13a、13bの外径よりも大きい内径を有する貫通孔53、及び、貫通孔53の周囲に複数の切欠54をそれぞれ形成した保持板55a、55bを有する。また、貫通孔53及び複数の切欠54に加えて、回転支持軸52a、52bを保持するための複数の保持切欠56a、56bを形成した1枚又は複数枚の中間板57a、57bを有する。これら保持板55a、55b、中間板57a、57bは、それぞれ板金製としている。即ち、鉄板などの金属板を所定の形状に打ち抜くと共に、所定位置に貫通孔や切欠を打ち抜きにより形成する。
そして、複数の切欠54にそれぞれ複数のコロ51を貫通孔53の中心軸を中心とした放射状に配置すると共に、複数のコロ51の回転支持軸52a、52bを保持板55a、55bと移動部材23xの側板15とで挟持する。これにより、複数のコロ51の回転支持軸52a、52bを、それぞれ移動部材23xに回転自在に支持している。保持板55a、55bと側板15との間には、複数の中間板57a、57bを配置することにより、保持板55a、55bと側板15との間隔を、回転支持軸52a、52bの外径よりも僅かに大きくしている。そして、中間板57a、57bの保持切欠56a、56b内に回転支持軸52a、52bをそれぞれ回転自在に保持している。これら各板の結合は、複数のボルト58により行っている。
また、軸受部14a、14bのうち、基準軸であるx案内軸13aを支持する軸受部14aのコロ51の数を、補助軸であるx案内軸13bを支持する軸受部14bのコロ51の数よりも多くしている。即ち、図5に示すように、軸受部14aは3個のコロ51を有し、図6に示すように、軸受部14bは2個のコロ51を有するようにしている。これにより、基準軸側の支持剛性を高くして、移動部材23xの移動を円滑且つ振れのないようにしている。なお、それぞれの軸受部14a、14bのコロ51の配置は、軸回りに均等とすることが好ましい。また、軸受部14bは、基準軸回りのモーメント方向にコロ51を配置する。図示の例では、z軸方向に配置している。
このように構成され、側板15に固定される軸受部14a、14bには、それぞれx案内軸13a、13bが挿通されるが、複数のコロ51の自由状態での内接円の直径は、x案内軸13a、13bの外径Dよりも小さくしている。このために、このために、自由状態で、少なくとも1個のコロ51の外周面とx案内軸13a、13bの中心軸との距離を、x案内軸13a、13bの半径よりも小さくしている。
具体的には、図7に示すように、長い方の軸である回転支持軸52aを有するコロ51の外周面とx案内軸13b(13a)の中心軸との自由状態での距離R1を、x案内軸13b(13a)の半径D/2よりも小さくしている。なお、短い方の軸である回転支持軸52bを有するコロ51の外周面とx案内軸13b(13a)の中心軸との距離は、x案内軸13b(13a)の半径D/2と同じとしている。
これにより、図7に誇張して示すように、複数のコロ51の内側にx案内軸13b(13a)を挿通した状態で、長い方の回転支持軸52aが撓み、この回転支持軸52aの弾性復元力によりコロ51がx案内軸13b(13a)に押し付けられる。この結果、複数のコロ51からx案内軸13b(13a)に対して予圧が付与され、軸受部14a、14bの支持剛性を向上させられる。
[y軸駆動部]
y軸駆動部20yの移動部材23y(y軸ステージ)には、図1、2に示すように、作業台10が固定されており、移動部材23yと共に作業台10が、送りねじ22yの配設方向であるy軸方向に移動する。このようなy軸駆動部20yは、作業台10の下方に配置される。
y軸駆動部20yの移動部材23y(y軸ステージ)には、図1、2に示すように、作業台10が固定されており、移動部材23yと共に作業台10が、送りねじ22yの配設方向であるy軸方向に移動する。このようなy軸駆動部20yは、作業台10の下方に配置される。
また、移動部材23yは、板材に板金加工を施して形成されている。即ち、鉄板などの金属板を所定の形状に打ち抜き、所定の曲げ加工を施すと共に、所定位置に貫通孔や切欠を打ち抜きにより形成した複数の板材を組み合わせて構成している。このように構成される移動部材23yは、y軸方向に平行に2本配置されたy案内軸16a、16bに軸受部17a、17bにより支持されている。
これらy案内軸16a、16bは、それぞれ円筒状或いは円柱状の棒部材で、両端部を躯体Bを構成する底板部b3のy軸方向両端部から上方に折れ曲がった部分に固定している。2本のy案内軸16a、16bは、図示の例では、送りねじ22yを挟むように配置されている。このような2本のy案内軸16a、16bのうち、一方のy案内軸16aを基準軸、他方のy案内軸16bを補助軸としている。基準軸は、主として、移動部材23yのy軸方向の移動を案内し、補助軸は、移動部材23yが基準軸を中心として回転することを阻止する、言い換えれば、基準軸回りの回転モーメントを支持する。
軸受部17a、17bは、図8に示すように、移動部材23yを構成する側板18にそれぞれ固定されており、移動部材23yをy案内軸16a、16bに沿って移動自在に支持する。軸受部17a、17bにより、移動部材23yをy案内軸16a、16bに支持する部分の構造は、上述のx軸駆動部と同様である。
[z軸駆動部]
z軸駆動部20zは、特許請求の範囲に記載した駆動装置であり、支持部材30に接続され、支持部材30及び主軸12を回転軸方向(z軸方向)に移動させる。即ち、z軸駆動部20zの移動部材23z(z軸ステージ)には、主軸12が支持部材30を介して固定されており、移動部材23zと共に主軸12及び支持部材30が、送りねじ22zの配設方向であるz軸方向に移動する。なお、z軸駆動部20zは、特許請求の範囲に記載した駆動支持部である移動部材23xに支持されており、x軸駆動部20xの駆動により主軸12及び支持部材30と共にx軸方向に移動する。
z軸駆動部20zは、特許請求の範囲に記載した駆動装置であり、支持部材30に接続され、支持部材30及び主軸12を回転軸方向(z軸方向)に移動させる。即ち、z軸駆動部20zの移動部材23z(z軸ステージ)には、主軸12が支持部材30を介して固定されており、移動部材23zと共に主軸12及び支持部材30が、送りねじ22zの配設方向であるz軸方向に移動する。なお、z軸駆動部20zは、特許請求の範囲に記載した駆動支持部である移動部材23xに支持されており、x軸駆動部20xの駆動により主軸12及び支持部材30と共にx軸方向に移動する。
支持部材30は、筒状からなり、筒状の内部に主軸12を支持し、筒状の外周面を案内面30aとしている。本実施形態では、支持部材30を円筒状に形成している。また、支持部材30は、案内面30aにより構成される外接円筒面(外周面)の中心軸が主軸12の回転軸と一致するように構成されている。
本実施形態の場合、支持部材30の内部に、主軸12及びこの主軸12に固定された加工用モータ11を配置している。また、主軸12は、外径が支持部材30の内径よりも僅かに大きい円筒状の外周面を有し、支持部材30の先端(図2の下端)部に締り嵌めされている。したがって、主軸12及び加工用モータ11は、支持部材30に相対回転及びz軸方向の相対変位をそれぞれ不能に固定支持される。加工用モータ11は、外部から電源供給されることにより主軸12に設けられた工具Tを回転させる。なお、加工用モータ11を支持部材30の外部に設け、ベルトとプーリや歯車列などの動力伝達機構を介して工具Tを回転させるようにしても良い。
また、支持部材30は基端部(図2の上端部)を、移動部材23zに結合されている。具体的には、移動部材23zは、送りねじ22zに螺合されるナット部31と、ナット部31に固定され支持部材30側に伸びるように設けられた腕部32を有し、腕部32の先端を支持部材30の基端部に固定している。これにより、移動部材23zが送りねじ22zに連れ回って回転すること、及び、支持部材30がz軸を中心として回転することを防止している。
このように主軸12を内部に配置する支持部材30は、移動部材23xに対して、保持部である軸受部33により案内面30aに沿って回転軸方向に移動自在に保持されている。軸受部33は、上述した軸受部14a、17aと同様に、複数の回転体である複数(図示の例では3個)のコロ51を有する。複数のコロ51は、支持部材30の周囲に配置され、支持部材30の移動により案内面30aとの当接に基づき従動回転する。また、図4と同様に、これら複数のコロ51の回転支持軸52a、52bは、それぞれ移動部材23xを構成する上板34、下板35にそれぞれ回転自在に支持されている。支持部材30は、上板34、下板35にそれぞれ固定された軸受部33を挿通するように配置される。この結果、支持部材30が、移動部材23xに対してz軸方向の変位自在に保持される。なお、上述の駆動部と同様に、複数のコロ51から支持部材30の案内面30aに予圧を付与して、軸受部33による支持部材30の支持剛性を向上させている。
なお、上述の各駆動部の構成は、上述したような送りねじ機構に限らず、例えばラックアンドピニオンのような他の機構であっても良い。
このように構成される本実施形態の場合、図2に示すように、作業台10上にワークWを固定した状態で、主軸12の先端に設けたドリルなどの工具TによりワークWに所定の加工を施す。この際、主軸12をx軸駆動部20xとz軸駆動部20zによりx軸とz軸とに移動させ、作業台10をy軸駆動部20yによりy軸に移動させる。
主軸12をx軸方向に移動させる場合には、モータ21xを駆動して送りねじ22xを回転させる。すると、送りねじ22xと螺合する移動部材23x、この移動部材23xに支持されたz軸駆動部20z及び支持部材30、この支持部材30内に支持された主軸12が移動する。この際、移動部材23xは、側板15に固定された軸受部14a、14bの複数のコロ51が、x軸方向に配置された案内軸13a、13bの外周面との当接により従動回転することにより、案内軸13a、13bに沿って円滑に移動する。
作業台10をy軸方向に移動させる場合には、モータ21yを駆動して送りねじ22yを回転させる。すると、送りねじ22yと螺合する移動部材23y、この移動部材23yに支持固定された作業台10が移動する。この際、移動部材23yは、側板18に固定された軸受部17a、17bの複数のコロ51が、y軸方向に配置された案内軸16a、16bの外周面との当接により従動回転することにより、案内軸16a、16bに沿って円滑に移動する。
主軸12をz軸方向に移動させる場合には、モータ21zを駆動して送りねじ22zを回転させる。すると、送りねじ22zと螺合する移動部材23z、及び、この移動部材23zと結合した支持部材30が移動する。支持部材30内には、主軸12が固定されているため、主軸12も移動部材23z及び支持部材30と共に移動する。この際、支持部材30は、その外周面の案内面30aが移動部材23xに固定された軸受部33の複数のコロ51と当接し、複数のコロ51が従動回転することにより、z軸方向に案内されつつ円滑に移動する。
本実施形態によると、主軸12を支持する支持部材30を、その外周に設けた案内面30aに沿ってz軸方向に移動自在に、移動部材23xに保持している。このため、前述の図10、11に示したような保持ブロック2とz案内軸4a、4bを有する構造に比べて、主軸12の支持構造の部品点数を少なくできる。
また、支持部材30の中心軸と主軸12の回転軸とが一致している、言い換えれば、主軸12の回転軸上に主軸12の支持中心が存在する。このため、前述の図10、11に示したような、保持ブロック2を案内するz案内軸4a、4bから主軸1まで距離(オーバーハング)Lがなく、このようなオーバーハングを考慮して各部材の剛性を確保する必要がない。このため、各部材を鋳物などの重量物で製造する必要がなく、移動部材23xや装置の躯体Bを低コストで製造できる板金製とすることができる。
また、主軸12を支持部材30の内部に配置しているため、この部分の構造をコンパクトに構成し易い。この結果、加工装置Aの小型化及び低コスト化、更には軽量化を図れる。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、主軸12と作業台10とをx軸、y軸、z軸の3軸方向に相対移動させる構造について説明したが、x軸とy軸との一方を、z軸と平行な中心軸を中心として回転する方向であるr軸としても良い。また、支持部材30の外周は、上述したような円筒面に限らず、例えば、断面正多角形など、z軸方向と平行に形成された平面、曲面、或いは、これらを組み合わせることにより構成しても良い。また、この場合に、軸受部33の複数のコロ51の配置などを適宜調整して、支持部材30の外周の案内面に当接させる。また、複数の平面や曲面を組み合わせて構成した場合、これらの外接円筒面の中心軸が主軸12の回転軸と一致させることが好ましい。
上述の実施形態では、主軸12と作業台10とをx軸、y軸、z軸の3軸方向に相対移動させる構造について説明したが、x軸とy軸との一方を、z軸と平行な中心軸を中心として回転する方向であるr軸としても良い。また、支持部材30の外周は、上述したような円筒面に限らず、例えば、断面正多角形など、z軸方向と平行に形成された平面、曲面、或いは、これらを組み合わせることにより構成しても良い。また、この場合に、軸受部33の複数のコロ51の配置などを適宜調整して、支持部材30の外周の案内面に当接させる。また、複数の平面や曲面を組み合わせて構成した場合、これらの外接円筒面の中心軸が主軸12の回転軸と一致させることが好ましい。
また、上述の実施形態では、支持部材30の中心軸と主軸12の回転軸とが一致しているが、支持部材30の中心軸と主軸12の回転軸とを偏心させても良い。但し、偏心量が大きいと支持剛性を確保する必要があるため、なるべく偏心量を小さくする。
なお、本発明の加工装置は、樹脂やアルミニウム合金などの軽金属のような比較的軟らかい材料の加工を行うのに適する。
12 主軸
20z z軸駆動部(駆動装置)
23x 移動部材
30 支持部材
30a 案内面
33 軸受部
51 コロ(回転体)
52a、52b 回転支持軸
A 加工装置
W ワーク
20z z軸駆動部(駆動装置)
23x 移動部材
30 支持部材
30a 案内面
33 軸受部
51 コロ(回転体)
52a、52b 回転支持軸
A 加工装置
W ワーク
Claims (5)
- 取り付けられた工具を回転させる主軸と、
筒状からなり、前記筒状の内部に前記主軸を支持し、前記筒状の外周面が案内面となる支持部材と、
前記支持部材に接続され、前記支持部材及び前記主軸を回転軸方向に移動させる駆動装置と、
前記駆動装置が支持される駆動支持部と、
前記支持部材を前記駆動支持部に対して、前記案内面に沿って前記回転軸方向に移動自在に保持する保持部と、を備えた、
ことを特徴とする加工装置。 - 前記支持部材は、前記案内面により構成される外接円筒面の中心軸が前記主軸の回転軸と一致するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の加工装置。 - 前記支持部材は、円筒状に形成されている、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加工装置。 - 前記保持部は、前記支持部材の周囲に配置され、前記支持部材の移動により前記案内面との当接に基づき従動回転する複数の回転体を有し、前記複数の回転体が、それぞれ前記駆動支持部に回転自在に支持されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の加工装置。 - 前記駆動支持部は、前記回転軸方向と異なる方向に移動する移動部材である、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011027282A JP2012166281A (ja) | 2011-02-10 | 2011-02-10 | 加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011027282A JP2012166281A (ja) | 2011-02-10 | 2011-02-10 | 加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012166281A true JP2012166281A (ja) | 2012-09-06 |
Family
ID=46970958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011027282A Withdrawn JP2012166281A (ja) | 2011-02-10 | 2011-02-10 | 加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012166281A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112605579A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-04-06 | 兰州资源环境职业技术学院 | 一种多转位数控焊机 |
-
2011
- 2011-02-10 JP JP2011027282A patent/JP2012166281A/ja not_active Withdrawn
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CN112605579A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-04-06 | 兰州资源环境职业技术学院 | 一种多转位数控焊机 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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