JP2012164727A - 静電容量変化型発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率の高い静電容量変化型の発電素子を提供する。
【解決手段】発電素子1を、誘電分極体10と誘電エラストマー層11とが積層されてなる積層体12、および積層体12の積層方向の上下に配された一対の電極21、22を備え、誘電分極体10が結晶配向性を有する強誘電体からなるものとする。発電素子1は、電極21、22間の距離を変化させることにより静電容量を変化させて電気エネルギーを生じさせる静電容量変化型の発電素子である。誘電分極体層10により形成される静電場によって電極21、22に電荷が静電誘導された状態で、電極21、22間の距離を変化させる。電極間の距離が変化することにより、電荷分布に非対称性が生じ、これに伴い電極間に電位差が生じる。この電位差が0になるように電荷移動が生じ、これが、外部回路(負荷)に流れる電流となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極間の静電容量の変化により発電する発電素子に関するものである。
誘電体を帯電させて半永久的に静電場を発生させることを可能としたエレクトレットを用いて、静電誘導により運動エネルギーと電気エネルギーとを変換する静電誘導型変換素子が提案されている。
現在、エレクトレットに用いられる誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレンやテフロン(登録商標)、CYTOP (登録商標)等のフッ素系樹脂が主に用いられている(特許文献1〜4)。
エレクトレット材としては、帯電後の表面電荷密度が高いほど好ましいが、これらの樹脂材料は、表面電荷密度はあまり高くすることができない。現在までの報告では、フッ素系樹脂材料の表面電荷密度は、一般に0.005μC/cm程度、高いものでも0.15μC/cm程度である。
これに対し、特許文献5には、表面電荷密度の高いエレクトレット材として、強誘電体からなる誘電分極板を用いた機械電気変換素子が提案されている。
特許文献1〜4には、エレクトレット材と一方の電極との間にギャップを有し、エレクトレット材と電極との相対的な移動(水平方向への移動)に伴い、電極に静電誘導される電荷量が変化することを利用して機械―電気変換を行う素子が開示されている。
また、特許文献5には、コンデンサ間にエレクトレットとして挿入し、コンデンサ電極の一方を振動板として、音響により振動させることにより電極を変位させ、それに伴い生じるコンデンサの電位差の変化を取出して音響を電気信号に変換するエレクトレットコンデンサマイクロフォン(EMC)において、表面電荷密度の高い強誘電体材料をエレクトレットとして用いることが開示されている。
特開2006−180450号公報 特開2007−312551号公報 特開2008−266563号公報 特開2010−136598号公報 特開2007−298297号公報
強誘電体の表面電荷密度は、その残留分極値がひとつの目安となる。一般に、強誘電体は残留分極値が大きく、10μC/cm以上であると考えられるため、特許文献5に記載の強誘電体セラミックスからなるエレクトレットを用いることにより、高分子材料に比して大きな機械電気変換効率が達成可能であり、マイクロフォンとしての利用においては一定の効果があると考えられる。しかしながら、発電素子として利用を検討した場合には、未だ充分な発電効率は得られていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、発電効率の高い静電容量変化型の発電素子を提供することを目的とするものである。
本発明の静電容量変化型の発電素子は、誘電分極体と誘電エラストマー層とが積層されてなる積層体、および
該積層体の積層方向の上下に配された一対の電極を備え、
前記誘電分極体が結晶配向性を有する強誘電体からなることを特徴とするものである。
前記積層体と電極との間には、さらに別の誘電体層を備えていてもよい。
なお、前記強誘電体は不可避不純物を含んでいてもよい。
ここで、結晶配向性を有するとは、Lotgerling法により測定される配向率Fが、50%以上であることと定義する。
配向率Fは、下記式で表される。
F(%)=(P−P0)/(1−P0)×100・・・(i)
式(i)中、Pは、配向面からの反射強度の合計と全反射強度の合計の比である。(001)配向の場合、Pは、(00l)面からの反射強度I(00l)の合計ΣI(00l)と、各結晶面(hkl)からの反射強度I(hkl)の合計ΣI(hkl)との比({ΣI(00l)/ΣI(hkl)})である。例えば、ペロブスカイト結晶において(001)配向の場合、P=I(001)/[I(001)+I(100)+I(101)+I(110)+I(111)]である。
P0は、完全にランダムな配向をしている試料のPである。
完全にランダムな配向をしている場合(P=P0)にはF=0%であり、完全に配向をしている場合(P=1)にはF=100%である。
前記強誘電体の比誘電率が最小となる分極軸が、層厚方向に略平行に配向していることが好ましい。
前記誘電分極体の残留分極値が5μC/cm以上であり、比誘電率が400以下であることが好ましい。比誘電率は200未満であることがより好ましい。
また、前記強誘電体が単結晶であることが好ましい。
前記誘電エラストマー層のヤング率が100MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましい。
前記強誘電体の結晶構造は、ペロブスカイト構造、ビスマス層状構造、タングステンブロンズ構造のいずれかであることが好ましく、前記強誘電体としては、鉛を含まないペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。かかるペロブスカイト型酸化物としては、ビスマス含有ペロブスカイト型酸化物が好ましい。
本発明の静電容量変化型の発電素子は、誘電分極体として、結晶配向性を有する強誘電体を用いている。かかる構成によれば、残留分極値の大きい強誘電体を、更に、配向させて誘電分極体とすることにより、非常に大きな表面電荷密度を有するものとすることができる。また、誘電分極体と一方の電極との間に誘電エラストマーが配置されており、この誘電エラストマーの弾性により、電極と誘電分極体間の距離を大きく変化させることができるため、発電量を向上させることができる。
また、さらに、強誘電体の比誘電率が最小となる分極軸が、誘電分極体層の厚み方向に平行に配向している場合、誘電分極体層の比誘電率を低いものとすることができ、より大きな発電特性を達成することができる。
また、強誘電体として、ペロブスカイト型酸化物等の無機材料を用いた構成では、樹脂材料に比して高い耐熱性を有し、且つ、発電特性の高い静電容量変化型発電素子を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の静電容量変化型発電素子の構成を示す厚み方向概略断面図
図1を参照して、本発明の静電容量変化型発電素子について説明する。図1は本発明の一実施形態の発電素子1の概略断面図であり、(A)は素子圧縮前状態(状態A)、(B)は素子圧縮状態(状態B)を示している。視認しやすくするために各部の構成要素の縮尺は適宜変更して示してある。
図1に示されるように、発電素子1は、結晶配向性を有する強誘電体からなる誘電分極体層10と誘電分極体層10上に積層された誘電エラストマー層11とからなる積層体12、および積層体12の上下面に備えられた一対の電極である下部電極21と上部電極22を備えている。
誘電分極体層10は、分極処理された強誘電体層からなり、強誘電体における残留分極により表面電荷を有するものである。
下部電極21と上部電極22は、図示しない負荷に電気的に接続されており、本発電素子1は、電極21、22間の距離を変化させることにより静電容量を変化させて電気エネルギーを生じさせる静電容量変化型の発電素子である。誘電分極体層10により形成される静電場によって電極21、22に電荷が静電誘導された状態で、電極21、22間の距離を変化させる。電極間の距離が変化することにより、電荷分布に非対称性が生じ、これに伴い電極間に電位差が生じる。この電位差が0になるように電荷移動が生じ、これが、外部回路(負荷)に流れる電流となる。
このように、図1(A)に示す発電素子1に積層方向に圧縮力が引加される前の状態Aから同図(B)に示す圧縮力が引加された状態Bあるいは、その逆の状態Bから状態Aへと変化することにより、両電極21、22間に電位差が生じ、この電位差の変化を電力として取り出すことにより発電素子としての機能を奏する。なお、外圧(圧縮力)により厚みが変化するのはエラストマー層11であり、強誘電体層10はほとんど変化しない。
発電の原理について説明する。
電極間に圧縮力が引加される周波数をfとしたとき、本発明の素子における発電量Pは、下記式(1)により定義される。
ここで、ΔQは、状態Aから状態Bに変化した際に移動する電極表面における表面電荷密度であり、これはエラストマー層の表面電荷量の変化量で表わされる。すなわちΔQ=Δq=qeB−qeAである。ここで、qeAは状態Aのエラストマーの表面電荷密度であり、qeBは圧縮状態Bとなった後に生じる電荷移動後のエラストマーの表面電荷密度である。
ΔVは、状態Aから状態Bに変化した際の電位差の変化量であり、ここでは、強誘電体層の厚みは変化しないものと看做せば、電位差の変化量は、エラストマー層の電位差の変化量と看做すことができ、ΔV≒ΔVe=VeA−VeBで表わされる。ここでVeAは状態Aにおけるエラストマー側電極の電位、ΔVeBは圧縮状態Bの電荷移動前におけるエラストマー側電極の電位である。
状態Aにおいて、強誘電体層による誘電分極によりエラストマー層表面に静電誘導されている電荷密度qeAと強誘電体層表面の電荷密度qfとは、下記式(2)で表わすことができる。
上記関係式から、発電量Pは下記式(3)で表わされる。
(deAは状態Aにおけるエラストマー層の厚み、deBは状態Bにおけるエラストマー層の厚み、dは誘電分極層の厚み(これは状態A、Bで変化しないものとしている。)Aは対向する電極の面積、εeはエラストマー層の比誘電率、εfは誘電分極体層の比誘電率、εは真空の誘電率である。)
上記式(3)より、誘電分極体層10としては、表面電荷密度qfが高く、比誘電率εfが小さい方がより高い発電量を得ることができ好ましいことが分かる。
また、エラストマー層の状態Aにおける厚みdeAと、状態Bにおける厚みdeBとの差(厚みの変化量)が大きいほど、発電量が大きくなることも明らかである。
下部電極21としては、その表面に形成される誘電分極体層10の結晶配向性を損なわない導体からなる基材であれば特に制限されない。ただし、上部電極22と比して硬い材料、例えば、金属あるいは導電性セラミックなどから構成することが好ましい。具体的には、Au,Pt,Ir,Al,Ta,Cr,Fe,Ni,Ti,Cu,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。誘電分極体10が下部電極21上に成膜された強誘電体膜である場合は、成膜する強誘電体膜と格子整合性が良好なものであることが好ましい。
上部電極22としては、導体であれば特に制限されないが、伸縮性の導電材料からなるものが好ましい。例えば、エラストマー材料に導電性フィラーを含有してなる伸縮性の導電材料を用いることができる。伸縮性を有する電極であれば、誘電エラストマーの伸縮変化に追随しやすく、上部電極22とエラストマー層11間の剥離を抑制する効果が得られる。
下部電極21と上部電極22の厚みは特に制限なく、両電極間の電位差の変化により発生した電流を取り出すに充分な導電性を有するための最低の厚みがあればよい。その厚みは電極材料の導電率や発電素子1全体の大きさによって決めることができ、例えば、50nm〜100μmであることが好ましい。また、各電極は多層構造であってもよい。
上述の通り、外力により誘電エラストマー層11を厚み方向に大きく伸縮させることで、静電容量を変化させていることから、誘電エラストマー層11はヤング率が小さく、力に対し大きく厚みが変化できることが好ましく、特にはヤング率が100MPa以下、さらには10MPa以下であることが好ましい。なお、外力は誘電エラストマー層11が伸縮するのに用いられ、強誘電体からなる誘電分極体層にはほとんど外力は加わらず、厚みの変化もほとんどない。したがって、誘電分極体層において、圧電性はほとんど機能していないと考えられる。
誘電エラストマーの材料としては、例えば、合成ゴムであるアクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの熱硬化性エラストマー、あるいはポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系などの熱可塑性エラストマーを用いることができる。
誘電分極体層10を構成する強誘電体は、結晶配向性を有するものであれば有機強誘電体であっても無機強誘電体であっても、それらの複合材料であっても構わない。より高い発電効率が得られることから、強誘電体としては、より残留分極値の高い強誘電体を用いることが好ましい。また、耐熱性の観点からは、無機強誘電体であることが好ましく、更にキュリー温度の高い強誘電体であることが好ましい。
また、より大きな残留分極値を与えるためには、誘電分極体層10は強誘電体の分極軸が一様、かつ厚み方向に略平行に揃っていることが好ましい。
かかる構成の場合、単結晶、配向性セラミックス又はエピタキシャル膜であることがより好ましい。
強誘電体において、表面電荷密度qfは、残留分極値の大きさにより見積もることができる。従って、誘電分極体層10は、大きな残留分極値を与えうる無機強誘電体を主成分とすることが好ましい。
大きな残留分極値を与えうる(強誘電性の優れた)無機強誘電体の結晶構造としては、結晶構造が、ペロブスカイト構造、ビスマス層状構造、タングステンブロンズ構造が挙げられ、中でもペロブスカイト構造が好ましい。
強誘電性の優れたペロブスカイト型酸化物としては、鉛系ペロブスカイト型酸化物が知られているが、環境負荷の観点から、鉛を含まないペロブスカイト型酸化物を主成分とするものが好ましく、ビスマス含有ペロブスカイト型酸化物がより好ましい。
ペロブスカイト型酸化物の具体例としては、鉛系では、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;
非鉛系では、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム等、及びこれらの混晶系、下記一般式(PX)で表される組成を有するペロブスカイト型酸化物(不可避不純物を含んでもよい)等が挙げられる。
(Bi,A1−x)(B,C1−y)O・・・(PX)
(式(PX)中、AはPb以外の平均イオン価数が2価のAサイト元素、Bは平均イオン価数が3価のBサイト元素,Cは平均イオン価数が3価より大きいBサイト元素であり、A,BおよびCは各々1種又は複数種の金属元素である。Oは酸素。B及びCは互いに異なる組成である。0.6≦x≦1.0、x−0.2≦y≦x。Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
一方、残留分極値が高くても、比誘電率が大きくなるとその発電量は小さくなる。したがって、厚み方向に平行となる分極軸は、分極処理した際の比誘電率が最も小さくなる分極軸であることが好ましい。
残留分極値が大きくかつ比誘電率が小さくなる分極軸が厚み方向に対して略平行に揃うように結晶配向性を制御した構成とすることにより、表面電荷密度が高く、かつ比誘電率の小さな誘電分極体層することができる。
残留分極値が大きく、かつ比誘電率が小さい分極軸は、例えば、ペロブスカイト構造では、正方晶では<001>方向(c軸)、斜方晶では<110>方向、菱面体では<111>方向である。
例えば、PZT等のペロブスカイト型酸化物のc軸配向層においては、残留分極値が10μC/cm以上であり、且つ、比誘電率が400以下、好ましくは200未満とすることができ、好ましい。
誘電分極体層10の厚みは、発電量を大きくする観点からは、厚い方が好ましい。用途に応じ、求められる発電量および素子の大きさを考慮し、厚みを設計することが好ましい。本実施形態の発電素子1は、機械―電気変換効率が高いため、従来のエレクトレット材料に比して、比較的薄い膜厚にて同等の発電量を達成することができる。
小型化の観点からは、誘電分極体層10は、下部電極21上に形成された強誘電体膜であることが好ましい。強誘電体膜の成膜方法は特に制限されないが、結晶配向性を有する強誘電体膜を成膜することができ、かつ、分極処理をしなくても分極の向きを略一様にすることが可能な気相成膜方法を用いることが好ましい。かかる成膜方法としては、プラズマを用いたスパッタ法が挙げられる。
気相法により成膜した強誘電体膜は、その膜の組成にもよるが、特段分極処理を施さずとも、分極軸が自ずと略一様にかつ分極の向きが揃う結晶配向性を有する強誘電体膜となる傾向がある。例えば、高い強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)は、スパッタ成膜後のas−depo状態において、c軸配向膜<001>配向となり、かつ自発分極の向きがc軸方向上向きに略一様に揃った膜となる。なお、このc軸方向へ分極した場合の比誘電率は他の分極軸へ分極した場合と比較して最も小さい比誘電率となることが知られている。
かかる成膜方法を用いることにより、分極処理を必要とせず、簡易なプロセスにて、高い表面電荷密度を有し、更に、誘電率の比較的小さい誘電分極体層10を得ることができる。
一方、結晶配向性を有する強誘電体層を形成後、分極処理を施すことにより誘電分極体層を形成してもよい。
強誘電体層の分極方法としては、特に制限されず、一般的な方法であるコロナ放電処理等を挙げることができる。脱分極による特性劣化を防止する観点からは、誘電分極体層を構成する強誘電体の抗電界値は高い方が好ましい。耐熱性の観点および脱分極による特性劣化の観点からも、誘電分極体層を構成する強誘電体のキュリー温度は高い方が好ましい。
静電容量変化型の発電素子1は、以上のように構成されている。
発電素子1は、上記構成を有していればその製造方法は特に限定されない。下部電極21上への強誘電体層(分極処理前の誘電分極体層)10の形成方法としては、強誘電体層10の態様によって適宜好適な方法を用いればよい。
例えば、強誘電体10がバルク体(単結晶又はセラミックス)の場合には、強誘電体10に下部電極21を蒸着あるいは導電性ペースト塗布すればよい。
また、強誘電体10が膜である場合には、上記したスパッタ法等の通常の薄膜形成技術により成膜することができる。薄膜形成技術によれば、比較的容易に配向制御が可能であり、スパッタ法などによる成膜における分極処理に関する利点は既に述べたとおりである。
一方、上述のように、発電素子1としては、強誘電体10の膜厚は厚い方がその発電量は大きくなるが、通常の薄膜形成技術によって可能な膜厚には限界がある。従って、強誘電体10を、例えば10μmを超えるような厚膜とする場合には、スクリーン印刷法やエアロゾルデポジション法(AD法)、水熱合成法等により成膜することが好ましい。
発電素子1は、誘電分極体層10として、結晶配向性を有する強誘電体を用いている。また、このとき、比誘電率が最も小さくなる分極軸が厚み方向に略平行となるように配向している。かかる構成によれば、非常に大きな表面電荷密度を有するのみならず、低い誘電率を有するため、より大きな発電特性を達成することができる。また、強誘電体として、ペロブスカイト型酸化物等の無機材料を用いた構成では、樹脂材料に比して高い耐熱性を有し、且つ、発電効率の高い発電素子1とすることができる。
表1は、種々の強誘電体を用いて誘電分極体層10を形成した場合の、静電容量変化型発電素子の発電量を、表面電荷密度及び誘電率の値を上記式(1)に代入して見積もった値を示したものである。表1において、発電量は、フッ素系ポリマー(サイトップ(登録商標),旭硝子社製)からなる誘電分極体層10として得られた発電量を基準値「1」とした場合の相対発電量として示してある。
また、表1の強誘電体の組成は、PZTセラミクス及びc−PZTはPb(Ti0.5,Zr0.5)O,c−BFO−BTOは(Bi0.8,Ba0.2)(Fe0.8,Ti0.2)O,BFO−BTOセラミクスは(Bi0.7,Ba0.3)(Fe0.7,Ti0.3)O、KNN系セラミクスは(K0.5,Na0.5)NbO、c−BFOはBiTiOとした。c−との表記はc軸配向を意味する。また、PZTコンポは、有機バインダーにPb(Ti0.5,Zr0.5)O微粒子を60vol%の割合で分散させたものとした。
表1に示されるように、サイトップ、無機物を用いた場合については、一般的なエレクトレット材量と比較して格段に大きい発電量が得られる。また、無機物では無配向のものであってもサイトップの数百倍の発電量が見積もられ、さらに、膜では数千倍、単結晶では1万6千倍にも上る発電量が見積もられた。また、PZTを高分子材料に分散させたPZTコンポジットについてもサイトップと比較して数十倍の発電量が得られる。
「設計変更」
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
例えば、上述の電極、誘電分極体および誘電エラストマーを複数積層し、それらを直列または並列接続して発電量を向上させた発電装置を構成してもよい。
本発明の発電素子は、波力、水力、風力などの自然エネルギーによる発電をはじめ、靴や床に埋め込まれ人の歩行による発電、自動車のタイヤ等に埋め込まれ自動車の走行による発電などに利用可能である。
1 静電容量変化型発電素子
10 誘電分極体層(強誘電体)
11 誘電エラストマー層
12 積層体
21 下部電極
22 上部電極

Claims (7)

  1. 静電容量変化型の発電素子であって、
    誘電分極体と誘電エラストマー層とが積層されてなる積層体、および
    該積層体の積層方向の上下に配された一対の電極を備え、
    前記誘電分極体が結晶配向性を有する強誘電体からなることを特徴とする発電素子。
  2. 前記強誘電体の比誘電率が最小となる分極軸が、層厚方向に略平行に配向していることを特徴とする請求項1記載の発電素子。
  3. 前記誘電分極体の残留分極値が5μC/cm以上であり、比誘電率が400以下であることを特徴とする請求項1または2記載の発電素子。
  4. 前記強誘電体が、単結晶であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の発電素子。
  5. 前記誘電エラストマー層のヤング率が100MPa以下であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の発電素子。
  6. 前記強誘電体の結晶構造がペロブスカイト構造、ビスマス層状構造、タングステンブロンズ構造のいずれかであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の発電素子。
  7. 前記強誘電体が、鉛を含まないペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の発電素子。
JP2011022342A 2011-02-04 2011-02-04 静電容量変化型発電素子 Withdrawn JP2012164727A (ja)

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