JP2012163499A - 故障判定回復方法及びこの方法を用いた差圧センサ及び流量計測調整弁装置 - Google Patents

故障判定回復方法及びこの方法を用いた差圧センサ及び流量計測調整弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】独立した2つの圧力センサを備える差圧センサにおける故障判定と修復を可能とする。
【解決手段】流体が流れる流路の第1及び第2の測定点にそれぞれ配置される第1及び第2の圧力センサと、第1及び第2の圧力センサの各出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、第1及び第2の圧力センサと差圧計算手段との間に設けられて各圧力センサの出力を予め定められた補正特性でレベル補正する補正手段と、第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び差圧出力と判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、異常と判別されたとき、異常に該当する圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する補正特性設定手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体や気体等の流体が流れる流路中の2箇所における流体圧力の差を検出する差圧センサの故障を判定し可及的に故障を回復する差圧センサの故障判定回復方法及びこの方法を用いた装置に関する。
差圧センサは、流体の流量の検出や対象物における流体の流れ状態の判別などに使用される。例えば、特開2008−111409号公報(引用文献1)に記載の差圧センサの検出システムでは、内燃機関から排出される燃焼ガス中の微粒子を排出流路で捕集するフィルタの捕集量などの判断にフィルタ前後の排出流路の圧力差を単体で直接検出できる差圧センサが使用されている。
また、特開2009−115271号公報(引用文献2)に記載の流量計測弁では、流路の途中に配置された弁体の上流側の圧力センサと該弁体の下流側の圧力センサの各圧力の差と弁体の開度から流体の流量を計算している。
この差圧センサの故障を検出できることが望ましい。そこで、引用文献1に記載の差圧センサの故障判断システムでは、上流側圧力と大気圧との差ΔP1と、下流側圧力と大気圧との差圧ΔP2とを求め、|ΔP1−ΔP2|の値と基準値δと比較することによって故障を判別している。
特開2008−111409号公報 特開2009−115271号公報
しかしながら、上述した引用文献1に記載の差圧センサの故障判断手法は、1個の差圧センサを用いる場合には適用できるが、上記引用文献2に記載のような、弁体の上流側に配置された第1の圧力センサと該弁体の下流側に配置された第2の圧力センサで2つの圧力値を得てそれ等の圧力差を求める構成の差圧センサの場合には適用できない。例えば、2つのセンサのうち1つのセンサのみが故障する場合が考えられるが、差圧の異常を検出しただけではいずれの圧力センサが故障したのか判別できない。更に、この判別結果に基づいて差圧センサの故障を自己回復できるようになれば差圧センサを用いた設備を止める時間(ダウンタイム)や差圧センサに不具合の存在する状態を可及的に減少することが出来て望ましい。
よって、本発明は差圧センサの故障判別を行い、故障を可及的に自己回復することができる差圧センサの故障判定回復方法及び差圧センサ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は差圧センサを用いる流量計測調整弁装置の故障判別を行い、故障を可及的に自己回復する流量計測調整弁装置の故障判定回復方法及び流量計測調整弁装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成する本発明の一態様である差圧センサ装置は、流体が流れる流路の第1及び第2の測定点にそれぞれ配置される第1及び第2の圧力センサと、上記第1及び第2の圧力センサの各出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、上記第1及び第2の圧力センサと上記差圧計算手段との間に設けられて各圧力センサの出力を予め定められた補正特性でレベル補正する補正手段と、上記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、上記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び上記差圧出力と上記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、上記異常と判別されたとき、異常に該当する圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を上記補正手段に再設定する補正特性設定手段と、を備える。
かかる構成とすることによって差圧センサの出力補正部における補正特性(あるいは補正パラメータ)の書替りによる圧力出力の異常から回復させることが可能となる。
また、本発明の一態様は、流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置において、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、上記流路の上記開閉調整弁の上流側と下流側にそれぞれ配置された第1及び第2の圧力センサと、上記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め定められた設定に従って補正する補正手段と、補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、上記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、上記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び上記差圧出力と上記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、上記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を上記補正手段に再設定する補正特性設定手段と、を備える。
かかる構成とすることによって差圧式の流量計測調整弁装置における差圧センサの出力補正部における異常を、補正特性(あるいは補正パラメータ)を再設定することにより回復させることが可能となる。
好ましくは、更に、上記補正手段に補正特性を再設定した後も上記圧力センサの異常が解消しないときに上記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる切替手段を備える。それにより、流量計測調整弁装置が停止することを可及的に回避する。
また、本発明の一態様は、流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置において、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、上記開閉調整弁の上流側と下流側の流体の圧力差を出力する第1及び第2の差圧センサと、上記第1及び第2の差圧センサのうちいずれかの差圧センサを選択して差圧出力を得る選択手段と、選択した上記差圧センサの異常を判別する異常判別手段と、上記異常を回復する異常回復手段と、を備え、上記差圧センサは、第1及び第2の圧力センサと、上記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、を含み、上記異常判別手段は、上記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、上記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び上記差圧出力と上記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、を含み、上記異常回復手段は、上記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する、
かかる構成とすることによって予備の差圧センサを備える流量計測調整弁装置において、差圧センサを構成する圧力センサの出力補正部の補正特性が再設定されることによって圧力センサにおける異常状態を可及的に回復することが可能となる。
好ましくは、更に、上記異常回復手段は、上記判別手段が上記補正特性の上記補正手段への再設定後に上記圧力センサの異常を判別したものであるとき、上記選択手段に上記差圧出力を得る差圧センサの選択を変更させる。それにより、不具合のある差圧センサを他の差圧センサに切り替えて異常状態を回復することが可能となる。
好ましくは、更に、上記異常回復手段は、上記差圧センサの選択を変更させた後も選択した圧力センサの異常の判別が解消しないときに上記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる。それにより差圧センサ交換によっても異常状態が解消しない場合に流量計測調整弁装置の弁調整機能を可及的に維持して流体系システムのダウンタイムを減少を図る。
また、本発明の一態様は、流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置の故障判定回復方法において、上記流量計測調整弁装置は、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、上記流路の上記開閉調整弁の上流側と下流側にそれぞれ配置される第1及び第2の圧力センサと、上記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、上記第1及び第2の圧力センサの出力を使用して上記開閉調整弁を制御するマイクロコンピュータとを含み、上記マイクロコンピュータは、補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算過程と、上記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶過程と、上記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び上記差圧出力と上記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別過程と、上記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を上記補正手段に再設定する補正特性設定過程と、を実行する。
かかる構成とすることによって流量計測調整弁装置に使用される圧力センサの出力補正手段(補正回路あるいは補正演算部)における補正特性(補正パラメータ)の書替りによる異常を回復することが可能となる。
好ましくは、更に、上記マイクロコンピュータは、上記補正手段に補正特性を再設定した後も上記圧力センサの異常が解消しないときに、上記開閉調整弁を上記差圧出力に基づく流量調整から開度調整の制御に変更する。それにより、流量計測調整弁装置の継続使用を可能として流体システムのダウンタイムを減少する。
また、本発明の一態様は、流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置の故障判定回復方法において、上記流量計測調整弁装置は、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、上記開閉調整弁の上流側と下流側の流体の圧力差を出力する第1及び第2の差圧センサと、上記第1及び第2の差圧センサのうちいずれかの出力を選択する選択手段と、選択された差圧センサの出力を使用して上記開閉調整弁を制御するマイクロコンピュータと、を備え、上記差圧センサは、第1及び第2の圧力センサと、上記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、を含み、上記マイクロコンピュータは、上記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶過程と、上記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び各出力差と上記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別過程と、上記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を上記補正手段に再設定する過程と、を実行する。
かかる構成とすることによって、流量計測調整弁装置における圧力センサの出力の補正手段における補正特性の書替りの異常状態を回復することが可能となる。
好ましくは、更に、上記マイクロコンピュータは、上記補正特性の上記補正手段への再設定後に上記圧力センサの異常を判別したものであるとき、上記選択手段に上記差圧出力を得る差圧センサの選択を変更させる。それにより、不具合の差圧センサを他の(予備の)差圧センサに切り替え、流体のシステムの運転をそのまま継続することが可能となる。
好ましくは、更に、上記マイクロコンピュータは、上記差圧センサの選択を変更させた後も選択した圧力センサの異常の判別が解消しないときに上記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる。それにより、流体のシステムのダウンタイムを可及的に減少する。
好ましくは、上記流量計測調整弁装置は、更に、上記流体の温度を測定する温度センサを備え、上記マイクロコンピュータは、更に、上記第1及び第2の圧力センサの各出力と共に測定した温度を記録する過程を含み、上記異常の判別を行う過程において判別の要素に前記温度を加える。それにより、温度依存に起因する異常に対応することが可能となる。
好ましくは、上記判別データには、上記第1及び第2の圧力センサの各出力と上記第1及び第2の圧力センサ相互の出力差が含まれる。それにより、差圧センサにおける各圧力センサの出力、差圧の異常を判別することが可能となる。
好ましくは、上記判別データには、上記第1及び第2の圧力センサの各出力の変化における異常を判別するデータが含まれる。それにより、圧力センサの出力の変化範囲に関する異常状態を判別することが可能となる。
好ましくは、上記判別データには、上記第1及び第2の圧力センサ相互間の出力の連動性における異常を判別するデータが含まれる。それにより、2つのペアの圧力センサ間における連動性の異常を判別可能となる。
本発明の差圧センサ装置の概略を説明する説明図である。 圧力センサの例を説明する説明図である。 各圧力センサの出力の読み取りを説明するフローチャートである。 各圧力センサ出力の異常判別を説明するフローチャートである。 各圧力センサ出力の異常判別の基準例を説明する説明図である。 各圧力センサ出力の異常判別の基準例を説明する説明図である。 圧力差の異常判別の基準例を説明する説明図である。 各圧力センサ出力の経時的異常判別を説明するフローチャートである。 各圧力センサ出力の経時的異常判別の基準例を説明する説明図である。 圧力センサ間の連動性を利用した異常判別の例を説明する説明図である。 圧力センサ間の連動性の異常判別を説明するフローチャートである。 連動性の異常判別の基準例を説明する説明図である。 圧力センサの温度依存性の検査を説明するフローチャートである。 温度依存性判別の基準例を説明する説明図である。 差圧センサの異常判別結果に基づく自己回復の例を説明するフローチャートである。 ASIC部の構成例を説明する説明図である。 ASIC部の他の構成例を説明する説明図である。 予備差圧センサを備える他の実施例を説明する説明図である。 差圧センサを構成する圧力センサの出力値に異常がある場合の自己回復を説明するフローチャートである。 差圧センサの差出力に異常がある場合の自己回復を説明するフローチャートである。 差圧センサを構成する圧力センサの出力変化に異常がある場合の自己回復を説明するフローチャートである。 差圧センサを構成する圧力センサの出力に変化しない異常がある場合の自己回復を説明するフローチャートである。 差圧センサを構成する圧力センサの出力に連動しない異常がある場合の自己回復を説明するフローチャートである。 差圧センサを構成する圧力センサの出力が温水時に異常となる場合の自己回復を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の実施形態では、本発明の差圧センサ装置を流量計測調整弁に適用したものを例に説明するが、本発明の差圧センサ装置が適用されるものはこれに限られず、例えば、ビルの冷暖房設備における熱媒体の供給系、内燃機関の吸気系、排気系、化学プラントの流体の供給系など種々の装置・システムに適用可能である。
図1は、流量計測調整弁装置(全体)と、同装置に設けられた差圧センサ装置(全体から弁20などを除いた圧力検出処理部分)の例を説明するブロック図である。同図において、水や空気などの流体が一方向に流れる流路10の途中に弁開度可変な弁20が配置されている。弁20には流量を調整する弁を開閉するアクチュエータなどの制御機構が設けられているが、周知のものが使用されているので説明を省略する。
弁20近傍の上流側及び下流側の流路10には、それぞれ枝管11及び12が設けられている。枝管11及び12は差圧センサ30に接続される。差圧センサ30は2つの圧力センサを備えている。第1の圧力センサは圧力センサ部31とASIC(Application Specific Integrated Circuit)部34によって構成され、第2の圧力センサは圧力センサ部32とASIC部35によって構成される。後述するように、圧力センサ部31はセンサに印加される圧力を抵抗体や圧電体などによって電気信号に変換する。ASIC部34は増幅器やフィルターなどの電気回路によって構成され、センサ部31が出力する電気信号を信号処理して、例えば、センサ部31の入出力特性の非直線性を等価的に改善する。センサ部31の出力はレベル補正されて圧力信号P1として後述のマイクロコンピュータ(MPU)40の入力インタフェースに供給する。
ASIC部34は、例えば、マイクロコンピュータ40によって設定される制御パラメータ(プログラム)によって機能ブロックの接続や特性が定義されて種々の電気回路特性(機能)が決定される。圧力センサ部32及びASIC部35も同様に構成され、圧力信号P2をマイクロコンピュータ40の入力インタフェースに供給する。
図16はASIC部34の構成例を示している。ASIC部35はASIC部34と同様に構成される。同図に示すようにASIC部34は、圧力センサ31が出力したレベル信号を所定のサンプリング周期でデジタル化して圧力データ信号に信号に変換するAD変換器34b、一連の圧力データ信号に対してフィタリング処理などを行って圧力信号を補正する補正演算部34c、フィタリング処理などにおける補正演算のパラメータの値(定数)を記憶するパラメータメモリ34d、ASIC部34や圧力センサの動作状態などを可視的に表示する表示部34eなどによって構成される。
パラメータメモリ34dは、例えば、EEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリや状態レジスタなどによって構成され、マイクロコンピュータ40によってそのROM部43などに記憶された補正演算のパラメータ値が書き込まれる。なお、図示しないネットワーク上のサーバーやプロセスコントローラに補正演算の定数を記憶しておき、オンラインでパラメータメモリに書き込むようにしても同様の結果が得られる。
図17は複数の圧力センサでASIC部を共用する例を示している。後述する複数の差圧センサを用いる場合に特に好適な構成例である。この例では、ASIC部36にはマルチプレクサ36aが初段に設けられており、複数の圧力センサ31,…,32が出力したレベル信号のいずれかが選択される。他はASIC部34と同様の構成であり、選択された圧力信号を所定のサンプリング周期でデジタル化して圧力データ信号に信号に変換するAD変換器36b、一連の圧力データ信号に対してフィタリング処理などを行って圧力信号を補正する補正演算部36c、フィタリング処理などにおける補正演算のパラメータの値(定数)を記憶するパラメータメモリ36d、ASIC部36や圧力センサの動作状態などを可視的に表示する表示部36eなどを備えている。
この例では、マルチプレクサ36aが各圧力センサの出力を順次選択することができる。補正演算部36cにおいて時間軸上に順次に配列された各圧力センサのデータを各圧力センサ毎に分けて再構成し、各圧力センサの出力データについて信号処理を施すことができる。勿論、図16に示すように複数の圧力センサの各々にASIC部を設けることとしても良い。
パラメータメモリ36dは、34dと同様にEEPROMなどの不揮発性メモリや状態レジスタなどによって構成され、マイクロコンピュータ40によってそのROM部43などに記憶された補正演算のパラメータ値が書き込まれる。なお、図示しないネットワーク上のサーバーやプロセスコントローラに補正演算の定数を記憶しておき、オンラインでパラメータメモリに書き込むようにしても同様の結果が得られる。
圧力センサ部31及び32は一つの筐体に収納され、センサ相互間が伝熱材などによって熱的に接続されることによって同じ温度になるように考慮されている。差圧センサ30の筐体には温度センサ33が配置されており、圧力センサ部31及び32の温度が測定される。圧力センサ部31及び32には流体が導入されるので、圧力センサ部31及び32の温度は流体の温度に略等しい。温度センサの出力Tはマイクロコンピュータ40の入力インタフェース42に供給される。なお、図示しないが2つの温度センサ33によって圧力センサ部31及び32の温度を別々に測定することとしても良い。
マイクロコンピュータ40は、プログラムによって上流側の圧力信号P1と下流側の圧力信号P2との圧力差ΔPを演算する差圧計算部と故障判別プログラムによって実現される故障判別部を含む。更に、例えば、流路径、圧力差、弁開度などに基づいて流体の流量計算などを行う流量計算部を含むことができ、プロセスコントローラに流路10の流量を出力することができる。この場合には、マイクロコンピュータ40は差圧センサ30と共に流量計を構成する。
図1に示すように、マイクロコンピュータ40として、例えば、1チップ構成のマイクロコンピュータシステムを使用することが装置の小型化、低コスト化などの点で好適である。マイクロコンピュータ40は、CPU(複数のCPUで複数のプロセスを同時に実行可能に構成することができる。)41、入力インタフェース42、不揮発記憶のROM部43、大容量記憶のRAM部(以下、「メモリ部」とも称する。)44、出力・通信などのインタフェース45、アクチュエータなどを駆動する駆動回路部46などを備えた周知構成のものを使用可能である。
入力インタフェース42は各圧力センサの出力信号P1、P2、及び温度信号TをCPU41が利用できるように(アナログ信号である場合には)デジタル化(A/D変換)し、所定周期あるいは指令に応じてメモリ部44の所定記憶場所(あるいは図示しないレジスタなど)に書き込み、書込フラグを設定する。
出力インタフェース45はCPU41の出力を所定の信号フォーマットに変換して外部のネットワークやプロセスコントローラなどに出力する。ROM部43は、例えば、差圧演算や故障判別などの制御プログラムや制御用データなどを記憶するフラッシュメモリ(書換可能)により構成され、RAM部44は実行プログラム、演算処理データ、データの一時保存に利用する高速大容量のメモリによって構成される。ROM部、RAM部は、SSD(Flash Solid State Drive)、ハードティスクなどによっても構成することができる。RAM部44には圧力センサの出力信号P1、P2、及び温度信号Tなどの一連のサンプリングデータが保持されデータベースを構成する。この計測データは不揮発であることが望ましく、電池によるメモリのバックアップやSSDへのデータ移動が必要により行われる。
また、必要によりマイクロコンピュータ40からネットワークを介して図示しないサーバーやNAS(ネットワーク記憶装置)などに計測データや制御プログラム、制御パラメータなどを保存し、読み出すように構成することもできる。
マイクロコンピュータ40は、差圧ΔPや流体の流量を図示しないプロセスコントローラに出力し、プロセス制御の情報データを提供する。また、図示しないネットワークを介して外部コンピュータシステムと接続することができる。
また、マイクロコンピュータ40は、プロセスコントローラや手入力等によって指定された流量や弁開度となるように弁20の開度を決定するアクチュエータ制御機能を備えるものであっても良く、流量計測調整バルブの制御部あるいは弁開度調整の制御部の一部として構成することができる。また、マイクロコンピュータ40の機能を図示しないプロセスコントローラなどの別途のコンピュータシステムによって実現することができる。
また、マイクロコンピュータ40は、差圧センサ30と同一筐体に構成されても良く、差圧センサ30から離間して別体に構成されても良い。
また、マイクロコンピュータ40は便宜的な演算や制御の手段であり、通常のアナログ回路やデジタル回路で構成しても良く、実施例の構成に限定されるものではない。
なお、プロセスコントローラによるプロセス制御は本発明の対象外であるのでその説明は省略する。
図2は、圧力センサ部31の概略構成例を示している。圧力センサ部32も同様に構成される。
圧力センサ31部は、ケース31aの内部空間がダイヤフラム31fによって上部空間と下部空間に仕切られている。下部空間にはケース31aの下面に接続された枝管11によって流路10から流体が導入されている。上部空間は密閉されており、封入液31eが充填されている。ケース31aの上面には空気孔31dが開口しており、この孔を内側から塞ぐように半導体圧力センサ31cが配置されている。半導体圧力センサ31cはシリコンチップで構成され、その一面の感圧部(シリコンのダイヤフラム)に流体の圧力がダイヤフラム31f、封入液31eを介して印加される。シリコンチップの他面(背面)には空気孔31dを介して大気圧が印加される。感圧部の両側の圧力差によって、例えば、感圧部(シリコンダイヤフラム)の表面に不純物イオン注入などによって形成された抵抗体が微小変形し、抵抗値が変化する。この抵抗体は抵抗ブリッジ回路の一辺を構成しており、圧力に応じた電圧出力が得られる。この電圧はリード端子31bを介してセンサ部31に隣接して設けられたASIC部34に出力される。センサ電圧はASIC部34で信号処理されて弁20の上流側の圧力を表す圧力信号P1としてマイクロコンピュータ40に出力される。なお、感圧体は、圧電体や、薄膜トランジスタなどであっても良く、抵抗体に限定されるものではない。
圧力センサ32は圧力センサ部31と同様に構成され、センサ電圧はASIC部35で信号処理されて弁20の下流側の圧力を表す圧力信号P2としてマイクロコンピュータ40に出力される。
上述したように、差圧センサ30の筐体に設けられた温度センサ33の出力信号Tはマイクロコンピュータ40に供給される。差圧センサ30の筐体温度は流体の温度によって決まるので、出力信号Tは略流体の温度を表す情報として利用することができる。
次に、図3乃至図14を参照して差圧センサの故障診断プログラムについて説明する。
マイクロコンピュータ40のCPU41は、差圧センサ30の故障を判別するプログラムを実行する。
故障診断は、CPU41が、例えば、予め第1及び第2の圧力センサの各出力の正常又は異常を判別する判別データと第1及び第2の圧力センサ相互の出力差(差圧センサの差出力)の正常又は異常を判別する判別データとを記憶する過程と、第1の圧力センサの出力と判別データとを比較して第1の圧力センサの異常を判別する過程と、第2の圧力センサの出力と判別データとを比較して第2の圧力センサの異常を判別する過程と、第1及び第2のセンサの出力差と判別データとを比較して出力差の異常を判別する過程と、を実行するものである。
図3は、差圧センサの故障判別部(手段・装置)として機能するマイクロコンピュータ40の制御動作を説明するフローチャートである。
同図に示すように、マイクロコンピュータ40のCPU41は、図示しないメインプログラムにおいてインタフェース42による圧力信号P1,P2のRAM部44の所定領域への書込を示すフラグの設定や、図示しない内蔵タイマの所定周期の割り込み出力などによって本サブルーチンを実行する(ステップS10)。
なお、外部からのテストモードの指令やシステムの異常検出に基づく圧力センサの異常判別指令などのイベントの発生によっても本サブルーチンを実行することができる。
CPU41は、メモリ部44に記憶された第1の圧力センサのASIC部34から供給された出力信号P1のレベルを読み取る(ステップS12)。次に、メモリ部44に記憶された第2の圧力センサのASIC部35から供給された出力信号P2のレベルを読み取る(ステップS14)。更に、後述のように必要により、メモリに記憶された温度センサ33から供給された出力信号Tを読み取る(ステップS16)。出力信号P1のレベルと出力信号P2のレベルとのレベル差ΔPを計算し、メモリ部44の所定場所に圧力差ΔPを記憶する(ステップS18)。各センサの出力信号P1,P2の読み取り、圧力差ΔPの計算、記憶を終えた後、メインプログラムに戻る(ステップS20)。
CPUはステップS10乃至S20を繰り返すことによって、サンプリングした出力信号P1,P2と、それらの圧力差ΔPとを一連の時系列的データとしてメモリ部44に保存する。これ等のデータはマイクロコンピュータ40の外部の記憶装置、例えば、ネットワーク上の記憶装置に記憶しても良い。
なお、時間的要素を含まない異常判別の場合には、判別の都度圧力センサの出力を読み取るようにしても良い。
図4は、CPUによる差圧センサ30の故障を判別する制御プログラムを説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41は、上記圧力センサの出力信号P1,P2の読み取りを行った後、あるいは故障判別の指令を受けた後、本サブルーチンを実行する(ステップS30)。
この判別手順では、圧力センサ31,32の各出力値P1,P2の正常な状態のデータ取得、圧力センサ31の出力P1の異常判別、圧力センサ31のP2の異常判別、出力P1,P2の異常判別、圧力差の出力ΔPの異常判別を行っている。以下では、便宜上、出力P1,P2の異常判別を分けて説明しているが実際には各判別(ステップS32〜S38)は同時並行的に実行されている。
(正常の場合)
まず、図5に示すように、メモリには圧力センサ31の正常出力値の範囲(例えば、800〜10800[任意単位])、圧力センサ32の正常出力値の範囲(例えば、800〜10800[任意単位])、正常な圧力差の範囲(例えば、30〜300[任意単位])が予め記憶されている。圧力センサ31の出力P1、圧力センサ32の出力P2、圧力差ΔPがこれ等の値の範囲内にある場合、差圧センサ30の動作は正常である。
(出力P1だけ異常な状態)
CPUは、メモリに記憶された圧力センサ31の出力P1と正常出力値とを読み出して比較し、図5に示すように、出力P1が正常出力値の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS32)。
例えば、流体が存在する場合に、出力P1が0[任意単位]であって、出力P2が800〜10800[任意単位]の範囲内であるとき(以下、「任意単位」の記載は省略する。)、第1の圧力センサの出力P1は異常(故障)、第2の圧力センサの出力P2は正常と判別される。この場合、原因として、例えば、圧力センサ部31系統の断線、シリコンチップ31cの破壊、何らかの原因によるASIC部34の制御パラメータの一部の書き換わりなどの異常(以下、単に「ASIC部異常」ともいう。)、弁20のアクチュエータの異常などが考えられる。
例えば、出力P1が負圧(1〜700)であって、出力P2が800〜10800の範囲内であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2は正常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ31部のシリコンチップ31cの破壊、ダイヤフラム31fの変形、ASIC部34の異常などが考えられる。
例えば、出力P1が10900以上(オーバーレンジ)であって、出力P2が800〜10800の範囲内であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2は正常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部31のシリコンチップ31cの破壊、ダイヤフラム31fの変形、ASIC部34の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第1の圧力センサ(31,34)の出力の異常を判別したとき、このCPU41は故障の警報(報知)を発令して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
(出力P2だけ異常な状態)
次に、CPU41は、メモリに記憶された第2の圧力センサの出力P2と正常出力値とを読み出して比較し、図5に示すように、出力P2が正常出力値の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS34)。
例えば、出力P1が800〜10800の範囲内であって、出力P2が0であるとき、第1の圧力センサの出力P1は正常、第2の圧力センサ(32,35)の出力P2は異常(故障)と判別される。この場合、原因として、例えば、第2の圧力センサの系統の断線、シリコンチップの破損、ASIC部35の異常、弁20のアクチュエータの異常などが考えられる。
例えば、出力P1が800〜10800の範囲内であって、出力P2が負圧(1〜700)であるとき、第1の圧力センサの出力P1が正常、第2の圧力センサの出力P2は異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部32のシリコンチップ破損、ダイヤフラムの変形、ASIC部35の異常などが考えられる。
例えば、出力P1が800〜10800の範囲内で、出力P2が10900以上(オーバーレンジ)であるとき、第1の圧力センサの出力P1は正常、第2の圧力センサの出力P2は異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部32のシリコンチップの破損、ダイヤフラム変形、ASIC部35の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第2の圧力センサ(32,35)の出力の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を発令して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
(出力P1,P2の両方が異常の場合)
次に、CPUは、メモリに記憶された第1及び第2の圧力センサの各出力P1,P2と正常出力値とを読み出して比較し、図6に示すように、出力P1,P2が共に異常値の範囲内にあるかどうかを判別する(ステップS36)。
例えば、出力P1が0であって、出力P2も0であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常(故障)、第2の圧力センサの出力P2も異常(故障)と判別される。この場合、原因として、例えば、圧力センサ31及び32のシリコンチップの破損、圧力センサ部31及び32の配線の断線、ASIC部34,35の異常、弁20のアクチュエータ側の異常などが考えられる。
例えば、出力P1が負圧(1〜700)の範囲内であって、出力P2も負圧(1〜700)であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2も異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ31、32のシリコンチップの破損、ダイヤフラムの変形、ASIC部34,35の異常などが考えられる。
例えば、出力P1が10900以上で、出力P2も10900以上であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2も異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部31,32のシリコンチップの破損、ダイヤフラムの変形、ASIC部34,35の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第1及び第2の圧力センサの出力の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
また、例えば、出力P1及び出力P2が共に大気圧(800)であるとき、流路10に流体が存在しない場合が考えられる。
CPU41が流体がないとの異常を判別したとき、異常の警報(報知)を発令して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに流体がないことを知らせる。
(圧力差ΔPが異常の場合)
次に、CPUは、メモリに記憶された第1の圧力センサの出力P1、第2の圧力センサの出力P2、差圧出力ΔPを読み出して、それらの正常出力値と比較し、図7に示すように、出力P1,P2が共に正常で差圧出力ΔPだけが異常値であるかを判別する(ステップS38)。
例えば、出力P1及び出力P2が800〜10800の範囲内であって、差圧ΔPが0であるとき、第1及び第2の圧力センサの出力P1,P2は正常、差圧ΔPは異常と判別される。
この場合の原因としては、例えば、流体が流れていない(システムの異常)ことが考えられる。CPU41は、流路10内に流体が流れていないと判別したとき、異常の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに流体が流れていないことを知らせる。
例えば、出力P1及び出力P2が800〜10800の範囲内であって、差圧ΔPが負圧であるとき、第1及び第2の圧力センサの出力P1,P2は正常、差圧ΔPは異常と判別される。
この場合の原因として、例えば、流体の逆流の発生(システムの異常)、ASIC部の異常、圧力センサ部31、32のシリコンチップの破損、ダイヤフラムの変形などが考えられる。
CPU41は、流路内の逆流を判別したとき、異常の警報(報知)を発令し、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに流体が流れていないことを知らせる。
例えば、出力P1,P2が共に800〜10800の範囲内であるが、圧力差ΔPが過大圧(4000以上)であるとき、第1及び第2の圧力センサの出力P1,P2は正常、差圧ΔPは異常と判別される。この場合の原因として、流体の流れが急であることが考えられる。また、演算部(ASIC)の異常、圧力センサ部31、32の故障などが考えられる。
CPU41は、流路内の流体の圧力が過大であると判別したとき、異常の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに流体が流れていないことを知らせる。
CPU41は、上述したステップS30乃至S38を実行した後、メインプログラムに戻る(ステップS40)。CPU41は、上述したように所定フラグの設定、所定周期の割り込みあるいは故障判別指令発生などのイベントの発生フラグに対応してステップS30乃至S38を繰り返す。
(圧力の変化量が異常の場合)
CPU41は、更に、予め第1及び第2の圧力センサの出力変化における異常を判別する判別データをメモリに記憶している。また、第1及び第2の圧力センサの各出力を経時的にメモリに記憶して、第1及び第2の圧力センサの各出力の経時的変化と判別データとを比較して各圧力センサの異常を経時的側面から判別する。
CPU41は、図8に示すように、上記判別(ステップS40)に続いてあるいは別個に、時間要素を含む差圧センサ30の異常判別を行うことができる。この判別には、圧力値の変化(一定期間における圧力値の変化パターンの異常)、変化の有無などから見た異常の判断などが含まれる。なお、図8のフローチャートでは、便宜上、出力P1の判別後にP2の判別が行われているが(ステップS52〜58)、両判別は同時並行的に行われ得る。
既述したように、メモリ部44には一定の時間間隔でサンプリングされた圧力センサの出力P1,P2,及び圧力差ΔPのデータが時系列的に複数記憶されている。CPU41は、メモリ部44に記憶された各圧力センサの出力を経時的に観察し、レベル変化(微分値あるいは差分値)、出力のゆらぎなどに関連する異常状態の判別を行う(ステップS52〜S56)。判別は以下のように行われる。
例えば、図9に示すように、出力P1に予め定められた基準値を超える急激な変化やふらつきを生じ、出力P2は800〜10800の範囲内であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2は正常と判別される。この場合の原因として、例えば、第1の圧力センサ系統の配線の半断線、接触不良、ASIC部の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第1の圧力センサの出力変動の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
また、例えば、出力P1は500〜10800の範囲内であるが、出力P2には基準値を超える急激な変化やふらつきが生じているとき、第1の圧力センサの出力P1は正常、第2の圧力センサの出力P2は異常と判別される。この場合の原因として、例えば、第2の圧力センサ系統の電気配線の半断線、接触不良、ASIC部の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第2の圧力センサの出力変動の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
例えば、所定時間を経過しても出力P1は変化せず、出力P2は800〜10800の範囲内であるとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2は正常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部31のICチップの破損、枝管などの穴詰まり、封止液漏れ、ASIC部の異常などが考えられる。
CPU41がこのような圧力センサ31の出力の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ31の異常を知らせる。
例えば、出力P1は800〜10800の範囲内であり、出力P2は所定時間を経過しても変化しないとき、第1の圧力センサの出力P1は正常、第2の圧力センサの出力P2は異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部32のシリコンチップの破損、枝管などの穴詰まり、封止液漏れ、ASIC部の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第2の圧力センサの出力の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ32の異常を知らせる(ステップS52,S54)。
例えば、出力P1,P2が所定時間を経過しても変化しないとき、第1の圧力センサの出力P1は異常、第2の圧力センサの出力P2も異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部31,32のシリコンチップの破損、センサの枝管などの穴詰まり、封止液漏れ、ASIC部の異常などが考えられる。
CPU41がこのような第1及び第2の圧力センサの両出力の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を発令して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ32の異常を知らせる。
このようにして、圧力センサの出力変化に関連する異常判別が行われる(ステップS56)。CPU41は、上述したステップS50乃至S58を実行した後、メインプログラムに戻る(ステップS58)。CPUは所定周期であるいは故障判別指令発生などのイベントの発生に対応してステップS50乃至S58を繰り返す。
(圧力センサ間の連動性に関する異常の場合)
CPU41は、図10、図11に示すように、上記判別(ステップS58)に続いてあるいは別個の計測指令に従って2つの圧力センサ間の出力の連動性に基づく差圧センサの異常判別を行うことができる(ステップS70)。
第1の圧力センサが流路の計測点(例えば、弁20)の上流側に配置され、第2の圧力センサが計測点の下流側に配置されている場合、上流側から下流側に流体の圧力が伝搬する。したがって、図10に示すように、上流側の圧力センサの出力P1の波形の関数fP1と下流側の圧力センサ出力P2の出力波形の関数fP2とは所定時間差Δt遅延した関係があり、近似的に次のように表すことが可能である。
P1(t)≒fP2(t+Δt)+ΔP (ΔP:出力差)
そこで、例えば、記録した一連の出力データP1,P2,ΔPの一定の時間範囲において、|fP1(t)−fP2(t+Δt)+ΔP|の累積値の大小を見ることによって圧力センサ出力の連動性を判別することが可能である。
例えば、図12に示すように、出力P1,P2の間に連動性がないと判断されたとき、第1の圧力センサ又は第2の圧力センサ32が異常、又は両方異常と判別される。この場合の原因として、例えば、圧力センサ部31,32のシリコンチップの破損、ASIC部の異常などが考えられる(ステップS72)。
また、例えば、出力P1の立ち上がりに対して出力P2の立ち上がりが遅いとき(一方が他方に対して立ち上がりが遅いとき)、第1の圧力センサと第2の圧力センサとの連動性が異常と判別される。例えば、圧力センサ部32の枝管などの穴詰まり(隙間はあるが狭くなっている)が生じているとき、圧力センサ部32のシリコンチップの破損、ASIC部の異常などが原因として考えられる(ステップS74)。
CPU41がこのような第1及び第2の圧力センサの両出力の連動の異常を判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに圧力センサ32の異常を知らせる。
CPU41は本サブルーチンの終了後、メインプログラムに戻る(ステップS76)。前述と同様にサブルーチンの実行を繰り返す。
(流体の温度により異常が発生する場合)
圧力センサ部31,32の封止液31e中に気体(空気)が混入した場合、流体の温度が高くなると封止液31e中の気泡が膨らんで(温水時)に異常出力が発生することが考えられる。また、封止液31eが漏れて流体(温水)がダイヤフラム31fを超えてセンサ内部(シリコンチップ側)に侵入することやASIC部の温度特性に関する回路機能の異常が生じることも考えられる。そこで、差圧センサ30の温度依存性の検査が行われることが望ましい(ステップS80)。
例えば、既述したように、CPU41は出力P1,出力P2の正常・異常判別において異常出力が認められたときに温度出力Tを読み取り(ステップS82)、流体温度が判別基準値tsよりも高い場合に既述した各種の異常検出がなされているかを判別する(ステップS84)。
CPU41が第1又は第2の圧力センサに温度依存性があると判別したとき、故障の警報(報知)を出して設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに該当する圧力センサの異常を知らせる。CPU41は本サブルーチンの終了後、メインプログラムに戻り、前述と同様にサブルーチンの実行を繰り返す(ステップS86)。
なお、既述したように第1及び第2の圧力センサ各々に温度センサを設けても良い。これは第1及び第2の圧力センサ相互間が熱的に分離しているような場合に都合がよい。
(故障状態からの自己回復)
上述した本発明の複数の実施例によれば、少なくとも2つの圧力センサで差圧を検出する差圧センサの異常(故障)を各センサ毎に及び両センサの動作状態において判別することができて具合がよい。この判別結果に対応して差圧センサの不具合を自己修復することが出来れば流体を制御するシステムにおけるダウンタイムなどが減少し、制御系の信頼性が向上して好都合である。
以下、上述した差圧センサを判別した異常状態から自己回復させる例について説明する。自己回復の手法は1つの差圧センサを用いる場合と複数の差圧センサ(予備差圧センサ)を用いる場合とに大別される。
(1つの差圧センサを使用する場合)
図15は、上述した一組の圧力センサを備える1つの差圧センサの異常判別結果に基づいてCPU41(あるいはMPU40)が異常状態の修復を行う例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41は、差圧センサに異常(あるいは故障)が存在するとメインプログラムにおける自己回復モードのフラグ設定やプロセスコントローラからの指令に従って本サブルーチン(自己回復モード)を実行する。なお、既述した各種の異常判別に続いて本サブルーチンを実行しても良い。
CPU41は予め既述した差圧センサの各種の異常判別プロセスにおいて異常を検出すると当該異常の種類(異常・故障の名称など)に対応したフラグをレジスタに設定し、関連する計測データなどをメモリに保存している(ステップM100)。
CPU41は上記フラグのレジスタを参照して既述した圧力センサ31あるいは圧力センサ32などの異常の種類を読み取る。前述したような再度計測を行い、異常判別を行っても良い(ステップM102)。当該異常の原因がASIC部の異常(パラメータの書き換わり)によるものか確認する。既述したようにASIC部の異常は各種の異常判別の原因として広範囲に影響している(ステップM104)。CPU41はROM部42に記憶しているパラメータのデータを該当するASIC部のパラメータメモリ、例えば、ASIC部34のパラメータメモリ34dに与えて補正演算部34cの演算処理式の係数を再設定する。なお、圧力センサ自体の検出特性変化などが異常の原因の場合には、エラーを補償する(特性を補正する)ような別のパラメータ値に更新することとしても良い(ステップM106)。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する圧力センサの故障判別を行う(ステップM108)。圧力センサの出力値が正常値か異常値かを判別する(ステップM110)。異常値が解消した場合には(ステップM110;No)、異常(故障)原因は補正演算部におけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップM112)。これにより、異常状態は回復し、差圧センサの故障は自己回復する(ステップM114)。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻り、自己回復の対象が更にあれば本サブルーチンを繰り返す(ステップM116)。
一方、異常値が解消しない場合には(ステップM110;Yes)、CPU41は、例えば、流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しなくとも使用できる開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップM118)。CPU41はこの制御モードで動作していることや不具合の存在を表示部34eに表示させる。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップM120)。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップM122)。
本実施例によれば、1つの差圧センサにおける異常を検出するとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。また、パラメータ更新によって回復しない場合には、流量計測調整弁20の制御モードが切り替えられて弁が開度調整弁として引き続き使用可能な状態になる。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(予備センサを備える流量計測調整弁装置)
次に、流量調整弁20が2つ(複数)の差圧センサを備える場合について説明する。上述のように差圧センサの異常状態がASIC部のパラメータ更新によって自己回復する場合があるが、異常状態の発生が他の原因である場合には自己回復できないこともある。そこで、異常と判断された差圧センサから他の(正常な)差圧センサに切り替えることによってシステムのダウンタイムを減少して流量制御システムの信頼性を向上することができる。
図18は、正副2つの差圧センサ30a、30bを備える流量計測弁装置の例を示している。差圧センサが主(正)センサ30aと予備(副)センサ30bを備える場合について説明する。なお、同図において図1と対応する部分には同一符号を付しかかる部分の説明は省略する。
同図において、水や空気などの流体が一方向に流れる流路10の途中に弁開度可変な弁20が配置されている。弁20には流量を調整する弁機構を開閉する図示しないアクチュエータなどの制御機構が設けられているが、周知のものが使用されているので説明を省略する。
弁20の近傍には第1及び第2の差圧センサ30a及び30bが配置されている。差圧センサ30a及び30bの各々は圧力センサ31及び32とASIC部36で構成されている。
弁20近傍の上流側及び下流側の流路10には、それぞれ枝管11及び12が設けられている。枝管11は切替弁21を介して更に2つの枝管に分岐され、それぞれ2つの差圧センサの圧力センサ31,31に接続される。枝管12は切替弁22を介して更に2つの枝管に分岐され、それぞれ2つの差圧センサの圧力センサ32,32に接続される。切替弁21,22によって選択された差圧センサ30a又は30bに流体の圧力が導入される。既述したように、圧力センサ部31及び32はセンサに印加される圧力を抵抗体や圧電体などによって電気信号に変換する。
ASIC部36は、例えば、既述図17に示したように構成することができ、センサ部31及び32の印加圧力対出力特性の非直線性を等価的に改善する。ASIC部36のパラメータメモリ36dは不揮発性メモリや状態レジスタなどによって構成され、マイクロコンピュータ40によってそのROM部43などに記憶された補正演算のパラメータ値が書き込まれる。なお、図示しないネットワーク上のサーバーやプロセスコントローラに補正演算の定数を記憶しておき、オンラインでパラメータメモリに書き込むようにしても同様の結果が得られる。センサ部31,32の出力はASIC部36でレベル補正されて圧力信号P1,P2としてマイクロコンピュータ(MPU)40の入力インタフェースに供給する。ASIC部36には表示器36eが設けられており、CPU41によって現在選択されているかどうか、異常(エラー)発生の有無などが表示され、捜査員の保守などの便宜が図られている。なお、ASIC部は既述の図16に示した圧力センサ毎にASIC部が設けられる構成としても良い。
差圧センサ30a及び30b各々の圧力センサ部31及び32は一つの筐体に収納され、センサ相互間が伝熱材などによって熱的に接続されることによって同じ温度になるように考慮されている。差圧センサ30a及び30bの筐体には温度センサ33が配置されており略流体の温度が測定される。なお、温度センサ33はいずれか一方の筐体に配置しても良い。図18においては1つの温度センサのみを示している。温度センサの出力Tはマイクロコンピュータ40の入力インタフェース42に供給される。
前述したように、マイクロコンピュータ40は、プログラムによって上流側の圧力信号P1と下流側の圧力信号P2との圧力差ΔPを演算する差圧計算部と故障判別プログラムによって実現される故障判別部を含む。更に、例えば、流路径、圧力差、弁開度などに基づいて流体の流量計算などを行う流量計算部を含むことができ、プロセスコントローラに流路10の流量を出力することができる。この場合には、マイクロコンピュータ40は差圧センサ30a(又は30b)と共に流量計を構成する。更に、マイクロコンピュータ40は、後述する自己修復プログラムを実行する。
また、マイクロコンピュータ40は、プロセスコントローラや手入力等によって指定された流量や弁開度となるように弁20の開度を決定するアクチュエータ制御機能を備えるものであっても良く、流量計測調整弁の制御部あるいは弁開度調整の制御部の一部として構成することができる。また、マイクロコンピュータ40の機能を図示しないプロセスコントローラなどの別途のコンピュータシステムによって実現することができる。
また、マイクロコンピュータ40は、差圧センサ30a及び30bと共に弁体機構と同一の筐体に構成されても良く、差圧センサ30a及び30bから離間して別体に構成されても良い。
また、マイクロコンピュータ40は便宜的な演算や制御の手段であり、通常のアナログ回路やデジタル回路で構成しても良く、実施例の構成に限定されるものではない。
なお、プロセスコントローラによる空調設備やプラントなどのプロセス制御は本発明の対象外であるのでその説明は省略する。
(予備センサを備える流量計測調整弁装置の自己修復動作)
次に、上述した予備センサを備える流量計測調整弁装置の自己修復動作について説明する。
(圧力値異常の場合からの回復)
図19は、圧力センサの出力値が異常値である場合の自己修復例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS100)。まず、CPU41によって切替弁21及び22が差圧センサ30aを選択しているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの圧力センサの出力の読み取り(ステップS10)、圧力センサの故障判別(ステップS30)を行い、各圧力センサ出力値から故障(異常)判定を行う(ステップS102)。例えば、圧力センサ31の出力P1の値が異常値である場合(ステップS104)、差圧センサ30aのASIC部のパラメータの再書き込みを行う(ステップS106)。既述したようにASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。パラメータメモリ36dの保持内容は、例えば電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する圧力センサの出力を読み取り、故障判別を行う(ステップS108)。圧力センサの出力値が正常値である場合(ステップS110;No)。異常(故障)原因は補正演算部におけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップS112)。これにより異常状態は終了し、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく回復する。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリ43などに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS114)。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る。更に、他のセンサ出力に異常値があれば本サブルーチンを繰り返す(ステップS116)。
一方、圧力センサの出力値の異常状態が解消しない場合には(ステップS110;Yes)、CPU41は、切替弁21及び22を動作させて差圧センサ30aから予備センサとしての差圧センサ30bに選択を切り替える。流体の圧力が差圧センサ30bの圧力センサ31及び32に導入される(ステップS118)。差圧センサ30bを動作させて圧力センサ31及び32の出力値から故障(異常)判定を行う(ステップS120)。
例えば、切り替えられた差圧センサ30bの圧力センサ31の出力P1が異常値ではない場合(ステップS122;No)、故障の原因は差圧センサ30aの異常であると判断される(ステップS124)。例えば、このような異常の原因として、圧力センサにおける断線、圧力センサのシリコンチップ31cの破壊などが考えられる。CPU41は、後日差圧センサ30aを交換するように保守用ファイルに記録し、あるいは外部のプロセスコントローラなどに報知する。また、差圧センサ30aから予備の差圧30bに選択が切り替えられたことがASIC部の表示器36eに表示され、保守の便宜が図られる(ステップS128)。
例えば、圧力センサ31の出力P1の値が異常値である場合(ステップS104)、差圧センサ30aのASIC部のパラメータの再書き込みを行う(ステップS106)。既述したようにASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。パラメータメモリ36dの保持内容は、例えば電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS130)。
一方、圧力センサの出力値の異常状態が解消しない場合には(ステップS122;Yes)、故障原因は差圧センサ30a以外の部分にあると考えられる。また、流体の圧力が実際に異常な圧力状態となっていることなどが考えられる(ステップS132)。CPU41は、例えば、流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しなくとも使用できる開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップS134)。CPU41は異なる制御モードで動作していることや異常の存在を表示部34eに表示する。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して異常の発生や自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS136)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS138)。
なお、上述の例では圧力センサ31の出力P1が異常値である場合について説明したが、圧力センサ32の出力P2の場合にも同様の判別・処理が行われる。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されるとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。このパラメータ更新によって差圧センサが異常状態から回復しない場合には異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合には流量計測調整弁20が差圧センサを使用しない開度調整弁として引き続き使用可能な状態になる。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(差圧出力ΔP異常の場合からの回復)
図20は、差圧値ΔPが異常である場合の自己回復の例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS100)。まず、CPU41によって切替弁21及び22が差圧センサ30aを選択しているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの各圧力センサの出力の読み取り(ステップS10)、圧力センサの故障判別(ステップS30)を行い、各圧力センサ出力値から差圧の故障(異常)判定を行う(ステップS30、S202)。差圧センサ30aの差圧出力ΔPの値が異常値である場合(ステップS38、S204)、差圧センサ30aのASIC部36のパラメータの再書き込みを行う(ステップS206)。ASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。既述のようにパラメータメモリ36dの保持内容は、例えば、電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する差圧センサ30aの出力ΔPを得て、故障判別を行う(ステップS208)。差圧センサの出力値ΔPが正常値である場合(ステップS210;No)。異常(故障)原因は差圧センサ30aの補正演算部36cにおけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップS212)。これにより異常状態は終了し、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく回復する。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリのROM部43やパラメータメモリ36dなどに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS214)。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS216)。
一方、差圧力センサの出力値ΔPの異常状態が解消しない場合には(ステップS210;Yes)、CPU41は、切替弁21及び22を動作させて差圧センサ30aから予備センサとしての差圧センサ30bに選択を切り替える。流体の圧力が差圧センサ30bの圧力センサ31及び32に導入される(ステップS218)。差圧センサ30bを動作させて圧力センサ31及び32の差出力値から故障(異常)判定を行う(ステップS220)。
切り替えられた差圧センサ30bの差出力ΔPが異常値ではない場合(ステップS222;No)、故障の原因は差圧センサ30aの異常であると判断される(ステップS224)。CPU41は、後日差圧センサ30aを交換すべきことを保守用ファイルに記録し、あるいは外部のプロセスコントローラなどに報知する。また、差圧センサ30aから予備の差圧センサ30bにセンサの選択が切り替えられたことがASIC部36の表示器36eに表示され、保守の便宜が図られる(ステップS226)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS228)。
切り替えられた差圧センサ30bの差出力ΔPが異常値であり(ステップS222;Yes)、差出力ΔPが0である場合(ステップS230;Yes)、例えば、流路10に流体が流れていないと考えられる(ステップS232)。CPU41は差圧センサ30bが選択されていること、「流体が流れていない」異常の存在などを表示部34eに表示する。また、CPU41は異常の警報(「流体が流れていない」)を設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS234)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS238)。
切り替えられた差圧センサ30bの差出力ΔPが異常値であるが(ステップS222;Yes)、差圧センサ30bの差出力ΔPが0ではなく(ステップS230;No)、負圧である場合(ステップS238;Yes)、例えば、流体が流路を逆流していると考えられる(ステップS240)。CPU41は、差圧センサ30bが選択されていること、「流体が逆流している」異常の存在などを表示部34eに表示する。また、CPU41は異常の警報(「流体が逆流している」)を設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS242)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS244)。
更に、切り替えられた差圧センサ30bの差出力ΔPが異常値であり(ステップS222;Yes)、過大圧である場合(ステップS230;No、ステップS238;No、S246;Yes)、例えば、流路10に急な流れが発生していると考えられる(ステップS248)。CPU41は、差圧センサ30bが選択されていること、「急な流れ」異常の存在などを表示部34eに表示する。また、CPU41は異常の警報(「急な流れの発生」)を設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS250)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS252)。また、差圧出力ΔPが過大圧ではない場合(S246;Yes)、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS252)。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されるとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。このパラメータ更新によって差圧センサが異常状態から回復しない場合には異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合にはセンサ以外に不具合が存在し得るので警報が発令される。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(圧力値変化量異常の場合1からの回復)
図21は、圧力センサの出力値が基準幅を超えて変動する場合の自己修復例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS300)。まず、差圧センサ30aが使用されているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの圧力センサの出力の読み取り(ステップS10)、圧力センサ出力の経時的変化の観察(ステップS50)を行い、各圧力センサの異常判別を行う(ステップS302)。
例えば、圧力センサ31の出力P1の値変化量が異常である場合(ステップS304)、差圧センサ30aのASIC部のパラメータの再書き込みを行う(ステップS306)。既述したようにASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。パラメータメモリ36dの保持内容は、例えば電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する圧力センサの出力を読み取り、故障判別を行う(ステップS308)。圧力センサの出力値P1の変化量が正常である場合(ステップS310;No)。異常(故障)原因は補正演算部におけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップS312)。これにより異常状態は終了し、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく回復する。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリ43などに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS314)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る。更に、他の圧力センサ出力P2などに異常値があれば本サブルーチンを繰り返して修復を図る(ステップS316)。
一方、圧力センサの出力値の異常状態が解消しない場合には(ステップS310;Yes)、CPU41は、切替弁21及び22を動作させて差圧センサ30aから予備センサとしての差圧センサ30bに選択を切り替える(ステップS318)。差圧センサ30bを動作させて同様に圧力センサ31及び32の出力値の変化量から異常判定を行う(ステップS320)。
例えば、切り替えられた差圧センサ30bの圧力センサ31の出力P1の変化量が異常値ではない場合(ステップS322;No)、故障の原因は差圧センサ30aの異常であると判断される(ステップS324)。差圧センサ30aを予備の差圧センサ30bに切り替えたことによって異常は回復された。CPU41は、後日差圧センサ30aを交換するように保守用ファイルに記録し、あるいは外部のプロセスコントローラなどに報知する。また、差圧センサ30aから予備の差圧30bに選択が切り替えられたことがASIC部の表示器36eに表示され、保守の便宜が図られる(ステップS326)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS328)。
一方、差圧センサ30aを30bに交換しても圧力センサの出力値P1の変化量の異常が解消しない場合には(ステップS322;Yes)、故障原因は差圧センサ30a以外の部分にあると考えられる。例えば、流路10や弁20などでの振動の発生など、流路側10の異常が考えられる(ステップS330)。CPU41は、例えば、流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しなくとも使用できる開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップS332)。CPU41は異なる制御モードで動作していることや異常の存在を表示部34eに表示する。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して異常の発生や自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS334)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS336)。
上述の例では、圧力センサの出力P1の異常の場合について説明したが、出力P2の異常の場合も同様の手順で処理される。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されるとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。このパラメータ更新によって差圧センサが異常状態から回復しない場合には異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合にはセンサ以外に不具合が存在し得るので流量計測調整弁20は開度調整弁として使用され、外部に警報が発令される。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(圧力変化量異常の場合2からの回復)
図22は、圧力センサの出力値が変化しない場合の自己修復例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS400)。まず、差圧センサ30aが使用されているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの圧力センサの出力の読み取り(ステップS10)、圧力センサ出力の経時的変化の観察(ステップS50)を行い、各圧力センサの異常判別を行う(ステップS402)。
例えば、圧力センサ31の出力P1の値変化量が異常である場合(ステップS404)、差圧センサ30aのASIC部のパラメータの再書き込みを行う(ステップS406)。既述したようにASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。パラメータメモリ36dの保持内容は、例えば電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する圧力センサの出力を読み取り、故障判別を行う(ステップS408)。圧力センサの出力値P1の変化量が正常である場合(ステップS410;No)。異常(故障)原因は補正演算部におけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップS412)。これにより異常状態は終了し、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく回復する。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリ43などに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS414)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る。更に、他の圧力センサ出力P2などに異常値があれば本サブルーチンを繰り返して修復を図る(ステップS416)。
一方、圧力センサの出力値の異常状態が解消しない場合には(ステップS410;Yes)、CPU41は、切替弁21及び22を動作させて差圧センサ30aから予備センサとしての差圧センサ30bに動作を切り替える(ステップS418)。差圧センサ30bを動作させて同様に圧力センサ31及び32の出力値の変化量から異常判定を行う(ステップS420)。
例えば、切り替えられた差圧センサ30bの圧力センサ31の出力P1の変化量が異常値ではない場合(ステップS422;No)、故障の原因は差圧センサ30aの異常であると判断される(ステップS424)。差圧センサ30aの異常の原因としてシリコンチップ31cの破壊、穴31d、枝管などの詰まり、オイル31eの漏れなどが考えられる。差圧センサ30aを予備の差圧センサ30bに切り替えたことによって異常は回復された。CPU41は、後日差圧センサ30aを交換するように保守用ファイルに記録し、あるいは外部のプロセスコントローラなどに報知する。また、差圧センサ30aから予備の差圧30bに選択が切り替えられたことがASIC部の表示器36eに表示され、保守の便宜が図られる(ステップS426)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS428)。
一方、差圧センサ30aを30bに交換しても圧力センサの出力値P1の変化量なし状態が解消しない場合には(ステップS422;Yes)、故障原因は差圧センサ30a以外の部分にあると考えられる。例えば、流路10が異物で詰まって圧力がセンサに届かないなどの流路側10の異常が考えられる(ステップS430)。CPU41は、例えば、応急的処置として流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しない開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップS432)。CPU41は異なる制御モードで動作していることや異常の存在を表示部34eに表示する。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して異常の発生や自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS434)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS436)。
上述の例では、圧力センサの出力P1の異常の場合について説明したが、出力P2の異常(レベル変化なし)の場合も同様の手順で処理される。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されるとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。このパラメータ更新によって差圧センサが異常状態から回復しない場合には異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合にはセンサ以外に不具合が存在し得るので流量計測調整弁20は開度調整弁として使用され、外部に警報が発令される。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(P1,P2連動性異常の場合からの回復)
図23は、上流側の圧力センサの出力と下流側の圧力センサの出力との連動性に異常がある場合の自己修復例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS500)。まず、CPU41によって差圧センサ30aが選択されているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの各圧力センサの出力の読み取り(ステップS10)、圧力センサの出力連動性検査(ステップS70)を行い、各圧力センサ出力値から故障(異常)判定を行う(ステップS502)。例えば、差圧センサ30aの圧力センサ31及び32の各出力間に連動性がないと判断された場合(ステップS504)、CPU41は差圧センサ30aを差圧センサ30bに切り替える(ステップS106)。
CPU41は予備差圧センサ30bを用いて同様に圧力センサ31及び32の連動性の故障判定を行う(ステップS508)。圧力センサの出力値が正常値である場合(ステップS510;No)。差圧センサ30aの異常と判断される(ステップS512)。これにより異常状態は修復され、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく回復する。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリ43などに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS514)。CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る。
一方、圧力センサの出力値の連動性の異常状態が解消しない場合には(ステップS510;Yes)、故障原因は差圧センサ30a以外の部分にあると考えられる。例えば、圧力センサへの流路が異物によって狭まったような場合が該当する(ステップS518)。CPU41は、例えば、流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しなくとも使用できる開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップS520)。CPU41は異なる制御モードで動作していることや異常の存在を表示部34eに表示する。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して異常の発生や自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS522)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS524)。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されると異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合にはセンサ以外に不具合が存在し得るので流量計測調整弁20は開度調整弁として使用され、外部に警報が発令される。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
(温水時異常の場合からの回復)
図24は、圧力センサの出力値が許容範囲を超える温度依存性を持つ場合の自己修復例を説明するフローチャートである。
同図に示すように、CPU41はメインプログラムにおいて圧力センサの故障判別モードの実行指令の存在を判別すると、本サブルーチンを実行する(ステップS600)。まず、差圧センサ30aが使用されているものとする。
CPU41は、既述した差圧センサ30aの各圧力センサの出力と温度センサの出力とを読み取り(ステップS10)、圧力センサ出力の温度依存性の検査(ステップS80)を行う。既述したように、圧力センサ部31,32の封止液31e中に気体(空気)が混入した場合、流体の温度が高くなると封止液31e中の気泡が膨らんで(温水時)に異常出力が発生することが考えられる。
例えば、圧力センサ31の出力P1の値が温水時に異常となる場合(ステップS604)、差圧センサ30aのASIC部のパラメータの再書き込みを行う(ステップS606)。既述したようにASIC部36の補正演算部36cのパラメータ変化は圧力センサの出力値の異常に関係する。パラメータメモリ36dの保持内容は、例えば電磁波ノイズや自然放射線、メモリの材質劣化などの影響によって値が書き替えられることが考えられる。
パラメータが更新されたASIC部を用いて再度該当する圧力センサの出力を読み取り、故障判別を行う(ステップS608)。圧力センサの出力値P1が温水時に異常とならない場合(ステップS610;No)。異常(故障)原因は補正演算部におけるパラメータ(補正係数)の異常と判断される(ステップS612)。これにより異常状態は回復し、差圧センサ30aの故障は保守要員を呼ぶことなく修復される。CPU41は後の保守の便宜のために不揮発メモリ43などに用意された保守用ファイルにパラメータ書替の履歴を記録する。また、外部のプロセスコントローラになどに履歴情報を送信するようにしても良い(ステップS614)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る。更に、他の圧力センサ出力P2などに過度の温度依存性異常値があれば本サブルーチンを繰り返して修復を図る(ステップS616)。
一方、差圧センサ30aのASIC部のパラメータを更新しても圧力センサの出力値の温度依存性が解消しない場合には(ステップS610;Yes)、CPU41は、差圧センサ30aから予備センサとしての差圧センサ30bに動作を切り替える(ステップS618)。差圧センサ30bを動作させて同様に差圧センサ30bの圧力センサ31及び32の温度依存性を判定する(ステップS620)。
例えば、切り替えられた差圧センサ30bの圧力センサ31の出力P1の温度依存性がない場合(ステップS622;No)、故障の原因は差圧センサ30aの異常であると判断される(ステップS624)。差圧センサ30aの異常の原因としては既述した封入液内への気泡の混入、封入液漏れなどが考えられる。差圧センサ30aを予備の差圧センサ30bに切り替えたことによって異常は回復された。CPU41は、後日差圧センサ30aを交換するように保守用ファイルに記録し、あるいは外部のプロセスコントローラなどに報知する。また、差圧センサ30aから予備の差圧30bに選択が切り替えられたことがASIC部の表示器36eに表示され、保守の便宜が図られる(ステップS626)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS628)。
一方、差圧センサ30aを30bに交換しても圧力センサの出力値P1の温度依存性が解消しない場合には(ステップS622;Yes)、故障原因は差圧センサ30a以外の部分にあると考えられる。例えば、流路近傍に熱源(流体の温度、電気回路の発熱、電池、ヒータ、温風など)が存在するなどの流路側10の異常が考えられる(ステップS630)。CPU41は、例えば、応急的処置として流量調整弁20の制御モードを差圧センサを使用しない開度調整弁として使用する制御モードに切り替える(ステップS632)。CPU41は異なる制御モードで動作していることや異常の存在を表示部34eに表示する。また、CPU41は故障の警報(報知)を出して異常の発生や自己回復をすることが出来なかったことを、設備管理者やプロセスコンピュータ、監視盤などに知らせる(ステップS634)。その後、CPU41は本サブルーチンからメインプログラムに戻る(ステップS636)。
上述の例では、差圧センサ30aの圧力センサ31の出力P1の異常の場合について説明したが、差圧センサ32の出力P2の異常の場合も同様の手順で処理される。
本実施例によれば、差圧センサにおける異常が検出されるとASIC部の圧力値の補正演算のパラメータが更新され自己回復が図られる。このパラメータ更新によって差圧センサが異常状態から回復しない場合には異常が検出された差圧センサから予備の差圧センサに切り替えられる。予備のセンサに切り替えても具合が解消しない場合にはセンサ以外に不具合が存在し得るので流量計測調整弁20は開度調整弁として使用され、外部に警報が発令される。それにより、流体制御系のダウンタイムを減少することが可能となる。
上記発明の実施の形態を通じて説明された実施例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上説明したように本発明の差圧センサ装置及び流量計測調整装置の故障判定回復方法、この方法を適用した装置によれば、差圧センサの異常を可及的に自己回復することが可能となるので流体システムにおけるダウン時間を減少することが可能となる。流体システム運用における信頼性が向上する。
10 流路、11,12 枝管、20 開閉調整バルブ、21,22 切替弁、30 差圧センサ、31,32 圧力センサ部、33 温度センサ、34,35,36 ASIC部、36e 表示部、40 マイクロコンピュータ

Claims (15)

  1. 流体が流れる流路の第1及び第2の測定点にそれぞれ配置される第1及び第2の圧力センサと、
    前記第1及び第2の圧力センサの各出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、
    前記第1及び第2の圧力センサと前記差圧計算手段との間に設けられて各圧力センサの出力を予め定められた補正特性でレベル補正する補正手段と、
    前記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、
    前記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び前記差圧出力と前記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、
    前記異常と判別されたとき、異常に該当する圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する補正特性設定手段と、
    を備える差圧センサ装置。
  2. 流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置であって、
    流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、
    前記流路の前記開閉調整弁の上流側と下流側にそれぞれ配置された第1及び第2の圧力センサと、
    前記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め定められた設定に従って補正する補正手段と、
    補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、
    前記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、
    前記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び前記差圧出力と前記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、
    前記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する補正特性設定手段と、
    を備える流量計測調整弁装置。
  3. 更に、前記補正手段に補正特性を再設定した後も前記圧力センサの異常が解消しないときに前記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる切替手段を備える、請求項2に記載の流量計測調整弁装置。
  4. 流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置であって、
    流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、
    前記開閉調整弁の上流側と下流側の流体の圧力差を出力する第1及び第2の差圧センサと、
    前記第1及び第2の差圧センサのうちいずれかの差圧センサを選択して差圧出力を得る選択手段と、
    選択した前記差圧センサの異常を判別する異常判別手段と、
    前記異常を回復する異常回復手段と、を備え、
    前記差圧センサは、第1及び第2の圧力センサと、前記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算手段と、を含み、
    前記異常判別手段は、前記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶手段と、前記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び前記差圧出力と前記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別手段と、を含み、
    前記異常回復手段は、前記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する、流量計測調整弁装置。
  5. 更に、前記異常回復手段は、前記判別手段が前記補正特性の前記補正手段への再設定後に前記圧力センサの異常を判別したものであるとき、前記選択手段に前記差圧出力を得る差圧センサの選択を変更させる、請求項4に記載の流量計測調整弁装置。
  6. 更に、前記異常回復手段は、前記差圧センサの選択を変更させた後も選択した圧力センサの異常の判別が解消しないときに前記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる、請求項5に記載の量計測調整弁装置。
  7. 流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置の故障判定回復方法であって、
    前記流量計測調整弁装置は、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、前記流路の前記開閉調整弁の上流側と下流側にそれぞれ配置される第1及び第2の圧力センサと、前記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、前記第1及び第2の圧力センサの出力を使用して前記開閉調整弁を制御するマイクロコンピュータとを含み、
    前記マイクロコンピュータは、
    補正された各圧力センサの出力から差圧出力を得る差圧計算過程と、
    前記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶過程と、
    前記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び前記差圧出力と前記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別過程と、
    前記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する補正特性設定過程と、
    を実行する流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  8. 更に、前記マイクロコンピュータは、前記補正手段に補正特性を再設定した後も前記圧力センサの異常が解消しないときに、前記開閉調整弁を前記差圧出力に基づく流量調整から開度調整の制御に変更する、請求項7に記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  9. 流量を計測する機能を備えた流量計測調整弁装置の故障判定回復方法であって、
    前記流量計測調整弁装置は、流体が一方向に流れる流路に配置されて流量を調整する開閉調整弁と、前記開閉調整弁の上流側と下流側の流体の圧力差を出力する第1及び第2の差圧センサと、前記第1及び第2の差圧センサのうちいずれかの出力を選択する選択手段と、選択された差圧センサの出力を使用して前記開閉調整弁を制御するマイクロコンピュータと、を備え、
    前記差圧センサは、第1及び第2の圧力センサと、前記第1及び第2の圧力センサの各出力を予め設定された特性に従って補正する補正手段と、を含み、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記第1及び第2の圧力センサの正常又は異常を判別する判別データを予め保持するデータ記憶過程と、
    前記第1及び第2の圧力センサの補正された各出力及び各出力差と前記判別データを比較して各圧力センサの正常又は異常の判別を行う判別過程と、
    前記異常と判別されたとき、異常である圧力センサの出力の補正に使用された補正特性を前記補正手段に再設定する過程と、
    を実行する量計測調整弁の故障判定回復方法。
  10. 更に、前記マイクロコンピュータは、前記補正特性の前記補正手段への再設定後に前記圧力センサの異常を判別したものであるとき、前記選択手段に前記差圧出力を得る差圧センサの選択を変更させる、請求項9に記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  11. 更に、前記マイクロコンピュータは、前記差圧センサの選択を変更させた後も選択した圧力センサの異常の判別が解消しないときに前記開閉調整弁を流量調整から開度調整の弁として機能させる、請求項10に記載の量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  12. 前記流量計測調整弁装置は、更に、前記流体の温度を測定する温度センサを備え、
    前記マイクロコンピュータは、更に、前記第1及び第2の圧力センサの各出力と共に測定した温度を記録する過程を含み、
    前記異常の判別を行う過程において判別の要素に前記温度を加える、
    ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  13. 前記判別データには、前記第1及び第2の圧力センサの各出力と前記第1及び第2の圧力センサ相互の出力差が含まれる、請求項請求項7乃至11のいずれかに記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  14. 前記判別データには、前記第1及び第2の圧力センサの各出力の変化における異常を判別するデータが含まれる、請求項7乃至11のいずれかに記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
  15. 前記判別データには、前記第1及び第2の圧力センサ相互間の出力の連動性における異常を判別するデータが含まれる、請求項7乃至11のいずれかに記載の流量計測調整弁装置の故障判定回復方法。
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