JP2012163086A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動カム軸12と、当該駆動カム軸12と同心となる従動カムロブ14aを有し、当該駆動カム軸14によって回転自在かつ軸方向の移動自在に支持されたカムユニット14とを備える。軌道面44a1を有するガイド部材44を備える。駆動カム軸12および従動カムロブ14aに連結され、軌道面44a1と接触する制御ローラ36を有するリンク機構42を備える。ガイド部材44を駆動する作用角可変アクチュエータ50を備える。バルブ16と機械的に連結される対象となる従動カムロブ14aを、リフトカム14a1とゼロリフトカム14a2との間で切り替えるカム切替機構64を更に備える。
【選択図】図2
Description
クランク軸の回転力を利用して回転駆動される駆動カム軸と、
前記駆動カム軸と同心となる従動カムロブを有し、当該駆動カム軸によって回転自在かつ軸方向の移動自在に支持されたカムユニットと、
前記駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
前記駆動カム軸および前記カムユニットのそれぞれに連結され、前記軌道面と接触する接触部材を有し、前記接触部材の位置変化に伴って前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの回転角度を変化させるリンク機構と、
前記駆動カム軸が一回転する間、前記軌道面と前記接触部材との接触が維持されるようにする接触維持手段と、
前記ガイド部材を、前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させる作用角可変アクチュエータと、を備え、
前記従動カムロブは、バルブを開閉動作させるための第1カムロブと、前記バルブに対して前記第1カムロブとは異なる開弁特性を付与するための第2カムロブとを含み、
前記カムユニットを前記駆動カム軸の軸方向に移動させることによって、前記バルブと機械的に連結される対象となる前記従動カムロブを、前記第1カムロブと前記第2カムロブとの間で切り替えるカム切替機構を更に備えることを特徴とする。
前記第2カムロブは、前記バルブに作用力を付与しないゼロリフトカムであることを特徴とする。
前記カム切替機構は、
前記カムユニットの外周面に形成された螺旋状の第1ガイドレールと、
前記第1ガイドレールに係脱自在な第1係合部を有し、当該第1係合部を前記第1ガイドレールに向けて突き出し可能な第1カム切替アクチュエータと、を備え、
前記第1ガイドレールは、前記第1係合部が係合した状態において、前記第1カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態から、前記第2カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態に切り替わるように、前記カムユニットの移動を案内するものであることを特徴とする。
前記カム切替機構は、
前記第1ガイドレールが設けられていない他の前記カムユニットもしくは当該第1ガイドレールが設けられたものと同一の前記カムユニットの外周面に形成された螺旋状の第2ガイドレールと、
前記第2ガイドレールに係脱自在な第2係合部を有し、当該第2係合部を前記第2ガイドレールに向けて突き出し可能な第2カム切替アクチュエータと、を備え、
前記第2ガイドレールは、前記第2係合部が係合した状態において、前記第2カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態から、前記第1カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態に切り替わるように、前記カムユニットの移動を案内するものであることを特徴とする。
前記駆動カム軸の内部に軸方向の移動自在に配置された部材連結軸を更に備え、
隣り合う2つの気筒に備えられた前記カムユニットのそれぞれと前記部材連結軸とが、前記駆動カム軸の軸方向における相対的な移動が拘束され、かつ相対的な回転が許容される態様で連結されており、
前記隣り合う2つの気筒のうちの一方の前記カムユニットに対して、前記第1ガイドレールおよび前記第1カム切替アクチュエータが備えられており、
前記隣り合う2つの気筒のうちの他方の前記カムユニットに対して、前記第2ガイドレールおよび前記第2カム切替アクチュエータが備えられていることを特徴とする。
前記リンク機構は、
前記駆動カム軸の軸中心から径方向に離れた位置において当該駆動カム軸に設けられたカム軸側回転支点を中心として当該駆動カム軸に回転自在に連結されたカム軸側リンク部材と、
前記駆動カム軸の軸中心から径方向に離れた位置において前記カムユニットに設けられたカムロブ側回転支点を中心として当該カムユニットに回転自在に連結されたカムロブ側リンク部材と、
前記カム軸側リンク部材の他端と前記カムロブ側リンク部材の他端とを制御回転支点において回転自在に連結し、前記接触部材を支持するピンと、を含み、
前記ピンは、前記カムロブ側リンク部材とは軸方向の移動が拘束された態様で連結され、前記カム軸側リンク部材とは軸方向の移動が許容された態様で連結されていることを特徴とする。
[可変動弁装置の構成]
図1および図2は、本発明の実施の形態1における内燃機関の可変動弁装置10の全体構成を概略的に示す図である。本実施形態の可変動弁装置10は、内燃機関に搭載され、吸気弁または排気弁として機能するバルブ16を駆動するための装置である。ここでは、可変動弁装置10は、一例として、4つの気筒(#1〜#4)を有する直列4気筒型の内燃機関に適用されているものとする。より具体的には、図1は、可変動弁装置10を示す斜視図である。ただし、図1においては、従動カムロブ14aのうちのゼロリフトカム14a2、ガイド溝14c、長穴14dおよびカム切替アクチュエータ66等の図示を省略している。また、図2は、#1および#2気筒についての可変動弁装置10の構成を表した図であり、#3および#4気筒についての可変動弁装置10の構成は、#1および#2気筒についてのものと同様である。ただし、図2においては、ガイド部材44および作用角可変アクチュエータ50の図示を省略している。
先ず、駆動カム軸12が一回転する間の従動カムロブ14aの回転速度を変更可能とする可変速度カム(VVC)機能を実現するための構成を中心として、可変動弁装置10の具体的な構成を説明する。
図3は、可変動弁装置10を、図1に示すA−A線で切断した断面図である。図4は、図1における矢視B方向から可変動弁装置10を見た斜視図である。尚、図3においては、リンクプレート38の一部の図示を省略しており、図4においては、ガイド部材44の図示を省略している。
次に、図2を主に参照して、可変動弁装置10が備えるカム切替機構64の詳細な構成を説明する。
カム切替機構64は、カムユニット14を駆動カム軸12の軸方向に移動させることによって、バルブ16と機械的に連結される対象となる(ロッカーローラ18aと接する)従動カムロブ14aを、リフトカム14a1とゼロリフトカム14a2との間で切り替えるための機構である。
次に、図6乃至図8を参照して、本実施形態の可変動弁装置10の動作について説明する。
ここでは、リフトカム14a1がロッカーローラ18aに接している状態(図1参照)を前提として説明を行う。
(ガイド部材の位置調整に応じた回転角度θの変化について)
図6は、ガイド部材44の変位に伴う可変動弁装置10の動作を説明するための模式図である。尚、図6の各図は、上記図3とは逆方向から見て、可変動弁装置10の主たる構成要素を模式的に表した図である。また、図7は、ガイド部材44の変位に伴うバルブ16の作用角の変化、および、ガイド部材44の変位に伴う(上記基準状態時の値に対する)駆動カム軸12と従動カムロブ14aとの回転角度θの差(変化)を表した図である。
本実施形態の可変動弁装置10では、図6(A)に示すように軌道面44a1が上方向に移動した時の増速区間が、従動カムロブ14aのリフト区間と重なるように設定されている。ここで、図6(A)および図6(C)に示すガイド部材44の制御状態において、図6中における駆動カム軸12の中心点を通る水平線と軌道面44a1とが交わる点付近を制御ローラ36が通過する際に、駆動カム軸12の中心点と制御ローラ36の中心点との距離が上記基準状態時の値と等しくなり、これにより、上記回転角度θが上記基準状態時の値と等しくなるタイミング(以下、このようなタイミングのことを、「等回転角度タイミング」と称する)が存在する。本実施形態では、図6に示すように、作用角可変アクチュエータ50によってガイド部材44を上記移動範囲内において上方向に移動させた場合に減速区間から増速区間に切り換わる方(すなわち、図6における右側)の等回転角度タイミングと、バルブ16の開き時期とが(ほぼ)一致するように、軌道面44a1に対する制御ローラ36の位置が設定されている。
(弁停止動作について)
図1は、ロッカーローラ18aとリフトカム14a1とが接触した状態にあることで、リフトカム14a1の作用力がロッカーアーム18等を介してバルブ16に伝達され、これにより、バルブ16の開閉動作が行われる弁駆動状態を示している。
#2気筒のカム切替アクチュエータ66およびガイド溝14cを利用した上記スライド動作によって、#1および#2気筒のカムユニット14の軸方向位置がリフト位置からゼロリフト位置に切り替えられるようになる。ゼロリフト位置では、ゼロリフトカム14a2がロッカーローラ18aと接するため、ロッカーアーム18を介してバルブ16を駆動するための力が与えられなくなり、バルブ16のリフト動作が閉弁位置で停止した弁停止状態となる。以上のように、本実施形態の弁停止動作によれば、#1および#2気筒のバルブ16の動作状態を、図1に示す弁駆動状態から図8に示す弁停止状態に瞬時に切り替えることが可能となる。
弁停止状態から弁駆動状態に戻すための弁復帰動作は、例えば、フューエルカットからの復帰要求等の所定の弁復帰動作の実行要求がECUによって検知された際に行われる。このような弁復帰動作は、#1および#2気筒に関する共通ベース円区間が到来するタイミングに合わせて、#1気筒のカム切替アクチュエータ66への通電をONとすることで開始される。#1気筒のガイド溝14cについても、#2気筒のガイド溝14cと同様に、カムユニット14が変位する区間が上記共通ベース円区間内となるように設定されている。
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置10によれば、作用角可変アクチュエータ50によって作用角可変カム60を回転駆動して軌道面44a1を気筒の軸線方向に沿って上下に移動させることにより、駆動カム軸12の回転中心と制御ローラ36の回転中心との距離が変化し、駆動カム軸12と従動カムロブ14aとの回転角度θが変化する。また、軌道面44a1の移動量(駆動カム軸12の回転中心に対する軌道面44a1の偏心量)が大きいほど、上記回転角度θの変化量が大きくなる。その結果、作用角可変アクチュエータ50による作用角可変カム60の回転位置(ガイド部材44の軌道面44a1の制御位置)に応じて、駆動カム軸12が一回転する間の従動カムロブ14aの回転速度を連続的に増減することができる。これにより、作用角可変カム60の回転位置(軌道面44a1の制御位置)に応じて、バルブ16の作用角を連続的に可変することができるようになる。このように、本実施形態の可変動弁装置10によれば、クランク軸の回転力によって駆動カム軸12を駆動する構成を用いる場合において、装置構成を極力複雑にすることなく、駆動カム軸12が一回転する間の従動カムロブ14aの回転速度を変更可能とすることができる。
また、上述した実施の形態1においては、#2気筒のガイド溝14cが前記第3の発明における「第1ガイドレール」に、#2気筒の可動子66aが前記第3の発明における「第1係合部」に、#2気筒のカム切替アクチュエータ66が前記第3の発明における「第1カム切替アクチュエータ」に、それぞれ相当している。
また、上述した実施の形態1においては、#1気筒のガイド溝14cが前記第4の発明における「第2ガイドレール」に、#1気筒の可動子66aが前記第4の発明における「第2係合部」に、#1気筒のカム切替アクチュエータ66が前記第4の発明における「第2カム切替アクチュエータ」に、それぞれ相当している。
また、上述した実施の形態1においては、リンクシャフト68が前記第5の発明における「部材連結軸」に相当している。
また、上述した実施の形態1においては、駆動リンク28が前記第6の発明における「カム軸側リンク部材」に、従動リンク32が前記第6の発明における「カムロブ側リンク部材」に、制御ローラ側回転軸34が前記第6の発明における「ピン」に、それぞれ相当している。
12 駆動カム軸
14 カムユニット
14a 従動カムロブ
14a1 リフトカム
14a11 リフトカムのベース円部
14a12 リフトカムのノーズ部
14a2 ゼロリフトカム
14b 従動アーム部
14c ガイド溝
14d 長穴
16 バルブ
18 ロッカーアーム
18a ロッカーローラ
22 バルブスプリング
24 駆動アーム
24a 駆動アーム部
26 カム軸側回転軸
28 駆動リンク
30 カムロブ側回転軸
32 従動リンク
34 制御ローラ側回転軸
36 制御ローラ
38 リンクプレート
40 Eリング
42 リンク機構
44 ガイド部材
44a 環状部
44a1 軌道面
44b 架橋部
46 保持ローラ
48 保持用回転軸
50 作用角可変アクチュエータ
52 モータ
54 ウォームギヤ
56 ウォームホイール
58 制御軸
60 作用角可変カム
64 カム切替機構
66 カム切替アクチュエータ
66a 可動子
68 リンクシャフト
70 圧入ピン
Claims (6)
- クランク軸の回転力を利用して回転駆動される駆動カム軸と、
前記駆動カム軸と同心となる従動カムロブを有し、当該駆動カム軸によって回転自在かつ軸方向の移動自在に支持されたカムユニットと、
前記駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
前記駆動カム軸および前記カムユニットのそれぞれに連結され、前記軌道面と接触する接触部材を有し、前記接触部材の位置変化に伴って前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの回転角度を変化させるリンク機構と、
前記駆動カム軸が一回転する間、前記軌道面と前記接触部材との接触が維持されるようにする接触維持手段と、
前記ガイド部材を、前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させる作用角可変アクチュエータと、を備え、
前記従動カムロブは、バルブを開閉動作させるための第1カムロブと、前記バルブに対して前記第1カムロブとは異なる開弁特性を付与するための第2カムロブとを含み、
前記カムユニットを前記駆動カム軸の軸方向に移動させることによって、前記バルブと機械的に連結される対象となる前記従動カムロブを、前記第1カムロブと前記第2カムロブとの間で切り替えるカム切替機構を更に備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記第2カムロブは、前記バルブに作用力を付与しないゼロリフトカムであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記カム切替機構は、
前記カムユニットの外周面に形成された螺旋状の第1ガイドレールと、
前記第1ガイドレールに係脱自在な第1係合部を有し、当該第1係合部を前記第1ガイドレールに向けて突き出し可能な第1カム切替アクチュエータと、を備え、
前記第1ガイドレールは、前記第1係合部が係合した状態において、前記第1カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態から、前記第2カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態に切り替わるように、前記カムユニットの移動を案内するものであることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記カム切替機構は、
前記第1ガイドレールが設けられていない他の前記カムユニットもしくは当該第1ガイドレールが設けられたものと同一の前記カムユニットの外周面に形成された螺旋状の第2ガイドレールと、
前記第2ガイドレールに係脱自在な第2係合部を有し、当該第2係合部を前記第2ガイドレールに向けて突き出し可能な第2カム切替アクチュエータと、を備え、
前記第2ガイドレールは、前記第2係合部が係合した状態において、前記第2カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態から、前記第1カムロブが前記バルブと機械的に連結される状態に切り替わるように、前記カムユニットの移動を案内するものであることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記駆動カム軸の内部に軸方向の移動自在に配置された部材連結軸を更に備え、
隣り合う2つの気筒に備えられた前記カムユニットのそれぞれと前記部材連結軸とが、前記駆動カム軸の軸方向における相対的な移動が拘束され、かつ相対的な回転が許容される態様で連結されており、
前記隣り合う2つの気筒のうちの一方の前記カムユニットに対して、前記第1ガイドレールおよび前記第1カム切替アクチュエータが備えられており、
前記隣り合う2つの気筒のうちの他方の前記カムユニットに対して、前記第2ガイドレールおよび前記第2カム切替アクチュエータが備えられていることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記リンク機構は、
前記駆動カム軸の軸中心から径方向に離れた位置において当該駆動カム軸に設けられたカム軸側回転支点を中心として当該駆動カム軸に回転自在に連結されたカム軸側リンク部材と、
前記駆動カム軸の軸中心から径方向に離れた位置において前記カムユニットに設けられたカムロブ側回転支点を中心として当該カムユニットに回転自在に連結されたカムロブ側リンク部材と、
前記カム軸側リンク部材の他端と前記カムロブ側リンク部材の他端とを制御回転支点において回転自在に連結し、前記接触部材を支持するピンと、を含み、
前記ピンは、前記カムロブ側リンク部材とは軸方向の移動が拘束された態様で連結され、前記カム軸側リンク部材とは軸方向の移動が許容された態様で連結されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
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