JP2012159364A - イオン量測定装置、イオン量測定方法及びイオン発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン量測定期間の集電電極の電位変化による影響を減少させ、イオンの量を高精度に測定することが可能なイオン量測定装置、イオン量測定方法及びイオン発生装置を提供する。
【解決手段】イオン量測定装置は、イオンを反発させる反発電極11と、反発電極11によって反発されたイオンを収集する集電電極12と、集電電極12の電位を計測する計測部13と、計測部13にて計測した電位に基づいて反発電極11の電位を調整する調整部14とを有し、計測部13にて計測した電位に基づいてイオンの量を測定する。
【選択図】図2
【解決手段】イオン量測定装置は、イオンを反発させる反発電極11と、反発電極11によって反発されたイオンを収集する集電電極12と、集電電極12の電位を計測する計測部13と、計測部13にて計測した電位に基づいて反発電極11の電位を調整する調整部14とを有し、計測部13にて計測した電位に基づいてイオンの量を測定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気中のイオンの量を測定するイオン量測定装置及びイオン量測定方法、並びにこのイオン量測定装置を搭載したイオン発生装置に関する。
プラスイオン及びマイナスイオンを発生して、このイオンを含む空気を送出し、イオンが送出された空間の空気中に浮遊する微粒子及び細菌等の浮遊物を除去して空気を浄化するイオン発生装置が実用化されている。イオン発生装置は、誘電体を介して対向する二つの電極を有しており、数kVの電圧を発生する高電圧発生回路からの電圧を二つの電極間に印加することで電極間に放電プラズマを生じさせ、空気中にプラスイオンであるH+(H2 O)m(mは自然数)、及びマイナスイオンであるO2-(H2 O)n(nは自然数)を略同量発生させるようにしてある。
発生するプラスイオン及びマイナスイオンは、空気中の水蒸気を放電プラズマによりイオン化することで生成されるものであり、水素イオン(H+ )又は酸素イオン(O2-)の周囲に複数の水分子が付随した形態、所謂クラスターイオンの形態をなしている。空気中に放出されたこれらのイオンは、浮遊微粒子又は浮遊細菌と化学反応し、活性物質としての過酸化水素水(H2O2)又は水酸基ラジカル(・OH)となり、浮遊微粒子又は浮遊細菌から水素を抜き取る酸化反応を行うことで浮遊微粒子を不活性化し、又は浮遊細菌を殺菌して、空気を清浄にすることができる。
しかし、イオン発生装置が発生するプラスイオン及びマイナスイオンは無色透明且つ無味無臭であるため、空気中のプラスイオン及びマイナスイオンが所望の数量又は濃度等(以降の説明において、「イオンの量」と言う)に達したか否かをユーザが確認することは困難である。よって、空気中に含まれるプラスイオン及びマイナスイオンの量を測定してユーザに提示するイオン量測定装置を、イオン発生装置に搭載することが望ましい。
特許文献1においては、プラスイオンとマイナスイオンの両方を測定するイオン測定器が開示されている。このイオン測定器は、電荷反発板に一定の電圧を印加し、電荷反発板に反発されたプラスイオン又はマイナスイオンを電荷集電板で収集し、電荷集電板の電荷を測定し、プラス若しくはマイナスのイオン数量として演算処理することで、電荷集電板における電荷からプラスイオンの数量とマイナスイオンの数量とを自動的に算出する。
しかしながら、引用文献1のイオン測定器にあっては、収集されたイオンの電荷の増加につれて、電荷集電板自体の電位が変化するため、電荷集電板と反発電極板との電位差が小さくなり、電荷の収集は困難となり、単位時間あたり収集されたイオンの数が減少していく。特に、イオンの濃度が高い場合、電荷集電板の電位変化が大きくなり、電荷集電板と反発電極板との電位差によるイオン収集効果が弱くなり、実際のイオン濃度が正確に反映されず、大きな測定誤差が生じる恐れがある。よって、電荷収集期間における電荷集電板の電位変化によりイオン量の測定の精度に大きな影響を与え、イオン量測定が不正確になるという課題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、イオンの量を高精度に測定することが可能なイオン量測定装置、イオン量測定方法及びイオン発生装置を提供することにある。
本発明に係るイオン量測定装置は、イオンを反発させる反発電極と、該反発電極によって反発されたイオンを収集する集電電極と、該集電電極の電位を計測する計測手段とを有し、該計測手段にて計測した電位に基づいてイオンの量を測定するイオン量測定装置において、前記計測手段にて計測した電位に基づいて前記反発電極の電位を調整する調整手段を有することを特徴とする。
本発明においては、調整手段にて集電電極の電位に基づいて反発電極の電位を調整することにより、集電電極に収集されたイオンの増加につれて集電電極の電位が変化した場合でも、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持することが可能である。
本発明に係るイオン量測定装置は、前記計測手段は、前記集電電極の電位を電圧信号として出力するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、計測した集電電極の電位を電圧信号として出力することにより、電圧信号からイオンの量を算出するとともに集電電極の電位を直観的に得ることが可能である。
本発明に係るイオン量測定装置は、前記計測手段は、集電電極に接続されている集電電極の電位の計測回路と、該計測回路の後段に配置されている増幅回路と、該増幅回路の使用/非使用を切り換える切換スイッチとを有することを特徴とする。
本発明においては、切換スイッチにて増幅回路の使用/非使用を切り換えることにより、増幅回路を経由する経路又は増幅回路を経由しない経路を選択して集電電極の電位を計測することが可能である。
本発明に係るイオン量測定装置は、前記調整手段は、前記計測手段から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部と、該A/D変換部によって変換されたデジタルデータに基づいて前記反発電極の電位を調整するための調整データを算出する算出部と、前記調整データに基づいて前記反発電極に印加すべき複数の電圧を切り換える電圧切換部とを有することを特徴とする。
本発明においては、計測した集電電極の電位に基づいて調整データを算出し、この調整データに基づいて反発電極に印加すべき複数の電圧を切り換えることにより、集電電極の電位変化に応じて反発電極の電位を調整することが可能である。
本発明に係るイオン量測定装置は、前記調整手段は、前記計測手段から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部と、該A/D変換部によって変換されたデジタルデータに基づいて前記反発電極の電位を調整するための調整データを算出する算出部と、前記調整データをアナログ信号に変換して前記反発電極に出力するD/A変換部とを有することを特徴とする。
本発明においては、計測した集電電極の電位に基づいて調整データを算出し、この調整データをアナログ信号に変換して反発電極に出力することにより、集電電極の電位変化に応じてリアルタイムに反発電極の電位を変化することが可能である。
本発明に係るイオン発生装置は、イオンを発生するイオン発生手段と、上述のいずれか一つのイオン量測定装置とを有し、前記イオン発生手段が発生したイオンの量を前記イオン量測定装置により測定するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、イオン発生装置に、イオン発生手段と共に上述のイオン量測定装置を搭載する。イオン発生手段にて発生したイオンの量をイオン量測定装置にて測定し、測定したイオンの量をユーザに提示したり、イオン発生手段にフィードバックしてイオンの発生量を制御したりすることが可能である。
本発明に係るイオン量測定方法は、反発電極にてイオンを反発させ、反発されたイオンを集電電極にて収集し、該集電電極の電位を計測し、計測した電位に基づいてイオンの量を測定するイオン量測定方法において、前記計測した電位に基づいて前記反発電極の電位を調整することを特徴とする。
本発明においては、集電電極の電位に基づいて反発電極の電位を調整することにより、集電電極に収集されたイオンの増加につれて集電電極の電位が変化した場合でも、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持することが可能である。
本発明では、集電電極の電位に基づいて反発電極の電位を調整することにより、集電電極の電位が変化しても、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持することが可能である。これにより、収集されたイオンの増加につれて集電電極の電位が変化した場合でも、反発電極と集電電極とのイオン収集効果を保ち、収集されたイオンの電荷による電圧が空気中のイオンの量を正確に反映するようになる。よって、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、高精度にイオンの量を測定することができる。
本発明では、計測手段にて集電電極の電位を電圧信号として出力することにより、一つの計測手段からの出力を集電電極の電位の取得とイオンの量の取得とに用いることが可能であるため、イオン量測定装置の構造をコンパクトにすることができる。
本発明では、計測回路と増幅回路とを併用して集電電極の電位を計測することにより、計測周期を短縮させることができ、反発電極に対する電位調整の幅を小さくし、イオン量の測定の精度を確保することができる。また、増幅回路を経由する経路と、増幅回路を経由しない経路とを切り換えて集電電極の電位を計測することにより、二つの経路の計測値の差分が得られる。計測値にこの差分から得られる情報を加味することで、理論値に一層近い計測値を得ることができ、計測の精度をさらに高めることができる。よって、電位の調整を正確に行うことができ、低コスト、且つ高精度に測定することができる。
本発明では、電圧切換部にて調整データに基づいて反発電極に印加すべき複数の電圧を切り換えることにより、集電電極の電位変化に応じて反発電極の電位を調整することができる。よって、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持し、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、高精度にイオンの量を測定することができる。
本発明では、D/A変換部にて調整データをアナログ信号に変換して反発電極に出力することにより、反発電極の電位をきめ細かくリアルタイムで調整することができる。よって、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持し、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、高精度にイオンの量を測定することができる。
本発明では、イオン発生装置に、イオン発生手段と共にイオン量測定装置を搭載することにより、イオン発生手段にて発生したイオンの量をイオン量測定装置にて測定することができる。よって、自身のイオンの発生量を正確で容易に制御することができる。
本発明では、集電電極の電位に基づいて反発電極の電位を調整することにより、集電電極の電位が変化しても、反発電極と集電電極との電位差を一定に維持することが可能である。よって、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、高精度にイオンの量を測定することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明に係るイオン発生装置1の構成を示すブロック図である。同図において、イオン発生装置1はイオンを発生して空気中に送出するものであり、商用交流電源50からの電力供給により動作するようにしてある。イオン発生装置1は、商用交流電源50から供給される交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換回路2と、AC/DC変換回路2が出力する直流電圧を昇圧して高電圧を発生する高電圧発生回路3と、高電圧発生回路3が出力する高電圧が印加されてイオンを発生するイオン発生素子4と、イオン発生素子4にて発生したイオンを送出するファン5と、イオン発生素子4にて発生したイオンの量を測定するイオン量測定装置10とを備えている。
AC/DC変換回路2は、例えばダイオード及びコンデンサを有し、ダイオードの整流特性を利用して交流電圧を整流し、整流した電圧をコンデンサにより平滑化することで、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。
高電圧発生回路3は、例えばトランス及びスイッチング素子を有し、AC/DC変換回路2から与えられる直流電圧のトランスへの供給をスイッチング素子にてオン/オフし、トランスを構成する複数の巻線の巻き数の比に応じて昇圧された高電圧をイオン発生素子4へ供給するようにしてある。このとき、スイッチング素子のオン/オフの周期を調整することで発生する電圧の電圧値を調整することができる。
イオン発生素子4は、誘電体を介して対向する2つの電極を有しており、高電圧発生回路3からの高電圧が2つの電極間に印加された場合、2つの電極間に放電プラズマが生じ、この放電プラズマのエネルギーにより電極近傍の空気中に含まれる水蒸気がイオン化されて、空気中にプラスイオンであるH+(H2 O)m(mは自然数)、及びマイナスイオンであるO2-(H2 O)n(nは自然数)を略同量発生させる。
ファン5は空気の流れを生じるためのものである。図1には、ファン5にて生じる空気の流れが白抜きの矢印にて図示してある。空気の流れによって、イオン発生素子4にて発生したイオンは、イオン発生装置1の内部から外部へ送出され、イオン発生装置1が設置された室内に拡散するようにしてある。
イオン量測定装置10は、ファン5にて生じる空気の流れる方向に関してイオン発生素子4より下流側に設けてある。イオン発生装置1は、イオン量測定装置10にて測定したイオンの量を、図示しない表示装置等にてユーザに提示したり、図示しない制御部等にフィードバックしてイオンの発生量を制御したりするようにしてある。
次に、本発明に係るイオン量測定装置10を図面に基づいて具体的に説明する。各実施の形態において、マイナスイオンの量を測定する場合を例として説明するが、例えばH+(H2 O)m(mは任意の自然数)等の正イオンでは、必要に応じて電圧の極性及び素子のパラメータ等を変更すれば、同様の説明が成立する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1に係るイオン量測定装置10の要部構成を示すブロック図である。イオン量測定装置10は、空気中のイオンを反発させる反発電極11と、反発されたイオンを収集する集電電極12と、集電電極12の電位を計測する計測部13と、計測部13にて計測した電位に基づいて反発電極11の電位を調整する調整部14とを有する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るイオン量測定装置10の要部構成を示すブロック図である。イオン量測定装置10は、空気中のイオンを反発させる反発電極11と、反発されたイオンを収集する集電電極12と、集電電極12の電位を計測する計測部13と、計測部13にて計測した電位に基づいて反発電極11の電位を調整する調整部14とを有する。
反発電極11と集電電極12とは、例えば、一定の間隔で相対して配置されている板状の電極であり、ファン5から流れる空気に触れやすい位置に配設してある。反発電極11と集電電極12との形状については、特に限定せず、集電電極12を平板状、筒状、又は線状に設計し、反発電極11を集電電極12を取り囲む筒状に設計してもよい。
反発電極11は、測定すべきイオンの種類に応じて、図示しない給電部によって正電位/負電位が印加される。本実施の形態では、反発電極11には負電位が印加されているため、反発電極11と集電電極12との間に存在しているマイナスイオンは、反発電極11に跳ね返されて集電電極12にぶつかって収集される。
計測部13は、集電電極12に接続して、集電電極12の電位を計測し、例えば電圧信号として調整部14へ出力するようにしてある。計測部13の具体的な構成は後述する。
調整部14は計測部13に接続して、計測部13にて計測した集電電極12の電位に基づいて反発電極11の電位を調整するようにしてある。本実施の形態では、調整部14は、計測部13から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部141と、変換されたデジタルデータに基づいて反発電極11の電位を調整するための調整データを算出する算出部142と、算出した調整データを出力するポート出力端子143と、調整データに基づいて反発電極11に印加すべき複数の電圧を切り換える電圧切換部144とを有する。
A/D変換部141は、例えばCPUのA/D入力端子であり、計測部13から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換して算出部142へ出力するようにしてある。
算出部142は、例えば演算の機能を備えているCPUであり、変換されたデジタルデータに基づいて調整データを算出してポート出力端子143を介して電圧切換部144に出力するようにしてある。
電圧切換部144は、例えばポート出力端子143と図示しない給電部との間に設けられるアナログスイッチであり、ポート出力端子143からの調整データに基づいて反発電極11に印加すべき電圧を切り換える。ここで、電圧切換部144は切換動作を制御する切換制御部を有するものであってもよい。この場合、算出部142からの調整データを電圧切換部144の切換制御部に入力すればよい。これにより、電圧切換部144は調整データに基づいて反発電極11に印加すべき電圧を所定の電圧に切り換えるようにしてある。
例えば、イオンの量を測定する場合、反発電極11の電位を−2.5V、集電電極12の電位を2.5Vとする。集電電極12に収集されるマイナスイオンが増加することに伴って、集電電極12の電位は2.5Vから下がっていく。調整部14は、集電電極12の電位変化に応じて、電圧切換部144にて反発電極11に印加すべき電圧を切り換えることで、反発電極11の電位を変えて、反発電極11と集電電極12との電位差を一定に維持するようにしてある。例えば、集電電極12の電位が2.0Vと下がったときに、反発電極11の電位を−2.5Vから−3.0Vに切り替えることで、反発電極11と集電電極12との電位差を維持し、反発電極11と集電電極12とのイオン収集効果を保つことができる。
次に、図3から図5に基づいて計測部13について説明する。説明の便宜上、図3及び図5において、集電電極12及び調整部14を夫々示すブロックも記載している。
図3は計測部13の一構成例を示す回路図である。計測部13は、図3における点線に囲まれている計測回路13aを用いて集電電極12の電位を計測するようにしてある。計測回路13aはオペアンプ131と、コンデンサ132と、スイッチ133とを含んでいる。オペアンプ131は、反転入力端子が集電電極12に接続するとともにコンデンサ132を介して出力端子に接続し、非反転入力端子が接地してある。スイッチ133はコンデンサ132に並列に接続してある。
イオンの量を測定する場合、スイッチ133がオフとされ、集電電極12に収集されたマイナスイオンの電荷がコンデンサ132に蓄積され、一定の時間を経て、収集されたイオンの量に比例したアナログの電圧信号がオペアンプ131の出力端子から出力され、スイッチ133がオンとされ、コンデンサ132に蓄積している電荷がクリアされ、1周期の測定が終わり、次の測定周期に入る。図4は測定期間における集電電極12の電圧変化を示す概念図である。オペアンプ131からのアナログの電圧信号がCPU等のA/D入力端子に入力される。この電圧信号に基づいて、演算機能を備えるCPU等においてイオンの量と、反発電極11の電位を調整するための調整データとが算出される。なお、イオン量の測定として、複数の周期分の測定を実施してその平均値を取ることが好ましい。
図5に、計測部13の他の構成例を示す回路図である。計測部13は、図5における点線に囲まれている計測回路13bを用いて集電電極12の電位を計測するようにしてある。計測回路13bはオペアンプ134と、抵抗値が例えば10GΩである抵抗135、136とを含んでいる。オペアンプ134は非反転入力端子が集電電極12に接続するとともに抵抗135を介して基準電位REFに接続し、反転入力端子が抵抗136を介して出力端子に接続してある。
イオンの量を測定する場合、集電電極12にマイナスイオンを収集すると、電子が集電電極12から抵抗135を介して基準電位REFへ移動するため、集電電極12の電位は基準電位REFより僅かに小さくなる。その電位差はオペアンプ134の出力端子からアナログの電圧信号として出力され、CPU等のA/D入力端子に入力される。この電圧信号に基づいて、演算機能を備えるCPU等においてイオンの量と、反発電極11の電位を調整するための調整データとが算出される。なお、必要に応じて、オペアンプ134の後段に増幅回路を接続してオペアンプ134の出力を増幅してからA/D変換部141に入力するとしてもよい。
以上、計測部13の構成例を説明したが、ここで例示した計測回路13a及び計測回路13bのほかに、集電電極12の電位を計測することができる他の構成の計測回路も本発明に適用することができる。
次に、調整部14を備えないイオン量測定装置と比較して、本発明のイオン量測定装置10の効果について説明する。
通常、本発明のような調整部14を備えないイオン量測定装置では、大きな測定誤差が発生する恐れがある。その理由について、上記図3に示す計測部13を従来のイオン量測定装置に用いる場合を例として説明する。コンデンサ132の容量を2pF、計測周期を1秒、反発電極11と集電電極12との電位差を−5Vに設計した場合、集電電極12に1秒当たりに収集されたマイナスイオンの数量が約63万個となるときに、1周期後、計測部13からの出力電圧が−0.05Vとなり、反発電極11と集電電極12との電位差が−4.95Vとなる。反発電極11の電位が常に一定であると想定すると、集電電極12の電位変化による影響は1%で、測定誤差が少ないと言えるが、集電電極12に1秒当たりに収集されたマイナスイオンの数量が約6300万個となるときに、1周期後、計測部13の出力電圧が−5Vとなり、反発電極11と集電電極12との電位差がなくなり、測定誤差が無視できない程度となる。
これに対して、本実施の形態のイオン量測定装置10では、集電電極12の電位に基づいて反発電極11の電位を調整する調整部14を設けているため、収集されたイオンの増加に伴って集電電極12の電位が変化した場合であっても、集電電極12の電位変化に応じて反発電極11の電位を調整することで、反発電極11と集電電極12との電位差を一定に維持することができる。これにより、反発電極11と集電電極12とのイオン収集効果を保ち、収集されたイオンの電荷による電圧が空気中のイオンの量を正確に反映するようになる。よって、イオン量測定期間の電位変化による影響を減少させ、高精度にイオンの量を測定することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1において、電圧切換部144を使わずに、CPUのD/A出力端子から反発電極11に電圧を直接に出力する形態である。なお、以降の説明において、実施の形態1と同様の構成については、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。なお、実施の形態1と同様の構成については実施の形態1と同じ符号を付している。
実施の形態2は、実施の形態1において、電圧切換部144を使わずに、CPUのD/A出力端子から反発電極11に電圧を直接に出力する形態である。なお、以降の説明において、実施の形態1と同様の構成については、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。なお、実施の形態1と同様の構成については実施の形態1と同じ符号を付している。
図6は本発明の実施の形態2に係るイオン量測定装置10の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態では、イオン量測定装置10は、反発電極11と、集電電極12と、計測部13と、調整部14とを有するが、調整部14の構成は実施の形態1と異なる。
本実施の形態では、調整部14は、計測部13から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部141と、変換されたデジタルデータに基づいて反発電極11の電位を調整するための調整データを算出する算出部142と、算出した調整データをアナログ信号に変換して反発電極11に出力するD/A変換部145とを有する。
A/D変換部141は、例えばCPUのA/D入力端子であり、計測部13から出力された反発電極11の電位を示すアナログの電圧信号をデジタルデータに変換して算出部142に入力するようにしてある。算出部142は、例えば演算の機能を備えているCPUであり、変換されたデジタルデータに基づいて調整データを算出してD/A変換部145に出力するようにしてある。D/A変換部145は、例えばCPUのD/A出力端子であり、入力された調整データをアナログの電圧信号に変換し、反発電極11に出力するようにしてある。このように、集電電極12の電位変化に応じて、リアルタイムで反発電極11の電位を変化させることにより、反発電極11と集電電極12との電位差を常に一定とさせる。
以上のような構成のイオン量測定装置10では、実施の形態1と同様に、反発電極11と集電電極12との電位差を一定に維持することができ、また、アナログスイッチ等で複数の電圧を切り換えることで反発電極11の電位を調整する実施の形態1のイオン量測定装置と比較すると、反発電極11の電位をリアルタイムで変え、きめ細かに調整することが可能である。これにより、反発電極11と集電電極12とのイオン収集効果を保ち、収集されたイオンの電荷による電圧が空気中のイオンの量を正確に反映するようになる。よって、イオン量の測定誤差を一層小さくすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1及び実施の形態2において、計測部13として計測回路の後段に増幅回路が接続してある形態である。また、以降の説明においても、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成については、実施の形態1又は実施の形態2を参照するものとし、その説明を省略する。なお、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成については実施の形態1又は実施の形態2と同じ符号を付している。
実施の形態3は、実施の形態1及び実施の形態2において、計測部13として計測回路の後段に増幅回路が接続してある形態である。また、以降の説明においても、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成については、実施の形態1又は実施の形態2を参照するものとし、その説明を省略する。なお、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成については実施の形態1又は実施の形態2と同じ符号を付している。
図7は本発明の実施の形態3に係るイオン量測定装置10における計測部13の構成を示す回路図である。説明の便宜上、同図において、集電電極12と調整部14とを夫々示すブロックも記載している。計測回路13aと増幅回路13cとは夫々点線で囲まれている。図7に示すように、計測回路13aの後段には、増幅回路13cと、増幅回路13cの使用/非使用を切り換える切換スイッチ130とが配置されている。ここで、計測回路として、図3に示している計測回路13aを用いたが、図5に示している計測回路13b、又は電位を計測することができる他の計測回路を用いてもよい。
増幅回路13cは、例えば、オペアンプ137と、抵抗138と、抵抗139とを含んでいる非反転増幅回路であるが、これに限らず、必要に応じて他の構成の増幅回路を使ってもよい。計測回路13aからの電圧信号がオペアンプ137の非反転入力端子に入力される。
オペアンプ137は、非反転入力端子が切換スイッチ130の第1の切換端に接続し、反転入力端子が抵抗139を介して接地するとともに抵抗138を介して出力端子に接続してある。また、オペアンプ137の出力端子は切換スイッチ130の第2の切換端に接続してある。
切換スイッチ130は、第1の切換端に接続することで、増幅回路13cを経由せずに計測回路13aからの電圧信号を調整部14に出力し、第2の切換端に接続することで、増幅回路13cを経由して計測回路13aからの電圧信号を調整部14に出力するようにしてある。以降の説明において、電圧信号が増幅回路13cを経由しない経路を経路A、増幅回路13cを経由する経路を経路Bと言う。つまり、切換スイッチ130にて切り換えることで、経路A又は経路Bを選択して集電電極12の電位を計測することができる。
次に、本実施の形態のような計測部13を有しないイオン量測定装置と比較して、本実施の形態のイオン量測定装置10の効果を説明する。
通常、イオン量測定装置では、電圧の幅が回路の設計時に決まってしまうため、電位の調整に上限、下限が存在し、反発電極11と集電電極12との電位差を一定に保てなくなることもある。例えば、イオンの濃度が高い場合、又は計測周期が長い場合、集電電極12の電位変化の幅が大きくなり、反発電極11に対する電位調整は、調整可能な範囲を超え、反発電極11と集電電極12との電位差が一定に維持されない恐れがある。
これに対して、本実施の形態では、計測回路13aの後段に増幅回路13cが接続してあるため、計測周期を短縮させることができる。例えば、経路Aを使って集電電極12の電位を計測する場合、計測周期を100msとするが、経路Bを使って集電電極12の電位を計測する場合、増幅回路13cにて計測回路13aからの電圧信号を増幅するため、計測周期を10msとすればよい。これにより、計測周期を大幅に短縮させ、反発電極11の電位調整の幅を小さくし、イオン量の測定の精度を確保することができる。
図8は本実施の形態3の計測部13による計測値と理論値との関係を示すグラフである。図8において、実線が理論値を示し、点線が経路Aで計測した場合の計測値(以下、経路Aの計測値と言う)を示し、破線が経路Bで計測した場合の計測値(以下、経路Bの計測値と言う)を示す。ここで、経路Bの計測値は、実際の波形ではなく、零点と一つの実測値に対応する点とを破線で結ぶことで得たものである。例えば、経路Aを使う場合の計測周期の1/10を周期とし、10周期分の計測を実施し、その平均値を取り10倍増幅することで、一つの実測値を取得して、図8において、破線で零点とこの実測値に対応する点とを結んで経路Bの計測値を示している。図8に示すように、経路Bの計測値は経路Aの計測値よりも理論値に近いため、計測部13として計測回路13aと増幅回路13cとを併用することで、計測の精度を高めることができる。
また、図8に示すように、経路Aの計測値と経路Bの計測値との差分については、時間t1で小さく、時間t2でやや大きくなる。即ち、経路Aと経路Bとの計測値の差分は集電電極12にイオンが多く集まるほど大きくなる。本実施の形態では、切換スイッチ130にて切り換え、経路Aと経路Bとを交互に介して集電電極12の電位を計測することにより、経路Aと経路Bとの計測値の差分が得られる。計測周期が長い場合、又はイオン濃度が非常に高い場合、この差分を利用して経路Bの計測値を修正することにより、理論値に一層近い計測値を得ることができる。即ち、経路Aと経路Bとの計測値の差分から得られる情報を経路Bの計測値に加味することで、経路Bの計測値のみを使う場合よりも理論値に近くすることができる。よって、計測の精度をさらに高めることができ、低コスト、且つ高精度の測定が可能となる。
以上、イオン発生装置1に内蔵されたイオン量測定装置10について説明したが、イオン量測定装置10はイオン発生装置1と別になる装置であってもよい。
要するに、本実施の形態は例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 イオン発生装置
2 AC/DC変換回路
3 高電圧発生回路
4 イオン発生素子
5 ファン
10 イオン量測定装置
11 反発電極
12 集電電極
13 計測部
13a、13b 計測回路
13c 増幅回路
14 調整部
50 商用交流電源
130 切換スイッチ
131、134、137 オペアンプ
132 コンデンサ
133 スイッチ
135、136、138、139 抵抗
141 A/D変換部
142 算出部
143 ポート出力端子
144 電圧切換部
145 D/A変換部
2 AC/DC変換回路
3 高電圧発生回路
4 イオン発生素子
5 ファン
10 イオン量測定装置
11 反発電極
12 集電電極
13 計測部
13a、13b 計測回路
13c 増幅回路
14 調整部
50 商用交流電源
130 切換スイッチ
131、134、137 オペアンプ
132 コンデンサ
133 スイッチ
135、136、138、139 抵抗
141 A/D変換部
142 算出部
143 ポート出力端子
144 電圧切換部
145 D/A変換部
Claims (7)
- イオンを反発させる反発電極と、該反発電極によって反発されたイオンを収集する集電電極と、該集電電極の電位を計測する計測手段とを有し、該計測手段にて計測した電位に基づいてイオンの量を測定するイオン量測定装置において、
前記計測手段にて計測した電位に基づいて前記反発電極の電位を調整する調整手段を有することを特徴とするイオン量測定装置。 - 前記計測手段は、前記集電電極の電位を電圧信号として出力するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のイオン量測定装置。
- 前記計測手段は、集電電極に接続されている集電電極の電位の計測回路と、該計測回路の後段に配置されている増幅回路と、該増幅回路の使用/非使用を切り換える切換スイッチとを有することを特徴とする請求項2に記載のイオン量測定装置。
- 前記調整手段は、
前記計測手段から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部と、
該A/D変換部によって変換されたデジタルデータに基づいて前記反発電極の電位を調整するための調整データを算出する算出部と、
前記調整データに基づいて前記反発電極に印加すべき複数の電圧を切り換える電圧切換部と
を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のイオン量測定装置。 - 前記調整手段は、
前記計測手段から出力されたアナログの電圧信号をデジタルデータに変換するA/D変換部と、
該A/D変換部によって変換されたデジタルデータに基づいて前記反発電極の電位を調整するための調整データを算出する算出部と、
前記調整データをアナログ信号に変換して前記反発電極に出力するD/A変換部と
を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のイオン量測定装置。 - イオンを発生するイオン発生手段と、
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のイオン量測定装置とを有し、
前記イオン発生手段が発生したイオンの量を前記イオン量測定装置により測定するようにしてあることを特徴とするイオン発生装置。 - 反発電極にてイオンを反発させ、反発されたイオンを集電電極にて収集し、該集電電極の電位を計測し、計測した電位に基づいてイオンの量を測定するイオン量測定方法において、
前記計測した電位に基づいて前記反発電極の電位を調整することを特徴とするイオン量測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011018472A JP2012159364A (ja) | 2011-01-31 | 2011-01-31 | イオン量測定装置、イオン量測定方法及びイオン発生装置 |
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JP2012159364A true JP2012159364A (ja) | 2012-08-23 |
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JP (1) | JP2012159364A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015036647A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 日本特殊陶業株式会社 | 微粒子測定システム |
-
2011
- 2011-01-31 JP JP2011018472A patent/JP2012159364A/ja active Pending
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