JP2012157875A - 曲がり形状を有する閉断面構造部品の製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】部品長手方向曲がりに対応する板長手方向曲がりを設け、フランジ部13に板幅両端部を対応させた2枚の金属板を、部品断面内での非溶接曲がり部及び溶接部11にそれぞれ対応する板部位に折目2が付くようにプレス成形し、次いで、その凸面側が外側となるように上下に重ね合わせて幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合わせたフランジ部対応部位の折目同士を長手方向に溶接して溶接部11を形成し、得られた閉断面構造体5を、左右一対の回転ロール40a,40b或いは更に下方の回転ロール40cでガイドして搬送しつつ、前記回転ロールのロール間隔の変更或いは更に前記回転ロールの昇降により、前記折目及び前記溶接部を起点として立体化させて目標形状の部品となす。
【選択図】図1
Description
特許文献2には、金属薄板の搬送経路を挟むように配置された一対の回転ロールとその下方に配置された回転ロールとが設けられ、一対の回転ロールはロール間隔可変であり、その下方に配置された回転ロールは昇降可能であるロール成形装置、及び、該装置での部品製造方法として、長尺の金属薄板の一部が一対の回転ロール間を搬送されている時に一対の回転ロールのロール間隔を変化させるとともに、搬送されている金属薄板を局所的に変形させるように下方に設置された回転ロールを昇降させることによって、長手方向に関して、同一断面を有しないロール成形部品を製造する技術が記載されている。
特許文献2の技術は、一対の回転ロールを有する一般的なロール成形に加えて、一対の回転ロールの下方に断面形状を部品長手方向で変化させるための回転ロールが付随した成形装置により、部品長手方向で断面形状を変化させることが可能となる成形技術であるが、同時に長手方向への曲がり形状を付与することは不可能である。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)2枚の金属板から部品長手方向に曲がり及び溶接部を有し該溶接部にはフランジ部が連なる異形断面形状の閉断面構造部品を製造する方法であって、
部品長手方向曲がりに対応する板長手方向曲がりを設け、前記フランジ部に板幅両端部を対応させた2枚の金属板を、部品断面内での非溶接曲がり部及び溶接部にそれぞれ対応する板部位に折目が付くようにプレス成形する第1工程と、
前記プレス成形後の2枚の金属板を、その凸面側が外側となるように上下に重ね合わせて幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合わせたフランジ部対応部位の折目同士を長手方向に溶接して溶接部を形成することで、閉断面構造体となす第2工程と、
得られた閉断面構造体を、左右一対の回転ロール或いは更に下方の回転ロールでガイドして搬送しつつ、前記回転ロールのロール間隔の変更或いは更に前記回転ロールの昇降により、前記折目及び前記溶接部を起点として立体化させて目標形状の部品となす第3工程と
を有することを特徴とする閉断面構造部品の製造方法。
(2)2枚の金属板から部品長手方向に曲がり及び溶接部を有し該溶接部にはフランジ部が連なる異形断面形状の閉断面構造部品を製造する装置であって、
部品長手方向曲がりに対応する板長手方向曲がりを設け、前記フランジ部に板幅両端部を対応させた2枚の金属板を、部品断面内での非溶接曲がり部及び溶接部にそれぞれ対応する板部位に折目が付くようにプレス成形するプレス成形機と、
前記プレス成形後の2枚の金属板を、その凸面側が外側となるように上下に重ね合わせて幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合わせたフランジ部対応部位の折目同士を長手方向に溶接して溶接部を形成することで、閉断面構造体となす溶接機と、
得られた閉断面構造体を、左右一対の回転ロール或いは更に下方の回転ロールでガイドして搬送しつつ、前記回転ロールのロール間隔の変更或いは更に前記回転ロールの昇降により、前記折目及び前記溶接部を起点として立体化させて目標形状の部品となすロール成形機と
を有することを特徴とする閉断面構造部品の製造装置。
さらに主として曲げ加工で所定の形状を得ることが可能であるため、超高張力鋼板を素材とした部品製造が容易となる。
図2の例では、断面形状(短手方向断面形状の意、以下同じ)が四角形をなし、長手方向に曲がりを有し、尚且つ長手方向の始端部と終端部とでは断面形状が異なっている(すなわち、異形である)。四角形断面の始端部の一辺長は30mm、終端部の一辺長は20mm、長手方向全長(長手方向両端間の最短距離)が300mm、曲がりの曲率半径は始端側400mm、終端側で400mmであり、部品長手方向中央部(長手方向両端から150mmの位置)で曲がりの方向が左右逆転した形状である。又、四角形の対角位置にある二対の頂点の中の一対が溶接部11、もう一対が非溶接曲がり部12をなしている。溶接部11にはフランジ部13が連なっている。フランジ部13の幅は5mmである。
(第1工程)
第1工程は予成形工程である。パンチ3とダイ4を有するプレス成形機20を用い、金属板1に対し、部品四角断面の4つの頂点の中、非溶接曲がり部12に対応する幅内側の曲げ線(A)(A’)の部位と溶接部11に対応する幅端側の曲げ線(B)(B’)の部位とに、折目2が付くようにプレス成形する。かかる折目2が付くように、パンチ3とダイ4の型形状は設計されている。尚、折目2の箇所における板幅方向の曲率半径は、各折目2毎に、板の全長にわたって一定の値をとるようにした。
(第2工程)
第2工程は幅端部溶接工程である。前記予成形後の金属板1a,1bを、その張り出し側(第1工程にて、曲げ成形により折目2が形成され凸面となっている側)が外側となるように上下に重ね合わせて溶接機30内に配置し、幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合ったフランジ部13対応部位を、上下の押さえ治具6a,6bにて押さえ、上下に重なった幅の左端の曲げ線(B)(B’)部位の折目2同士、右端の曲げ線(B)(B’)部位の折目2同士をそれぞれ長手方向に溶接して溶接部11を形成し、閉断面構造体5となす。この溶接は、スポット溶接又はレーザ溶接等で行うのが好適である。溶接装置(図示せず)は、公知のスポット溶接装置、レーザ溶接装置等を用いることができる。
(第3工程)
第3工程はロール成形工程である。すなわち、前工程で得られた閉断面構造体5をロール成形機40に通す。ロール成形機40は、閉断面構造体5を、左右一対の回転ロール40a,40b、或いは更に下方の回転ロール40cでガイドして搬送しつつ、前記回転ロール40a,40bのロール間隔の変更、或いは更に前記回転ロール40cの昇降により、前記折目2及び前記溶接部11を起点として立体化させて目標形状の部品10となす。
そして、製造工程としては、四角形断面を六角形断面に変更したことに対応して、図1において用いる装置部材に変更を加えてなる、例えば図4に示すような工程を採用する。すなわち、第1工程(予成形工程)に用いる金型形状を、図6の曲げ線(A)(B)(A’)(B’)の箇所に折目2が付くような金型形状とする。第2工程(フランジ部溶接工程)では、押さえ治具6を予成形後のブランク形状に合った断面形状のものとする。第3工程(ロール成形工程)では、下方の回転ロール40cのロールプロファイルを、例えば六角形の一辺部の安定的案内が可能な平底形状とする。これら変更点以外は図1と同様である。これにより、図6下側に示す成形後形状が、高精度且つ容易に達成される。
[部品目標形状] 断面が部品長手方向に異形の四角(各角は直角)形状で、溶接部に連なるフランジ部を有し、部品長手方向にS字形の曲がりを有する形状である。
[素材金属板] 引張強度が1180MPaの冷延鋼板(板厚1.4mm)から、部品目標形状に対応するS字形の曲がりを有する2枚のブランクA,Bを切り出して素材とした。
[溶接条件] レーザ溶接、レーザ出力3.8kW、溶接速度2.5m/分、レーザフォーカス直径2mm
(実施例1)
図3(a)に示すように、1枚のブランク1a(ブランクA)は幅端側の2本の曲げ線(B)(B)間の中央の位置に、折目2となすべき曲げ線(A)を設定され、もう1枚のブランク1b(ブランクB)は幅端側の2本の曲げ線(B’)(B’)間の中央の位置に、折目2となすべき曲げ線(A’)を設定された。これら2枚のブランクA,Bを、第1工程で前述のとおり予成形して曲げ線(A)(A’) (B)(B’)にそれぞれ沿った折目2を付け、第2工程で前述のとおり重ね合わせる際にブランクAを上側、ブランクBを下側とし、上下に向かい合った幅端側の曲げ線(B)(B’)部位をレーザ溶接し、得られた閉断面構造体5を第3工程で前述のとおりロール成形して、部品10を得た。
(実施例2)
図3(b)に示すように、1枚のブランク1a(ブランクA)は幅端側の2本の曲げ線(B)(B)間の中央より左寄りの位置に、折目2となすべき曲げ線(A)を設定され、もう1枚のブランク1b(ブランクB)は幅端側の2本の曲げ線(B’)(B’)間の中央より右寄りの位置(中央の位置に関して前記左寄りの位置と対称の位置)に、折目2となすべき曲げ線(A’)を設定された。これら2枚のブランクA,Bを、第1工程で前述のとおり予成形して曲げ線(A)(A’)(B)(B’)にそれぞれ沿った折目2を付け、第2工程で前述のとおり重ね合わせる際にブランクAを上側、ブランクBを下側とし、上下に向かい合った幅端側の曲げ線(B)(B’)部位をレーザ溶接し、得られた閉断面構造体5を第3工程で前述のとおりロール成形して、部品10を得た。
(比較例)
実施例と同じ鋼板から、実施例とは異なる形状に切り出した1枚のブランクを素材とし、従来通りロール成形にて成形開始部分と成形終了部分とが異形の断面形状となるように成形加工(異形断面化)を行い、図3(c)に示す、中間形状部品15となし、これをロール成形にて三点曲げの要領で曲げ加工し、最終形状部品16を得た。
2 折目(曲げ線(A)(A’)、(B)(B’)に対応)
3 パンチ
4 ダイ
5 閉断面構造体
6 押さえ治具(a,bは上と下)
10 部品(本発明が製造対象とする曲がり形状を有する閉断面構造部品)
11 溶接部
12 非溶接曲がり部
13 フランジ部
14 切欠
15 比較例の中間形状部品
16 比較例の最終形状部品
20 プレス成形機
30 溶接機
40 ロール成形機
40a、40b 回転ロール
40c 回転ロール
Claims (2)
- 2枚の金属板から部品長手方向に曲がり及び溶接部を有し該溶接部にはフランジ部が連なる異形断面形状の閉断面構造部品を製造する方法であって、
部品長手方向曲がりに対応する板長手方向曲がりを設け、前記フランジ部に板幅両端部を対応させた2枚の金属板を、部品断面内での非溶接曲がり部及び溶接部にそれぞれ対応する板部位に折目が付くようにプレス成形する第1工程と、
前記プレス成形後の2枚の金属板を、その凸面側が外側となるように上下に重ね合わせて幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合わせたフランジ部対応部位の折目同士を長手方向に溶接して溶接部を形成することで、閉断面構造体となす第2工程と、
得られた閉断面構造体を、左右一対の回転ロール或いは更に下方の回転ロールでガイドして搬送しつつ、前記回転ロールのロール間隔の変更或いは更に前記回転ロールの昇降により、前記折目及び前記溶接部を起点として立体化させて目標形状の部品となす第3工程と
を有することを特徴とする閉断面構造部品の製造方法。 - 2枚の金属板から部品長手方向に曲がり及び溶接部を有し該溶接部にはフランジ部が連なる異形断面形状の閉断面構造部品を製造する装置であって、
部品長手方向曲がりに対応する板長手方向曲がりを設け、前記フランジ部に板幅両端部を対応させた2枚の金属板を、部品断面内での非溶接曲がり部及び溶接部にそれぞれ対応する板部位に折目が付くようにプレス成形するプレス成形機と、
前記プレス成形後の2枚の金属板を、その凸面側が外側となるように上下に重ね合わせて幅の左右両側でそれぞれ上下に向かい合わせたフランジ部対応部位の折目同士を長手方向に溶接して溶接部を形成することで、閉断面構造体となす溶接機と、
得られた閉断面構造体を、左右一対の回転ロール或いは更に下方の回転ロールでガイドして搬送しつつ、前記回転ロールのロール間隔の変更或いは更に前記回転ロールの昇降により、前記折目及び前記溶接部を起点として立体化させて目標形状の部品となすロール成形機と
を有することを特徴とする閉断面構造部品の製造装置。
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