JP2012156254A - 熱応答性材料、サーミスタ、スイッチング素子、及び、受動素子の製造方法 - Google Patents

熱応答性材料、サーミスタ、スイッチング素子、及び、受動素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に作製可能で、かつ、抵抗変化特性に係る設計の自由度が高い、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料を提供する。
【解決手段】温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料において、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料、当該熱応答性材料を用いたサーミスタ、スイッチング素子、及び、受動素子の製造方法に関する。
温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタとして、従来からNTC(negative temperature coefficient)サーミスタが、温度検出用センサ、電源回路の突入電流減少用などに用いられている。
このNTCサーミスタは、例えば、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合して焼結して作製される(特許文献1、2、3)。
特開平06−314601号公報 特開平06−310304号公報 特開平06−310303号公報
上述したような、酸化物を混合して焼結して作製されるサーミスタは、成形工程から焼結工程までの作製工数が比較的多く、このため、薄型化や小型化を図るための加工工程が更に増えてしまうという問題がある。また、このようなサーミスタは、急激な抵抗変化を実現できないことや、抵抗変化が材料物性に依存するため抵抗変化特性に係る設計の自由度が低いという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、容易に作製可能で、かつ、抵抗変化特性に係る設計の自由度が高い、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料、当該熱応答性材料を用いたサーミスタ、スイッチング素子、及び、これら受動素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係る熱応答性材料は、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料であって、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなることを特徴とする。
また、本発明に係るサーミスタは、対向して配置された2つ電極材と、電極材の間に配置され、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料とを備え、熱応答性材料は、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、電極材の間の抵抗値が小さくなることを特徴とする。
また、本発明に係るスイッチング素子は、対向して配置された2つ電極材と、電極材の間に配置され、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料とを備え、熱応答性材料は、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなり、電極材間のスイッチング状態をオフからオンに切り換えることを特徴とする。
本発明に係る受動素子の製造方法は、第1の電極材の一の面に、熱応答性材料を塗布する塗布工程と、塗布工程により熱応答性材料が塗布された第1の電極材の一の面に、対向するように、第2の電極材を貼り合わせる貼り合わせ工程とを有し、熱応答性材料は、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と該導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなることを特徴とする。
本発明は、温度が、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、電極材の間の抵抗値が小さくなる。
このようにして、本発明は、第1の樹脂と第2の樹脂と導電性粒子とを用いて、焼結などによらず混合して簡易的に作製でき、かつ、第2の樹脂の含有率を調整することで、抵抗変化特性を容易に調整することができる。
本実施形態に係る熱応答性材料の作製工程について説明するための図である。 シリコーンゴムの線膨張係数の温度特性を示す図である。 高密度ポリエチレンの線膨張係数の温度特性を示す図である。 熱応答性材料において、各配合物の配合率を変化させたときの抵抗値の温度特性について説明するための図である。 熱応答性材料において、各配合物の配合率を変化させたときの抵抗値の温度特性について説明するための図である。 直鎖状低密度ポリエチレンの線膨張係数の温度特性を示す図である。 低密度ポリエチレンの線膨張係数の温度特性を示す図である。 PE系プラストマーの線膨張係数の温度特性を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明が適用された熱応答性材料は、温度変化に応じて抵抗値が変化するものであって、具体的には、温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタ、又は、温度の上昇に応じてスイッチング状態がオフからオンに切り換えるスイッチング素子などの受動素子に適用されるものである。
本発明が適用された熱応答性材料は、第1の樹脂と、第2の樹脂と、導電性粒子とを混合したものである。
第1の樹脂は、例えば、シリコーンなどの可撓性有機樹脂であって、所定の線膨張係数で膨張するものである。
また、第2の樹脂は、例えば、高密度ポリエチレンなどの結晶性有機樹脂であって、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等又は第1の樹脂の線膨張係数より低く、かつ、軟化点より高い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より高い物性を有するものである。このように、第2の樹脂は、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数と同等でもよいが、例えば、高密度ポリエチレンなどの結晶性有機樹脂のように、軟化点より低い温度での線膨張係数が、第1の樹脂の線膨張係数より低い物性を有するものが、より高感度な抵抗変化を実現する観点から好ましい。
導電性粒子は、例えばカーボンブラックなどの、当該熱応答性材料の導電特性を実現する材料である。
また、熱応答性材料は、上述した第1の樹脂、第2の樹脂、及び、導電性粒子に対して、平均粒径が大きい無機フィラーを含有してもよく、特に、無機フィラーを含有することで、後述するように、当該応答性材料を電極材間に配置したときの高さ調整がしやすいという点で好ましい。
以上のような構成からなる熱応答性材料は、例えば第1の樹脂を主剤として、第2の樹脂と、導電性粒子と、無機フィラーを添付することによって、容易にスラリー状態の材料として作製することができる。また、熱応答性材料は、主剤である第1の樹脂の弾性率、強度、硬度、膨張率と、第2の樹脂の膨張率、主剤との相溶性、接着性、流動性に基づいて、抵抗値の温度特性を調整することができる。また、熱応答性材料は、導電性粒子と、第2の樹脂と、無機フィラーなどの大きさ、表面積、充填率などに応じて、抵抗変化の発現の程度を調整することができる。
また、本発明が適用されたサーミスタ、及び、スイッチング素子は、上記のような熱応答性材料を用いて、例えば図1に示すような工程により作製することができる。
まず、図1(A)に示すように、AgやCuなどからなる電極材11の表面11aに、スラリー状態の熱応答性材料12を塗布する。ここで、塗布を行う具体的な工程は、インクコーターなどを用いて行うようにすればよい。
次に、図1(B)に示すように、電極材11の表面11aに形成された熱応答性材料12の上に、電極材13を貼り合わせる。ここで、当該貼り合わせを行う工程では、具体的に、フィルム状の電極材13と、電極材11の表面11aに形成された熱応答性材料12とをローラーにより加圧することで行うようにしてもよい。そして、サーミスタ、及び、スイッチング素子は、電極材11、13とが貼り合わされた熱応答性材料11を、オーブンなどで加熱して主剤である第1の樹脂を固化させることで、作製される。
以上のような工程により作製されるサーミスタは、その温度が、第2の樹脂の軟化点より低いときは、抵抗値の温度特性が第1の樹脂の物性に依存する。そして、当該サーミスタは、その温度が、第2の樹脂の軟化点よりも高くなると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることによって、電極材の間の抵抗値が小さくなるという温度特性を実現する。
また、以上のような工程により作製されるスイッチング素子は、温度が、第2の樹脂の軟化点より高くなると、第2の樹脂の体積増加により、第1の樹脂と導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が著しく小さくなる。このような作用によって、スイッチング素子は、その温度が第2の樹脂の軟化点を境界として、電極材間のスイッチング状態をオフからオンに切り換える機能を実現する。
以上のように、本実施形態に係る熱応答性材料は、第1の樹脂と第2の樹脂と導電性粒子とを混合することで容易に作製でき、且つ、第2の樹脂の含有率を調整することで、抵抗変化特性を容易に調整することができる。
また、本実施形態に係るサーミスタ、及び、スイッチング素子は、上述した熱応答性材料を電極材上に塗布することで容易に作製できるため、焼結処理を必要とする熱応答性材料に比べて、工数削減および薄型化を図り、設計の自由度を付与することができる。
次に、実施例として、具体的な配合物を用いて作製した熱応答性材料と、その抵抗値の温度特性について評価するものとする。
まず、熱応答性材料の配合物としては、次のようなものを用いた。すなわち、第1の樹脂の一例として、信越化学製の、ゴム硬度が56のシリコーンゴム「KE106」を用いた。第2の樹脂としては、結晶性樹脂の一例、すなわち、軟化点が133.7℃であって融点が136℃の旭化成ケミカル製の粉末の高密度ポリエチレン(HDPE)「UH900」を用いた。導電性粒子としては、福田貴金属箔工業製の「カーボニルNi−123」を用いた。無機フィラーとしては、アズワン社販売のガラスビーズ(平均粒径が0.17〜0.25mm)を用いた。
ここで、シリコーンゴムの線膨張係数は、一般的に2.0〜4.0×10ー4[1/℃]程度であって、例えば、シリコーンゴム「KE106」は、TMA(Thermomechanical Analysis,熱機械分析)による引張測定により、図2に示すように、その線膨張係数が、30〜200℃の温度範囲において、2.11×10−4[1/℃]と算出される。
これに対して、第2の樹脂として用いる高密度ポリエチレン(HDPE)は、第1の樹脂より線膨張係数が低く、軟化点より高い温度で、第1の樹脂より線膨張係数が高いという条件を、次のとおり満たすものである。
すなわち、高密度ポリエチレン「UH900」は、図3に示すように、TMAによる引張測定により、軟化点(ガラス転移点:Tg)である133.7[℃]以下で線膨張係数が約1.4×10−4[1/℃]であり、軟化点(ガラス転移点:Tg)である133.7[℃]以上で線膨張係数が7.5×10−2[1/℃]と算出される。このように、高密度ポリエチレン(HDPE)は、軟化点前後で、線膨張係数が数十倍程度変化しており、このような特性を有することで、第2の樹脂の軟化点を超えると、第2の樹脂の体積が著しく増加することにより、第1の樹脂と導電性粒子とを効果的に圧迫し、互いに接触する導電性粒子の数を増加させることができる。
この結果、熱応答性材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)の軟化点を超えると、急激な抵抗降下を実現することができる。
以上のような配合物を用いた熱応答性材料において、各配合物の配合率を変化させたときの抵抗値の温度特性について、図4、及び、図5を用いて評価する。
まず、図4は、無機フィラーを含有しない条件下において、次の4種類の温度特性について示すグラフである。
すなわち、第1種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が65vol%、導電性粒子Niが33vol%、高密度ポリエチレンUH900が2vol%の配合条件のものである。第2種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が65vol%、導電性粒子Niが28vol%、高密度ポリエチレンUH900が7vol%の配合条件のものである。第3種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が65vol%、導電性粒子Niが23vol%、高密度ポリエチレンUH900が12vol%の配合条件のものである。第4種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が60vol%、導電性粒子Niが23vol%、高密度ポリエチレンUH900が17vol%の配合条件のものである。
また、図5は、無機フィラーを含有する条件下において、次の2種類の温度特性について示すグラフである。
すなわち、第1種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が55vol%、導電性粒子Niが28vol%、高密度ポリエチレンUH900が17vol%の配合条件のものである。第2種類目の熱応答性材料は、シリコーン樹脂が60vol%、導電性粒子Niが33vol%、高密度ポリエチレンUH900が7vol%の配合条件のものである。また、図5では、比較例に係る熱応答性材料として、シリコーン樹脂が65vol%、導電性粒子Niが35vol%、高密度ポリエチレンUH900が0vol%の配合条件のものを示している。
まず、図4及び図5を見ると、シリコーン樹脂が60〜70vol%、導電性粒子が25〜35vol%、無機フィラーが0〜5vol%の条件下において、高密度ポリエチレンUH900が2〜17vol%で、その軟化点133.7℃を境にして抵抗低下が発生しており、特に高密度ポリエチレンUH900の含有率が高くなるに伴って、抵抗降下の変化量が大きくなっている。
また、図4及び図5の結果から、熱応答性材料の体積占有率は以下のようにすることで、第2の樹脂の軟化点以上のときの温度変化に応じて抵抗降下する特性が得られることを示している。
すなわち、主剤であるシリコーン樹脂は、その体積占有率が、40〜80vol%であって、他の配合物をできるだけ多く含有する観点から、55〜70vol%が好ましい。また、第2の樹脂である高密度ポリエチレンUH900は、その体積占有率が1〜20vol%であって、温度に対してより高感度な抵抗変化を実現する観点から、7〜17vol%が好ましい。また、導電性粒子Niは、その体積占有率が5〜50vol%であって、温度に対してより高感度な抵抗変化を実現する観点から、15〜35vol%が好ましい。また、無機フィラーを含む、その他の添加物は、その体積占有率が0.1〜15vol%であって、後述する高さ調整機能を実現する観点から、0.5〜5vol%が好ましい。
以上の結果から明らかなように、熱応答性材料は、主剤として、シリコーン樹脂など熱安定性が高いもの、第2の樹脂として、結晶性樹脂など相変化で大きく体積変化率が異なるものの組合せとすることが好ましい。特に、結晶性樹脂は、線膨張係数が5倍以上、望ましくは20倍以上異なるものが望ましい。
例えば、第2の樹脂は、上述したように、軟化点前後で、線膨張係数が数十倍程度もしくはそれ以上変化する樹脂が好ましく、例えば、次のような3種類のものを用いても、第1の樹脂と導電性粒子とを効果的に圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることができる。
第1の種類は、直鎖状低密度ポリエチレンLLPEであって、日本ポリエチレン(株)社製の「UF440」である。直鎖状低密度ポリエチレン「UF440」は、TMA(Thermomechanical Analysis,熱機械分析)による引張測定により、図6に示すように、軟化点(ガラス転移点:Tg)である118.9[℃]以下で線膨張係数が約3.74×10−4[1/℃]であり、軟化点(ガラス転移点:Tg)である118.9[℃]以上で線膨張係数が1.80×10−1[1/℃]と算出される。
第2の種類は、低密度ポリエチレンLDPEであって、日本ポリエチレン(株)社製の「LB420」である。低密度ポリエチレン「LB420」は、TMA(Thermomechanical Analysis,熱機械分析)による引張測定により、図7に示すように、軟化点(ガラス転移点:Tg)である108.5[℃]以下で線膨張係数が約1.71×10−4[1/℃]であり、軟化点(ガラス転移点:Tg)である108.5[℃]以上で線膨張係数が1.71×10−1[1/℃]と算出される。
第3の種類は、PE系プラストマーであって、日本ポリエチレン(株)社製の「KF271」である。PE系プラストマー「KF271」は、TMA(Thermomechanical Analysis,熱機械分析)による引張測定により、図8に示すように、軟化点(ガラス転移点:Tg)である103.2[℃]以下で線膨張係数が約3.68×10−4[1/℃]であり、軟化点(ガラス転移点:Tg)である103.2[℃]以上で線膨張係数が7.50×10−2[1/℃]と算出される。
また、導電性粒子は、カーボン、金属粒子など固形粉末状で主剤との分散性が良好であるものが望ましい。また、導電性粒子は、その粒子径、形状によって比表面積が変化することで、熱応答性材料のスラリー状態に影響するため、上記実施例においては体積占有率の範囲を広く取った。無機フィラーなどの、その他の添加物は、塗布貼り合せ時の厚みの安定化および強度、弾性率などの物性値の調整に用いることができる。特に、サーミスタ、及び、スイッチング素子は、熱応答性材料に無機フィラーが含有されていることで、電極材間の厚みが安定し、面方向に均一な抵抗値変化が実現される。この結果、サーミスタ、及び、スイッチング素子は、第2の樹脂の熱膨張に起因して、抵抗値が大きく変化するような特性を実現することができる。特に、スイッチング素子は、この特性により、高精度なスイッチング機能を実現することができる点で好ましい。
11、13 電極材、12 熱応答性材料

Claims (9)

  1. 温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料において、
    温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、
    軟化点より低い温度での線膨張係数が、上記第1の樹脂の線膨張係数と同等又は該第1の樹脂の線膨張係数より低く、該軟化点より高い温度での線膨張係数が、該第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、
    導電性粒子とを含み、
    温度が、上記第2の樹脂の軟化点を超えると、上記第2の樹脂の体積増加により、上記第1の樹脂と上記導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなることを特徴とする熱応答性材料。
  2. 上記第1の樹脂は、可撓性有機樹脂であり、
    上記第2の樹脂は、結晶性有機樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱応答性材料。
  3. 上記第2の樹脂は、温度が軟化点を超えると、線膨張係数の値が数十倍程度増加することを特徴とする請求項2記載の熱応答性材料。
  4. 上記第1の樹脂は、シリコーン樹脂であり、
    上記第2の樹脂は、高密度ポリエチレンであり、
    上記高密度ポリエチレンの含有率が、1乃至20vol%であることを特徴とする請求項3記載の熱応答性材料。
  5. 上記高密度ポリエチレンの含有率が、7乃至17vol%であることを特徴とする請求項4記載の熱応答性材料。
  6. 上記第1の樹脂、上記第2の樹脂、及び、上記導電性粒子に対して、平均粒径が大きい無機フィラーを更に含むことを特徴とする請求項1乃至5のうち、いずれか1項記載の熱応答性材料。
  7. 対向して配置された2つ電極材と、
    上記電極材の間に配置され、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料とを備え、
    上記熱応答性材料は、
    温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、
    軟化点より低い温度での線膨張係数が、上記第1の樹脂の線膨張係数と同等又は該第1の樹脂の線膨張係数より低く、該軟化点より高い温度での線膨張係数が、該第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、
    導電性粒子とを含み、
    温度が、上記第2の樹脂の軟化点を超えると、上記第2の樹脂の体積増加により、上記第1の樹脂と上記導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、上記電極材の間の抵抗値が小さくなることを特徴とするサーミスタ。
  8. 対向して配置された2つ電極材と、
    上記電極材の間に配置され、温度変化に応じて抵抗値が変化する熱応答性材料とを備え、
    上記熱応答性材料は、
    温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、
    軟化点より低い温度での線膨張係数が、上記第1の樹脂の線膨張係数と同等又は該第1の樹脂の線膨張係数より低く、該軟化点より高い温度での線膨張係数が、該第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、
    導電性粒子とを含み、
    温度が、上記第2の樹脂の軟化点を超えると、上記第2の樹脂の体積増加により、上記第1の樹脂と上記導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなり、上記電極材間のスイッチング状態をオフからオンに切り換えることを特徴とするスイッチング素子。
  9. 第1の電極材の一の面に、熱応答性材料を塗布する塗布工程と、
    上記塗布工程により上記熱応答性材料が塗布された第1の電極材の一の面に、対向するように、第2の電極材を貼り合わせる貼り合わせ工程とを有し、
    上記熱応答性材料は、温度上昇に応じて、所定の線膨張係数で膨張する第1の樹脂と、軟化点より低い温度での線膨張係数が、該第1の樹脂の線膨張係数と同等又は該第1の樹脂の線膨張係数より低く、該軟化点より高い温度での線膨張係数が、該第1の樹脂の線膨張係数より高い第2の樹脂と、導電性粒子とを含み、温度が、該第2の樹脂の軟化点を超えると、該第2の樹脂の体積増加により、該第1の樹脂と該導電性粒子とを圧迫し、互いに接触する該導電性粒子の数を増加させることによって、抵抗値が小さくなることを特徴とする受動素子の製造方法。
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