JP2012155234A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、例えば、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス及び高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びに、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる組成物、膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法に関する。更に詳細には、本発明は、例えば、電子線又はEUV光による半導体素子の微細加工に好適に用いられる組成物、膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法に関する。
レジスト組成物を用いた微細加工では、集積回路の高集積化に伴って、超微細パターンの形成が要求されている。それゆえ、露光波長にも短波長化の傾向が見られ、例えば、エキシマレーザー光の代わりに電子線、X線又はEUV光を用いたリソグラフィー技術の開発が進んでいる。
このような超微細パターンを形成するためには、レジストを薄膜化することが必要である。ところが、レジストを薄膜化すると、そのドライエッチング耐性が低下する場合がある。
電子線(EB)リソグラフィーでは、EBの加速電圧を増大させることによって、レジスト膜中での電子散乱、即ち前方散乱の影響が小さくなることが分かっている。それゆえ、近年では、EBの加速電圧は増大傾向にある。ところが、EBの加速電圧を増大させると、レジスト膜の電子エネルギー捕捉率が低下し、感度が低下する場合がある。
これらの問題を解決する方法の1つとして、ナフタレン等の多環芳香族骨格を有する樹脂の使用が検討されている(例えば、特許文献1〜5参照)。多環芳香族骨格を有する樹脂を用いることにより、例えば、ドライエッチング耐性及び感度を向上させることが可能となる。
しかしながら、EBの加速電圧を増大させると、前方散乱の影響が小さくなる代わりに、レジスト基板において反射した電子の散乱、即ち後方散乱の影響が増大する。それゆえ、例えばEBの加速電圧を増大させると、パターンのトップが膜減りして形状が悪化したり、解像性が低下する可能性がある。
近年では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。また、レジスト組成物による微細加工は、直接に集積回路の製造に用いられるだけでなく、近年ではいわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献6、7、及び非特許文献1を参照)。そのため、特に、X線、EUV光などの軟X線、又は電子線を露光光源として使用してパターンを形成する場合においても、高感度、高解像性、良好なパターン形状、及び良好なドライエッチング耐性を同時に満足させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
平井義彦(編集)「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開」−フロンティア出版(2006年6月発行)
本発明の目的は、良好な形状のパターンを形成可能とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、例えば、以下の通りである。
式中、
R11〜R13及びR17〜R19は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
Ar11及びAr12は、各々独立に、アリーレン基を表す。
R14及びR15は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
R16は、各々独立に、アルキレン基を表す。
X11は、各々独立に、2価の連結基を表す。
Yは、(n12+1)価の連結基を表す。
n11は、0〜10の整数を表す。
n12は、1〜10の整数を表す。
R11〜R13及びR17〜R19は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
Ar11及びAr12は、各々独立に、アリーレン基を表す。
R14及びR15は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
R16は、各々独立に、アルキレン基を表す。
X11は、各々独立に、2価の連結基を表す。
Yは、(n12+1)価の連結基を表す。
n11は、0〜10の整数を表す。
n12は、1〜10の整数を表す。
〔2〕前記樹脂(P)は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位及び下記一般式(4)で表される繰り返し単位の少なくとも一方とを更に含んでいる〔1〕に記載の組成物。
式中、R21〜R23、R31〜R33、及びR41〜R43は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
Ar21及びAr31は、各々独立に、アリーレン基を表す。
L41は、単結合又は2価の連結基を表す。
Y1及びY2は、酸の作用により脱離する基を表す。
Ar21及びAr31は、各々独立に、アリーレン基を表す。
L41は、単結合又は2価の連結基を表す。
Y1及びY2は、酸の作用により脱離する基を表す。
式中、
R51及びR52は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。
M51は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、又は、芳香環基を表す。
R51、R52、M51及びQの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R51、R52、M51及びQの炭素数の総和は5以上であり、R51、R52、M51及びQのうち少なくとも1つは環を含んでいる。
R51及びR52は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。
M51は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、又は、芳香環基を表す。
R51、R52、M51及びQの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R51、R52、M51及びQの炭素数の総和は5以上であり、R51、R52、M51及びQのうち少なくとも1つは環を含んでいる。
〔4〕上記一般式(5)で表される繰り返し単位中、M51及びQの炭素数の和が8以上である〔3〕に記載の組成物。
式中、
R61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
Ar61は、アリーレン基を表す。
L61は、単結合又は2価の連結基を表す。
Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
R61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
Ar61は、アリーレン基を表す。
L61は、単結合又は2価の連結基を表す。
Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
〔6〕電子線、X線又はEUV光により露光される〔1〕〜〔5〕の何れかに記載の組成物。
〔7〕〔1〕〜〔6〕の何れかに記載の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
〔8〕〔7〕に記載の膜が塗布されたマスクブランクス。
〔9〕〔7〕に記載の膜を露光することと、前記露光された膜を現像することとを含んだパターン形成方法。
〔10〕〔8〕に記載のマスクブランクスを露光することと、前記露光されたマスクブランクスを現像することとを含んだパターン形成方法。
〔11〕前記露光は、電子線、X線又はEUV光により行われる〔9〕又は〔10〕に記載の方法。
本発明によると、良好な形状のパターンを形成可能とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、ここでは、置換又は無置換を明示していない基及び原子団には、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
また、ここで「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線、X線又は電子線(EB)を意味している。「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。「露光」とは、水銀灯、遠紫外線、X線及びEUV光等による光照射のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、例えばポジ型の組成物であり、典型的にはポジ型のレジスト組成物である。以下、この組成物の構成を説明する。
式中、R11〜R13及びR17〜R19は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。Ar11及びAr12は、各々独立に、アリーレン基を表す。R14及びR15は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。R16は、各々独立に、アルキレン基を表す。X11は、各々独立に、2価の連結基を表す。Yは、(n12+1)価の連結基を表す。n11は、0〜10の整数を表す。n12は、1〜10の整数を表す。
本発明者らは、特に半導体露光に使用されるフォトマスクブランクスへのパターニングを行う場合、パターンがテーパー形状になり易いことを見出した。本発明者らは、その理由を、以下のように推測している。即ち、フォトマスクブランクスへのパターニングを行う場合、組成物膜の下には、クロム、モリブデン、及びタンタル等の重原子を含んだ遮光膜が存在する。それゆえ、シリコンウェハー上に組成物を塗布する場合と比較して、組成物膜の下層からの反射に起因する後方散乱の影響がより顕著である。また、ブランクスと組成物膜との界面には、基板由来の塩基性物質が存在する。そのため、ブランクス界面は、パターンが抜けにくく、すそを引くような形でテーパー形状になりやすい傾向がある。その為、フォトマスクブランクス上でパターンを形成する場合には、後方散乱の影響によるパターントップの膜減り、ブランクス界面でのすそ引きに起因して、パターンが特にテーパー形状になり易い。
本発明者らは、上述した樹脂(P)を用いると、上述した問題点を解消又は緩和できることを見出した。即ち、本発明者らは、上述した樹脂(P)を用いると、より良好な形状のパターンを形成できることを見出した。
一般式(1)において、R11〜R13及びR17〜R19の各々は、上述したように、水素原子又は1価の置換基である。1価の置換基としては、例えば、アルキル基;シクロアルキル基;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子等のヘテロ原子を含む置換基;並びにこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
アルキル基の炭素数は、好ましくは20以下とし、更に好ましくは8以下とする。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びドデシル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
シクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜8とする。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子がより好ましく、臭素原子が特に好ましい。
ヘテロ原子を含む置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、チオール基、チオエーテル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アミノ基、アシルオキシ基及びアシルアミド基が挙げられる。
アルコキシ基、アシルオキシ基及びアシルアミド基の炭素数は、好ましくは20以下とし、更に好ましくは8以下とする。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチロキシ基、t−ブトキシ基及びオクチロキシ基が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基及びt−ブトキシ基が特に好ましい。なお、チオエーテル基についても、酸素原子の代わりに硫黄原子を用いることを除いては、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基が挙げられる。アシルアミド基としては、例えば、アセチルアミド基が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基及びヘテロ原子を含む基は、置換基を更に有していてもよい。
アルキル基が更に有し得る置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
シクロアルキル基及びヘテロ原子を含む基が更に有し得る置換基としては、アルキル基、及び、アルキル基が更に有し得る置換基の具体例として前述した各基が挙げられる。
なお、アルキル基、シクロアルキル基及びヘテロ原子を含む基が更に有し得る置換基の炭素数は、好ましくは8以下とする。
Ar11及びAr12は、上述したように、アリーレン基を表す。このアリーレン基は、複数の芳香族化合物が単結合を介して結合した構造を有する2価の連結基(例えば4、4’−ビフェニレン)も含む。このアリーレン基はヘテロ環を有していてもよい。また、このアリーレン基は、置換基を更に有していてもよい。
アリーレン基が更に有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及びアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられる。
アリーレン基の炭素数は、好ましくは4〜20とし、更に好ましくは6〜14とする。このアリーレン基としては、例えば、下記(Ar−1)乃至(Ar−8)の何れかが挙げられ、中でも(Ar−1)又は(Ar−2)が好ましい。
R14及びR15は、上述したように、各々独立に水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、例えば、アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;アラルキル基;ハロゲン原子;酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子等のヘテロ原子を含む置換基;並びにこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基及びハロゲン原子としては、例えば、先にR11〜R13について列挙したのと同様のものが挙げられる。
アリール基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。このアリール基の炭素数は、好ましくは4〜20とし、更に好ましくは6〜14とし、特に好ましくは6〜12とする。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
アリール基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及びアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられる。
アラルキル基は、例えば、炭素数6〜20のアラルキル基である。好ましくは、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、チオール基、チオエーテル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アミノ基、アシルオキシ基及びアシルアミド基が挙げられる。
アルコキシ基、アシルオキシ基及びアシルアミド基の炭素数は、好ましくは20以下とし、更に好ましくは12以下とする。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチロキシ基、t−ブトキシ基、オクチロキシ基、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、4−シクロヘキシルフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基が挙げられる。中でも、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基が特に好ましい。なお、チオエーテル基についても、酸素原子の代わりに硫黄原子を用いることを除いては、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基が挙げられる。アシルアミド基としては、例えば、アセチルアミド基、フェニルアミド基、ナフチルアミド基が挙げられる。
R16は、上述したように、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)を表し、エチレン基又はプロピレン基が特に好ましい。これらアルキレン基の各々は、置換基を更に有していてもよい。
式中、RAは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。これら基としては、例えば、先にR14及びR15について列挙したのと同様のものが挙げられる。
Yは、上述したように、(n12+1)価の連結基を表す。この連結基は、例えば炭素数1〜50の炭化水素基であり、この炭化水素基は、例えば、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及びアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等の置換基により置換されてもよい。
Yの炭素数については、12以下、より好ましくは6以下の場合には、露光ラチチュード(EL)が大きくなり好ましい。また一方で、6以上、より好ましくは12以上の場合に、ドライエッチング耐性が大きくなり好ましい。
n11は、上述したように0〜10の整数である。n11は好ましくは0〜6であり、0〜3が更に好ましい。
n12は、上述したように1〜10の整数である。n12は好ましくは1〜6であり、1〜3が更に好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)の合成方法としては、特に限定されないが、例えば、下記(A)〜(C)の方法が挙げられる。
用いる酸触媒としては、特に限定されないが、例えば硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸類、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩のような有機酸が好適に用いられ、中でもp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸が好ましい。酸触媒の添加量としては、一般式(1−B)で表される化合物に対して0.001モル%〜10モル%が好ましく、0.01モル%〜5モル%が更に好ましく、0.05モル%〜1モル%が特に好ましい。用いる溶媒としては、特に限定されないが、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、などが挙げられる。反応温度は特に限定されないが、0〜60℃の範囲で行われるのが好ましく、0〜30℃の範囲で行われるのが更に好ましい。
一般式(1−C)中、X12は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、中でも塩素原子が好ましい。
用いる塩基としては、特に限定されないが、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリンなどが挙げられる。塩基の添加量としては、一般式(1−C)で表される化合物に対して1〜10等量が好ましく、1.5〜5等量が更に好ましく、2〜3等量が特に好ましい。用いる溶媒としては、特に限定されないが、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)などが挙げられ、THF、DMFがより好ましい。反応温度は特に限定されないが、0〜60℃の範囲で行われるのが好ましく、0〜30℃の範囲で行われるのが更に好ましい。
なお、架橋剤(1−C)は、例えば、下記一般式(1−a)で表される多価アルコールと、下記一般式(1−b)で表されるケトン若しくはアルデヒドとを、下記一般式(1−c)で表されるプロトン酸中で反応させることで得られる。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合、アニオン重合又はカチオン重合を用いることができ、ラジカル重合又はアニオン重合がより好ましい。
樹脂(P)は、更に、下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(2)ともいう)と、下記一般式(3)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(3)ともいう)及び一般式(4)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(4)ともいう)の少なくとも一方とを有することが好ましい。
式中、R21〜R23、R31〜R33、及びR41〜R43は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。Ar21及びAr31は、各々独立に、アリーレン基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。Y1及びY2は、酸の作用により脱離する基を表す。
一般式(2)において、R21〜R23は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基であり、例えば、先に述べたR11〜R13と同様のものである。Ar21はアリーレン基を表し、例えば、先に述べたAr11と同様のものである。
一般式(3)において、R31〜R33は各々独立に水素原子又は1価の置換基であり、例えば、先に述べたR11〜R13と同様のものである。Ar31はアリーレン基を表し、例えば、先に述べたAr11と同様のものである。
式中、R71〜R73、R81〜R83及びR91〜R93は、各々独立に、例えば、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。なお、R71及びR72、R81及びR82、並びにR91及びR92の各々は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
アルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にR11〜R13について列挙したのと同様のものが挙げられる。
アリール基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。このアリール基の炭素数は、好ましくは4〜20とし、更に好ましくは6〜14とし、特に好ましくは6〜12とする。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
アリール基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及びアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられる。
以下に、一般式(7)〜(9)のいずれかにより表される基の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。なお、式中、「−」はO原子への結合手を表し、メチル基は「Me−」として表記して区別している。
式中、R51及びR52は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。
M51は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、又は、芳香環基を表す。
R51、R52、M51及びQの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R51、R52、M51及びQの炭素数の総和は5以上であり、R51、R52、M51及びQのうち少なくとも1つは環を含んでいる。
M51は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、脂環基、又は、芳香環基を表す。
R51、R52、M51及びQの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R51、R52、M51及びQの炭素数の総和は5以上であり、R51、R52、M51及びQのうち少なくとも1つは環を含んでいる。
樹脂(P)が、一般式(3)により表され且つY1が上記一般式(5)により表される繰り返し単位を含んでいる場合、パターン線幅のPEB温度依存性(Post Exposure Bake Sensitivity;PEBS)を更に低下させることができる。
R51又はR52としてのアルキル基は、例えば、炭素数1〜8のアルキル基である。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
R51又はR52としてのシクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜15のシクロアルキル基である。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基が挙げられる。
R51又はR52としてのアリール基は、例えば、炭素数6〜15のアリール基である。好ましくは、フェニル基、トリル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
R51又はR52としてのアラルキル基は、例えば、炭素数6〜20のアラルキル基である。好ましくは、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
M51としての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基又はブテニレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基又はナフチレン基)、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R0)−、又はこれらの2種以上の組み合わせであり、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、R0は、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等)である。
Qとしてのアルキル基は、例えば、上述したR51及びR52としてのアルキル基と同様である。
Qとしての脂環基及び芳香環基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロ原子を含んでいなくてもよい。
脂環基及び芳香環基としては、例えば、上述したR51及びR52としてのシクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。その炭素数は、好ましくは、3〜15である。なお、本発明においては、複数の芳香環が単結合を介して連結されてなる基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基)もQとしての芳香族基に含まれる。
ヘテロ原子を含む脂環基及びヘテロ原子を含む芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール及びピロリドンが挙げられる。なお、本発明においては、複数の“ヘテロ原子を含む芳香環”が単結合を介して連結されてなる基(例えば、ビオローゲン基)もQとしての芳香族基に含まれる。
R51、R52、M51及びQの少なくとも2つが互いに結合して環を形成する場合、この環は、5員環又は6員環であることが好ましい。例えば、R51とR52とが結合してブチレン基又はペンチレン基を形成して5員環又は6員環を形成する場合、及び、M51及びQのいずれかとR51及びR52のいずれかとが結合してプロピレン基又はブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員環又は6員環を形成する場合が挙げられる。
R51、R52、M51及びQにより表される各基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、上記のR11〜R13が有し得る置換基として列挙したのと同様のものが挙げられる。なお、この置換基の炭素数は、好ましくは8以下である。
R51、R52、M51及びQの炭素数の総和をNCと表記すると、NCが大きい場合には一般式(5)で表される基が脱離する前後における樹脂(P)のアルカリ溶解速度変化が大きくなり、パターンの矩形性が向上する為、NCは5以上とする。一方NCを大きくし過ぎると、樹脂(P)のガラス転移温度が低下して、組成物の露光ラチチュード(EL)が低下したり、一般式(5)で表される基が脱離した残渣がパターン上に欠陥として残ったりして好ましくなく、NCは30以下であることが好ましい。NCの範囲としては、好ましくは5〜30であり、更に好ましくは7〜25であり、7〜20が特に好ましい。
M51及びQの炭素数の和は、8以上であることが好ましく、8〜30の範囲内であることがより好ましく、8〜20の範囲内であることが更に好ましい。
また、R51、R52、M51及びQのうち少なくとも1つは、環を含んでいる。この環としては、例えば、脂環及び芳香環が挙げられる。ここでの脂環基及び芳香環基は、例えば、上述したQとしての脂環基及び芳香環基と同様である。
以下に、一般式(5)により表される基の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。なお、式中、「−」はO原子への結合手を表し、メチル基は「Me−」として表記して区別している。また、具体例において、Acはアセチル基を表す。
一般式(4)において、R41〜R43は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基であり、例えば、先に述べたR11〜R13と同様のものである。
L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L41が2価の連結基の場合、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(RN)−及びこれらの複数の組み合わせ等が挙げられる。ここで、RNは、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
L41としてのアルキレン基は、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基及びオクチレン基等が挙げられる。
L41としてのシクロアルキレン基は、炭素数5〜10のものが好ましく、例えば、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等が挙げられる。
L41としてのアリーレン基は、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられる。
L41としてのアリール基の炭素数は、好ましくは4〜20であり、更に好ましくは6〜14である。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
L41としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
L41としてのシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは5〜8である。このシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
L41の各基は、更に、置換基を有していてもよく、このような置換基の具体例としては、前記Ar11としてのアリーレン基が更に有し得る置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
R44〜R46は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R44〜R46の2つは、互いに結合して、シクロアルキル基を形成してもよい。
R44〜R46のアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のものが好ましい。
R44〜R46のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基又は炭素数7〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。
R44〜R46の2つが互いに結合して形成し得るシクロアルキル基としては、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基又は炭素数7〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。R46がメチル基又はエチル基であり、R44とR45とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が更に好ましい。
R61〜R63は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、例えば、前記R11〜R13と同様である。Ar61はアリーレン基を表し、例えば、前記Ar11と同様である。
L61は単結合又は2価の連結基を表す。L61が2価の連結基の場合、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(R)−及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、Rは、アリール基、アルキル基又はシクロアルキルを表す。
樹脂(P)が繰り返し単位(6)を含んでいる場合、例えば、解像度、ラフネス特性及びEL(露光ラチチュード)の少なくとも1つが更に向上する。
L61のアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、及びドデカニレン基等の炭素数1〜12のものが挙げられる。
L61のシクロアルキレン基としては、好ましくは、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等の炭素数5〜8のものが挙げられる。
L61のアリーレンとしては、好ましくは、フェニレン基及びナフチレン基等の炭素数6〜14のものが挙げられる。
これらアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
Sは活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂側鎖に酸アニオンを生じる構造部位であることが好ましく、より好ましくは光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又はマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられ、該構造部位はイオン性構造部位であることが更に好ましい。
上記一般式(PZI)において、
R201〜R203は、各々独立に、有機基を表す。
R201〜R203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、有機基を表す。
R201〜R203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成したものを用いると、露光時の分解物で露光機を汚染することを抑えることが期待でき、好ましい。
Z−は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、組成物の経時安定性も向上する。
R201〜R203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などが挙げられる。ここで、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
R201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。
R201、R202及びR203におけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R201、R202及びR203におけるアルキル基、シクロアルキル基、及び、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)、炭素数3〜10のシクロアルケニル基(例えば、ペンタジエニル基、シクロヘキセニル基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての、これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などの有機基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、シクロアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数4〜15)、アリールカルボニル基(好ましくは炭素数7〜14)、シクロアルケニルオキシ基(好ましくは炭素数3〜15)、シクロアルケニルアルキル基(好ましくは炭素数4〜20)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基としてのシクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
R201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基は、更に置換基を有していてもよく、このような更なる置換基の例としては、R201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基の上記例と同じものを挙げることができるが、アルキル基、シクロアルキル基が好ましい。
R201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046,0047、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
前記一般式(PZII)中、R204、R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
R204、R205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
R204、R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z−は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(PZI)に於けるZ−と同様のものを挙げることができる。
繰り返し単位(6)に相当するモノマーの合成方法としては、特に限定されないが、例えばオニウム構造の場合、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドを交換して合成する方法が挙げられる。
より具体的には、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)又はアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩を、水又はメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の有機溶剤と水で分液及び洗浄操作をすることにより、目的とする繰り返し単位(6)に相当するモノマーを合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶剤と水の存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水で分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
繰り返し単位(6)はまた、高分子反応によって側鎖に酸アニオン部位を導入し、塩交換によりオニウム塩を導入することによっても合成することが出来る。
一般式(1)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、一般的には、全繰り返し単位を基準として、1〜40モル%とすることが好ましく、3〜30モル%とすることがより好ましく、5〜25モル%とすることが更に好ましい。
一般式(2)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、10〜90モル%とすることが好ましく、20〜85モル%とすることがより好ましく、30〜80モル%とすることが更に好ましい。
本発明の樹脂(P)中に一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれる場合、一般式(3)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、1〜60モル%とすることが好ましく、3〜50モル%とすることがより好ましく、5〜40モル%とすることが更に好ましい。
本発明の樹脂(P)中に一般式(4)で表される繰り返し単位が含まれる場合、一般式(4)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、1〜60モル%とすることが好ましく、3〜50モル%とすることがより好ましく、5〜40モル%とすることが更に好ましい。
本発明の樹脂(P)中に一般式(3)で表される繰り返し単位と一般式(4)で表される繰り返し単位とが含まれる場合、一般式(3)で表される繰り返し単位及び一般式(4)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、1〜60モル%とすることが好ましく、3〜50モル%とすることがより好ましく、5〜40モル%とすることが更に好ましい。
本発明の樹脂(P)中に一般式(6)で表される繰り返し単位が含まれる場合、一般式(6)により表される繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、0.5〜80モル%とすることが好ましく、1〜60モル%とすることがより好ましく、3〜40モル%とすることが更に好ましい。
樹脂(P)の形態は、ランダム型、ブロック型、クシ型及びスター型等の何れであってもよい。
上述した樹脂(P)は、例えば、各繰り返し単位に対応する不飽和モノマーを、ラジカル、カチオン又はアニオン重合させることにより合成することができる。また各繰り返し単位の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより合成することも可能である。
この樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜1000000の範囲であることが好ましく、3000〜250000の範囲であることがより好ましく、5000〜150000の範囲であることが特に好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(溶媒:THF)によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜25.00であり、より好ましくは1.00〜20.00であり、更に好ましくは1.00〜15.00である。
樹脂(P)の性能を更に向上させるべく、耐ドライエッチング性を著しく損なわない範囲で、他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を更に含有させてもよい。
他の重合性モノマー由来の繰り返し単位の樹脂(P)に占める含有量は、全繰り返し単位を基準として、一般的に50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。使用可能な他の重合性モノマーには、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類及びクロトン酸エステル類等から選択される付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物が含まれる。その他、マレイン酸ジアルキルエステル類、フマル酸ジアルキルエステル類、イタコン酸ジアルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びマレイロニトリルも挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−t−オクチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリール(メタ)アクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなどが挙げられる。
アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなどが挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど)が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなどが挙げられる。
スチレン類としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、4−(1−ナフチルメトキシ)スチレン、4−ベンジルオキシスチレン、4−(4−クロロベンジルオキシ)スチレンなど)、アルキルカルボニルオキシスチレン(例えば、4−アセトキシスチレン、4−シクロヘキシルカルボニルオキシスチレン)、アリールカルボニルオキシスチレン(例えば、4−フェニルカルボニルオキシスチレン)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、シアノスチレン、カルボキシスチレン、インデン、アセナフチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど)が挙げられる。
イタコン酸ジアルキルエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
マレイン酸又はフマル酸のジアルキルエステル類としては、例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなどが挙げられる。その他にも、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等をあげることができる。また一般に前記本発明にかかわる繰り返し単位と共重合可能である付加重合性不飽和化合物であれば、特に制限されず用いることができる。
樹脂(P)は、前述の繰り返し単位(1)、繰り返し単位(2)、繰り返し単位(3)、繰り返し単位(4)、繰り返し単位(6)以外の、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を更に有していても良い。これにより基板密着性、現像液親和性を向上させることができる。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、R1cは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
樹脂(P)が水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を含有する場合、その含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、0.5〜80mol%が好ましく、より好ましくは1〜60mol%、更に好ましくは2〜40mol%である。
また、本発明の樹脂(P)は、更に、極性基を持たない環状炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することもできる。このような繰り返し単位としては、一般式(VII)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(VII)中、R5は少なくとも一つの環状炭化水素構造を有し、極性基(水酸基やシアノ基など)を持たない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R5が有する環状炭化水素構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基、フェニル基などが挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基、ビフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの環状炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
樹脂(P)は、極性基を持たない環状炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有していてもいなくてもよいが、添加する場合は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは3〜20モル%である。
本発明の樹脂(P)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂(P)の含量は、組成物の全固形分を基準として、30〜100質量%とすることが好ましく、50〜99.7質量%とすることがより好ましく、70〜99.5質量%とすることが特に好ましい。
樹脂(P)の例としては、一般式(1)により表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位と、一般式(2)により表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位と、一般式(3)及び一般式(4)により表される繰り返し単位の少なくとも一方の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位とを含んだ樹脂が挙げられる。また、樹脂(P)の他の例としては、上記に加え、一般式(6)により表される繰り返し単位の具体例から選択される1種以上の繰り返し単位を含んだ樹脂が挙げられる。
<その他の成分>
本発明に係る組成物は、塩基性化合物、酸分解性樹脂、光酸発生剤、有機溶剤、界面活性剤、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、現像液に対する溶解を促進させる化合物、及びプロトンアクセプター性官能基を有する化合物等を更に含んでいてもよい。
本発明に係る組成物は、塩基性化合物、酸分解性樹脂、光酸発生剤、有機溶剤、界面活性剤、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、現像液に対する溶解を促進させる化合物、及びプロトンアクセプター性官能基を有する化合物等を更に含んでいてもよい。
〔2〕塩基性化合物
本発明に係る組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物を更に含有させると、露光から加熱までの経時による性能変化を更に低減することが可能となる。また、こうすると、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御することが可能となる。
本発明に係る組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物を更に含有させると、露光から加熱までの経時による性能変化を更に低減することが可能となる。また、こうすると、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御することが可能となる。
この塩基性化合物は、含窒素有機化合物であることが好ましい。使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(4)に分類される化合物を用いることができる。
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は、特に限定されないが、通常6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(BS−1)により表される化合物では、Rのうち少なくとも2つが有機基であることが好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、及び2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンが挙げられる。
また、一般式(BS−1)により表される好ましい塩基性化合物として、少なくとも1つのRがヒドロキシ基で置換されたアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、例えば、トリエタノールアミン及びN,N−ジヒドロキシエチルアニリンが挙げられる。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CH2CH2O
−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が挙げられる。
−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
この化合物は、より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有している。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CH2CH2O−が特
に好ましい。
に好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、及び、US2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
(4)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いることができる。このアンモニウム塩は、好ましくは、ヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的には、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アンモニウム塩も適宜用いることができる。このアンモニウム塩は、好ましくは、ヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的には、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他、本発明に係る組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、及び特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物等が挙げられる。
また、塩基性化合物として、感光性の塩基性化合物を用いてもよい。感光性の塩基性化合物としては、例えば、特表2003−524799号公報、及びJ.Photopolym.Sci&Tech. Vol.8,P.543−553(1995)等に記載の化
合物を用いることができる。
合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、250〜2000であることが好ましく、400〜1000であることが更に好ましい。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が塩基性化合物を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、通常は0.001〜10質量%とし、好ましくは0.01〜5質量%とする。
後述する光酸発生剤の塩基性化合物に対するモル比は、1.5〜300であることが好ましい。即ち、感度及び解像度を向上させる観点から1.5以上が好ましく、露光後加熱処理前におけるパターン太りによる解像度の低下を抑制する観点から300以下が好ましい。このモル比は、より好ましくは2.0〜200であり、更に好ましくは2.5〜150である。
なお、樹脂(P)が上記繰り返し単位(6)を含む場合には、上記モル比における光酸発生剤とは、該繰り返し単位(6)と後述する光酸発生剤との合計の量を基準とするものである。
〔3〕酸分解性樹脂
本発明に係る組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶性に対する溶解速度が増大する樹脂、即ち酸分解性樹脂を更に含んでいてもよい。
本発明に係る組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶性に対する溶解速度が増大する樹脂、即ち酸分解性樹脂を更に含んでいてもよい。
酸分解性樹脂は、典型的には、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、酸分解性基ともいう)を備えている。この樹脂は、酸分解性基を、主鎖及び側鎖の一方に備えていてもよく、これらの両方に備えていてもよい。この樹脂は、酸分解性基を側鎖に備えていることが好ましい。
酸分解性樹脂は、欧州特許254853号明細書、特開平2−25850号公報、同3−223860号公報及び同4−251259号公報等に開示されているように、例えば、アルカリ可溶性樹脂に酸の作用により脱離する基の前駆体を反応させるか、又は、酸の作用により脱離する基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合させることにより得られる。
酸分解性基としては、−COOH基及び−OH基等のアルカリ可溶性基の水素原子を、酸の作用により脱離する基で置換した基が好ましい。
酸分解性基の具体例及び好ましい例としては、樹脂(P)における一般式(3)の「OY1」、及び、一般式(4)の「COOY2」と同様のものが挙げられる。
上述したアルカリ可溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール性水酸基を含んだ樹脂、並びに、(メタ)アクリル酸及びノルボルネンカルボン酸等のカルボキシル基を有する繰り返し単位を含んだ樹脂が挙げられる。
フェノール性水酸基を含んだ樹脂としては、好ましくは、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、下記構造により表される置換基を有するポリ(ヒドロキシスチレン)類、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、及び水素化ノボラック樹脂等のヒドロキシスチレン構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を用いて23℃で測定して、170Å/秒以上であることが好ましく、330Å/秒以上であることがより好ましい。より具体的には、上記アルカリ溶解速度は、アルカリ可溶性樹脂のみをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の溶剤に溶解して固形分濃度4質量%とした組成物をシリコンウエハ上に塗布して塗膜(膜厚100nm)を形成し、この塗膜がTMAH水溶液に完全に溶解するまでの時間(秒)を測定することにより得ることができる。
これら樹脂の原料として採用可能なモノマーとしては、例えば、アルキルカルボニルオキシスチレン(例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン)、アルコキシスチレン(例えば、1−アルコキシエトキシスチレン又はt−ブトキシスチレン)、及び、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル(例えば、t−ブチル(メタ)アクリレート又は2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート又はジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレート)が挙げられる。
本発明に係る組成物に、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線又は波長50nm以下の高エネルギー光線(例えばEUV)を照射する場合には、酸分解性樹脂は、芳香族基を備えた繰り返し単位を含んでいることが好ましい。特には、ヒドロキシスチレンを繰り返し単位として含んでいることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ヒドロキシスチレンと酸の作用により脱離する基で保護されたヒドロキシスチレンとの共重合体、又は、ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルとの共重合体が挙げられる。
酸分解性樹脂としては、上記一般式(3)により表される繰り返し単位を有する樹脂が特に好ましい。
酸分解性樹脂は、他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を有していてもよい。これら他の重合性モノマーとしては、例えば、先に樹脂(P)が含み得る他の重合性モノマーとして説明したものが挙げられる。なお、これら他の重合性モノマー由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位を基準として、一般的に50モル%以下であり、好ましくは30モル%以下である。
また酸分解性樹脂は、水酸基、カルボキシ基及びスルホン酸基等のアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有しても良く、その場合のアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、酸分解性樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは1〜99モル%、より好ましくは3〜95モル%、特に好ましくは5〜90モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、酸分解性樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは3〜95モル%、より好ましくは5〜90モル%、特に好ましくは10〜85モル%である。
酸分解性樹脂の重量平均分子量は、GPC法(溶媒:THF)によるポリスチレン換算値として、好ましくは50,000以下であり、より好ましくは1,000〜20,000であり、特に好ましくは1,000〜10,000である。
酸分解性樹脂の分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜3.0であり、より好ましくは1.05〜2.0であり、更に好ましくは1.1〜1.7である。
また、酸分解性樹脂は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、本発明に係る組成物が樹脂(P)以外の樹脂を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.5〜80質量%であり、より好ましくは5〜50質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。
〔4〕光酸発生剤
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。これらの例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びビス(アルキルスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。これらの例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びビス(アルキルスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
上記一般式(ZI)において、R201’、R202’及びR203’は、各々独立に、有機基を表す。R201’、R202’及びR203’としての有機基の炭素数は、例えば1〜30であり、好ましくは1〜20である。
R201’〜R203’のうち2つは、単結合又は連結基を介して互いに結合して、環を形成してもよい。この場合の連結基としては、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル基、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。R201’〜R203’のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
R201’、R202’及びR203’の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)又は(ZI−3)における対応する基が挙げられる。
X−は、非求核性アニオンを表す。X−としては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 −、PF6 −及びSbF6 −が挙げられる。X−は、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
式AN1〜AN3中、Rc1〜Rc3は、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が単結合又は連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−及び−SO2N(Rd1)−が挙げられる。ここで、Rd1は水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環を形成してもよい。
Rc1〜Rc3の有機基は、1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフロロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフロロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc1〜Rc3は、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環を形成していてもよい。
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
nは、0以上の整数を表す。nは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3であり、最も好ましくは3である。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基、エステル基、及び、これらの2種以上の組み合わせからなる基等を挙げることができる。
式(SA2)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1及びR2の各々は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Eは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1及びR2の各々は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Eは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
まず、式(SA1)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA1)中、Arは、好ましくは、炭素数6〜30の芳香族環である。具体的には、Arは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
式(SA1)中、Arは、好ましくは、炭素数6〜30の芳香族環である。具体的には、Arは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
Arがスルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有している場合、この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;並びにスルホン酸基が挙げられる。
式(SA1)中、Dは、好ましくは、単結合であるか、又は、エーテル基若しくはエステル基である。より好ましくは、Dは、単結合である。
式(SA1)中、Bは、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基である。Bは、好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、更に好ましくはシクロアルキル基である。Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
Bとしてのアルキル基は、好ましくは、分岐アルキル基である。この分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
Bとしてのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
Bとしてのアリール基としては、例えば、フェニル基、p−トリル基が挙げられる。
Bとしてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基が置換基を有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基;分岐アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホン酸基;並びにカルボニル基等が挙げられる。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基が好ましい。
次に、式(SA2)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA2)中、Xfは、フッ素原子であるか、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、炭素数が1〜4のものがより好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
式(SA2)中、Xfは、フッ素原子であるか、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、炭素数が1〜4のものがより好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、Xfは、好ましくは、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9又はCH2CH2C4F9である。中でも、フッ素原子又はCF3が好ましく、フッ素原子が最も好ましい。
式(SA2)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基である。アルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。R1及びR2の置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、R1、R2の置換基を有するアルキル基は、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9及びCH2CH2C4F9が挙げられ、中でもCF3が好ましい。
式(SA2)中、xは1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、0〜4がより好ましい。
式(SA2)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、総炭素数が20以下のものが好ましい。中でも、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−SO2−が好ましく、−COO−、−OCO−又は−SO2−がより好ましい。
式(SA2)中、Eは、環状の有機基を表す。Eとしては、例えば、環状脂肪族基、アリール基及び複素環基が挙げられる。
Eとしての環状脂肪族基は、単環構造を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。単環構造を有した環状脂肪族基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましい。多環構造を有した環状脂肪族基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。特には、Eとして6員環以上のかさ高い構造を有する環状脂肪族基を採用した場合、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性が抑制され、解像力及びEL(露光ラチチュード)を更に向上させることが可能となる。
Eとしてのアリール基は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環又はアントラセン環である。
Eとしての複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この基に含まれているヘテロ原子としては、窒素原子又は酸素原子が好ましい。複素環構造の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環等が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が好ましい。
Eは、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)〜(ZI−4)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201’〜R203’の少なくとも1つがアリール基である。即ち、化合物(ZI−1)は、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
化合物(ZI−1)は、R201’〜R203’の全てがアリール基であってもよく、R201’〜R203’の一部がアリール基であり、それら以外がアルキル基であってもよい。なお、化合物(ZI−1)が複数のアリール基を含んでいる場合、これらアリール基は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
化合物(ZI−1)としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物及びアリールジアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
化合物(ZI−1)におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、又は、インドール残基及びピロール残基等のヘテロアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基又はインドール残基が特に好ましい。
化合物(ZI−1)が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖、分岐又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
これらアリール基及びアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基及びフェニルチオ基が挙げられる。
好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、及び、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。置換基は、3つのR201’〜R203’のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がフェニル基の場合には、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
また、R201’、R202’及びR203’のうち1つ又は2つが、置換基を有していてもよいアリール基であり、残りの基が直鎖、分岐又は環状のアルキル基である態様も好ましい。この構造の具体例としては、特開2004−210670号公報の段落0141〜0153に記載の構造が挙げられる。
このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201’、R202’及びR203’としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基又はアルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としより好ましくは、炭素数1〜12のアルコキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜6のアルコキシ基である。
上記の残りの基としての直鎖、分岐又は環状のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。これら基は、更に置換基を有していてもよい。また、上記の残りの基が2つ存在する場合、これら2つが互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
一般式(ZI−1A)中、
R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
R14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基又はシクロアルキルスルホニル基を表す。
R15は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。2つのR15は、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
X−は、非求核性アニオンを表し、例えば、一般式(ZI)におけるX−と同様のものが挙げられる。
R13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
R14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基又はシクロアルキルスルホニル基を表す。
R15は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。2つのR15は、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
X−は、非求核性アニオンを表し、例えば、一般式(ZI)におけるX−と同様のものが挙げられる。
R13、R14又はR15のアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。このアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
R13、R14又はR15のシクロアルキル基としては、環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基)が挙げられ、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロオクタジエニル基が挙げられる。これらのうち、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル及びシクロオクチル基が特に好ましい。
R13又はR14のアルコキシ基のアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のアルキル基として列挙したものが挙げられる。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びn−ブトキシ基が特に好ましい。
R13のシクロアルキルオキシ基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のシクロアルキル基として列挙したものが挙げられる。このシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基が特に好ましい。
R13のアルコキシカルボニル基のアルコキシ基部分としては、例えば、先にR13又はR14のアルコキシ基として列挙したものが挙げられる。このアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びn−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
R14のアルキルスルホニル基のアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のアルキル基として列挙したものが挙げられる。また、R14のシクロアルキルスルホニル基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のシクロアルキル基として列挙したものが挙げられる。これらアルキルスルホニル基又はシクロアルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基及びシクロヘキサンスルホニル基が特に好ましい。
lは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。rは、好ましくは0〜2である。
R13、R14及びR15の各基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルオキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、及びシクロアルキルオキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基及びt−ブトキシ基等の炭素数1〜20のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜20のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜20のものが挙げられる。
アルコキシアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基及び2−エトキシエチル基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシアルキル基としては、例えば、シクロペンチルオキシエチル基、シクロペンチルオキシペンチル基、シクロヘキシルオキシエチル基及びシクロヘキシルオキシペンチル基等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
アルコキシカルボニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基及びt−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、シクロペンチルオキシカルボニル基及びシクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基及びt−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基及びシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
2つのR15が互いに結合して形成し得る環構造としては、一般式(ZI−1A)中のS原子と共に、5員環又は6員環、特に好ましくは5員環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)を形成する構造が好ましい。
この環構造は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。前記環構造に対する置換基は、複数個存在しても良く、また、それらが互いに結合して環(芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又はこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環など)を形成しても良い。
R15としては、メチル基、エチル基、及び2つのR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基が特に好ましい。
R13のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基、R14のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子(特にフッ素原子)が好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201’〜R203’が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201’〜R203’が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201’〜R203’としての芳香環を含有しない有機基は、炭素数が例えば1〜30であり、好ましくは1〜20である。
R201’〜R203’は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であることが好ましい。更に好ましくは、直鎖、分岐若しくは環状の2−オキソアルキル基又はアルコキシカルボニルメチル基であり、特に好ましくは、直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基である。
R201’〜R203’としてのアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。
R201’〜R203’としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基が挙げられる。
R201’〜R203’としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基の好ましい例としては、炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)が挙げられる。
R201’〜R203’は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R201’〜R203’のうち2つが互いに結合して、環構造を形成していてもよい。この環構造は、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合及び/又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201’〜R203’の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、アルキレン基(例えば、ブチレン基又はペンチレン基)が挙げられる。
上記環構造としては、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。環構造としては、3〜10員環を挙げることができ、4〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
式中、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましい。
R6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましい。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基又はビニル基を表す。これら原子団の炭素数は、1〜6が好ましい。
R1c〜R7cのいずれか2つ以上が互いに結合して、環構造を形成していてもよい。また、RxとRyとが結合して、環構造を形成していてもよい。これらの環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合及び/又はアミド結合を含んでいてもよい。
一般式(ZI−3)におけるX−は、一般式(ZI)におけるX−と同義である。
化合物(ZI−3)の具体例としては、特開2004−233661号公報の段落0046及び0047、又は、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046に例示されている化合物に記載されている化合物が挙げられる。
一般式(ZI−4)中、
R1〜R13は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1〜R13のうち少なくとも1つは、アルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。なお、ここで「アルコール性水酸基」とは、アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を意味している。
R1〜R13は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1〜R13のうち少なくとも1つは、アルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。なお、ここで「アルコール性水酸基」とは、アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を意味している。
Zは、単結合又は2価の連結基である。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1〜R13は−(W−Y)により表される基であることが好ましい。ここで、Yは水酸基で置換されたアルキル基であり、Wは単結合又は2価の連結基である。
Yにより表されるアルキル基の好ましい例としては、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。Yは、特に好ましくは、−CH2CH2OHにより表される構造を含んでいる。
Wにより表される2価の連結基としては、特に制限は無いが、好ましくは単結合、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた2価の基であり、更に好ましくは、単結合、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基又はアルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた2価の基である。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は、好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくは2〜4である。
R1〜R13としてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有していてもよい。R1〜R13としてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数は、1〜6であり、好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1である。
一般式(ZI−4)により表される化合物の有するアルコール性水酸基の数は、R1〜R13すべて合わせて1〜10であり、好ましくは1〜6であり、更に好ましくは1〜3である。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R1〜R13としての置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及び複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基〔−B(OH)2〕、ホスファト基〔−OPO(OH)2〕、スルファト基(−OSO3H)、並びに、他の公知の置換基が挙げられる。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R1〜R13は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基又はウレイド基である。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R1〜R13は、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基である。
R1〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R1〜R13は、特に好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。
R1〜R13のうちの隣接する2つが互いに結合して、環を形成してもよい。この環には、芳香族及び非芳香族の炭化水素環並びに複素環が含まれる。これら環は、更に組み合わされて、縮合環を形成していてもよい。
化合物(ZI−4)は、好ましくは、R1〜R13のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含んだ構造を有しており、更に好ましくは、R9〜R13のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含んだ構造を有している。
Zは、上述したように、単結合又は2価の連結基を表している。この2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基及びアミノスルホニルアミノ基が挙げられる。
この2価の連結基は、置換基を有していてもよい。これらの置換基としては、例えば、先にR1〜R13について列挙したのと同様のものが挙げられる。
Zは、好ましくは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基及びアミノスルホニルアミノ基等の電子求引性を持たない結合又は基であり、更に好ましくは、単結合、エーテル基又はチオエーテル基であり、特に好ましくは、単結合である。
以下、一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204’、R205’、R206及びR207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
R204’、R205’、R206及びR207としてのアリール基の好ましい例としては、先に化合物(ZI−1)におけるR201’〜R203’について列挙したのと同様の基が挙げられる。
R204’、R205’、R206及びR207としてのアルキル基及びシクロアルキル基の好ましい例としては、先に化合物(ZI−2)におけるR201’〜R203’について列挙した直鎖、分岐又はシクロアルキル基が挙げられる。
R204’、R205’、R206及びR207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204’、R205’、R206及びR207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、一般式(ZII)におけるX−は、一般式(ZI)におけるX−と同義である。
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
R208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。こうすると、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
R208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。こうすると、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基が有していても良い置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、及び、ニトロ基が挙げられる。
好ましいR209としては、置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子吸引性基が挙げられる。この電子吸引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフロロアルキル基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子吸引性基が挙げられる。この電子吸引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフロロアルキル基が挙げられる。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
Ar3、Ar4、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI−1)におけるR201’、R202’及びR203’としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
R208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI−2)におけるR201’、R202’及びR203’としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エチニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましく、化合物(ZI−1)〜(ZI−3)が特に好ましい。
なお、光酸発生剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
本発明に係る組成物が光酸発生剤を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
〔5〕溶剤
本発明に係る組成物は溶剤を含有することが好ましい。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)など)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)など)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、及びアルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、US2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
本発明に係る組成物は溶剤を含有することが好ましい。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)など)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)など)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、及びアルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、US2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
上記の溶剤のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、及び乳酸エチルが特に好ましい。
これら溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合、水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との質量比は、通常は1/99〜99/1であり、好ましくは10/90〜90/10であり、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を含んだ溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテル又は乳酸アルキルエステルが好ましく、水酸基を含んでいない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。溶剤の50質量%以上がプロピレングリコールモノメチルエーテルである溶剤を用いることが特に好ましい。
なお、溶剤の使用量は、組成物の全固形分濃度が、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは2.0〜6.0質量%、更に好ましくは3.0〜5.0質量%となるように定める。
〔6〕界面活性剤
本発明に係る組成物は、界面活性剤を更に含有していてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
本発明に係る組成物は、界面活性剤を更に含有していてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
この界面活性剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176及びメガファックR08、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、並びに、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341が挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類等が挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%であり、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%であり、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔7〕溶解阻止化合物
本発明に係る組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を更に含んでいてもよい。
本発明に係る組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を更に含んでいてもよい。
この溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体等の、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。この酸分解性基としては、例えば、先に樹脂(P)における一般式(3)の「OY1」、及び、一般式(4)の「COOY2」と同様のものが挙げられる。
なお、本発明に係る組成物をKrFエキシマレーザーで露光するか又は電子線で照射する場合には、溶解阻止化合物としては、フェノール化合物のフェノール性水酸基を酸分解基で置換した構造を含んだ化合物が好ましい。フェノール化合物としては、フェノール骨格を1〜9個含有するものが好ましく、2〜6個含有するものが更に好ましい。
溶解阻止化合物の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000であり、更に好ましくは500〜2500である。
本発明に係る組成物が溶解阻止化合物を含有する場合、その添加量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。
〔8〕その他の添加剤
本発明に係る組成物は、例えば、必要に応じて、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び現像液に対する溶解を促進させる化合物(以下、溶解促進性化合物ともいう)等を更に含有させることができる。また、特開2006−208781号公報及び特開2007−286574号公報等に記載されているプロトンアクセプター性官能基を備えた化合物も好適に用いることができる。
本発明に係る組成物は、例えば、必要に応じて、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び現像液に対する溶解を促進させる化合物(以下、溶解促進性化合物ともいう)等を更に含有させることができる。また、特開2006−208781号公報及び特開2007−286574号公報等に記載されているプロトンアクセプター性官能基を備えた化合物も好適に用いることができる。
上記の溶解促進性化合物は、例えば、フェノール性水酸基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1000以下の低分子化合物である。なお、カルボキシ基を有する場合は、溶解促進性化合物は、脂環族又は脂肪族化合物であることが好ましい。
これら溶解促進性化合物の添加量は、樹脂(P)の質量を基準として、好ましくは0〜50質量%であり、更に好ましくは5〜30質量%である。現像残渣抑制及び現像時パターン変形防止の観点から、この添加量は、50質量%以下とすることが好ましい。
なお、上記の溶解促進性化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4916210号及び欧州特許第219294号等に記載の方法を参考にして、容易に合成することができる。
〔9〕パターン形成方法
本発明に係る組成物は、典型的には、以下のようにして用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、基板等の支持体上に塗布されて、膜を形成する。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好
ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
本発明に係る組成物は、典型的には、以下のようにして用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、基板等の支持体上に塗布されて、膜を形成する。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好
ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
例えば、この組成物は、精密集積回路素子の製造等に使用される基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン及びクロム蒸着された石英基板など)上に、スピナー及びコーター等の適当な塗布方法により塗布される。その後、これを乾燥して、感活性光線性又は感放射線性の膜(以下、レジスト膜ともいう)を得る。なお、公知の反射防止膜を予め塗設することもできる。
次いで、このレジスト膜に活性光線又は放射線(好ましくは、電子線、X線又はEUV光)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そして、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスの詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」等を参照されたい。また、特に情報記録媒体の製造に好適なモールド構造体の製造方法については、例えば、特許第4109085号公報及び特開2008−162101号公報を参照されたい。
現像工程では、通常アルカリ現像液を用いる。現像方法は、パドル形成、ディップ及びダイナミックディスペンス等の公知の方法を適宜使用する。アルカリ現像液としては、種々のアルカリ水溶液が適用可能であるが、通常は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドアルカリ性水溶液が使用される。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を、適当量添加してもよい。
アルカリ現像液の濃度は、通常、0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常、10.0〜15.0である。
また、本発明のパターン形成方法において、レジスト膜をマスクブランクス上に形成しても良い。
ここで、マスクブランクスとは、半導体製造工程に用いられるフォトマスクを作製するための材料であり、通常、透明基板(好ましくはガラス基板)の上に遮光膜が設けられてなる。透明基板に対する遮光膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、透明基板上に、遮光材料を構成する材料を化学蒸着することにより形成することができる。
遮光膜を構成する材料としては、タンタル、クロム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、スズ、ガリウム、アルミニウム等の金属を主成分とし、これらの金属元素の酸化物、窒化物、酸化窒化物が好適に用いられる。具体的には、酸化クロム、窒化クロム、クロム、酸化タンタル、窒化タンタル、タンタル、モリブデンシリサイド酸化物、モリブデンシリサイド窒化物、モリブデンシリサイド酸化窒化物、モリブデン等を挙げることができる。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
このようなマスクブランクス上にレジスト膜を形成し、露光、現像することにより、フォトマスクを得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。
<合成例1:樹脂(P−1)の合成>
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)120gに溶解した。この溶液に、ビニルエーテル化合物として2,6−ジフェニルフェニルオキシエチルビニルエーテル(以下、VE−1と表記することがある)14.22g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。次いでジビニルエーテル化合物としてブタンジオールジビニルエーテル(以下、DVE−1と表記することがある)3.55gを加え、更に2時間攪拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮し、酢酸エチルを除去した。この反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−1)のPGMEA溶液(29.7質量%)が135.4g得られた。
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)120gに溶解した。この溶液に、ビニルエーテル化合物として2,6−ジフェニルフェニルオキシエチルビニルエーテル(以下、VE−1と表記することがある)14.22g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。次いでジビニルエーテル化合物としてブタンジオールジビニルエーテル(以下、DVE−1と表記することがある)3.55gを加え、更に2時間攪拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮し、酢酸エチルを除去した。この反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−1)のPGMEA溶液(29.7質量%)が135.4g得られた。
得られた樹脂(P−1)につき、1H−NMR測定により、樹脂(P−1)の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:THF)測定により、樹脂(P−1)の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「PDI」ともいう)を算出した。これらの結果を、以下の化学式中に示す。
<合成例2〜14:樹脂(P−2)〜(P−14)の合成>
合成例1と同様にして、樹脂(P−2)〜(P−14)を合成した。使用した反応試薬、その仕込み量(ポリヒドロキシスチレン単位に対するmol%)、及び得られた樹脂溶液の濃度(質量%)、得量(g)を下記表1に示す。
合成例1と同様にして、樹脂(P−2)〜(P−14)を合成した。使用した反応試薬、その仕込み量(ポリヒドロキシスチレン単位に対するmol%)、及び得られた樹脂溶液の濃度(質量%)、得量(g)を下記表1に示す。
樹脂(P−2)〜(P−14)の合成に用いた反応試薬を以下に示す。
<ジビニルエーテル化合物(DVE−2)の合成>
4,4’−ジヒドロキシビフェニル20g、水酸化ナトリウム9.45gにN−メチルピロリドン80mLを加え、80℃で攪拌した。次いで、反応液に2−クロロエチルビニルエーテル29.75gを滴下し、80℃で4時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、反応液を1.5Lの蒸留水に注ぎ、得られた沈殿をろ取した。この沈殿をメタノール/イソプロパノール=10/1の混合溶液中で再結晶化することにより、28.75gのジビニルエーテル化合物(DVE−2)を得た。
他のジビニルエーテル化合物についても、同様の方法で合成した。
4,4’−ジヒドロキシビフェニル20g、水酸化ナトリウム9.45gにN−メチルピロリドン80mLを加え、80℃で攪拌した。次いで、反応液に2−クロロエチルビニルエーテル29.75gを滴下し、80℃で4時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、反応液を1.5Lの蒸留水に注ぎ、得られた沈殿をろ取した。この沈殿をメタノール/イソプロパノール=10/1の混合溶液中で再結晶化することにより、28.75gのジビニルエーテル化合物(DVE−2)を得た。
他のジビニルエーテル化合物についても、同様の方法で合成した。
<合成例15〜20:樹脂(P−15)〜(P−20)の合成>
フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール20.0gに塩化アセチル10.86gを加え、50℃で3時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、生成した酢酸メチルを減圧下で除去することで、クロロアルキルエーテル化合物として、1−クロロ−2−フェニルメチル メチルエーテル(以下、Cl−1と表記することがある)20.4gを得た。
フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール20.0gに塩化アセチル10.86gを加え、50℃で3時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、生成した酢酸メチルを減圧下で除去することで、クロロアルキルエーテル化合物として、1−クロロ−2−フェニルメチル メチルエーテル(以下、Cl−1と表記することがある)20.4gを得た。
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをPGMEA120gに溶解した。この溶液に、ビニルエーテル化合物としてブタンジオールジビニルエーテル(DVE−1)2.84g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、反応液を減圧乾固した。
得られた反応物をテトラヒドロフラン(THF)120mLに溶解し、トリエチルアミン25.27gを加え、氷水浴で冷却した。反応液を攪拌しながら16.19gのCl−1を滴下し、0℃で2時間攪拌した後、反応液を室温に戻して更に2時間攪拌した。反応液に蒸留水を加え、生成した塩を溶解した後、エバポレーターでTHFを減圧留去した。酢酸エチル200mLを加え、有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−15)のPGMEA溶液(28.8質量%)が134.8g得られた。
樹脂(P−16)〜(P−20)についても、樹脂(P−15)と同様の方法で合成した。使用した反応試薬、その仕込み量(ポリヒドロキシスチレン単位に対するmol%)、及び得られた樹脂溶液の濃度(質量%)、得量(g)を下記表2に示す。
<合成例21〜23:樹脂(P−21)〜(P−23)の合成>
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをPGMEA120gに溶解した。この溶液に、ビニルエーテル化合物として2,6−ジフェニルフェニルオキシエチルビニルエーテル(VE−1)14.22g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。次いでジビニルエーテル化合物としてブタンジオールジビニルエーテル(DVE−1)1.42gを加え、更に2時間攪拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層を濃縮乾固した。
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをPGMEA120gに溶解した。この溶液に、ビニルエーテル化合物として2,6−ジフェニルフェニルオキシエチルビニルエーテル(VE−1)14.22g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。次いでジビニルエーテル化合物としてブタンジオールジビニルエーテル(DVE−1)1.42gを加え、更に2時間攪拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層を濃縮乾固した。
得られた反応物をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)120mLに溶解し、ピリジン19.75g及びN,N−ジメチルアミノピリジン367mgを加えた。2−スルホ安息香酸無水物2.76gのDMF溶液を反応液に滴下し、滴下後室温で8時間攪拌した。反応液に酢酸エチル200mLを加え分液ロートに移した。この有機層を200mLの蒸留水で3回、200mLの飽和食塩水で3回洗浄し、エバポレーターで有機層を濃縮した。
得られた反応物をTHF90mL、メタノール30mLの混合溶液に溶解し、臭化トリフェニルスルホニウム6.00gを加えて室温で3時間攪拌した。反応液をエバポレーターで濃縮後、酢酸エチル200mLを加え分液ロートに移した。この有機層を200mLの蒸留水で5回洗浄後、反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を100mLのアセトンに溶解し、水1.8L、メタノール0.2Lの混合液中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−21)のPGMEA溶液(29.1質量%)が128.6g得られた。
樹脂(P−22)〜(P−23)についても、樹脂(P−21)と同様の方法で合成した。使用した反応試薬、その仕込み量(ポリヒドロキシスチレン単位に対するmol%)、得られた樹脂溶液の濃度(質量%)、及び得量(g)を下記表3に示す。
<Nf−PHSの合成>
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、1−クロロメチルナフタレン2.21g、炭酸カリウム3.45g、ヨウ化ナトリウム0.94gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を1規定塩酸水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固することで、Nf−PHSが得られた。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、1−クロロメチルナフタレン2.21g、炭酸カリウム3.45g、ヨウ化ナトリウム0.94gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を1規定塩酸水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固することで、Nf−PHSが得られた。
<合成例25:樹脂(P−25)の合成>
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、ブロモ酢酸tert−ブチル19.97g、炭酸カリウム28.30g、ヨウ化ナトリウム1.53gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固した。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、ブロモ酢酸tert−ブチル19.97g、炭酸カリウム28.30g、ヨウ化ナトリウム1.53gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固した。
得られた反応物をPGMEA120gに溶解し、1,1’−ビ−2−ナフトキシエチルジビニルエーテル(以下、DVE−7と表記することがある)3.19g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮し、酢酸エチルを除去した。この反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−25)のPGMEA溶液(29.5質量%)が136.5g得られた。
<合成例26:樹脂(P−26)の合成>
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、ブロモ酢酸(1−エチル)シクロペンチル22.31g、炭酸カリウム26.23g、ヨウ化ナトリウム1.42gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固した。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをアセトン120gに溶解し、ブロモ酢酸(1−エチル)シクロペンチル22.31g、炭酸カリウム26.23g、ヨウ化ナトリウム1.42gを加えて4時間還流した。反応液を室温に戻した後、エバポレーターでアセトンを除去し、酢酸エチル200mLを加えて反応液を分液ロートに移した。この有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液200mLで2回、蒸留水200mLで2回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮乾固した。
得られた反応物をPGMEA120gに溶解し、下記に示すジビニルエーテル化合物(以下、DVE−8と表記することがある)2.76g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。1.05gの10%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層を濃縮乾固した。
得られた反応物をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)120mLに溶解し、ピリジン19.75g及びN,N−ジメチルアミノピリジン367mgを加えた。2−スルホ安息香酸無水物2.76gのDMF溶液を反応液に滴下し、滴下後室温で8時間攪拌した。反応液に酢酸エチル200mLを加え分液ロートに移した。この有機層を200mLの蒸留水で3回、200mLの飽和食塩水で3回洗浄し、エバポレーターで有機層を濃縮した。
得られた反応物をTHF90mL、メタノール30mLの混合溶液に溶解し、臭化トリフェニルスルホニウム6.00gを加えて室温で3時間攪拌した。反応液をエバポレーターで濃縮後、酢酸エチル200mLを加え分液ロートに移した。この有機層を200mLの蒸留水で5回洗浄後、反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を100mLのアセトンに溶解し、水1.8L、メタノール0.2Lの混合液中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−26)のPGMEA溶液(29.8質量%)が131.6g得られた。
<合成例27:樹脂(P−27)の合成>
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをPGMEA120gに溶解した。この溶液に、下記に示すジビニルエーテル化合物(以下、DVE−9と表記することがある)3.00g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。25.27gのトリエチルアミン、次いで二炭酸ジ−tertブチル17.44gを加え、室温で8時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル200mLを加えた後、有機層を蒸留水200mLで3回洗浄した。エバポレーターで酢酸エチルを除去した後、反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−27)のPGMEA溶液(27.7質量%)が134.4g得られた。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500, 日本曹達株式会社製)30gをPGMEA120gに溶解した。この溶液に、下記に示すジビニルエーテル化合物(以下、DVE−9と表記することがある)3.00g及び1.45gの2%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。25.27gのトリエチルアミン、次いで二炭酸ジ−tertブチル17.44gを加え、室温で8時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル200mLを加えた後、有機層を蒸留水200mLで3回洗浄した。エバポレーターで酢酸エチルを除去した後、反応液をヘキサン2L中に滴下した。上澄みを除去して得られた沈殿を95gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、樹脂(P−27)のPGMEA溶液(27.7質量%)が134.4g得られた。
<合成例28:樹脂(P−28)の合成>
1−メトキシー2−プロパノール6.91gを窒素気流下、70℃に加熱した。この液を攪拌しながら、以下に示すモノマー(M−1)3.89g、モノマー(M−2)2.82g、モノマー(M−3)1.22g、モノマー(M−4)0.70g、1−メトキシ−2−プロパノール27.63g、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.59gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチルで再沈殿を行い、真空乾燥を行うことで、本発明の樹脂(P−28)を5.81g得た。
1−メトキシー2−プロパノール6.91gを窒素気流下、70℃に加熱した。この液を攪拌しながら、以下に示すモノマー(M−1)3.89g、モノマー(M−2)2.82g、モノマー(M−3)1.22g、モノマー(M−4)0.70g、1−メトキシ−2−プロパノール27.63g、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.59gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチルで再沈殿を行い、真空乾燥を行うことで、本発明の樹脂(P−28)を5.81g得た。
<合成例29:樹脂(P−29)の合成>
1−メトキシ−2−プロパノール5.83gを窒素気流下、70℃に加熱した。この液を攪拌しながら、上記モノマー(M−1)3.89g、モノマー(M−2)2.16g、下記に示すモノマー(M−5)0.70g、モノマー(M−6)0.53g、1−メトキシー2−プロパノール23.30g、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.53gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチルで再沈殿を行い、真空乾燥を行うことで、本発明の樹脂(P−29)を5.24g得た。
1−メトキシ−2−プロパノール5.83gを窒素気流下、70℃に加熱した。この液を攪拌しながら、上記モノマー(M−1)3.89g、モノマー(M−2)2.16g、下記に示すモノマー(M−5)0.70g、モノマー(M−6)0.53g、1−メトキシー2−プロパノール23.30g、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.53gの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で更に4時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のヘキサン/酢酸エチルで再沈殿を行い、真空乾燥を行うことで、本発明の樹脂(P−29)を5.24g得た。
<参考合成例1〜5:樹脂(R−1)及び(P−30)〜(P−33)の合成>
上記合成例と同様の方法にて、下記記載の樹脂(R−1)及び(P−30)〜(P−33)を得た。以下、樹脂(R−1)、(P−30)〜(P−33)の各々について、構造、組成比、重量平均分子量、及び分散度を示す。
上記合成例と同様の方法にて、下記記載の樹脂(R−1)及び(P−30)〜(P−33)を得た。以下、樹脂(R−1)、(P−30)〜(P−33)の各々について、構造、組成比、重量平均分子量、及び分散度を示す。
<合成例:PAG−1>
(トリシクロヘキシルベンゼンの合成)
ベンゼン20.0gに塩化アルミニウム6.83gを加え、3℃で冷却攪拌し、シクロ
ヘキシルクロリド40.4gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷水にあけた。酢酸エチルで有機層を抽出し、得られた有機層を40℃で減圧留去した。更に170℃で減圧留去後、室温に冷却し、アセトン50mlを投入し、再結晶させた。析出した結晶を濾取し、トリシクロヘキシルベンゼン14gを得た。
(トリシクロヘキシルベンゼンの合成)
ベンゼン20.0gに塩化アルミニウム6.83gを加え、3℃で冷却攪拌し、シクロ
ヘキシルクロリド40.4gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷水にあけた。酢酸エチルで有機層を抽出し、得られた有機層を40℃で減圧留去した。更に170℃で減圧留去後、室温に冷却し、アセトン50mlを投入し、再結晶させた。析出した結晶を濾取し、トリシクロヘキシルベンゼン14gを得た。
(トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成)
トリシクロヘキシルベンゼン30gを塩化メチレン50mlに溶解し、3℃で冷却攪拌し、クロロスルホン酸15.2gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷10gを投入後、50%水酸化ナトリウム水溶液を40g投入した。更にエタノールを20g加え、50℃で1時間攪拌後、不溶分を濾過除去し、40℃で減圧留去した。析出した結晶を濾取し、ヘキサン洗浄し、1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30gを得た。
トリシクロヘキシルベンゼン30gを塩化メチレン50mlに溶解し、3℃で冷却攪拌し、クロロスルホン酸15.2gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷10gを投入後、50%水酸化ナトリウム水溶液を40g投入した。更にエタノールを20g加え、50℃で1時間攪拌後、不溶分を濾過除去し、40℃で減圧留去した。析出した結晶を濾取し、ヘキサン洗浄し、1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30gを得た。
(PAG−1の合成)
トリフェニルスルホニウムブロミド4.0gをメタノール20mlに溶解し、20mlのメタノールに溶解させた1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0gを加えた。室温で2時間攪拌後、イオン交換水50mlを加えクロロホルムで抽出した。得られた有機層を水で洗浄後、40℃で減圧留去し、得られた結晶をメタノール/酢酸エチル溶媒で再結晶した。これにより化合物PAG−1を5.0g得た。
トリフェニルスルホニウムブロミド4.0gをメタノール20mlに溶解し、20mlのメタノールに溶解させた1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0gを加えた。室温で2時間攪拌後、イオン交換水50mlを加えクロロホルムで抽出した。得られた有機層を水で洗浄後、40℃で減圧留去し、得られた結晶をメタノール/酢酸エチル溶媒で再結晶した。これにより化合物PAG−1を5.0g得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3) δ=7.85(d,6H),7.68(t,3H),7.59(t,6H),6.97(s,2H),4.36−4.27(m,2H),2.48−2.38(m,1H),1.97−1.16(m,30H)。
同様にして、PAG−2〜PAG−6についても合成した。
〔界面活性剤及び溶剤〕
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
溶剤としては、以下のものを用いた。
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
溶剤としては、以下のものを用いた。
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
[実施例1〜8及び比較例1]
下記表4に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させた。これを0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いてろ過した。これにより、表4に示す全固形分濃度のポジ型レジスト溶液を調製した。なお、表4に示す各成分の濃度は、全固形分の質量を基準とした質量濃度である。
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
[実施例1〜8及び比較例1]
下記表4に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させた。これを0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いてろ過した。これにより、表4に示す全固形分濃度のポジ型レジスト溶液を調製した。なお、表4に示す各成分の濃度は、全固形分の質量を基準とした質量濃度である。
<レジスト評価>
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコータを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、130℃で90秒間に亘って加熱乾燥を行った。これにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコータを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、130℃で90秒間に亘って加熱乾燥を行った。これにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対して、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750;加速電圧50keV)を用いて、電子線照射を行った。照射後直ぐに、120℃で90秒間ホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を形成した。なお、以下では、ラインアンドスペースパターンをL&Sと略記することがある。
〔感度、形状〕
得られた各パターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。L&Sパターンについて、100nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを感度(μC/cm2)とした。パターン形状については、100nmのL&Sパターンにおける形状を観察し、最も矩形に近いものを◎、矩形に近いものを○、テーパー形状のものを△で表した。
得られた各パターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。L&Sパターンについて、100nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを感度(μC/cm2)とした。パターン形状については、100nmのL&Sパターンにおける形状を観察し、最も矩形に近いものを◎、矩形に近いものを○、テーパー形状のものを△で表した。
〔解像力〕
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
〔残膜率(ドライエッチング耐性)〕
ヘキサメチルジシラザン処理をしたウエハー上に、膜厚100nmのポジ型レジスト膜を形成した。この膜に対し、CF4(10mL/min)とO2(20mL/min)とAr(1000mL/min)との混合ガスを用いて、23℃で30秒間プラズマエッチングを行った。その後、プラズマエッチング後のレジスト膜の膜厚を測定した。そして、このエッチング後の膜厚を、エッチング前の膜厚で除して100倍することにより、残膜率(%)を得た。なお、残膜率が大きいほど、ドライエッチング耐性は良好である。
ヘキサメチルジシラザン処理をしたウエハー上に、膜厚100nmのポジ型レジスト膜を形成した。この膜に対し、CF4(10mL/min)とO2(20mL/min)とAr(1000mL/min)との混合ガスを用いて、23℃で30秒間プラズマエッチングを行った。その後、プラズマエッチング後のレジスト膜の膜厚を測定した。そして、このエッチング後の膜厚を、エッチング前の膜厚で除して100倍することにより、残膜率(%)を得た。なお、残膜率が大きいほど、ドライエッチング耐性は良好である。
表4に示すように、実施例1〜8に係る組成物は、比較例1に係る組成物と比較して、パターン形状及び残膜率が優れていた。また、実施例1〜5と、実施例6〜8との比較により、前述のNCの値が5以上の場合に、より顕著にパターン形状が良化することが分かった。
[実施例6〜33及び比較例5〜9]
マスクブランクス上におけるレジスト膜の性能を確認するべく、(1)ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板を、化学蒸着によって厚み100nmの酸化クロム膜(遮光膜)が設けられたガラス基板に、(2)レジスト溶液塗布後の加熱条件を130℃で90秒間から130℃で600秒間に、(3)電子線照射後の加熱条件を120℃で90秒間から120℃で600秒間に変更した以外は、実施例1〜5と同様にポジ型レジスト溶液を調製し、レジスト膜を形成し、レジスト評価を行った。結果を表5に示す。なお、表5のL&S形状において、すそ引きもトップの膜減りも見られず矩形に近いものを◎、すそ引きは見られるがトップの膜減りが小さいものを○、すそ引きもトップの膜減りも見られテーパー形状が顕著なものを△で表した。
マスクブランクス上におけるレジスト膜の性能を確認するべく、(1)ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板を、化学蒸着によって厚み100nmの酸化クロム膜(遮光膜)が設けられたガラス基板に、(2)レジスト溶液塗布後の加熱条件を130℃で90秒間から130℃で600秒間に、(3)電子線照射後の加熱条件を120℃で90秒間から120℃で600秒間に変更した以外は、実施例1〜5と同様にポジ型レジスト溶液を調製し、レジスト膜を形成し、レジスト評価を行った。結果を表5に示す。なお、表5のL&S形状において、すそ引きもトップの膜減りも見られず矩形に近いものを◎、すそ引きは見られるがトップの膜減りが小さいものを○、すそ引きもトップの膜減りも見られテーパー形状が顕著なものを△で表した。
表5に示すように、実施例6〜40に係る組成物は、比較例2に係る組成物と比較して、残膜率及びパターン形状が優れていた。
実施例40に係る組成物を用いて形成したパターン及び比較例2に係る組成物を用いて形成したパターンの断面形状を図1及び図2に示す。
図1は、実施例に係る組成物を用いて形成したパターンの一例を示す写真である。図2は、比較例に係る組成物を用いて形成したパターンの一例を示す写真である。
図1及び図2から分かるように、実施例に係る組成物を用いると、比較例に係る組成物を用いた場合と比較して、より優れた形状のパターンを形成することができた。
Claims (11)
- 上記一般式(5)で表される繰り返し単位中、M51及びQの炭素数の和が8以上である請求項3に記載の組成物。
- 電子線、X線又はEUV光により露光される請求項1乃至5の何れか1項に記載の組成物。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
- 請求項7に記載の膜が塗布されたマスクブランクス。
- 請求項7に記載の膜を露光することと、
前記露光された膜を現像することと
を含んだパターン形成方法。 - 請求項8に記載のマスクブランクスを露光することと、
前記露光されたマスクブランクスを現像することと
を含んだパターン形成方法。 - 前記露光は、電子線、X線又はEUV光により行われる請求項9又は10に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011015887A JP2012155234A (ja) | 2011-01-28 | 2011-01-28 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、及びパターン形成方法 |
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