JP2012154553A - ボイラ循環ポンプのキャビテーション防止制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御するキャビテーション防止制御装置及び方法を提供すること。
【解決手段】キャビテーション防止制御装置10は、BCP103の入口温度を測定する温度センサ301と、M−BFP101の出口配管に設けられ、BCP103の入口圧力を調整するSFWB弁202の開度を調節するSFWB弁調節部14とを備える。そして、キャビテーション防止制御装置10は、M−BFP−BP102によってクリーンアップ用の水が供給されている状態で、温度センサ301によって測定されたBCP103の入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断し、所定の温度以上であると判断した場合に、M−BFP101を起動すると共に、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節し、BCP103の入口圧力を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】キャビテーション防止制御装置10は、BCP103の入口温度を測定する温度センサ301と、M−BFP101の出口配管に設けられ、BCP103の入口圧力を調整するSFWB弁202の開度を調節するSFWB弁調節部14とを備える。そして、キャビテーション防止制御装置10は、M−BFP−BP102によってクリーンアップ用の水が供給されている状態で、温度センサ301によって測定されたBCP103の入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断し、所定の温度以上であると判断した場合に、M−BFP101を起動すると共に、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節し、BCP103の入口圧力を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボイラ循環ポンプのキャビテーション防止制御装置及び方法に関する。
従来より、発電ユニットを冷体状態(例えば、ボイラを数日間停止した後の状態)から起動する際には、ボイラの洗缶をするためのコールドクリーンアップ工程が必要となる。このコールドクリーンアップ工程では、ボイラ電動給水ポンプ(以下、M−BFPという)の入口圧力確保用の電動給水ポンプ用昇圧ポンプ(以下、M−BFPブースタポンプという)によりクリーンアップ用の水が供給され、コールドクリーンアップ工程内でボイラ循環ポンプ(BCP)の運転が開始され、コールドクリーンアップ工程が終了し、ボイラ昇圧工程に進むと、M−BFPが起動され、ボイラ昇圧が開始される。
このようなコールドクリーンアップ工程内でのボイラ循環ポンプ(BCP)の運転において、ボイラ循環ポンプ(BCP)でキャビテーションが発生しやすいことが知られている。ここで、キャビテーションとは、高速で流れる液体(水等)の中の圧力の低い部分が気化して、非常に短い時間に蒸気のポケット(キャビティ)が生まれ、また非常に短時間でつぶれて消滅する現象のことである。キャビテーションが発生すると、次の様な悪影響がある。
(1)発電の性能が低下する(エネルギーが、水の気化や振動等の仕事で消費されるために、性能が低下する)。
(2)振動が発生する(液相が急に気相になるということは、水中で小さな爆発が起こっているのと同じことである)。
(3)騒音が発生する(特にキャビティが潰れるときは、頻繁に騒音が発生する)。
(4)壊食(エロージョン)が発生する(キャビティ崩壊の際に、瞬間的に非常に高い圧力が発生し、これが流体機器の表面にへこみや傷をつける。機器の運転中にこのような作用が繰り返されるので、長時間経つとキャビティの発生する面がボロボロになったり、端が欠けたり、ひどい場合は大きな穴が開いたりする)。
(1)発電の性能が低下する(エネルギーが、水の気化や振動等の仕事で消費されるために、性能が低下する)。
(2)振動が発生する(液相が急に気相になるということは、水中で小さな爆発が起こっているのと同じことである)。
(3)騒音が発生する(特にキャビティが潰れるときは、頻繁に騒音が発生する)。
(4)壊食(エロージョン)が発生する(キャビティ崩壊の際に、瞬間的に非常に高い圧力が発生し、これが流体機器の表面にへこみや傷をつける。機器の運転中にこのような作用が繰り返されるので、長時間経つとキャビティの発生する面がボロボロになったり、端が欠けたり、ひどい場合は大きな穴が開いたりする)。
このようなキャビテーションを防止するための技術を開示する特許文献1や特許文献2が知られている。特許文献1に開示された技術は、給水ポンプでキャビテーションが発生し、給水ポンプが破損等するトラブルを低コストで確実に防止することを目的としている。すなわち、特許文献1のプラントは、給水ポンプの入口側でキャビテーションが生じそうなときに給水ポンプの起動を停止させる制御装置を備え、制御装置は、脱気器内に貯まっている水の温度の検出値と給水ポンプの入口側における水の温度の検出値との差が、予めプラントの負荷に応じて複数段階に設定されたしきい値より小さいときに、給水ポンプの起動を停止させる。
特許文献2に開示された技術は、2系列の給水ポンプの運転を交互に切換えて脱気器からのボイラ給水をボイラの蒸気ドラムへ給水するボイラ給水ポンプ装置において、その給水ポンプの運転切換え時に、起動される給水ポンプ側における滞留水のフラッシングを抑制し、給水ポンプのキャビテーションを防止可能にすることを目的としている。すなわち、特許文献2に開示された技術は、脱気器から蒸気ドラムに給水するための2系列の給水管に、給水ポンプの入口側の温度を検出する温度検出器と、給水ポンプ入口側の給水管から復水器へ滞留水を排出する滞留水循環ラインとが設けられている。滞留水循環ラインには調節弁が設けられていて、温度検出器の検出温度差が生ずると休止中の滞留水循環ラインの調節弁を開き、高温の滞留水を復水器へ逃がす。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された技術の目的は、コールドクリーンアップ工程におけるキャビテーションを防止することではない。すなわち、特許文献1や特許文献2に開示された技術は、ボイラ停止を経過したあとの発電ユニットの起動操作において、コールドクリーンアップ工程を予定どおりに完了させるなかで運転させるボイラ循環ポンプ(BCP)のキャビテーションを効率よく防止することはできない。
また、発電ユニットを制御する制御装置が、例えば、煙道蒸発器出口温度や煙道蒸発器出口圧力によってコールドクリーンアップ工程を行うと判断する場合、キャビテーションが発生しやすい領域であるキャビテーション領域を脱するために、手動によりM−BFPを操作して圧力を保持し、コールドクリーンアップ工程を完了させている。
また、発電ユニットを制御する制御装置が、例えば、煙道蒸発器出口温度や煙道蒸発器出口圧力によってコールドクリーンアップ工程を行うと判断する場合、キャビテーションが発生しやすい領域であるキャビテーション領域を脱するために、手動によりM−BFPを操作して圧力を保持し、コールドクリーンアップ工程を完了させている。
そこで、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御する装置及び方法が求められている。
本発明は、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御するキャビテーション防止制御装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
(1) 発電ユニットが停止状態から起動する際に、電動給水ポンプ用昇圧ポンプによってボイラにクリーンアップ用の水を供給するコールドクリーンアップ工程においてボイラ循環ポンプのキャビテーションを防止するキャビテーション防止制御装置であって、前記ボイラ循環ポンプの入口温度を測定する温度測定手段と、前記ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプを起動するMBFP起動手段と、前記ボイラ電動給水ポンプの出口配管に設けられ、前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を調整するSFWB弁の開度を調節するSFWB弁調節手段と、前記電動給水ポンプ用昇圧ポンプによって前記クリーンアップ用の水が供給されている状態で、前記温度測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって、所定の温度以上であると判断された場合に、前記MBFP起動手段によって前記ボイラ電動給水ポンプを起動すると共に、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する制御手段と、を備えるキャビテーション防止制御装置。
(1)の構成によれば、本発明に係るキャビテーション防止制御装置は、電動給水ポンプ用昇圧ポンプ(MBFP−BP)によってクリーンアップ用の水が供給されている状態で、測定されたボイラ循環ポンプ(BCP)の入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断し、所定の温度以上であると判断した場合に、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP)を起動すると共に、SFWB弁の開度を調節し、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口圧力を制御する。
すなわち、本発明に係るキャビテーション防止制御装置は、コールドクリーンアップ工程において、所定の条件によって、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP)を起動して、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口圧力をキャビテーションが発生しない圧力になるように制御し、キャビテーションの発生を防止する。よって、キャビテーション防止制御装置は、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口温度が所定の温度未満である場合に、M−BFPブースタポンプだけでキャビテーション領域を脱し、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口温度が所定の温度以上である場合に、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP)を起動すると共に、圧力を制御してキャビテーション領域を脱する。したがって、本発明に係るキャビテーション防止制御装置は、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御することができる。
(2) 前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を測定する圧力測定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記圧力測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口圧力が所定の圧力になるように、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する(1)に記載のキャビテーション防止制御装置。
したがって、(2)に係るキャビテーション防止制御装置は、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口圧力を測定し、測定した圧力が所定の圧力になるように、SFWB弁の開度を調節するので、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域をさらに効率よく脱するように制御することができる。
(3) 発電ユニットが停止状態から起動する際に、電動給水ポンプ用昇圧ポンプによってボイラにクリーンアップ用の水を供給するコールドクリーンアップ工程においてボイラ循環ポンプのキャビテーションを防止するキャビテーション防止制御装置が実行する方法であって、
前記キャビテーション防止制御装置は、前記ボイラ循環ポンプの入口温度を測定する温度測定手段と、前記ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプを起動するMBFP起動手段と、前記ボイラ電動給水ポンプの出口配管に設けられ、前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を調整するSFWB弁の開度を調節するSFWB弁調節手段と、を備え、
前記方法は、前記電動給水ポンプ用昇圧ポンプによって前記クリーンアップ用の水が供給されている状態で、前記温度測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって、所定の温度以上であると判断された場合に、前記MBFP起動手段によって前記ボイラ電動給水ポンプを起動すると共に、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する制御ステップと、を備える方法。
前記キャビテーション防止制御装置は、前記ボイラ循環ポンプの入口温度を測定する温度測定手段と、前記ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプを起動するMBFP起動手段と、前記ボイラ電動給水ポンプの出口配管に設けられ、前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を調整するSFWB弁の開度を調節するSFWB弁調節手段と、を備え、
前記方法は、前記電動給水ポンプ用昇圧ポンプによって前記クリーンアップ用の水が供給されている状態で、前記温度測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって、所定の温度以上であると判断された場合に、前記MBFP起動手段によって前記ボイラ電動給水ポンプを起動すると共に、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する制御ステップと、を備える方法。
したがって、(3)に係る方法は、(1)と同様に、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御することができる。
本発明によれば、発電ユニットのコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域を効率よく脱するように制御することができる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るキャビテーション防止制御装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図2は、本発明の一実施形態に係るキャビテーション防止制御装置10が組み込まれている発電ユニット1の給水の系統図である。
ここで、キャビテーション領域は、ボイラ循環ポンプ入口温度及び入口圧力とほぼ同じ測定値を示す煙道蒸発器出口温度及び出口圧力によって示すと、例えば、煙道蒸発器出口温度が180℃、150℃、120℃の場合、対応する煙道蒸発器出口圧力がそれぞれ、1.0MPa、0.392MPa、0.098MPaである。すなわち、温度に対応する圧力を保持していれば、キャビテーションは発生しない。
また、発電ユニット1を制御する制御装置(図示せず)は、コールドクリーンアップ工程を行うか否かの判断を、例えば、煙道蒸発器出口圧力が0.98MPa未満の場合、又は煙道蒸発器出口温度が150℃未満の場合に、コールドクリーンアップ工程を行うと判断する。
また、発電ユニット1を制御する制御装置(図示せず)は、コールドクリーンアップ工程を行うか否かの判断を、例えば、煙道蒸発器出口圧力が0.98MPa未満の場合、又は煙道蒸発器出口温度が150℃未満の場合に、コールドクリーンアップ工程を行うと判断する。
キャビテーション防止制御装置10は、温度測定手段としての温度測定部11と、MBFP起動手段としてのMBFP起動部13と、SFWB弁調節手段としてのSFWB弁調節部14と、判断手段としての判断部15と、制御手段としての制御部16とを備え、発電ユニット1が停止状態から起動する際に、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)によってボイラにクリーンアップ用の水を供給するコールドクリーンアップ工程においてボイラ循環ポンプ(BCP103)のキャビテーションを防止する。以下、各部ごとに詳述する。
温度測定部11は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度を測定する。具体的には、温度測定部11は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口付近に設置された温度センサ301が検出した温度データを受信する。なお、温度測定部11は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口の温度を測定するのではなく、例えば、煙道蒸発器104の出口温度を測定してもよい。煙道蒸発器104の出口温度は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度と略同じであり、既存の出口温度センサ311,312から得られる。
MBFP起動部13は、ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動する。ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)は、ボイラへの給水の圧力を昇圧させる。具体的には、MBFP起動部13は、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動するための信号を送信する。
SFWB弁調節部14は、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の出口配管に設けられ、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を調整するSFWB弁202の開度を調節する。
SFWB弁202は、FWB弁201に並列して設けられている。
FWB弁201(流量制御弁)は、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の出口配管に設けられ、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の流量を制御するためのバルブである。さらに、FWB弁201に並列して設けられたSFWB弁202により、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の流量を精度よく調節することによって、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御することができる。
SFWB弁202は、FWB弁201に並列して設けられている。
FWB弁201(流量制御弁)は、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の出口配管に設けられ、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の流量を制御するためのバルブである。さらに、FWB弁201に並列して設けられたSFWB弁202により、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の流量を精度よく調節することによって、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御することができる。
判断部15は、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)によってクリーンアップ用の水が供給されている状態で、温度測定部11によって測定されたボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する。具体的には、判断部15は、発電ユニット1の運用工程がコールドクリーンアップ工程である場合に、温度測定部11が受信した温度データが所定の温度、例えば、150℃以上であるか否かを判断する。なお、所定の温度は、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)の性能によって、変化する。例えば、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)の最大圧力が1MPaの場合に、150℃である。
制御部16は、判断部15によって、所定の温度以上であると判断された場合に、MBFP起動部13によってボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動すると共に、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節し、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御する。具体的には、制御部16は、判断部15によって、所定の温度、例えば、150℃以上であると判断された場合に、MBFP起動部13によってボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動すると共に、SFWB弁調節部14によって弁調節用データを送信してSFWB弁202の開度を調節し、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御する。弁調節用データは、測定された温度に対応付けられて定められているとしてもよい。例えば、後述の図3のハードディスク1074に、温度に対応付けた弁調節用データが予め記憶され、制御部16は、MBFP起動部13によってボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動すると共に、測定した温度に対応付けられた弁調節用データをSFWB弁調節部14によって送信してSFWB弁202の開度を調節し、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御する。
さらに、キャビテーション防止制御装置10は、圧力測定手段としての圧力測定部12を備えると、ボイラ循環ポンプのキャビテーション領域をさらに効率よく脱するように制御することができる。以下、キャビテーション防止制御装置10が圧力測定部12を備える場合の制御部16について詳述する。
圧力測定部12は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を測定する。具体的には、圧力測定部12は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口付近に設置された圧力センサ302が検出した圧力データを受信する。なお、圧力測定部12は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口の圧力を測定するのではなく、例えば、煙道蒸発器104の出口圧力を測定してもよい。煙道蒸発器104の出口圧力は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力と略同じであり、既存の出口圧力センサ313,314から得られる。
制御部16は、圧力測定部12によって測定されたボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力が所定の圧力になるように、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節する。具体的には、制御部16は、所定の圧力(例えば、1MPa)と、測定された圧力との差に応じた弁調節用データを算出し、算出した弁調節用データをSFWB弁調節部14に送信し、SFWB弁202の開度を調節し、調節した後に測定された圧力をフィードバックする制御、例えば、PID制御を行う。
図3は、本発明の一実施形態に係るキャビテーション防止制御装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、キャビテーション防止制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)2011、メモリ2012、操作部2013、表示部2014、I/Oコントローラ1070、通信I/F1040及び機器I/F2016がバスライン2050により接続されて構成されている。
CPU2011は、キャビテーション防止制御装置10を統括的に制御する部分であり、メモリ2012に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。メモリ2012は、適宜読み出して実行されるプログラムを記憶し、プログラムの実行によって作成される種々の情報を記憶する。
操作部2013は、各種設定や入力操作を行う操作ボタン群、決定操作ボタン等を備えており、操作部2013による入力情報はCPU2011の制御下で処理される。すなわち、ユーザは、操作部2013を介して、必要な各種の設定操作、又は指定操作等が可能である。表示部2014は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)によって構成され、各種情報を表示する。
I/Oコントローラ1070には、ハードディスク1074等の記憶手段を接続することができる。ハードディスク1074は、キャビテーション防止制御装置10が本発明の機能を実行するためのプログラムを記憶している。さらに、ハードディスク1074は、弁調節用データや、所定の温度と所定の圧力との対応表等を記憶している。
通信I/F1040は、キャビテーション防止制御装置10を専用ネットワーク又は公共ネットワークを介して他のサーバ等と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。
機器I/F2016は、キャビテーション防止制御装置10と、温度センサ301、圧力センサ302及びSFWB弁202等とを接続し、温度データや圧力データを受信し、弁調節用データを送信できるようにするためのインターフェースである。
図4は、本発明の一実施形態に係るキャビテーション防止制御装置10に制御が移る一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、発電ユニット1を制御する制御装置(図示せず)を含むコンピュータシステムにおいて、制御装置がキャビテーション防止制御装置10に処理を移すか否かを判断する処理を示している。
ステップS11において、制御装置は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力が所定の圧力(例えば、0.98MPa)未満か否かを判断する。この判断がYESの場合、制御装置は、処理をステップS13に処理を移し、NOの場合、制御装置は、処理をステップS12に移す。
ステップS12において、制御装置は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度が所定の温度(例えば、150℃)未満か否かを判断する。この判断がYESの場合、制御装置は、処理をステップS13に処理を移し、NOの場合、制御装置は、キャビテーション防止制御装置10にかかわる処理から出て、フローチャートに表していない処理に移る。
ステップS13において、制御装置は、キャビテーション防止制御装置10に処理を移す。
図5は、本発明の一実施形態に係るキャビテーション防止制御装置10のコールドクリーンアップ処理を示すフローチャートである。
ステップS101において、CPU2011は、コールドクリーンアップ工程を行うために、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)を起動する。その後、CPU2011は、処理をステップS102に移す。
ステップS102において、CPU2011は、給水系統のクリーンアップを行う。例えば、CPU2011は、クリーンアップ用の水の濁度を測定し、所定の濁度以下になるまで給水系統のクリーンアップを行う。その後、CPU2011は、処理をステップS103に移す。
ステップS103において、CPU2011は、系統構成をし、ボイラの水張りを行う。より具体的には、CPU2011は、各弁を閉じて、起動用セパレータ321等により、図2において太線401によって示される系統構成をする。次に、CPU2011は、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)によって、ボイラの水張りを行う。その後、CPU2011は、処理をステップS104に移す。
ステップS104において、CPU2011は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)を起動する。その後、CPU2011は、処理をステップS105に移す。
ステップS105において、CPU2011は、温度測定部11によって測定された温度が所定の温度以上か否かを判断する。より具体的には、CPU2011は、温度センサ301から受信した温度データが所定の温度(例えば、150℃)以上か否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU2011は、処理をステップS106に移し、NOの場合、CPU2011は、処理をステップS108に移す。
ステップS106において、CPU2011は、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動する。より具体的には、CPU2011は、MBFP起動部13に指令してボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動する。その後、CPU2011は、処理をステップS107に移す。
ステップS107において、CPU2011は、SFWB弁202を調節する。より具体的には、CPU2011は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力が所定の圧力(例えば、1MPa)になるように、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節する。より具体的には、制御部16は、所定の圧力(例えば、1MPa)と、圧力センサ302から受信した圧力データとの差に応じた弁調節用データを算出し、算出した弁調節用データをSFWB弁調節部14によって送信し、SFWB弁202の開度を調節し、調節した後に圧力センサ302から受信した圧力データに基づいて、圧力の変化を算入した弁調節用データを算出するPID制御を行う。その後、CPU2011は、処理をステップS108に移す。
ステップS108において、CPU2011は、コールドクリーンアップ工程が終了か否かを判断する。より具体的には、CPU2011は、所定の箇所(例えば、煙道蒸発器104の出口)での水質を測定し、所定の管理基準(例えば、電気伝導率や、溶存酸素量等の値が基準値であること)を満たすか否かを判断する。この判断がYESの場合、CPU2011は、処理を終了し、NOの場合、CPU2011は、処理をステップS105に移す。
本実施形態によれば、キャビテーション防止制御装置10は、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度を測定する温度センサ301と、ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動するMBFP起動部13と、ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)の出口配管に設けられ、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を調整するSFWB弁202の開度を調節するSFWB弁調節部14とを備える。そして、キャビテーション防止制御装置10は、M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP102)によってクリーンアップ用の水が供給されている状態で、温度センサ301によって測定されたボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断し、所定の温度以上であると判断した場合に、MBFP起動部13によってボイラ電動給水ポンプ(M−BFP101)を起動すると共に、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節し、ボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力を制御する。さらに、キャビテーション防止制御装置10は、ボイラ循環ポンプ(BCP)の入口圧力を測定する圧力センサ302を備え、圧力センサ302によって測定されたボイラ循環ポンプ(BCP103)の入口圧力が所定の圧力になるように、SFWB弁調節部14によってSFWB弁202の開度を調節する。したがって、キャビテーション防止制御装置10は、発電ユニット1のコールドクリーンアップ工程において、ボイラ循環ポンプ(BCP103)のキャビテーション領域を効率よく脱するように制御することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 発電ユニット
10 キャビテーション防止制御装置
11 温度測定部
12 圧力測定部
13 MBFP起動部
14 SFWB弁調節部
15 判断部
16 制御部
101 ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP)
102 M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP)
103 ボイラ循環ポンプ(BCP)
104 煙道蒸発器
201 FWB弁
202 SFWB弁
301 温度センサ
302 圧力センサ
10 キャビテーション防止制御装置
11 温度測定部
12 圧力測定部
13 MBFP起動部
14 SFWB弁調節部
15 判断部
16 制御部
101 ボイラ電動給水ポンプ(M−BFP)
102 M−BFPブースタポンプ(M−BFP−BP)
103 ボイラ循環ポンプ(BCP)
104 煙道蒸発器
201 FWB弁
202 SFWB弁
301 温度センサ
302 圧力センサ
Claims (3)
- 発電ユニットが停止状態から起動する際に、電動給水ポンプ用昇圧ポンプによってボイラにクリーンアップ用の水を供給するコールドクリーンアップ工程においてボイラ循環ポンプのキャビテーションを防止するキャビテーション防止制御装置であって、
前記ボイラ循環ポンプの入口温度を測定する温度測定手段と、
前記ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプを起動するMBFP起動手段と、
前記ボイラ電動給水ポンプの出口配管に設けられ、前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を調整するSFWB弁の開度を調節するSFWB弁調節手段と、
前記電動給水ポンプ用昇圧ポンプによって前記クリーンアップ用の水が供給されている状態で、前記温度測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって、所定の温度以上であると判断された場合に、前記MBFP起動手段によって前記ボイラ電動給水ポンプを起動すると共に、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する制御手段と、
を備えるキャビテーション防止制御装置。 - 前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を測定する圧力測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記圧力測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口圧力が所定の圧力になるように、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する請求項1に記載のキャビテーション防止制御装置。 - 発電ユニットが停止状態から起動する際に、電動給水ポンプ用昇圧ポンプによってボイラにクリーンアップ用の水を供給するコールドクリーンアップ工程においてボイラ循環ポンプのキャビテーションを防止するキャビテーション防止制御装置が実行する方法であって、
前記キャビテーション防止制御装置は、
前記ボイラ循環ポンプの入口温度を測定する温度測定手段と、
前記ボイラの圧力を昇圧させるボイラ電動給水ポンプを起動するMBFP起動手段と、
前記ボイラ電動給水ポンプの出口配管に設けられ、前記ボイラ循環ポンプの入口圧力を調整するSFWB弁の開度を調節するSFWB弁調節手段と、を備え、
前記方法は、
前記電動給水ポンプ用昇圧ポンプによって前記クリーンアップ用の水が供給されている状態で、前記温度測定手段によって測定された前記ボイラ循環ポンプの入口温度が所定の温度以上であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって、所定の温度以上であると判断された場合に、前記MBFP起動手段によって前記ボイラ電動給水ポンプを起動すると共に、前記SFWB弁調節手段によって前記SFWB弁の開度を調節する制御ステップと、
を備える方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011013498A JP2012154553A (ja) | 2011-01-25 | 2011-01-25 | ボイラ循環ポンプのキャビテーション防止制御装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011013498A JP2012154553A (ja) | 2011-01-25 | 2011-01-25 | ボイラ循環ポンプのキャビテーション防止制御装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012154553A true JP2012154553A (ja) | 2012-08-16 |
Family
ID=46836466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011013498A Pending JP2012154553A (ja) | 2011-01-25 | 2011-01-25 | ボイラ循環ポンプのキャビテーション防止制御装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012154553A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104633458A (zh) * | 2015-02-14 | 2015-05-20 | 西安热工研究院有限公司 | 一种火电站水泵实时在线汽蚀监测预警系统及方法 |
-
2011
- 2011-01-25 JP JP2011013498A patent/JP2012154553A/ja active Pending
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CN104633458A (zh) * | 2015-02-14 | 2015-05-20 | 西安热工研究院有限公司 | 一种火电站水泵实时在线汽蚀监测预警系统及方法 |
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