JP2012154498A - 熱交換器および空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィン同士がロウ材を介して接触するのを防止すること。フィン間の通風抵抗の増大による熱交換効率が低下するのを防止する。
【解決手段】複数の扁平管33は、切欠き部を有するフィン36の管挿入部46に差し込まれロウ付けによって接合されている。管挿入部46の縁部46a,46bは、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている。扁平管の切欠き部への差込方向における端部が、円弧面となっており、切欠き部の縁部は、直線状縁部と、円弧状縁部とを有している。
【選択図】図7
【解決手段】複数の扁平管33は、切欠き部を有するフィン36の管挿入部46に差し込まれロウ付けによって接合されている。管挿入部46の縁部46a,46bは、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている。扁平管の切欠き部への差込方向における端部が、円弧面となっており、切欠き部の縁部は、直線状縁部と、円弧状縁部とを有している。
【選択図】図7
Description
本発明は、扁平管とフィンとを備え、扁平管内を流れる流体を空気と熱交換させる熱交換器およびそれを備えた空気調和機に関する。
従来より、扁平管とフィンとを備えた熱交換器が知られている。例えば、特許文献1に記載された熱交換器は、左右方向に延びる複数の扁平管が互いに所定の間隔をおいて上下に並べられ、板状のフィンが互いに所定の間隔をおいて扁平管の伸長方向に並べられて構成されている。扁平管は、フィンに差し込まれロウ付けによって接合されている。そして、この熱交換器では、フィン間を流れる空気が扁平管内を流れる流体と熱交換する。
ところで、上述したような従来の熱交換器の場合、フィン同士の間隔が非常に狭いため、ロウ付けによる接合時において、フィン同士の間にロウ材が流れ込んでフィン同士がロウ材を介して接触しやすくなるという問題があった。特に、予め表面にロウ材が被覆されたフィンを用いた熱交換器においては、扁平管とフィンとは確実且つ容易に密着するものの、ロウ材がフィン同士の間に流れ込みやすくなり、上述したフィン同士の接触が顕著となる。このように、フィン同士がロウ材を介して接触すると、フィン間の通風抵抗が増大して、熱交換効率が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、扁平管とフィンとをロウ付けによって接合する際、フィン同士がロウ材を介して接触する状態を回避することにある。
第1の発明は、側面(33a)が対向するように上下に配列された複数の扁平管(33)と、該扁平管(33)の配列方向に延びる板状に形成され、上記各扁平管(33)が直交方向に差し込まれロウ付けによって接合される切欠き部(45)を有する複数のフィン(36)とを備えた熱交換器を前提としている。そして、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)は、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられているものである。
上記第1の発明では、例えば図6に示すように、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)が略ハの字状に形成される。そうすると、扁平管(33)が切欠き部(45)に差し込まれた状態において、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に、略Vの字状の溝(60)が形成される(図7参照)。つまり、この溝(60)は底部にいくに従って狭くなっている。扁平管(33)と切欠き部(45)とのロウ付けを行うと、扁平管(33)が切欠き部(45)の縁部(46a,46b)と接合される。また、溶融したロウ材は毛細管現象によって上記溝(60)へ積極的に流れ込む。これにより、扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)との接合部において十分な量のロウ材が確保され、確実に扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)とが接合される。そして、ロウ材が積極的に上記溝(60)へ流れ込むため、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量が抑制される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周が、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられているものである。
上記第2の発明では、切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)が形成される。そのため、ロウ付けによる接合時に、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量が多くなる。これにより、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量が一層抑制される。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記扁平管(33)の上記切欠き部(45)への差込方向における端部が、上記側面(33a)に連続し且つ外方へ突出する円弧面(33b)となっている。そして、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部は、上記扁平管(33)の側面(33a)に対応した直線状縁部(46a)と、該直線状縁部(46a)に連続し上記扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した円弧状縁部(46b)とを有している。
上記第3の発明では、切欠き部(45)の縁部が、扁平管(33)の形状、特に扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した形状となっているので、扁平管(33)と切欠き部(45)との接触面積を多く稼ぐことができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記直線状縁部(46a)の折り曲げ高さが、上記円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きい。
上記第4の発明では、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)において、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さが円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きい(高い)ので、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工の際に円弧状縁部(46b)が破断しにくくなる。
第5の発明は、空気調和機(10)を対象とし、上記第1乃至第4の何れか1つの発明の熱交換器(30)が設けられた冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行うものである。
上記第5の発明では、上記第1乃至第4の何れか1つの発明の熱交換器(30)が冷媒回路(20)に接続される。熱交換器(30)において、冷媒回路(20)を循環する冷媒は、扁平管(33)の内部を流れ、扁平管(33)の周囲を流れる空気と熱交換する。
以上説明したように、本発明によれば、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)を縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できると共に、その分フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を抑制することができる。これにより、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができると共に、フィン(36)同士がロウ材を介して接触する状態を回避することができる。よって、フィン(36)間における通風抵抗の増大を防止することができ、その結果、熱交換器(30)の熱交換効率が低下するのを防止することができる。
特に、第2の発明では、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全体を縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)を形成することができる。そのため、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量を増加させることができ、それによって、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を一層抑制することができる。
また、第3の発明によれば、切欠き部(45)の縁部(46a,46b)の形状を、扁平管(33)の形状に対応させるようにしているので、扁平管(33)と切欠き部(45)との接触面積を多く稼ぐことができる。そのため、扁平管(33)とフィン(36)との間の熱伝達量を十分に稼ぐことができる。
また、第4の発明によれば、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さを円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きくするようにしたので、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工時において円弧状縁部(46b)が破断するのを防止することができる。よって、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を適切且つ確実に形成することができる。そのため、ロウ付けによる接合時において、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を確実に抑制することができる。
そして、第5の発明によれば、熱交換効率が高く、成績係数(COP)の高い空気調和機(10)を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の熱交換器(30)は、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。そこで、本実施形態の熱交換器(30)を備えた空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して接続されている。そして、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)と液側連絡配管(13)とガス側連絡配管(14)とによって冷媒回路(20)が形成されている。
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して接続されている。そして、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)と液側連絡配管(13)とガス側連絡配管(14)とによって冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とを備えている。上記圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)および膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給する室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給する室内ファン(16)が設けられている。
圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)において、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)は、本実施形態の熱交換器(30)によって構成されている。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン(36)型のフィン(36)・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈冷房運転〉
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において冷却された空気を室内へ供給する。
〈暖房運転〉
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において加熱された空気を室内へ供給する。
〈除霜動作〉
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば暖房運転の継続時間が所定値(たとえは数十分)に達する行う毎に、除霜動作を行う。
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば暖房運転の継続時間が所定値(たとえは数十分)に達する行う毎に、除霜動作を行う。
除霜動作を開始する際には、四方切換弁(22)が第2状態から第1状態へ切り換わり、室外ファン(15)および室内ファン(16)が停止する。除霜動作中の冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された高温の冷媒が室外熱交換器(23)へ供給される。室外熱交換器(23)では、その表面に付着した霜が冷媒によって暖められて融解する。室外熱交換器(23)において放熱した冷媒は、膨張弁(24)と室内熱交換器(25)を順に通過し、その後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。除霜動作が終了すると、暖房運転が再開される。つまり、四方切換弁(22)が第1状態から第2状態へ切り換わり、室外ファン(15)および室内ファン(16)の運転が再開される。
〈熱交換器の構成〉
空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図2〜7を参照しながら説明する。
空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図2〜7を参照しながら説明する。
熱交換器(30)は、図2および図3に示すように、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)およびフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)および第2ヘッダ集合管(32)は、共に縦長の円筒状に形成され、一方が熱交換器(30)の左端に、他方が熱交換器(30)の右端にそれぞれ配置されている。一方、扁平管(33)は、図4に示すように、扁平な断面形状の伝熱管であって、平坦な側面(33a)と、該側面(33a)に連続し且つ外方へ突出する円弧面(33b)とを有している。各扁平管(33)は後述する切欠き部(45)の管挿入部(46)へ差し込まれる。扁平管(33)の円弧面(33b)は、扁平管(33)の切欠き部(45)への差込方向における端部に相当する。各扁平管(33)は、それぞれの平坦な側面(33a)が対向する状態で上下に並んで配置されている。各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。上下に並んだ各扁平管(33)は、一端部が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、他端部が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
フィン(36)は、扁平管(33)の配列方向に延びる板状フィンであって、扁平管(33)の伸長方向に互いに一定の間隔をおいて配置されている。つまり、フィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向と実質的に直交するように配置されている。
図4に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(38)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向に一定の間隔で形成されている。切欠き部(45)の風下寄りの部分は、扁平管(33)が差し込まれる管挿入部(46)を構成している。扁平管(33)は、管挿入部(46)に差し込まれ、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)とロウ付けによって接合される。具体的に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、扁平管(33)の側面(33a)に対応した直線状縁部(46a)と、該直線状縁部(46a)に連続し扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した円弧状縁部(46b)とで構成されている。つまり、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、扁平管(33)と接合される部分であり、その形状が扁平管(33)の形状に対応している。管挿入部(46)は、上下方向の幅(即ち、直線状縁部(46a)同士の間隔)が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。
そして、図6に示すように、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周、即ち直線状縁部(46a)および円弧状縁部(46b)は、その縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている。具体的に、一つの管挿入部(46)において、対向する直線状縁部(46a)が略ハの字状に折り曲げられている。また、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さHが、円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さH(図示せず)よりも大きく(高く)なるように形成されている。
フィン(36)では、隣り合う切欠き部(45)の間の部分が伝熱部(37)を構成し、管挿入部(46)の風下側の部分が風下側板部(47)を構成している。つまり、フィン(36)には、扁平管(33)を挟んで上下に隣り合う複数の伝熱部(37)と、各伝熱部(37)の風下側の端部に連続する一つの風下側板部(47)とが設けられている。
図5に示すように、フィン(36)の伝熱部(37)および風下側板部(47)には、複数のルーバー(50)が形成されている。図6にも示すように、各ルーバー(50)は、伝熱部(37)および風下側板部(47)を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50)は、伝熱部(37)および風下側板部(47)に複数のスリット状の切り込みを入れ、隣り合う切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
各ルーバー(50)の長手方向は、伝熱部(37)の前縁(38)と実質的に平行となっている。つまり、各ルーバー(50)の長手方向は、上下方向となっている。伝熱部(37)では、上下方向に延びる複数のルーバー(50)が、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
フィン(36)の風下側板部(47)には、導水用リブ(71)が形成されている。導水用リブ(71)は、風下側板部(47)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝であって、風下側板部(47)の上端から下端に亘って形成されている。
また、フィン(36)には、隣のフィン(36)との間隔を保持するためのタブ(48)が形成されている。図5(B)に示すように、タブ(48)は、フィン(36)を切り起こすことによって形成された矩形の小片である。タブ(48)は、その突端が隣のフィン(36)に当接することによって、フィン(36)同士の間隔を保持する。
〈扁平管とフィンの接合〉
扁平管(33)とフィン(36)の管挿入部(46)とのロウ付けによる接合について説明する。
扁平管(33)とフィン(36)の管挿入部(46)とのロウ付けによる接合について説明する。
図7に示すように、扁平管(33)がフィン(36)の管挿入部(46)に差し込まれた状態では、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に、略Vの字状の溝(60)が形成される。この状態で、扁平管(33)と管挿入部(46)とのロウ付けが行われ、扁平管(33)が管挿入部(46)の縁部(46a,46b)と接合される。その際、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に上記溝(60)が形成されているため、溶融したロウ材は毛細管現象によって上記溝(60)へ積極的に流れ込む。これにより、扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)との接合部において十分な量のロウ材が確保される。そのため、扁平管(33)がフィン(36)と確実に接合される。特に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って上記溝(60)が形成されるため、扁平管(33)のほぼ全周とフィン(36)とが確実に密着する。また、縁部(46a,46b)の縁端部分では加工上の公差やばらつきにより、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間には若干の隙間(例えば100分の数ミリ程度の隙間)ができている。そのため、上記溝(60)へ流れ込んだロウ材は毛細管現象によって上記隙間の部分へ積極的に流れ込む。その結果、扁平管(33)がフィン(36)とより確実に接合される。
また、上述したように溶融したロウ材が上記溝(60)へ積極的に流れ込むことから、その分溶融したロウ材はフィン(36)同士の間に流れ込みにくくなる。つまり、フィン(36)同士の間に流れ込もうとするロウ材の量が抑制される。特に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って上記溝(60)が形成されるため、その溝(60)へ流れ込むロウ材の量を十分に稼ぐことができ、その分フィン(36)同士の間に流れ込もうとするロウ材の量が一層抑制される。これにより、フィン(36)同士がロウ材を介して接触する状態を回避できる。
また、本実施形態では、扁平管(33)がフィン(36)の管挿入部(46)に差し込まれる前の状態において、管挿入部(46)の上下方向の幅(即ち、直線状縁部(46a)同士の間隔)が、扁平管(33)の厚さよりも狭くなっている。つまり、扁平管(33)が管挿入部(46)に差し込まれる前では、図6に示す寸法L1が図7に示す寸法L2よりも小さい。そのため、扁平管(33)が管挿入部(46)に差し込まれた状態において、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)をその弾性力によって扁平管(33)に確実に密着させることができる。これにより、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができるので、扁平管(33)とフィン(36)の間の熱伝達量を十分に確保することができる。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)、即ち管挿入部(46)の縁部(46a,46b)を、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できるので、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)、即ち管挿入部(46)の縁部(46a,46b)を、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できるので、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができる。
また、ロウ材を上記溝(60)へ積極的に流動させることができることから、その分フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を抑制することができる。これにより、フィン(36)同士がロウ材を介して接触してしまう状態を回避することができる。よって、フィン(36)間における通風抵抗の増大を防止することができ、その結果、熱交換器(30)の熱交換効率が低下するのを防止することができる。
特に、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周を縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)を形成することができる。そのため、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量を増加させることができ、それによって、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を一層抑制することができる。
また、本実施形態のフィン(36)のように、隣のフィン(36)に当接してフィン(36)同士の間隔を保持するタブ(48)が形成されているものでは、そのタブ(48)へロウ材が流れてフィン(36)同士がロウ材を介して接触しやすくなる。ところが、本実施形態では、上述したようにロウ材が上記溝(60)へ積極的に流れ込むため、フィン(36)同士の接触を確実に回避することができる。
また、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の形状を、扁平管(33)の形状に対応させるようにしているので、扁平管(33)と管挿入部(46)との接触面積を多く稼ぐことができる。そのため、扁平管(33)とフィン(36)の間の熱伝達量を十分に稼ぐことができる。
また、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)において直線状縁部(46a)の折り曲げ高さHが円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さHよりも大きく(高く)なるように形成している。そのため、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工の際、円弧状縁部(46b)が破断しにくくなる。これにより、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を適切且つ確実に形成することができる。よって、ロウ付けによる接合時において、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って折り曲げるようにしたが、一部を折り曲げるようにしてもよい。
また、本実施形態では、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に形成される溝(60)がその底部にいくほど狭くなるものであれば、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の折り曲げ方は如何なるものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、扁平管とフィンとを備えた熱交換器およびそれを備えた空気調和機について有用である。
10 空気調和機
20 冷媒回路
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
45 切欠き部
20 冷媒回路
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
45 切欠き部
本発明は、扁平管とフィンとを備え、扁平管内を流れる流体を空気と熱交換させる熱交換器およびそれを備えた空気調和機に関する。
従来より、扁平管とフィンとを備えた熱交換器が知られている。例えば、特許文献1に記載された熱交換器は、左右方向に延びる複数の扁平管が互いに所定の間隔をおいて上下に並べられ、板状のフィンが互いに所定の間隔をおいて扁平管の伸長方向に並べられて構成されている。扁平管は、フィンに差し込まれロウ付けによって接合されている。そして、この熱交換器では、フィン間を流れる空気が扁平管内を流れる流体と熱交換する。
ところで、上述したような従来の熱交換器の場合、フィン同士の間隔が非常に狭いため、ロウ付けによる接合時において、フィン同士の間にロウ材が流れ込んでフィン同士がロウ材を介して接触しやすくなるという問題があった。特に、予め表面にロウ材が被覆されたフィンを用いた熱交換器においては、扁平管とフィンとは確実且つ容易に密着するものの、ロウ材がフィン同士の間に流れ込みやすくなり、上述したフィン同士の接触が顕著となる。このように、フィン同士がロウ材を介して接触すると、フィン間の通風抵抗が増大して、熱交換効率が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、扁平管とフィンとをロウ付けによって接合する際、フィン同士がロウ材を介して接触する状態を回避することにある。
第1の発明は、側面(33a)が対向するように上下に配列された複数の扁平管(33)と、該扁平管(33)の配列方向に延びる板状に形成され、上記各扁平管(33)が直交方向に差し込まれロウ付けによって接合される切欠き部(45)を有する複数のフィン(36)とを備えた熱交換器を前提としている。そして、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)は、上記扁平管(33)が上記切欠き部(45)に差し込まれた状態で上記縁部(46a,46b)と上記扁平管(33)との間に略Vの字状の溝(60)が形成されるように、折り曲げられているものである。
上記第1の発明では、例えば図6に示すように、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)が略ハの字状に形成される。そうすると、扁平管(33)が切欠き部(45)に差し込まれた状態において、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に、略Vの字状の溝(60)が形成される(図7参照)。つまり、この溝(60)は底部にいくに従って狭くなっている。扁平管(33)と切欠き部(45)とのロウ付けを行うと、扁平管(33)が切欠き部(45)の縁部(46a,46b)と接合される。また、溶融したロウ材は毛細管現象によって上記溝(60)へ積極的に流れ込む。これにより、扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)との接合部において十分な量のロウ材が確保され、確実に扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)とが接合される。そして、ロウ材が積極的に上記溝(60)へ流れ込むため、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量が抑制される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周が、上記扁平管(33)が上記切欠き部(45)に差し込まれた状態で上記縁部(46a,46b)と上記扁平管(33)との間に略Vの字状の溝(60)が形成されるように、折り曲げられているものである。
上記第2の発明では、切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)が形成される。そのため、ロウ付けによる接合時に、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量が多くなる。これにより、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量が一層抑制される。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記扁平管(33)の上記切欠き部(45)への差込方向における端部が、上記側面(33a)に連続し且つ外方へ突出する円弧面(33b)となっている。そして、上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部は、上記扁平管(33)の側面(33a)に対応した直線状縁部(46a)と、該直線状縁部(46a)に連続し上記扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した円弧状縁部(46b)とを有している。
上記第3の発明では、切欠き部(45)の縁部が、扁平管(33)の形状、特に扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した形状となっているので、扁平管(33)と切欠き部(45)との接触面積を多く稼ぐことができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記直線状縁部(46a)の折り曲げ高さが、上記円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きい。
上記第4の発明では、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)において、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さが円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きい(高い)ので、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工の際に円弧状縁部(46b)が破断しにくくなる。
第5の発明は、空気調和機(10)を対象とし、上記第1乃至第4の何れか1つの発明の熱交換器(30)が設けられた冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行うものである。
上記第5の発明では、上記第1乃至第4の何れか1つの発明の熱交換器(30)が冷媒回路(20)に接続される。熱交換器(30)において、冷媒回路(20)を循環する冷媒は、扁平管(33)の内部を流れ、扁平管(33)の周囲を流れる空気と熱交換する。
以上説明したように、本発明によれば、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できると共に、その分フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を抑制することができる。これにより、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができると共に、フィン(36)同士がロウ材を介して接触する状態を回避することができる。よって、フィン(36)間における通風抵抗の増大を防止することができ、その結果、熱交換器(30)の熱交換効率が低下するのを防止することができる。
特に、第2の発明では、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)を形成することができる。そのため、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量を増加させることができ、それによって、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を一層抑制することができる。
また、第3の発明によれば、切欠き部(45)の縁部(46a,46b)の形状を、扁平管(33)の形状に対応させるようにしているので、扁平管(33)と切欠き部(45)との接触面積を多く稼ぐことができる。そのため、扁平管(33)とフィン(36)との間の熱伝達量を十分に稼ぐことができる。
また、第4の発明によれば、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さを円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きくするようにしたので、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工時において円弧状縁部(46b)が破断するのを防止することができる。よって、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を適切且つ確実に形成することができる。そのため、ロウ付けによる接合時において、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を確実に抑制することができる。
そして、第5の発明によれば、熱交換効率が高く、成績係数(COP)の高い空気調和機(10)を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の熱交換器(30)は、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。そこで、本実施形態の熱交換器(30)を備えた空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して接続されている。そして、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)と液側連絡配管(13)とガス側連絡配管(14)とによって冷媒回路(20)が形成されている。
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して接続されている。そして、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)と液側連絡配管(13)とガス側連絡配管(14)とによって冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とを備えている。上記圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)および膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給する室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給する室内ファン(16)が設けられている。
圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)において、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)は、本実施形態の熱交換器(30)によって構成されている。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン(36)型のフィン(36)・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈冷房運転〉
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において冷却された空気を室内へ供給する。
〈暖房運転〉
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)および室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において加熱された空気を室内へ供給する。
〈除霜動作〉
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば暖房運転の継続時間が所定値(たとえは数十分)に達する行う毎に、除霜動作を行う。
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば暖房運転の継続時間が所定値(たとえは数十分)に達する行う毎に、除霜動作を行う。
除霜動作を開始する際には、四方切換弁(22)が第2状態から第1状態へ切り換わり、室外ファン(15)および室内ファン(16)が停止する。除霜動作中の冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された高温の冷媒が室外熱交換器(23)へ供給される。室外熱交換器(23)では、その表面に付着した霜が冷媒によって暖められて融解する。室外熱交換器(23)において放熱した冷媒は、膨張弁(24)と室内熱交換器(25)を順に通過し、その後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。除霜動作が終了すると、暖房運転が再開される。つまり、四方切換弁(22)が第1状態から第2状態へ切り換わり、室外ファン(15)および室内ファン(16)の運転が再開される。
〈熱交換器の構成〉
空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図2〜7を参照しながら説明する。
空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図2〜7を参照しながら説明する。
熱交換器(30)は、図2および図3に示すように、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)およびフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)および第2ヘッダ集合管(32)は、共に縦長の円筒状に形成され、一方が熱交換器(30)の左端に、他方が熱交換器(30)の右端にそれぞれ配置されている。一方、扁平管(33)は、図4に示すように、扁平な断面形状の伝熱管であって、平坦な側面(33a)と、該側面(33a)に連続し且つ外方へ突出する円弧面(33b)とを有している。各扁平管(33)は後述する切欠き部(45)の管挿入部(46)へ差し込まれる。扁平管(33)の円弧面(33b)は、扁平管(33)の切欠き部(45)への差込方向における端部に相当する。各扁平管(33)は、それぞれの平坦な側面(33a)が対向する状態で上下に並んで配置されている。各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。上下に並んだ各扁平管(33)は、一端部が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、他端部が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
フィン(36)は、扁平管(33)の配列方向に延びる板状フィンであって、扁平管(33)の伸長方向に互いに一定の間隔をおいて配置されている。つまり、フィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向と実質的に直交するように配置されている。
図4に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(38)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向に一定の間隔で形成されている。切欠き部(45)の風下寄りの部分は、扁平管(33)が差し込まれる管挿入部(46)を構成している。扁平管(33)は、管挿入部(46)に差し込まれ、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)とロウ付けによって接合される。具体的に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、扁平管(33)の側面(33a)に対応した直線状縁部(46a)と、該直線状縁部(46a)に連続し扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した円弧状縁部(46b)とで構成されている。つまり、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、扁平管(33)と接合される部分であり、その形状が扁平管(33)の形状に対応している。管挿入部(46)は、上下方向の幅(即ち、直線状縁部(46a)同士の間隔)が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。
そして、図6に示すように、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周、即ち直線状縁部(46a)および円弧状縁部(46b)は、その縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている。具体的に、一つの管挿入部(46)において、対向する直線状縁部(46a)が略ハの字状に折り曲げられている。また、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)は、直線状縁部(46a)の折り曲げ高さHが、円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さH(図示せず)よりも大きく(高く)なるように形成されている。
フィン(36)では、隣り合う切欠き部(45)の間の部分が伝熱部(37)を構成し、管挿入部(46)の風下側の部分が風下側板部(47)を構成している。つまり、フィン(36)には、扁平管(33)を挟んで上下に隣り合う複数の伝熱部(37)と、各伝熱部(37)の風下側の端部に連続する一つの風下側板部(47)とが設けられている。
図5に示すように、フィン(36)の伝熱部(37)および風下側板部(47)には、複数のルーバー(50)が形成されている。図6にも示すように、各ルーバー(50)は、伝熱部(37)および風下側板部(47)を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50)は、伝熱部(37)および風下側板部(47)に複数のスリット状の切り込みを入れ、隣り合う切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
各ルーバー(50)の長手方向は、伝熱部(37)の前縁(38)と実質的に平行となっている。つまり、各ルーバー(50)の長手方向は、上下方向となっている。伝熱部(37)では、上下方向に延びる複数のルーバー(50)が、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
フィン(36)の風下側板部(47)には、導水用リブ(71)が形成されている。導水用リブ(71)は、風下側板部(47)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝であって、風下側板部(47)の上端から下端に亘って形成されている。
また、フィン(36)には、隣のフィン(36)との間隔を保持するためのタブ(48)が形成されている。図5(B)に示すように、タブ(48)は、フィン(36)を切り起こすことによって形成された矩形の小片である。タブ(48)は、その突端が隣のフィン(36)に当接することによって、フィン(36)同士の間隔を保持する。
〈扁平管とフィンの接合〉
扁平管(33)とフィン(36)の管挿入部(46)とのロウ付けによる接合について説明する。
扁平管(33)とフィン(36)の管挿入部(46)とのロウ付けによる接合について説明する。
図7に示すように、扁平管(33)がフィン(36)の管挿入部(46)に差し込まれた状態では、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に、略Vの字状の溝(60)が形成される。この状態で、扁平管(33)と管挿入部(46)とのロウ付けが行われ、扁平管(33)が管挿入部(46)の縁部(46a,46b)と接合される。その際、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に上記溝(60)が形成されているため、溶融したロウ材は毛細管現象によって上記溝(60)へ積極的に流れ込む。これにより、扁平管(33)と切欠き部(45)の縁部(46a,46b)との接合部において十分な量のロウ材が確保される。そのため、扁平管(33)がフィン(36)と確実に接合される。特に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って上記溝(60)が形成されるため、扁平管(33)のほぼ全周とフィン(36)とが確実に密着する。また、縁部(46a,46b)の縁端部分では加工上の公差やばらつきにより、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間には若干の隙間(例えば100分の数ミリ程度の隙間)ができている。そのため、上記溝(60)へ流れ込んだロウ材は毛細管現象によって上記隙間の部分へ積極的に流れ込む。その結果、扁平管(33)がフィン(36)とより確実に接合される。
また、上述したように溶融したロウ材が上記溝(60)へ積極的に流れ込むことから、その分溶融したロウ材はフィン(36)同士の間に流れ込みにくくなる。つまり、フィン(36)同士の間に流れ込もうとするロウ材の量が抑制される。特に、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って上記溝(60)が形成されるため、その溝(60)へ流れ込むロウ材の量を十分に稼ぐことができ、その分フィン(36)同士の間に流れ込もうとするロウ材の量が一層抑制される。これにより、フィン(36)同士がロウ材を介して接触する状態を回避できる。
また、本実施形態では、扁平管(33)がフィン(36)の管挿入部(46)に差し込まれる前の状態において、管挿入部(46)の上下方向の幅(即ち、直線状縁部(46a)同士の間隔)が、扁平管(33)の厚さよりも狭くなっている。つまり、扁平管(33)が管挿入部(46)に差し込まれる前では、図6に示す寸法L1が図7に示す寸法L2よりも小さい。そのため、扁平管(33)が管挿入部(46)に差し込まれた状態において、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)をその弾性力によって扁平管(33)に確実に密着させることができる。これにより、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができるので、扁平管(33)とフィン(36)の間の熱伝達量を十分に確保することができる。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)、即ち管挿入部(46)の縁部(46a,46b)を、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できるので、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、切欠き部(45)の扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)、即ち管挿入部(46)の縁部(46a,46b)を、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を形成することができる。これにより、ロウ付けによる接合時において、ロウ材を毛細管現象によって上記溝(60)内へ積極的に流動させることができる。そのため、扁平管(33)と切欠き部(45)との接合部において十分な量のロウ材を確保できるので、扁平管(33)とフィン(36)とを確実に接合させることができる。
また、ロウ材を上記溝(60)へ積極的に流動させることができることから、その分フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を抑制することができる。これにより、フィン(36)同士がロウ材を介して接触してしまう状態を回避することができる。よって、フィン(36)間における通風抵抗の増大を防止することができ、その結果、熱交換器(30)の熱交換効率が低下するのを防止することができる。
特に、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周を縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げるため、縁部(46a,46b)の全周に上記溝(60)を形成することができる。そのため、上記溝(60)へ流れ込むロウ材の量を増加させることができ、それによって、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を一層抑制することができる。
また、本実施形態のフィン(36)のように、隣のフィン(36)に当接してフィン(36)同士の間隔を保持するタブ(48)が形成されているものでは、そのタブ(48)へロウ材が流れてフィン(36)同士がロウ材を介して接触しやすくなる。ところが、本実施形態では、上述したようにロウ材が上記溝(60)へ積極的に流れ込むため、フィン(36)同士の接触を確実に回避することができる。
また、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の形状を、扁平管(33)の形状に対応させるようにしているので、扁平管(33)と管挿入部(46)との接触面積を多く稼ぐことができる。そのため、扁平管(33)とフィン(36)の間の熱伝達量を十分に稼ぐことができる。
また、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)において直線状縁部(46a)の折り曲げ高さHが円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さHよりも大きく(高く)なるように形成している。そのため、縁部(46a,46b)の折り曲げ加工の際、円弧状縁部(46b)が破断しにくくなる。これにより、扁平管(33)と縁部(46a,46b)との間に略V字状の溝(60)を適切且つ確実に形成することができる。よって、ロウ付けによる接合時において、フィン(36)同士の間に流れ込むロウ材の量を確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の全周に亘って折り曲げるようにしたが、一部を折り曲げるようにしてもよい。
また、本実施形態では、扁平管(33)と管挿入部(46)の縁部(46a,46b)との間に形成される溝(60)がその底部にいくほど狭くなるものであれば、管挿入部(46)の縁部(46a,46b)の折り曲げ方は如何なるものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、扁平管とフィンとを備えた熱交換器およびそれを備えた空気調和機について有用である。
10 空気調和機
20 冷媒回路
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
45 切欠き部
20 冷媒回路
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
45 切欠き部
Claims (5)
- 側面(33a)が対向するように上下に配列された複数の扁平管(33)と、該扁平管(33)の配列方向に延びる板状に形成され、上記各扁平管(33)が直交方向に差し込まれロウ付けによって接合される切欠き部(45)を有する複数のフィン(36)とを備えた熱交換器であって、
上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)は、縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている
ことを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部(46a,46b)は、全周が縁端にいくに従って内方へ傾斜するように折り曲げられている
ことを特徴とする熱交換器。 - 請求項2において、
上記扁平管(33)は、上記切欠き部(45)への差込方向における端部が、上記側面(33a)に連続し且つ外方へ突出する円弧面(33b)となっており、
上記切欠き部(45)の上記扁平管(33)が接合される縁部は、上記扁平管(33)の側面(33a)に対応した直線状縁部(46a)と、該直線状縁部(46a)に連続し上記扁平管(33)の円弧面(33b)に対応した円弧状縁部(46b)とを有している
ことを特徴とする熱交換器。 - 請求項3において、
上記直線状縁部(46a)の折り曲げ高さは、上記円弧状縁部(46b)の折り曲げ高さよりも大きい
ことを特徴とする熱交換器。 - 請求項1乃至4の何れか一つに記載の熱交換器(30)が設けられた冷媒回路(20)を備え、
上記冷媒回路(20)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う
ことを特徴とする空気調和機。
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