JP2012153657A - 置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物 - Google Patents

置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2012153657A
JP2012153657A JP2011014659A JP2011014659A JP2012153657A JP 2012153657 A JP2012153657 A JP 2012153657A JP 2011014659 A JP2011014659 A JP 2011014659A JP 2011014659 A JP2011014659 A JP 2011014659A JP 2012153657 A JP2012153657 A JP 2012153657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mmol
alkyl
piperidine
dimethyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011014659A
Other languages
English (en)
Inventor
Shojiro Miyazaki
正二郎 宮崎
Yasuyuki Ogawa
泰之 小川
Yuji Nakamura
勇二 中村
Takahiro Nagayama
貴弘 永山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Sankyo Co Ltd filed Critical Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority to JP2011014659A priority Critical patent/JP2012153657A/ja
Publication of JP2012153657A publication Critical patent/JP2012153657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】本発明は、高血圧症等の治療薬として有用な置換ピペリジン化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式(I)
【化1】

[式中、R1:H、置換可アルキル、フェニル、飽和環状炭化水素、ヘテロシクリル等;R2:H、アルキル;R3、R4:H、アルキル;A:フェニル、ピリジル;R5、R6、R7:H、置換可アルキル、置換可ヒドロキシ、置換可メルカプト、置換可アミノ、置換カルボニル、置換スルホニル、CN、NO2、ハロゲノ等]を有する化合物等を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れたレニン阻害活性を有し、医薬[特に、高血圧症の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬]として有用な新規な置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩を含有するレニン阻害剤;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、好適には、高血圧症の治療または予防のための医薬組成物;
疾患(好適には、上記疾患)の治療または予防のための医薬組成物の製造のための置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の使用;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の薬剤的な有効量を温血動物(特に、ヒト)に投与することによる疾患(好適には、上記疾患)の治療または予防のための方法;および、
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の製造方法に関する。
高血圧症は、最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上である症状とWHO/ISHのガイドラインにおいて定義されている。高血圧症の状態が続くと、脳出血、脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、または、心不全などを発症し、最終的には死に至る。高血圧症治療薬の投与によりこれらの疾患が抑制されることは、大規模臨床試験により示されており、現在、高血圧症治療薬の投与、運動、食生活の改善などにより、積極的に血圧を下げるための努力が行なわれているが、さらなる十分な血圧のコントロールが望まれている。
高血圧の主なメカニズムの一つとして、レニン−アンジオテンシン系(以下、R-A系ともいう)の活性化が挙げられる。R-A系は、ナトリウム(塩分)を体内に貯留させて循環血液量を増加させること、または、血管平滑筋を収縮させること、により血圧を上昇させる生体の代表的な昇圧系である。R-A系では、レニンにより、アンジオテンシノーゲンがアンジオテンシンIへ変換され、さらに、アンジオテンシン変換酵素(以下、ACEともいう)により、アンジオテンシンIがアンジオテンシンIIへ変換される。アンジオテンシンIIは、アンジオテンシンタイプ1受容体(以下、AT1ともいう)に作用して、血管収縮、細胞増殖、または、コラーゲン産生を引き起こし、高血圧症、それに引き続いて、臓器障害を引き起こすとされる。現在、アンジオテンシンIIの産生を抑制するACE阻害剤(以下、ACEIともいう)、および、AT1への刺激を抑制するアンジオテンシン受容体拮抗剤(以下、ARBともいう)が、高血圧症治療薬として使用され、これらの薬剤は顕著な血圧降下作用および臓器保護作用を有することが知られている。
レニンは、アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIへ変換するアスパラギン酸プロテアーゼであり、R-A系の律速酵素であるとされる。したがって、レニン阻害剤は、R-A系を効率良く阻害すると考えられ、ACEIおよびARBと同等の血圧降下作用を有すると期待される(Circulation, 2005年, 第111巻, p.1012-1018)。
レニン阻害活性を有する、3及び5位に置換基を有するピペリジン化合物が知られている(例えば、特許文献1乃至25、または、非特許文献1参照)。また、レニン阻害活性を有する、オキソピペラジン部分構造を有する化合物が知られている(例えば、特許文献26乃至29、または、非特許文献1参照)。しかしながら、本発明の化合物は、ピペリジン環の3及び5位の置換基の構造、および、ピペリジン環の特定の位置にオキソピペラジン部分構造を有する点において、上記の公知化合物と構造が大きく異なる。
国際公開第1997/009311号パンフレット 国際公開第2000/064873号パンフレット 国際公開第2004/089903号パンフレット 国際公開第2005/061457号パンフレット 国際公開第2006/005741号パンフレット 国際公開第2006/094763号パンフレット 国際公開第2006/103273号パンフレット 国際公開第2006/103275号パンフレット 国際公開第2006/103277号パンフレット 国際公開第2006/117183号パンフレット 国際公開第2007/006534号パンフレット 国際公開第2007/082907号パンフレット 国際公開第2007/077005号パンフレット 国際公開第2008/017685号パンフレット 国際公開第2008/040764号パンフレット 国際公開第2008/074450号パンフレット 国際公開第2008/093737号パンフレット 国際公開第2008/136457号パンフレット 国際公開第2008/153135号パンフレット 国際公開第2009/000811号パンフレット 国際公開第2009/005002号パンフレット 国際公開第2009/014217号パンフレット 国際公開第2009/051112号パンフレット 国際公開第2009/071606号パンフレット 国際公開第2009/072649号パンフレット 国際公開第2004/089915号パンフレット 国際公開第2006/128659号パンフレット 国際公開第2007/034445号パンフレット 国際公開第2007/148774号パンフレット
Expert Opinion on Therapeutic Patents, 2008年, 第18巻, p.581-602
本発明者等は、優れた高血圧症治療薬の開発のために新規な置換ピペリジン化合物の研究を行い、特定の構造を有する置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩が、レニン阻害活性、溶解性、細胞膜透過性、経口吸収性、血中濃度、代謝安定性、組織移行性、バイオアベイラビリティー(bioavailability;以下BAともいう)、in vitro活性、in vivo活性、薬効発現の早さ、薬効の持続性、物理的安定性、薬物相互作用、安全性(例えば、心毒性または肝毒性)等の点で優れた性質を有し、医薬[特に、高血圧症の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬]として有用であることを見出した。以上の知見に基づき本発明は完成された。
本発明は、優れたレニン阻害活性を有し、医薬[特に、高血圧症の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬]として有用な新規な置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩を含有するレニン阻害剤;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、好適には、高血圧症、急性もしくは慢性心不全、心肥大、心筋梗塞、心筋症、狭心症、脳卒中、腎疾患(例えば、糸球体腎炎、IgA腎症、高血圧症腎症)、糖尿病性合併症(例えば、腎症、神経障害、網膜症、緑内障)、血管形成術後の血管再狭窄、アルドステロン血症、または、アテローム性動脈硬化症の治療または予防、あるいは、心血管疾患もしくは冠状動脈性心疾患に基づくイベント発生もしくは死亡率の減少のための医薬組成物、より好適には、高血圧症、慢性心不全、または、糖尿病性腎症の治療または予防のための医薬組成物、最も好適には、高血圧症の治療または予防のための医薬組成物;
疾患(好適には、上記疾患)治療または予防のための医薬組成物の製造のための置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の使用;
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の薬剤的な有効量を温血動物(特に、ヒト)に投与することによる疾患(好適には、上記疾患)の治療または予防のための方法;および、
置換ピペリジン化合物またはその薬理上許容される塩の製造方法を提供する。
本発明は、一つの側面からは以下を提供する。
(1) 一般式(I)

[式中、R1は、水素原子、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、(C3−C10飽和環状炭化水素)−(C1−C10アルキル)基、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基、フェニル基、インダニル基、C3−C10飽和環状炭化水素基、または、4乃至8員ヘテロシクリル基を示し、R1における各基は、置換基群αから独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の当該置換基が当該炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;
2は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し;
3は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し;
4は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し、R3およびR4は、それらが結合する炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;
Aは、フェニル基、または、ピリジル基を示し、
5、R6、および、R7は、独立して水素原子または置換基群αから選択される基を示し;
置換基群αは、C1−C6アルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルコキシ)基、ハロゲノC1−C6アルコキシ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基(当該アルキル基は、同一または異なる)、ホルミルアミノ基、(C1−C6アルキル)カルボニルアミノ基、ホルミル基、(C1−C6アルキル)カルボニル基、カルボキシ基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基、(C1−C6アルキルアミノ)カルボニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル基(当該アルキル基は、同一または異なる)、アミノスルホニル基、(C1−C6アルキルアミノ)スルホニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノスルホニル基(当該アルキル基は、同一または異なる)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、および、オキソ基からなる群を示す。]
を有する化合物またはその薬理上許容される塩、
(2)R1が、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、(C3−C10飽和環状炭化水素)−(C1−C10アルキル)基、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基、または、C3−C10飽和環状炭化水素基であり、R1における各基は、置換基群α1から独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の当該置換基が当該炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;置換基群α1は、C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基(当該アルキル基は、同一または異なる)、ハロゲノ基、および、オキソ基からなる群である、(1)に記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(3)R1が、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、または、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基であり、R1における各基は、置換基群α2から独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、置換基群α2は、C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、および、ハロゲノ基からなる群である、(1)に記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(4)R2が水素原子である、(1)乃至(3)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(5)R3がC1−C6アルキル基である、(1)乃至(4)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(6)R3がメチル基である、(1)乃至(4)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(7)R4がC1−C6アルキル基である、(1)乃至(6)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(8)R4がメチル基である、(1)乃至(6)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(9)Aがフェニル基である、(1)乃至(8)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(10)R5、R6およびR7が、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基、および、ハロゲノ基から選択される基である、(1)乃至(9)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩、
(11)R5、R6およびR7が、独立して、水素原子、メチル基、フルオロ基、および、クロロ基から選択される基である、(1)乃至(9)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩。
また、本発明は、一つの側面からは以下を提供する。
(12)(1)乃至(11)のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(13)レニンを阻害することにより治療または予防され得る疾患の治療または予防のための(12)に記載された医薬組成物、
(14)高血圧症、急性もしくは慢性心不全、心肥大、心筋梗塞、心筋症、狭心症、脳卒中、腎疾患、糖尿病性合併症、血管形成術後の血管再狭窄、アルドステロン血症、または、アテローム性動脈硬化症の治療または予防のための(12)に記載された医薬組成物、
(15)高血圧症、慢性心不全、または、糖尿病性腎症の治療または予防のための(12)に記載された医薬組成物、
(16)高血圧症の治療または予防のための(12)に記載された医薬組成物、
(17)疾患を治療または予防する方法に使用のための(1)乃至(11)のいずれかに記載された化合物、または、その薬理上許容される塩、
(18)疾患が高血圧症である、(17)に記載された化合物、または、その薬理上許容される塩、
(19)(1)乃至(11)のいずれかに記載された化合物、または、その薬理上許容される塩の薬理学的有効量を温血動物に投与することにより疾患を治療または予防する方法、
(20)疾患がレニンを阻害することにより治療または予防され得る疾患である、(19)に記載された方法、
(21)疾患が高血圧症である、(19)に記載された方法、
(22)温血動物がヒトである、(19)乃至(21)のいずれかに記載された方法。
本発明の一般式(I)において、各基は以下の意味を有する。
「C1−C10アルキル」、および、各基の「C1−C10アルキル」部分は、1乃至10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルであり、例えば、下記C1−C6アルキルにおいて示された基、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、または、1−デシルであり得、好適には、C2−C8アルキルである。
「フェニル−(C1−C10アルキル)」は、フェニルで置換された上記C1−C10アルキルであり、好適には、フェニル−(C1−C6アルキル)である。
「C3−C10飽和環状炭化水素」は、3乃至10個の炭素原子を有する単環性、二環性もしくは三環性の飽和環状炭化水素である。単環性のC3−C10飽和環状炭化水素は、C3−C10シクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、または、シクロデシルであり得、好適には、C3−C8シクロアルキルであり、より好適には、C3−C6シクロアルキルである。二環性もしくは三環性のC3−C10飽和環状炭化水素は、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[3,1,1]ヘプチル(ノルピニル)、ビシクロ[3,2,1]オクチル、ビシクロ[4,2,1]ノニル、ビシクロ[3,3,1]ノニル、デカヒドロナフチル、または、アダマンチルであり得る。
「(C3−C10飽和環状炭化水素)−(C1−C10アルキル)」は、上記C3−C10飽和環状炭化水素で置換された上記C1−C10アルキルであり、好適には、(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルキル)、または、アダマンチル−(C1−C6アルキル)である。
「4乃至8員ヘテロシクリル」は、窒素原子、酸素原子、および、硫黄原子からなる群より選択される1乃至3個の原子を含有する4乃至8員複素環であり、4乃至8員飽和へテロシクリル、および、5乃至6員芳香族へテロシクリルを含む。4乃至8員飽和へテロシクリルは、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ホモピペラジニル、または、ホモモルホリニルであり得、好適には、5乃至7員飽和へテロシクリルである。5乃至6員芳香族へテロシクリルは、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、または、ピラジニルであり得る。
「(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)」は、上記4乃至8員ヘテロシクリルで置換された上記C1−C10アルキルであり、好適には、(5乃至7員飽和へテロシクリル)−(C1−C6アルキル)、または、(5乃至6員芳香族へテロシクリル)−(C1−C6アルキル)である。
「C3−C8シクロアルキル」は、3乃至8個の炭素原子を有する環状アルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、または、シクロオクチルであり得、好適には、C3−C6シクロアルキルである。
「C1−C6アルキル」、および、各基の「C1−C6アルキル」部分は、1乃至6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルであり、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、または、2,3−ジメチル−1−ブチルであり、好適には、C1−C5アルキルである。
「ハロゲノC1−C6アルキル」は、1乃至7個の下記ハロゲノで置換された上記C1−C6アルキルであり、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2−フルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、または、6−フルオロヘキシルであり得る。
「C1−C6アルコキシ」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたヒドロキシ(−OH)であり、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、2−メチル−1−プロポキシ、2−メチル−2−プロポキシ、1−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2−メチル−2−ブトキシ、3−メチル−2−ブトキシ、1−ヘキシルオキシ、2−ヘキシルオキシ、3−ヘキシルオキシ、2−メチル−1−ペンチルオキシ、3−メチル−1−ペンチルオキシ、2−エチル−1−ブトキシ、2,2−ジメチル−1−ブトキシ、または、2,3−ジメチル−1−ブトキシであり得る。
「(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルコキシ)」は、上記C3−C8シクロアルキルで置換された上記C1−C6アルコキシであり、例えば、シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシ、シクロプロピルプロポキシ、シクロプロピルブトキシ、シクロプロピルペンチルオキシ、シクロプロピルヘキシルオキシ、シクロブチルメトキシ、シクロブチルエトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロペンチルエトキシ、シクロヘキシルメトキシ、シクロヘキシルエトキシ、シクロヘプチルメトキシ、または、シクロオクチルメトキシであり得る。
「ハロゲノC1−C6アルコキシ」は、同一または異なる1乃至7個の下記ハロゲノで置換された上記C1−C6アルコキシであり、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジクロロメトキシ、ジブロモメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ヨードエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、3−クロロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、5−フルオロペンチルオキシ、または、6−フルオロヘキシルオキシであり得る。
「C1−C6アルキルチオ」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたメルカプト(−SH)であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、1−プロピルチオ、2−プロピルチオ、1−ブチルチオ、2−ブチルチオ、2−メチル−1−プロピルチオ、2−メチル−2−プロピルチオ、1−ペンチルチオ、2−ペンチルチオ、3−ペンチルチオ、2−メチル−2−ブチルチオ、3−メチル−2−ブチルチオ、1−ヘキシルチオ、2−ヘキシルチオ、3−ヘキシルチオ、2−メチル−1−ペンチルチオ、3−メチル−1−ペンチルチオ、2−エチル−1−ブチルチオ、2,2−ジメチル−1−ブチルチオ、または、2,3−ジメチル−1−ブチルチオであり得る。
「C1−C6アルキルスルフィニル」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたスルフィニル(−SO−)であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、1−プロピルスルフィニル、2−プロピルスルフィニル、1−ブチルスルフィニル、2−ブチルスルフィニル、2−メチル−1−プロピルスルフィニル、2−メチル−2−プロピルスルフィニル、1−ペンチルスルフィニル、2−ペンチルスルフィニル、3−ペンチルスルフィニル、2−メチル−2−ブチルスルフィニル、3−メチル−2−ブチルスルフィニル、1−ヘキシルスルフィニル、2−ヘキシルスルフィニル、3−ヘキシルスルフィニル、2−メチル−1−ペンチルスルフィニル、3−メチル−1−ペンチルスルフィニル、2−エチル−1−ブチルスルフィニル、2,2−ジメチル−1−ブチルスルフィニル、または、2,3−ジメチル−1−ブチルスルフィニルであり得る。
「C1−C6アルキルスルホニル」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたスルホニル(−SO2−)であり、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、1−プロパンスルホニル、2−プロパンスルホニル、1−ブタンスルホニル、2−ブタンスルホニル、2−メチル−1−プロパンスルホニル、2−メチル−2−プロパンスルホニル、1−ペンタンスルホニル、2−ペンタンスルホニル、3−ペンタンスルホニル、2−メチル−2−ブタンスルホニル、3−メチル−2−ブタンスルホニル、1−ヘキサンスルホニル、2−ヘキサンスルホニル、3−ヘキサンスルホニル、2−メチル−1−ペンタンスルホニル、3−メチル−1−ペンタンスルホニル、2−エチル−1−ブタンスルホニル、2,2−ジメチル−1−ブタンスルホニル、または、2,3−ジメチル−1−ブタンスルホニルであり得る。
「C1−C6アルキルアミノ」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたアミノであり、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、1−プロピルアミノ、2−プロピルアミノ、1−ブチルアミノ、2−ブチルアミノ、2−メチル−1−プロピルアミノ、2−メチル−2−プロピルアミノ、1−ペンチルアミノ、2−ペンチルアミノ、3−ペンチルアミノ、1−ヘキシルアミノ、2−ヘキシルアミノ、または、3−ヘキシルアミノであり得る。
「ジ(C1−C6アルキル)アミノ」は、同一または異なる2個の上記C1−C6アルキルで置換されたアミノであり、例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ[例えば、N−メチル−N−(1−プロピル)アミノ等]、メチルブチルアミノ[例えば、N−(1−ブチル)−N−メチルアミノ等]、メチルペンチルアミノ、メチルヘキシルアミノ、ジエチルアミノ、エチルプロピルアミノ[例えば、N−エチル−N−(1−プロピル)アミノ等]、エチルブチルアミノ、ジプロピルアミノ、プロピルブチルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチルアミノ、または、ジヘキシルアミノであり得る。
「(C1−C6アルキル)カルボニルアミノ」は、1個の下記(C1−C6アルキル)カルボニルで置換されたアミノであり、例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、1−プロピルカルボニルアミノ、2−プロピルカルボニルアミノ、1−ブチルカルボニルアミノ、2−ブチルカルボニルアミノ、2−メチル−1−プロピルカルボニルアミノ、2−メチル−2−プロピルカルボニルアミノ、1−ペンチルカルボニルアミノ、2−ペンチルカルボニルアミノ、3−ペンチルカルボニルアミノ、2−メチル−2−ブチルカルボニルアミノ、3−メチル−2−ブチルカルボニルアミノ、1−ヘキシルカルボニルアミノ、2−ヘキシルカルボニルアミノ、3−ヘキシルカルボニルアミノ、2−メチル−1−ペンチルカルボニルアミノ、3−メチル−1−ペンチルカルボニルアミノ、2−エチル−1−ブチルカルボニルアミノ、2,2−ジメチル−1−ブチルカルボニルアミノ、または、2,3−ジメチル−1−ブチルカルボニルアミノであり得る。
「(C1−C6アルキル)カルボニル」は、1個の上記C1−C6アルキルで置換されたカルボニル(−CO−)であり、例えば、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、1−プロピルカルボニル、2−プロピルカルボニル、1−ブチルカルボニル、2−ブチルカルボニル、2−メチル−1−プロピルカルボニル、2−メチル−2−プロピルカルボニル、1−ペンチルカルボニル、2−ペンチルカルボニル、3−ペンチルカルボニル、2−メチル−2−ブチルカルボニル、3−メチル−2−ブチルカルボニル、1−ヘキシルカルボニル、2−ヘキシルカルボニル、3−ヘキシルカルボニル、2−メチル−1−ペンチルカルボニル、3−メチル−1−ペンチルカルボニル、2−エチル−1−ブチルカルボニル、2,2−ジメチル−1−ブチルカルボニル、または、2,3−ジメチル−1−ブチルカルボニルであり得る。
「(C1−C6アルコキシ)カルボニル」は、1個の上記C1−C6アルコキシで置換されたカルボニル(−CO−)であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、1−プロポキシカルボニル、2−プロポキシカルボニル、1−ブトキシカルボニル、2−ブトキシカルボニル、2−メチル−1−プロポキシカルボニル、2−メチル−2−プロポキシカルボニル、1−ペンチルオキシカルボニル、2−ペンチルオキシカルボニル、3−ペンチルオキシカルボニル、2−メチル−2−ブトキシカルボニル、3−メチル−2−ブトキシカルボニル、1−ヘキシルオキシカルボニル、2−ヘキシルオキシカルボニル、3−ヘキシルオキシカルボニル、2−メチル−1−ペンチルオキシカルボニル、3−メチル−1−ペンチルオキシカルボニル、2−エチル−1−ブトキシカルボニル、2,2−ジメチル−1−ブトキシカルボニル、または、2,3−ジメチル−1−ブトキシカルボニルであり得る。
「(C1−C6アルキルアミノ)カルボニル」は、1個の上記C1−C6アルキルアミノで置換されたカルボニル(−CO−)であり、例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、1−プロピルアミノカルボニル、2−プロピルアミノカルボニル、1−ブチルアミノカルボニル、2−ブチルアミノカルボニル、2−メチル−1−プロピルアミノカルボニル、2−メチル−2−プロピルアミノカルボニル、1−ペンチルアミノカルボニル、2−ペンチルアミノカルボニル、3−ペンチルアミノカルボニル、1−ヘキシルアミノカルボニル、2−ヘキシルアミノカルボニル、または、3−ヘキシルアミノカルボニルであり得る。
「ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル」は、1個の上記ジ(C1−C6アルキル)アミノで置換されたカルボニル(−CO−)であり、例えば、ジメチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、メチルプロピルアミノカルボニル[例えば、N−メチル−N−(1−プロピル)アミノカルボニル等]、メチルブチルアミノカルボニル[例えば、N−(1−ブチル)−N−メチルアミノカルボニル等]、メチルペンチルアミノカルボニル、メチルヘキシルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、エチルプロピルアミノカルボニル[例えば、N−エチル−N−(1−プロピル)アミノカルボニル等]、エチルブチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、プロピルブチルアミノカルボニル、ジブチルアミノカルボニル、ジペンチルアミノカルボニル、または、ジヘキシルアミノカルボニルであり得る。
「(C1−C6アルキルアミノ)スルホニル」は、1個の上記C1−C6アルキルアミノで置換されたスルホニル(−SO2−)であり、例えば、(メチルアミノ)スルホニル、(エチルアミノ)スルホニル、(1−プロピルアミノ)スルホニル、(2−プロピルアミノ)スルホニル、(1−ブチルアミノ)スルホニル、(2−ブチルアミノ)スルホニル、(2−メチル−1−プロピルアミノ)スルホニル、(2−メチル−2−プロピルアミノ)スルホニル、(1−ペンチルアミノ)スルホニル、(2−ペンチルアミノ)スルホニル、(3−ペンチルアミノ)スルホニル、(1−ヘキシルアミノ)スルホニル、(2−ヘキシルアミノ)スルホニル、または、(3−ヘキシルアミノ)スルホニルであり得る。
「ジ(C1−C6アルキル)アミノスルホニル」は、1個の上記ジ(C1−C6アルキル)アミノで置換されたスルホニル(−SO2−)であり、例えば、(ジメチルアミノ)スルホニル、(メチルエチルアミノ)スルホニル、(メチルプロピルアミノ)スルホニル[例えば、[N−メチル−N−(1−プロピル)アミノ]スルホニル等]、(メチルブチルアミノ)スルホニル[例えば、[N−(1−ブチル)−N−メチルアミノ]スルホニル等]、(メチルペンチルアミノ)スルホニル、(メチルヘキシルアミノ)スルホニル、(ジエチルアミノ)スルホニル、(エチルプロピルアミノ)スルホニル[例えば、[N−エチル−N−(1−プロピル)アミノ]スルホニル等]、(エチルブチルアミノ)スルホニル、(ジプロピルアミノ)スルホニル、(プロピルブチルアミノ)スルホニル、(ジブチルアミノ)スルホニル、(ジペンチルアミノ)スルホニル、または、(ジヘキシルアミノ)スルホニルであり得る。
「ハロゲノ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、または、ヨードであり得る。
本発明の一般式(I)を有する化合物は、下記式(Ia)から(Id)を有する化合物を包含し、ピペリジン環上の立体配置が(3S,5R)である式(Ia)を有する化合物は、好適である。

本発明の一般式(I)を有する化合物において、実施例に示された化合物は好適である。
本発明の一般式(I)を有する化合物は、酸付加塩を形成することができ、これらの酸付加塩は、本発明に包含される。これらの酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、L−りんご酸、D−りんご酸、L-酒石酸、D-酒石酸、フタル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸塩、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸塩、4−エチルベンゼンスルホン酸塩、または、ナフタレンスルホン酸塩であり得る。本発明の一般式(I)を有する化合物は、任意の割合の酸と酸付加塩を形成することができ、その各々の酸付加塩(例えば、1酸塩、2酸塩、1/2酸塩)、または、それらの混合物は、本発明に包含される。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩は、水和物または溶媒和物を形成することができ、その各々またはそれらの混合物は、本発明に包含される。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩が少なくとも1個の不斉中心、炭素−炭素二重結合、アミジノ基、軸不斉等を有する場合、光学異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)、幾何異性体、互変異性体、および、回転異性体が存在し得、これらの異性体およびそれらの混合物は、式(I)のような単一の式で記載される。本発明は、これらの各異性体および任意の割合のそれらの混合物(ラセミ体を含む)を包含する。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩は、それを構成する1個以上の原子が非天然の比率で同位体原子に置換された同位体化合物を形成することができる。同位体原子は、放射性または非放射性であり得、例えば、重水素(2H;D)、トリチウム(3H;T)、炭素−14(14C)、ヨウ素−125(125I)などである。放射性の同位体原子で標識された化合物は、疾患の治療または予防薬、研究用試薬(例えば、アッセイ用試薬)、診断薬(例えば、画像診断薬)などとして使用され得る。本発明は、放射性または非放射性の同位体化合物を包含する。
本発明において、高血圧症は、通常知られている態様の高血圧症を包含し、例えば、本態性高血圧症、腎性高血圧症、内分泌性高血圧症、神経性高血圧症、あるいは、原発性または二次性肺高血圧症を含む。
本発明の一般式(I)を有する化合物は、以下のA法(A法−1およびA法−2)またはB法にしたがって製造することができる。
上記A法またはB法の化合物の構造式において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、および、Aは、式(I)におけるものと同意義を示し、Xはクロロ基、ブロモ基、または、ヨード基を示し、Yは、低級アルキル基;低級アルケニル基;または、低級アルキル、低級アルコキシもしくはハロゲノで置換されてもよい(フェニル−低級アルキル)基を示し、Bocは、tert-ブトキシカルボニルを示し、Nsは、o−ニトロベンゼンスルホニルを示す。
下記A法またはB法の各工程の反応において、出発原料となる化合物が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基等の目的の反応を阻害する基を有する場合、必要に応じて適宜、それらの基への保護基の導入および導入した保護基の除去を行なってもよい。そのような保護基は、通常用いられる保護基であれば特に限定はなく、例えば、T. W. Greene, P. G. Wuts, Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc.等に記載された保護基であり得る。それらの保護基の導入および除去のための反応は、上記文献に記載された方法またはそれに準じた方法にしたがって行うことができる。
下記A法またはB法の各工程の反応において使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発原料を一部溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、下記溶媒群より選択される。溶媒群は、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;酢酸、プロピオン酸のようなカルボン酸類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;水;および、これらの混合物からなる。
下記A法またはB法の各工程の反応において使用される酸は、反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、下記酸群より選択される。酸群は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸のような無機酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸のような有機酸、および、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸のような有機スルホン酸からなる。
下記A法またはB法の各工程の反応において使用される塩基は、反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、下記塩基群より選択される。塩基群は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;リチウムジイソプロピルアミドのようなリチウムアルキルアミド;リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミドのようなシリルアミド;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのようなアルキルリチウム;塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、塩化イソブチルマグネシウムのようなハロゲン化アルキルマグネシウム;および、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、4−ピロリジノピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機アミンからなる。
下記A法またはB法の各工程の反応において、反応温度は、溶媒、出発原料、試薬等により異なり、反応時間は、溶媒、出発原料、試薬、反応温度等により異なる。
下記A法またはB法の各工程の反応において、反応終了後、各工程の目的化合物は、常法にしたがって反応混合物から単離される。目的化合物は、例えば、(i)必要に応じて触媒等の不溶物を濾去し、(ii)反応混合物に水および水と混和しない溶媒(例えば、塩化メチレン、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、(iii)有機層を水洗して、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて乾燥させ、(iv)溶媒を留去することによって得られる。得られた目的化合物は、必要に応じ、常法(例えば、再結晶、再沈澱、または、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等)により、更に精製することができる。また、各工程の目的化合物は精製することなくそのまま次の反応に使用することもできる。
各工程において、(R)−または(S)−フェネチルアミンのような光学活性アミンを用いた分別再結晶、または、光学活性カラムを用いた分離により、光学異性体を分離することができる。
以下にA法またはB法の各工程の反応を説明する。
(A法)
A法は、式(I)を有する化合物を製造する方法である。
(A−1工程)
A−1工程は、化合物(1)を脱水剤で処理する工程である。化合物(1)は、Tetrahedoron Lett., 2003年, 第44巻, p.1611、WO2007/077005等に記載された方法にしたがって製造することができる。
使用される脱水剤は、ジカルボン酸の酸無水物への変換反応に使用されるものであれば限定はなく、好適には、酸無水物、酸ハロゲン化物、リンハロゲン化物、または、アルキルカルボジイミド類であり、より好適には、酸無水物であり、最も好適には、無水酢酸である。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、または、エーテル類である。A−1工程は、好適には、無溶媒で行われる。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、60乃至100℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至96時間であり、より好適には、30分間乃至24時間である。
(A−2工程)
A−2工程は、化合物(2)を不斉触媒の存在下にて、メタノールを反応させる工程である。本工程は、Tetrahedoron Lett., 2003年, 第44巻, p.1611、WO2007/077005等に記載された方法に準じた方法にしたがって行うこともできる。
使用される不斉触媒は、好適には、Chemical Review, 2007年, 第107巻, p.5683に記載された不斉有機金属触媒類もしくは不斉有機触媒類、または、Angew. Chem. Int. Ed., 2008年, 第47巻, p.7872に記載された不斉有機触媒類であり、より好適には、(DHQ)2AQN、または、Angew. Chem. Int. Ed., 2008年, 第47巻, p.7872に記載された不斉有機触媒Iである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物であり、より好適には、エーテル類であり、さらに好適には、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランである。
反応温度は、好適には、−78乃至100℃であり、より好適には、−40℃乃至30℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至96時間であり、より好適には、30分間乃至48時間である。
A−2工程を不斉触媒の不存在下にて行うことにより、ラセミ体の化合物(3)を製造することができる。ラセミ体の化合物(3)を用いて、A−3工程からA−13工程を行うことにより、ラセミ体の化合物(I)を製造することができる。
(A−3工程)
A−3工程は、
(A−3a工程):化合物(3)をアジド化試薬で、次いでアルコール化合物または水で処理する工程;および、
(A−3b工程):A−3a工程で得られた化合物におけるアルコキシカルボニル基を除去する工程からなる。
A−3工程は、有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えば、Comprehensive Organic Transformations, Second Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc, p.867-869)。
(A−3a工程)
使用されるアジド化試薬は、例えば、塩化オキザリル、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ三塩化リンのようなハロゲン化剤とアジ化ナトリウムとの組み合わせ、または、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)であり得、好適には、DPPAである。
使用されるアルコール化合物は、好適には、tert−ブタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、2,2,2−トリクロロエタノール、または、2−トリメチルシリルエタノールであり、より好適には、アリルアルコールまたはベンジルアルコールである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物であり、より好適には、芳香族炭化水素類であり、最も好適には、トルエンである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至110℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至96時間であり、より好適には。30分間乃至24時間である。
(A−3b工程)
A−3b工程において使用される試薬、溶媒、反応温度は、A−3a工程で使用される低級アルコールにより異なる。A−3b工程は、アミノ基に結合するアルコキシカルボニル基を除去する方法として有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Greene’s Protecive Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc.)。
(A−4工程)
A−4工程は、化合物(4)を化合物(5)と反応させる工程である。化合物(5)は、公知であるかまたは公知の化合物から容易に製造することができる。
使用される試薬は、アミンとアルデヒドの縮合反応に使用されるものであれば限定はなく、例えば、p−トルエンスルホン酸、D-カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、酢酸、トリフルオロ酢酸、チタニウムテトライソプロポキシド、強酸性イオン交換樹脂のような酸触媒、または、無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブスのような脱水剤であり得、好適には、無水硫酸マグネシウムである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物であり、より好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、さらに好適には、四塩化炭素または塩化メチレンである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至80℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至24時間であり、より好適には、15分間乃至2時間である。
(A−5工程)
A−5工程は、化合物(6)をハロゲン化試薬で処理する工程である。
使用されるハロゲン化試薬は、例えば、塩素、塩化スルフリル、次亜塩素酸tert-ブチル、N-クロロコハク酸イミドのような塩素化試薬;臭素、N-ブロモコハク酸イミド、N,N’-ジブロモ−3,3−ジメチルヒダントインのような臭素化試薬;ヨウ素のようなヨウ化試薬であり得、好適には、塩素化試薬であり、最も好適には、N-クロロコハク酸イミドである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物であり、より好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、さらに好適には、四塩化炭素または塩化メチレンである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至40℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至24時間であり、より好適には、15分間乃至4時間である。
(A−6工程)
A−6工程は、化合物(7)を式YOH[式中、Yは、低級アルキル基;低級アルケニル基;または、低級アルキル、低級アルコキシもしくはハロゲノで置換されてもよい(フェニル−低級アルキル)基を示す]を有する化合物で処理する工程である。式YOHを有する化合物は、公知であるかまたは公知の化合物から容易に製造することができる。
使用される式YOHを有する化合物は、好適には、メタノール、エタノール、アリルアルコール、または、ベンジルアルコールであり、最も好適には、メタノールである。
使用される溶媒は、好適には脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、または、エーテル類である。A−6工程は、好適には、無溶媒で行われる。
反応温度は、好適には、0乃至150℃であり、より好適には、10乃至80℃である。
反応時間は、好適には、30分間乃至96時間であり、より好適には、2乃至48時間である。
(A−7工程)
A−7工程は、
(A−7a工程):化合物(8)におけるtert−ブトキシカルボニル基を除去する工程;および、
(A−7b工程):A−7a工程で得られる化合物を塩基の存在下にて、o−ニトロベンゼンスルホニルクロリドと反応させる工程からなる。
(A−7a工程)
A−7a工程は、アミノ基に結合するtert−ブトキシカルボニル基を除去する方法として有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Greene’s Protecive Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc.)。
使用される試薬は、上記酸群より選択され、好適には、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、または、カンファースルホン酸であり、最も好適には、トリフルオロ酢酸である。
使用される溶媒は、好適には、好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、最も好適には、塩化メチレンである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至40℃である。
反応時間は、好適には、2分間乃至24時間であり、より好適には、5分間乃至4時間である。
(A−7b工程)
使用される塩基は、好適には、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、または、有機アミンであり、より好適には、アルカリ金属炭酸水素塩であり、最も好適には、炭酸水素ナトリウムである。
使用される溶媒は、好適には、エーテル類および水の混合物であり、最も好適には、1,4−ジオキサンおよび水の混合物である。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、−30乃至40℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至96時間であり、より好適には、5分間乃至2時間である。
(A−8工程)
A−8工程は、化合物(9)におけるアセタール基をホルミル基へ変換する工程である。
使用される試薬、溶媒、反応温度は、A−6工程で使用される式YOHを有する化合物により異なる。A−8工程は、アセタール基をホルミル基へ変換する方法として有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えばT. W. Greene, P. G. M. Wuts, Greene’s Protecive Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc.)。
(A−9工程)
A−9工程は、化合物(10)を還元試薬の存在下にて、化合物(11)と反応させる工程である。A−9工程は、有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えば、Comprehensive Organic Transformations, Second Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc, p.835-846)。
使用される還元試薬は、還元的アミノ化反応に使用されるものであれば限定はなく、例えば、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−ピリジン錯体、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ化水素化ホウ素ナトリウム、シアノ化水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素化合物;水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウム、ジイソブチル水素化アルミニウムのような水素化アルミニウム化合物;または、水素であり得、好適には、水素化ホウ素化合物であり、最も好適には、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。A−9工程において、好適には、塩酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸のような酸(好適には、酢酸)が上記還元試薬と組合わせて使用される。
使用される溶媒は、好適には、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、または、これらの混合物であり、最も好適には、トルエン、塩化メチレン、または、これらの混合物である。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至110℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至24時間であり、より好適には、15分間乃至24時間である。
(A−10工程)
A−10工程は、化合物(12)を塩基の存在下にて、ハロゲン化アセチルハライドと反応させる工程である。
使用されるハロゲン化アセチルハライドは、好適には、塩化アセチルクロリド、臭化アセチルクロリド、臭化アセチルブロミドであり、最も好適には、臭化アセチルブロミドである。
使用される塩基は、好適には、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、または、有機アミンであり、より好適には、有機アミン類であり、最も好適には、トリエチルアミンである。
使用される溶媒は、好適には、芳香族炭化水素類、または、ハロゲン化炭化水素類であり、最も好適には、塩化メチレンである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至40℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至24時間であり、より好適には、30分間乃至6時間である。
(A−11工程)
A−11工程は、化合物(13)を塩基の存在下にて、加水分解する工程である。A−11工程は、有機合成化学の分野において周知の方法(加水分解以外の反応を含む)にしたがって行うこともできる(例えば、Comprehensive Organic Transformations, Second Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc, p.1959-1968)。
使用される塩基は、好適には、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、または、アルカリ土類金属水酸化物であり、より好適には、アルカリ金属水酸化物であり、最も好適には、水酸化ナトリウムである。
使用される溶媒は、好適には、アルコール類および水の混合物、または、アルコール類、エーテル類および水の混合物であり、さらに好適には、メタノールおよび水の混合物、または、メタノール、テトラヒドロフランおよび水の混合物である。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至80℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至24時間であり、より好適には、30分間乃至4時間である。
(A−12工程)
A−12工程は、化合物(14)を縮合試薬および塩基の存在下にて、化合物(15)と反応させる工程である。化合物(15)は、公知であるかまたは公知の化合物から容易に製造することができる。A−12工程は、有機合成化学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる(例えば、Comprehensive Organic Transformations, Second Edition, 1999, John Wiley & Sons, Inc, p.1941-1949)。
使用される縮合試薬は、好適には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジエチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(WSC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、シアノりん酸ジエチル(DEPC)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N‘−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)であり、より好適には、HBTU、または、HATUである。A−12工程において、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、2−ヒドロキシコハク酸イミドのような添加剤を上記還元試薬と組み合わせて使用することもできる。
使用される塩基は、好適には、有機アミンであり、より好適には、トリエチルアミン、または、N,N−ジイソプロピルエチルアミンである。
使用される溶媒は、好適には、アミド類であり、最も好適には、N,N−ジメチルホルムアミドである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至40℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至48時間であり、より好適には、30分間乃至12時間である。
(A−13工程)
A−13工程は、化合物(16)におけるo−ニトロベンゼンスルホニル基を塩基の存在下にて、除去する工程である。
使用される試薬は、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ピロール、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、ヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジンのような一級もしくは二級アミン;または、メタンチオール、エタンチオール、n−プロパンチオール、n−ブタンチオール、n−ドデカチオール、チオフェノール、チオグリコール酸のようなチオール類であり得、好適には、チオール類であり、最も好適には、チオフェノールである。
使用される塩基は、好適には、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属アルコキシド、リチウムアルキルアミド、シリルアミド、アルキルリチウム、または、有機アミンであり、より好適には、アルカリ金属炭酸塩であり、最も好適には、炭酸セシウムである。
使用される溶媒は、好適には、ニトリル類またはアミド類であり、より好適には、アセトニトリル、または、N,N−ジメチルホルムアミドである。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至40℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至48時間であり、より好適には、15分間乃至12時間である。
(B法)
B法は、式(I)を有する化合物を製造する方法である。
(B−1工程)
B−1工程は、
(B−1a工程):A−10工程で得られた化合物(13)におけるo−ニトロベンゼンスルホニル基を除去する工程;および、
(B−1b工程):B−1a工程で得られた化合物を塩基の存在下にて、ジ−tert−ブチル−ジカルボナートと反応させる工程からなる。
(B−1a工程)
B−1a工程は、A−13工程と同様の方法にしたがって行うことができる。
(B−1b工程)
使用される塩基は、好適には、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属アルコキシド、または、有機アミンであり、より好適には、アルカリ金属炭酸水素塩であり、最も好適には、炭酸水素ナトリウムである。
使用される溶媒は、好適には、エステル類および水の混合物であり、最も好適には、酢酸エチルおよび水の混合物である。
反応温度は、好適には、−78乃至150℃であり、より好適には、0乃至60℃である。
反応時間は、好適には、5分間乃至48時間であり、より好適には、15分間乃至4時間である。
B−1b工程において使用されるアミノ基の保護基は、有機合成化学の分野において周知のものであればtert−ブトキシカルボニル基に限定されない(例えば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Greene’s Protecive Groups in Organic Synthesis. Fourth Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc.)。使用されるアミノ基の保護基は、例えば、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基のようなアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基;メトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、アリル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基のような置換アルキル基;メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロベンゼンスルホニル基、o,p−ジニトロベンゼンスルホニル基のようなスルホニル基であり得、最も好適には、tert−ブトキシカルボニル基である。
(B−2工程)
B−2工程は、化合物(17)を塩基の存在下にて、加水分解する工程である。
B−2工程は、A−11工程と同様の方法にしたがって行うことができる。
(B−3工程)
B−3工程は、化合物(18)を縮合試薬および塩基の存在下にて、化合物(15)と反応させる工程である。化合物(15)は、公知であるかまたは公知の化合物から容易に製造することができる。
B−3工程は、A−12工程と同様の方法にしたがって行うことができる。
(B−4工程)
B−4工程は、化合物(19)におけるtert−ブトキシカルボニル基を除去する工程である。
B−4工程は、A−7a工程と同様の方法にしたがって行うことができる。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩は、医薬として使用される場合には、それ自体(原末のまま)で投与することができ、あるいは、適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合して、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤もしくはシロップ剤等の製剤として経口的に、または、注射剤もしくは坐剤等の製剤として非経口的に(好適には、経口的に)投与することができる。
これらの製剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を用いて、周知の方法で製造される。
賦形剤は、例えば、有機系賦形剤または無機系賦形剤であり得る。有機系賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;または、プルラン等であり得る。無機系賦形剤は、例えば、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸カルシウムのようなリン酸塩;または、硫酸カルシウムのような硫酸塩であり得る。
結合剤は、例えば、上記の賦形剤;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;または、ポリエチレングリコールであり得る。
崩壊剤は、例えば、上記の賦形剤;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムのような化学修飾された、デンプンもしくはセルロース誘導体;または、架橋ポリビニルピロリドンであり得る。
滑沢剤は、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーズワックス、ゲイロウのようなワックス類;硼酸;グリコール;D,L−ロイシン;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;または、上記の賦形剤におけるデンプン誘導体であり得る。
乳化剤は、例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;または、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤であり得る。
安定剤は、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;または、ソルビン酸であり得る。
矯味矯臭剤は、例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、または、香料であり得る。
希釈剤は、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、または、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類であり得る。
注射剤用溶剤は、例えば、水、エタノール、または、グリセリンであり得る。
本発明の有効成分である一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩の投与量は、患者の症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当たり下限0.02mg/kg(好適には、0.1mg/kg)、上限100mg/kg(好適には、10mg/kg)を、非経口的投与の場合には、1回当たり下限0.002mg/kg(好適には、0.01mg/kg)、上限10mg/kg(好適には、1mg/kg)を、成人に対して、1日当たり1乃至6回、症状に応じて、投与することができる。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩は、レニン阻害活性、溶解性、細胞膜透過性、経口吸収性、血中濃度、代謝安定性、組織移行性、バイオアベイラビリティー、in vitro活性、in vivo活性、薬効発現の早さ、薬効の持続性、物理的安定性、薬物相互作用、安全性(例えば、心毒性または肝毒性)等の点で優れた性質を有し、医薬[特に、高血圧症の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬]として有用である。
以下、実施例、試験例、および、製剤例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。以下の実施例において、記載された化合物名は、当該実施例で得られた化合物を示し、記載された化学構造式は、対応するフリー体化合物の化学構造を示す。例えば、実施例1において得られた化合物は、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩であり、実施例1に記載された化学構造式は、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミドの化学構造を示す。
以下の参考例において、記載された化合物名および化学構造式は、当該参考例で得られた化合物を示す。
(実施例1)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(1a) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]カルバモイル}ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
参考例1で得られた(3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸19.35g(67.35mmol)のトルエン(335ml)溶液に、室温下にて、トリエチルアミン11.26ml(80.82mmol)およびジフェニルリン酸アジド(DPPA)20.38g(74.08mmol)を加え、90℃にて1.5時間攪拌した。15分間放冷したのち、反応混合物にベンジルアルコール10.92g(101.02mmol)のトルエン(10ml)溶液を加え、90℃にて3.5時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物に水を加えて、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製して、標記化合物25.50g(収率:96%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 7.37-7.26 (m, 5H), 5.11 (br s, 3H), 4.06-4.03 (m, 2H), 3.70-3.63 (m, 5H), 3.09-3.05 (m, 1H), 2.60 (br s, 1H), 2.31-2.27 (m, 1H), 1.61-1.56 (m, 1H), 1.45 (s, 9H)。
(1b) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−アミノピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
実施例(1a)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]カルバモイル}ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート25.50g(64.97mmol)と10%パラジウム炭素(50%含水)2.50gのメタノール(100ml)混合物を、水素雰囲気下にて、室温で1.5時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=10/1)により精製して、標記化合物15.98g(収率:95%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 4.34-4.16 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 2.77-2.50 (m, 3H), 2.30-2.25 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.35-1.28 (m, 1H), 1.15 (br s, 2H)。
(1c) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[(2,2−ジメトキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
実施例(1b)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−アミノピペリジン−1,3−ジカルボキシラート15.98g(61.86mmol)とイソブチルアルデヒド4.46ml(61.86mmol)の塩化メチレン(120ml)溶液に、無水硫酸マグネシウム約8gを加え、室温にて3時間攪拌した。不溶物を濾別し、減圧下にて溶媒を留去した。ここで得られた反応混合物に四塩化炭素(240ml)を加えて溶解し、N−クロロコハク酸イミド8.26g(61.86mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。不溶物を濾別し、減圧下にて溶媒を留去した。ここで得られた反応混合物にメタノール(120ml)を加えて溶解し、60℃にて23時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜0/1)により精製して、標記化合物17.89g(収率:88%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 4.33-4.06 (m, 2H), 3.90 (s, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.53 (s, 6H), 2.66-2.54 (m, 3H), 2.28 (br s, 1H), 2.15 (br d, 1H, J = 12.7 Hz), 1.46 (s, 9H), 1.35 (q, 1H, J = 12.2 Hz), 1.06(s, 6H)。
(1d) メチル (3S,5R)−5−[(2,2−ジメトキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1c)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[(2,2−ジメトキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート17.89g(54.48mmol)に、4N塩酸−ジオキサン溶液272ml(1.09mol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣にジオキサン(140ml)および水(140ml)を加えて溶解し、氷冷下にて、炭酸水素ナトリウム13.72g(163.4mmol)およびo−ニトロベンゼンスルホニルクロリド14.48g(65.37mmol)を加え、同温度にて10分間攪拌後、炭酸水素ナトリウム4.57g(54.50mmol)を追加し、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2〜0/1)により精製して、標記化合物17.71g(収率:70%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.01-8.00 (m, 1H), 7.72-7.62 (m, 3H), 4.02 (br d, 1H, J = 8.3 Hz), 3.90 (s, 1H), 3.89-3.85 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.52 (s, 3H), 2.90-2.83 (m, 1H), 2.79-2.69 (m, 2H), 2.32-2.28 (m, 1H), 2.22 (br d, 1H, J = 13.2 Hz), 1.30-1.23 (m, 1H), 1.06 (s, 6H)。
(1e) メチル (3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1d)で得られたメチル (3S,5R)−5−[(2,2−ジメトキシ−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート17.71g(38.54mmol)の塩化メチレン(60ml)溶液に、濃塩酸60mlを加え、40℃にて4時間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて、5N水酸化ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出した。有機層は、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、減圧下にて溶媒を留去した。一方、水層は、逆層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(逆層シリカゲル:ナカライテスク社製コスモシール 75C18―PREP、水/アセトニトリル=1/0〜0/1)により無機物を除去して、粗製の(3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸を得た。メタノール(40ml)と塩化チオニル11.0ml(151mmol)の混合物中に、有機層から得られた反応混合物と水層から得られた粗製の(3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸のメタノール(100ml)溶液を加え、室温にて30分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2〜0/1)により精製して、標記化合物13.70g(収率:86%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 9.44 (s, 1H), 8.01-7.99 (m, 1H), 7.74-7.69 (m, 2H), 7.66-7.63 (m, 1H), 4.01-3.98 (m, 1H), 3.83-3.80 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 2.79-2.64 (m, 3H), 2.38 (dd, 1H, J = 12.7 Hz, 10.7 Hz), 2.28 (br d, 1H, J = 12.7 Hz), 1.32 (q, 1H, J = 12.2 Hz), 1.24 (s, 3H), 1.18 (s, 3H)。
(1f) メチル (3S,5R)−5−({2−[(2−クロロフェニル)アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1e)で得られたメチル (3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソエチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート17.10g(41.36mmol)と2−クロロアニリン7.87g(61.7mmol)のトルエン(400ml)溶液に、酢酸8.67g(144mmol)を加え、加熱還流下にて、生成する水を除去しながら4時間攪拌した。冷却後、反応混合物に、氷冷下にて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム17.50g(82.6mmol)を加え、その後室温にて16時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜7/3)により精製して、標記化合物16.00g(収率:74%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.74 (d, 1H, J = 8.3 Hz), 7.64-7.58 (m, 2H), 7.52-7.48 (m, 1H), 7.25-7.23 (m, 1H), 7.17-7.14 (m, 1H), 6.65-6.62 (m, 2H), 4.85 (br s, 1H), 4.07 (br d, 1H, J = 9.3 Hz), 3.75-3.71 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 2.97 (d, 1H, J = 11.7 Hz), 2.94 (d, 1H, J = 11.7 Hz), 2.81-2.69 (m, 3H), 2.34 (dd, 1H, J = 12.5 Hz, 10.5 Hz), 2.21 (br d, 1H, J = 12.5 Hz), 1.32 (q, 1H, J = 12.2 Hz), 1.22 (s, 3H), 1.21 (s, 3H)。
(1g) メチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1f)で得られたメチル (3S,5R)−5−({2−[(2−クロロフェニル)アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート16.00g(30.5mmol)とトリエチルアミン24.8g(245.1mmol)の塩化メチレン(320ml)溶液に、氷冷下にて、ブロモアセチルブロミド24.4g(120.9mmol)の塩化メチレン(80ml)溶液を2.5時間要して加え、室温にて45分間攪拌し、さらに40℃にて3時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物13.50g(収率:79%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.03-8.01 (m, 1H), 7.76-7.70 (m, 2H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.48-7.46 (m, 1H), 7.33-7.23 (m, 3H), 4.03 (br d, 1H, J = 11.2 Hz), 3.87-3.81 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.71-3.22 (m, 5H), 2.76-2.68 (m, 3H), 2.24-2.17 (m, 1H), 1.73-1.66 (m, 1H), 1.41-1.35 (m, 6H)。
(1h) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸
実施例(1g)で得られたメチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート195mg(0.35mmol)のメタノール(4ml)溶液に、氷冷下にて、1規定水酸化ナトリウム水溶液2.0ml(2.0mmol)を加え、同温度にて20分間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加えて酸性(pH2−3)とし、塩化メチレンにて抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、粗製の標記化合物190mg(収率:定量的)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.02-8.01 (m, 1H), 7.75-7.70 (m, 2H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.48 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, 1.5 Hz), 7.36-7.22 (m, 3H), 4.01-3.94 (m, 1H), 3.87-3.80 (m, 1H), 3.72 (br d, 1H, J = 17.6 Hz), 3.63 (br d, 1H, J = 17.6 Hz), 3.48-3.41 (m, 1H), 3.29-3.23 (m, 2H), 2.77-2.70 (m, 3H), 2.26-2.20 (m, 1H), 1.71-1.58 (m, 1H), 1.41-1.35 (m, 6H)。
(1i) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシアミド
実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸200mg(0.36mmol)、参考例2で得られた(3R)−5−メチルヘキサン−3−アミン 塩酸塩66mg(0.44mmol)およびジイソプロピルエチルアミン140mg(1.08mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)溶液に、室温下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)207mg(0.55mmol)を加え、室温下にて12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜0/1)により精製して、標記化合物210mg(収率:89%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.97-7.96 (m, 1H), 7.75-7.70 (m, 2H), 7.68-7.63 (m, 1H), 7.46 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.32-7.22 (m, 3H), 5.27 (br d, 1H, J = 9.3 Hz), 3.96-3.87 (m, 3H), 3.75-3.47 (m, 2H), 3.37-2.99 (m, 3H), 2.81-2.71 (m, 1H), 2.65-2.50 (m, 1H), 1.98-1.88 (m, 2H), 1.61-1.47 (m, 4H), 1.41-1.29 (m, 7H), 0.92-0.83 (m, 9H)。
(1j) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(1i)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシアミド205mg(0.31mmol)とチオフェノール48μl(0.47mmol)のアセトニトリル(6ml)溶液に、室温下にて、炭酸セシウム124mg(0.38mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/メタノール=0/1〜4/1)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド126mg(収率:86%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド126mg(0.27mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸31mg(0.27mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のジイソルロピルエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物87mg(収率:55%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.85 (br d, 1H, J = 9.8 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, 1.5 Hz), 7.42-7.36 (m, 2H), 7.33-7.31 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 3.87-3.83 (m, 1H), 3.67-3.44 (m, 4H), 3.38-3.23 (m, 3H), 3.11-3.05 (m, 1H), 2.99 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.85-2.79 (m, 1H), 2.13-2.06 (m, 1H), 2.00-1.91 (m, 1H), 1.65-1.50 (m, 2H), 1.41-1.25 (m, 9H), 0.94-0.88 (m, 9H)。
マススペクトル(FAB),m/z:463((M+H))。
(実施例2)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−(1−イソブチルシクロペンチル)ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(1i)および(1j)と同様に、実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例3で得られた1−イソブチルシクロペンタン−1−アミン 塩酸塩を用いて、標記化合物77mg(3工程通算収率:56%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.72 (br s, 1H), 7.53 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, 2.0Hz), 7.42-7.36 (m, 2H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 3.67-3.44 (m, 4H), 3.37-3.23 (m, 3H), 3.08-3.03 (m, 1H), 2.94 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.85-2.78 (m, 1H), 2.09-2.04 (m, 3H), 1.96-1.88 (m, 1H), 1.77-1.53 (m, 9H), 1.40-1.36 (m, 6H), 0.94 (d, 6H, J = 6.8 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:489((M+H))。
(実施例3)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−(3,3,3−トリフルオロ−1,1−ジメチルプロピル)ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(1i)および(1j)と同様に、実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例4で得られた4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−アミン 塩酸塩を用いて、標記化合物133mg(3工程通算収率:53%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.98 (br s, 1H), 7.53 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, 2.0 Hz), 7.42-7.36 (m, 2H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 3.67-3.45 (m, 4H), 3.36-3.22 (m, 3H), 3.08-3.03 (m, 1H), 2.93 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.87-2.72 (m, 3H), 2.12-2.05 (m, 1H), 1.94-1.85 (m, 1H), 1.43 (br s, 6H), 1.41-1.36 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:489((M+H))。
(実施例4)
−({(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−イル}カルボニル)−N,N−ジメチル−L−ロイシンアミド フマル酸塩
実施例(1i)および(1j)と同様に、実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例5で得られたN,N−ジメチル−L−ロイシンアミド 塩酸塩を用いて、標記化合物41mg(3工程通算収率:49%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 7.55-7.52 (m, 1H), 7.43-7.36 (m, 2H), 7.33-7.31 (m, 1H), 6.75 (s, 2H), 4.87-4.83 (m, 1H), 3.70-3.45 (m, 4H), 3.40-3.22 (m, 3H), 3.15-3.07 (m, 4H), 3.00-2.84 (m, 5H), 2.18-2.10 (m, 1H), 2.00-1.91 (m, 1H), 1.72-1.58 (m, 2H), 1.51-1.38 (m, 7H), 1.10-0.97 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:506((M+H))。
(実施例5)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(5a) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
実施例(1g)で得られたメチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート13.50g(23.9mmol)とチオフェノール3.64ml(35.7mmol)のアセトニトリル(400ml)溶液に、氷冷下にて、炭酸セシウム9.31g(28.6mmol)を加え、その後室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、水を加えて希釈し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、メチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシラート9.1g(収率:定量的)を得た。ここで得られたメチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシラート9.1g(23.9mmol)と炭酸水素ナトリウム6.20g(73.8mmol)の酢酸エチル(200ml)と水(200ml)混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボナート6.00g(27.5mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/9)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)により精製して、標記化合物7.80g(収率:68%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.47 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, 1.5 Hz), 7.34-7.22 (m, 3H), 4.29 (br s, 1H), 4.12 (br s, 1H), 3.74-3.52 (m, 5H), 3.36-3.29 (m, 2H), 3.02-2.98 (m, 1H), 2.68-2.56 (m, 3H), 2.14 (br s, 1H), 1.84-1.73 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.44-1.31 (m, 6H)。
(5b) (3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸
実施例(5a)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート7.80g(16.3mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)と水(75ml)混合物に、氷冷下にて、水酸化リチウム・1水和物1.37g(32.6mmol)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加えて酸性(pH2−3)とし、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、標記化合物7.70g(収率:定量的)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.47 (dd, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 7.34-7.25 (m, 3H), 4.30 (br s, 1H), 4.12 (br s, 1H), 3.76 (br d, 1H, J = 17.6 Hz), 3.66 (br d, 1H, J = 17.6 Hz), 3.38-3.29 (m, 2H), 3.03-2.99 (m, 1H), 2.69-2.56 (m, 3H), 2.22-2.15 (m, 1H), 1.81-1.69 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.43-1.32 (m, 6H)。
(5c) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸148mg(0.32mmol)、参考例6で得られた(2R)−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン92mg(0.63mmol)およびジイソプロピルエチルアミン166μl(0.95mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)180mg(0.48mmol)を加え、室温下にて18時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物137mg(収率:73%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.48-7.46 (m, 1H), 7.33-7.22 (m, 3H), 5.64 (br d, 1H, J = 4.9 Hz), 4.22-4.10 (m, 2H), 3.77-3.70 (m, 1H), 3.62-3.31 (m, 8H), 2.98 (br s, 1H), 2.74-2.68 (m, 2H), 2.34 (br s, 1H), 1.99-1.91 (m, 2H), 1.58 (br s, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.46-1.31 (m, 8H), 1.20 (t, 3H, J = 6.8 Hz), 0.93-0.91 (m, 6H)。
(5d) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)で得られたtert−ブチル (3S,5R)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート135mg(0.23mmol)の塩化メチレン(0.7ml)溶液に、トリフルオロ酢酸0.35ml(4.5mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド94mg(収率:84%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド94mg(0.19mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸22mg(0.19mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物97mg(収率:84%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 7.54-7.52 (m, 1H), 7.43-7.32 (m, 3H), 6.69 (s, 2H), 4.12-4.08 (m, 1H), 3.69-2.94 (m, 13H), 2.84-2.78 (m, 1H), 2.16-2.10 (m, 1H), 1.98-1.89 (m, 1H), 1.67-1.58 (m, 1H), 1.54-1.32 (m, 8H), 1.17 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 0.95-0.90 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:493((M+H))。
(実施例6)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[1−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−メチルエチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例7で得られた2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)プロパン−2−アミンを用いて標記化合物106mg(3工程通算収率:53%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.62 (br s, 1H), 7.53 (dd, 1H, J = 7.8 Hz, 2.0 Hz), 7.42-7.36 (m, 2H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.69 (s, 2H), 3.70-3.44 (m, 4H), 3.38-3.21 (m, 3H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.92 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.81-2.75 ( m, 1H), 2.22-2.05 (m, 4H), 1.95-1.87 (m, 1H), 1.77-1.65 (m, 4H), 1.41-1.29 (m, 14H)。
マススペクトル(FAB),m/z:525((M+H))。
(実施例7)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[1−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(1i)および(1j)と同様に、実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例8で得られた2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−2−アミンを用いて標記化合物67mg(3工程通算収率:30%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 7.58 (br s, 1H), 7.54-7.52 (m, 1H), 7.43-7.35 (m, 2H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 4.00-3.97 (m, 2H), 3.70-3.21 (m, 9H), 3.07-3.01 (m, 1H), 2.92 (t, 1H, J = 12.1 Hz), 2.83-2.77 (m, 1H), 2.31-2.28 (m, 1H), 2.12-2.05 (m, 1H), 1.95-1.86 (m, 1H), 1.56-1.52 (m, 2H), 1.46-1.28 (m, 15H)。
マススペクトル(FAB),m/z:491((M+H))。
(実施例8)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(1i)および(1j)と同様に、実施例(1h)で得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボン酸および2−フェニルプロパン−2−アミンを用いて、標記化合物123mg(3工程通算収率:57%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.36 (br s, 1H), 7.53 (br d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.42-7.36 (m, 4H), 7.33-7.28 (m, 3H), 7.18 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 6.71 (s, 2H), 3.66-3.45 (m, 4H), 3.40-3.22 (m, 3H), 3.06-3.00 (m, 1H), 2.93-2.83 (m, 2H), 2.20-2.14 (m, 1H), 1.93-1.84 (m, 1H), 1.66-1.65 (m, 6H), 1.44-1.38 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:483((M+H))。
(実施例9)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−(1−フェニルシクロペンチル)ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸および参考例9で得られた1−フェニルシクロペンタン−1−アミン 塩酸塩を用いて、標記化合物97mg(3工程通算収率:48%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.36 (br s, 1H), 7.53 (br d, 1H, J = 7.3 Hz), 7.42-7.36 (m, 4H), 7.33-7.27 (m, 3H), 7.18 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 6.72 (s, 2H), 3.67-3.45 (m, 4H), 3.40-3.21 (m, 3H), 3.07-3.01 (m, 1H), 2.89-2.85 (m, 2H), 2.36-2.31 (m, 2H), 2.16-2.05 (m, 3H), 1.90-1.81 (m, 5H), 1.43-1.37 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:509((M+H))。
(実施例10)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(10a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸357mg(0.77mmol)、(1R)−1−フェニルプロパン−1−アミン207mg(1.53mmol)およびジイソプロピルエチルアミン0.40ml(2.30mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)435mg(1.15mmol)を加え、室温下にて20時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)および逆層分取高速液体クロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル/0.1%酢酸アンモニウム水溶液=7/3)により精製して、標記化合物246mg(収率:55%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.46 (dd, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 7.37-7.22 (m, 8H), 5.80 (br s, 1H), 4.88 (br q, 1H, J = 7.5 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.74-3.50 (m, 2H), 3.34-3.29 (m, 2H), 2.95 (br s, 1H), 2.78-2.70 (m, 2H), 2.34 (br s, 1H), 1.93-1.78 (m, 4H), 1.48 (s, 9H), 1.39-1.27 (m, 6H), 0.89 (t, 3H, J = 7.6 Hz)。
(10b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(10a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート362mg(0.62mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.0ml(13.0mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル)ピペリジン−3−カルボキシアミド213mg(収率:71%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル)ピペリジン−3−カルボキシアミド213mg(0.44mmol)のメタノール(2ml)溶液に、フマル酸51.2mg(0.44mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物252mg(収率:96%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.53-7.51 (m, 1H), 7.41-7.21 (m, 8H), 6.70 (s, 2H), 4.73 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 3.63-3.42 (m, 4H), 3.39-3.20 (m, 3H), 3.06-3.01 (m, 1H), 2.96 (br t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.90-2.85 (m, 1H), 2.08-2.02 (m, 1H), 1.89-1.77 (m, 3H), 1.39-1.35 (m, 6H), 0.92 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:483((M+H))。
(実施例11)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(11a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸200mg(0.43mmol)、参考例10で得られた(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエタン−1−アミン 塩酸塩169mg(0.86mmol)およびジイソプロピルエチルアミン221mg(1.72mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)244mg(0.65mmol)を加え、室温下にて1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物150mg(収率:57%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.45 (dd, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 7.36-7.22 (m, 8H), 5.94 (br s, 1H), 5.08-5.04 (m, 1H), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.73-3.50 (m, 2H), 3.34-3.29 (m, 2H), 2.95 (br s, 1H), 2.76-2.69 (m, 2H), 2.35 (br s, 1H), 1.93-1.60 (m, 4H), 1.48-1.27 (m, 15H), 0.59-0.55 (m, 1H), 0.48-0.38 (m, 2H), 0.16-0.11 (m, 1H), 0.05-0.01 (m, 1H)。
(11b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(11a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート150mg(0.25mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド108mg(収率:86%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド108mg(0.21mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸24.7mg(0.21mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物108mg(収率:81%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.53-7.51 (m, 1H), 7.41-7.23 (m, 8H), 6.71 (s, 2H), 4.94 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.63-3.20 (m, 7H), 3.08-3.03 (m, 1H), 2.98 (br t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.91-2.86 (m, 1H), 2.10-2.03 (m, 1H), 1.90-1.81 (m, 1H), 1.74-1.65 (m, 2H), 1.39-1.35 (m, 6H), 0.69-0.61 (m, 1H), 0.49-0.36 (m, 2H), 0.17-0.13 (m, 1H), 0.05-0.01 (m, 1H)。
マススペクトル(FAB),m/z:509((M+H))。
(実施例12)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(12a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸150mg(0.32mmol)、参考例11で得られた(1R)−3−メチル−1−フェニルブタン−1−アミン 塩酸塩128mg(0.64mmol)およびジイソプロピルエチルアミン166mg(1.29mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)183mg(0.48mmol)を加え、室温下にて1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物146mg(収率:74%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.45 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.35-7.23 (m, 8H), 5.92 (br s, 1H), 4.99-4.96 (m, 1H), 4.20-3.96 (m, 2H), 3.67-3.48 (m, 2H), 3.31-3.25 (m, 2H), 2.93-2.66 (m, 3H), 2.34 (br s, 1H), 1.88-1.26 (m, 20H), 0.94-0.90 (m, 6H)。
(12b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(12a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート146mg(0.24mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド77mg(収率:63%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド77mg(0.15mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸17.5mg(0.15mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物82mg(収率:87%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.52-7.22 (m, 9H), 6.70 (s, 2H), 4.94 (br dd, 1H, J = 9.3 Hz, 5.4 Hz), 3.63-3.22 (m, 7H), 3.05-2.88 (m, 3H), 2.06-2.00 (m, 1H), 1.87-1.69 (m, 2H), 1.61-1.54 (m, 2H), 1.38-1.35 (m, 6H), 0.97-0.91 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:511((M+H))。
(実施例13)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(2−フルオロフェニル)プロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例12で得られた(1R)−1−(2−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン塩酸塩を用いて、標記化合物126mg(3工程通算収率:47%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.52 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.41-7.26 (m, 5H), 7.16 (dt, 1H, J = 7.3 Hz, 1.0 Hz), 7.08 (ddd, 1H, J = 10.7 Hz, 8.3 Hz, 1.0 Hz), 6.71 (s, 2H), 5.01 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.63-3.43 (m, 4H), 3.39-3.22 (m, 3H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.99-2.89 (m, 2H), 2.11-2.04 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 3H), 1.40-1.36 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:501((M+H))。
(実施例14)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(3−フルオロフェニル)プロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例13で得られた(1R)−1−(3−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン塩酸塩を用いて、標記化合物120mg(3工程通算収率:45%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.52-7.51 (m, 1H), 7.40-7.27 (m, 4H), 7.12 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.06-7.04 (m, 1H), 7.00-6.96 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 4.74 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 3.64-3.42 (m, 4H), 3.39-3.22 (m, 3H), 3.07-2.89 (m, 3H), 2.10-2.02 (m, 1H), 1.89-1.78 (m, 3H), 1.39-1.36 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:501((M+H))。
(実施例15)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)プロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例14で得られた(1R)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン塩酸塩を用いて、標記化合物115mg(3工程通算収率:43%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 7.53-7.51 (m, 1H), 7.38-7.28 (m, 5H), 7.09-7.04 (m, 2H), 6.70 (s, 2H), 4.73 (br t, 1H, J = 7.4 Hz), 3.64-3.22 (m, 7H), 3.07-2.86 (m, 3H), 2.08-2.00 (m, 1H), 1.89-1.77 (m, 3H), 1.38-1.36 (m, 6H), 0.91 (t, 3H, J = 7.4 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:501((M+H))。
(実施例16)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(16a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸250mg(0.54mmol)、参考例15で得られた(1R)−1−ピリジン−2−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩224mg(1.07mmol)およびジイソプロピルエチルアミン370μl(2.14mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)305mg(0.80mmol)を加え、室温下にて4時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物233mg(収率:74%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.55 (br d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.46 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.32-7.19 (m, 4H), 6.90 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 5.01-4.97 (m, 1H), 4.27-4.00 (m, 2H), 3.73-3.51 (m, 2H), 3.30 (br s, 2H), 2.99 (br s, 1H), 2.75 (br t, 2H, J = 12.0 Hz), 2.45 (br s, 1H), 1.95-1.77 (m, 4H), 1.49 (br s, 9H), 1.40-1.29 (m, 6H), 0.81 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
(16b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(16a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート223mg(0.38mmol)の塩化メチレン(1.8ml)溶液に、トリフルオロ酢酸0.88ml(11.4mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド85mg(収率:46%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−2−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド85mg(0.18mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸20.3mg(0.18mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物88mg(収率:84%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.52 (br d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.80 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.41-7.35 (m, 3H), 7.31-7.29 (m, 2H), 6.71 (s, 2H), 4.85-4.82 (m, 1H), 3.65-3.45 (m, 4H), 3.41-3.21 (m, 3H), 3.08-3.03 (m, 1H), 3.00-2.89 (m, 2H), 2.19-2.13 (m, 1H), 1.94-1.78 (m, 3H), 1.42-1.37 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:484((M+H))。
(実施例17)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(17a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸300mg(0.643mmol)、参考例16で得られた(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブタン−1−アミン 2塩酸塩305mg(1.29mmol)およびジイソプロピルエチルアミン447μl(2.57mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)366mg(0.96mmol)を加え、室温下にて4時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物267mg(収率:67%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.55 (br d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.45 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 7.46-7.45 (m, 1H), 7.32-7.18 (m, 5H), 6.60 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 5.12 (br q, 1H, J = 7.8 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.50 (m, 2H), 3.29 (br s, 2H), 2.97 (br s, 1H), 2.78-2.70 (m, 2H), 2.40 (br s, 1H), 1.90 (br s, 2H), 1.70-1.27 (m, 18H), 0.95-0.93 (m, 6H)。
(17b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(17a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート267mg(0.44mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.0ml(13.1mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド179mg(収率:80%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド179mg(0.35mmol)のメタノール(1.8ml)溶液に、フマル酸40.5mg(0.35mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物197mg(収率:89%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.51 (br d, 1H, J = 4.9 Hz), 7.79 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.52-7.51 (m, 1H), 7.41-7.35 (m, 3H), 7.31-7.28 (m, 2H), 6.70 (s, 2H), 5.03 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 5.9 Hz), 3.64-3.44 (m, 4H), 3.39-3.22 (m, 3H), 3.06-3.01 (m, 1H), 2.98-2.89 (m, 2H), 2.17-2.11 (m, 1H), 1.87-1.78 (m, 1H), 1.76-1.58 (m, 3H), 1.41-1.36 (m, 6H), 0.98 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.95 (d, 3H, J = 6.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:512((M+H))。
(実施例18)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(18a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸300mg(0.64mmol)、参考例17で得られた(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩328mg(1.29mmol)およびジイソプロピルエチルアミン447μl(2.57mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)366mg(0.96mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物246mg(収率:60%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.41 (br d, 1H, J = 2.9 Hz), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 1H), 7.31-7.22 (m, 4H), 6.41 (br d, 1H, J = 8.3 Hz), 5.12 (br q, 1H, J = 8.3 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.50 (m, 2H), 3.29 (br s, 2H), 2.97 (br s, 1H), 2.75-2.69 (m, 2H), 2.39 (br s, 1H), 1.92-1.86 (m, 2H), 1.69-1.27 (m, 18H), 0.95-0.92 (m, 6H)。
(18b) (3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(18a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート246mg(0.39mmol)の塩化メチレン(1.8ml)溶液に、トリフルオロ酢酸0.9ml(11.7mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド190mg(収率:91%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド190mg(0.36mmol)のメタノール(1.8ml)溶液に、フマル酸41.5mg(0.36mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物198mg(収率:86%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.41 (br d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.58-7.50 (m, 2H), 7.42-7.35 (m, 3H), 7.33-7.30 (m, 1H), 6.71 (s, 2H), 5.05 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 6.4 Hz), 3.64-3.44 (m, 4H), 3.39-3.21 (m, 3H), 3.04 (br t, 1H, J = 11.7 Hz), 2.99-2.89 (m, 2H), 2.15-2.09 (m, 1H), 1.86-1.78 (m, 1H), 1.76-1.64 (m, 2H),1.61-1.55 (m, 1H), 1.40-1.36 (m, 6H), 0.97 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.94 (d, 3H, J = 6.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:530((M+H))。
(実施例19)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−3−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例18で得られた(1R)−1−ピリジン−3−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩を用いて、標記化合物125mg(3工程通算収率:41%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 8.51 (br s, 1H), 8.45 (dd, 1H, J = 4.7 Hz, 1.6 Hz), 7.81-7.79 (m, 1H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.45-7.27 (m, 4H), 6.71 (s, 2H), 4.79 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.64-3.22 (m, 7H), 3.08-2.91 (m, 3H), 2.16-2.02 (m, 1H), 1.91-1.80 (m, 3H), 1.39-1.36 (m, 6H), 0.96 (t, 3H, J = 7.2 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:484((M+H))。
(実施例20)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−ピリジン−3−イルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例19で得られた(1R)−3−メチル−1−ピリジン−3−イルブタン−1−アミン 2塩酸塩を用いて、標記化合物121mg(3工程通算収率:36%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.51 (br s, 1H), 8.45 (br d, 1H, J = 5.1 Hz), 7.82-7.79 (m, 1H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.45-7.26 (m, 4H), 6.72 (s, 2H), 4.99 (dd, 1H, J = 9.4 Hz, 5.5 Hz), 3.63-3.22 (m, 7H), 3.09-2.85 (m, 3H), 2.10-2.01 (m, 1H), 1.87-1.75 (m, 2H), 1.64-1.57 (m, 2H), 1.39-1.36 (m, 6H), 0.99 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.94 (d, 3H, J = 6.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:512((M+H))。
(実施例21)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例20で得られた(1R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩を用いて、標記化合物137mg(3工程通算収率:34%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 8.39-8.37 (m, 2H), 7.62-7.59 (m, 1H), 7.51 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.41-7.35 (m, 2H), 7.31-7.27 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 5.02 (dd, 1H, J = 9.5 Hz, 5.6 Hz), 3.64-3.42 (m, 4H), 3.39-3.21 (m, 3H), 3.06-3.00 (m, 1H), 2.98-2.86 (m, 2H), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.88-1.76 (m, 2H), 1.67-1.58 (m, 2H), 1.39-1.36 (m, 6H), 0.99 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 0.96 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:530((M+H))。
(実施例22)
(3S,5R)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−ピリジン−4−イルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(5c)および(5d)と同様に、実施例(5b)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(2−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボン酸および参考例21で得られた(1R)−1−ピリジン−4−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩を用いて標記化合物147mg(3工程通算収率:43%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.50-8.48 (m, 2H), 7.53-7.51 (m, 1H), 7.41-7.35 (m, 4H), 7.32-7.28 (m, 1H), 6.71 (s, 2H), 4.76 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 3.67-3.24 (m, 7H), 3.08-2.93 (m, 3H), 2.18-2.08 (m, 1H), 1.91-1.79 (m, 3H), 1.41-1.37 (m, 6H), 0.97 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:484((M+H))。
(実施例23)
(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(23a) メチル (3S,5R)−5−({1,1−ジメチル−2−[(2−メチルフェニル)アミノ]エチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1e)で得られたメチル (3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート2.50g(6.1mmol)と2−メチルアニリン0.97g(9.1mmol)のトルエン(60ml)溶液に、酢酸1.27g(21.1mmol)を加え、加熱還流下にて、生成する水を除去しながら2.5時間攪拌した。冷却後、反応混合物に、氷冷下にて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.56g(12.1mmol)を加え、その後室温にて18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜3/7)により精製して、標記化合物3.00g(収率:98%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.67 (dd, 1H, J = 8.3 Hz, 1.0 Hz), 7.64-7.58 (m, 2H), 7.48-7.45 (m, 1H), 7.16-7.13 (m, 1H), 7.05 (br d, 1H, J = 7.3 Hz), 6.68-6.65 (m, 1H), 6.58 (br d, 1H, J = 8.3 Hz), 4.08-4.05 (m, 1H), 3.73-3.69 (m, 4H), 2.96 (d, 1H, J = 11.7 Hz), 2.91 (d, 1H, J = 11.7 Hz), 2.81-2.70 (m, 3H), 2.32 (dd, 1H, J = 12.2 Hz, 10.7 Hz), 2.21-2.17 (m, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.31 (q, 1H, J = 12.0 Hz), 1.22 (s, 3H), 1.21 (s, 3H)。
(23b) メチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(23a)で得られたメチル (3S,5R)−5−({1,1−ジメチル−2−[(2−メチルフェニル)アミノ]エチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート3.00g(6.0mmol)とトリエチルアミン4.81g(47.5mmol)の塩化メチレン(60ml)溶液に、氷冷下にて、ブロモアセチルブロミド4.79g(23.8mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液を1時間要して加え、その後室温にて20分間攪拌し、さらに40℃にて3時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物2.73g(収率:84%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.03-8.01 (m, 1H), 7.76-7.71 (m, 2H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.27-7.21 (m, 3H), 7.13-7.06 (m, 1H), 4.05-4.00 (m, 1H), 3.87-3.81 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.68-3.15 (m, 5H), 2.79-2.66 (m, 3H), 2.24-2.18 (m, 4H), 1.75-1.66 (m, 1H), 1.37-1.34 (m, 6H)。
(23c) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
実施例(23b)で得られたメチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート2.73g(5.0mmol)とチオフェノール0.77ml(7.5mmol)のアセトニトリル(100ml)溶液に、氷冷下にて、炭酸セシウム1.96g(6.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、メチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボキシラート1.8g(収率:定量的)を得た。ここで得られたメチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−ジカルボキシラート1.8g(5.0mmol)と炭酸水素ナトリウム1.25g(14.9mmol)の酢酸エチル(50ml)と水(50ml)混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボナート1.04g(4.8mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/9)により精製して、標記化合物1.82g(収率:79%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.27-7.21 (m, 3H), 7.12-7.08 (m, 1H), 4.30 (br s, 1H), 4.08 (br s, 1H), 3.72-3.52 (m, 5H), 3.39-3.35 (m, 1H), 3.21 (br d, 1H, J = 11.2 Hz), 3.01-2.97 (m, 1H), 2.70-2.54 (m, 3H), 2.24-2.23 (m, 3H), 2.12 (br d, 1H, J = 12.7 Hz), 1.83-1.74 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.36-1.32 (m, 6H)。
(23d) (3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸
実施例(23c)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート1.82g(4.0mmol)のテトラヒドロフラン(36ml)と水(18ml)混合物に、氷冷下にて、水酸化リチウム・1水和物333mg(7.9mmol)を加え、同温度にて3.5時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加えて酸性(pH2−3)とし、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、標記化合物1.78g(収率:定量的)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.28-7.23 (m, 3H), 7.12-7.08 (m, 1H), 4.30 (br s, 1H), 4.05 (br s, 1H), 3.79-3.63 (m, 2H), 3.44-3.18 (m, 2H), 3.00 (br s, 1H), 2.73-2.54 (m, 3H), 2.24-2.17 (m, 4H), 1.79-1.70 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.36-1.33 (m, 6H)。
(23e) tert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(23d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸300mg(0.67mmol)、参考例6で得られた(2R)−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン195mg(1.35mmol)およびジイソプロピルエチルアミン352μl(2.02mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)306mg(0.81mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物236mg(収率:61%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.27-7.21 (m, 3H), 7.12-7.08 (m, 1H), 5.64 (br s, 1H), 4.23-4.03 (m, 2H), 3.75-3.68 (m, 1H), 3.59-3.35 (m, 7H), 3.22-3.18 (m, 1H), 2.98 (br s, 1H), 2.78-2.68 (m, 2H), 2.34 (br s, 1H), 2.24-2.22 (m, 3H), 2.01-1.95 (m, 2H), 1.62-1.54 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.46-1.31 (m, 8H), 1.21-1.18 (m, 3H), 0.93 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
(23f) (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(23e)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート235mg(0.45mmol)の塩化メチレン(1.37ml)溶液に、トリフルオロ酢酸0.686ml(8.91mmol)を加え、室温下にて20分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド154mg(収率:73%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド154mg(0.33mmol)のメタノール(3ml)溶液に、フマル酸38mg(0.33mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物154mg(収率:80%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 7.31-7.25 (m, 3H), 7.15-7.09 (m, 1H), 6.69 (s, 2H), 4.14-4.08 (m, 1H), 3.69-2.94 (m, 13H), 2.81-2.75 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.15-2.11 (m, 1H), 1.98-1.89 (m, 1H), 1.66-1.60 (m, 1H), 1.42-1.31 (m, 8H), 1.17 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 0.95-0.90 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:473((M+H))。
(実施例24)
(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(24a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(23d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸200mg(0.45mmol)、(1R)−1−フェニルプロパン−1−アミン121mg(0.90mmol)およびジイソプロピルエチルアミン174mg(1.35mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)256mg(0.68mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物232mg(収率:92%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.35-7.20 (m, 8H), 7.11-7.05 (m, 1H), 6.24 (br s, 1H), 4.87 (br q, 1H, J = 7.7 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.49 (m, 2H), 3.35 (br d, 1H, J = 11.2 Hz), 3.20-2.70 (m, 4H), 2.38 (br s, 1H), 2.23 (s, 1.5H), 2.20 (s, 1.5H), 1.89-1.77 (m, 4H), 1.48 (s, 9H), 1.34-1.27 (m, 6H), 0.88 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
(24b) (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(24a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート232mg(0.41mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド125mg(収率:66%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド125mg(0.27mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸31.4mg(0.27mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物128mg(収率:82%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.35-7.24 (m, 8H), 7.12-7.07 (m, 1H), 6.72 (s, 2H), 4.73 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 3.66-3.46 (m, 4H), 3.40-3.20 (m, 3H), 3.06-2.85 (m, 3H), 2.19 (s, 1.5H), 2.16 (s, 1.5H), 2.07-2.04 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 3H), 1.36-1.35 (m, 6H), 0.93-0.90 (m, 3H)。
マススペクトル(FAB),m/z:463((M+H))。
(実施例25)
(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(25a) tert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(23d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸300mg(0.67mmol)、参考例10で得られた(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエタン−1−アミン 塩酸塩266mg(1.35mmol)およびジイソプロピルエチルアミン348mg(2.70mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)307mg(0.81mmol)を加え、室温下にて1.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物278mg(収率:70%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.36-7.20 (m, 8H), 7.11-7.05 (m, 1H), 6.03 (br s, 1H), 5.06 (br q, 1H, J = 7.3 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.50 (m, 2H), 3.36-3.33 (m, 1H), 3.18 (br t, 1H, J = 11.0 Hz), 2.95-2.69 (m, 3H), 2.36 (br s, 1H), 2.23 (s, 1.5H), 2.20 (s, 1.5H), 1.91-1.61 (m, 4H), 1.48 (s, 9H), 1.34-1.28 (m, 6H), 0.59-0.55 (m, 1H), 0.48-0.38 (m, 2H), 0.16-0.12 (m, 1H), 0.06-0.02 (m, 1H)。
(25b) (3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(25a)で得られたtert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート278mg(0.47mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて25分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド151mg(収率:65%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド151mg(0.31mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸35.9mg(0.31mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物160mg(収率:86%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.34-7.22 (m, 8H), 7.12-7.07 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 4.94 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.63-3.19 (m, 7H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.97 (br t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.94-2.86 (m, 1H), 2.19 (s, 1.5H), 2.16 (s, 1.5H), 2.07-2.04 (m, 1H), 1.90-1.81 (m, 1H), 1.74-1.64 (m, 2H), 1.36-1.35 (m, 6H), 0.68-0.63 (m, 1H), 0.49-0.36 (m, 2H), 0.17-0.13 (m, 1H), 0.05-0.01 (m, 1H)。
マススペクトル(FAB),m/z:489((M+H))。
(実施例26)
(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(26a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(23d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸200mg(0.45mmol)、参考例11で得られた(1R)−3−メチル−1−フェニルブタン−1−アミン 塩酸塩179mg(0.90mmol)およびジイソプロピルエチルアミン232mg(1.80mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)256mg(0.68mmol)を加え、室温下にて3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物183mg(収率:69%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.35-7.20 (m, 8H), 7.10-7.05 (m, 1H), 5.90-5.60 (m, 1H), 5.04 (br q, 1H, J = 7.8 Hz), 4.20-4.00 (m, 2H), 3.71-3.49 (m, 2H), 3.36-3.33 (m, 1H), 3.17 (br t, 1H, J = 11.7 Hz), 2.94-2.69 (m, 3H), 2.37-2.30 (m, 1H), 2.23-2.20 (m, 3H), 1.88-1.26 (m, 20H), 0.95-0.92 (m, 6H)。
(26b) (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(26a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート183mg(0.36mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド91mg(収率:52%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド92mg(0.19mmol)のメタノール(1ml)溶液に、フマル酸21.7mg(0.19mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物91mg(収率:82%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.34-7.23 (m, 8H), 7.12-7.06 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 4.94 (br dd, 1H, J = 9.3 Hz, 5.9 Hz), 3.62-3.45 (m, 4H), 3.39-3.19 (m, 3H), 3.04 (br t, 1H, J = 12.0 Hz), 2.96 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.91-2.83 (m, 1H), 2.19 (s, 1.5H), 2.16 (s, 1.5H), 2.05-2.02 (m, 1H), 1.87-1.69 (m, 2H), 1.62-1.55 (m, 2H), 1.36 (br s, 6H), 0.97 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.94 (d, 3H, J = 5.9 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:491((M+H))。
(実施例27)
(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(27a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(23d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸250mg(0.56mmol)、参考例17で得られた(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩287mg(1.12mmol)およびジイソプロピルエチルアミン289mg(2.24mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)255mg(0.67mmol)を加え、室温下にて1.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物228mg(収率:67%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.40 (br s, 1H), 7.39-7.35 (m, 1H), 7.26-7.21 (m, 4H), 7.11-7.05 (m, 1H), 6.49-6.48 (m, 1H), 5.13 (br q, 1H, J = 7.7 Hz), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.49 (m, 2H), 3.35 (br d, 1H, J = 11.7 Hz), 3.19-3.16 (m, 1H), 2.96-2.69 (m, 3H), 2.40 (br s, 1H), 2.23 (s, 1.5H), 2.20 (s, 1.5H), 1.89 (br s, 2H), 1.69-1.28 (m, 18H), 0.95-0.92 (m, 6H)。
(27b) (3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(27a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート228mg(0.37mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド177mg(収率:93%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[2,2−ジメチル−4−(2−メチルフェニル)−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド177mg(0.35mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸40.3mg(0.35mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物172mg(収率:79%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 8.41 (br s, 1H), 7.59-7.54 (m, 1H), 7.41-7.38 (m, 1H), 7.30-7.24 (m, 3H), 7.12-7.09 (m, 1H), 6.70 (s, 2H), 5.06-5.03 (m, 1H), 3.64-3.46 (m, 4H), 3.41-3.19 (m, 3H), 3.04 (t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.98-2.87 (m, 2H), 2.19 (s, 1.5H), 2.17 (s, 1.5H), 2.13-2.09 (m, 1H), 1.86-1.57 (m, 4H), 1.38-1.36 (m, 6H), 0.98-0.93 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:510((M+H))。
(実施例28)
(3S,5R)−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(28a) メチル (3S,5R)−5−({2−[(5−フルオロ−2−メチルフェニル)アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(1e)で得られたメチル (3S,5R)−5−[(1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル)アミノ]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート2.5g(6.1mmol)と5−フルオロ−2−メチルアニリン1.13g(9.0mmol)のトルエン(60ml)溶液に、酢酸1.27g(21.1mmol)を加え、加熱還流下にて、生成する水を除去しながら2.5時間攪拌した。冷却後、反応混合物に、氷冷下にて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.56g(12.1mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜7/3)により精製して、標記化合物3.10g(収率:98%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.75 (dd, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 7.66-7.59 (m, 2H), 7.51 (dt, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 6.95 (br t, 1H, J = 7.3 Hz), 6.32 (dt, 1H, J = 8.3 Hz, 2.4 Hz), 6.23 (dd, 1H, J = 11.2 Hz, 2.4 Hz), 4.26 (br s, 1H), 4.07-4.05 (m, 1H), 3.69-3.64 (m, 4H), 2.89-2.84 (m, 2H), 2.80-2.70 (m, 3H), 2.36-2.32 (m, 1H), 2.21-2.17 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.31 (q, 1H, J = 12.0 Hz), 1.22 (s, 3H), 1.20 (s, 3H)。
(28b) メチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート
実施例(28a)で得られたメチル (3S,5R)−5−({2−[(5−フルオロ−2−メチルフェニル)アミノ]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート3.10g(5.9mmol)とトリエチルアミン4.79g(47.4mmol)の塩化メチレン(60ml)溶液に、氷冷下にて、ブロモアセチルブロミド4.77g(23.7mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液を2時間要して加え、その後室温にて15分間攪拌し、さらに40℃にて2時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物2.81g(収率:84%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.03-8.02 (m, 1H), 7.76-7.71 (m, 2H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.27-7.20 (m, 1H), 6.95 (dq, 1H, J = 8.3 Hz, 2.4 Hz), 6.87-6.81 (m, 1H), 4.05-3.99 (m, 1H), 3.87-3.80 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.68-3.14 (m, 5H), 2.80-2.66 (m, 3H), 2.32-2.17 (m, 4H), 1.74-1.66 (m, 1H), 1.37-1.34 (m, 6H)。
(28c) 1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート
実施例(28b)で得られたメチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−1−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]ピペリジン−3−カルボキシラート2.81g(5.0mmol)とチオフェノール0.77ml(7.5mmol)のアセトニトリル(100ml)溶液に、氷冷下にて、炭酸セシウム1.96g(6.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、メチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシラート1.9g(収率:定量的)を得た。ここで得られたメチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシラート1.9g(5.0mmol)と炭酸水素ナトリウム1.25g(14.9mmol)の酢酸エチル(50ml)と水(50ml)混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボナート1.04g(4.8mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜1/9)により精製して、標記化合物1.72g(収率:72%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.21 (dd, 1H, J = 8.3 Hz, 6.8 Hz), 6.97-6.93 (m, 1H), 6.86-6.83 (m, 1H), 4.29 (br s, 1H), 4.09 (br s, 1H), 3.71-3.51 (m, 5H), 3.37-3.33 (m, 1H), 3.19 (br d, 1H, J = 11.7 Hz), 3.01-2.97 (m, 1H), 2.69-2.53 (m, 3H), 2.18-2.10 (m, 4H), 1.81-1.74 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.36-1.32 (m, 6H)。
(28d) (3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸
実施例(28c)で得られた1−tert−ブチル 3−メチル (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1,3−ジカルボキシラート1.72g(3.6mmol)のテトラヒドロフラン(36ml)と水(18ml)混合物に、氷冷下にて、水酸化リチウム・1水和物302mg(7.2mmol)を加え、同温度にて4時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸を加えて酸性(pH2−3)とし、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、標記化合物1.68g(収率:定量的)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.22 (dd, 1H, J = 8.3 Hz, 6.3 Hz), 6.98-6.94 (m, 1H), 6.87-6.83 (m, 1H), 4.29 (br s, 1H), 4.09 (br s, 1H), 3.78-3.61 (m, 2H), 3.42-3.18 (m, 2H), 3.01 (br s, 1H), 2.74-2.54 (m, 3H), 2.32-2.16 (m, 4H), 1.78-1.71 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.36-1.34 (m, 6H)。
(28e) tert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(28d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸358mg(0.77mmol)、参考例6で得られた(2R)−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン224mg(1.54mmol)およびジイソプロピルエチルアミン404μl(2.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)351mg(0.93mmol)N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)溶液を加え、室温にて3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物268mg(収率:59%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 7.23-7.19 (m, 1H), 6.97-6.92 (m, 1H), 6.87-6.82 (m, 1H), 5.64 (br s, 1H), 4.22-4.05 (m, 2H), 3.75-3.68 (m, 1H), 3.59-3.34 (m, 7H), 3.20-3.14 (m, 1H), 2.98 (br s, 1H), 2.74-2.68 (m, 2H), 2.34 (br s, 1H), 2.19-2.17 (m, 3H), 1.94 (br s, 2H), 1.64-1.54 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.45-1.31 (m, 8H), 1.20 (t, 3H, J = 6.8 Hz), 0.93 (s, 3H), 0.92 (s, 3H)。
(28f) (3S,5R)−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(28e)で得られたtert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]カルバモイル}−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート268mg(0.45mmol)の塩化メチレン(1.4ml)溶液に、トリフルオロ酢酸699μl(9.1mmol)を加え、室温下にて20分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド184mg(収率:83%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−N−[(1R)−1−(エトキシメチル)−3−メチルブチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド184mg(0.38mmol)のメタノール(4ml)溶液に、フマル酸43.5mg(0.38mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物197mg(収率:87%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.31-7.29 (m, 1H), 7.04-7.01 (m, 1H), 6.96-6.91 (m, 1H), 6.69 (s, 2H), 4.13-4.08 (m, 1H), 3.68-3.16 (m, 11H), 3.08-2.94 (m, 2H), 2.82-2.77 (m, 1H), 2.17-2.10 (m, 4H), 1.96-1.89 (m, 1H), 1.67-1.59 (m, 1H), 1.44-1.32 (m, 8H), 1.17 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 0.95-0.90 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:491((M+H))。
(実施例29)
(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(29a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(28d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸200mg(0.43mmol)、(1R)−1−フェニルプロパン−1−アミン117mg(0.86mmol)およびジイソプロピルエチルアミン167mg(1.29mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)196mg(0.52mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物236mg(収率:94%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.34-7.18 (m, 6H), 6.95-6.91 (m, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 6.29-5.95 (m, 1H), 4.87 (br q, 1H, J = 7.8 Hz), 4.21 (br s, 1H), 4.01 (br s, 1H), 3.70-3.48 (m, 2H), 3.33 (br d, 1H, J = 10.7 Hz), 3.18-2.69 (m, 4H), 2.34 (br s, 1H), 2.18 (s, 1.5H), 2.15 (s, 1.5H), 1.89-1.61 (m, 3H), 1.58-1.45 (m, 10H), 1.33-1.27 (m, 6H), 0.90-0.87 (m, 3H)。
(29b) (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(29a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−フェニルプロピル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート236mg(0.41mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド160mg(収率:82%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−フェニルプロピル]ピペリジン−3−カルボキシアミド160mg(0.33mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸38.7mg(0.33mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物162mg(収率:82%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.34-7.23 (m, 6H), 7.04-7.00 (m, 1H), 6.94-6.91 (m, 1H), 6.72 (s, 2H), 4.73 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.63-3.46 (m, 4H), 3.40-3.19 (m, 3H), 3.05 (br t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.98 (t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.92-2.87 (m, 1H), 2.15-2.12 (m, 3H), 2.07-2.02 (m, 1H), 1.88-1.77 (m, 3H), 1.36 (br s, 6H), 0.91 (br t, 3H, J = 7.3 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:481((M+H))。
(実施例30)
(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(30a) tert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(28d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸300mg(0.65mmol)、参考例10で得られた(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエタン−1−アミン 塩酸塩255mg(1.29mmol)およびジイソプロピルエチルアミン334mg(2.59mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)294mg(0.77mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物230mg(収率:58%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.34-7.18 (m, 6H), 6.95-6.92 (m, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 5.89 (br s, 1H), 5.08-5.04 (m, 1H), 4.26-4.00 (m, 2H), 3.71-3.49 (m, 2H), 3.33 (br d, 1H, J = 11.7 Hz), 3.16 (br t, 1H, J = 10.0 Hz), 2.95-2.69 (m, 3H), 2.35 (br s, 1H), 2.18 (s, 1.5H), 2.15 (s, 1.5H), 1.90-1.61 (m, 4H), 1.48 (s, 9H), 1.34-1.28 (m, 6H), 0.60-0.55 (m, 1H), 0.47-0.40 (m, 2H), 0.16-0.11 (m, 1H), 0.06-0.02 (m, 1H)。
(30b) (3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(30a)で得られたtert−ブチル (3S,5R)−3−{[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]カルバモイル}−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシラート230mg(0.38mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド134mg(収率:72%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボキシアミド134mg(0.27mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸30.7mg(0.27mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物128mg(収率:77%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.34-7.24 (m, 6H), 7.04-7.00 (m, 1H), 6.95-6.92 (m, 1H), 6.71 (s, 2H), 4.94 (br t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.63-3.47 (m, 4H), 3.41-3.19 (m, 3H), 3.04 (br t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.97 (t, 1H, J = 12.5 Hz), 2.92-2.86 (m, 1H), 2.15-2.12 (m, 3H), 2.06-2.0 (m, 1H), 1.90-1.81 (m, 1H), 1.74-1.64 (m, 2H), 1.36 (br s, 6H), 0.68-0.63 (m, 1H), 0.49-0.36 (m, 2H), 0.17-0.12 (m, 1H), 0.05-0.01 (m, 1H)。
マススペクトル(FAB),m/z:507((M+H))。
(実施例31)
(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(31a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(28d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸200mg(0.43mmol)、参考例11で得られた(1R)−3−メチル−1−フェニルブタン−1−アミン 塩酸塩172mg(0.86mmol)およびジイソプロピルエチルアミン167mg(1.29mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)196mg(0.52mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3〜0/1)により精製して、標記化合物188mg(収率:71%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ: 7.34-7.18 (m, 6H), 6.95-6.91 (m, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 5.89 (br s, 1H), 5.04 (br q, 1H, J = 7.8 Hz), 4.20-4.00 (m, 2H), 3.70-3.48 (m, 2H), 3.33 (br d, 1H, J = 11.7 Hz), 3.16 (br t, 1H, J = 10.0 Hz), 2.93-2.69 (m, 3H), 2.37-2.32 (m, 1H), 2.18-2.15 (m, 3H), 1.87-1.26 (m, 20H), 0.95-0.92 (m, 6H)。
(31b) (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(31a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート188mg(0.31mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸1.2ml(15.6mmol)を加え、室温下にて15分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=1/0〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド132mg(収率:84%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド132mg(0.26mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に、フマル酸30.1mg(0.26mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物124mg(収率:76%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 500MHz),δ : 7.34-7.24 (m, 6H), 7.04-7.00 (m, 1H), 6.94-6.91 (m, 1H), 6.71 (s, 2H), 4.95-4.93 (m, 1H), 3.62-3.46 (m, 4H), 3.38-3.19 (m, 3H), 3.03 (br t, 1H, J = 12.0 Hz), 2.96 (t, 1H, J = 12.2 Hz), 2.91-2.86 (m, 1H), 2.15-2.12 (m, 3H), 2.03-1.99 (m, 1H), 1.86-1.78 (m, 1H), 1.75-1.69 (m, 1H), 1.61-1.54 (m, 2H), 1.35 (br s, 6H), 0.97-0.93 (m, 6H)。
マススペクトル(FAB),m/z:509((M+H))。
(実施例32)
(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
(32a) tert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例(28d)で得られた(3S,5R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]ピペリジン−3−カルボン酸301mg(0.65mmol)、参考例17で得られた(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩332mg(1.30mmol)およびジイソプロピルエチルアミン453μl(2.60mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.5ml)溶液に、氷冷下にて、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)296mg(0.78mmol)を加え、室温下にて1.5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を1規定塩酸、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)およびNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物247mg(収率:61%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 8.41 (br s, 1H), 7.39-7.35 (m, 1H), 7.26-7.18 (m, 2H), 6.96-6.91 (m, 1H), 6.85-6.80 (m, 1H), 6.46 (br d, 1H, J = 8.2 Hz), 5.13 (br q, 1H, J = 7.8 Hz), 4.29-4.00 (m, 2H), 3.70-3.48 (m, 2H), 3.35 (br d, 1H, J = 10.5 Hz), 3.18-3.14 (m, 1H), 2.96-2.69 (m, 3H), 2.39 (br s, 1H), 2.18 (s, 1.5H), 2.14 (s, 1.5H), 1.88 (br s, 2H), 1.70-1.28 (m, 18H), 0.95-0.92 (m, 6H)。
(32b) (3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド フマル酸塩
実施例(32a)で得られたtert−ブチル (3R,5S)−3−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−5−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシラート247mg(0.39mmol)の塩化メチレン(1.2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸606μl(7.8mmol)を加え、室温下にて30分間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をNHシルカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=20/1〜7/3)により精製して、(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド165mg(収率:80%)を得た。ここで得られた(3S,5R)−5−[4−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピペラジン−1−イル]−N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]ピペリジン−3−カルボキシアミド165mg(0.31mmol)のメタノール(3ml)溶液に、フマル酸36mg(0.31mmol)を加え、室温下にて5分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣を適量の塩化メチレンに溶解したのち過剰量のエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物181mg(収率:90%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD, 400MHz),δ : 8.41 (br s, 1H), 7.59-7.52 (m, 1H), 7.43-7.38 (m, 1H), 7.31-7.28 (m, 1H), 7.04-7.00 (m, 1H), 6.96-6.93 (m, 1H), 6.69 (s, 2H), 5.04 (br dd, 1H, J = 8.4 Hz, 6.5 Hz), 3.64-3.18 (m, 7H), 3.02 (br t, 1H, J = 12.1 Hz), 2.98-2.90 (m, 2H), 2.16-2.07 (m, 4H), 1.89-1.56 (m, 4H), 1.37-1.35 (m, 6H), 0.97 (d, 3H, J = 6.7 Hz), 0.94 (d, 3H, J = 6.7 Hz)。
マススペクトル(FAB),m/z:528((M+H))。
(参考例1)
(3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸
(1a) 1−tert−ブチル 3,5−ジメチルピペリジン−1,3,5−トリカルボキシラート
メタノール(500ml)に、氷冷下にて、塩化チオニル32ml(441mmol)を加え、次いでピリジン−3,5−ジカルボン酸25.47g(152mmol)を加えて、加熱還流下にて6時間撹拌した。反応混合物を減圧下にて溶媒を留去して、粗製のジメチル ピリジン−3,5−ジカルボキシラート塩酸塩を得た。ここで得られた粗製のジメチル ピリジン−3,5−ジカルボキシラート塩酸塩と酸化白金(IV)0.64gの酢酸(200ml)混合物を、水素雰囲気下にて、室温で5日間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、白金触媒を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮し、トルエン及びメタノールで共沸した。この残渣に塩化メチレン300mlを加えて溶解し、氷冷下にて、トリエチルアミン32.0ml(230mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート36.01g(165mmol)を加え、室温下にて3時間攪拌した。反応終了後、不溶物を濾別し、ヘキサンおよび酢酸エチルで洗浄した。濾液および洗液を合わせて、減圧下にて濃縮した。残渣に、酢酸エチルを加え、再度不溶物を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/1〜50/1)により精製して、標記化合物44.10g(3工程通算収率:90%)を得た。
白色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ: 4.58-4.10 (1.4H, m), 3.70 (6H, s), 3.84-3.35 (1H, m), 2.88-2.56 (2H, m), 2.55-2.34 (2H, m), 2.20-1.93 (0.6H, m), 1.76-1.56 (1H, m), 1.46 and 1.45 (total 9H, each s)。
(1b) 1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3,5−ジカルボン酸
参考例(1a)で得られた1−tert−ブチル 3,5−ジメチル ピペリジン−1,3,5−トリカルボキシラート45.0g(149mmol)のメタノール(600ml)および水(150ml)溶液に、炭酸カリウム60.3g(436mmol)を加え、加熱還流下にて12時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物を減圧下にて濃縮し、この濃縮混合物に3規定塩酸を加えてpH3に調整し、析出した固体を濾取した。得られた固体を、水及びジイソプロピルエーテルを用いて洗浄後、乾燥して、標記化合物30.0g(収率:74%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,400MHz),δ : 4.32 (2H, br d, J = 9.8 Hz), 2.80-2.64 (br, 2H), 2.49-2.40 (m, 3H), 1.68-1.60 (m, 1H), 1.47 (s, 9H)。
(1c) (3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸
参考例(1b)で得られた1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−3,5−ジカルボン酸22.39g(81.9mmol)を、無水酢酸(200ml)に溶解し、100℃にて10時間攪拌した。室温にて冷却したのち、反応混合物を減圧下にて溶媒を留去し、粗製のtert−ブチル 2,4−ジオキソ−3−オキサ−7−アザビシクロ[3,3,1]ノナン−7−カルボキシラート21.13gを得た。ここで得られた粗製のtert−ブチル 2,4−ジオキソ−3−オキサ−7−アザビシクロ[3,3,1]ノナン−7−カルボキシラート21.13gのテトラヒドロフラン(820ml)溶液に、−20℃にて冷却下にて、N−[(9S)−6‘−メトキシシンコナン−9−イル]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド(Angew. Chem. Int. Ed., 2008年, 第47巻, p.7872に記載された不斉有機触媒I)7.45g(12.4mmol)およびメタノール33.5ml(827mmol)を加え、同温度にて20時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸(300ml)を加えて酸性とし、室温に戻したのち、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜1/1〜0/1)により精製して、標記化合物19.35g(2工程通算収率:81%)を得た。
得られた(3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸は、分析用光学活性HPLCカラム[ChiralPak AD−H(0.46cm×25cm)、ダイセル社製、溶出溶媒:n−ヘキサン/エタノール=95/5、流速:0.5ml/min)]で光学純度を決定した。目的とする(3R,5S)体の保持時間は29.6分であり、対応する異性体である(3S,5R)体の保持時間は33.3分であり、光学純度は96%eeであった。
得られた(3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸は、エタノール中で(R)−フェネチルアミンと塩を形成させ、得られた(R)−フェネチルアミン塩をエタノールから再結晶を行うことにより、光学純度が99%以上の(3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(メトキシカルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸を得ることができた。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 4.37 (br s, 2H), 3.71 (s, 3H), 2.72 (br s, 2H), 2.55-2.45 (m, 3H), 1.72 (q, 1H, J = 12.7 Hz), 1.47 (s, 9H)。
(参考例2)
(3R)−5−メチルヘキサン−3−アミン 塩酸塩
(2a) tert−ブチル [(1S)−3−メチル−1−ビニルブチル]カルバメート
tetr−ブチル [(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−3−メチルブチル]カルバメート1.50g(6.9mmol)とトリエチルアミン2.88ml(20.7mmol)のジメチルスルホキシド(15ml)溶液に、氷冷下にて、三酸化硫黄−ピリジン錯体3.30g(20.7mmol)のジメチルスルホキシド(15ml)溶液を加え、同温度にて10分間攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、ジエチルエーテルで3回抽出後、有機層を10%クエン酸水溶液、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、粗製のtert−ブチル[(1S)−1−ホルミル−3−メチルブチル]カルバメートを得た。ここで得られたtert−ブチル[(1S)−1−ホルミル−3−メチルブチル]カルバメートのトルエン溶液(13ml)に、氷冷下にて、メチレントリフェニルホスホラン5.70g(20.7mmol)を加え、その後室温で一晩攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜4/1)により精製して、標記化合物0.86g(2工程通算収率:58%)を得た。
無色油状物。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 5.77-5.70 (m, 1H), 5.15 (br d, 1H, J = 17.6 Hz), 5.06 (br d, 1H, J = 10.3 Hz), 4.38 (br s, 1H), 4.14 (br s, 1H), 1.72-1.64 (m, 1H), 1.44 (br s, 9H), 1.36-1.30 (m, 2H), 0.93-0.91 (m, 6H)。
(2b) (3R)−5−メチルヘキサン−3−アミン 塩酸塩
参考例(2a)で得られたtert−ブチル [(1S)−3−メチル−1−ビニルブチル]カルバメート0.86g(4.0mmol)と10%パラジウム炭素(50%含水)430mgのメタノール(30ml)混合物を、水素雰囲気下にて、室温で1.5時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮して、粗製のtert−ブチル [(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]カルバメートを得た。
ここで得られた粗製のtert−ブチル [(1R)−1−エチル−3−メチルブチル]カルバメートの塩化メチレン(10ml)溶液に、トリフルオロ酢酸5ml(65mmol)を加え、室温にて10分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出後、有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣に4規定塩酸−ジオキサン溶液2ml(8mmol)を加え、減圧下にて溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加えて、析出固体を濾取し、酢酸エチルにて洗浄後乾燥して、標記化合物340mg(2工程通算収率:56%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.34 (br s, 3H), 3.22-3.16 (m, 1H), 1.92-1.84 (m, 1H), 1.80-1.64 (m, 3H), 1.50-1.44 (m, 1H), 1.08 (t, 3H, J = 7.8 Hz), 0.95-0.93 (m, 6H)。
(参考例3)
1−イソブチルシクロペンタン−1−アミン 塩酸塩
ジイソプロピルアミン5.8ml(41.3mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷下にて、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6mol/l)26.4ml(42.2mmol)を15分間要して加え、同温度にて15分間攪拌して、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を調製した。このLDA溶液をドライアイス−アセトン浴にて冷却し、エチル シクロペンタンカルボキシラート5.30g(37.4mmol)を5分間要して加え、同温度にて40分間攪拌した。次いで、ヨウ化イソブチル7.60g(41.3mmol)およびヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)8mlを加え、室温に昇温し、同温度にて2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルにて抽出し、有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去して、粗製のエチル 1−イソブチルシクロペンタン−1−カルボキシラート6.5gを得た。
カリウムtert−ブトキシド18.60g(166mmol)と水0.74ml(41mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)混合物に、先の反応で得られた粗製のエチル 1−イソブチルシクロペンタン−1−カルボキシラート4.11g(20.8mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物に、1規定塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去して、粗製の1−イソブチルシクロペンタン−1−カルボン酸4.1gを得た。
この反応で得られた粗製の1−イソブチルシクロペンタン−1−カルボン酸(86%含量)4.0g(20.2mmol)とトリエチルアミン3.4ml(24.4mmol)のトルエン(45ml)溶液に、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)7.10g(25.8mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで90℃で1時間攪拌した。反応混合物に、90℃でベンジルアルコール4.8ml(44mmol)を加え、さらに90℃で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜4/1)により精製して、ベンジル (1−イソブチルシクロペンチル)カルバメート4.5g(3工程通算収率:71%)を得た。
ここで得られたベンジル (1−イソブチルシクロペンチル)カルバメート4.5g(16.3mmol)と20%水酸化パラジウム−炭素(50%含水)1.5gのメタノール(60ml)混合物を、水素雰囲気下、室温で6時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液に、4規定塩酸−ジオキサン8.2ml(32.4mmol)を加え、溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加えて、析出固体を濾取し、酢酸エチルにて洗浄後乾燥して、標記化合物1.50g(収率:52%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 1.86-1.75 (m, 9H), 1.66(d, 2H, J = 5.9 Hz), 1.02 (d, 6H, J = 6.8 Hz)。
(参考例4)
4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブタン−2−アミン 塩酸塩
4,4,4−トリフルオロ−2,2−ジメチル酪酸エチル5.00g(25.4mmol)のエタノール(25ml)−水(25ml)溶液に、2規定水酸化カリウム水溶液50ml(100mmol)を加え、60℃で4日間攪拌した。反応混合物に、1規定塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去して、粗製の4,4,4−トリフルオロ−2,2−ジメチル酪酸5.00gを得た。
この反応で得られた粗製の4,4,4−トリフルオロ−2,2−ジメチル酪酸(86%含量)5.00g(25.4mmol)とトリエチルアミン4.2ml(30.2mmol)のトルエン(60ml)溶液に、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)8.90g(32.3mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで90℃で1.5時間攪拌した。反応混合物に、90℃でベンジルアルコール6.0ml(55mmol)を加え、さらに90℃で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜4/1)により精製して、ベンジル (3,3,3−トリフルオロ−1,1−ジメチルプロピル)カルバメート6.40g(2工程通算収率:92%)を得た。
ここで得られたベンジル (3,3,3−トリフルオロ−1,1−ジメチルプロピル)カルバメート6.40g(23.2mmol)と20%水酸化パラジウム−炭素(50%含水)2.00gのメタノール(80ml)混合物を、水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液に、4規定塩酸−ジオキサン12ml(48mmol)を加え、溶媒を留去した。残渣に水を加え、水層をジエチルエーテルで洗浄したのち、1規定水酸化ナトリウム水溶液加えて塩基性とし、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液に、4規定塩酸−ジオキサン6ml(24mmol)を加え、析出固体を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄後乾燥して、標記化合物2.10g(収率:51%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 2.71 (q, 2H, J = 11.2 Hz), 2.66 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 1.50 (s, 6H)。
(参考例5)
N,N−ジメチル−L−ロイシンアミド 塩酸塩
N−tert−ブトキシカルボニル−L−ロイシン1水和物600mg(2.41mmol)の塩化メチレン(8ml)溶液に、氷冷下で1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物369mg(2.41mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(WSC)塩酸塩509mg(2.66mmol)およびジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(2.0mol/l)2.60ml(5.20mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物に0.5規定塩酸を加え、塩化メチレンで抽出後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=100/1〜50/1)により精製して、N−(tert−ブトキシカルボニル)−N,N−ジメチル−L−ロイシンアミド538mg(収率:87%)を得た。ここで得られたN−(tert−ブトキシカルボニル)−N,N−ジメチル−L−ロイシンアミド538mg(2.08mmol)の1,4−ジオキサン(3.0ml)溶液に、4規定塩酸−ジオキサン溶液3.0ml(12mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。減圧下にて溶媒を留去して、標記化合物385mg(収率:95%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(DMSO-d6,500MHz),δ : 8.44-8.02 (m, 3H), 4.34-4.22 (m, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 1.84-1.68 (m, 1H), 1.64-1.42 (m, 2H), 0.92 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
(参考例6)
(2R)−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン
(6a) (2R)−2−(ジベンジルアミノ)−4−メチルペンタン−1−オール
(R)−ロイシノール5g(42.67mmol)とベンジルブロミド11.16ml(93.87mmol)のエタノール(200ml)溶液に、炭酸カリウム14.74g(106.7mmol)を加え、室温下にて4日間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、水を加えて希釈し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜1/1)により精製して、標記化合物10.81g(収率:85%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 7.33-7.21 (m, 10H), 3.81 (d, 2H, J = 13.3 Hz), 3.48 (dd, 1H, J = 10.6 Hz, 5.1 Hz), 3.42 (d, 1H, J = 10.6 Hz), 3.37 (d, 2H, J = 13.3 Hz), 3.19 (br s, 1H), 2.84 (ddt, 1H, J = 9.8 Hz, 5.1 Hz, 2.4 Hz), 1.55-1.46 (m, 2H), 1.20-1.11 (m, 1H), 0.92 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.86 (d, 3H, J = 6.3 Hz)。
(6b) (2R)−N,N−ジベンジル−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン
参考例(6a)で得られた(2R)−2−(ジベンジルアミノ)−4−メチルペンタン−1−オール2.00g(6.72mmol)とヨウ化エチル0.7ml(8.74mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、室温下にて、水素化ナトリウム(60%含量)349mg(8.74mmol)を10分間要して加え、室温にて18時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜5/1)により精製して、標記化合物1.78g(収率:81%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 7.37 (br d, 4H, J = 7.4 Hz), 7.30-7.26 (m, 6H), 7.22-7.17 (m, 4H), 3.75 (d, 2H, J = 13.7 Hz), 3.66-3.61 (m, 3H), 3.45 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 3.38 (dd, 1H, J = 9.8 Hz, 5.1 Hz), 2.89-2.83 (m, 1H), 1.84-1.74 (m, 1H), 1.46 (ddd, 1H, J = 13.7 Hz, 8.2 Hz, 5.4 Hz), 2.22 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 1.10 (ddd, 1H, J = 13.7 Hz, 8.2 Hz, 5.4 Hz), 0.82 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.59 (d, 3H, J = 6.3 Hz)。
(6c) (2R)−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン
参考例(6b)で得られた(2R)−N,N−ジベンジル−1−エトキシ−4−メチルペンタン−2−アミン1.78g(5.47mmol)と20%水酸化パラジウム炭素(50%含水)360mgのメタノール(25ml)混合物を、1MPaの水素雰囲気下にて、室温で6時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮して、標記化合物799mg(収率:98%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 3.55-3.45 (m, 2H), 3.39 (dd, 1H, J = 9.0 Hz, 3.7 Hz), 3.12 (t, 1H, J = 8.6 Hz), 3.05-3.00 (m, 1H), 1.77-1.69 (m, 1H), 1.22-1.13 (m, 5H), 0.93 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.90 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
(参考例7)
2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)プロパン−2−アミン
(7a) ベンジル [1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル]カルバメート
ジイソプロピルアミン3.66ml(26.3mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、窒素雰囲気下、氷冷下にて、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6mol/l)16.5ml(26.3mmol)を15分間要して加え、同温度にて10分間攪拌して、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を調製した。このLDA溶液をドライアイス−アセトン浴にて冷却し、エチル (1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)アセテート5g(21.9mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を加え、同温度にて1時間攪拌後、ヨウ化メチル1.63ml(26.3mmol)を加え、室温で50分間攪拌した。反応混合物を再びドライアイス−アセトン浴にて冷却し、ジイソプロピルアミン3.66ml(26.3mmol)、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6mol/l)16.5ml(26.3mmol)およびテトラヒドロフラン(50ml)から調製したLDA溶液を加え、同温度にて1時間攪拌後、ヨウ化メチル1.63ml(26.3mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜7/3)により精製して、エチル 2−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−2−メチルプロパノエート3.84g(収率:68%)を得た。
この反応で得られたエチル 2−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−2−メチルプロパノエート3.84g(15.0mmol)のテトラヒドロフラン(15ml)−メタノール(15ml)溶液に、水酸化カリウム8.4g(149.8mmol)の水(15ml)溶液を加え、加熱還流下で2日間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下にて濃縮した。この濃縮混合物に、氷冷下にて5規定塩酸を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去して、粗製の2−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−2−メチルプロピオン酸を得た。
この反応で得られた粗製の2−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−2−メチルプロピオン酸とトリエチルアミン2.7ml(19.5mmol)のトルエン(75ml)溶液に、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)4.53g(16.5mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで90℃で2.5時間攪拌した。反応混合物に、90℃でベンジルアルコール3.1ml(30mmol)を加え、さらに90℃で4時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)により精製して、ベンジル[1−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−1−メチルエチル]カルバメートとベンジル [1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル]カルバメートの混合物を得た。
この反応で得られたベンジル[1−(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−8−イル)−1−メチルエチル]カルバメートとベンジル [1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル]カルバメートの混合物の80%酢酸水(100ml)溶液を室温で16時間攪拌し、さらに60℃で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、濃縮混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)により精製して、標記化合物1.35g(3工程通算収率:31%)を得た。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.38-7.31 (m, 5H), 5.06 (br s, 2H), 4.69 (br s, 1H), 2.56-2.32 (m, 5H), 2.06-2.04 (m, 2H), 1.51-1.42 (m, 2H), 1.30 (s, 6H)。
(7b) 2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)プロパン−2−アミン
参考例(7a)で得られたベンジル [1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル]カルバメート730mg(2.52mmol)の塩化メチレン(25ml)溶液に、氷冷下にて、三フッ化硫黄ジエチルアミン錯体(DAST)0.67ml(5.0mmol)を加え、室温にて6時間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜4/1)により精製して、ベンジル [1−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−メチルエチル]カルバメート444mg(収率:57%)を得た。
この反応で得られたベンジル [1−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−メチルエチル]カルバメート232mg(0.75mmol)の塩化メチレン(4ml)溶液に、氷冷下にて、ヨウ化トリメチルシラン127μl(0.89mmol)を加え、同温度にて30分間攪拌した。反応混合物に、同温度にて、ヨウ化トリメチルシラン100μl(0.70mmol)を追加し、室温で40分間攪拌した。反応混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで希釈し、2規定塩酸で抽出した。水層を5規定水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とし、塩化メチレンで抽出し、この有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去して、粗製の標記化合物95mg(収率:72%)を得た。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 2.18-2.10(m, 2H), 1.89-1.84 (m, 2H), 1.76-1.62 (m, 2H), 1.40-1.21 (m, 3H), 1.08 (s, 6H)。
(参考例8)
2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロパン−2−アミン
2−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)プロピオン酸500mg(2.90mmol)とトリエチルアミン0.45ml(3.2mmol)のトルエン(14ml)溶液に、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)0.68ml(0.68mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで90℃で30分間攪拌した。反応混合物に、90℃でベンジルアルコール0.6ml(5.8mmol)を加え、さらに90℃で12時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、粗製のベンジル [1−メチル−1−(テトラヒドロー2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメート597mgを得た。
ここで得られた粗製のベンジル [1−メチル−1−(テトラヒドロー2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメート597mg(2.1mmol)と20%水酸化パラジウム−炭素(50%含水)60mgのメタノール(10ml)混合物を、水素雰囲気下、室温で13時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液を減圧下にて濃縮して、標記化合物208mg(収率:67%)を得た。
無色油状物。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 4.05-4.02 (m, 2H), 3.38-3.34 (m, 2H), 1.65-1.55 (m, 3H), 1.41-1.35 (m, 2H), 1.07 (s, 6H)。
(参考例9)
1−フェニルシクロペンタン−1−アミン 塩酸塩
1−フェニルシクロペンタン−1−カルボン酸5.0g(26.3mmol)とトリエチルアミン3.8ml(27.3mmol)のトルエン(50ml)溶液に、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)7.90g(28.7mmol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで90℃で1時間攪拌した。反応混合物に、90℃でベンジルアルコール5.4ml(50mmol)を加え、さらに90℃で5時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜4/1)により精製して、ベンジル (1−フェニルシクロペンチル)カルバメート7.80g(収率:定量的)を得た。
ここで得られたベンジル (1−フェニルシクロペンチル)カルバメート7.80g(26.3mmol)と20%水酸化パラジウム−炭素(50%含水)3.00gのメタノール(200ml)混合物を、水素雰囲気下、室温で2.5時間攪拌した。反応容器内の水素を窒素にて置換後、パラジウム触媒を濾別した。濾液に、4規定塩酸−ジオキサン13ml(52mmol)を加え、溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加えて、析出固体を濾取し、酢酸エチルにて洗浄後乾燥して、標記化合物4.30g(収率:83%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.55-7.53 (m, 2H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.41-7.38 (m, 1H), 2.36-2.24 (m, 4H), 2.02-1.86 (m, 4H)。
(参考例10)
(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエタン−1−アミン 塩酸塩
(10a) 2−シクロプロピル−1−フェニルエタノン
ジエチル亜鉛のn−ヘキサン溶液(1.0mol/l)46ml(46mmol)とジクロロエタン(90ml)の混合物に、氷冷下にて、クロロヨードメタン16.20g(92.6mmol)を1.5時間要して加え、次いでジクロロエタン(60ml)を加え希釈し、同温度にて1時間攪拌した。この反応混合物に、氷冷下で、1−フェニル−3−ブテン−1−オール3.37g(22.7mmol)を加え、同温度にて2時間攪拌し、さらに室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、塩化メチレンにて抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜7/3)により精製して、2−シクロプロピル−1−フェニルエタノール2.50g(収率:68%)を得た。
ここで得られた2−シクロプロピル−1−フェニルエタノール2.50g(15.4mmol)の塩化メチレン(150ml)溶液に、(1,1,1−トリアセトキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン(Dess-Martin 酸化試薬)9.81g(23.1mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンにて抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜4/1)により精製して、標記化合物2.45g(収率:99%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.96-7.94 (m, 2H), 7.57-7.54 (m, 1H), 7.48-7.45 (m, 2H), 2.89 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 1.21-1.13 (m, 1H), 0.62-0.58 (m, 2H), 0.21-0.18 (m, 2H)。
(10b) N−[(1E)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチリデン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
参考例(10a)で得られた2−シクロプロピル−1−フェニルエタノン2.46g(15.4mmol)と(S)−(−)−tert−ブタンスルフィンアミド1.64g(13.5mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、オルトチタン酸テトラエチル5.59g(24.5mmol)を加え、70℃にて8時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物に飽和食塩水(30ml)を加え、不溶物をセライトを用いて濾別した。濾液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜7/3)により精製して、標記化合物2.43g(収率:68%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.89-7.87 (m, 2H), 7.50-7.42 (m, 3H), 3.25-3.15 (m, 2H), 1.33 (s, 9H), 1.02-0.94 (m, 1H), 0.52-0.43 (m, 2H), 0.37 (br s, 2H)。
(10c) N−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
参考例(10b)で得られたN−[(1E)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチリデン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド2.43g(9.23mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に、氷冷下にて、L−セレクトリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)27ml(27mmol)を5分間要して加え、同温度にて10分間攪拌した。反応混合物を室温に戻したのち、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜3/2)により精製して、標記化合物1.00g(収率:41%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.37-7.25 (m, 5H), 4.52 (dt, 1H, J = 7.0 Hz, 2.2 Hz), 3.76 (br s, 1H), 1.95-1.90 (m, 1H), 1.46 (dt, 1H, J = 13.7 Hz, 7.8 Hz), 1.20 (s, 9H), 0.65-0.57 (m, 1H), 0.54-0.48 (m, 1H), 0.45-0.40 (m, 1H), 0.16-0.11 (m, 1H), 0.05-0.01 (m, 1H)。
(10d) (1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエタン−1−アミン 塩酸塩
参考例(10c)で得られたN−[(1R)−2−シクロプロピル−1−フェニルエチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド1.00g(3.77mmol)のメタノール(2.0ml)溶液に、4規定塩酸−ジオキサン溶液2.0ml(8.0mmol)を加え、室温にて15分間攪拌した。反応混合物に、ジエチルエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物0.70g(収率:94%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.49-7.40 (m, 5H), 4.34 (dd, 1H, J = 8.0 Hz, 6.4 Hz), 2.00-1.95 (m, 1H), 1.77-1.71 (m, 1H), 0.63-0.55 (m, 1H), 0.54-0.49 (m, 1H), 0.47-0.41 (m, 1H), 0.21-0.16 (m, 1H), 0.08-0.03 (m, 1H)。
(参考例11)
(1R)−3−メチル−1−フェニルブタン−1−アミン 塩酸塩
(11a) 2−メチル−N−[(1E)−3−メチル−1−フェニルブチリデン]プロパン−2−スルフィンアミド
3−メチル−1−フェニルブタノン3.00g(18.5mmol)と(S)−(−)−tert−ブタンスルフィンアミド2.00g(16.5mmol)のテトラヒドロフラン(36ml)溶液に、オルトチタン酸テトラエチル6.82g(29.9mmol)を加え、70℃にて5.5時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物に飽和食塩水(35ml)を加え、不溶物を濾別し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜7/3)により精製して、標記化合物2.31g(収率:47%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.82-7.80 (m, 2H), 7.48-7.40 (m, 3H), 3.35-3.31 (m, 1H), 3.08-3.05 (m, 1H), 2.10-2.02 (m, 1H), 1.32 (s, 9H), 0.98-0.96 (m, 6H)。
(11b) 2−メチル−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]プロパン−2−スルフィンアミド
参考例(11a)で得られた2−メチル−N−[(1E)−3−メチル−1−フェニルブチリデン]プロパン−2−スルフィンアミド2.31g(8.70mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に、氷冷下にて、L−セレクトリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)26ml(26mmol)を5分間要して加え、同温度にて1時間攪拌した。反応混合物を減圧下にて濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)により精製して、標記化合物1.93g(収率:83%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 7.34-7.25 (m, 5H), 4.47-4.43 (m, 1H), 3.33 (br s, 1H), 1.72-1.63 (m, 2H), 1.48-1.40 (m, 1H), 1.16 (s, 9H), 0.94 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 0.89 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
(11c) (1R)−3−メチル−1−フェニルブタン−1−アミン 塩酸塩
参考例(11b)で得られた2−メチル−N−[(1R)−3−メチル−1−フェニルブチル]プロパン−2−スルフィンアミド1.93g(7.22mmol)のメタノール(3.6ml)溶液に、4規定塩酸−ジオキサン溶液3.6ml(14.4mmol)を加え、室温にて40分間攪拌した。反応混合物に、ジエチルエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物1.30g(収率:90%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.49-7.41 (m, 5H), 4.31 (dd, 1H, J = 10.0 Hz, 5.6 Hz), 1.93 (ddd, 1H, J = 15.6 Hz, 10.3 Hz, 5.4 Hz), 1.81-1.75 (m, 1H), 1.44-1.36 (m, 1H), 0.96 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
(参考例12)
(1R)−1−(2−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン 塩酸塩
参考例11と同様に、2−フルオロプロピオフェノンを用いて、標記化合物1.10g(3工程通算収率:44%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,400MHz),δ : 7.51-7.45 (m, 2H), 7.33-7.29 (m, 1H), 7.25-7.21 (m, 1H), 4.47 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 5.9 Hz), 2.12-1.94 (m, 2H), 0.92 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
(参考例13)
(1R)−1−(3−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン 塩酸塩
参考例11と同様に、3−フルオロプロピオフェノンを用いて、標記化合物1.20g(3工程通算収率:48%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 7.52-7.47 (m, 1H), 7.27-7.16 (m, 3H), 4.21 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 5.9 Hz), 2.08-1.90 (m, 2H), 0.90 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
(参考例14)
(1R)−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−アミン 塩酸塩
参考例11と同様に、4−フルオロプロピオフェノンを用いて、標記化合物1.23g(3工程通算収率:49%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,400MHz),δ : 7.50-7.44 (m, 2H), 7.23-7.18 (m, 2H), 4.19 (dd, 1H, J = 9.2 Hz, 5.7 Hz), 2.09-1.88 (m, 2H), 0.89 (t, 3H, J = 7.4 Hz)。
(参考例15)
(1R)−1−ピリジン−2−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、1−ピリジン−2−イルプロパン−1−オンを用いて、標記化合物4.35g(3工程通算収率:48%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,400MHz),δ : 8.83-8.82 (m, 1H), 8.36-8.32 (m, 1H), 7.90 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.82-7.79 (m, 1H), 4.57 (t, 1H, J = 7.2Hz), 2.19-2.03 (m, 2H), 0.97 (t, 3H, J = 7.4 Hz)。
(参考例16)
(1R)−3−メチル−1−ピリジン−2−イルブタン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、3−メチル−1−ピリジン−2−イルブタン−1−オンを用いて、標記化合物1.73g(3工程通算収率:55%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 8.81-8.79 (m, 1H), 8.28 (dt, 1H, J = 7.8 Hz, 1.5 Hz), 7.86 (br d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.75 (ddd, J = 7.8, 5.4, 1 Hz), 4.66 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 1.99-1.87 (m, 2H), 1.57-1.49 (m, 1H), 1.02 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.97 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
(参考例17)
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩
(17a) 1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−オン
2−シアノ−5−フルオロピリジン3.07g(25.1mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、ドライアイス−アセトン浴の冷却下にて、臭化イソブチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)32ml(32mmol)を20分間要して加え、同温度にて10分間攪拌後、室温にて1.5時間攪拌した。反応混合物に、氷冷下にて、2規定塩酸を加えた。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH7〜8として、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜2/1)により精製して、標記化合物2.50g(収率:55%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.49 (d, 1H, J = 2.9 Hz), 8.10 (dd, 1H, J = 8.8 Hz, 4.4 Hz), 7.50 (dt, 1H, J = 8.3 Hz, 2.9 Hz), 3.06 (d, 2H, J = 7.3 Hz), 2.34-2.26 (m, 1H), 0.99 (d, 6H, J = 6.8 Hz)。
(17b) N−[(1E)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチリデン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
参考例(17a)で得られた1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−オン2.50g(13.8mmol)と(S)−(−)−tert−ブタンスルフィンアミド1.67g(13.8mmol)のテトラヒドロフラン(65ml)溶液に、オルトチタン酸テトラエチル6.29g(27.6mmol)を加え、70℃にて17時間攪拌した。室温まで冷却したのち、反応混合物に飽和食塩水(35ml)を加え、不溶物を濾別し、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜2/1)により精製して、標記化合物2.74g(収率:70%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.47 (d, 1H, J = 2.9 Hz), 8.11 (br s, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 3.45-3.42 (m, 1H), 3.30-3.26 (m, 1H), 2.18-2.10 (m, 1H), 1.32 (s, 9H), 0.96-0.95 (m, 6H)。
(17c) N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
参考例(17b)で得られたN−[(1E)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチリデン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド2.74g(9.63mmol)のテトラヒドロフラン(36ml)溶液に、ドライアイス−アセトン浴の冷却下にて、L−セレクトリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)11ml(11mmol)を5分間要して加え、同温度にて30分間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、さらに水を加えて希釈後、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜2/1)により精製して、標記化合物2.10g(収率:76%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,400MHz),δ : 8.43 (d, 1H, J = 2.7 Hz), 7.36 (dt, 1H, J = 8.6 Hz, 2.7 Hz), 7.29-7.26 (m, 1H), 4.55 (dt, 1H, J = 7.4 Hz, 5.5 Hz), 3.73 (br d, 1H, J = 5.5 Hz), 1.84-1.72 (m, 2H), 1.54-1.44 (m, 1H), 1.15 (s, 9H), 0.95 (d, 3H, J = 6.7 Hz), 0.91 (d, 3H, J = 6.7 Hz)。
(17d) (1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩
参考例(17c)で得られたN−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチルブチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド2.10g(7.33mmol)のメタノール(20ml)溶液に、4規定塩酸−ジオキサン溶液20ml(80mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応混合物に、ジエチルエーテルを加え、析出固体を濾取して、標記化合物1.92g(収率:定量的)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 8.56 (d, 1H, J = 2.9 Hz), 7.67 (dt, 1H, J = 8.6 Hz, 2.9 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 8.8 Hz, 4.4 Hz), 4.51-4.48 (m, 1H), 1.86 (ddd, 1H, J = 13.7 Hz, 8.3 Hz, 6.4 Hz), 1.76 (ddd, 1H, J = 13.7 Hz, 7.8 Hz, 6.4 Hz), 1.51-1.43 (m, 1H), 1.00 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 0.94 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
(参考例18)
(1R)−1−ピリジン−3−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、1−ピリジン−3−イルプロパン−1−オンを用いて、標記化合物1.51g(3工程通算収率:44%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 9.11 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.99-8.98 (m, 1H), 8.82 (dt, 1H, J = 8.3 Hz, 1.7 Hz), 8.24 (dd, 1H, J = 8.3 Hz, 5.9 Hz), 4.62 (dd, 1H, J = 8.6 Hz, 6.6 Hz), 2.24-2.07 (m, 2H), 0.99 (t, 3H, J = 7.6 Hz)。
(参考例19)
(1R)−3−メチル−1−ピリジン−3−イルブタン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、3−メチル−1−ピリジン−3−イルブタン−1−オンを用いて、標記化合物2.20g(3工程通算収率:38%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 9.16-9.15 (m, 1H), 8.99-8.98 (m, 1H), 8.87-8.84 (m, 1H), 8.24 (dd, 1H, J = 8.3 Hz, 5.9 Hz), 4.76 (dd, 1H, J = 8.8 Hz, 6.8 Hz), 2.07-1.96 (m, 2H), 1.54-1.46 (m, 1H), 1.01 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.99 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
(参考例20)
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩
(20a) 1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブタン−1−オン
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸クロリド16.6g(68mmol)およびN,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩9.94g(102mmol)の塩化メチレン(340ml)溶液に、ジイソロロピルエチルアミン35.6ml(204mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)により精製して、2,6−ジクロロ−5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルニコチンアミド17.3g(収率:99%)を得た。
この反応で得られた2,6−ジクロロ−5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルニコチンアミド17.3g(68.3mmol)および10%パラジウム炭素(50%含水)2.0gのエタノール(200ml)混合物に、蟻酸アンモニウム21.53g(341.5mmol)および蟻酸8ml(212mmol)を加え、65℃にて7時間攪拌した。反応混合物を室温に戻し、パラジウム触媒を濾別した。濾液に酢酸エチルを加えて希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜0/1)により精製して、5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルニコチンアミド7.20g(収率:57%)を得た。
この反応で得られた5−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルニコチンアミド3.50g(19.0mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、ドライアイス−アセトン浴の冷却下にて、臭化イソブチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)24ml(24mmol)を20分間要して加え、同温度にて10分間攪拌後、室温にて1.5時間攪拌した。反応混合物を、−20℃に冷却し、臭化イソブチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/l)21ml(21mmol)を20分間要して加え、その後、室温にて1時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および適量の水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜0/1)により精製して、標記化合物0.32g(収率:9%)を得た。
無色液体。
H NMRスペクトル(CDCl3,500MHz),δ : 8.98 (t, 1H, J = 2.0 Hz), 8.65 (d, 1H, J = 2.9 Hz), 7.91 (ddd, 1H, J = 8.8 Hz, 2.9 Hz, 2.0 Hz), 2.86 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.36-2.28 (m, 1H), 1.02 (d, 6H, J = 6.8 Hz)。
(20b) (1R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブタン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、参考例(20a)で得られた1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルブタン−1−オンを用いて、標記化合物242mg(3工程通算収率:36%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 8.18 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.67 (br s, 1H), 8.03 (dt, 1H, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 4.58 (dd, 1H, J = 9.3 Hz, 6.4 Hz), 2.00 -1.94 (m, 1H), 1.91-1.86 (m, 1H), 1.49-1.41 (m, 1H), 0.99 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 0.97 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
(参考例21)
(1R)−1−ピリジン−4−イルプロパン−1−アミン 2塩酸塩
参考例11と同様に、1−ピリジン−4−イルプロパン−1−オンを用いて、標記化合物3.46g(3工程通算収率:66%)を得た。
無色固体。
H NMRスペクトル(CD3OD,500MHz),δ : 9.00-8.99 (m, 2H), 8.20-8.19 (m, 2H), 4.64 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.00 (t, 3H, J = 7.3 Hz)。
(試験例1)レニン活性阻害試験
レニン活性は、ヒトレニンおよび合成レニン基質を加えて37℃で反応した後のアンジオテンシンIが生成した割合として測定した。
ヒトレニンを293T細胞に一過性に発現させ、その培養上清を酵素源として用いた。調製した培養上清をトリプシン処理することによりヒトレニンを活性化した後、試験化合物を溶媒(例えば、DMSO等)に溶解した溶液、または、溶媒の2μlを最終濃度1重量%になるように添加し、さらに、合成レニン基質(NH2-Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-His-Leu-Val-Ile-His-Thr-Glu-COOH)を含む緩衝液(1mM EDTA, 100 mM Tris-HCl, pH7.4)を加え、37℃で1時間インキュベートした。添付文書に従い、生成したアンジオテンシンI濃度をラジオイムノアッセイ[レニン・リアビーズ(登録商標)、ヤマサ醤油]を用いて測定した。レニン阻害活性は、アンジオテンシンIの生成を50%抑制する各試験化合物の濃度であるIC50値により評価した。
結果を表1に示す。
本発明の化合物は、優れたレニン阻害活性を示し、高血圧症等の治療または予防のための医薬として有用である。
(試験例2)血漿レニン活性(PRA)阻害試験
血漿レニン活性は、血漿を37℃でインキュベーションして内因性アンジオテンシノーゲンおよび内因性レニンから単位時間当たりに生成したアンジオテンシンIの生成量として測定した。
プールされたカニクイサル血漿あるいはヒト血漿に、試験化合物または溶媒(例えば、DMSO等)を加え、添付文書に従い、緩衝液を加え、37℃で1時間インキュベートした。単位時間当たりに生成するアンジオテンシンI濃度をラジオイムノアッセイ(試験例1参照)を用いて測定した。血漿レニン阻害活性は、PRAを50%抑制する各試験化合物の濃度であるIC50値により評価した。
本発明の化合物は、優れた血漿レニン阻害活性を示し、高血圧症等の治療または予防のための医薬として有用である。
(試験例3)カニクイサルにおけるex vivo血漿レニン活性(PRA)阻害試験
試験化合物の経口投与2日前より、カニクイサルにフロセミド(5 mg/kg)を筋肉内投与し、レニン−アンジオテンシン系を亢進させた。試験当日、試験化合物の投与前、投与1、2、4、8、および、24時間後にEDTA・2Naを含有するチューブに血漿サンプルを採取した。試験化合物は、1%メチルセルロースに懸濁し、強制経口投与した。得られた血漿を4℃または37℃でインキュベーションし、それぞれの反応液中に存在するアンジオテンシンI濃度をラジオイムノアッセイ(試験例1参照)を用いて測定した。
PRAは、37℃でインキュベーションした反応液中のアンジオテンシンI濃度から、4℃でインキュベーションした反応液中のアンジオテンシンI濃度を差しい引いた値より、単位時間当たりに生成するアンジオテンシンI濃度として算出した。試験化合物のPRA阻害活性は、試験化合物の投与前のPRAに対する、各投与時間後でのPRAの抑制率により評価した。
本発明の化合物は、優れたPRA阻害活性および血漿中アンジオテンシンI濃度の低下作用を示し、高血圧症等の治療または予防のための医薬として有用である。
(試験例4)カニクイサルにおける血圧降下試験
カニクイサルにテレメトリー送信機の埋め込み手術を行ない、術後1週間以上経過し、安定した血圧波形が得られるようになった動物を試験に使用した。試験化合物の経口投与3日前より、カニクイサルにフロセミド(5 mg/kg)を筋肉内投与し、レニン−アンジオテンシン系を亢進させた。試験当日、試験化合物の投与1時間前から投与25時間後まで、データ取得・実時間解析システム(HEM 3.5, NOTOCORD SYSTEMS,USA)を用いて、テレメトリー方式による血圧信号を連続して測定した。血圧及び心拍数の解析値は、5分おきに30秒間の血圧波形を取得し平均値を求め、更にその値の12個の平均値を算出し、1時間のデータとした。試験化合物は、1%メチルセルロースに懸濁して強制経口投与した。試験化合物の血圧降下は、試験化合物の投与前の平均血圧に対する、各投与時間後での平均血圧との差により評価した。
本発明の化合物は、優れた血圧降下作用を示し、高血圧症等の治療または予防のための医薬として有用である。
(試験例5)ラットにおける心電図への影響評価
ラットにイナクチン(100 mg/kg)を腹腔内投与して麻酔し、右股静脈に試験化合物投与用のカテーテルを留置した。第II誘導により心電図を測定し、一定速度 (1 mg/kg/min)で試験化合物を静脈内に持続投与した。試験化合物の投与前、および、投与開始1から30分後まで1分ごとに、心電図を感熱記録紙に記録した。試験化合物は、生理食塩液あるいは溶媒(例えば、DMSO等)を含む生理食塩液に溶解して静脈内投与した。試験化合物の心電図への影響は、試験化合物の投与前の心電図に対する、各投与時間後での心電図の変化により評価した。心電図の変化は、例えば、波形の高さ、幅、間隔など(特に、S波の下降度)の点から評価することができる。心電図の変化は、変化の程度に応じて、例えば、大きい、中程度である、小さい、または、ないと分類することができる。心電図の変化が小さいまたはない化合物が好適であり、心電図の変化がない化合物が最も好適である。
本発明の化合物は、心電図の変化が小さいまたはないことが示され、医薬として優れた特性を有する。
(試験例6)薬物動態試験
薬物動態試験は、薬物動力学の分野において周知の方法にしたがって行うことができる。
試験化合物を1%メチルセルロース水溶液に溶解し、得られた溶液を一般に薬物動態試験に使用される動物(例えば、マウス、ラット、マーモセット、カニクイサル等)に対し、適当な範囲の用量(例えば、3 mg/kgから100 mg/kg)で経口投与した。また、試験化合物を生理的食塩水に溶解し、得られた溶液を一般に薬物動態試験に使用される動物(例えば、マウス、ラット、マーモセット、カニクイサル等)に対し、適当な範囲の用量(例えば、1 mg/kgから10 mg/kg)で静脈(例えば、尾静脈、橈側皮静脈、伏在静脈等)の内に投与した。投与から一定時間(例えば、0.08、0.25、0.5、1、2、4、6、8、または、24時間)の後に、適当な採血部位(例えば、頚静脈、眼窩静脈叢、橈側皮静脈等)より血液を採取した。得られた血液を遠心分離して血漿試料を調製し、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS/MS)を用いた定量分析により、血漿試料中に含まれる試験化合物の濃度を測定した。
試験化合物の薬物動態は、最高血漿中試験化合物濃度(Cmax)、血漿中試験化合物濃度−時間曲線下面積(AUC)、全身クリアランス(CL)、および、絶対バイオアベイラビリティにより評価した。Cmaxは、経口投与後の測定された血漿中試験化合物濃度の最高値を示す。AUCは、試験化合物を投与した時点から最後に血液を採取した時点までについて台形公式により算出した。CLは,薬物動態解析ソフトウェアWinNonlin(登録商標)を用いて算出した。絶対バイオアベイラビリティは、下記式
[(経口投与後のAUC/投与量)/(静脈内投与後のAUC/投与量)]
により算出した。
本発明の化合物は、優れた薬物動態(Cmax、AUC、CL、または、絶対バイオアベイラビリティ)を示し、医薬(特に、高血圧症の治療もしくは予防のための医薬)として有用である。
(製剤例1)錠剤
実施例の化合物(10mg)、コロイド性二酸化ケイ素(0.2mg)、ステアリン酸マグネシウム(5mg)、微結晶性セルロ−ス(175mg)、デンプン(10mg)およびラクト−ス(98.8mg)を用いて、常法にしたがって、錠剤を製造する。得られた錠剤には、必要に応じて、コーティングを施すことができる。
(製剤例2)ハ−ドカプセル剤
標準二分式ハ−ドゼラチンカプセルに、粉末状の実施例の化合物(10mg)、ラクト−ス(150mg)、セルロ−ス(50mg)、および、ステアリン酸マグネシウム(6mg)を充填して、ハ−ドカプセルを製造し、洗浄後、乾燥する。
(製剤例3)ソフトカプセル剤
大豆油、オリ−ブ油のような消化性油状物、および、実施例の化合物の混合物を、10mgの活性成分を含有するように、ゼラチン中に注入して、ソフトカプセルを製造し、洗浄後、乾燥する。
本発明の一般式(I)を有する化合物またはその薬理上許容される塩は、レニン阻害活性、溶解性、細胞膜透過性、経口吸収性、血中濃度、代謝安定性、組織移行性、バイオアベイラビリティー、in vitro活性、in vivo活性、薬効発現の早さ、薬効の持続性、物理的安定性、薬物相互作用、安全性(例えば、心毒性または肝毒性)等の点で優れた性質を有し、医薬[特に、高血圧症の治療もしくは予防(好適には、治療)のための医薬]として有用である。







Claims (15)

  1. 一般式(I)

    [式中、R1は、水素原子、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、(C3−C10飽和環状炭化水素)−(C1−C10アルキル)基、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基、フェニル基、インダニル基、C3−C10飽和環状炭化水素基、または、4乃至8員ヘテロシクリル基を示し、R1における各基は、置換基群αから独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の当該置換基が当該炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;
    2は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し;
    3は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し;
    4は、水素原子、または、C1−C6アルキル基を示し、R3およびR4は、それらが結合する炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;
    Aは、フェニル基、または、ピリジル基を示し、
    5、R6、および、R7は、独立して水素原子または置換基群αから選択される基を示し;
    置換基群αは、C1−C6アルキル基、ハロゲノC1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルコキシ)基、ハロゲノC1−C6アルコキシ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基(当該アルキル基は、同一または異なる)、ホルミルアミノ基、(C1−C6アルキル)カルボニルアミノ基、ホルミル基、(C1−C6アルキル)カルボニル基、カルボキシ基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基、(C1−C6アルキルアミノ)カルボニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル基(当該アルキル基は、同一または異なる)、アミノスルホニル基、(C1−C6アルキルアミノ)スルホニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノスルホニル基(当該アルキル基は、同一または異なる)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲノ基、および、オキソ基からなる群を示す。]
    を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  2. 1が、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、(C3−C10飽和環状炭化水素)−(C1−C10アルキル)基、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基、または、C3−C10飽和環状炭化水素基であり、R1における各基は、置換基群α1から独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、同一の炭素原子に結合する2個の当該置換基が当該炭素原子と一緒となってC3−C8シクロアルキル基を形成してもよく;置換基群α1は、C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基(当該アルキル基は、同一または異なる)、ハロゲノ基、および、オキソ基からなる群である、請求項1に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  3. 1が、C1−C10アルキル基、フェニル−(C1−C10アルキル)基、または、(4乃至8員ヘテロシクリル)−(C1−C10アルキル)基であり、R1における各基は、置換基群α2から独立して選択される1乃至4個の基で置換されてもよく、置換基群α2は、C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、および、ハロゲノ基からなる群である、請求項1に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  4. 2が水素原子である、請求項1乃至3のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  5. 3がC1−C6アルキル基である、請求項1乃至4のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  6. 3がメチル基である、請求項1乃至4のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  7. 4がC1−C6アルキル基である、請求項1乃至6のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  8. 4がメチル基である、請求項1乃至6のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  9. Aがフェニル基である、請求項1乃至8のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  10. 5、R6およびR7が、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基、および、ハロゲノ基から選択される基である、請求項1乃至9のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  11. 5、R6およびR7が、独立して、水素原子、メチル基、フルオロ基、および、クロロ基から選択される基である、請求項1乃至9のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  12. レニンを阻害することにより治療または予防され得る疾患の治療または予防のための請求項1乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。
  13. 高血圧症、急性もしくは慢性心不全、心肥大、心筋梗塞、心筋症、狭心症、脳卒中、腎疾患、糖尿病性合併症、血管形成術後の血管再狭窄、アルドステロン血症、または、アテローム性動脈硬化症の治療または予防のための請求項1乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。
  14. 高血圧症、慢性心不全、または、糖尿病性腎症の治療または予防のための請求項1乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。
  15. 高血圧症の治療または予防のための請求項1乃至11のいずれかに記載された医薬組成物。
JP2011014659A 2011-01-27 2011-01-27 置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物 Pending JP2012153657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011014659A JP2012153657A (ja) 2011-01-27 2011-01-27 置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011014659A JP2012153657A (ja) 2011-01-27 2011-01-27 置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012153657A true JP2012153657A (ja) 2012-08-16

Family

ID=46835794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011014659A Pending JP2012153657A (ja) 2011-01-27 2011-01-27 置換ピペリジン化合物を含有する医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012153657A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2518073C2 (ru) Новое бициклическое гетероциклическое соединение
US9758480B2 (en) 1-(cycloalkyl-carbonyl)proline derivative
US9718840B2 (en) Condensed 5-oxazolidinone derivative
WO2007063925A1 (ja) 2-アミノベンズアミド誘導体
US9604940B2 (en) 2-aminopyrazine derivatives as CSF-1R kinase inhibitors
TWI426908B (zh) 特定化學品、組成物及方法
WO2002006237A1 (fr) Medicament comprenant un derive de dicyanopyridine
CA2753434A1 (en) Soluble guanylate cyclase activators
JP2015526442A (ja) RORγT阻害剤としてのN−アルキル化インドールおよびインダゾール化合物およびそれらの使用
TW201317213A (zh) 腎外髓質鉀通道抑制劑
WO2008069242A1 (ja) 新規2環性複素環化合物
JP6975515B2 (ja) Trpa1モデュレーターとしてのスルホニルシクロアルキルカルボキサミド化合物
JPS6348272B2 (ja)
JP2004043453A (ja) (s)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−n−[1−[1−(2−テトラヒドロフリルカルボニル)−4−ピペリジニルメチル]−4−ピペリジニル]ベンズアミド、その製造方法、それを含有する医薬組成物及び該化合物の中間体
MX2011000882A (es) Derivados de carbamato de alquiltiazol, su preparacion y su uso como inhibidores de la enzima faah.
EA030032B1 (ru) 5,6-дизамещенные пиридин-2-карбоксамиды в качестве агонистов каннабиноидных рецепторов
JP5892550B2 (ja) 縮合イミダゾール誘導体
TWI295290B (en) Novel pyrrolidine-3,4-dicarboxamide derivatives
US10106522B2 (en) Benzimidazole derivatives as antihistamine agents
WO2005113499A1 (ja) インドール化合物
CA3201443A1 (en) Tetrahydroquinoline derivative and medicinal use thereof
JPWO2009041559A1 (ja) インダゾールアクリル酸アミド化合物
JPWO2005030773A1 (ja) 新規ピラゾロピリミジン誘導体
WO1992017440A1 (fr) Compose tricyclique
EA018984B1 (ru) Производные пиразолона как ингибиторы pde4