JP2012151579A - 送信回路及びこれを用いた空調機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路の耐ノイズ性能を向上させる。
【解決手段】蓄電用スイッチ3a,3bをオンにすることにより充電可能なキャパシタC1と、キャパシタC1に接続された第1スイッチ1a,1bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路1と、キャパシタC1に接続された第2スイッチ2a,2bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性反転して出力する第2出力回路2とを設け、制御回路4により、蓄電用スイッチをオンにしてキャパシタC1を充電し、かつ、第1スイッチ及び第2スイッチを共にオフにする低レベル出力状態、又は、蓄電用スイッチをオフにして第1スイッチ及び第2スイッチのいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択する。
【選択図】図1
【解決手段】蓄電用スイッチ3a,3bをオンにすることにより充電可能なキャパシタC1と、キャパシタC1に接続された第1スイッチ1a,1bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路1と、キャパシタC1に接続された第2スイッチ2a,2bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性反転して出力する第2出力回路2とを設け、制御回路4により、蓄電用スイッチをオンにしてキャパシタC1を充電し、かつ、第1スイッチ及び第2スイッチを共にオフにする低レベル出力状態、又は、蓄電用スイッチをオフにして第1スイッチ及び第2スイッチのいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば空調設備を構成する機器間で、信号を送信するための回路に関する。
空調設備を構成する機器間(例えば室内機と室外機)の通信には、例えば、AMI(Alternate Mark Inversion)方式の信号伝送が採用されている(特許文献1参照。)。この信号伝送方式は、信号電圧としてプラス、0(実際はバイアス電圧)、マイナスの3値を用い、プラスとマイナスとを交互に割り当てることで直流成分の発生を防止する。また、平衡伝送を行うことによって、コモンモードノイズに強い信号伝送を、実現することができる。
信号伝送に係わる送受信回路のグランド(SG:Signal Ground)は、通常、結合容量としてのキャパシタを介して、送信回路や電源回路を含む機器筐体のグランド(FG:Frame Ground)と接続された関係にある。また、機器筐体のグランドは、建物に設けられた接地線を介して大地に接続されている。実際には接地線の線路インピーダンスや、大地への接地抵抗があるので、機器筐体のグランドの電位は0にはならないが、十分に低い安定したレベルに抑えられるべきものである。
しかしながら、例えばビル用の空調設備の場合、ビル内の他の種々の機器によって接地線の電位が変動する場合がある。典型的には、スイッチング電源を搭載した機器(例えば大容量サーバーのようなデジタル機器)から接地線を介してノイズ電流が大地へ流れることにより、接地線及び機器筐体のグランドの電位が変動する。この変動は、送信回路のグランドにも影響を与える。また、基板の小型化や高効率化のために、機器筐体にもスイッチング電源が搭載されている。このスイッチング電源は、高周波トランスを使用するので、従前採用されていた低周波トランスと比較した場合、送信回路のグランドと、機器筐体のグランドとの間にあるキャパシタのインピーダンスが低下する。その結果、送信回路のグランドは、機器筐体のグランドの電位変動の影響を受け易くなる。
図9は、例えば空調設備を構成する室外機、室内機、集中制御機器等の相互間での、信号伝送に関する回路図である。ここで、機器のいずれか一方を送信側端末100、他方を受信側端末200とすると、送信側端末100は、一対の送信回路101,102及び、受信回路103を備えている。回路のグランド(SG)GND_1は、結合容量C1を介して、機器筐体のグランドFGと接続された関係にある。
一方、受信側端末200は、一対の送信回路201,202、受信回路203、及び、送信回路201,201の出力部にそれぞれ接続されたツェナーダイオードZD1,ZD2を備えている。回路のグランド(SG)GND_2は、本来は、結合容量C4を介して、機器筐体のグランドFGと接続されるべきであるが、ここに、ノイズ源en(t)が介在している状態を想定する。
送信側端末100と受信側端末200とを相互に繋ぐ伝送路F1,F2の線路インピーダンスはそれぞれ、Z1,Z2である。また、伝送路F1,F2のグランドFGに対する浮遊容量はそれぞれ、C2,C3である。伝送路F1,F2の絶対電位は、それぞれ、VF1,VF2とする。
送信側端末100と受信側端末200とを相互に繋ぐ伝送路F1,F2の線路インピーダンスはそれぞれ、Z1,Z2である。また、伝送路F1,F2のグランドFGに対する浮遊容量はそれぞれ、C2,C3である。伝送路F1,F2の絶対電位は、それぞれ、VF1,VF2とする。
図12は、上記送信回路101,102(201,202も同様)の内部回路図である。送信回路101は、電源Vccとグランドとの間に、互いに直列に接続された一対のトランジスタQ1,Q2と、各トランジスタQ1,Q2と並列接続された抵抗R1,R2(抵抗値は同一)と、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間に形成される寄生ダイオードd1,d2とによって構成されている。同様に、送信回路102は、電源Vccとグランドとの間に、互いに直列に接続された一対のトランジスタQ3,Q4と、各トランジスタQ3,Q4と並列接続された抵抗R3,R4(抵抗値は同一)と、各トランジスタQ3,Q4のコレクタ−エミッタ間に形成される寄生ダイオードd3,d4とによって構成されている。
各トランジスタQ1〜Q4のベースには、制御回路(図示せず。)から制御信号が与えられ、オン・オフ制御される。トランジスタQ1〜Q4が全てオフのときは、電源電圧Vccが抵抗分圧され、伝送路F1,F2の電位は互いに同じ値となり、これは信号電圧0の状態である。トランジスタQ1,Q4をオン、他をオフとすると、信号電圧プラスの状態となる。また、トランジスタQ2,Q3をオン、他をオフとすると、信号電圧マイナスの状態となる。
ここで、例えば、ノイズ源en(t)が、図10の(a)に示すような波形であったとすると、受信側から見た伝送路の電位(VF1−GND_2、VF2−GND_2)は、(b)に示す反転波形となる。
図11は、ツェナーダイオード(ZD1,ZD2)の特性を例示する図である。横軸は、伝送路F1,F2の電位をVFn(n=1又は2)としたときの、ツェナーダイオードの両端にかかる電圧(VFn−GND_2)を表し、縦軸は電流を表す。
ツェナーダイオードのクランプ電圧は、プラス側がVzd(例えば約5.6V)、マイナス側がVfzd(例えば約−0.7V)である。通常の信号入力(送出)範囲はバイアス電圧(例えば約2.5V)を中心としてプラス/マイナス2.5Vの範囲内にある。
ツェナーダイオードのクランプ電圧は、プラス側がVzd(例えば約5.6V)、マイナス側がVfzd(例えば約−0.7V)である。通常の信号入力(送出)範囲はバイアス電圧(例えば約2.5V)を中心としてプラス/マイナス2.5Vの範囲内にある。
図13は、AMI信号にコモンモードノイズがどのように影響を与えるかを示すグラフであり、(a)は、伝送路F1における対グランドの電圧VF1−GND_2の波形例を示している。例えば、AMI信号において、信号電圧がプラス、0(バイアス電圧)、マイナス、0、プラスの順になるように信号波形が現れるとき、本来ならば、バイアス電圧を中心として方形波になるはずであるが、ノイズによって例えば図示のような波形となる場合がある。このとき、ツェナーダイオードZD1のプラス側クランプ電圧Vzdを超える図のハッチング部分、及び、ツェナーダイオードZD1のマイナス側クランプ電圧Vfzdを下回る図のハッチング部分は、ツェナーダイオードZD1によってクランプされる。これにより、(b)に示すノイズ電流In1が、ツェナーダイオードZD1に流れる。
また、(c)は、同じノイズに影響を受けた、伝送路F2における対グランドの電圧VF2−GND_2の波形例を示している。ツェナーダイオードZD2のプラス側クランプ電圧Vzdを超える図のハッチング部分、及び、ツェナーダイオードZD2のマイナス側クランプ電圧Vfzdを下回る図のハッチング部分は、ツェナーダイオードZD2によってクランプされる。これにより、(b)に示すノイズ電流In2が、ツェナーダイオードZD2に流れる。
受信側端末200(図9)の受信回路203は、図13の(a)に示す信号波形と、(c)に示す信号波形との差をとり、(e)に示す信号波形を得る。ここで、ツェナーダイオードZD1,ZD2によってクランプされない部分は、ノイズが打ち消されるが、クランプされた所は、信号電圧が欠損した形となる。このような欠損によって、欠損部分の電圧の絶対値が、プラス又はマイナスの判定を行うための閾値より小さくなると、本来プラス又はマイナスと判定されるべきところが、0と誤判定される可能性がある。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路の耐ノイズ性能を向上させることを目的とする。
(1)本発明は、空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路であって、信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチと、前記蓄電用スイッチをオンにすることにより充電可能なキャパシタと、前記キャパシタに接続された出力用スイッチを含み、当該出力用スイッチをオンにすることにより前記キャパシタの電圧を出力する出力回路と、前記蓄電用スイッチをオンにして前記キャパシタを充電し、かつ、前記出力用スイッチをオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチをオフにして前記出力用スイッチをオンにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路とを備えたものである。
上記(1)のように構成された送信回路における出力回路と電源電圧との間にはキャパシタが介在し、このキャパシタは蓄電用スイッチのオンにより充電される。キャパシタの電圧が出力回路により出力されるときは、キャパシタは蓄電用スイッチのオフにより電源電圧とは絶縁された状態になる。従って、出力回路の出力する信号電圧には、電源電圧側のノイズが乗って来ない。また、出力回路では独自に、グランドから当該出力回路の電源電圧までの電圧幅を十分に確保することで、コモンモードノイズの影響を抑制することができる。
(2)また、本発明は、空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路であって、信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチと、前記蓄電用スイッチをオンにすることにより充電可能なキャパシタと、前記キャパシタに接続された第1スイッチを含み、当該第1スイッチをオンにすることにより前記キャパシタの電圧を極性非反転で出力する第1出力回路と、前記キャパシタに接続された第2スイッチを含み、当該第2スイッチをオンにすることにより前記キャパシタの電圧を極性反転して出力する第2出力回路と、前記蓄電用スイッチをオンにして前記キャパシタを充電し、かつ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを共にオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチをオフにして前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路とを備えたものである。
上記(2)のように構成された送信回路における第1出力回路及び第2出力回路と電源電圧との間にはキャパシタが介在し、このキャパシタは蓄電用スイッチのオンにより充電される。キャパシタの電圧がいずれかの出力回路により出力されるときは、キャパシタは蓄電用スイッチのオフにより電源電圧とは絶縁された状態になる。従って、各出力回路の出力する信号電圧には、電源電圧側のノイズが乗って来ない。また、各出力回路では独自に、グランドから当該出力回路の電源電圧までの電圧幅を十分に確保することで、コモンモードノイズの影響を抑制することができる。
(3)また、上記(2)の送信回路において、キャパシタを充電しているときにレベル0の出力、第1スイッチ及び第2スイッチのいずれか一方がオンで他方がオフのときプラスの出力、一方がオフで他方がオンのときマイナスの出力、となるようにしてもよい。
この場合、0、プラス、マイナスの3値により、AMI信号の送信を行うことができる。
この場合、0、プラス、マイナスの3値により、AMI信号の送信を行うことができる。
(4)また、上記(3)の送信回路において、キャパシタの充電は、プラス又はマイナスの出力期間後の残り期間内にも実行されるようにしてもよい。
この場合、次のプラス又はマイナスの出力のための充電を、残り期間を利用して行うことができる。
この場合、次のプラス又はマイナスの出力のための充電を、残り期間を利用して行うことができる。
(5)また、上記(4)の送信回路において、制御回路は、0、プラス、マイナスの出力の合間にキャパシタの充電も放電も行わせない空き時間を設けるようにしてもよい。
この場合、例えばオフになるのが遅れたスイッチがあった場合に、伝送路と信号生成用の電源とが互いに瞬間的に接続されることを、防止することができる。
この場合、例えばオフになるのが遅れたスイッチがあった場合に、伝送路と信号生成用の電源とが互いに瞬間的に接続されることを、防止することができる。
(6)また、上記(2)〜(5)のいずれかの送信回路において、蓄電用スイッチ、第1スイッチ、及び、第2スイッチは、それぞれ、充電用又は出力用の両極電路に一対設けられることが好ましい。
この場合、両極電路にそれぞれスイッチを設けることで、キャパシタを充電する電源側の電位と、出力側の電位とを、確実に絶縁することができる。
この場合、両極電路にそれぞれスイッチを設けることで、キャパシタを充電する電源側の電位と、出力側の電位とを、確実に絶縁することができる。
(7)また、本発明は、空調設備を構成し、相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う空調機器であって、その送信回路として、
信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチ(3a,3b)と、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにすることにより充電可能なキャパシタ(C1)と、前記キャパシタ(C1)に接続された第1スイッチ(1a,1b)を含み、当該第1スイッチ(1a,1b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路(1)と、前記キャパシタ(C1)に接続された第2スイッチ(2a,2b)を含み、当該第2スイッチ(2a,2b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性反転して出力する第2出力回路(2)と、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにして前記キャパシタ(C1)を充電し、かつ、前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)を共にオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオフにして前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)のいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路(4)とを備えたものである。
信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチ(3a,3b)と、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにすることにより充電可能なキャパシタ(C1)と、前記キャパシタ(C1)に接続された第1スイッチ(1a,1b)を含み、当該第1スイッチ(1a,1b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路(1)と、前記キャパシタ(C1)に接続された第2スイッチ(2a,2b)を含み、当該第2スイッチ(2a,2b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性反転して出力する第2出力回路(2)と、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにして前記キャパシタ(C1)を充電し、かつ、前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)を共にオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオフにして前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)のいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路(4)とを備えたものである。
上記(7)のように構成された空調機器の送信回路における第1出力回路及び第2出力回路と電源電圧との間にはキャパシタが介在し、このキャパシタは蓄電用スイッチのオンにより充電される。キャパシタの電圧がいずれかの出力回路により出力されるときは、キャパシタは蓄電用スイッチのオフにより電源電圧とは絶縁された状態になる。従って、各出力回路の出力する信号電圧には、電源電圧側のノイズが乗って来ない。また、各出力回路では独自に、グランドから当該出力回路の電源電圧までの電圧幅を十分に確保することで、コモンモードノイズの影響を抑制することができる。
本発明の送信回路又はこれを用いた空調機器によれば、送信回路の耐ノイズ性能を向上させることができる。
図8は、本発明の一実施形態に係る空調機器の相互間での信号伝送に関する回路図である。空調機器とは、空調設備を構成する室外機、室内機、集中制御機器、リモコン装置等である。ここで、機器のいずれか一方を送信側端末10、他方を受信側端末20とすると、送信側端末10は、送信回路S及び、受信回路Rを備えている。回路のグランド(SG)GND_1は、結合容量C1を介して、機器筐体のグランドFGと接続された関係にある。
一方、受信側端末20も、送信回路S及び、受信回路Rを備えている。回路のグランドGND_2は、結合容量C4を介して、機器筐体のグランドFGと接続された関係にある。送信側端末10と受信側端末20とを相互に繋ぐ伝送路F1,F2の線路インピーダンスはそれぞれ、Z1,Z2である。また、伝送路F1,F2のグランドFGに対する浮遊容量はそれぞれ、C2,C3である。
図1は、本発明の一実施形態に係る、上記送信回路Sの回路図である。この送信回路は、空調設備を構成する機器相互間で伝送路F1,F2を介してデジタル信号の送信を行う。図において、送信回路Sは、信号電圧の出力用の一対の第1スイッチ1a,1b及び一対の第2スイッチ2a,2bと、一対の蓄電用スイッチ3a,3bと、キャパシタC1と、伝送路F1,F2へのバイアス電圧を印加するための抵抗R1,R2,R3,R4と、キャパシタC1への充電電流を抑制する抵抗R5,R6と、CPUを搭載した制御回路4とを備えている。
蓄電用スイッチ3a,3bは、信号生成用の電源電圧Vcc1を導き、キャパシタC1を充電する電路に設けられている。すなわち、キャパシタC1は、蓄電用スイッチ3a,3bをオンにすることにより電源電圧Vcc1により充電可能である。なお、電源電圧Vcc1としては、定電流源を用いてもよい。その場合には、抵抗R5,R6を省略することも可能である。
キャパシタC1に接続された第1スイッチ1a,1bを含む第1出力回路1は、第1スイッチ1a,1bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性非反転で出力することができる。また、キャパシタC1に接続された第2スイッチ2a,2bを含む第2出力回路2は、第2スイッチ2a,2bをオンにすることによりキャパシタC1の電圧を極性反転して出力することができる。
上記の各スイッチ1a,1b,2a,2b,3a,3bは、アナログスイッチであり、例えばPチャネル及びNチャネルのMOS−FETを並列接続して成るものである。各スイッチ1a,1b,2a,2b,3a,3bは、ペアとなっている各スイッチ(1a,1b/2a,2b/3a,3b)ごとに、制御回路4によってオン・オフ制御される。ここで、第1スイッチ1a,1bに対する制御信号をout−p、第2スイッチ2a,2bに対する制御信号をout−m、蓄電用スイッチ3a,3bに対する制御信号をCHGとする。
信号生成用の電源電圧Vcc1は、例えば5Vである。また、伝送路F1,F2にバイアス電圧を付与する電源電圧Vcc2は、例えば16Vである。抵抗R1〜R4の抵抗値は同一である。従って、キャパシタC1の両端電圧に基づく信号電圧が出力されないときは、伝送路F1,F2の電位VF1,VF2は共に(Vcc2/2)であり、これは、信号電圧(VF1−VF2)としてはレベル0の出力状態となる。
図2は、スイッチ1a,1b,2a,2b,3a,3bの制御の一例を示すタイムチャートである。図において、左側から、まず、制御信号CHGがHレベルのときは、他の制御信号out−p及びout−mはLレベルである。すなわち、
CHG : Hレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
であり、蓄電用スイッチ3a,3bのみがオンになる。この結果、図3に示すように、電源電圧Vcc1により、スイッチ3a、抵抗R5、キャパシタC1、抵抗R6、及び、スイッチ3bを通ってグランドGND(図8のGND_1又はGND_2に相当する。)に充電電流が流れる回路が形成され、キャパシタC1は充電される。
CHG : Hレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
であり、蓄電用スイッチ3a,3bのみがオンになる。この結果、図3に示すように、電源電圧Vcc1により、スイッチ3a、抵抗R5、キャパシタC1、抵抗R6、及び、スイッチ3bを通ってグランドGND(図8のGND_1又はGND_2に相当する。)に充電電流が流れる回路が形成され、キャパシタC1は充電される。
キャパシタC1の充電中は、他のスイッチ1a,1b,2a,2bはオフであるため、上述のように、信号電圧(VF1−VF2)としてはレベル0の出力状態となり、これは、AMI信号では論理1とされる状態である。
次に、図2において、蓄電用スイッチ3a,3bをオンにする制御信号CHGがLレベルになり、短時間的には、以下の状態(充電終了)となる。
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
これは、次にキャパシタC1の放電が始まるまでの空き時間(デッドタイム)となる。その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Lレベル
out−p: Hレベル
out−m: Lレベル
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
これは、次にキャパシタC1の放電が始まるまでの空き時間(デッドタイム)となる。その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Lレベル
out−p: Hレベル
out−m: Lレベル
これにより、キャパシタC1は放電の状態となり、図4に示すように、キャパシタC1の両端電圧(Vcc1)は、第1スイッチ1a,1bを介して伝送路F1,F2間のバイアス電圧に重畳される。重畳による伝送路F1,F2の電位VF1,VF2は、
VF1=(Vcc2/2)+(Vcc1/2)
VF2=(Vcc2/2)−(Vcc1/2)
となり、信号電圧(VF1−VF2)は、Vcc1(例えば5V)すなわちプラスの状態となり、これは、AMI信号では論理0(プラス)とされる状態である。
VF1=(Vcc2/2)+(Vcc1/2)
VF2=(Vcc2/2)−(Vcc1/2)
となり、信号電圧(VF1−VF2)は、Vcc1(例えば5V)すなわちプラスの状態となり、これは、AMI信号では論理0(プラス)とされる状態である。
次に、図2において、蓄電用スイッチ3a,3bをオンにする制御信号CHGがLレベルになり、短時間的には、以下の状態(放電終了・充電開始待ち)となる。
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
これは、次にキャパシタC1の充電が始まるまでの空き時間(デッドタイム)となる。その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Hレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
これは、次にキャパシタC1の充電が始まるまでの空き時間(デッドタイム)となる。その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Hレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
これにより、キャパシタC1は充電される。キャパシタC1の充電中は、他のスイッチ1a,1b,2a,2bはオフであるため、上述のように、信号電圧(VF1−VF2)としてはレベル0の出力状態となり、これは、AMI信号では論理1とされる状態である。
次に、図2において、蓄電用スイッチ3a,3bをオンにする制御信号CHGがLレベルになり、短時間的には、以下の状態(充電終了)となる。
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Hレベル
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Lレベル
その後、3つの制御信号は、以下の状態になる。
CHG : Lレベル
out−p: Lレベル
out−m: Hレベル
これにより、キャパシタC1は放電の状態となり、図5に示すように、キャパシタC1の両端電圧(Vcc1)は、第2スイッチ2a,2bを介して伝送路F1,F2間のバイアス電圧に重畳される。重畳による伝送路F1,F2の電位VF1,VF2は、
VF1=(Vcc2/2)−(Vcc1/2)
VF2=(Vcc2/2)+(Vcc1/2)
となり、信号電圧(VF1−VF2)は、−Vcc1(例えば−5V)すなわちマイナスの状態となり、これは、AMI信号では論理0(マイナス)とされる状態である。
VF1=(Vcc2/2)−(Vcc1/2)
VF2=(Vcc2/2)+(Vcc1/2)
となり、信号電圧(VF1−VF2)は、−Vcc1(例えば−5V)すなわちマイナスの状態となり、これは、AMI信号では論理0(マイナス)とされる状態である。
以下、同様に、キャパシタC1の充電・放電を繰り返しながら、信号電圧が送出される。このようにして制御回路4は、基本的に、(i)蓄電用スイッチ3a,3bをオンにしてキャパシタC1を充電し、かつ、第1スイッチ1a,1b及び第2スイッチ2a,2bを共にオフにする低レベル(0)出力状態、又は、(ii)蓄電用スイッチ3a,3bをオフにして第1スイッチ1a,1b及び第2スイッチ2a,2bのいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル(プラス又はマイナス)出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を伝送路F1,F2に送出させる。但し、過渡的(空き時間)には、(i)、(ii)のいずれでもない状態も存在する。
なお、図2は、論理1,0が交互に現れる例を示したが、論理0が続く場合でも、AMI信号の場合は、プラス/マイナスを交互に出力することにより、プラス又はマイナスの出力期間後の残り期間内があるので、この残り時間を利用して充電を行うことができる。この場合、図2における論理1の区間が、論理0となり、その直前の論理0(プラス/マイナス)の残り時間に相当することになる。
図6は、キャパシタC1の充放電を詳細に示す波形図である。キャパシタC1から伝送路F1,F2への出力波形(電圧)は、(a)に示すように、0の状態を挟んで交互に反転する。放電により電荷を失うので、放電開始時と、放電終了時とでは、若干の電位差がある。キャパシタC1の両端電圧は、(b)に示すように、信号出力により漸減し、充電により回復する、という過程を繰り返す。電流(放電/充電)は、(c)に示すように、放電時は両端電圧の漸減に伴って漸減し、充電時は充電完了により自然に0になる。
放電終了後、充電開始までの間には、前述の空き時間があるので、オフになるのが遅れたスイッチがあった場合に、伝送路F1,F2と信号生成用の電源Vcc1とが互いに瞬間的に接続されることを、防止することができる。また、図2に示すように、0、プラス、マイナスの出力の合間にキャパシタC1の充電も放電も行わせない空き時間を設けることにより、確実に、伝送路F1,F2と信号生成用の電源Vcc1との絶縁を維持し、相互のノイズ侵入を防止することができる。
以上のように、送信回路Sにおける第1出力回路1及び第2出力回路2と電源電圧Vcc1との間にはキャパシタC1が介在し、このキャパシタC1は蓄電用スイッチ3a,3bのオンにより充電される。キャパシタC1の電圧がいずれかの出力回路(1又は2)により出力されるときは、キャパシタC1は蓄電用スイッチ3a,3bのオフにより電源電圧Vcc1やグランドGNDとは絶縁された状態になる。言い換えれば、伝送路F1,F2への直接の信号電圧源となるキャパシタC1は、浮いた状態、すなわち、フライング・キャパシタである。従って、各出力回路1,2の出力する信号電圧には、電源電圧Vcc1側のグランドの電位が揺らされるノイズが乗って来ない。また、各出力回路1,2では独自に(Vcc1には制約されずに)、グランドから当該出力回路1,2の電源電圧Vcc2までの電圧幅を十分に確保することで、コモンモードノイズの影響を抑制することができる。従って、耐ノイズ性能に優れた送信回路を提供することができる。
図7は、電圧幅を十分に確保することの意義を示す図である。例えば信号電圧が、2.5Vをバイアス電圧として±2.5Vの範囲内で送出される場合、図示のように、少しでもノイズによって信号電圧の範囲がずれるとノイズ電流が流れる。しかしながら、例えばVcc2を16Vとして、バイアス電圧を8Vとすれば、ノイズによって信号電圧の範囲が変化してもノイズ電流が流れにくい状態となる。
また、上記実施形態では、蓄電用スイッチ3a,3b、第1スイッチ1a,1b、及び、第2スイッチ2a,2bを、それぞれ、充電用又は出力用の両極(高電位側・低電位側)電路に一対設けられている。このように両極電路にそれぞれスイッチを設けることで、キャパシタC1を充電する電源側の電位と、出力側の電位とを、確実に絶縁することができる。
なお、上記実施形態の送信回路は、信号伝送にAMI方式を採用しているが、その他のデジタル信号伝送にも、必要に応じた出力回路を用意すれば、同様に適用可能である。
1:第1出力回路
2:第2出力回路
1a,1b:第1スイッチ
2a,2b:第2スイッチ
3a,3b:蓄電用スイッチ
4:制御回路
10:送信側端末(空調機器)
20:受信側端末(空調機器)
C1:キャパシタ
2:第2出力回路
1a,1b:第1スイッチ
2a,2b:第2スイッチ
3a,3b:蓄電用スイッチ
4:制御回路
10:送信側端末(空調機器)
20:受信側端末(空調機器)
C1:キャパシタ
Claims (7)
- 空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路であって、
信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチ(3a,3b)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにすることにより充電可能なキャパシタ(C1)と、
前記キャパシタ(C1)に接続された出力用スイッチ(1a,1b/2a,2b)を含み、当該出力用スイッチ(1a,1b/2a,2b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を出力する出力回路(1)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにして前記キャパシタ(C1)を充電し、かつ、前記出力用スイッチ(1a,1b/2a,2b)をオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオフにして前記出力用スイッチ(1a,1b/2a,2b)をオンにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路(4)と
を備えていることを特徴とする送信回路。 - 空調設備を構成する機器相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う送信回路であって、
信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチ(3a,3b)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにすることにより充電可能なキャパシタ(C1)と、
前記キャパシタ(C1)に接続された第1スイッチ(1a,1b)を含み、当該第1スイッチ(1a,1b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路(1)と、
前記キャパシタ(C1)に接続された第2スイッチ(2a,2b)を含み、当該第2スイッチ(2a,2b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性反転して出力する第2出力回路(2)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにして前記キャパシタ(C1)を充電し、かつ、前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)を共にオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオフにして前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)のいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路(4)と
を備えていることを特徴とする送信回路。 - 前記キャパシタ(C1)を充電しているときにレベル0の出力、前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)のいずれか一方がオンで他方がオフのときプラスの出力、一方がオフで他方がオンのときマイナスの出力、となる請求項2記載の送信回路。
- 前記キャパシタ(C1)の充電は、前記プラス又はマイナスの出力期間後の残り期間内にも実行される請求項3記載の送信回路。
- 前記制御回路(4)は、0、プラス、マイナスの出力の合間に前記キャパシタ(C1)の充電も放電も行わせない空き時間を設ける請求項3記載の送信回路。
- 前記蓄電用スイッチ(3a,3b)、前記第1スイッチ(1a,1b)、及び、前記第2スイッチ(2a,2b)は、それぞれ、充電用又は出力用の両極電路に一対設けられる請求項2〜5のいずれか1項に記載の送信回路。
- 空調設備を構成し、相互間で伝送路を介してデジタル信号の送信を行う空調機器であって、その送信回路として、
信号生成用の電源電圧を導く電路に設けられた蓄電用スイッチ(3a,3b)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにすることにより充電可能なキャパシタ(C1)と、
前記キャパシタ(C1)に接続された第1スイッチ(1a,1b)を含み、当該第1スイッチ(1a,1b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性非反転で出力する第1出力回路(1)と、
前記キャパシタ(C1)に接続された第2スイッチ(2a,2b)を含み、当該第2スイッチ(2a,2b)をオンにすることにより前記キャパシタ(C1)の電圧を極性反転して出力する第2出力回路(2)と、
前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオンにして前記キャパシタ(C1)を充電し、かつ、前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)を共にオフにする低レベル出力状態、又は、前記蓄電用スイッチ(3a,3b)をオフにして前記第1スイッチ(1a,1b)及び前記第2スイッチ(2a,2b)のいずれか一方をオン、他方をオフにする高レベル出力状態を、送信すべきデジタル信号に応じて選択することによって、信号電圧を前記伝送路に送出させる制御回路(4)と
を備えていることを特徴とする空調機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011007459A JP5500087B2 (ja) | 2011-01-18 | 2011-01-18 | 送信回路及びこれを用いた空調機器 |
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JP2011007459A JP5500087B2 (ja) | 2011-01-18 | 2011-01-18 | 送信回路及びこれを用いた空調機器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015015638A1 (ja) * | 2013-08-02 | 2017-03-02 | 三菱電機株式会社 | 空調システム |
US10680667B2 (en) | 2017-03-22 | 2020-06-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Reception device and communication system |
Citations (3)
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JP2000059445A (ja) * | 1998-08-11 | 2000-02-25 | Asahi Kasei Microsystems Kk | 波形生成回路 |
JP2001144599A (ja) * | 1999-11-16 | 2001-05-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 信号伝送回路 |
JP2005323200A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Sony Corp | 差動出力回路 |
-
2011
- 2011-01-18 JP JP2011007459A patent/JP5500087B2/ja active Active
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