JP2012150920A - 導電性組成物及び導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば150℃以下という低い温度で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることのできる導電性組成物を提供する。
【解決手段】銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性組成物であって、前記銀微粒子に対する前記銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%であることを特徴とする導電性組成物である。前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とメルカプタンとの反応物であることが好ましい。前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とt−ドデシルメルカプタンとの反応物であることがより好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子部品の導電膜の形成に用いることのできる導電性組成物、及びその導電性組成物を熱処理して得られる導電膜に関する。
各種電子部品の導電回路を形成する方法として、サブトラクティブ法やアディティブ法などが知られている。アディティブ法においては、スクリーン印刷などの技術を用いて基板上に導電ペーストを塗布してパターンを形成し、この導電ペーストを所定の温度で焼成することによって導電膜(導電回路)を形成することが行われている。
最近では、携帯電話等の分野において、ポリイミド製フレキシブル回路基板や、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等からなる基板が使用されている。これらの基板との組み合わせでは、導電ペーストは、200℃以下の低温で導電膜を形成可能であることが要求される。
低温で導電膜を形成できる導電ペーストの例として、特許文献1には、熱硬化性樹脂と、金属粉末と、金属レジネートとを含有する樹脂硬化型導電性ペーストであって、前記金属粉末に対して前記金属レジネートが0.3wt%以上10wt%以下の範囲で添加されていることを特徴とする導電ペーストが開示されている。特許文献1には、この導電ペーストを200℃で熱処理することにより、導電膜を形成できることが開示されている。
また、特許文献2には、炭素数0〜12の脂肪酸銀0.1〜60重量%、銀粉末1〜80重量%、バインダ樹脂0.1〜15重量%、及び有機溶媒を含有する導電ペーストが開示されている。特許文献2には、この導電ペーストを80〜280℃で熱処理することにより、導電膜を形成できることが開示されている。
特開2005−197021号公報 特表2010−504612号公報
しかし、上記した従来の導電ペーストは、より低い温度(例えば150℃以下)で熱処理した場合において、導電膜の抵抗率をさらに低く(例えば12μΩ・cm以下)することが困難であるという問題があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであって、例えば150℃以下という低い温度で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることのできる導電性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性組成物において、前記銀微粒子に対する前記銀レジネートの割合を調整することによって、例えば150℃以下という低温で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜が得られることを発見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性組成物であって、前記銀微粒子に対する前記銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%であることを特徴とする導電性組成物である。
本発明の導電性組成物において、前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とメルカプタンとの反応物であることが好ましい。
本発明の導電性組成物において、前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とt−ドデシルメルカプタンとの反応物であることがより好ましい。
前記銀微粒子は、
1次粒子の平均粒子径が50〜150nmであり、
結晶子径が20〜50nmであり、かつ
結晶子径に対する平均粒子径の比が1〜7.5であることが好ましい。
また、前記銀微粒子は、有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて、銀微粒子を析出させることで製造されたものであることが好ましい。
前記バインダ樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
さらに、本発明は、上記いずれかの導電性組成物を基板上に塗布した後に、100〜170℃で熱処理することにより得られる導電膜を提供する。
本発明によれば、例えば150℃以下という低い温度で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることのできる導電性組成物を提供することができる。
導電性組成物を150℃で熱処理した場合において、銀微粒子に対する銀レジネートの割合を横軸、導電膜の抵抗率を縦軸にプロットしたグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る導電性組成物は、(A)銀微粒子と、(B)銀レジネートと、(C)バインダ樹脂と、(D)溶剤とを含有する導電性組成物であって、前記銀微粒子に対する前記銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%であることを特徴とする。
(A)銀微粒子
本発明において銀微粒子は平均粒径が10〜2000nmの銀粒子を指し、より薄い導電膜形成やより平滑な導電膜形成に有利なことから10〜500nmが好ましい。
また、本発明において用いる銀微粒子は、(a)1次粒子の平均粒子径が50〜150nmであり、(b)結晶子径が20〜50nmであり、かつ(c)結晶子径に対する平均粒子径の比が1〜7.5であることがさらに好ましい。平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して画像解析により求めた。結晶子径は、CuのKα線を線源とした粉末X線回折法による測定から、面指数(1,1,1)面ピークの半値幅を求め、Scherrerの式より計算した値のことを意味する。
本発明において用いる銀微粒子は、1次粒子の平均粒子径が40〜150nmであり、好ましくは50〜150nmであり、より好ましくは70〜140nmである。なお、本発明の銀微粒子は通常、略球状である。銀微粒子の平均粒子径がこの範囲であると、銀微粒子の凝集が抑制され、導電性組成物の保存安定性が良好になる。
本発明において用いる銀微粒子は、結晶子径が15〜50nmであり、好ましくは20〜50nmである。結晶子径がこの範囲であると、導電性組成物を熱処理した時の体積収縮が抑制されるとともに、熱処理後に形成される導電膜の緻密性や表面平滑性が良好になる。
本発明において用いる銀微粒子は、1次銀微粒子の結晶子径に対する平均粒子径の比(平均粒子径/結晶子径)が1〜10であり、好ましくは1〜7.5であり、より好ましくは1〜5の範囲である。上記の比がこの範囲であると、導電性組成物を例えば150℃以下の低温で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることが可能になる。
本発明において用いる銀微粒子は、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で銀微粒子を析出させることにより製造することができる。
はじめに、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとを混合して、カルボン酸の銀塩を溶解させた溶液を得る。溶液中では、カルボン酸の銀塩に脂肪族第一級アミンが配位し、一種のアミン錯体を形成していると考えられる。
カルボン酸の銀塩は、脂肪族、芳香族いずれのカルボン酸の銀塩であってもよい。また、モノカルボン酸の銀塩であっても、ジカルボン酸等のポリカルボン酸の銀塩であってもよい。脂肪族カルボン酸の銀塩は、鎖状脂肪族カルボン酸の銀塩であっても、環状脂肪族カルボン酸の銀塩であってもよい。好ましくは鎖状脂肪族モノカルボン酸の銀塩であり、より好ましくは、酢酸銀、プロピオン酸銀又は酪酸銀であり、特に酢酸銀が好ましい。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族第一級アミンは、鎖状脂肪族第一級アミンであっても、環状脂肪族第一級アミンであってもよい。また、モノアミン化合物であっても、ジアミン化合物等のポリアミン化合物であってもよい。脂肪族第一級アミンには、脂肪族炭化水素基の水素原子が、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基で置換されたものも含む。より好ましくは、3−メトキシプロピルアミン、3−アミノプロパノール及び1,2−ジアミノシクロヘキサンである。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族第一級アミンの使用量は、生成する銀微粒子の後処理等プロセス上の要請や装置から決められるが、制御された粒子径の銀微粒子を得る点からは、カルボン酸の銀塩1当量に対して、1当量以上であることが好ましい。過剰な脂肪族第一級アミンの環境等への影響を考慮すると、1.0〜3.0当量であることが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0当量、特に好ましくは1.2〜1.8当量である。特に、後続の工程で、還元剤によって銀微粒子を析出させた液をそのまま、導電組成物として使用する場合、過剰な脂肪族第一級アミンは加熱により気化する可能性があるため、上記の好ましい使用量の範囲を採用することがとりわけ望ましい。
カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとの混合は、有機溶媒の非存在下又は存在下に行うことができる。有機溶媒の使用により、混合を容易にすることができる。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。有機溶媒の使用量は、混合の利便性、後続の工程での銀微粒子の生産性等を考慮して、任意の量とすることができる。
カルボン酸塩の銀塩と脂肪族第一級アミンとの混合は、例えば、第一級脂肪族アミン、又は第一級脂肪族アミンと有機溶媒の混合物を攪拌しながら、カルボン酸の銀塩を添加して行うのが好ましい。添加終了後も、適宜、攪拌を続けることができる。その間、温度を、20〜80℃に維持することが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。
その後、還元剤を添加して、銀微粒子を析出させる。還元剤としては、反応の制御の点から、ギ酸、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸又はヒドラジンが好ましく、より好ましくは、ギ酸である。これらは単独で、又は2種以上を併用することができる。還元剤の使用量は、カルボン酸の銀塩に対して酸化還元当量以上であることが好ましく、より好ましくは酸化還元当量の1〜3倍である。
還元剤の添加及びその後の反応においては、温度を20℃〜80℃に維持する。温度は、20〜70℃であることが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。温度がこの範囲にあると、銀微粒子の粒成長が十分であり、生産性も高く、また二次凝集も抑制される。還元剤の添加及びその後の反応に要する時間は、反応装置の規模にも依存するが、通常、10分〜10時間である。なお、還元剤の添加及びその後の反応に際して、必要に応じて、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トルエン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒を追加で添加することもできる。
還元剤の添加及びその後の反応においては、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとを混合した溶液、還元剤、及び任意の有機溶媒の合計の容積(L)に対する、カルボン酸の銀塩の量(mol)が、1.0〜6.0mol/Lの範囲となるようにすることが好ましく、より好ましくは、2.0〜5.0mol/L、さらに好ましくは2.0〜4.0mol/Lである。濃度がこの範囲にあると、反応液の攪拌を十分行い、反応熱を除去することができるため、析出する銀微粒子の平均粒子径が適切となり、ひいては後続する工程での沈降デカント、溶媒置換等の操作に支障を来すこともない。
反応容器にカルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとを混合した溶液と任意の有機溶媒を仕込み、還元剤を連続的に供給するセミバッチ方式で反応を行った場合、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとを混合した溶液、還元剤及び任意の有機溶媒の合計の容積1Lにつき、還元剤の添加開始から反応終了までの所要時間1時間当たりの銀微粒子の析出量は、0.3〜1.0mol/h/Lの範囲とすることができ、生産性は非常に大きい。連続式反応方式(連続式完全混合糟や流通式)で反応を実施した場合はさらに大きな生産性が得られ、工業的実施に対して大きな利得を与える。
反応により析出した銀微粒子は沈降させて、デカンテーション等により上澄みを除去するか、又はメタノール、エタノール、テルピネオール等のアルコール等の溶媒を添加して分取することができる。
(B)銀レジネート
本発明において用いる銀レジネートは、以下の式(1)で表される化合物である。
R−S−Ag …(1)
上式(1)において、Agは銀原子を表しており、Sは硫黄原子を表しており、Rはアルキル基を表している。Rで表されるアルキル基の炭素数には特に制限はなく、任意であってよい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。また、アルキル基は、飽和炭化水素から水素を取り除いたアルキル基だけでなく、不飽和炭化水素から水素を取り除いたアルキル基も含む。また、アルキル基は、連続する炭素原子同士の間が酸素原子によって分断されていてもよい。また、アルキル基の水素原子の一部が、ヒドロキシル基等の他の官能基によって置換されていてもよい。
上式(1)で表される銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とメルカプタンとの反応物であることが好ましく、カルボン酸の銀塩とt−ドデシルメルカプタンとの反応物であることが特に好ましい。
カルボン酸の銀塩は、脂肪族、芳香族いずれのカルボン酸の銀塩であってもよい。また、モノカルボン酸の銀塩であっても、ジカルボン酸等のポリカルボン酸の銀塩であってもよい。また、鎖状脂肪族カルボン酸の銀塩であってもよく、環状脂肪族カルボン酸の銀塩であってもよい。好ましくは、酢酸銀、プロピオン酸銀又は酪酸銀であり、特に酢酸銀が好ましい。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
メルカプタン(チオール)は、分子中に1個以上のメルカプト基(−SH)を有する化合物であればよい。好ましくは、ベンジルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンであり、t−ドデシルメルカプタンが特に好ましい。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
銀レジネートを製造するためには、上記に挙げたカルボン酸の銀塩とメルカプタンとを攪拌しながら混合すればよい。カルボン酸の銀塩とメルカプタンとの混合は、有機溶媒の非存在下又は存在下に行うことができる。有機溶媒の使用により、混合を容易にすることができる。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサン等の環状炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
(C)バインダ樹脂
本発明において用いるバインダ樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化するものであれば特に制限するものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂等が用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、加熱により軟化するものであれば特に制限するものではなく、当該分野において公知のものを使用することができる。例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース等を用いることができる。
これらのバインダ樹脂は、単独でも、又は2種類以上を併用することもできる。
(D)溶剤
本発明において用いる溶剤は、当該分野において公知のものを使用することができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジヒドロターピネオール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テトラリン及び石油系芳香族炭化水素混合物等の芳香族炭化水素系溶剤;テルピネオール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール等のテルペンアルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;並びにエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、水等が挙げられる。溶剤は、単独でも、又は2種類以上を併用することもできる。
上記(A)銀微粒子、(B)銀レジネート、(C)バインダ樹脂、及び(D)溶剤を混合することによって、ペースト状の導電性組成物を製造することができる。
なお、上記(A)〜(D)成分を混合する順番は任意であり、上記(A)〜(D)成分を同時に混合してもよいし、例えば(A)〜(C)成分を混合した後に(D)成分を加えて混合してもよい。
本発明の導電性組成物は、銀微粒子に対する銀レジネートの割合((銀レジネートの重量/銀微粒子の重量)×100)が、0.2〜1.6wt%であることを特徴とする。好ましくは0.25〜1.5wt%であり、より好ましくは、0.5〜1.3wt%である。
銀微粒子に対する銀レジネートの割合がこの範囲よりも小さい場合、導電性組成物を低温(例えば150℃以下)で熱処理した場合に、十分に抵抗率が低い(例えば抵抗率が12μΩ・cm以下)導電膜を得ることができない。また、銀微粒子に対する銀レジネートの割合がこの範囲よりも大きい場合にも、十分に抵抗率が低い(例えば抵抗率が12μΩ・cm以下)導電膜を得ることができない。その理由は明らかではないが、このような事実は本発明者らによって実験的に確かめられている。
次に、上記のようにして得られた導電性組成物を用いて基板上に導電膜を形成する方法について説明する。
上記(A)〜(D)成分を混合してペースト状の導電性組成物を得た後、この導電性組成物を基板上に塗布する。塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法などの公知の方法を用いることができる。
基板上にペースト状の導電性組成物を塗布した後、この導電性組成物を100〜170℃、より好ましくは110〜160℃、最も好ましくは100〜150℃の温度で加熱する。これにより、樹脂バインダ中に銀微粒子が均一に分散した導電膜を得ることができる。
このようにして得られた導電膜は、十分な導電性(例えば抵抗率が12μΩ・cm以下)を示す。また、銀微粒子の平均粒子径が十分に小さいために、回路パターンをより微細化することができる。また、導電性組成物を加熱する温度範囲が低温(100〜170℃)であるため、高温に弱い例えばPETフィルムやPENフィルムからなる基板に対して導電膜を形成することが可能である。
本発明の導電性組成物を熱処理することによって得られる導電膜は、各種電子部品の導電回路、例えば、プリント基板における回路パターンの形成に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
銀微粒子は、以下の方法で調製した。
まず、10Lのガラス製反応容器に3−メトキシプロピルアミン4.0kg(45.0mol)を入れた。撹拌しながら、反応温度を45℃以下に保持しつつ、酢酸銀5.0kg(30.0mol)を添加した。添加直後は、透明な溶液となり溶解していくが、添加が進むにつれ溶液が次第に濁り、全量を添加すると灰茶濁色の粘調溶液となった。そこへ95重量%のギ酸0.7kg(15.0mol)をゆっくり滴下した。滴下直後から激しい発熱が認められたが、その間、反応温度を30〜45℃に保持した。当初、灰濁色の粘調溶液が、茶色から黒色へ変化した。全量を滴下した後反応を終了させた。反応混合物を40℃で静置すると二層に分かれた。上層は黄色の透明な液であり、下層には黒色の銀微粒子が沈降した。上層の液には、銀成分が含まれていなかった。上層の液をデカンテーションで除去し、メタノールを使用して層分離させて銀含有率90重量%の真球状の銀微粒子を得た。
得られた銀微粒子は、平均粒子径130nm、結晶子径40nm、平均粒子径/結晶子径=3.25であった。ここで、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して画像解析により求めたヘイウッド径の平均値であり、結晶子径は、マックサイエンス社製X線回折測定装置(M18XHF22)による測定によって、CuのKα線を線源とした面指数(1,1,1)面ピークの半値幅を求め、Scherrerの式より計算した値である。
銀レジネートは、t−ドデシルメルカプタンとカルボン酸銀塩との反応物であるBASF社製の「AD9144」を用いた。
バインダ樹脂は、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、及び、ブチラール樹脂を用いた。
溶剤は、ジヒドロターピネオール、プロピレングリコール、及び、ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテルを用いた。
そして、銀微粒子、銀レジネート、バインダ樹脂、及び溶剤を混合して、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が、0wt%、0.27wt%、1.34wt%、及び2.72wt%の導電性組成物を調製した。
調製した導電性組成物について、粘度、抵抗率、密着性、及び印刷性の測定・評価を行った。
粘度は、ブルックフィールド回転粘度計HBtype、少量サンプルアダプターを用いて、スピンドルを5rpmで1分間回転させて測定した。
抵抗率(体積抵抗率)の測定は、次のように行った。
まず、調製した導電性組成物を用いて、厚み1mmのガラス板の表面に、線長71mm、線幅1mmのパターンをスクリーン印刷した。次に、100℃、150℃、200℃、及び250℃の4つの温度でパターンを30分間加熱して導電膜を形成した。そして、この導電膜の抵抗値(Ω)を測定し、この測定した抵抗値に基づいて、以下の式(2)により抵抗率を算出した。
抵抗率[μΩ・cm]= 抵抗値(Ω)×線幅(mm)÷線長(mm)×膜厚(μm)×100 …(2)
密着性は、ガラス板の表面に形成した導電膜にニチバン(株)社製の粘着テープを貼着した後、その粘着テープを剥がし、導電膜の残存面積が95%以上の場合は良好(○)であると評価し、導電膜の残存面積が5%以上95%未満の場合は通常(△)であると評価し、導電膜の残存面積が5%未満の場合は不良(×)であると評価した。
印刷性は、調製した導電性組成物をスクリーンメッシュサイズ500meshのマスクによって印刷した場合に、目詰まりなく印刷できるものは良好(○)であると評価し、メッシュ詰まりがみられるものは不良(×)であると評価した。
測定及び評価の結果をまとめたものを、以下の表1に示す。
なお、表1において、(A)〜(D)成分の含有率は、すべて重量%で示している。
また、導電性組成物を150℃で熱処理した場合において、銀微粒子に対する銀レジネートの割合(wt%)を横軸、導電膜の抵抗率(μΩ・cm)を縦軸にプロットしたグラフを、図1に示す。
Figure 2012150920
表1の結果をみれば分かる通り、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0.27wt%の導電性組成物は、150℃という低い温度で熱処理した場合において、11μΩ・cmという低い抵抗率の導電膜が得られた(実施例1)。
また、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が1.34wt%の導電性組成物も、150℃という低い温度で熱処理した場合において、9μΩ・cmという低い抵抗率の導電膜が得られた(実施例2)。
これに対し、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0%(つまり銀レジネートの含有量が0)の導電性組成物は、150℃という低い温度で熱処理した場合において、導電膜の抵抗率が22μΩ・cmとなっており、低い抵抗率の導電膜が得られなかった。また、250℃で熱処理した場合の導電膜の密着性が不良であった(比較例1)。
また、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が2.72wt%の導電性組成物は、150℃という低い温度で熱処理した場合において、導電膜の抵抗率が49μΩ・cmとなっており、低い抵抗率の導電膜が得られなかった。また、100℃及び150℃で熱処理した場合の導電膜の密着性が良好ではなかった(比較例2)。
図1を見れば分かる通り、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%の導電性組成物は、低い抵抗率の導電膜が得られることが判明した。銀微粒子に対する銀レジネートの割合がこの範囲よりも小さい場合には、導電膜の抵抗値が大きくなる傾向があり、銀微粒子に対する銀レジネートの割合がこの範囲よりも大きい場合にも、導電膜の抵抗値が大きくなる傾向があることが判明した。

Claims (7)

  1. 銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性組成物であって、
    前記銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%であることを特徴とする導電性組成物。
  2. 前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とメルカプタンとの反応物である請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記銀レジネートは、カルボン酸の銀塩とt−ドデシルメルカプタンとの反応物である請求項1または請求項2に記載の導電性組成物。
  4. 前記銀微粒子は、
    1次粒子の平均粒子径が50〜150nmであり、
    結晶子径が20〜50nmであり、かつ
    結晶子径に対する平均粒子径の比が1〜7.5である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性組成物。
  5. 前記銀微粒子は、有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて、銀微粒子を析出させることで製造されたものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性組成物。
  6. 前記バインダ樹脂は熱可塑性樹脂である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性組成物を基板上に塗布した後に、100〜170℃で熱処理することにより得られる導電膜。
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