JP2012149449A - ドアハンドル装置 - Google Patents

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Koji Inoue
浩司 井上
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Abstract

【課題】ハンドルの円滑な回転を可能としつつ静電気による電気部品の損傷を回避し、加えて、ドアハンドル装置の外観の向上を図る。
【解決手段】本発明は、ドア2の壁面7に回転可能に設けられたハンドル9と、ハンドル9を貫挿可能な取付穴41が設けられて壁面7に固定されたエスカチオン8と、ハンドル9の外周と取付穴41の周囲のエスカチオン8との間に介装された樹脂製のハンドルブッシュ57と、壁面7とエスカチオン8の間の空間35に設けられてハンドル9の外周に接触するハンドルワッシャ62と、を備えたドアハンドル装置1であって、ハンドルワッシャ62は、導電性樹脂にて形成され、エスカチオン8に導通されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ホテルの客室用ドア等の各種ドアに取り付けられるドアハンドル装置に関する。
従来、ホテルの客室用ドア等の各種ドアには、ドアの外側と内側の両壁面にハンドルが回転可能に設けられ、このハンドルの近傍に錠前の機構が配置されるとともに、この錠前の機構を覆うようにして装飾板(いわゆる「エスカチオン」)が設けられている。
例えば、特許文献1には、ドアの内壁面及び外壁面にドアを挟むようにエスカチオンを固定し、各エスカチオンにハンドルを回転可能に設ける構成が開示されている。
上記のような構成のドアハンドル装置において、ハンドル及びエスカチオンを金属製とし、且つ、ハンドルとエスカチオンを接触させておけば、ハンドルとエスカチオンを導通させることができる。これにより、操作者がハンドルを握った際などにハンドルに静電気が発生しても、この静電気をエスカチオンに分散させることができ、上記した静電気がドアハンドル装置内に設けられた電気部品に伝達されるのを抑制することができるため、電気部品の損傷を防止することが可能となる。
特許第4111759号公報
しかしながら、上記従来例の如く、ともに金属製としたハンドルとエスカチオンを接触させると、ハンドルの摺動性が悪化し、ハンドルを円滑に回転させることが困難になる。この問題を解決するために、ハンドルとエスカチオンの間に樹脂性の部材を介装させると、ハンドルとエスカチオンの導通が取れなくなり、上記した静電気による電気部品の損傷の問題が発生してしまう。
そこで、本発明は上記の事情を考慮し、ハンドルの円滑な回転を可能としつつ静電気による電気部品の損傷を回避し、加えて、ドアハンドル装置の外観の向上を図ることを目的とする。
本発明は、ドアの壁面に回転可能に設けられたハンドルと、該ハンドルを貫挿可能な取付穴が設けられて前記壁面に固定されたエスカチオンと、前記ハンドルの外周と前記取付穴の周囲の前記エスカチオンとの間に介装された樹脂製のハンドルブッシュと、前記壁面と前記エスカチオンの間の空間に設けられて前記ハンドルの外周に接触するハンドルワッシャと、を備えたドアハンドル装置であって、前記ハンドルワッシャは、導電性樹脂にて形成され、前記エスカチオンに導通されていることを特徴とする。
また、前記ハンドルワッシャと前記エスカチオンの間には導電性部材が介装され、該導電性部材は、前記ハンドル及び前記ハンドルワッシャと同軸上に配置されて該ハンドルワッシャの表面に裏面を密接させるスペーサーと、該スペーサーの表面に裏面を密接させるとともに前記エスカチオンの裏面に表面を密接させる裏板と、により構成されていても良い。
本発明によれば、ハンドルの円滑な回転を可能としつつ静電気による電気部品の損傷を回避し、加えて、ドアハンドル装置の外観の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかるドアハンドル装置の断面図である。 外側ハンドルの周辺を示す図1の拡大断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係るドアハンドル装置1をホテルの客室用ドア2(以下、「ドア2」と略称する)に適用する場合について説明する。なお、図1においては、図面左側が内側(客室側)であり、図面右側が外側(廊下側)である。
ドアハンドル装置1は、ドア2の内壁面3に固定された内側エスカチオン4と、内側エスカチオン4の上下方向中央よりやや上方に設けられた内側ハンドル5と、内側エスカチオン4の下部に設けられたサムターン6と、ドア2の外壁面7に固定された外側エスカチオン8と、外側エスカチオン8の上下方向中央よりやや下方に、内側ハンドル5と別軸上に設けられた外側ハンドル9と、を主体に構成されている。
内側エスカチオン4は、金属製で、断面視でコ字状を成しており、ドア2の内壁面3との間に内側空間10を形成している。内側エスカチオン4の裏側には、上端部から下端部まで裏板11が配置されている。裏板11は、その表面を内側エスカチオン4の裏面に密接させている。裏板11は、例えばSPCC等の鋼材にメッキ処理を施すことで形成されており、導電性を有している。
内側エスカチオン4には、上下方向中央部よりやや上方にハンドル取付穴12が水平方向に設けられている。ハンドル取付穴12の周囲の内側エスカチオン4は、ドア2の内壁面3の方向に向かって略直角に屈曲され、裏板11に設けられた嵌合穴13に嵌合している。裏板11の裏面には、嵌合穴13の周囲にリング状のスペーサー14が取り付けられている。スペーサー14は、裏板11と同様にSPCC等の鋼材にメッキ処理を施すことで形成されており、導電性を有している。
内側エスカチオン4には、ハンドル取付穴12よりも僅かに上方にビス穴15が水平方向に設けられ、裏板11には、ビス穴15と対応する位置にビス穴16が水平方向に設けられている。
内側エスカチオン4の下部にはサムターン取付穴17が水平方向に設けられている。サムターン取付穴17の周囲の内側エスカチオン4は、ドア2の内壁面3の方向に向かって略直角に屈曲され、裏板11に設けられた嵌合穴18に嵌合している。
内側エスカチオン4とドア2の内壁面3との間に設けられる内側空間10には、上部から下端部にかけて、ドア2の内壁面3に密接して取付板21が設けられている。取付板21の上下両端には、固定穴22が水平方向に穿設され、取付板21の上部と下部には、それぞれハンドル挿通穴23とサムターン挿通穴24が水平方向に穿設されている。
取付板21には、上端の固定穴22とハンドル挿通穴23の間の位置に、連結部材25の基端部が固定され、連結部材25の先端部には、ネジ穴26が設けられている。そして、内側エスカチオン4のビス穴15と裏板11のビス穴16にビス27を貫挿させ、このビス27を連結部材25のネジ穴26に螺合させることで、連結部材25の先端部が内側エスカチオン4及び裏板11と連結されている。
取付板21の表面側には、内側ハンドル5とサムターン6の間の高さに、バッテリホルダ28が設けられている。バッテリホルダ28内には、4本の電池29が、上下方向に並列して収納されている。
内側ハンドル5は、ドア2の内壁面3に回転可能に設けられている。内側ハンドル5は、ドア2の内壁面3に対して垂直に設けられたハンドル軸30と、ハンドル軸30の先端から略垂直に屈曲された把手部(図示せず)と、を備えている。
ハンドル軸30は、首部31において、内側エスカチオン4のハンドル取付穴12に貫挿されている。ハンドル軸30は、首部31よりも基端側の部分において、取付板21のハンドル挿通穴23に貫挿されている。ハンドル軸30は、ドア2に収納された錠ケース32内の進退機構(図示せず)を介して、ドア2の扉木口に設けられたラッチボルト(図示せず)と接続されている。そして、内側ハンドル5の把手部を操作してハンドル軸30を回転させることで、進退機構を介してラッチボルトを進退させ、ラッチボルトをドア2の扉木口から出没させるように構成されている。なお、内側ハンドル5の詳細な構成については、後述する外側ハンドル9の構成と同様であるため、記載を省略する。
サムターン6は、ドア2の内壁面3に回転可能に設けられている。サムターン6は、ドア2の内壁面3に対して垂直に設けられたサムターン軸33と、このサムターン軸33の先端に接続された板状の摘み部34と、を備えている。
サムターン軸33は、内側エスカチオン4のサムターン取付穴17及び取付板21のサムターン挿通穴24に貫挿されている。サムターン軸33は、錠ケース32内に設けられたロック機構(図示せず)を介して、ドア2の扉木口に設けられたデッドボルト(図示せず)と接続されている。そして、摘み部34を操作してサムターン軸33を回転させることで、ロック機構を介してデッドボルトを進退させ、デッドボルトをドア2の扉木口から出没させるように構成されている。
外側エスカチオン8は、内側エスカチオン4と略同一の上下幅及び上下方向位置で設けられている。外側エスカチオン8は、金属製で、断面視でコ字状を成しており、ドア2の外壁面7との間に外側空間35を形成している。
外側エスカチオン8の裏側には、上端部から下端部まで裏板36が配置されている。裏板36は、外側エスカチオン8の裏面に表面を密接させている。裏板36は、例えばSPCC等の鋼材にメッキ処理を施すことで形成されており、導電性を有している。裏板36の裏面の下端部には、スタッド37の一端が固定されている。スタッド37は、錠ケース32よりも下方のドア2に穿設された貫通穴38に貫挿されており、スタッド37の他端には、雌ネジ部39が設けられている。そして、取付板21の下端の固定穴22に貫挿させた固定ネジ40を雌ネジ部39に螺合させることで、取付板21と裏板36が固定されている。
外側エスカチオン8の上部には、カバー44で表面を覆われたカードリーダ45が設けられている。そして、カードリーダ45にゲストカード(施解錠カード)がかざされると、このゲストカードの情報をカードリーダ45が読み取り、正常に認証がされると、ドア2が電気的に解錠されるように構成されている。即ち、本実施形態のドアハンドル装置1は、非接触式のカード式電気錠を備えている。カードリーダ45内には、電装基板46が上下方向に固定され、この電装基板46が、配線(図示せず)を介して錠ケース32内と接続されている。
カードリーダ45の裏面の上下方向中央にはスタッド48の一端が固定されている。スタッド48は、錠ケース32よりも上方のドア2に穿設された貫通穴50に貫挿されており、スタッド48の他端には、雌ネジ部51が設けられている。そして、取付板21の上端に設けられた固定穴22に貫挿させた固定ネジ52を、スタッド48の雌ネジ部51に螺合させることで、取付板21とカードリーダ45が固定されている。
外側エスカチオン8には、上下方向中央部よりも僅かに下方にハンドル取付穴41が水平方向に設けられている。図2に示されるように、ハンドル取付穴41の周囲の外側エスカチオン8は、ドア2の外壁面7の方向に向かって略直角に屈曲され、裏板36に設けられた嵌合穴42に嵌合されている。
外側ハンドル9は、金属製であり、ドア2の外壁面7に回転可能に設けられている。外側ハンドル9は、ドア2の外壁面7に対して垂直に設けられたハンドル軸55と、ハンドル軸55の先端から略垂直に屈曲された把手部(図示せず)と、を備えている。
ハンドル軸55は、内側ハンドル5のハンドル軸30と同様、ドア2に収納された錠ケース32内の進退機構(図示せず)を介して、ドア2の扉木口に設けられたラッチボルト(図示せず)と接続されている。そして、外側ハンドル9の把手部を操作してハンドル軸55を回転させることで、進退機構を介してラッチボルトを進退させ、ラッチボルトをドア2の扉木口から出没させるように構成されている。
ハンドル軸55は、首部56において、外側エスカチオン8のハンドル取付穴41に貫挿されている。ハンドル軸55の首部56の外周とハンドル取付穴41の周囲の外側エスカチオン8との間には、非導電性の樹脂にて形成された円筒状のハンドルブッシュ57が介装されている。ハンドルブッシュ57の先端にはフランジ部58が設けられ、フランジ部58の外周部は、外側(廊下側)から目視可能な位置に露出している。
ハンドル軸55には、首部56よりも基端側に、鉄製のナット60が設けられている。ナット60の表面側には、ハンドル軸55と同軸上に設けられた回り止めワッシャ61が配置されている。回り止めワッシャ61は、例えばSUS430等のステンレス鋼材にて形成されている。
回り止めワッシャ61の表面側には、円環状のハンドルワッシャ62が、ハンドル軸55の外周に内周部を接触させるようにして設けられている。ハンドルワッシャ62は、カーボンとステンレスを含有した導電性樹脂にて形成されており、外側空間35内に配置されている。ハンドルワッシャ62の外径は28mmであり、従来公知の一般的なハンドルワッシャの外径(例えば24mm)よりも大きく設定されている。
ハンドルワッシャ62の表面の外径部は、外側ハンドル9及びハンドルワッシャ62と同軸上に配置されたスペーサー63の裏面の内径部に密接している。スペーサー63は、裏板36と同様にSPCC等の鋼材にメッキ処理を施すことで形成されており、導電性を有している。スペーサー63の表面は、嵌合穴42の周囲の裏板36の裏面に密接している。このような構成により、導電性部材であるスペーサー63及び裏板36を介して、ハンドルワッシャ62が外側エスカチオン8に導通されている。
上述の如く構成されたものにおいて、操作者が外側ハンドル9の把手部を握った際などに外側ハンドル9に静電気が発生すると、この静電気は、外側ハンドル9のハンドル軸55、ハンドルワッシャ62、スペーサー63及び裏板36を介して外側エスカチオン8に伝搬され、外側エスカチオン8に分散される。そのため、上記した静電気が外側ハンドル9のハンドル軸55、錠ケース32及び配線(図示せず)を介して電装基板46に伝搬され、電装基板46が損傷するのを抑制することが可能となる。
また、外側ハンドル9及び外側エスカチオン8は両者とも金属製であるが、外側ハンドル9のハンドル軸55と外側エスカチオン8の間に樹脂製のハンドルブッシュ57が介装されており、外側ハンドル9と外側エスカチオン8が直接接触していない。そのため、外側ハンドル9の摺動性が良好となり、外側ハンドル9を円滑に回転させることが可能となる。
また、ハンドルワッシャ62は、導電性樹脂にて形成されており、一定量のカーボンを含有しているため、ハンドルワッシャ62の色合いは不可避的に黒色系となる。このような黒色系の部材が人目に付きやすい部分に配置されると、ドアハンドル装置1の外観を損ねる虞がある。しかしながら、本実施形態においては、外側エスカチオン8で覆われた外側空間35内にハンドルワッシャ62が配置されており、ハンドルワッシャ62が操作者等に目視される虞が無い。また、目視可能な位置に露出しているハンドルブッシュ57は、非導電性の樹脂で形成されており、黒色系以外の色合い(例えば、白色系)を選択することができる。そのため、ドアハンドル装置1の外観を損ねる虞が無く、意匠性に優れた製品を得ることが可能となる。
以上の如く、本実施形態のドアハンドル装置1では、外側ハンドル9の円滑な回転を可能としつつ静電気による電装基板46の損傷を回避し、加えて、ドアハンドル装置1の外観の向上を図ることが可能となっている。
また、本実施形態では、ハンドルワッシャ62と外側エスカチオン8の間に、導電性部材であるスペーサー63と裏板36が介装されており、ハンドルワッシャ62の表面とスペーサー63の裏面、スペーサー63の表面と裏板36の裏面、裏板36の表面と外側エスカチオン8の裏面が、それぞれ密接するように構成されている。そのため、外側ハンドル9のハンドル軸55からハンドルワッシャ62に伝搬された静電気を、外側エスカチオン8に効率的に伝搬させて、分散させることが可能となる。
本実施形態では、外側ハンドル9についてのみ本発明の構成を適用したが、他の異なる実施形態では、外側ハンドル9と内側ハンドル5の両方に本発明の構成を適用しても良いし、内側ハンドル5のみに本発明の構成を適用しても良い。本実施形態では、内側ハンドル5と外側ハンドル9が別軸上に設けられるドアハンドル装置1を例に説明したが、他の異なる実施形態では、内側ハンドル5と外側ハンドル9が同軸上に設けられるドアハンドル装置1に本発明を適用しても良い。本実施形態では、非接触式のカードリーダ45を備えたドアハンドル装置1に本発明を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、挿入式のカードリーダ45を備えたドアハンドル装置1や、カードリーダ45を備えていないドアハンドル装置1に、本発明を適用することも可能である。
本実施形態では、ホテルの客室用ドア2に本発明に係るドアハンドル装置1を適用する場合について説明したが、本発明に係るドアハンドル装置1の適用対象はこれには限定されず、例えば、住宅の玄関用ドア、車両用ドア等、あらゆる分野のドアに本発明に係るドアハンドル装置1を適用することが可能である。
1 ドア
2 ドアハンドル装置
7 外壁面(壁面)
8 外側エスカチオン(エスカチオン)
9 外側ハンドル(ハンドル)
35 外側空間(空間)
36 裏板
41 ハンドル取付穴(取付穴)
57 ハンドルブッシュ
62 ハンドルワッシャ
63 スペーサー

Claims (2)

  1. ドアの壁面に回転可能に設けられたハンドルと、該ハンドルを貫挿可能な取付穴が設けられて前記壁面に固定されたエスカチオンと、前記ハンドルの外周と前記取付穴の周囲の前記エスカチオンとの間に介装された樹脂製のハンドルブッシュと、前記壁面と前記エスカチオンの間の空間に設けられて前記ハンドルの外周に接触するハンドルワッシャと、を備えたドアハンドル装置であって、
    前記ハンドルワッシャは、導電性樹脂にて形成され、前記エスカチオンに導通されていることを特徴とするドアハンドル装置。
  2. 前記ハンドルワッシャと前記エスカチオンの間には導電性部材が介装され、
    該導電性部材は、前記ハンドル及び前記ハンドルワッシャと同軸上に配置されて該ハンドルワッシャの表面に裏面を密接させるスペーサーと、該スペーサーの表面に裏面を密接させるとともに前記エスカチオンの裏面に表面を密接させる裏板と、により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアハンドル装置。
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