JP2012145075A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の潤滑装置に関し、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関の各部の異常摩耗を防止することを目的とする。
【解決手段】クランク軸22のトルクにより駆動され、内燃機関10の各部を潤滑するためのオイルを圧送可能なメインオイルポンプ32を備える。クランク軸22のトルクにより駆動され、上記オイルを圧送可能であり、メインオイルポンプ32よりも容量の小さいサブオイルポンプ40を備える。クランク軸22とメインオイルポンプ32とが連結された連結状態と、クランク軸22とメインオイルポンプ32とが非連結とされた非連結状態とを切り替えるクラッチ機構50を備える。スターター26によるクランク軸22のクランキング中に、非連結状態となるようにクラッチ機構50を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の潤滑装置に係り、特に、メインオイルポンプと当該メインオイルポンプよりも容量の小さいサブオイルポンプを備える内燃機関の潤滑装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関の補機駆動制御装置が開示されている。この従来の補機駆動制御装置は、エンジン始動初期のフリクションを低減するために、エンジン回転数が所定回転数に到達するまでの間、クラッチ機構を用いてクランク軸から補機(オイルポンプを含む)を切り離すようにしている。
特開2005−30348号公報 特開2006−233919号公報 特開2006−83782号公報
上記特許文献1に記載の技術によれば、始動時には、内燃機関を潤滑するオイルの性状に関係なく、オイルポンプが常に停止されることになる。その結果、内燃機関の暖機後のようにオイルの粘度が低い場合であっても、クランキング中に、内燃機関の各部へのオイルの供給が停止されてしまう。このため、内燃機関の各部の異常摩耗が生ずることが懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関の各部の異常摩耗を防止することのできる内燃機関の潤滑装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の潤滑装置であって、
クランク軸のトルクにより駆動され、内燃機関の各部を潤滑するためのオイルを圧送可能なメインオイルポンプと、
所定の駆動源により駆動され、前記オイルを圧送可能であり、前記メインオイルポンプよりも容量の小さいサブオイルポンプと、
前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが連結された連結状態と、前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが非連結とされた非連結状態とを切り替えるクラッチ機構と、
スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、前記非連結状態となるように前記クラッチ機構を制御するクラッチ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記オイルの粘度を取得するオイル粘度取得手段を更に備え、
前記クラッチ制御手段は、前記クランキング中に前記オイルの粘度が所定値以下である場合には、前記連結状態となるように前記クラッチ機構を制御する低オイル粘度時制御手段を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、内燃機関の潤滑装置であって、
クランク軸のトルクにより駆動され、内燃機関の各部を潤滑するためのオイルを圧送可能なメインオイルポンプと、
電動モーターにより駆動され、前記オイルを圧送可能であり、前記メインオイルポンプよりも容量の小さいサブオイルポンプと、
前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが連結された連結状態と、前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが非連結とされた非連結状態とを切り替えるクラッチ機構と、
前記内燃機関の始動要求を検知する始動要求検知手段と、
前記始動要求が検知された場合に、前記クランク軸を回転駆動可能なスターターの稼動開始前に前記サブオイルポンプの稼動を開始させるサブポンプ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記オイルの粘度を取得するオイル粘度取得手段と、
前記スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、前記オイルの粘度に応じて、前記クラッチ機構の動作状態を前記非連結状態と前記連結状態との間で切り替えるクラッチ制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記始動要求が検知された場合に、前記オイル粘度取得手段が前記オイルの粘度を取得するまで前記スターターの稼動を禁止するスターター稼動禁止手段を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第3乃至第5の発明の何れかにおいて、
エンジン回転数を取得する回転数取得手段と、
前記スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、エンジン回転数が所定値よりも高いか否かに応じて、前記クラッチ機構の動作状態を前記非連結状態と前記連結状態との間で切り替えるクラッチ制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第2、第4または第5の発明において、
エンジン回転数を取得する回転数取得手段と、
前記スターターによるクランキングの終了後においてエンジン回転数が所定値よりも高い場合には、前記オイルの粘度に関係なく、前記連結状態となるように前記クラッチ機構を制御するクランキング後制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1、第2、および第4乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記クラッチ制御手段は、
前記サブオイルポンプが発生する油圧を前記クラッチ機構に導くための油圧通路と、
前記油圧通路の途中に配置され、当該クラッチ機構に作用する油圧を制御する制御弁と、
を含むことを特徴とする。
また、第9の発明は、第8の発明において、
前記クラッチ機構は、前記油圧通路を介して前記サブオイルポンプが発生する油圧の供給を受けた場合に、前記連結状態となるように構成されており、
前記油圧通路の途中に配置され、当該油圧通路を流れる前記オイルの油量を絞る絞り部を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、クランキング中にクラッチ機構が非連結状態に制御されることにより、メインオイルポンプが稼動せずに、サブオイルポンプのみが稼動するようになる。このように、メインオイルポンプに比して容量の小さいサブオイルポンプのみを利用することにより、クランキング時のフリクションを低減することができる。また、カムノーズや軸受メタル等の摩耗が懸念される部位には、サブオイルポンプを利用してクランキング中にオイルを供給することができる。このため、内燃機関の各部の異常摩耗を防止することができる。以上のように、本発明によれば、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関の各部の異常摩耗を防止することができる。
第2の発明によれば、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、クランキング中にメインオイルポンプが稼動するようになる。オイルの粘度が低い場合には、オイルポンプのフリクションが比較的小さくなるので、スターターの稼動とともにメインオイルポンプを稼動させてもスターターの回転数が大きく低下することはなく、問題なく内燃機関を始動させることができる。また、オイルの粘度が低い場合には、軸受メタル等でのオイル流れも良くなる。従って、このような場合には、クランキング中であっても、サブオイルポンプに加えてメインオイルポンプをも稼動させることにより、給油量を増量して、内燃機関の各部の潤滑性を向上させることができる。
第3の発明によれば、内燃機関の始動要求が検知された場合に、スターターの稼動開始前に電動式のサブオイルポンプの稼動が開始される。これにより、スターターによる駆動によって内燃機関が回転し始める前に、内燃機関の摩耗懸念部位にサブオイルポンプからのオイルを供給することができるので、オイル切れによる異常摩耗を防止することができる。また、本発明では、クランク軸駆動のメインオイルポンプと電動式のサブオイルポンプとを選択的に使用可能な構成を備えている。従って、必要に応じてメインオイルポンプを停止することにより、クランク軸のトルクにより駆動されるオイルポンプのみで必要な油量を確保する場合と比べて、始動時のフリクション低減を図ることができる。このように、本発明によれば、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関の各部の異常摩耗を防止することができる。
第4の発明によれば、クランキング中に、オイル粘度が上記所定値よりも高い場合には、電動式のサブオイルポンプのみの駆動とし、クランク軸のトルクを利用するメインオイルポンプを稼動させないようにすることで、始動時のフリクション低減を図ることができる。また、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、クランキング中であっても、メインオイルポンプをも駆動させるようにすることで、給油量を増量して、内燃機関の各部の潤滑性を向上させることが可能となる。
第5の発明によれば、オイルの粘度の検出が完了するまでの期間を利用して、内燃機関の摩耗懸念部位にサブオイルポンプからのオイルを供給することができるので、オイル切れによる異常摩耗をより確実に防止することができる。
第6の発明によれば、クランキング中にエンジン回転数が上記所定値以下となる場合、つまり、内燃機関の負荷が大きい状況であるために完爆に必要なエンジン回転数が確保できていないものと考えられる場合には、クラッチ機構を非連結状態としてメインオイルポンプを停止させるようにすることで、内燃機関の負荷を低減させることができる。その結果、エンジン回転数が上昇し易くなるので、完爆状態に速やかに到達させられるようになる。
第7の発明によれば、エンジン回転数が高いことで内燃機関が完爆状態にあると判断できる場合に、オイルの粘度に関係なく、メインオイルポンプをも稼動させることにより、内燃機関の各部の潤滑性を良好に確保することができる。
第8の発明によれば、サブオイルポンプの発生油圧を利用して、クラッチ機構の動作状態を非連結状態と連結状態との間で切り替えることが可能となる。
第9の発明によれば、オイルの粘度が高い場合に、クラッチ機構が繋がるタイミングを遅らせることができるので、メインオイルポンプのフリクションによってエンジンストール等の不具合が発生してしまうことを防止することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関の潤滑装置のシステム構成を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における内燃機関の潤滑装置のシステム構成を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
先ず、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10の潤滑装置のシステム構成を説明するための模式図である。
図1に示す内燃機関10は、シリンダヘッド12を備えている。シリンダヘッド12の下方には、シリンダブロック(およびクランクケース)14が配置されている。シリンダブロック14の下方には、内燃機関10の各部を潤滑するためのオイルを溜めておくためのオイルパン16が設置されている。
シリンダブロック14の内部には、ピストン18が配置されている。ピストン18は、コンロッド20を介して、クランク軸22と連結されている。クランク軸22の一端には、フライホイール24が固定されている。フライホイール24の近傍には、始動時にフライホイール24を介してクランク軸22を回転駆動する(クランキングする)ためのスターター(モーター)26が設置されている。
クランク軸22の他端側には、図示省略するカム軸にクランク軸22のトルクを伝達するための図示省略するタイミングチェーン(もしくはタイミングベルト)を収納するチェーンケース28が配置されている。チェーンケース28の内部には、図1に示すように、内燃機関10の各部にオイルを供給するための構成が備えられている。
具体的には、クランク軸22の上記他端の近傍には、駆動プーリー30が固定されている。また、チェーンケース28の内部には、オイルを内燃機関10の各部に圧送可能なメインオイルポンプ32が設けられている。メインオイルポンプ32に直結されたメインポンプ駆動軸34の端部には、従動プーリー36が固定されている。従動プーリー36と上記駆動プーリー30との間には、ベルト38が巻き掛けられている。これにより、駆動プーリー30、ベルト38および従動プーリー36を介して、クランク軸22のトルクをメインポンプ駆動軸34に伝達することができる。尚、ここでは、クランク軸22のトルクをメインポンプ駆動軸34に伝達するための構成として、プーリー30、36とベルト38とを用いたものを例示したが、これに代え、例えば、各軸22、34に固定されたギヤとチェーンとを用いるものであってもよい。
クランク軸22の上記他端には、オイルを内燃機関10の各部に圧送可能なポンプであって、メインオイルポンプ32よりも容量の小さいサブオイルポンプ40が直結されている。オイルパン16には、メインオイルストレーナー42およびサブオイルストレーナー44が設置されている。メインオイルストレーナー42は、メインオイル吸入通路46を介して、メインオイルポンプ32の吸入口と連通しており、サブオイルストレーナー44は、サブオイル吸入通路48を介して、サブオイルポンプ40の吸入口と連通している。
メインポンプ駆動軸34の途中には、メインオイルポンプ32側と従動プーリー36側(クランク軸22側)とが連結された連結状態と、この連結が解除された非連結状態とを切り替えるためのクラッチ機構50が設けられている。クラッチ機構50は、サブオイルポンプ40から供給される油圧により駆動される油圧式のクラッチ機構である。より具体的には、クラッチ機構50は、所定値以上の油圧が供給されることによって連結状態となり、一方、そのような油圧が供給されていない状態では非連結状態となるように構成されている。
サブオイルポンプ40の吐出口には、サブオイルポンプ40から吐出されるオイルを(後述するメインオイル通路60を介して)内燃機関10の各部に供給するためのサブオイル通路52が接続されている。また、サブオイル通路52の途中の部位から分岐し、分岐後の他端がクラッチ機構50(の制御部)に接続される油圧通路54が設けられている。油圧通路54の途中には、当該油圧通路54を開閉する制御弁として、VSV(バキュームスイッチングバルブ)56が設置されている。このようなVSV56の開閉を制御することによって、クラッチ機構50に作用する油圧を制御することで、クラッチ機構50の動作状態を非連結状態と連結状態との間で切り替えることができる。その結果、クランク軸22からメインオイルポンプ32へのトルクの伝達の有無を切り替えることができる。更に、油圧通路54の途中、より具体的には、VSV56とクラッチ機構50との間の部位には、油圧通路54を流れるオイルの油量を絞る絞り部58が設置されている。
メインオイルポンプ32の吐出口には、メインオイルポンプ32から吐出されるオイルを内燃機関10の各部に供給するためのメインオイル通路60が接続されている。上記サブオイル通路52の他端は、メインオイル通路60の途中の部位に接続されている。また、メインオイル通路60における、サブオイル通路52の接続部位とメインオイルポンプ32との間の部位には、メインオイルポンプ32の吐出口からメインオイル通路60に向かう方向のオイルの流れのみを許可するように、チェック弁62が設置されている。このようなチェック弁62によれば、メインオイルポンプ32の停止時に、サブオイル通路52からのオイルがメインオイルポンプ32に向けて流れるのを防止することができる。
また、チェック弁62よりも下流側のメインオイル通路60には、当該メインオイル通路60内の油圧を検知するための油圧センサ64が取り付けられている。更に、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)66を備えている。ECU66の入力部には、油圧センサ64に加え、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ68等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。また、ECU66の出力部には、スターター26およびVSV56に加え、図示省略する燃料噴射弁およびスロットルバルブ等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。更に、ECU66は、内燃機関10が搭載された車両の始動スイッチ70の信号を検出できるように構成されている。ECU66は、各センサからの信号に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
[実施の形態1の制御]
オイルの粘度が高いと、オイルポンプのフリクションが増大する。しかしながら、内燃機関の始動時のフリクションを低減するために、オイルの性状に関係なく、単にオイルポンプの駆動を停止するようにすると、内燃機関の暖機後のようにオイルの粘度が低い場合であっても、クランキング中に、内燃機関の各部へのオイルの供給が停止されてしまう。このため、内燃機関の各部の異常摩耗が生ずることが懸念される。
そこで、本実施形態では、スターター26の回転中、つまり、スターター26によるクランク軸22のクランキング中において、オイルの粘度が所定値よりも高い場合には、サブオイルポンプ40のみが稼動するようにした。具体的には、クランキング中にVSV56を閉じることにより、非連結状態となるようにクラッチ機構50を制御するようにした。一方、クランキング中に、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、VSV56を開くことにより、連結状態となるようにクラッチ機構50を制御するようにした。
更に、本実施形態では、クランキングの終了後に、エンジン回転数が所定値NE1よりも高い場合には、オイルの粘度に関係なく、VSV56を開くことにより、連結状態となるようにクラッチ機構50を制御するようにした。
図2は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU66が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。また、本ルーチンは、始動スイッチ70がONとされた際に起動されるものとする。
図2に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の始動中(始動スイッチ70の操作に伴ってスターター26が駆動状態とされている期間)、すなわち、クランキング中であるか否かが判定される(ステップ100)。
その結果、上記ステップ100の判定が成立する場合、つまり、クランキング中であると判定された場合には、オイルの粘度が検出される(ステップ102)。クランキングが開始されると、クランク軸22に直結されているサブオイルポンプ40の作動が直ちに開始され、オイル通路52、60上にサブオイルポンプ40が発生する油圧が作用するようになる。オイルの粘度が高いと、油圧が高くなる。本ステップ102では、油圧センサ64を用いて検知されるサブオイルポンプ40の発生油圧と、サブオイルポンプ40の回転数(クランク角センサ68を利用して取得可能)との関係でオイルの粘度を規定したマップ(図示省略)に基づいて、オイルの粘度を算出するようにしている。尚、オイルの粘度の検出手法は、上記の手法に限らない。すなわち、例えば、メインオイル通路60上にオイル粘度センサを別途備えるようにして、オイルの粘度を直接的に検出するようにしてもよい。
次に、オイルの粘度が所定値よりも高いか否かが判定される(ステップ104)。本ステップ104におけるオイル粘度の所定値は、スターターの回転数を大きく低下することなく、メインオイルポンプ32を稼動させることができる状況であるか否かを判断するためのオイル粘度の閾値として予め設定された値である。
上記ステップ102において、オイルの粘度が上記所定値よりも高いと判定された場合には、制御弁(VSV56)が閉弁状態とされる(ステップ106)。一方、オイルの粘度が上記所定値以下であると判定された場合には、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ108)。
一方、上記ステップ100において、クランキング中ではないと判定された場合、つまり、スターター26によるクランキングの終了後(始動後)であると判断できる場合には、クランク角センサ68を利用して検知されるエンジン回転数が所定値NE1よりも高いか否かが判定される(ステップ110)。本ステップ110におけるエンジン回転数の所定値NE1は、内燃機関10が自立して回転できる状態(完爆状態)であるか否かを判断するためのエンジン回転数の閾値として予め設定された値である。本ステップ110の判定が成立した場合、すなわち、内燃機関10が完爆状態にあると判断できる場合には、オイルの粘度に関係なく、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ108)。
以上説明した図2に示すルーチンによれば、クランキング中には、オイルの粘度に応じてVSV56を開閉することにより、クラッチ機構50の動作状態が非連結状態と連結状態との間で切り替えられる。具体的には、オイルの粘度が上記所定値よりも高い場合には、VSV56が閉弁状態とされる。これにより、クラッチ機構50は非連結状態となるので、クランキング中に、メインオイルポンプ32が稼動せずに、サブオイルポンプ40のみが稼動するようになる。このように、メインオイルポンプ32に比して容量の小さいサブオイルポンプ40のみを利用することにより、クランキング時のフリクションを低減することができる。このため、低温始動時などのオイル粘度が高い場合(油温が低い場合)に、内燃機関10を回転させるのに必要なトルクを小さくすることができるので、メインオイルポンプ32のフリクションによってスターター26の回転が遅くなって、内燃機関10が始動不可となるのを防止することができる。また、カムノーズや軸受メタル等の摩耗が懸念される部位には、サブオイルポンプ40を利用してクランキング中にオイルを供給することができるので、内燃機関10の各部の異常摩耗を防止することができる(クランキング時のため、エンジン回転数が低い状況であるので、サブオイルポンプ40からの少ない油量であっても潤滑に問題がないといえる)。以上のように、本実施形態のシステムによれば、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関10の各部の異常摩耗を防止することができる。
また、上記ルーチンによれば、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、クランキング中であっても、VSV56が開弁状態とされる。その結果、クラッチ機構50にサブオイルポンプ40の発生油圧が供給されるので、クラッチ機構50が連結状態となり、メインオイルポンプ32がクランク軸22のトルクによって駆動される。オイルの粘度が低い場合には、オイルポンプ32、40のフリクションが比較的小さくなるので、スターター26の稼動とともにメインオイルポンプ32を稼動させてもスターター26の回転数が大きく低下することはなく、問題なく内燃機関10を始動させることができる。また、オイルの粘度が低い場合には、軸受メタル等でのオイル流れも良くなる。従って、このような場合には、クランキング中であっても、サブオイルポンプ40に加えてメインオイルポンプ32をも稼動させることにより、給油量を増量して、内燃機関10の各部の潤滑性を向上させることができる。
また、上記ルーチンによれば、クランキングの終了後(始動後)にエンジン回転数が所定値NE1よりも高い場合(内燃機関10が完爆状態にあると判断できる場合)には、オイルの粘度に関係なく、VSV56が開弁状態とされる。このように、クランキングの終了後であれば、オイルの粘度に関係なく、サブオイルポンプ40とともにメインオイルポンプ32をも稼動させることにより、内燃機関10の各部の潤滑性を良好に確保することができる。
また、本実施形態のシステムは、図1に示すように、油圧通路54の途中に、オイルの油量を絞る絞り部58を備えている。このような絞り部58を備えていることで、オイルの粘度が高い場合においてVSV56が開かれた際に、クラッチ機構50が繋がるタイミングを遅らせることができるようになる。オイルの粘度が高い場合には、エンジン回転数の上昇が比較的遅くなるので、オイルポンプ32、40のフリクションによってエンジンストール等の不具合が発生してしまうことが懸念されるが、上記絞り部58を備えたことにより、そのような不具合の発生を防止することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、サブオイルポンプ40をクランク軸22のトルクにより駆動されるオイルポンプとして構成している。しかしながら、本発明において所定の駆動源により駆動されるサブオイルポンプは、上記構成のものに限定されるものではなく、例えば、電動モーターを駆動源とする電動式のサブオイルポンプであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、クランキング中においてオイルの粘度が上記所定値よりも高い場合に限って、メインオイルポンプ32が停止するようにクラッチ機構50を制御するようにしている。しかしながら、本発明は、このような手法に限定されるものではなく、クランキング中に、例えば、単にメインオイルポンプ32を停止するようにし、サブオイルポンプ40のみが稼動するようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、内燃機関10の筒内の爆発力を利用して駆動力を発生させるクランク軸22が前記第1の発明における「所定の駆動源」に相当している。また、ECU66が上記ステップ100および104の判定が成立した場合に上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「クラッチ制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU66が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第2の発明における「オイル粘度取得手段」が、上記ステップ104の判定が不成立である場合に上記ステップ108の処理を実行することにより前記第2の発明における「低オイル粘度時制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU66が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第7の発明における「回転数取得手段」が、上記ステップ100の判定が不成立し、かつ上記ステップ110の判定が成立する場合に上記ステップ108の処理を実行することにより前記第7の発明における「クランキング後制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図3および図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2のシステム構成]
図3は、本発明の実施の形態2における内燃機関80の潤滑装置のシステム構成を説明するための模式図である。尚、図3において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図3に示す内燃機関80のシステムでは、メインオイルポンプ32は、クラッチ機構50を介してクランク軸22に直結されている。すなわち、クラッチ機構50は、クランク軸22の非フライホイール24側の端部と、メインポンプ駆動軸82との間に介在している。
また、本実施形態のサブオイルポンプ84は、電動モーター86により駆動される電動式のオイルポンプとして構成されている。また、サブオイルポンプ84は、上述した実施の形態1のサブオイルポンプ40と同様に、メインオイルポンプ32よりも小さな容量のオイルポンプとして構成されている。サブオイルポンプ84は、ECU66に接続されている。
また、メインオイルポンプ32から吐出されるオイルを内燃機関80の各部に供給するためのメインオイル通路88の途中には、他端がクラッチ機構50(の制御部)に接続される油圧通路90の一端が接続されている。本実施形態では、VSV56および絞り部58は、油圧通路90の途中に設置されている。また、メインオイル通路88の途中には、サブオイルポンプ84から吐出されるオイルを(メインオイル通路88を介して)内燃機関80の各部に供給するためのサブオイル通路92が接続されている。更に、本実施形態においても、実施の形態1と同様に、チェック弁62および油圧センサ64がメインオイル通路88上に設置されている。このような構成によれば、VSV56が開かれている状態では、サブオイルポンプ84の発生油圧が、サブオイル通路92、メインオイル通路88および油圧通路90を介してクラッチ機構50(の制御部)に作用するようになる。このため、サブオイルポンプ84の発生油圧を利用して、クラッチ機構50を動作させることができる。
[実施の形態2の制御]
上述した構成を備える本実施形態のシステムでは、始動スイッチ70がONとされた場合(すなわち、内燃機関80の始動要求が検知された場合)に、スターター26の稼動開始前に電動式のサブオイルポンプ84の稼動を開始させるようにした。そして、オイルの粘度が検出されるまでスターター26の稼動を禁止するようにした。
また、本実施形態では、オイルの粘度が検出された場合には、スターター26の稼動を開始させるとともに、クランキング中にオイルの粘度の粘度に応じて、VSV56の開閉を制御するようにした。具体的には、オイルの粘度が所定値よりも高い場合には、VSV56を閉弁することにより、非連結状態となるようにクラッチ機構50を制御するようにした。一方、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、VSV56を開弁することにより、連結状態となるようにクラッチ機構50を制御するようにした。
更に、本実施形態においても、スターター26によるクランキングの終了後に、エンジン回転数が所定値よりも高い場合には、オイルの粘度に関係なく、VSV56を開くことにより、クラッチ機構50を連結状態に制御するようにした。
図4は、上記の機能を実現するために、本実施の形態2においてECU66が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。また、本ルーチンは、始動スイッチ70がONとされた際に起動されるものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、始動スイッチ70がON状態にあるか否かが判定される(ステップ200)。その結果、始動スイッチ70がON状態にあると判定された場合(すなわち、内燃機関80の始動要求が検知された場合)には、電動式のサブオイルポンプ84の運転が開始される(ステップ202)。
次に、今回の始動時においてオイル粘度が検出済みであるか否かが判定される(ステップ204)。その結果、オイル粘度が未だ検出済みでないと判定された場合には、上記ステップ102と同様の手法によって、オイル粘度が検出される(ステップ206)。尚、オイル粘度の検出手法は、上記の手法に限らない。すなわち、電動式のサブオイルポンプ84を用いる場合には、例えば、所定油圧を発生させるのに必要な電力値に基づいてオイルの粘度を算出するものであってもよい。この場合には、次いで、制御弁(VSV56)が閉弁状態とされる(ステップ208)。
一方、上記ステップ204において、オイル粘度が検出済みであると判定された場合には、スターター26の運転が開始される(ステップ210)。次いで、オイル粘度が所定値(例えば、上記ステップ104のように設定)よりも高いか否かが判定される(ステップ212)。その結果、オイル粘度が上記所定値よりも高いと判定された場合には、制御弁(VSV56)が閉弁状態とされる(ステップ208)。一方、オイル粘度が上記所定値以下であると判定された場合には、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ214)。
一方、上記ステップ200において、始動スイッチがON状態にないと判定された場合、つまり、スターター26によるクランキングの終了後(始動後)であると判断できる場合には、クランク角センサ68を利用して検知されるエンジン回転数が所定値NE1(例えば、上記ステップ110のように設定)よりも高いか否かが判定される(ステップ216)。その結果、本ステップ216の判定が成立した場合、すなわち、内燃機関10が完爆状態にあると判断できる場合には、オイルの粘度に関係なく、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ214)。
以上説明した図4に示すルーチンによれば、始動スイッチ70がON状態とされた場合(すなわち、内燃機関80の始動要求が検知された場合)に、スターター26の稼動開始前に電動式のサブオイルポンプ84の稼動が開始される。これにより、スターター26による駆動によって内燃機関80が回転し始める前に、内燃機関80の摩耗懸念部位にサブオイルポンプ84からのオイルを供給することができるので、オイル切れによる異常摩耗を防止することができる。また、本実施形態では、クランク軸駆動のメインオイルポンプ32と電動式のサブオイルポンプ84とを選択的に使用可能な構成を備えている。従って、必要に応じて(本実施形態では、クランキング中のオイル粘度の高低に応じて)メインオイルポンプ32を停止することにより、クランク軸のトルクにより駆動されるオイルポンプのみで必要な油量を確保する場合と比べて、始動時のフリクション低減を図ることができる。このように、本実施形態のシステムによっても、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関80の各部の異常摩耗を防止することができる。また、サブオイルポンプ84には、メインオイルポンプ32よりも容量の小さな小型のポンプが用いられているため、比較的小さな電力で回転駆動することができる。
また、上記ルーチンによれば、スターター26の稼動開始後(クランキング中)には、オイルの粘度に応じて、VSV56を制御してクラッチ機構50の動作状態を非連結状態と連結状態との間で切り替えることにより、メインオイルポンプ32の稼動状態を切り替えるようにしている。具体的には、オイル粘度が上記所定値よりも高い場合には、電動式のサブオイルポンプ84のみの駆動とし、クランク軸22のトルクを利用するメインオイルポンプ32を稼動させていないので、始動時のフリクション低減を図ることができる。また、オイルの粘度が上記所定値以下である場合には、スターター26によるクランキング中であっても、VSV56を開弁状態とすることによりクラッチ機構50が連結状態とされる。これにより、オイルの粘度が低い場合には、クランキング中であっても、メインオイルポンプ32をも駆動させることにより、給油量を増量して、内燃機関80の各部の潤滑性を向上させることができる。
また、上記ルーチンによれば、オイルの粘度が検出されるまで、スターター26の稼動が禁止される。これにより、オイルの粘度の検出が完了するまでの期間を利用して、内燃機関80の摩耗懸念部位にサブオイルポンプ84からのオイルを供給することができるので、オイル切れによる異常摩耗をより確実に防止することができる。
更に、上記ルーチンにおいても、スターター26によるクランキングの終了後に、エンジン回転数が所定値NE1よりも高い場合には、オイルの粘度に関係なく、VSV56を開くことにより、クラッチ機構50が連結状態に制御される。これにより、内燃機関80が完爆状態にあると判断できる場合に、オイルの粘度に関係なく、メインオイルポンプ32をも稼動させることにより、内燃機関80の各部の潤滑性を良好に確保することができる。更に、本実施形態のシステムにおいても、油圧通路90の途中に、オイルの油量を絞る絞り部58を備えている。これにより、オイルの粘度が高い場合に、クラッチ機構50が繋がるタイミングを遅らせることができるので、メインオイルポンプ32のフリクションによってエンジンストール等の不具合が発生してしまうことを防止することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU66が、上記ステップ200の処理を実行することにより前記第3の発明における「始動要求検知手段」が、上記ステップ200の判定が成立し、かつ上記ステップ204の判定が不成立となる状況下において上記ステップ202の処理を実行することにより前記第3の発明における「サブポンプ制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU66が、上記ステップ206の処理を実行することにより前記第4の発明における「オイル粘度取得手段」が、上記ステップ212の判定結果に応じて上記ステップ208または上記ステップ214の処理を実行することにより前記第4の発明における「クラッチ制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU66が上記ステップ204の判定が不成立である間は上記ステップ210の処理を実行しないことにより、前記第5の発明における「スターター稼動禁止手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図3に示すハードウェア構成を用いて、ECU66に図4に示すルーチンに代えて後述の図5に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
[実施の形態3の制御]
本実施形態においても、上述した実施の形態2と同様に、始動スイッチ70がONとされた場合(すなわち、内燃機関80の始動要求が検知された場合)に、スターター26の稼動開始前に電動式のサブオイルポンプ84の稼動を開始させるようにしている。そのうえで、本実施形態では、サブオイルポンプ84の稼動開始とともに、VSV56を開くようにし、クラッチ機構50への油圧の供給を開始させるようにした。
そして、所定時間T1が経過してクラッチ機構50が連結状態になるタイミングで、スターター26の稼動を開始させるようにした。更に、本実施形態では、スターター26の稼動開始後(クランキング中)に所定時間T2が経過した時に、エンジン回転数が所定値NE2よりも高いか否かに応じて、メインオイルポンプ32の稼動を継続させるか停止させるかを決定するようにした。より具体的には、エンジン回転数が所定値NE2よりも高い場合には、VSV56の開弁を継続することによりクラッチ機構50の動作状態を連結状態に維持し、メインオイルポンプ32の稼動を継続するようにした。一方、エンジン回転数が所定値NE2以下となる場合には、VSV56を閉じることによりクラッチ機構50を非連結状態とし、メインオイルポンプ32の稼動を停止するようにした。
また、本実施形態においても、スターター26によるクランキングの終了後に、エンジン回転数が所定値NE1よりも高い場合には、オイルの粘度に関係なく、VSV56を開くことにより、クラッチ機構50を連結状態に制御するようにした。
図5は、上記の機能を実現するために、本実施の形態3においてECU66が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、図5において、実施の形態2における図4に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図5に示すルーチンでは、始動スイッチ70がONとされたことに伴って電動式のサブオイルポンプ84の運転が開始された(ステップ200、202)後に、所定時間T1が経過したか否かが判定される(ステップ300)。本ステップ300における所定時間T1は、VSV56の開弁に伴ってサブオイルポンプ84の運転が開始された際に、クラッチ機構50を連結状態に切り替えるための油圧を確保するために要する時間として予め設定された値である。
上記ステップ300において所定時間T1が未だ経過していないと判定された場合には、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ302)。一方、所定時間T1が経過したと判定された場合には、スターター26の運転が開始される(ステップ304)。次いで、所定時間T2が経過したか否かが判定される(ステップ306)。本ステップ306における所定時間T2は、スターター26の稼動開始後のエンジン回転数の上昇度合いを判断するために適切な時間として予め設定された値である。
上記ステップ306において所定時間T2が未だ経過していないと判定された場合には、制御弁(VSV56)が継続的に開弁状態とされる(ステップ302)。一方、所定時間T2が経過したと判定された場合には、クランク角センサ68を利用して検知されるエンジン回転数が所定値NE2よりも高いか否かが判定される(ステップ308)。本ステップ308におけるエンジン回転数の所定値NE2は、完爆に必要なエンジン回転数を確保できているか否かを判断するための値として予め設定された値である。
上記ステップ308において、エンジン回転数が所定値NE2よりも高いと判定された場合には、制御弁(VSV56)が継続的に開弁状態とされる(ステップ310)。一方、エンジン回転数が所定値NE2以下であると判定された場合には、制御弁(VSV56)が閉弁状態とされる(ステップ312)。
一方、上記ステップ200において、始動スイッチ70がON状態ではないと判定された場合には、エンジン回転数が所定値NE1よりも高いか否かが判定される(ステップ216)。その結果、本ステップ216の判定が成立した場合、すなわち、内燃機関80が完爆状態にあると判断できる場合には、オイルの粘度に関係なく、制御弁(VSV56)が開弁状態とされる(ステップ214)。
以上説明した図5に示すルーチンによっても、始動スイッチ70がON状態とされた場合(すなわち、内燃機関80の始動要求が検知された場合)に、スターター26の稼動開始前に電動式のサブオイルポンプ84の稼動が開始される。これにより、スターター26による駆動によって内燃機関80が回転し始める前に、内燃機関80の摩耗懸念部位にサブオイルポンプ84からのオイルを供給することができるので、オイル切れによる異常摩耗を防止することができる。また、クランク軸駆動のメインオイルポンプ32と電動式のサブオイルポンプ84とを選択的に使用可能な構成を備えている。従って、必要に応じて(本実施形態では、クランキング中のエンジン回転数の高低に応じて)メインオイルポンプ32を停止することにより、クランク軸のトルクにより駆動されるオイルポンプのみで必要な油量を確保する場合と比べて、始動時のフリクション低減を図ることができる。このように、本実施形態のシステムによっても、始動時にフリクションの低減を図りつつ、内燃機関80の各部の異常摩耗を防止することができる。
また、上記ルーチンによれば、スターター26の稼動開始後(クランキング中)に所定時間T2が経過した時に、エンジン回転数が所定値NE2よりも高いか否かに応じて、メインオイルポンプ32の稼動を継続させるか停止させるかが決定される。より具体的には、エンジン回転数が所定値NE2以下となる場合には、内燃機関80の負荷が大きい状況であるために完爆に必要なエンジン回転数が確保できていないものと判断され、VSV56が閉じられる。これにより、クラッチ機構50に作用する油圧が低下し、クラッチ機構50が非連結状態となってメインオイルポンプ32が停止する。このため、内燃機関80の負荷を低減させることができる。その結果、エンジン回転数が上昇し易くなるので、完爆状態に速やかに到達させられるようになり、始動モードを速やかに抜けることができるようになる。
また、上記ルーチンにおいても、スターター26によるクランキングの終了後に、エンジン回転数が所定値NE1よりも高い場合には、オイルの粘度に関係なく、VSV56を開くことにより、クラッチ機構50が連結状態とされる。これにより、内燃機関80が完爆状態にあると判断できる場合に、オイルの粘度に関係なく、メインオイルポンプ32をも稼動させることにより、内燃機関80の各部の潤滑性を良好に確保することができる。その他、絞り部58を備えたことによる実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU66が、上記ステップ308の処理を実行することにより前記第6の発明における「回転数取得手段」が、上記ステップ308の判定結果に応じて上記ステップ310または312の処理を実行することにより前記第6の発明における「クラッチ制御手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上述した実施の形態1乃至3においては、サブオイルポンプ40、84の発生油圧を利用してクラッチ機構50の動作状態を非連結状態と連結状態との間で切り替えるようにしている。しかしながら、本発明におけるクラッチ機構は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、電磁クラッチなどであってもよい。
10、80 内燃機関
12 シリンダヘッド
14 シリンダブロック
16 オイルパン
22 クランク軸
24 フライホイール
26 スターター
28 チェーンケース
30 駆動プーリー
32 メインオイルポンプ
34、82 メインポンプ駆動軸
36 従動プーリー
38 ベルト
40、84 サブオイルポンプ
42 メインオイルストレーナー
44 サブオイルストレーナー
46 メインオイル吸入通路
48 サブオイル吸入通路
50 クラッチ機構
52、92 サブオイル通路
54、90 油圧通路
56 VSV
58 絞り部
60、88 メインオイル通路
62 チェック弁
64 油圧センサ
66 ECU(Electronic Control Unit)
68 クランク角センサ
70 始動スイッチ
86 電動モーター

Claims (9)

  1. クランク軸のトルクにより駆動され、内燃機関の各部を潤滑するためのオイルを圧送可能なメインオイルポンプと、
    所定の駆動源により駆動され、前記オイルを圧送可能であり、前記メインオイルポンプよりも容量の小さいサブオイルポンプと、
    前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが連結された連結状態と、前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが非連結とされた非連結状態とを切り替えるクラッチ機構と、
    スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、前記非連結状態となるように前記クラッチ機構を制御するクラッチ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  2. 前記オイルの粘度を取得するオイル粘度取得手段を更に備え、
    前記クラッチ制御手段は、前記クランキング中に前記オイルの粘度が所定値以下である場合には、前記連結状態となるように前記クラッチ機構を制御する低オイル粘度時制御手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の潤滑装置。
  3. クランク軸のトルクにより駆動され、内燃機関の各部を潤滑するためのオイルを圧送可能なメインオイルポンプと、
    電動モーターにより駆動され、前記オイルを圧送可能であり、前記メインオイルポンプよりも容量の小さいサブオイルポンプと、
    前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが連結された連結状態と、前記クランク軸と前記メインオイルポンプとが非連結とされた非連結状態とを切り替えるクラッチ機構と、
    前記内燃機関の始動要求を検知する始動要求検知手段と、
    前記始動要求が検知された場合に、前記クランク軸を回転駆動可能なスターターの稼動開始前に前記サブオイルポンプの稼動を開始させるサブポンプ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  4. 前記オイルの粘度を取得するオイル粘度取得手段と、
    前記スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、前記オイルの粘度に応じて、前記クラッチ機構の動作状態を前記非連結状態と前記連結状態との間で切り替えるクラッチ制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の潤滑装置。
  5. 前記始動要求が検知された場合に、前記オイル粘度取得手段が前記オイルの粘度を取得するまで前記スターターの稼動を禁止するスターター稼動禁止手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の潤滑装置。
  6. エンジン回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記スターターによる前記クランク軸のクランキング中に、エンジン回転数が所定値よりも高いか否かに応じて、前記クラッチ機構の動作状態を前記非連結状態と前記連結状態との間で切り替えるクラッチ制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載の内燃機関の潤滑装置。
  7. エンジン回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記スターターによるクランキングの終了後においてエンジン回転数が所定値よりも高い場合には、前記オイルの粘度に関係なく、前記連結状態となるように前記クラッチ機構を制御するクランキング後制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項2、4または5記載の内燃機関の潤滑装置。
  8. 前記クラッチ制御手段は、
    前記サブオイルポンプが発生する油圧を前記クラッチ機構に導くための油圧通路と、
    前記油圧通路の途中に配置され、当該クラッチ機構に作用する油圧を制御する制御弁と、
    を含むことを特徴とする請求項1、2、および4乃至7の何れか1項記載の内燃機関の潤滑装置。
  9. 前記クラッチ機構は、前記油圧通路を介して前記サブオイルポンプが発生する油圧の供給を受けた場合に、前記連結状態となるように構成されており、
    前記油圧通路の途中に配置され、当該油圧通路を流れる前記オイルの油量を絞る絞り部を更に備えることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の潤滑装置。
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