JP2012140826A - 山留壁及び建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】山留壁10は、地盤16に構築されたソイルセメント柱列壁14を有している。ソイルセメント柱列壁14は、ソイルセメント柱12の外周面同士をラップさせ、掘削部24となる地盤16を囲んで構築される。ソイルセメント柱列壁14の下端部は、掘削面26より下方まで構築され、内部には補強用の繊維22が混入されている。ソイルセメント柱12は、図示しないオーガで地盤16を掘削し、原地盤とセメントミルクを攪拌混合して円柱状に構築される。山留壁10の構築後、掘削部24が掘削面26まで掘削され、掘削後、掘削部24に構造物20の地下部21が構築される。このとき、ソイルセメント柱列壁14の掘削部24側の側壁面14Nが、地下部21の地下外壁28の外面を形成する。
【選択図】図1
Description
即ち、特許文献1は、ソイルセメント柱列壁の一部を杭として活用する。このため、杭として活用するソイルセメント柱を、支持層まで延長させて構築し、芯材の根入れ部のセメント量を増加させている。これにより、ソイルセメント柱の強度を高くし、この強度を高くしたソイルセメント柱を杭として活用している。
これにより、ソイルセメント壁体と地下外壁の一体化が図れ、地下外壁に加えられる地山(地盤)側からの土圧を、ソイルセメント壁体に分担させることができる。即ち、ソイルセメント壁体を、山留壁としての役目が終了した後も構造物の地下外壁の一部として有効に活用することができる。また、土圧耐力が軽減される分だけ、構造物の地下外壁を薄く構築でき、施工コストが低減される。
これにより、ソイルセメント柱列壁と地下外壁が一体化される。この結果、地下外壁に加えられる地山側からの土圧を、ソイルセメント柱列壁に分担させることができる。また、土圧耐力が軽減される分だけ、構造物の地下外壁を薄く構築でき、施工コストが低減される。
これにより、ソイルセメント連続壁と地下外壁が一体化され、地下外壁に加えられる地山側からの土圧の適正量を、ソイルセメント連続壁に分担させることができる。また、土圧耐力が軽減される分だけ、構造物の地下外壁を薄く構築でき、施工コストが低減される。
即ち、適切な寸法で、適切な量が混入されたポリプロピレン繊維が、引張力に抵抗する。これにより、ソイルセメント壁体の変形を抑制することができる。
これにより、ソイルセメント柱列壁と地下外壁が一体化される。この結果、複数列のソイルセメント柱列壁が、地山からの土圧を分担して負担することができ、大きな地山側からの土圧に耐えることができる。
即ち、適切な寸法で、適切な量が混入されたポリプロピレン繊維が、引張力に抵抗する。これにより、ソイルセメント柱列壁の変形を抑制することができる。
これにより、ソイルセメント壁体と地下外壁が一体化される。この結果、ソイルセメント壁体に地山からの土圧を分担して負担させることができ、大きな地山側からの土圧に耐えることができる。即ち、ソイルセメント柱列壁を、構造物の一部として活用することができる。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る山留壁10は、地盤16に構築されたソイルセメント柱列壁14を有している。図1(A)は側面の断面図であり、図1(B)は、図1(A)のX−X線位置の断面図である。
山留壁10の構築後、掘削部24を掘削面26まで掘削する。このとき、ソイルセメント柱列壁14には、補強用の繊維22が混入されており、深い掘削面26まで止水機能を備えた状態で、地山側(地盤16側)からの土圧に耐えることができる。
図2に示すように、ソイルセメント柱列壁14に混入する繊維22は、破断強度が200〜1200MPaでヤング係数が2〜15GPaの機械的性質を有するものが望ましい。例えば、ポリプロピレン繊維が該当する。
更に、繊維22の両端部に、繊維の径より10ミクロン以上大きい、こぶ状又は塊状のアンカー部を設ければ、ソイルセメント柱列壁14と繊維23の間の摩擦抵抗を、更に増大できる。
図3に示すように、掘削装置60は、下端にオーガ部62が取り付けられた2本のロッド64A、64Bを有し、2本のロッド64A、64Bの間には、繊維22を供給する供給管61が取り付けられている。なお、掘削装置60は、一般的に広く使用されている掘削装置に供給管61の部分を追加した構成である。
ロッド64A、64Bの下端部には、セメントミルクを吐出する吐出口65A、65Bが形成されている。セメントミルクは、ロッド64A、64Bの内部を流下して、吐出口65A、65Bに供給される。
なお、上述した掘削装置60を用いた方法は一例であり、他の方法でソイルセメント柱列壁14に繊維22を混入させてもよい。
効果の確認方法は、繊維22を混入させた3つの試験体と、繊維22を混入していない3つの試験体を、同じ条件で構築したソイルセメント柱から切り出し、それぞれに1軸圧縮試験を行い、試験結果に基づいて評価した。
図4(A)に示す特性A、B、Cは、繊維22を混入させた3つの試験体のそれぞれの特性であり、図4(B)に示す特性AN、BN、CNは、繊維22が混入されていない3つの試験体のそれぞれの特性を示している。
図5(A)(B)に示すように、第2の実施の形態に係る山留壁30は、地盤16に構築されたソイルセメント柱列壁34を有している。
他は、第1の実施の形態と同じ構成であり、説明は省略する。
図5(C)に示すように、展開例に係る山留壁31は、地盤16に構築されたソイルセメント柱列壁35を有している。ソイルセメント柱列壁35は、上述したソイルセメント柱12と、ソイルセメント柱13を交互に配置し、それらの外周面をラップさせて壁状に形成した構成である。
図6(A)(B)に示すように、第3の実施の形態に係る山留壁40は、地盤16に複数列構築されたソイルセメント柱列壁14、44を有している。
ソイルセメント柱列壁14は、上述したように、内部に補強用の繊維22が混入されたソイルセメント柱12の外周面同士をラップさせて構築されている。一方、ソイルセメント柱列壁44は、補強用の繊維22が混入されていないソイルセメント柱42の内部に、H形鋼32が挿入された構成である。H形鋼32の下端部は、掘削面より下に根入れされている。
これにより、複数のソイルセメント柱列壁14、44が、地山16側からの土圧を分担して負担することができ、地山16側からの大きな土圧に耐えることができる。このような構成とすることにより、山留壁40に要求される強度の調節が容易となる。
これにより、本実施の形態と同じ作用、効果を得ることができる。
図7(A)(B)に示すように、第4の実施の形態に係る山留壁50は、地盤16に構築されたソイルセメント連続壁52を有している。
ソイルセメント連続壁52は、図示しない掘削機で、掘削部24となる地盤16を囲んで、掘削面26より深く矩形に掘削された溝部54を有している。溝部54の内部には、土壌とセメントミルクを地盤16上で攪拌混合されたソイルセメントが充填されている。これにより、断面設計の自由度が高い山留壁50を提供できる。
この結果、ソイルセメント連続壁52と地下外壁28の一体化が図れる。これにより、地下外壁に加えられる地山側からの土圧の適正量を、ソイルセメント連続壁52に分担させることができる。即ち、ソイルセメント連続壁52を、山留壁としての役目が終了した後も構造物20の地下外壁28の一部として有効に活用することができる。
これにより、H形鋼32で土圧を受けることが可能となり、ソイルセメント連続壁53の強度を、より高くすることができる。
図8に示すように、第5の実施の形態に係る建物20は、地下に設けられた建物20の地下部21を有している。
なお、ソイルセメント柱列壁14を用いた山留壁10の場合を例に説明したが、第2の実施の形態で説明した山留壁30、31、第3の実施の形態で説明した山留壁40、41、第4の実施の形態で説明した山留壁50、51を用いてもよい。
12 ソイルセメント柱
14 ソイルセメント柱列壁(ソイルセメント壁体)
20 建物(構造物)
21 地下部(地下構造物)
22 繊維
24 掘削部
26 掘削面
28 地下外壁
32 H形鋼(芯材)
52 ソイルセメント連続壁(ソイルセメント壁体)
54 溝部
Claims (8)
- 掘削部となる地盤を囲んでソイルセメントで構築され、構造物の地下外壁の外面となる面を前記掘削部側の側壁面で構成するソイルセメント壁体と、
前記ソイルセメント壁体の内部に混入された補強用の繊維と、
を有する山留壁。 - 前記ソイルセメント壁体には、掘削面より下に芯材が根入れされている請求項1に記載の山留壁。
- 前記ソイルセメント壁体は、ソイルセメント柱の外周面同士をラップさせたソイルセメント柱列壁である請求項1又は2に記載の山留壁。
- 前記ソイルセメント壁体は、掘削部となる地盤を囲んで掘削された溝部に、地盤上で攪拌混合されたソイルセメントを充填させたソイルセメント連続壁である請求項1又は2に記載の山留壁。
- 前記繊維は、繊維素材の太さに対する長さの比率が1000以上に調整されたポリプロピレン繊維であり、前記ポリプロピレン繊維が前記ソイルセメント壁体に、体積比で0.4〜2.0%の範囲内で混入されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の山留壁。
- ソイルセメント柱の外周面をラップさせたソイルセメント柱列壁を地山側に複数列構築し、構造物の地下外壁の外面となる面を、最も内側の前記ソイルセメント柱列壁の側壁面で構成するソイルセメント壁体と、
前記ソイルセメント柱列壁の任意列の内部に混入された補強用の繊維と、
前記ソイルセメント柱列壁の任意列の内部に埋設され、掘削面より下に根入れされた芯材と、
を有する山留壁。 - 前記繊維は、繊維素材の太さに対する長さの比率が1000以上に調整されたポリプロピレン繊維であり、前記ポリプロピレン繊維が前記ソイルセメント柱列壁に、体積比で0.4〜2.0%の範囲内で混入されている請求項6項に記載の山留壁。
- 地下に設けられた地下構造物と、
前記地下構造物を囲んでソイルセメントで構築され、前記地下構造物の地下外壁の外面に掘削部側の側壁面を当接させたソイルセメント壁体と、
前記ソイルセメント壁体の内部に混入された補強用の繊維と、
を有する建物。
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