JP2012139374A

JP2012139374A - 衣類プレス機のプレス鏝

Info

Publication number: JP2012139374A
Application number: JP2010294150A
Authority: JP
Inventors: Mitsuyuki Uchikoshi; 満幸打越
Original assignee: Sankosha Engineering Co Ltd
Current assignee: Sankosha Engineering Co Ltd
Priority date: 2010-12-28
Filing date: 2010-12-28
Publication date: 2012-07-26

Abstract

【課題】スチームの熱やプレス時の圧力で変形することがないよう、強度を維持できながら軽量化を図ることができ、小型で安価な駆動装置の使用を可能にしてプレス機を低廉化でき、また製造作業や組立て作業を楽にできるようにする。
【解決手段】内部２が中空状に形成され、この内部２に外部から加熱用のスチームが供給される衣類プレス機のプレス鏝である。スチームの供給口７から流入したスチームを内部２の全体に満遍なく導くと共に、内部２の潰れを防止するための流路形成部材８を内部２に設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、プレス鏝に関し、更に詳しくはシャツ等の衣類をプレス仕上げする衣類プレス機のプレス鏝に関するものである。

従来、この種のプレス鏝としては、例えば特許文献１に記載されているものがある。
この従来品は、金属材で中空状に形成され、ボイラタンクからスチーム供給ラインを経て内部にスチームが供給可能に形成されていると共に、ドレインの排出孔が下部に設けられているものである。

ところで、この種のプレス鏝は、シリンダー等の駆動装置でアイロン台や人体型に向かって押され、プレス後は後退動作するものである。
また、例えば人体型を備えたプレス機の中には、衣類を人体型に着脱する作業の際、プレス鏝が支障にならないよう、プレス鏝を人体型の側方に配置しておく型式のものがある。この種のプレス機のプレス鏝は、プレス時に、鏝が駆動装置で左右方向にスライド動作するよう形成されている。

従ってプレス鏝は、重量があると、それだけ大型で高価な駆動装置が必要になり、組立て作業等も大変になるから、小型で安価な駆動装置を利用できるよう、しかもスチームの熱やプレス圧で変形することがないよう、強度を有しながら、できるだけ軽量に形成されているのが望ましい。

しかるに、従来品は、特許文献１に記載されているように、スチームが供給される内部を、単に中空状に形成しているのが通例であった。
従って従来品の場合は、スチームの熱やプレス時の圧力で変形を来たさないよう、厚手の金属材で形成する必要があったから、従来品によると、重量が増加するのを避けられなかった。

その結果、従来品は、シリンダー等の駆動装置が大型化し、またプレス鏝を支持する部材や支持機構のコストが増大したから、その分、プレス機の価格が高くつくことになる、という問題点があった。また従来品は、重量が増加する分、製造作業や組立て作業に労力がかかり、作業がし難い、という問題点があった。

実開平６−１１６９９号公報

本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、スチームの熱やプレス時の圧力で変形することがないよう、強度を維持できながら軽量化を図ることができ、小型で安価な駆動装置の使用を可能にしてプレス機を低廉化でき、また製造作業や組立て作業を楽にできるよう形成した衣類プレス機のプレス鏝を提供することにある。

本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明のプレス鏝は、図１等に示されるように、内部２が中空状に形成され、この内部２に外部から加熱用のスチームが供給される衣類プレス機のプレス鏝であって、スチームの供給口７から流入したスチームを内部２の全体に満遍なく導くと共に、内部２の潰れを防止するための流路形成部材８が内部２に設けられていることを特徴とする（請求項１）。

本発明の場合、流路形成部材８は、内部２にスチームを満遍なく導くことができるのであれば、その向きは縦向きでも横向きでも良い。また流路形成部材８の長さや幅、形状、及び流路形成部材８同士の間隔は、プレス鏝の形状や大きさ等に応じて適宜選定されるので良い。

而して、本発明は、図１等に示されるように、縦向きに配置され、流路形成部材８が、縦方向に延ばされて上下端が開放され、且つ左右方向に間隔をあけて左右対称状に設けられ、また左右の最も端の流路形成部材８ａと、この流路形成部材８と対向する内部２の左右の内側壁２ａとの間のスペースＳに、スチームの供給口７が臨まれて設けられているのが好ましい（請求項２）。

なぜならこれによると、内部２に流入したスチームを、上下方向に導きながら横方向に蛇行させて流すことができ、例えば流路形成部材８が水平に形成されている場合に比べ、スチームと流路形成部材８との接触時間を短くでき、その分、スチームのドレイン化を抑えることができるからである。またこれによると、スチームの供給口７が両側に設けられているから、スチームを内部２に、両側からバランス良く、且つ迅速に供給できるからである。

而して、本発明の場合、スチームの供給口７は、プレス動作に支障がないよう、鏝本体の下部に設けるのが好ましいが、下部からスチームを内部２に供給したとき、直ぐにスチームが下方に流れると、上方の広い空間へのスチームの供給が遅くなる。
従って本発明は、スチームの供給口７を下部に設けても、内部２にスチームを迅速に、且つ満遍なく充填できるよう、スペースＳの下部に、スチームの供給口７から流入するスチームが下方へ流れるのを防止するための遮蔽板９が設けられているのが好ましい（請求項３）。

この場合、遮蔽板９の高さは左右で異なるのでも良いが、スチームの供給量は、通常、左右で同一であるから、内部２でスチームが均等に拡散して流れるよう、遮蔽板９の高さは同一に選定されるのが良い。

本発明は、このように、スチームの供給口から内部に流入するスチームを内部の全体に満遍なく導くと共に、内部の潰れを防止するための流路形成部材が内部に設けられている。

従って本発明は、流路形成部材によって強度を維持できるから、スチームの熱やプレス圧で変形を来たすことなく、鏝本体を形成する鏝面板や背板等を薄くできる。
また本発明は、重くて頑丈な鉄板によることなく、ステンレス板等の軽くて耐久性に富む他の材質で形成することができる。
それ故本発明によれば、軽量化を図ることができ、製造作業や組立て作業を容易化できる。また本発明は、プレス鏝の駆動装置を小型化できるから、これによれば、安価な駆動装置を利用でき、その分、プレス機を低廉化できる。

本発明のプレス鏝の好適な一実施形態を示す一部を切欠した背面図である。同上プレス鏝の要部斜視図である。図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線における要部拡大断面図である。図１のＩＶ−ＩＶ線における要部拡大断面図である。図１のＶ−Ｖ線における要部拡大断面図である。

以下、本発明のプレス鏝の好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
この実施形態の本発明品は、図１等に示されるように、縦向きに配置され、衣類を着せる人体型１の前後を押圧するプレス鏝として実現されている。

本発明は、外部から加熱用のスチームを供給できるよう、内部２が中空状に形成されている。具体的には、外面が鏝面として機能する鏝面板３と、その背面に一定の間隔をあけて配置されている背板４との周囲が溶接され、これにより内部２が密閉容器状に形成されている。なお、この実施形態の場合、鏝面板３は鉄板で、また背板４は薄いステンレス板で形成されている。

また鏝面板３は、この実施形態では、図示されるように、人体型１の首に当たる部分３ａがＵ字形に切り欠かれ、下幅が上幅より広く形成されて、衣類としての、例えばワイシャツの身頃の下側を幅広く押圧可能な形状に形成されている。また鏝面板３の両側は、図２、図４に示されるように、人体型１の両側部を抱え込むように内側に湾曲され、この湾曲部３ｂから左右の側端に至る部分３ｃは、鏝面板３の中央部と平行になるよう平面状に形成されている。

また背板４は、この実施形態では鏝面板３より一回り小さい状態で、鏝面板３と同形状に形成されている。本発明品は、背板４の外面に設けられる取付部材５を介して起立状の支持部材６（図１参照）に縦向きに取り付けられる。取付部材５は、この実施形態では上下位置に、平行状に設けられている。

また本発明は、スチームの供給口７から流入するスチームを、内部２の全体に満遍なく導くと共に、内部２の潰れを防止するための流路形成部材８が、内部２に設けられている。このスチームの供給口７は、この実施形態では背板４の下部の左右側に、同じ高さで設けられている。

また流路形成部材８は、縦方向に延ばされて上下端が開放され、且つ左右方向に間隔をあけて左右対称状に設けられている。流路形成部材８の間隔は、この実施形態では等間隔に選定されている。

Ｓ（図１、図３、図４参照）は、左右の最も端の流路形成部材８ａと、これと対向する内部２の左右の内側壁２ａとの間のスペースである。本発明は、このスペースＳに、スチームの供給口７が臨まれて設けられている。

また本発明は、スペースＳの下部に、スチームの供給口７から流入するスチームが下方へ流れるのを防止するための遮蔽板９が設けられている。この遮蔽板９は、この実施形態では左右の最も端の流路形成部材８ａの下端の位置に、水平状に設けられている。なお、流路形成部材８は、溶接等の単一の手段のみで固定されるのでも良いが、この実施形態では、例えばネジ１０（図４等参照）で止め付けられると共に溶接されて鏝面板３と背板４に固定されている。

また図１に示されるように、内部２の底面２ｂは、鏝本体の幅方向（左右方向）の片側に向かって下り勾配に形成されている。そして、この底面２ｂの下端に、ドレイン化したスチームの排出口１１が設けられている。

次に、スチームの流れを、図１、図２に従って説明する。

本発明の場合、スチームは、図２に矢示されるように、両側のスチームの供給口７から内部２に供給される。この場合、この実施形態の本発明は、上記の通り、スチームの供給口７が同じ高さに設けられ、また流路形成部材８が左右対称状に設けられているから、スチームは内部２に左右からバランス良く供給され、その後、迅速に拡がって充填される。

而して、スチームの供給口７から供給されたスチームは、図１に矢示されるように、先ずスペースＳに入る。この場合、スペースＳの下部は、遮蔽板９で遮られているから、スペースＳに流入したスチームは、スペースＳの下側から回り込んで流れることが防止され、全て上方に導かれる。そして、スチームは、流路形成部材８が形成する流路１２を上下方向に導かれながら横方向に蛇行して流れ、内部２に迅速に、且つ満遍なく充填される。

而して、衣類のプレス作業によりスチームが冷えてドレイン化すると、この水は内部２の底面２ｂに沿って片側に流れ、図２に矢示されるように、スチームの排出口１１から排水される。

以上の処において、本発明の場合、流路形成部材８の長さや間隔は、鏝本体の形状や大きさ等に応じて適宜選定されるので良い。
また内部２の底面２ｂは、上例では、片方の側部に向かって下り勾配に形成されているが、本発明はこれに限られず、例えばドレインを迅速に排水できるよう、左右方向の中央を頂点に底面２ｂが山形状に勾配がつけられ、左右の側部に向かって下り勾配に形成されているのでも良い。

１人体型
２内部
３鏝面板
４背板
５取付部材
６支持部材
７スチームの供給口
８流路形成部材

Claims

内部が中空状に形成され、この内部に外部から加熱用のスチームが供給される衣類プレス機のプレス鏝であって、スチームの供給口から流入したスチームを内部の全体に満遍なく導くと共に、内部の潰れを防止するための流路形成部材が内部に設けられていることを特徴とする衣類プレス機のプレス鏝。
請求項１記載の衣類プレス機のプレス鏝であって、縦向きに配置され、流路形成部材が、縦方向に延ばされて上下端が開放され、且つ左右方向に間隔をあけて左右対称状に設けられ、また左右の最も端の流路形成部材と、この流路形成部材と対向する内部の左右の内側壁との間のスペースに、スチームの供給口が臨まれて設けられていることを特徴とする衣類プレス機のプレス鏝。
請求項１又は２記載の衣類プレス機のプレス鏝であって、スペースの下部に、スチームの供給口から流入するスチームが下方へ流れるのを防止するための遮蔽板が設けられていることを特徴とする衣類プレス機のプレス鏝。