JP2012139118A - コンバインの穀稈引起装置 - Google Patents

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Tomoshi Kitagawa
智志 北川
Toyofumi Yoshida
豊文 吉田
Kazuki Mitsuyama
和樹 光山
Manabu Saito
学 齋藤
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Abstract

【課題】引起装置をワンタッチでオープンすることができ、しかも、このオープンが軽い操作力でもって行うことができる引起し装置の揺動開閉機構を提供する。
【解決手段】刈取装置(9)の前側に、分草後の穀稈を引き起す複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)を左右方向に並設し、これら複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)のうちの非引起作用側を対向させて隣接配置した一対の引起装置(8b,8c)を一体的に連結し、この連結された一対の引起装置(8b,8c)を、この一対の引起装置(8b,8c)の左右設置幅の中心位置に対して左右一側に偏倚した縦軸(19)回りに回動可能に支持する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、コンバインの穀稈引起装置に関する。
特許文献1に開示されたものは、複数条の穀稈を引き起す引起装置を配設し、引起装置の引起しケースを、上下方向に配設された引起し駆動パイプの軸回りに回動可能で、且つ引き起こし駆動軸の軸回りに回動可能に支持したものである。
特開2010−22309号公報
上記構成のものでは、メンテナンス作業時には、作業空間を確保するため、重い引起しケースを左右方向上方に大きく持ち上げてからロックしなければならず、作業が煩雑なものとなっている。
本発明の課題は、引起装置をワンタッチでオープンすることができ、しかも、このオープンが軽い操作力でもって行うことができる引起装置の揺動開閉機構を提供する。
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、刈取装置(9)の前側に、分草後の穀稈を引き起す複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)を左右方向に並設し、これら複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)のうちの非引起作用側を対向させて隣接配置した一対の引起装置(8b,8c)を一体的に連結し、この連結された一対の引起装置(8b,8c)を、この一対の引起装置(8b,8c)の左右設置幅の中心位置に対して左右一側に偏倚した縦軸(19)回りに回動可能に支持したことを特徴とするコンバインの穀稈引起装置とする。
引起装置(8a,8b,8c,8d)の後方部のメンテナンス時には、一体的に連結された隣合う一対の引起装置(8b,8c)を左右一側に偏倚した縦軸(19)を支点として外側方にオープンすることができる。オープンされた一対の引起装置(8b,8c)の後方部が大きく開放されるので、刈取装置(9)や掻込搬送装置等に詰まった藁屑の除去やメンテナンスが容易に行える。
前記一対の引起装置(8b,8c)は、上下方向の縦軸(19)回りの揺動開閉であるため、これの開閉操作がワンタッチで簡単に行える。また、オープン時にあっても上方への持ち上げがないため、軽い操作力で行うことができる。
請求項2記載の発明は、前記一対の引起装置(8b,8c)の背面側には、引起装置(8a,8b,8c,8d)の上部に設けた横伝動軸(20)と先端に分草具(7)を備える分草フレーム(14)とを連結する補強フレーム(27)を配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの穀稈引起装置とする。
一対の引起装置(8b,8c)をオープン可能な構成とすることから、この引起装置(8b,8c)と分草フレーム(14)とのボルト止め等による連結を避けるため、分草フレーム(14)の強度が低下するが、補強フレーム(27)によって充分に確保することができる。
請求項3記載の発明は、前記複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)の上部の横伝動軸(20)から垂下した吊下伝動軸(21)より分岐させて前記一対の引起装置(8b,8c)を伝動する構成とし、前記一対の引起装置(8b,8c)が、吊下伝動軸(21)と、分草フレーム(14)から上方に立ち上げて該一対の引起装置(8b,8c)の下部側を支持する支持部材(28)とを回動軸芯として回動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインの穀稈引起装置とする。
簡潔な伝動構成でもって一対の引起装置(8b,8c)を駆動することができ、この一対の引起装置(8b,8c)をそれぞれ個別にオープンすることなく、一体的にオープンさせることができ、操作が容易に行える。
請求項4記載の発明は、前記吊下伝動軸(21)を、正面視において前記一対の引起装置(8b,8c)のうちの片方の引起装置(8c)の駆動スプロケット(24)の上方に配置したことを特徴とする請求項3記載のコンバインの穀稈引起装置とする。
伝動経路に分岐経路が少なくて済み、伝動構成が簡潔となって安価に実施することができる。
請求項5記載の発明は、前記支持部材(28)は、刈取前の植立穀稈を前方から後方に掻き寄せる掻込ベルト(10)よりも上方に配置したことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のコンバインの穀稈引起装置とする。
一対の引起装置(8b,8c)を縦軸(19)回りにオープンする時、引起装置(8b,8c)下部の支持部材(28)が掻込ベルト(10)に干渉することがない。
請求項1記載の発明によれば、連結された一対の引起装置(8b,8c)は、縦軸(19)回りの開閉であるため、この開閉操作を簡単に行うことができ、また、オープン時にあっても上方への持ち上げを必要としないため、軽い操作力で速やかにオープンさせることができ、メンテナンスを能率よく行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、引起装置(8b,8c)を簡単にオープンすることができるものでありながら、引起装置(8b,8c)と分草フレーム(14)との不連結による分草フレーム(14)の強度低下を補強フレーム(27)によって補い、強度を充分に確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明の効果を奏するものでありながら、簡潔な伝動構成でもって一対の引起装置(8b,8c)を駆動することができ、この一対の引起装置(8b,8c)をそれぞれ個別にオープンすることなく、一体的に容易にオープンさせることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果を奏するものでありながら、伝動経路に分岐経路が少なくて済み、伝動構成が簡素化できて安価に提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の効果を奏するものでありながら、一対の引起装置(8b,8c)を縦軸(19)回りにオープンする時、掻込ベルトに対する干渉を防止することができ、この一対の引起装置(8b,8c)のオープンがスムーズに行える。
コンバインの正面図 刈取部要部の引起しオープン時の正面図 同上要部の引起しオープン時の背面図 刈取部の要部の前方側斜視図 刈取部の要部の平面図 刈取部の要部の背面側斜視図 刈取部の要部の側面図 同上要部の側面図 引起し伝動機構を示す要部の正面図 同上要部の平面図 刈取部の要部の斜視図、 別実施例の引起し伝動機構を示す要部の正面図 別実施例の引起しオープン作動状態を示す平面図 刈取部の要部の斜視図 同上要部の側面図 引起しロック機構の側面図 引起し部の要部の側面図 同上要部の平面図 同上要部の分解斜視図 同上要部の分解斜視図 引起し部の要部の側面図
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、コンバインを示すものであり、この走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀装置3の前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5や操作ボックス6等の運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
刈取部4は、立毛する穀稈を左右に分草する分草具7,7…と、分草後の穀稈を引き起す4条の穀稈引起装置8a,8b,8c,8dと、引起し後の穀稈を刈り取るバリカン式刈刃からなる刈取装置9と、刈取装置の前方から後方位置まで穀稈を掻込誘導する掻込ベルト10と、刈取後の穀稈を掻込搬送する掻込搬送装置11と、掻込搬送後の穀稈を合流搬送する合流搬送装置12と、合流後の穀稈を引き継いで揚上搬送しながら姿勢変更して脱穀装置に受け渡し供給する供給搬送装置13等からなり、車体に対し上下に昇降可能に装備している。
中央の分草具7cは、引起装置8cの引起しケースに装着されると共に、刈取装置9側から前方に突設する分草フレーム14に対し嵌脱自在に嵌入支持されている。
穀稈引起装置8は、引起しチエンを内装し前後に分割可能な前後の引起しケース15a,15bと引起しケースから引起し経路に突出して穀稈を引き起す引起しラグ16とからなる。
左右両サイドの引起装置8a,8dを除く中央側の隣合う一対の引起装置8b,8cは、下部側を連結プレート17で、上部側をコの字型構成の伝動ケース18でもって一体的に連結してあり、そして、該引起装置8a,8bの一側(右側又は左側)寄りに偏倚して設けた上下方向に沿う縦軸19を回動支点として前方横側方に向けて揺動開放(オープン)できるように構成している。
引起装置8b,8cの伝動構成について説明すると、各引起装置8a,8b,8c,8dの上部に架設した横伝動軸20と、該横伝動軸20からベベルギヤG1,G2を介して下方に垂下する吊下伝動軸21と、これよりベベルギヤG3,G4を介して回転駆動する前後方向の連動軸22と、これよりベベルギヤG5,G6を介して回転駆動する左右方向の連動軸23及びベベルギヤG7,G8を介して一対の引起装置8b,8cの駆動スプロケット24,25を回転駆動すべく連動構成している。これら連動軸やベベルギヤ機構は、前記伝動ケース18内に内装している。
また、前記吊下伝動軸21は、正面視で右側の引起装置8cの駆動スプロケット24の上方に設定している。
前記分草フレーム14は、引起装置の背面側には、引起装置の上部に設けた横伝動軸20の横伝動フレーム26から下方に垂下せる補強フレーム27によって強固に連結保持させている。補強フレーム27は、上部側を引起しケースの中間位置まで引起しケース背面に沿わせ、中間部から下部に向かっては隣接する掻込ベルト10,10の中間位置を通り分草フレーム14に接合させ、正面から見て、引起装置8c,8dの背面側で両者の隣接部位に沿うように配置している。
また、前記引起装置8c,8dは、前記分草フレーム14より上方に立ち上げた引起装置の下部側を支持する支持部材28と前記吊下伝動軸21を同一回動軸芯としてオープンするように構成している。前記吊下伝動軸21は前記縦軸19の上部に内架してあり、前記支持部材28は、縦軸19の下部側に架設され、しかも、前記掻込ベルト10よりも上側位置に配置することによって引起装置オープン時にその支持部材が掻込ベルトに干渉するのを防止することができる。
掻込ベルト10の掻込ケース30は、その前端部を取付ステー31によって前記補強フレーム27に装着支持している。
側面視において、引起装置の引起しケース15の傾斜角に対し、縦軸19をそれと同傾斜とする平行状に設定することにより、回動軌跡を縦軸の上下で同一にでき、構成部材の簡素化を図ることができるが、引起しケースの傾斜角よりも縦軸を後方傾斜とする鋭角(θ)に構成することもでき、これによると、下部回動支点を前方にでき、他部材との干渉を防止でき、側面視で上方に回動するため、隣の分草部材等との干渉を防止することができる。
引起しオープンの別構成例について説明すると、一対の引起装置8b,8cの横伝動構成として、図12に示すように、横伝動チエン32とベベルギヤ伝動機構33を介して引起し駆動スプロケット軸24a,25aを回転駆動する構成とし、そして、横伝動チエン32ケースの両軸(1),(2)で回動可能とし、2段階でオープンさせる構成としている。つまり、図13に示すように、第1段階として(1)を中心として矢印(イ)方向に回動オープンし、第2段階で(2)を中心として矢印(ロ)方向に回動オープンすることで、開放空間をより大きくとることができる。
刈取部の各所への注油において、図11に示すように、注油タンク34に連通する注油ホース35は、横伝動フレーム26、補強フレーム27の背面を通して刈取装置9の刈刃中央部へと配策している。
図14及び図15に示すように、引起装置8bの引起しケース15背面と掻込センタフレーム36との間にはガスダンパ37を設けてあり、ガスダンパ37の補助力によって引起装置が軽い操作力でオープンできるように構成している。また、ガスダンパ37は、この伸長限界でオープン量を規制する構成であり、オープン時の開き位置を規制することができる。
前記掻込センタフレーム36は補強フレーム27に連結してあり、補強フレームが掻込センタフレームの支持部材を兼ねることにより、部品点数、コストの低減を図っている。
引起装置をオープンするときには、ロック機構の解除が簡単に行えることが望ましい。図16に示す実施例では、引起装置を閉じたときにおいては、引起しケース15の背部に軸架されたレバー軸39回りに回動可能で付勢バネ40にて付勢されたロックプレート41と、刈取部側フレームより突設されたロックピン42とによって係止固定可能な構成としている。引起装置をオープンするときは、ロックレバー43を引いてロックプレート41とロックピン42との係止固定状態を解除する。ロック機構の配置は引起装置の回動支点側とは反対側の引起装置側としている。なお、ロック機構が引起装置の背部に設定する場合は、ロックされているか非かが判りにくい為、ロック機構の近傍に目視判明可能なインジケータを設けておくと良い。
図17〜図19に示す実施例は、引起しオープンの回動支持部を補強フレーム27側に配置した構成例を示すものである。引起しケース15側及び伝動ケース18側から突設した回動支持アーム44,44に下向きの回動ピン45を突設し、補強フレーム27側に穴46a付きの支持プレート46を突設し、座金47、スナップリング48を介して回動可能且つ着脱自在に結合させた構成としている。この構成によると、引起装置をユニットで簡単に着脱することができる。
なお、上記構成に加えて、図20に示すようなトルクスプリング49を設けることによってオープン方向への付勢力を助長し、軽い力でオープンすることができる。また、トルクスプリングの開き状態の規制によっては引起しオープン量も安全性の範囲内で規制することができる。
また、図21に示すように、引起しケース15背面に支持棒50を配置して、引起しオープン時には、その先端部を掻込センタフレーム部36に係止することで、オープン時の開き位置を規制するように構成している。引起し収納時は、引起しケースの背面に沿わせて収納しクランプ51にて保持するようにしている。
なお、前記支持棒50は、補強フレーム27側に配置し、オープン時には先端部を引起しケースの背面に係止してオープン時の開き位置を規制するように構成してもよい。
左右の引起装置をユニットで着脱可能に構成したものにおいて、左右引起しケースの背面部に把手を設けておくと、取り外し時には、左右両側に手をまわして把持し、抱え込むようにして取り外すことが容易にできる。
7 分草具
9 刈取装置
8a 穀稈引起装置
8b 穀稈引起装置(一対の引起装置)
8c 穀稈引起装置(一対の引起装置)
8d 穀稈引起装置
10 掻込ベルト
14 分草フレーム
19 縦軸
20 横伝動軸
21 吊下伝動軸
24 引起し駆動スプロケット
25 引起し駆動スプロケット
27 補強フレーム
28 支持部材

Claims (5)

  1. 刈取装置(9)の前側に、分草後の穀稈を引き起す複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)を左右方向に並設し、これら複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)のうちの非引起作用側を対向させて隣接配置した一対の引起装置(8b,8c)を一体的に連結し、この連結された一対の引起装置(8b,8c)を、この一対の引起装置(8b,8c)の左右設置幅の中心位置に対して左右一側に偏倚した縦軸(19)回りに回動可能に支持したことを特徴とするコンバインの穀稈引起装置。
  2. 前記一対の引起装置(8b,8c)の背面側には、引起装置(8a,8b,8c,8d)の上部に設けた横伝動軸(20)と先端に分草具(7)を備える分草フレーム(14)とを連結する補強フレーム(27)を配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの穀稈引起装置。
  3. 前記複数の引起装置(8a,8b,8c,8d)の上部の横伝動軸(20)から垂下した吊下伝動軸(21)より分岐させて前記一対の引起装置(8b,8c)を伝動する構成とし、前記一対の引起装置(8b,8c)が、吊下伝動軸(21)と、分草フレーム(14)から上方に立ち上げて該一対の引起装置(8b,8c)の下部側を支持する支持部材(28)とを回動軸芯として回動する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインの穀稈引起装置。
  4. 前記吊下伝動軸(21)を、正面視において前記一対の引起装置(8b,8c)のうちの片方の引起装置(8c)の駆動スプロケット(24)の上方に配置したことを特徴とする請求項3記載のコンバインの穀稈引起装置。
  5. 前記支持部材(28)は、刈取前の植立穀稈を前方から後方に掻き寄せる掻込ベルト(10)よりも上方に配置したことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のコンバインの穀稈引起装置。
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