JP2012137269A - 石炭火力発電プラント及び石炭火力発電プラントの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、石炭火力発電プラントに付随する蒸気タービンの安全性と信頼性を向上することである。
【解決手段】本発明は、集塵装置入口の排ガス温度を計測する温度センサと、蒸気タービンから排出された水をガスクーラへ供給する給水流量を調整する流量弁と、集塵装置入口の排ガス温度が一定となるようにガスクーラへ流れる給水流量を調整する制御装置を備えることを特徴とする。
【効果】本発明によれば、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、石炭火力発電プラントに付随する蒸気タービンの安全性と信頼性を向上することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石炭火力発電プラント及び石炭火力発電プラントの制御方法に関する。
地球温暖化対策として、温室効果ガスの一つであるCO2(二酸化炭素)の排出削減の取り組みが世界的に実施されている。火力発電所はCO2の排出量が多い設備の一つである。石炭ボイラは、炭素含有量が多く、燃焼排ガス中にCO2を多量に発生させる石炭を燃焼する。この石炭ボイラを備えた石炭火力発電プラントは、発電量当りのCO2排出量が最も多く、早急なCO2削減対策が要望されている。
石炭火力発電プラントのCO2削減対策は、発電の高効率化に加えて、石炭ボイラでの燃焼によって発生した燃焼排ガス中からCO2を分離・回収することが挙げられる。CO2の分離・回収とは、石炭火力発電プラントで発生した燃焼排ガス中からCO2のみを取り出して圧縮・液化し、パイプライン等を通してこの液化させたCO2を地下深部等に貯留させる方式である。
CO2分離・回収方式の一つに酸素燃焼方式がある。酸素燃焼方式は、空気から酸素のみを分離し、分離させた純酸素を使用して石炭を燃焼させる方式である。酸素燃焼ボイラでは、石炭を燃焼して生成した燃焼排ガス(主要成分はCO2)の一部と純酸素とを混合させた混合ガスを支燃ガスに使用する。酸素と燃焼排ガスを混合させるのは、石炭ボイラ内で燃焼する火炎の温度を抑制するためである。空気燃焼ボイラで発生した燃焼排ガスにはN2(窒素)が多く含まれるので、空気燃焼ボイラから排出される排ガスからCO2を分離する処理が必要となる。一方、酸素燃焼ボイラで発生した燃焼排ガスは成分のほとんどがCO2であるため、排ガスからCO2の分離処理をしないで、そのままCO2を回収できる利点がある。
空気燃焼ボイラの排ガス処理装置には、GGH(ガス−ガスヒータ)と呼ばれる二つの熱交換器が設置されている。一方は集塵装置の前に設置されており、排ガスから熱を回収する熱回収器である。他方は煙突の前に設置されており、排ガスを加熱する加熱器である。両熱交換器の間では水が伝熱媒体として循環しており、集塵装置前の高温ガスによって加熱された水を用いて、煙突前の低温ガスを加熱する構造となっている。
GGHの役割の一つは、排ガスを煙突から大気へ放出する際に加熱して、排ガス中の水蒸気が凝縮して起きる白煙化を防止することである。排ガスの白煙化は近隣住民に視覚的な不快感を与えるので、地域によっては白煙化を防止するように義務付けられている。
また、GGHの別の役割は、酸腐食を進行させる物質であるSO3(三酸化硫黄)を排ガスから除去することである。SO3は、排ガス中にガス状に存在する。集塵装置の前に設置したGGHは、排ガスから熱を回収し、排ガス中のSO3が液滴となる温度(酸露点)以下までガス温度を低下させる。このとき、液滴となったSO3は排ガス中の灰に付着し、集塵装置において灰と共に除去される。
酸素燃焼ボイラの場合、酸腐食防止のためのSO3除去は必要だが、排ガスは大気中に放出せずに回収して貯留するので、煙突出口での白煙化防止策は必要ない。つまり、空気燃焼ボイラの場合には熱回収器と再加熱器で構成されているが、酸素燃焼ボイラの場合は熱回収器のみでよい。このため、酸素燃焼ボイラに設置する熱回収器はガスクーラと呼び、空気燃焼ボイラのGGHと区別する。
空気燃焼では排ガスから回収した熱を、煙突前でのガスの加熱に利用していた。これに対し、酸素燃焼では、排ガスから回収した熱を給水加熱に利用することが考えられる。通常の空気燃焼ボイラにおける給水加熱は、蒸気タービンから抽気した高温・高圧の蒸気で行っている。酸素燃焼ボイラの場合、給水加熱のための熱源の一部を排ガスで置き換えることにより、蒸気タービンからの抽気蒸気量を減らすことができ、プラント効率の向上を図ることができる。
ガスクーラによる給水加熱の例として、特許文献1に記載された給水加熱器制御装置がある。ここでは、ガスタービンと蒸気タービンを有するコンバインドプラントを対象として、ガスタービンの排ガスの剰余熱を給水加熱に利用している。
特開平5−280302号公報
酸素燃焼ボイラとして運転を開始する場合、最初に空気燃焼ボイラとして運転した状態から、純酸素供給量と循環排ガス量を徐々に増やして酸素燃焼へ切り替えていく。このとき、空気燃焼で使用していたGGHを停止し、代わりに、ガスクーラの運転を開始する。
前述したように、ガスクーラで排ガス熱を用いた給水加熱を行うと、蒸気タービンの抽気蒸気による給水加熱量は少なくてすむので、抽気蒸気量が減少する。このため、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、ガスクーラへの給水を突然始めると、それに伴って抽気蒸気量が突変し、蒸気タービンの翼に瞬間的に過大な応力が発生する可能性がある。この現象は、蒸気タービンの翼の破損をもたらすので、安全性と信頼性の点で問題があった。
さらに、空気燃焼から酸素燃焼に切り替わると、高温の排ガスがボイラへ再循環することにより、ガスクーラ及びGGHへ流入するガス温度が上昇する。この状態でも、集塵装置に流入するガスの温度が酸露点以下になるよう制御しなければ、集塵装置でSO3が除去できず、後段にある装置で酸腐食が発生する問題がある。
さらに、空気燃焼から酸素燃焼に切り替わっている途中の状態では、排ガスの一部をボイラへ循環させながら、その他の排ガスは煙突から大気へ放出している。切り替え中の運転状態にある場合にも、煙突前で排ガスを所定の温度まで加熱し、白煙化を防止する措置を維持しなければならない。
以上に述べた問題を鑑みて、本発明の目的は、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、石炭火力発電プラントに付随する蒸気タービンの安全性と信頼性を向上することである。
本発明は、集塵装置入口の排ガス温度を計測する温度センサと、蒸気タービンから排出された水をガスクーラへ供給する給水流量を調整する流量弁と、集塵装置入口の排ガス温度が一定となるようにガスクーラへ流れる給水流量を調整する制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、石炭火力発電プラントに付随する蒸気タービンの安全性と信頼性を向上することができる。
本発明の一実施例である石炭火力発電プラントを示す概略構成図。
本発明の一実施例である空気燃焼と酸素燃焼が可能な石炭火力発電プラントの構成と制御方式について図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の一実施例である石炭火力発電プラントの構成を示す概略図である。図1に示す石炭火力発電プラントは、空気燃焼と酸素燃焼の両方で運転可能な構成になっている。
先ず、ボイラ1を通常の空気燃焼で運転するときのガスの流れを説明する。
空気燃焼での支燃ガスは空気である。ファン13が配管31を通して外気から空気を吸い込む。このとき、弁41は開いた状態とし、後述する酸素供給用の弁42は閉じた状態とする。ファン13を通った空気はガス予熱器3に送られ、ここでボイラ1から排出された高温の排ガスで空気を加熱する。加熱された空気はミル8に送られ、ここで粉砕された石炭と混合し、ボイラ1に燃料ガスとして供給される。ボイラ1で燃焼後の排ガスは、脱硝装置2に送られる。脱硝装置2では、排ガス中の窒素酸化物が取り除かれる。次に、排ガスはガス予熱器3に送られる。前述したように、ガス予熱器3では空気燃焼での支燃ガスである空気と熱交換を行う。空気は加熱されて温度が上昇するのに対し、排ガスの温度は伝熱によって低下する。次に、ガス予熱器3から排出された排ガスは、熱回収器4に送られる。このとき、三方弁43により、排ガスがガスクーラ9に送られないようにする。熱回収器4と後述する再加熱器7との間には、伝熱媒体である水が配管50を通して循環している。熱回収器4では、再加熱器7から送られた低温の水と、高温の排ガスの間で熱交換を行い、排ガスの温度を低下させる。熱回収器4と再加熱器7を合わせてGGH(ガス−ガスヒータ)と呼ぶ。熱回収器4から排出されるガスの温度は、排ガス中に含まれるガス状のSO3が液滴となる温度(酸露点)以下となるように設計する。ガス温度が酸露点以下になることで、液滴となったSO3は排ガス中の灰の表面に吸着する。次に、熱回収器4を排出された排ガスは、集塵装置5に送られる。集塵装置5では、排ガス中の煤塵や灰を除去する。このとき、灰と共に前述したSO3も除去される。SO3が液滴となって配管内面に付着すると、酸腐食が進行する。このため、石炭ボイラでは、ガス温度を酸露点以下となるように調整し、SO3を灰に吸着させることで除去する。集塵装置5から排出された排ガスはファン12により後段へ送られる。ファン12から排出された排ガスは、脱硫装置6に送られる。このとき、弁44は閉じた状態とし、排ガス循環用の配管33に排ガスが送られないようにする。脱硫装置6では、排ガス中の硫黄酸化物を除去する。脱硫塔は上部から石灰石のスラリーをスプレーで噴霧する構造になっており、スラリーの水分が排ガスの熱によって気化する。このため、排ガスは水分の気化熱によって熱を奪われ、ガス温度が低下する。脱硫装置6から排出された排ガスは、再加熱器7に送られる。このとき、三方弁45は除湿装置10に排ガスが送られないようにする。前述したように、再加熱器7は熱回収器4との間で水を循環させている。熱回収器4では高温の排ガスによって水が加熱されており、水の温度は脱硫装置後の排ガスの温度よりも高い。このため、水が排ガスを加熱することにより、排ガスの温度が上昇する。再加熱器7を通った後の排ガスは煙突から大気へ放出される。再加熱器7で排ガスの温度を上げるのは、煙突出口で排ガス中の水分が凝縮することにより、白煙化するのを防止するためである。
以上がボイラ1を空気燃焼で運転したときのガスの流れである。次に、ボイラ1を酸素燃焼で運転したときのガスの流れを説明する。
空気燃焼では支燃ガスとして空気を用いるが、酸素燃焼では純酸素と排ガスの混合ガスを用いる。先ず、大気から空気分離装置11に空気が取り込まれる。空気分離装置では、酸素と窒素の沸点の差を利用して分離する深冷法により、空気から酸素を取り出し、配管32を通して酸素を供給する。このとき、弁41は閉じた状態、弁44は開いた状態とする。これにより、ボイラに空気が取り込まれることはなく、配管33を流れてきた一部の排ガスと前述した酸素が混合される。これが支燃ガスとなり、ファン13を用いて、ミル8で生成した微粉炭と共にボイラ1へ供給される。ボイラ1で燃焼した後の排ガスは、空気燃焼の場合と同様に、脱硝装置2及びガス予熱器3へと排出される。次に、ガス予熱器3から排出された排ガスはガスクーラ9へと送られる。このとき、三方弁43により熱回収器4には排ガスが送られないようにする。ガスクーラ9では、後述するボイラ給水の一部を取り込み、排ガスで給水を加熱する。ガスクーラを排出された排ガスは、空気燃焼の場合と同様に集塵装置5を通って、ファン12を用いて後段の機器に送られる。ファン12から排出された排ガスは、一部は配管33を通ってボイラ1へと循環し、一部は脱硫装置6に送られる。脱硫装置6から排出された排ガスは、除湿装置10へ送られる。このとき、三方弁45は再加熱器7に排ガスが送られないようにする。除湿装置10では、排ガスを大気で冷却して水分を凝縮させることにより除湿を行う。除湿装置10から排出された排ガスは回収し、貯留される。
以上がボイラ1を酸素燃焼で運転したときのガスの流れである。次に、蒸気の流れについて説明する。
ボイラ1で発生した高温・高圧の蒸気は、蒸気配管51を通って蒸気タービン20に送られる。発電機21を回転させた後の蒸気は、復水器22で冷却され液化される。次にポンプ23を通して給水加熱器24に送られる。給水加熱器24では、蒸気タービン20から抽気した高温の蒸気を取り込み、ポンプ23から送られた低温の給水を加熱する。加熱された給水はボイラ1へと送られ、高温・高圧の蒸気となる。
ここで、酸素燃焼で運転する場合には、給水加熱器24と共に、ガスクーラ9も併用する。給水加熱器24が蒸気タービン20からの抽気蒸気で給水を加熱するのに対し、ガスクーラ9では排ガスで給水を加熱する。ポンプ23から排出された給水は、給水加熱器24とガスクーラ9へと分岐して、それぞれの装置で加熱され、最終的には合流してボイラ1へと送られる。
このように、酸素燃焼で運転する場合は、給水加熱器24に加えて、ガスクーラ9も利用するので、蒸気タービン20からの抽気蒸気量は、空気燃焼での運転に比べて減らすことができる。これは、蒸気タービン20のタービン出力の向上につながり、プラント効率が向上する。
以上が、ボイラ1を空気燃焼と酸素燃焼それぞれで運転したときのガスと蒸気の流れである。
ボイラ1を酸素燃焼で運転する場合には、支燃ガスとして排ガスと酸素を使用する。このため、最初から酸素燃焼でボイラ1を起動することは不可能である。空気燃焼でボイラ1を起動して出力を上昇させ、その状態で酸素燃焼に切り替える処理が必要となる。ボイラ1での微粉炭の燃焼状態を考慮したとき、空気燃焼から酸素燃焼に突然切り替えると、支燃ガスの組成が突変するので、火炎の形成が不安定になり、失火する恐れがある。空気燃焼から酸素燃焼への切り替えは、徐々に行っていく必要がある。したがって、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替えている途中の運転状態では、図1に示した配管31を通して空気を取り込むと共に、配管32から酸素を供給し、配管33から排ガスを循環させた状態となる。酸素燃焼へと切り替わるに従い、空気の量を減らし、酸素と排ガスの量が増えていくよう制御する。
また、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、ガスクーラ9の起動方法も重要となる。酸素燃焼では、ガスクーラ9で給水の一部を加熱することにより、蒸気タービン20から給水加熱器24への抽気蒸気を減らすことができ、タービン出力を向上できる。しかしながら、空気燃焼の運転で熱回収器4に排出していた排ガスを急にガスクーラ9に排出するよう切り替えると様々な問題が生じる。一つは、前述したようにガスクーラ9での給水加熱は、蒸気タービン20の抽気蒸気量と連動しているので、これが突変する。抽気蒸気量が突変すると、蒸気タービン20の翼に瞬間的に過大な応力がかかり、翼の破損をもたらす可能性がある。さらに、ガスクーラ9での熱交換には時間的な遅れがあるので、集塵装置5の入口ガス温度が一時的に上昇し、酸露点を超える可能性がある。さらに、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替わっている途中の排ガスは、窒素成分も多く含まれているので、回収せずに煙突から大気へ放出される。このため、GGHの機能を動作させて白煙防止の措置を続けなければならない。
以上の点から、空気燃焼で動作する熱回収器4と酸素燃焼で動作するガスクーラ9は、空気燃焼から酸素燃焼に切り替わる際、それぞれが排ガスから回収する熱量の割合を徐々に変えていく。
図1を用いて、熱回収器4とガスクーラ9の伝熱量を調整する方法について説明する。ガス予熱器3から排出されるガス温度は、空気燃焼に比べて酸素燃焼の方が高くなる。これは、酸素燃焼では高温の排ガスを循環して支燃ガスとして使用するので、ガス予熱器3における排ガスから支燃ガスへの伝熱量が少なくなるためである。図1では、ガス予熱器から排出されるガスは、空気燃焼では140℃、酸素燃焼に完全に切り替わると200℃になるとした。また、集塵装置の入口ガス温度は90℃まで低下させるとした。ここで制御装置61は、温度センサ72,73、及び、流量センサ74,75の計測値を基に、三方弁43,ファン62,流量弁63を用いて、それぞれのガス流量、及び蒸気流量を調整する。
空気燃焼から酸素燃焼へ切り替わるに従い、ガス予熱器から排出されるガス温度は140℃から200℃へ上昇する。そこで、集塵装置5の入口から熱回収器4の入口へ排ガスを戻す経路80を使用する。この経路には、ファン62が設けられている。ファン62は温度センサ72の計測値を基に、熱回収器4の入口ガス温度が140℃で一定となるようファン62の回転数を変化させ、ガス流量を調整する。
また、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替わるに従い、前述の図1で説明した配管33を通して循環する排ガス量が増えるので、再加熱器7を流れるガス流量は少なくなってくる。制御装置61は、熱回収器4を流れるガス流量、すなわち、流量センサ74で計測したガス流量が、再加熱器7を流れるガス流量、すなわち、流量センサ75で計測したガス流量と等価になるように、三方弁43を調整する。この三方弁43を調整することで、熱回収器4及びガスクーラ9へ供給するガス流量の割合が調整される。
また、制御装置61は、集塵装置の入口ガス温度、すなわち、温度センサ73の計測値が90℃で一定となるように、ガスクーラ9へ流れる給水流量を流量弁63で調整する。
ボイラ1が空気燃焼から酸素燃焼へ完全に切り替わった時点で、排ガスは再加熱器7を通して煙突から排出されている。このときも、熱回収器4と再加熱器7の間で伝熱媒体である水は循環しており、煙突出口での白煙化を防止するためにガスは加熱されている。
次に、制御装置11は三方弁45を調整して、排ガスを徐々に除湿装置10へ排出させる。このとき、CO2回収処理も開始し、除湿装置10に排出されるガス量が増えるに従い、回収するCO2の量も増える。
この処理に伴って、再加熱器7を流れるガス流量は減っていく。前述したように、熱回収器4を流れるガス流量は、再加熱器7を流れるガス流量と連動しており、熱回収器4を流れるガス流量が減り、ガスクーラ9へ流れるガス流量が増える。これに伴って、制御装置61は、集塵装置5の入口ガス温度が一定となるように制御しているので、流量弁63を調整してガスクーラ9を流れる給水流量が増え、排ガスから給水への伝熱量も増える。
制御装置61による三方弁45の調整で、煙突を通して大気へ放出される排ガス流量が0になり、全ての排ガスを回収するようになった時点で、熱回収器4を流れるガス流量も0になり、ガス予熱器3と集塵装置5の間はガスクーラ9のみが動作している。
上述した本発明の実施例によれば、CO2を回収可能な石炭火力発電の一方式である酸素燃焼ボイラにおいて、空気燃焼から酸素燃焼に切り替わる際に、集塵装置の入口ガス温度を所定の温度に維持しながら、GGHからガスクーラへの切り替えを連続的に行うことができ、蒸気タービン抽気蒸気量の突変を防止することができる。さらに、空気燃焼から酸素燃焼への切り替え時にも、煙突出口での白煙化を防止できる。
以上のように、本実施例では、集塵装置入口の排ガス温度を計測する温度センサと、蒸気タービンから排出された水をガスクーラへ供給する給水流量を調整する流量弁と、集塵装置入口の排ガス温度が一定となるようにガスクーラへ流れる給水流量を調整する制御装置を備えることにより、抽気蒸気量の突変を防ぐことができる。そして、空気燃焼から酸素燃焼へ切り替える際、石炭火力発電プラントに付随する蒸気タービンの安全性と信頼性を向上することができる。
また、本実施例の制御装置は、熱回収器入口のガス温度が一定となるように、集塵装置入口から熱回収器入口へガスを循環させるファンの回転数も調整する機能を有する。そのため、集塵装置に流入するガスの温度が酸露点以下になるよう制御することで、集塵装置でSO3を除去することが可能であり、後段にある装置で生じる酸腐食を抑制できる。
本発明は石炭火力発電プラントのCO2回収に好適な酸素燃焼ボイラ及び酸素燃焼ボイラの制御方法に適用できる。
1 ボイラ
2 脱硝装置
3 ガス予熱器
4 熱回収器(GGH)
5 集塵装置
6 脱硫装置
7 再加熱器(GGH)
8 ミル
9 ガスクーラ
10 除湿装置
11 空気分離装置
12,13 ファン
20 蒸気タービン
21 発電機
22 復水器
23 ポンプ
24 給水加熱器
31,32,33 ガス配管
41,42,44 ガス流量弁
43,45 ガス流量三方弁
51 蒸気配管

Claims (6)

  1. 石炭を支燃ガスと共に燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された排ガスと前記支燃ガスを熱交換させるガス予熱器と、空気燃焼又は酸素燃焼に応じて切り替えて使用する熱回収器及びガスクーラと、前記熱回収器又はガスクーラからの排ガスから煤塵・灰を除去する集塵装置と、集塵後の排ガスから硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫された排ガスが空気燃焼又は酸素燃焼に応じて切り替えて供給される再加熱器及び除湿装置を備え、空気燃焼方式及び酸素燃焼方式を実現可能な石炭ボイラと、
    前記ボイラで発生した蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出された水を加熱する給水加熱器を備えた石炭火力発電プラントにおいて、
    前記集塵装置入口の排ガス温度を計測する温度センサと、前記蒸気タービンから排出された水を前記ガスクーラへ供給する給水流量を調整する流量弁と、前記集塵装置入口の排ガス温度が一定となるように前記ガスクーラへ流れる給水流量を調整する制御装置を備えることを特徴とする石炭火力発電プラント。
  2. 請求項1記載の石炭火力発電プラントにおいて、
    前記制御装置は、前記熱回収器入口のガス温度が一定となるように、前記集塵装置入口から前記熱回収器入口へガスを循環させるファンの回転数を調整することを特徴とする石炭火力発電プラント。
  3. 請求項1又は2記載の石炭火力発電プラントであって、
    前記制御装置は、前記熱回収器を流れるガス流量が前記再加熱器を流れるガス流量と等価になるように、前記熱回収器及び前記ガスクーラへ供給するガス流量の割合を調整することを特徴とする石炭火力発電プラント。
  4. 石炭を支燃ガスと共に燃焼させるボイラと、前記ボイラから排出された排ガスと前記支燃ガスを熱交換させるガス予熱器と、空気燃焼又は酸素燃焼に応じて切り替えて使用する熱回収器及びガスクーラと、前記熱回収器又はガスクーラからの排ガスから煤塵・灰を除去する集塵装置と、集塵後の排ガスから硫黄酸化物を除去する脱硫装置と、脱硫された排ガスが空気燃焼又は酸素燃焼に応じて切り替えて供給される再加熱器及び除湿装置を備え、空気燃焼方式及び酸素燃焼方式を実現可能な石炭ボイラと、
    前記ボイラで発生した蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出された水を加熱する給水加熱器を備えた石炭火力発電プラントの制御方法において、
    前記集塵装置入口の排ガス温度が一定となるように前記ガスクーラへ流れる給水流量を調整することを特徴とする石炭火力発電プラントの制御方法。
  5. 請求項4記載の石炭火力発電プラントの制御方法において、
    前記熱回収器入口のガス温度が一定となるように、前記集塵装置入口から前記熱回収器入口へガスを循環させるファンの回転数も調整することを特徴とする石炭火力発電プラントの制御方法。
  6. 請求項4又は5記載の石炭火力発電プラントであって、
    前記熱回収器を流れるガス流量が前記再加熱器を流れるガス流量と等価になるように、前記熱回収器及び前記ガスクーラへ供給するガス流量の割合を調整することを特徴とする石炭火力発電プラントの制御方法。
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