JP2012132666A - 建物の熱利用構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】床下空間に設置された空調装置から放出された温熱や冷熱を有効に利用することが可能な建物の熱利用構造を提供する。
【解決手段】床下空間12に空調装置2が設置された住宅1の熱利用構造である。そして、床下空間の側方を囲うように形成される基礎断熱部14と、住宅の外周の少なくとも一部の側縁から地表面に沿って延伸される地表断熱部71と、地表断熱部の下方の地盤Gの地中熱を取り込むための地中熱利用装置としての地中埋設管5とを備えている。また、地表断熱部の住宅とは反対側の端部から地中に向けて延伸される地中断熱部72を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、床下空間に設置された空調装置から放出された温熱や冷熱を有効に利用するための建物の熱利用構造に関するものである。
従来、地中熱を利用することで住宅の空調装置の効率を向上させ、電気やガスなどのエネルギー消費量を削減させる空調システムが知られている(特許文献1,2参照)。
特許文献1には、地中埋設チューブに外気を通過させることで、外気の温度を地中の温度に近づけさせ、その地中埋設チューブを経由させた外気を住宅の屋内に供給する地熱利用空調システムが開示されている。
すなわち、地中の温度は、外気に比べて夏期は低く、冬期は高いため、地中の温度に近づけさせた外気を屋内に取り込むことで、夏期は屋内を冷やすことができ、冬期は屋内を暖めることができる。
また、特許文献2には、地盤の比較的に浅い位置に熱移送パイプを埋設し、地中熱を取り出して冷暖房に利用させる地中熱利用冷暖房装置が開示されている。さらに、この特許文献2には、地表からの放射冷却や日射による加熱などの影響を遮断するために、熱移送パイプの上方に断熱材層を設けることが記載されている。
特開2003−35433号公報 特開2006−207919号公報
しかしながら、特許文献1に開示された地熱利用空調システムは、地盤に自然に蓄えられた地中熱を利用する構成であるため、地盤の温度によっては有効に機能しない場合もある。
また、特許文献2の地中熱利用冷暖房装置では、熱移送パイプに地中熱以外の影響が及ぶことを抑えるために断熱材層を配置する構成が開示されてはいるが、空調装置から放出された温熱や冷熱を有効に利用するための構成にはなっていない。すなわち、床下空間の熱が地盤に伝達され易い基礎断熱構造をとる実施例では、床下空間と熱移送パイプとの間に断熱材層が配置されて熱の移動を遮断する構成になっている。
そこで、本発明は、床下空間に設置された空調装置から放出された温熱や冷熱を有効に利用することが可能な建物の熱利用構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物の熱利用構造は、床下空間に空調装置が設置された建物の熱利用構造であって、前記床下空間の側方を囲うように形成される基礎断熱部と、前記建物の外周の少なくとも一部の側縁から地表面に沿って延伸される地表断熱部と、前記地表断熱部の下方の地盤の地中熱を取り込むための地中熱利用装置とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記地表断熱部の前記建物とは反対側の端部から地中に向けて延伸される地中断熱部を備えた構成とすることが好ましい。
また、前記基礎断熱部は、前記建物の外周側に形成されるとともに、前記地表断熱部に隣接する側では前記地表断熱部より下方には基礎断熱部が形成されない構成とすることができる。
さらに、前記地中熱利用装置は、前記地表断熱部の下方に形成される地中経路と、その地中経路の一端に設けられる空気を取り込むための吸入口と、前記地中経路の他端に設けられる排出口と、前記地中経路内の空気を移送させるための送風機とを備えた構成とすることができる。
このように構成された本発明の建物の熱利用構造は、空調装置が設置される床下空間の側方が基礎断熱部によって囲われており、建物の外周の地表面には地表断熱部が形成されている。また、その地表断熱部の下方の地盤の地中熱を取り込むための地中熱利用装置を備えている。
このため、床下空間に設置された空調装置から放出されて地盤に伝達された温熱や冷熱を、地表面から放出させる前に有効に利用することができる。
また、地表断熱部の端部に地中に向けて延伸される地中断熱部を設けることによって、空調装置から放出された温熱や冷熱が地盤の横方向に広がって消失するのを防ぐことができる。
さらに、地表断熱部と地中断熱部によって覆われる側では、基礎の側面に配置される基礎断熱部の一部を省略することができ、経済的である。
また、一端に吸入口が設けられ、他端に排出口が設けられた簡単な構成の地中経路を使用した地中熱利用装置であれば、施工コストが低く、メンテナンスも容易におこなうことができる。また、建物の外周の地盤に地中経路を設けるのであれば、建物の建設後にも容易に設置できるうえに、メンテナンスがし易くなる。
本発明の実施の形態の建物の熱利用構造の構成を模式的に示した説明図である。 空調装置の屋外機周辺の構成を説明する斜視図である。 実施例2の建物の熱利用構造の構成を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、建物としての住宅1に本実施の形態の建物の熱利用構造を適用した構成を模式的に示した説明図である。
この住宅1は、鉄筋コンクリート製の底版1bとその外縁に立設される側壁1aとによって箱形に形成された基礎部10の上に構築され、基礎部10と床1cに囲まれた空間が床下空間12となる。
そして、床下空間12に設置された空調装置2によって床下空間12の空気が暖められたり、冷やされたりして、その温熱又は冷熱が床1cを通って室内11に伝達されることで、室内11の暖房又は冷房になる。
この基礎部10の内周面には、断熱材によって基礎断熱部14が形成される。この断熱材には、グラスウール、発泡ウレタン、発泡スチロールなどが使用できる。
また、基礎断熱部14は、側壁1aの内周面に沿って形成される側面部14aと、基礎部10の底版1bの上面に側面部14aに隣接して形成される底面部14bとによって構成される。
このように床下空間12の側方が基礎断熱部14によって囲まれると、空調装置2から放出された温熱又は冷熱は、床1c方向又は底版1b方向に主に伝達され、側方から漏出することがほとんどなくなる。
一方、この住宅1の外周には、図1に示すように地盤Gの地表面に沿って地表断熱部71が設けられる。この地表断熱部71の一端は住宅1の基礎部10の外周面に当接されており、そこから住宅1から離隔する横方向に延伸される。
この地表断熱部71は、断熱材を地表の浅い部分に埋設させたり、地表面を断熱材で覆ったりすることによって形成される。この断熱材には、発泡ウレタン、発泡スチロールなどの発泡系断熱材が使用できる。
また、地表断熱部71の住宅1とは反対側の端部からは、地盤Gの深部に向けて地中断熱部72が垂下される。この地中断熱部72も、地表断熱部71と同様の断熱材によって形成することができる。
そして、地表断熱部71の下方であって、地中断熱部72よりも住宅1側の地盤Gに対して地中熱利用装置が設置される。この地中熱利用装置は、図1に示すように、地中経路としての地中埋設管5と、その地中埋設管5の一端に設けられる外気を取り込むための吸入口51と、地中埋設管5の他端に設けられる排出口52と、地中埋設管5内の空気を移送させるための送風機としてのファン53とを主に備えている。
この地中埋設管5は、連続した一本の貫通路が形成されるものであって、鋼管、塩化ビニル管などの管材によって構築される。そして、地中埋設管5の開口された両端の一方の端部が吸入口51となり、他方の端部が排出口52となる。
さらに詳細に説明すると、地中埋設管5は、雨水の浸入を防ぐために下方に向けて曲折された吸入口51が設けられ、鉛直下方に向けて延設されて地中深部で折り返される。そして、鉛直上方に引き返されて再び地表断熱部71から立ち上げられた端部には排出口52が設けられる。なお、地中埋設管5を埋設する位置は、図1に二点鎖線で示された後述する熱伝達範囲H内に収まるようにする。
また、排出口52の開口には、図1に示すようにファン53が接続される。このファン53を稼働させると、地中埋設管5内が負圧になって吸入口51周辺の外気が吸入口51に吸い込まれて地中埋設管5内を移送される。
そして、吸い込まれた外気の温度が地中の温度より高ければ、この移送中に外気の熱が地中に移動して外気(空気)の温度が低下し、住宅1周辺の外気より低い温度の空気が排出口52から吐き出される。
他方、吸い込まれた外気の温度が地中の温度より低ければ、地中埋設管5の移送中に地中の熱が外気に移動して外気(空気)の温度が上昇し、住宅1周辺の外気より高い温度の空気が排出口52から吐き出される。
ここで、地表断熱部71の下方の地盤Gには、床下空間12に設置された空調装置2から放出された温熱又は冷熱が伝達されている。図1に示した二点鎖線は、空調装置2の熱が地盤Gに伝達される熱伝達範囲Hを示している。
そして、この熱伝達範囲Hより地表側の地盤Gの温度は、空調装置2による暖房時には周辺の地盤Gの温度より高く、空調装置2による冷房時には周辺の地盤Gの温度より低くなる。
ここで、この空調装置2は、屋外13に配管された冷媒経路4を介して屋外機3と接続されている。すなわち、本実施の形態で説明する空調装置2は、床下空間12の空気と熱交換をおこなう装置であって、屋外13の空気と熱交換をおこなう屋外機3と冷媒経路4で繋がれるヒートポンプ式空調装置である。
この空調装置2について、図2の屋外機3の構成を参照しながらさらに詳細に説明する。この熱搬送流体の経路となる冷媒経路4には、2本の冷媒管41,42が配管されており、その内部を冷媒(図示省略)が搬送される。
この冷媒は、空調装置2と屋外機3との間で循環される熱搬送流体であり、冷房時と暖房時では搬送方向が逆になる。例えば、冷房時では、冷媒管42を通って圧縮機33に流れ込んだ気体状の冷媒は、圧縮機33内で圧縮されて高圧・高温状態になる。
そして、その状態で屋外機3の熱交換部35に流れ込み、屋外機3の外気取込口31から取り込まれた外気と熱交換される。このとき、冷媒は温度が下がって液状になり、熱交換部35を通過した外気の温度は上昇して排気口32から排出される。
続いて、液状になった冷媒は膨張弁34に搬送され、圧力を一気に下げられて低圧・低温状態になって液状のまま冷媒管41を通って空調装置2に搬送される。
一方、床下空間12に設置された空調装置2には、吸気口(図示省略)から床下空間12の空気が取り込まれ、この取り込まれた空気は、図1の床下空間12の矢印で示すように送風口(図示省略)から排出される。この空調装置2の吸気口と送風口との間には熱交換機21があり、その熱交換機21に冷媒管41から低温の冷媒が流れ込む。
この空調装置2の熱交換機21では、床下空間12の空気に間接的に触れた冷媒が空気中の熱を奪って蒸発して気体に変化する。そして、熱を奪われた空気は、冷風として送風口から床下空間12に吹き出される。
これに対して暖房時は、冷房時とは逆向きに冷媒が循環することになる。すなわち、空調装置2の熱交換機21には高圧・高温の気体状の冷媒が搬送され、吸気口から取り込まれた床下空間12の空気を温風に変えて送風口から吹き出させる。
そして、熱交換機21において熱を奪われて液状になった冷媒は、冷媒管41を通って屋外機3の膨張弁34に搬送される。この膨張弁34で圧力を一気に下げられて低圧・低温状態になった冷媒は、液状のまま熱交換部35に搬送される。
続いて、熱交換部35に搬送された冷媒は、屋外機3の外気取込口31から取り込まれた外気と熱交換をおこなう。この結果、冷媒は気体になって温度が上昇し、熱交換部35を通過した外気の温度は下降して排気口32から排出される。
さらに、熱交換部35から圧縮機33に流れ込んだ気体状の冷媒は、圧縮機33内で圧縮されて高圧・高温状態になって冷媒管42を通って空調装置2に向けて搬送される。
また、図2に示すように、ファン53と屋外機3の外気取込口31との間は、カバー部6によって覆われている。このカバー部6は、一方の端部がファン53の吹出口(図示省略)と略同じ大きさの断面形に形成されており、そこから徐々に広がって他方の端部は外気取込口31と略同じ大きさの断面形に形成されている。
そして、ファン53から吹き出された空気は、カバー部6の内空を通って屋外機3の外気取込口31に供給される。
次に、本実施の形態の住宅1の熱利用構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の住宅1の熱利用構造は、空調装置2が設置される床下空間12の側方が基礎断熱部14によって囲われており、住宅1の外周の地表面には地表断熱部71が形成されている。また、その地表断熱部71の下方の地盤Gの熱伝達範囲Hから地中熱を取り込むための地中埋設管5を備えている。
このため、床下空間12に設置された空調装置2から放出されて地盤Gの熱伝達範囲Hに伝達された温熱や冷熱を、地表面から放出させる前に有効に利用することができる。
すなわち、地中埋設管5を移送されて排出される空気は、地盤Gの地中熱によって、冷房がおこなわれる夏期は外気よりも温度が低く、暖房がおこなわれる冬期は外気よりも温度が高くなる。これに加えて本実施の形態の住宅1の熱利用構造であれば、夏期の冷房時は、空調装置2から放出された冷熱によって熱伝達範囲Hの温度は周辺の地盤Gの地中熱の温度よりも低くなる。また、冬期の暖房時は、空調装置2から放出された温熱によって熱伝達範囲Hの温度は周辺の地盤Gの地中熱の温度よりも高くなる。
このため、冷房時はそのままの外気を使って熱交換部35で熱交換をおこなわせるよりも冷媒の温度を効率的に下げることができ、反対に暖房時は冷媒の温度を効率的に上げることができる。
また、地表断熱部71の端部に地中に向けて延伸される地中断熱部72を設けることによって、空調装置2から放出されて熱伝達範囲Hに広がった温熱や冷熱が、さらに地盤Gの横方向に広がって消失するのを防ぐことができる。
すなわち、地中埋設管5を基礎部10と地表断熱部71と地中断熱部72とで囲むことで、温熱や冷熱の熱源となる空調装置2から基礎部10を介して地盤Gに伝達される熱の消失を防ぐことができるうえに、太陽熱や外気温などが地中埋設管5周辺の地盤Gに伝達されるのを防ぐことができ、熱伝達範囲H内の地中熱を有効に利用することができる。
また、床下空間12の下方の地盤Gの温度を、暖房時には高く、冷房時には低くできれば、その分、空調装置2の損失が少なくなって室内11の暖房又は冷房を効率良くおこなうことができる。
さらに、一端に吸入口51が設けられ、他端に排出口52が設けられた簡単な構成の地中埋設管5を使用した地中熱利用装置であれば、施工コストが低く、メンテナンスも容易におこなうことができる。
また、住宅1の外周の地盤Gに地中埋設管5を設けるのであれば、住宅1の建設後にも容易に設置することができる。さらに、住宅1を建設した場所と異なる場所に設置されていれば、住宅1を改変しなくても容易にメンテナンスをおこなうことができる。
また、上述した地中熱利用装置は、空調装置2の屋外機3の構造を改変しなくても設置することができるので、既に空調装置2及び屋外機3が設置されている場合であっても容易に適用することができる。
さらに、地中埋設管5の排出口52と屋外機3の外気取込口31との間をカバー部6で覆うことで、地中で熱交換された空気が屋外機3周辺の外気と混ざり合うことなく外気取込口31に向けて送り込まれるので、効率よく地中熱を利用することができる。
以下、前記した実施の形態で説明した住宅1の熱利用構造の効果を確認した実験について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例1では、地表断熱部71は、基礎部10の側壁1aの一辺(図1では紙面直交方向に延伸)の全長に亘るとともに、住宅1から離隔する方向(図1では住宅1の右側縁から右横方向)には1mの長さで配置される。また、地中断熱部72は、地表断熱部71の端部(図1では紙面直交方向に延伸)の全長に接合されるとともに、1mの深さで配置される。
また、上述した実施の形態とは別の実施の形態として、地表断熱部71のみを設け、地中断熱部72を省略した住宅1の熱利用構造についても実験をおこなった。
さらに、比較例として、床下空間12に空調装置2を設置しない場合についても実験をおこなった。なお、比較例についても、地表断熱部71と地中断熱部72の両方を設けた場合と、地表断熱部71のみを設けた場合の2通りについて実験をおこなった。
この実験の結果、地表断熱部71と地中断熱部72の両方を設けた本実施の形態の住宅1の熱利用構造では、基礎部10の底版1bの真下と同等の温度が地中埋設管5の位置においても確認できた。これに比べて、地表断熱部71のみを設けて地中断熱部72を省略した住宅1の熱利用構造では、側方に消失する熱量が多くなって、地中埋設管5周辺の温度が地表断熱部71と地中断熱部72の両方を設けた場合に比べて低下していた。
一方、空調装置2を設置しない比較例では、空調装置2から放出される熱量が無い分だけ地盤Gの温度が低くなり、本発明の住宅1の熱利用構造が、空調装置2から放出される熱を有効に活用できていることが実証できた。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記実施の形態で説明した住宅1の熱利用構造とは別の形態の住宅1Aの熱利用構造について、図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、べた基礎の基礎部10の上に構築される住宅1を使って説明したが、この実施例2では、布基礎1dによって構成される基礎部10Aの上に構築される住宅1Aを使って説明をおこなう。
この住宅1Aは、外周側が外断熱部15によって覆われている。外断熱部15は、グラスウール、発泡ウレタン、発泡スチロールなどの断熱材によって形成される。
また、外断熱部15は、布基礎1dの外周面に沿って貼り付けられる基礎断熱部151と、この基礎断熱部151から上方へ連続し外壁16の外周側に沿って配置される外壁断熱部152とから主に構成される。
通常、基礎断熱部151は、図3の左側の布基礎1dに図示したように、地中に埋設された部分の側面にまで貼り付けられる。これに対して、地表断熱部71及び地中断熱部72が設けられた側(図3の右側の布基礎1d)では、基礎断熱部151Aは、地表断熱部71の上面に接する位置まで設ければよい。
すなわち、図3の右側の布基礎1dの側方から外部に漏出する温熱又は冷熱は、地表断熱部71及び地中断熱部72によって消失が抑えられるので、地表断熱部71より下方の基礎断熱部を省略することができる。
このように地表断熱部71及び地中断熱部72が設けられた住宅1Aの熱利用構造であれば、床下空間12の側方の断熱性能を地表断熱部71及び地中断熱部72によって維持することができるので、基礎断熱部の一部を省略することができて経済的である。
また、前記実施の形態で説明したように、床下空間12に面する基礎部10の内周面を基礎断熱部14で覆う場合も、地表断熱部71に隣接する側では基礎断熱部14を省略又は削減することができて経済的である。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は実施例1と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、住宅1,1Aの熱利用構造について説明したが、これに限定されるものではなく、住宅1,1A以外の建物に対しても本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、屋外機3に接続されるヒートポンプ式の空調装置2について説明したが、これに限定されるものではなく、床下空間12を暖める又は冷やすことの少なくとも一方ができる空調装置が設置されていれば、本発明を適用することができる。
さらに、前記実施の形態では、地中熱利用装置としての地中埋設管5を使って屋外機3に温風又は冷風を供給し、空調装置2の効率を高める場合について説明したが、これに限定されるものではなく、地中熱利用装置によって地表断熱部71の下方の地盤Gから取り出された温熱又は冷熱を直接、換気口に供給して住宅1の換気による温度低下又は温度上昇を抑えたり、温熱によって住宅1の屋根や周辺に積もった雪を融かしたりするのに利用することができる。
また、前記実施の形態では基礎部10の内周面に沿って基礎断熱部14を設けたが、これに限定されるものではなく、基礎部10の外周面に沿って基礎断熱部を形成することもできる。
1,1A 住宅(建物)
12 床下空間
14 基礎断熱部
14a 側面部
151,151A 基礎断熱部
2 空調装置
5 地中埋設管(地中経路)
51 吸入口
52 排出口
53 ファン(送風機)
71 地表断熱部
72 地中断熱部
G 地盤(地中)
H 熱伝達範囲

Claims (4)

  1. 床下空間に空調装置が設置された建物の熱利用構造であって、
    前記床下空間の側方を囲うように形成される基礎断熱部と、
    前記建物の外周の少なくとも一部の側縁から地表面に沿って延伸される地表断熱部と、
    前記地表断熱部の下方の地盤の地中熱を取り込むための地中熱利用装置とを備えたことを特徴とする建物の熱利用構造。
  2. 前記地表断熱部の前記建物とは反対側の端部から地中に向けて延伸される地中断熱部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の建物の熱利用構造。
  3. 前記基礎断熱部は、前記建物の外周側に形成されるとともに、前記地表断熱部に隣接する側では前記地表断熱部より下方には基礎断熱部が形成されないことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の熱利用構造。
  4. 前記地中熱利用装置は、前記地表断熱部の下方に形成される地中経路と、その地中経路の一端に設けられる空気を取り込むための吸入口と、前記地中経路の他端に設けられる排出口と、前記地中経路内の空気を移送させるための送風機とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の熱利用構造。
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