JP2012131255A - 運搬用車両の荷台 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台に滴下した雨水、オイル、荷台に撒かれた薬剤や洗浄水などの液体によって床板が劣化せず、液体の路面への漏れ出し及び他の積み荷の汚れを抑制可能とする運搬車両用の荷台を提供する。
【解決手段】荷台は、板形状を有し且つ幅方向に並べて配置され合成樹脂で形成された複数の小幅床板11と、隣接配置される小幅床板11を接続する接続用ブラケット12を備える。接続用ブラケット12は、小幅床板11の各々を横根太6に固定するベース部と、隙間を挟んで互いの側面が対向するように小幅床板11同士を接続し且つベース部と接続される接続フランジ部を有する。隣接配置される小幅床板11において対向する一対の側面及び接続フランジ部の上面によって囲まれる空間が水密空間として形成され、その水密空間によって小幅床板11の長手方向に沿って延伸する液体受け容れ溝15が形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、トラック等の運搬用車両の荷台に関する。
従来、トラック等の運搬用車両の荷台に用いる床材としては木質系床板、特にアピトンなどの南洋材を材料とした集成材が広く採用されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、近年では資源の枯渇化や地球環境の保全などからアピトンなどの南洋材の伐採規制が強化されつつあり、アピトン材の入手が困難になってきている。
特開2009−72992号公報
また、上記した木質系床板は吸水性がある。そのため、いわゆる「平ボディー」と称呼される種類のトラックでは、降雨時における雨水が木質系床板に吸収されてしまい劣化を促進させてしまうという課題がある。また、この課題は平ボディーに限られるものではない。例えば、荷台が金属製(例えば、アルミ等)のボディーによって覆われたウイング車などにおいても、清掃用途で撒かれた水が床板に吸水されるため、上記課題は他種のトラックにおいても共通の課題である。
ところで、新品の鋼材には防錆用のオイル(油)が多量に付着していることが多く、鋼材を積載・運搬する場合には、木質系床板にオイルが染み込んでしまう。床板に染み込んだオイルはこれを劣化させる要因となる上、他の積み荷に対して二次的に付着することでその積み荷を汚すという問題があった。ここでいう「他の積み荷」とは、例えば鋼材の荷下ろし後、新たに荷台に積載される別種の積み荷(例えば、家具や電子機器など)を主として意図する。また、積み荷から滴下したオイルが荷台から下方に漏れ出してしまうと、路面を汚す原因となる。
また、トラック等の運搬用車両の荷台には、牛や豚などの家畜を載せて他所に運搬することも多く行われている。そして、必要によっては荷台上の家畜に対して薬液(薬剤の溶液)を散布・噴霧することがある。この薬液とは、特定のものに限られないが、例えば家畜が感染した菌を殺菌するための消毒液などが例示できる。従来、この種の薬液が木質系床板に散布されると、天然木材が化学反応を起こして劣化し易いという問題がある。
本発明は上記した問題に鑑みなされたものであって、その目的は、荷台に滴下した雨水、オイル、荷台に撒かれた薬剤や洗浄水などの液体によって床板が劣化せず、かつ、これら液体の路面への漏れ出し及び他の積み荷の汚れを抑制可能とする運搬用車両の荷台に関する技術を提供する事にある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、板形状を有し且つ幅方向に並べて配置され、合成樹脂で形成された複数の小幅床板と、隣接配置される前記小幅床板間に介在してこれらを接続し、該小幅床板の長手方向に沿って延設される接続部材と、を備えた運搬用車両の荷台であって、前記接続部材は、隣接配置される前記小幅床板の各々を荷台の下部構造に固定するベース部と、隙間を挟んで互いの側
面が対向するように隣接配置される前記小幅床板同士を接続し且つ前記ベース部と接続される接続部と、を有し、隣接配置される前記小幅床板において対向する一対の側面及び前記接続部の上面によって囲まれる空間が水密空間として形成され、その水密空間によって前記小幅床板の表面から流れ込む液体を受け容れて且つ該小幅床板の長手方向に沿って延伸する液体受け容れ溝が形成されることを特徴とする。
上記構成において、隣接配置される小幅床板間に介在する接続部材は、これらを互いに接続すると共に、例えば車両のシャーシフレームに取り付けされる根太部など、荷台の下部構造に小幅床板を堅固に固定する。
接続部材の接続部を介して接続される二つの小幅床板同士の間にはいわゆる目地空間が設けられる。この目地空間は、隣接配置される二つの小幅床板において互いに対向する一組の側面と接続部の上面で囲まれた空間であり、小幅床板の長手方向に沿って形成される。本発明では、この目地空間が上記液体受け容れ溝として利用される。液体受け容れ溝には、上空から降る雨水、積み荷から滴下されるオイル、人為的に撒かれた洗浄水、各種の薬液などが直接的に注ぎ込まれ、又は小幅床板の表面から間接的に流れ込む。
本発明によれば、小幅床板がアピトンなどの木質系材料ではなく合成樹脂によって形成されるため、自然環境を配慮した運搬用車両の荷台を提供する事ができる。そして、吸水性の無い合成樹脂を用いて小幅床板を形成するようにしたので、小幅床板に水や薬液などが染み込む事が無い。よって、小幅床板が腐ったり、化学反応が起こることが無く、劣化することを抑制できる。
また、多量のオイルが付着した状態の積み荷(例えば、新品の鋼管など)から荷台にオイルが滴下しても、そのオイルが小幅床板に染み込む事が無い。そのため、例えばオイルが付着した積み荷を荷下ろした後は、小幅床板及び液体受け容れ溝におけるオイルを洗浄作業などによって簡単に除去する事ができる。その結果、その後に積み荷を載せ替えても、二次的に新たな別の積み荷がオイルによって汚れる事を抑制できる。
また、上記例示した水、オイル、薬液などの液体は、各小幅床板同士の間に形成された水密空間である液体受け容れ溝に流れ込むことで受け容れられる。その結果、オイルや薬液などの液体が荷台の下方、すなわち路面(路上)に漏れ出す事が抑制される。従って、車両の荷台から路面にオイルなどが垂れ流される事を防止できる。
そして、本発明では、小幅床板に合成樹脂を用いるようにしたので、木質系材料を用いる場合に比べて荷台(より詳しくは、小幅床板及び接続部材からなる床パネル)の軽量化が実現される。従って、荷台の床材に木質系材料を用いる場合に比べて、最大積載量を増やす事ができる。また、合成樹脂を用いた小幅床板は自由な形状に成形する事ができ、また、成形後には着色が可能であるため、意匠上の自由度を十分に確保する事ができる。また、荷台の組み立て施工時には、通常の木工用工具を用いて小幅床板を容易に加工する事ができるため、木質系材料と同等の加工容易性を有する。
また、合成樹脂によって形成される小幅床板には、木質系床板のような節、繊維などが存在しないため、棘(トゲ)やささくれ等が生じ難く、作業員が怪我をしたり、積み荷やその梱包材料(段ボール等)が傷つく事を防止できる。
また、本発明では、小幅床板に合成樹脂を用いるようにしたので、高い耐候性(例えば、耐酸性、耐アルカリ性)を実現することができる。また、本発明における小幅床板はリサイクルが可能であるため、その観点からも自然環境を配慮した荷台の提供を実現している。
本発明における小幅床板は、荷台に積載される積み荷の重量に耐えられるように、用いられる樹脂系材料の剛性や強度などの物性値を調整すると良い。また、用いる合成樹脂としては剛性の高い熱硬化性樹脂であっても良い。例えば、小幅床板に用いる樹脂系材料はポリスチレン樹脂(PS)であっても良く、更には、汎用ポリスチレン(GPPS、General Purpose Polysthylene)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、High Impact Polysthylene)とを任意配合して小幅床板材を形成しても良い。このように、汎用ポリスチレンと耐衝撃性ポリスチレンの配合比率を調整することによって、所望の剛性と耐衝撃性とを兼ね備えた小幅床板材を形成する事ができる。
また、小幅床板に用いる合成樹脂は発泡プラスチックであると好適である。この場合、発泡プラスチックの発泡率を調整する事によって、強度と重量のバランスを自由に調整する事ができる。
また、本発明においては、荷台の前端部及び後端部の少なくとも何れか一方に設けられ、前記液体受け容れ溝の各々からの液体が導かれる液体集合部を更に備えるようにしても良い。各液体受け容れ溝からの液体を液体集合部に集めることによって、オイルや薬液などの液体を纏めて処理するのに資する事ができる。
また、前記液体集合部に集められた液体を貯留する貯留タンクを、更に備えるようにしても良い。例えば、接続ホースを介して液体集合部と貯留タンクを接続し、各液体受け容れ溝から液体集合部に集められたオイルなどの液体を、貯留タンクに貯留、回収すると良い。これにより、オイルなどの液体の路面への漏れ出し防止から回収までを一貫して行うことの可能な運搬用車両の荷台を提供する事ができる。なお、このようにして貯留タンクに回収された液体は、適切な時期に廃棄(処理)されると良い。
また、本発明においては、前記接続部材における前記接続部の上面が長手方向の一方側から他方側に向けて傾斜することによって前記液体受け容れ溝に勾配が形成され、少なくとも前記液体受け容れ溝の下流端側に前記液体集合部が設けられていると良い。これによれば、液体受け容れ溝に流れ込んだ液体は、液体受け容れ溝に形成された勾配を利用して上流側から下流側に向けて円滑に流れるようになる。そして、本構成によれば、液体受け容れ溝の下流端側に液体集合部を少なくとも設けたので、液体受け容れ溝から液体集合部にその液体を促進して導く事ができる。これにより、例えば積み荷から荷台上に滴下したオイルの回収を効率的に行う事ができる。
また、本発明において、前記小幅床板は、その両側面に長手方向に沿って延設される側面溝を有し、前記接続部材における前記ベース部は、隣接配置される前記小幅床板の各々における一方の側端部を支持し、前記接続部材における前記接続部は、前記ベース部と対峙するように該ベース部から立設する立設部に接続され、且つ、隣接配置される前記小幅床板において対向する一対の前記側面溝の一方に嵌合する第1突起部と他方に嵌合する第2突起部とを有するように構成されても良い。
また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。また、本発明は、上述までの何れかの荷台を構成する床パネル、荷台を備えた運搬用車両として捉えることも可能である。
本発明によれば、荷台に滴下した雨水、オイル、荷台に撒かれた薬剤や洗浄水などの液体によって床板が劣化せず、かつ、これら液体の路面への漏れ出し及び他の積み荷の汚れを抑制可能とする運搬用車両の荷台に関する技術を提供できる。
実施例1に係る荷台が適用されるトラックの斜視図である。 実施例1における荷台の分解斜視図である。 実施例1において組み上がった状態の床パネルの上面図である。 図3におけるA−A矢視断面図である。 実施例1における床パネルの主要部を拡大した分解斜視図である。 実施例1における小幅床板の断面図である。 実施例1における接続用ブラケットの断面図である。 実施例1の床パネルを組み上げる際の施工手順を説明する説明図である。 実施例1の荷台に備えられる液体回収装置を説明するための説明図である。 積み荷から滴下されたオイルが貯留タンクに回収される状況を説明する第1の説明図である。 積み荷から滴下されたオイルが貯留タンクに回収される状況を説明する第2の説明図である。 従来の木質系床材の変形状態を説明するための説明図である。 実施例1における床パネルの変形状態を説明するための説明図である。 実施例2における荷台の概略構成図である。 実施例2の変形例における荷台の概略構成図である。 実施例3における荷台の備える床パネルを説明するための第1の説明図である。 実施例3における荷台の備える床パネルを説明するための第2の説明図である。 実施形態における小幅床板の断面形状のバリエーションを説明するための説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施をするための形態(以下、実施形態という)について説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる例示に過ぎない。
<実施例1>
図1は、実施例1に係る荷台3が適用される荷物運搬用車両(ここでは、「トラック」とする)2の斜視図である。また、図2は、荷台(「ボディー」と称呼される場合もある)3の分解斜視図である。トラック2は、平ボディー式の荷物運搬用車両であり、荷台3は全体として箱形であり、無蓋で開放状態となっている。荷台3の前端部には鳥居が設けられており、側方及び後端部には図示しない煽り板(蓋)が、開閉自在に設けられている。
図2に示すように、荷台3は、床パネル1、縦根太5、横根太6、前端側液体集合部21、後端側液体集合部22等を含んで構成されており、トラック2のシャーシフレーム(図示省略)上に搭載される。トラック2のシャーシフレームは、通常、車両の前後方向に伸びる2本のサイドレール(縦材)と、これらに直交する数本のクロスメンバー(横材)とが組み合わさることで構成されており、全体として平面視で梯子型のフレーム構造を成す。
縦根太5及び横根太6(これらを総称する場合には「根太部」という)は床パネル1を支持すると共に床パネル1をトラック2のシャーシフレームに固定するための荷台3の下部構造である。根太部(縦根太5、横根太6)は、床パネル1に積載される積み荷の荷重
をトラック2のシャーシフレームに伝達する。縦根太5及び横根太6は周知の部材であるため詳しい説明を省略するが、縦根太5はトラック2のシャーシフレーム上にUボルト等の緊結具(図示省略)などで締結される強度部材である。本実施例では金属製としているが、これに限られない。図示の例では、左右一対の縦根太5が、車両の前後方向に沿って架け渡されている。
横根太6は、断面矩形の木製部材であり、荷台3の車幅方向の長さと略同等の長さを有し、左右一対の縦根太5と直交した状態で前後方向に順次並設される。横根太6は、所定間隔をあけて縦根太5上に架け渡され、ボルト等を介して縦根太5に締結される。横根太6に用いる材質は木製に限られるものではなく、金属製等であっても良い。前端側液体集合部21、後端側液体集合部22については、オイル回収装置の一部を構成し、これらについては後から詳しく説明する。
次に、図3〜図7を参照して床パネル1の詳細構造を説明する。図3は、実施例1において組み上がった状態の床パネル1の上面図である。図4は、図3におけるA−A矢視断面図である。図5は、実施例1における床パネル1の主要部を拡大した分解斜視図である。床パネル1は、複数の小幅床板11と、各小幅床板11を接続するための接続用ブラケット12(接続部材)とを主要部材として構成されており、横根太6の上部に載置、固定される。
図6は、実施例1における小幅床板11の断面図であり、図7は接続用ブラケット12の断面図である。なお、図6及び図7に示す各部の寸法(単位:mm)は例示的なものであり、これらの寸法に本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、図6及び図7では、各部寸法を示す数字との混同を避けるため、各部を示す参照符号には下線を付している。
図6に示すように、小幅床板11は、図示のような矩形断面を有する板部材であり、積み荷の積載面を構成する。小幅床板11は、図示断面の奥行き方向を長手方向とする板状部材である。なお、ここでいう「小幅」とは、長手方向に比べて寸法が小さいという意味で用いており、幅寸法が特定範囲に限られるものではない。また、小幅床板11における左右の側面111には、後述する接続用ブラケット12の接続フランジ部を嵌合するための側面溝112が、長手方向に沿って形成されている。小幅床板11における一対の側面溝112は互いに同形状を有し、それぞれが同じ高さに形成されている。
小幅床板11は、合成樹脂である発泡プラスチックによって形成されており、ポリスチレン(PS)をその原料としている。前述のように、この小幅床板11は、積み荷の積載面として機能するため、例えば鋼材などの重量物を載置しても撓み量が過大とならないように曲げ剛性(曲げ強度)などの物性値が調整されている。発泡プラスチックは、その発泡率を調整することで、強度と比重のバランスを調整することができる。ここで発泡プラスチックの発泡率を高くすると比重が軽くなり、トラック2の最大積載量を増やす事ができる。つまり、床パネル1の自重を低減することで荷台3により多くの積み荷を積載して運搬する事ができる。一方、発泡プラスチックの発泡率を高めてゆくと比重は軽くなるが、曲げ剛性などの強度が低下するトレードオフの関係になる。そこで、小幅床板11は、比重と強度のバランスが適切なものとなるように発泡プラスチックの発泡率を調整するようにしている。
さらに、本実施例においては、小幅床板11を形成する発泡プラスチックを、汎用ポリスチレン(GPPS、General Purpose Polysthylene)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、High
Impact Polysthylene)とを任意配合している。汎用ポリスチレン(GPPS)は、透明性が良い、軽量、成形し易く着色も自由に可能、電気的特性に優れる、耐候性・耐薬品性に優
れる、発泡させ易い、硬いが脆いため耐衝撃性が低い、などの特性を有する。一方、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)は、汎用ポリスチレン(GPPS)にゴムを配合したものであり、汎用ポリスチレン(GPPS)に比べて優れた耐衝撃性を有する。
このような特性を有する汎用ポリスチレン(GPPS)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の配合比率を調整する事によって、所望の曲げ剛性と耐衝撃性とを兼ね備えた小幅床板材11を形成する事ができる。詳細については後述するが、本実施例における小幅床板11は、上記の如く合成樹脂の一例である発泡プラスチックをその材料として採用するようにしたので、吸水性が極めて低い部材として構成される。
次に、本実施例における接続用ブラケット12を説明する。接続用ブラケット12は、小幅床板11の長手方向に沿って延設されるレール状部材であって、幅方向に多数並べて配された小幅床板11のうち互いに隣接配置される小幅床板11間に介在してこれらを互いに接続する。また、接続用ブラケット12は、小幅床板11を横根太6に固定する機能も有する。図7に示すように、接続用ブラケット12は、ベース部121、ウェブ部122、接続フランジ部123(接続部)から構成されており、図示断面の奥行き方向を長手方向として延伸している。本実施例における接続用ブラケット12は、アルミ製(金属材料)であるが、他の材料を用いても良い。
接続用ブラケット12において、ベース部121及び接続フランジ部123は互いに対峙(対向)するようにして設けられ、これら各部位から直交に立設されるウェブ部122を介して接続されている。また、図示の例では、ウェブ部122は、ベース部121及び接続フランジ部123に対して直交方向に立設している。
ベース部121は、隣接配置される小幅床板11の各々を荷台3の下部構造である横根太6に固定する部材である。図4からも判るように、ベース部121は、小幅床板11が載置されることでこれを支持可能に構成されている。ベース部121は、ウェブ部122を挟んで一方側と他方側では、隣接配置される小幅床板11の各々における一方の側端部を支持する支持面が形成されている。以下、それぞれを第1支持面121a、第2支持面121bと称する。なお、ベース部121において、ウェブ部122を基準にして第2支持面121bの更に外側には、第2支持面121bよりも一段凹んだベース凹部121cが、ベース部121の長手方向に沿って細長く設けられている。
図4に示すように、ベース凹部121cは、小幅床板11と接触することがない。また、ベース凹部121cには、接続用ブラケット12を下部構造である横根太6に固定するための第1固定ビス13を挿通させるための第1ビス挿通孔121dが形成されている(図5を参照)。第1ビス挿通孔121dは、ベース凹部121cの長手方向(つまり、ベース部121の長手方向)に沿って、所定ピッチで複数箇所に設けられている。
また、図4に示すように、第1ビス挿通孔121dに挿通させた状態の第1固定ビス13を横根太6にねじ込むことによって、接続用ブラケット12が横根太6に固定されている。ベース凹部121cは、第2支持面121bよりも一段低くなっているため、たとえ第1固定ビス13の頭部が横根太6に完全に埋まって無くても、第1固定ビス13の頭部が第2支持面121bに載置される小幅床板11の底面と干渉することを回避できるという効果を奏する。
次に、接続フランジ部123の詳細について説明する。接続フランジ部123は、隙間(後述する「液体受け容れ溝」に相当する。)を挟んで互いの側面111が対向するように隣接配置される小幅床板11同士を互いに接続する部材である。接続フランジ部123の幅方向における両端部には、隣接する小幅床板11において互いに対向する側面111
に形成された側面溝112に嵌合される突起部がそれぞれ形成されている。ウェブ部122を挟んで、上記第1支持面121aに対応する方を第1突起部123aと称し、第2支持面121aに対応する方を第2突起部123bと称する。ここで、第1突起部123aと第2突起部123bの最大厚さ寸法は、小幅床板11における側面溝112と略等しい。そして、第1突起部123a及び第2突起部123bが、上記一組の側面溝112にそれぞれ嵌め込まれることにより、隣接配置される一組の小幅床板11同士を互いに接続する事ができる。
なお、床パネル1の組み上げに際して、第1突起部123a(第2突起部123b)にシーリング材を塗布、又は側面溝112側にシーリング材を充填してから、双方を嵌め込むようにする。これによって、小幅床板11同士が接続される接続部に防水処理がなされ、小幅床板11同士が水密的に接続されることになる。
図7に示すように、接続フランジ部123の上面であって、第1突起部123a及び第2突起部123bの間に位置する部分を溝底部123cと呼ぶ。この溝底部123cは、第1突起部123a及び第2突起部123bが隣接配置される小幅床板11の各側面溝112に嵌合された状態で形成される溝部15の底を形成する部位に相当する。溝部15は、隣接配置される二つの小幅床板11同士の間に形成される隙間(目地空間)であり、この隙間を挟んで対峙(対向)する二つの側面111と溝底部123cによって囲まれた溝部15は、車両前後方向(すなわち、接続用ブラケット12の長手方向)に沿って細長く延設される。本実施例では、溝部15の溝幅(目地幅)を5mm程度に調整するようにしているが、これに限定されるものではなく、適宜変更しても良い。
次に、ウェブ部122について説明する。ウェブ部122は、ベース部121と接続フランジ部123を接続する。また、ウェブ部122には、接続用ブラケット12及び小幅床板11を固定する第2固定ビス14を挿通するための第2ビス挿通孔122aが設けられている(図5を参照)。第2ビス挿通孔122aは、ウェブ部122の長手方向に沿って所定ピッチで複数箇所に設けられている。図4に示すように、第2ビス挿通孔122aに挿通させた状態の第2固定ビス14を小幅床板11の側面111にねじ込むことにより、接続用ブラケット12が小幅床板11に固定される。
以上のように構成される床パネル1を組み上げる際には、接続用ブラケット12を介して順次、小幅床板11同士を接続し、小幅床板11を横根太6に固定する。図8は、床パネル1を組み上げる際の施工手順を説明する説明図である。例えば、(A)は、接続用ブラケット12Aが第1固定ビス13を介して横根太6に固定され、第2固定ビス14を介して小幅床板11Aに固定された状態を示す。この状態では、接続用ブラケット12Aの第2支持面121bに、小幅床板11Aの端部側の底面が載置されている。
次に(B)に示す状態のように、小幅床板11Bを小幅床板11Aに連結すべく、小幅床板11Bの側面溝112に接続用ブラケット12Aにおける接続フランジ部123の第2突起部123bを差し込む。次に、接続用ブラケット12Bの第1突起部123aを小幅床板11Bの側面溝112に嵌め込みつつ、小幅床板11Bの底面を接続用ブラケット12Bのベース部121の第1支持面121aに載置させる。そして、小幅床板11A及び小幅床板11Bの間に形成される溝部15の寸法が所定の寸法となるように接続用ブラケット12Bを位置決めする。その後、第1固定ビス13を介して接続用ブラケット12Bを横根太6に固定し、第2固定ビス14を介して接続用ブラケット12Bを小幅床板11Bに固定する。これによって、(C)に示す状態となる。以上のように、図8の各図を参照して説明した手順(工程)を繰り返すことで床パネル1を組み上げる事ができる。
なお、図7から判るように、本実施例における接続用ブラケット12は、接続用ブラケ
ット12を接続フランジ部123の上面側から眺めた場合に、ベース凹部121cが見え掛かり部となるように構成されている。そのため、接続用ブラケット12Bを横根太6に固定する際、第1固定ビス13のねじ込み時においてドライバー等の工具が接続用ブラケット12Bの第2突起部123bと干渉する事が無い。これによれば、床パネル1の組み上げ効率を向上させる事ができる。
なお、小幅床板11及び接続用ブラケット12を横根太6に固定する際、荷台3の略全長に相当する長さの長尺部材(小幅床板11、接続用ブラケット12)を用いても良いが、材料の取り扱いやすさや運搬し易さ等を考慮して、荷台3の全長に比して短い複数の短尺部材(小幅床材11、接続用ブラケット12)を長手方向に継ぎ足しながら床パネル1を組み上げても良い。その場合、小幅床材11同士の中継ぎ箇所、接続用ブラケット12同士の中継ぎ箇所が、ちょうど横根太6上に位置するように調整すると良い。
以上のように、本実施例に係る荷台3の床パネル1は吸水性の無い合成樹脂材料を用いて小幅床板11を形成したので、降雨時に走行しても小幅床板11に水が吸収される事が無い。また、トラック2においては、牛、豚、鳥などの家畜を載せて目的場所に運搬することも多く行われており、荷台3上に載せた家畜に各種の薬液を散布、噴霧する場合がある。ここでの薬液は特定のものに限られない。例えば家畜が感染した菌を殺菌、滅菌するため又はその予防、対策として用いられる消毒液(消毒薬液)などが例示できる。具体的には、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの家畜伝染病に関する消毒液が典型例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。従来型の木質系床板を用いた荷台にあっては、トラックの荷台に上記薬液が散布、噴霧されると、天然木が化学反応を起こして劣化し易いという問題があった。これに対して、本実施例に係る床パネル1の小幅床板11によれば、吸水性が無いので各種薬液が染み込む事がない。
以上のように、本実施例の床パネル1に係る幅床板11は、水が染み込む事によって腐ったり、薬液が染み込む事によって化学反応が起こる事も無いため、幅床板11が劣化する事を抑制する事ができる。これによって、床パネル1を長持ちさせる事が可能となり、経済面でも有利である。従って、床パネル1の商品的価値を高める事ができる。
また、従来、床パネルの材料として慣例的に用いられていたアピトン材などの天然資材を用いる事が無いため、自然環境を配慮した床パネル、及びこれを備えた車両用荷台を提供する事が可能である。更に、本実施例における小幅床板11は、合成樹脂であるが故に何度もリサイクル(多回リサイクル)する事ができ、この点からも地球環境の保全への貢献が可能となる。なお、本実施例では、小幅床板11に用いる合成樹脂の例示として、発泡プラスチック、より具体的には、汎用ポリスチレン(GPPS、General Purpose Polysthylene)と耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、High Impact Polysthylene)とを任意配合した発泡プラスチックを採用しているが、これに限られるものではなく、また、他の合成樹脂材料を適宜採用して小幅床板11を構成しても良い。
また、本実施例のような平ボディー式のトラック2は、防錆用のオイル(油)を付着させた鋼材(例えば、鋼管)を積み荷として積載、運搬することが多いことが想定される。そのような場合、アピトン材等のような木質系床材を床パネルに用いたのでは鋼材から滴下したオイルが染み込んでしまう。そうすると、鋼材の荷下ろし後に他の積み荷を運搬しようとしても、床材に染み込んだオイルが新たな積み荷を汚す虞がある。また、鋼材の荷下ろし後に滴下したオイルを除去しようと洗浄する場合、床材に染み込んでしまったオイルを除去するのは容易ではなく、相当の労力が課せられる。そして、たとえオイルの除去に成功しても、洗浄に用いた水を木質系床材が吸水することで、その劣化が促進されてしまうという弊害がある。
これに対して、本実施例における床パネル1では、小幅床板11を吸水性の無い合成樹脂を用いて形成するようにしたので、多量のオイルが付着した鋼材等を荷台3に積載しても、そのオイルが小幅床板11に染み込む事が無い。従って、鋼材の荷下ろし後、簡単な洗浄作業を行うだけで小幅床板11の表面にあるオイルを除去する事ができる。そのため、その後に他の積み荷(オイルが付着していない別の積み荷)を積載、運搬してもその積み荷が汚れる事がない。
更に、本実施例におけるトラック2の荷台3は、積み荷から滴下したオイルを回収するオイル回収装置を備えている。なお、実際には、荷台3上におけるオイル以外の液体も回収されるため、液体回収装置ということもできる。図9は、実施例1の荷台3に備えられるオイル回収装置を説明するための説明図である。オイル回収装置は、床パネル1における溝部15、図2に示す前端側液体集合部21及び後端側液体集合部22、第1貯留タンク23、第1接続ホース24、第2貯留タンク25、第2接続ホース26を含んで構成されている。
本実施例に係る荷台3の床パネル1は、小幅床板11同士の間に形成される溝部15を、積み荷から滴下したオイル等の液体を排出するために受け容れる液体受け容れ溝として利用する。以下では、溝部15を「液体受け容れ溝」15と称することにする。前端側液体集合部21及び後端側液体集合部22は、それぞれ荷台3の前端部、後端部に設けられ、車両前後方向に沿って形成される液体受け容れ溝15からの液体が導かれることで、その液体が集められる。なお、ここでいう液体には、上空から荷台3に滴下した雨水、積み荷から滴下したオイル、人為的に撒かれた薬剤や洗浄水などを主として指すが、これらに限定されない。
また、前端側液体集合部21及び後端側液体集合部22はいわゆる樋(とい)形状に形成されている。そして、前端側液体集合部21及び後端側液体集合部22は、床パネル1の全幅にわたり、幅方向に沿って伸びて形成されている。
図10、図11は、積み荷から滴下されたオイルが第1及び第2貯留タンク23,25に回収される状況を説明する説明図である。ここでは、オイルの流れを代表として説明するが、水、薬液など他種の液体においても同様である。小幅床板11は吸水性の無い合成樹脂で形成されているため、鋼材などの積み荷から小幅床板11に滴下した防錆用のオイル(液体)は小幅床板11に染み込まず、液体受け容れ溝15に流れ込む。図10、11中の矢印は、オイル(液体)の流れを概念的に示したものである。
上記のように液体受け容れ溝15はシーリング処理がなされており、各小幅床板11が接続用ブラケット12を介して水密的に接合されている。言い換えると、隣接する小幅床板11において互いに対向する一対の側面111及びこれらの間に介在する溝底部123cによって囲まれる空間が水密空間として形成され、この水密空間によって液体受け容れ溝15が小幅床板11の長手方向すなわち荷台3の前後方向に沿って延設されている。そのため、液体受け容れ溝15に流れ込んだオイル(液体)が床パネル1の下方、すなわちトラック2のシャーシフレーム側に漏れ出す事は無く、路面にオイル(液体)が垂れ流される事を抑制できる。また、トラック2が雨天走行時にタイヤが水を巻き上げて床パネル1の下面が濡れても、荷台3側への浸水を防ぐ事も可能である。
各液体受け容れ溝15へと流れ込んだオイル(液体)は、その前端部から前端側液体集合部21に導かれ、後端部から後端側液体集合部22に導かれる。第1貯留タンク23及び第2貯留タンク25は、積み荷から滴下したオイル(液体)を回収・貯留しておくためのタンクであり、図9の例では縦根太5に取り付けられているが、これに限られない。また、第1貯留タンク23は第1接続ホース24を介して前端側液体集合部21に接続され
、第2貯留タンク25は第2接続ホース26を介して後端側液体集合部22に接続されている。
第1接続ホース24及び第2接続ホース26は、各液体集合部21,22の底部に設けられた接続孔を介してこれらと接続されている。そして、前端側液体集合部21に導かれたオイル(液体)は第1貯留タンク23に貯留され、後端側液体集合部22に導かれたオイル(液体)は第2貯留タンク25に貯留される。
上記のように構成されたオイル(液体)回収装置によれば、積み荷から滴下したオイルを含み、床パネル1上の液体を第1貯留タンク23、第2貯留タンク25に回収することができる。その結果、上記オイルなどの液体を路面に垂れ流す虞がない。また、本実施例では、各液体受け容れ溝15からのオイル(液体)を液体集合部21,22に集めることができるので、オイル(液体)を纏めて貯留タンク23,25に回収する事ができる。なお、上記貯留タンク23,25に貯留しておいたオイル(液体)は適宜のタイミングにおいて適切な分別処理などを経てから廃棄される。
また、本実施例では、前端側液体集合部21、後端側液体集合部22に導かれたオイル(液体)を個別(専用)に回収する第1及び第2貯留タンク23,25を別途設けたが、これらを一つに纏めることで兼用にしても良い。その場合、第1接続ホース24及び第2接続ホース25は同一の貯留タンクにオイル(液体)を導くようにすると良い。
なお、鋼材を目的箇所まで運搬して荷下ろしした後は、床パネル1に対して簡単な洗浄作業を行うだけで小幅床板11の表面や液体受け容れ溝15内に残留するオイルを除去する事ができる。そのため、他の積み荷を載せ替えた後において新たな積み荷がオイルで汚れる事を回避できる。その結果、ユーザにとっては安定した運搬業務の獲得に繋がり易くなり、トラック2の実車率(総走行距離のうち、積み荷を積載して走行した距離の割合)の向上が期待できるので、ユーザの収益率の増加を図る事ができる。
また、本実施例における荷台3では、前端側液体集合部21、後端側液体集合部22、第1貯留タンク23、第1接続ホース24、第2貯留タンク25、第2接続ホース26は必ずしも必須の構成ではない。液体受け容れ溝15は荷台3の全長に亘って形成されていることからオイルなどの液体を貯留する容積部としても機能するため、少なくともこの液体受け容れ溝15が床パネル1に設けられることで、荷台3から路面へのオイル(液体)の漏出抑制機能を発揮することが可能となる。
更に、本実施例における床パネル1では、アピトン等の木質系床板に比べて低比重の発泡プラスチックを小幅床板11の材料として採用したので、床パネル1の自重を軽減し、トラック2の最大積載量を増やす事ができる。特に、従来のように、敷き鉄板を木質系床材の上に敷くなどによるオイルの染み込み対策に比べると、最大積載量の差が顕著となる。また、同時に、積み荷としての鋼材から敷き鉄板に滴下したオイルを洗浄する際に作業者が足を滑らせ易いという不具合も改善される。
また、小幅床板11に合成樹脂材料を使用したので、小幅床板11を自由な色に着色可能である。これによれば、従来、外観が木目模様という画一的なものであった床パネルのデザイン性を高める事ができる。また、合成樹脂製の小幅床板11には木質系床板のような節、繊維などが存在しないため、棘(トゲ)やささくれ等が生じ難く、作業員が怪我したり積み荷やその梱包材料(段ボール等)が傷つく事を防止できる。
ここで、トラック2の荷台3における床パネル1には、積載荷重の他、トラック2の走行に伴う振動や衝撃、車輪の縁石などへの乗り上げに伴う捻り力など、小幅床板1を変形
させようとする種々の外力が作用する。図12に示した従来型の床パネルのように、木質系床材を実(さね)継手にて互いに連結した場合には、上記種々の外力に起因した応力の集中する継手部分に破損が生じ易い。
一方、本実施例に係る床パネル1においても、小幅床板11の強度を高めすぎると、場合によっては変形能に乏しくなることも想定される。そこで、小幅床板11の変形能が低くなっても小幅床板11が損傷しないように、本実施例では接続用ブラケット12に小幅床板11とは異素材の金属材料(ここでは、アルミ製)を用いるようにした。図13に示す状態のように、床パネル1に上記外力が作用した場合に、接続用ブラケット12の接続フランジ部123及び小幅床板11間での相対回転がある程度許容され、また、場合によっては接続用ブラケット12が小幅床板11の代わりに先行して変形する。これにより、小幅床板11同士の接続箇所、及び小幅床板11に割れなどの損傷が起こることを抑制することが可能である。
また、本実施例に係る荷台3は、小幅床板11が部分的に損傷を受けた場合でも、当該損傷を受けた部分のみを新たな小幅床板11と容易に交換することができる。損傷した小幅床板11を交換する手順としては、まず、損傷を受けた小幅床板11を取り除く。そして、取り除いた小幅床板11が接続されていた接続用ブラケット12の第1突起部123aと第2突起部123bに、新品の小幅床板11における側面溝112に嵌め込み、荷台3の後端部から前方に向かって小幅床板11をスライドさせる。その際、小幅床板11は、取り扱い易い長さ(例えば、1〜2m程度であっても良い)のものを、順次、継ぎ足していくようにしても良い。このように、本実施例における床パネル1では、たとえ小幅床板11が部分的に傷んだとしても、その傷んだ箇所のみの交換作業を容易に行う事ができる。
<実施例2>
次に、実施例2に係る荷台3について説明する。ここでは、実施例1との相違点を中心に説明する。図14は、実施例2における荷台3の概略構成図である。本実施例の荷台3では、縦根太5の上面が傾斜している。具体的には、荷台3の後端側から前端側に向かって、縦根太5の上面の高さが徐々に低くなっており、このように勾配が付けられた縦根太5上に横根太6、床パネル1が配置される。その結果、接続用ブラケット12の接続フランジ部123の上面に形成される溝底部123cも傾斜して設けられ、液体受け容れ溝15は後端側から前端側に向けて下り勾配となる。
本実施例では、少なくとも液体受け容れ溝15の下流端側に液体集合部を設けるようにする。「下流端」とは、液体受け容れ溝15の底部が低くなっている方の端部を指す。図14に示す構成例では、液体受け容れ溝15には荷台3の後端側から前端側に向けて下り勾配が形成されているため、液体受け容れ溝15の下流端に相当する荷台3の前端部に前端側液体集合部21を設置し、後端側液体集合部22の設置は省略するようにした。
本実施例における荷台3では、液体受け容れ溝15に勾配を設けたので、液体受け容れ溝15内のオイル(オイルに限られず、水、薬液など他の液体においても共通)を上流側(荷台3の後端側)から下流側(荷台3の前端側)に向けて積極的に流す事ができる。その結果、液体受け容れ溝15内のオイル(液体)を前端側液体集合部21に円滑に導く事ができると共に、後端側液体集合部22の設置を省くことが可能となる。そのため、荷台3の製造コストを低く抑える事ができる。但し、本実施例においても、図9に示したように、荷台3の後端側に後端側液体集合部22、及び第2貯留タンク25を配置しても良く、その場合には荷台3の下方へのオイル(液体)の漏れ出しを、より確実に抑止できる。
次に、図15を参照して変形例に係る荷台3を説明する。図15は、実施例2の変形例
における荷台の概略構成図である。図示の変形例では、縦根太5の上面が荷台3の前端側から後端側に向かって、縦根太5の上面の高さが徐々に低くなるように傾斜している。その結果、図14に示す構成例とは逆に、液体受け容れ溝15には前端側から後端側に向けての下り勾配が形成される。
この構成例では、液体受け容れ溝15の後端側(荷台3の後端側)が液体受け容れ溝15をオイルなどの液体が流れる際の下流側となる。そこで本変形例では、図15に示すように、液体受け容れ溝15の下流端側に相当する荷台3の後端側に後端側液体集合部22を設置し、前端側液体集合部21の設置を省略するようにした。これにより、液体受け容れ溝15内のオイル(液体)が荷台3の前端側から後端側に向けて効率的に流れ、後端側液体集合部22、第2接続ホース26を経由した後、第2貯留タンク25へのオイル(液体)の回収を円滑に行う事ができる。また、前端側液体集合部21の設置を省くことが可能となるため、荷台3の製造コストを低く抑える事ができる。但し、ここでも、荷台3の前端側に前端側液体集合部21、及び第1貯留タンク23を配置しても良いのは勿論である。
<実施例3>
次に、実施例3に係る荷台3について説明する。ここでは、実施例1との相違点を中心に説明する。図16及び図17は、実施例3における床パネル1を説明するための説明図である。ここでは、小幅床板11のうち、床パネル1の幅方向端部に配置される床板を「端部小幅床板110」と称し、それ以外の「一般小幅床板111」と区別する。端部小幅床板110は、一方の側面のみが一般小幅床板111と接続されるので、他方の側面側には液体受け容れ溝15が形成されない。そこで、端部小幅床板110における幅方向端部近傍の表面には、液体排出溝110aを設けるようにした。液体排出溝110aは、端部小幅床板110の長手方向に沿って全長にわたり形成されている。
このように、端部小幅床板110の表面のうち、床パネル1の側端部側に液体排出溝110aを設けたので、床パネル1の側端部側からオイル(液体)が荷台3の下方に漏れ落ちることが抑止される。そして、液体排出溝110aに流れ込んだオイル(液体)は、液体受け容れ溝15に流れ込んだオイル(液体)と同様に、前端側液体集合部21や後端側液体集合部22などに集められ、順次、第1貯留タンク23、第2貯留タンク25などに回収される。以上のように、本実施例の荷台3によれば、積み荷から荷台3に滴下したオイルや、散布された薬液などが路面に漏れ出すことに起因して路面が汚れる事をより確実に抑止できる。
<その他の構成例>
以上述べた各実施例においては、荷台3の床パネル1を構成する小幅床板11として矩形断面を有するものを採用しているが、これに限られない。図18は、小幅床板11の断面形状のバリエーションを説明するための説明図である。例えば、図18に示すように、小幅床板11の上面を傾斜させても良い。例えば、(A)には山形傾斜面、(B)には片流れ傾斜面を有する小幅床板11を示している。これらによれば、小幅床板11の上面に滴下したオイルや、雨水、洗浄水、薬液などの液体を、液体受け容れ溝15に対してより円滑に導く事ができる。なお、この場合には積載荷重が面荷重から点荷重になり易くなる傾向があるため、強度的な問題が生じないように、小幅床板11の傾斜角度や部材厚さ、強度などを調整すると良い。また、本発明の荷台3に採用される小幅床板11は合成樹脂を用いて形成されるため、図18に示すように矩形以外の断面形状を有するものも容易に成形する事ができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明における荷台及びその床パネル、或いはこれらを備えた運搬用車両はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことがで
きる。また、本発明は、実施形態に係る荷台を構成する床パネル、或いは当該荷台を備えた荷物運搬車両として捉えることも可能である。
1・・・床パネル
2・・・荷物運搬車両(トラック)
3・・・荷台
5・・・縦根太
6・・・横根太
11・・・小幅床板
12・・・接続用ブラケット
15・・・液体受け容れ溝
21・・・前端側液体集合部
22・・・後端側液体集合部
23・・・第1貯留タンク
24・・・第1接続ホース
25・・・第2貯留タンク
26・・・第2接続ホース
121・・・ベース部
122・・・ウェブ部
123・・・接続フランジ部

Claims (5)

  1. 板形状を有し且つ幅方向に並べて配置され、合成樹脂で形成された複数の小幅床板と、
    隣接配置される前記小幅床板間に介在してこれらを接続し、該小幅床板の長手方向に沿って延設される接続部材と、
    を備えた運搬用車両の荷台であって、
    前記接続部材は、
    隣接配置される前記小幅床板の各々を荷台の下部構造に固定するベース部と、
    隙間を挟んで互いの側面が対向するように隣接配置される前記小幅床板同士を接続し且つ前記ベース部と接続される接続部と、
    を有し、
    隣接配置される前記小幅床板において対向する一対の側面及び前記接続部の上面によって囲まれる空間が水密空間として形成され、その水密空間によって前記小幅床板の表面から流れ込む液体を受け容れて且つ該小幅床板の長手方向に沿って延伸する液体受け容れ溝が形成される、
    運搬用車両の荷台。
  2. 荷台の前端部及び後端部の少なくとも何れか一方に設けられ、前記液体受け容れ溝の各々からの液体が導かれる液体集合部を更に備えた、請求項1に記載の運搬用車両の荷台。
  3. 前記接続部材における前記接続部の上面が長手方向の一方側から他方側に向けて傾斜することによって前記液体受け容れ溝に勾配が形成され、少なくとも前記液体受け容れ溝の下流端側に前記液体集合部が設けられている、請求項2に記載の運搬用車両の荷台。
  4. 前記液体集合部に集められた液体を貯留する貯留タンクを、更に備えた請求項2又は3に記載の運搬用車両の荷台。
  5. 前記小幅床板は、その両側面に長手方向に沿って延設される側面溝を有し、
    前記接続部材における前記ベース部は、隣接配置される前記小幅床板の各々における一方の側端部を支持し、
    前記接続部材における前記接続部は、前記ベース部と対峙するように該ベース部から立設する立設部に接続され、且つ、隣接配置される前記小幅床板において対向する一対の前記側面溝の一方に嵌合する第1突起部と他方に嵌合する第2突起部とを有する、
    請求項1から4の何れか一項に記載の運搬用車両の荷台。
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