JP2012127888A - 金属管の偏肉測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】管軸方向に走行する金属管の偏肉状態を、渦電流方式を利用して精度良く測定し得る方法を提供し、また、そのための装置をも提供すること。
【解決手段】一対のコイル28a,28bと抵抗34a,34bとによってブリッジ回路を構成すると共に、該一対のコイルが金属管22を中心にして対称的に位置した形態において、該一対のコイルに交流電流を流しつつ、かかるブリッジ回路全体を該金属管22の周りに回転せしめることにより、該金属管22の肉厚全体に発生させた渦電流が該金属管22の肉厚に応じて変化して生じた該一対のコイル28a,28b間のインピーダンス差を検知し、そしてこのインピーダンス差に基づいて該金属管22の偏肉状態を測定するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属管の肉厚分布の偏り状態を測定する偏肉測定方法並びにそのための装置に係り、特に、金属管を製造する過程において採用される抽伸工程、連続焼鈍工程、検査巻取り工程、直管矯正工程等における連続偏肉測定に好適に適用される技術に関するものである。
従来より、金属管の製管工程において、管の内径中心と外径中心とがずれたり(偏心)することによって、その管壁の周方向における肉厚に分布が生じた場合に、そのような肉厚の偏りは偏肉と称されており、そして、その偏肉が大きいと、管曲げ時に座屈が発生したりする問題を惹起する。また、耐圧が問題になる場合等において最低肉厚保証をする場合に、そのような偏肉が大きいと、肉厚を交差内で厚めにする必要があり、このため、経済的損失が発生する他、単重も増加する問題が内在している。更に、金属管の内外面にフィンを形成する等の加工を施す場合には、そのフィン高さの変動等が惹起されて、品質にも影響することとなる。更にまた、プレス素材として円筒材を用いる場合には、その偏肉が、成形ばらつき、異方性にも影響することとなる。
そこで、従来から偏肉を保証することが重要とされ、加えて、昨今、品質要求やコストダウンが更に重要となっているところから、製品の全長に亘り保証することが要求されつつある。しかし、現状では、金属管において、その長手の全長保証は、破壊検査になるところから、不可能であったのである。尤も、定尺ものについては、高い頻度で管端部を測定して保証することによって、対処しているのが、実情である。また、金属管の製造工程においては、偏肉が変化する場合があり、そのために、モニタによる保証、異常検出が重要となってきている。
そして、このような事情から、走行する管材料の偏肉を有利に測定するための方法や装置が求められ、各種の提案が為されており、例えば、特開平9−138122号公報(特許文献1)等には、超音波を用いた肉厚測定や、電磁超音波を適用する測定方法が明らかにされている。しかし、超音波センサを用いた肉厚測定においては、分解能が十分でなく、また、油等の液体状伝達剤の透過減衰性から、周波数の限界があり、実用域では、肉厚が0.5mm以下のものに対しては、測定が困難となるものであった。また、管走行により、超音波を通すカップリング液が泡立ち、連続して測定することができない問題も内在している。更に、センサが固定式であるために、偏肉を求めるには、管周方向に最低でも3点、更にはそれ以上の数の肉厚センサを配置することが必要とされ、そして、それらが同時に肉厚を測定することが出来ない場合には、その検出誤差も大きいという問題が内在している。
また、金属管の偏肉を測定するために、電磁式の渦電流を用いた肉厚センサによる方式の採用も提案されており、例えば、特開平1−209302号公報(特許文献2)や特開平7−198306号公報(特許文献3)に、その一例が明らかにされている。
しかし、それらの提案において、前者は、固定式の一対の対向するコイルを用いて、管肉厚を検知し、そして管を回転させて、肉厚分布を求める方法であり、抽伸工程等の前述した管製造工程の如く、連続する管で、それが走行する対象には、適用し得るものではなかったのである。
また、後者は、複数対の検出コイルを、管軸を中心にして、対称的となるように配置せしめて、その検出コイル対間を差動接続して、対向方向の肉厚差を測定し、そしてその測定された肉厚差から、金属管の偏肉状態を算出するようにしたものであって、金属管の製造工程で使用するには、有効なものであり、また連続で管全長の測定が可能となるものである。しかしながら、そこでは、管肉厚差を測定する場合において、その中立点(肉厚差が0)で出力が0(V)となるように調整されている必要があるのであるが、偏肉の出力は、リフトオフ変動の数%〜10%で、1mV以下の微小信号であるために、コイルの周囲温度差等のわずかな変動が、その中立点をずらすこととなり、これによって、管肉厚差の測定誤差が大きく生じる問題を内在するものであった。しかも、それら複数対の検出コイルは、管に対して、周方向において固定した形態において配設されているところから、それぞれの検出コイル対により測定された肉厚差を用いて偏肉量(最大肉厚差)を演算する必要があり、そのために誤差も大きいものとなるのであった。
そして、それら従来から提案されている金属管の偏肉測定手法において、装置の小型化や経済性、応答性を考慮した測定方法及び装置としては、渦電流法を利用したものが望ましいと考えられるのであるが、先の特開平7−198306号公報に開示の如き、複数の検出コイル対を管の周りに固定する方式では、最大肉厚差の値や方向は、それぞれの検出対において測定された肉厚差を用いて演算処理されるものであるために、その誤差が大きくなることに加えて、周囲温度変化によるバランス点の変化が測定を阻害し、偏肉測定に問題を生じることが明らかとなったのであり、このため、実機ラインでの測定が困難である問題を内在している。
このような状況下、上記した渦電流法を利用した管の偏肉測定方法や装置において、管の最大肉厚差を示す方向と、その大きさを精度良く測定する技術の確立が、望まれているのである。
特開平9−138122号公報 特開平1−209302号公報 特開平7−198306号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、管軸方向に走行する金属管の偏肉状態を、渦電流方式を利用して、精度良く測定し得る方法を提供することにあり、また、そのための装置を提供することにもある。
そして、本発明にあっては、そのような課題、または明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。
(1) 管軸方向に走行する金属管の偏肉を肉厚に対する渦電流変化として連続的に測定する方法にして,
一対のコイルと抵抗とによってブリッジ回路を構成すると共に、該一対のコイルが前記金属管を中心にして対称的に位置した形態において、該一対のコイルに交流電流を流しつつ、かかるブリッジ回路全体を該金属管の周りに回転せしめることにより、該金属管の肉厚全体に発生させた渦電流が該金属管の肉厚に応じて変化して生じた該一対のコイル間のインピーダンス差を検知し、そしてこのインピーダンス差に基づいて該金属管の偏肉状態を測定するようにしたことを特徴とする金属管の偏肉測定方法。
(2) 前記一対のコイル間のインピーダンス差を連続して検知し、その得られた正弦波状の偏肉差の出力の振幅が最大肉厚差に比例することに基づいて演算処理して、最大肉厚差、偏肉量或は偏肉率を求めることを特徴とする請求項1に記載の金属管の偏肉測定方法。
(3) 前記ブリッジ回路の回転角度の基準を設定する基準信号を有し、前記検知されるインピーダンス差の信号のピーク位置を、該基準信号に基づいて演算処理して、前記金属管の管周方向における偏肉の生じている部位を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属管の偏肉測定方法。
(4) 前記一対のコイルは、それぞれ、前記金属管の管軸方向における長さ(L)と管軸直角方向における幅(W)との比(L/W)が1以上、5以下となるように、且つかかる幅(W)が該金属管の直径(D)の0.45以下となるように、構成されている請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の金属管の偏肉測定方法。
(5) 前記金属管が銅管であって、その肉厚をtとしたとき、前記一対のコイルに流される交流電流が、次式:
f=A・tB
(但し、A=5200〜6000、B=−0.7〜−0.9)で示される周波数を有している請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の金属管の偏肉測定方法。
(6) 管軸方法に走行する金属管の偏肉を肉厚に対する渦電流変化として連続的に測定する装置にして、
前記金属管が筒内に挿入されて、走行せしめられると共に、該金属管に対して同軸的に回転可能とされた円筒体と、
該円筒体を、その軸心回りに回転せしめる回転駆動機構と、
前記円筒体に固定されて、該円筒体と共に回転せしめられる、一対のコイルと抵抗とによって構成されるブリッジ回路であって、該一対のコイルが、前記金属管に対向位置して該金属管を中心にして対称的に配置されてなるものと、
該ブリッジ回路の一対のコイルに流される交流電流にて、前記金属管の肉厚全体に発生させた渦電流が該金属管の肉厚に応じて変化して、生じた該一対のコイル間のインピーダンス差を検知する手段とを、
有することを特徴とする金属管の偏肉測定装置。
(7) 前記インピーダンス差の検知手段にて得られた正弦波状の偏肉差の出力の振幅が最大肉厚差に比例することに基づいて演算処理し、最大肉厚差、偏肉量又は偏肉率を求める演算手段を、更に有している請求項6に記載の金属管の偏肉測定装置。
(8) 前記ブリッジ回路の回転角度の基準を設定する基準信号の発生手段を有し、前記検知されるインピーダンス差の信号のピーク値を、該基準信号に基づいて演算処理して、前記金属管の管周方向における偏肉の生じている部位が求められるようになっている請求項6又は請求項7に記載の金属管の偏肉測定装置。
このように、本発明にあっては、被測定対象の金属管を中心にして、この金属管から離れて対向する一対のコイルを、それとブリッジ回路を構成する抵抗と共に、管中心軸を中心にして回転させることにより、換言すれば金属管の周りを周回させることにより、かかる金属管の管壁の肉厚差の最大を精度良く検出して、偏肉値に換算することが出来るのである。具体的には、対向する一対のコイルにそれぞれ対面する金属管部位の肉厚の差が、コイル間のインピーダンス差となって現れることとなるのであり、それ故に、それら一対のコイルを管の周りに周回することで、肉厚差の最大、最小を極性(正負)をもって検出信号として取り出し、その信号(正弦波状)の振幅を求めることで、肉厚差の最大を得るようにしたものであって、中心レベル(ブリッジ回路におけるバランス点)が、外乱(温度変化)により変化しても、その正弦波の中心レベルは変化するものの、その振幅は変化しないために、外乱に影響を受けることなく、肉厚差を精度良く検出することが出来るのである。また、従来の検出コイルの固定方式とは異なり、正確にピークを検出し得るために、最大肉厚及びその周方向(偏肉を生じる中心の位置ずれの方向)を、正確に求めることが出来るようになるのである。
また、上述せるように、コイル間のインピーダンス差を連続して測定し、その得られた正弦波状の偏肉差の出力の振幅が、最大肉厚差に比例することを利用して、それを連続的に演算処理し、最大肉厚差又は偏肉量、偏肉率、或いは最大肉厚差の方向(管周方向において)を出力せしめるに際して、コイルインピーダンス差を感度良く検出するために、コイルと抵抗からなるブリッジ回路を構成し、それを、金属管の周囲を周回する回転系に組み込む一方、その回転系の出力信号を固定系(静止系)に取り出す、スリップリングや回転トランス等の電気的な接続手段を用いて、かかる出力信号を取り出し、所定の信号処理回路に有利に伝達することが可能となる。そして、そこでは、必要に応じて、コイルの回転角度の基準(原点角度)の信号を出力する光センサや磁気センサ等のセンサ出力によって基準信号を設け、偏肉差出力信号のピーク位置を、かかる基準信号との差から、最大肉厚差方向を演算処理して、容易に出力することも可能となるのである。
さらに、そのような本発明に従う金属管の偏肉測定において、コイル間のインピーダンス差を、ブリッジ回路によって、その絶対出力として測定すべく(従って、一般の渦流探傷のような変化分のみをAC結合して出力する相対出力としてではなく)、かかるブリッジ回路を構成する、肉厚差を検出するコイルと抵抗とを、回転系に組み込むようにしたものであり、これによって、目的とする肉厚差を精度良く検出することが出来ることとなったのである。けだし、ブリッジ回路要素のコイルのみを、回転系に搭載し、回転状態下において信号伝達する場合に、コイルの数Ωに対して、伝達ノイズ(例えば、伝達手段としてスリップリングを用いたときには、接触抵抗変化などが起因となるもの)が無視出来るレベルにするには、1mΩ以下にする必要があり、それには、唯一、水銀接点の採用が考えられるものの、環境問題に加えて、被測定金属管を通過させるために必要な中空軸を有する回転伝達機の実現が困難であるからである。しかるに、本発明に従って、ブリッジ回路全体を回転系に組み込むことで、ブリッジ回路に供給される励磁電圧とブリッジ出力が、回転伝達されることになるが、一般に、数Ω以下の接触雑音であれば、励磁電圧側からブリッジ回路を見ると、50〜100倍以上のインピーダンス差があり、また、コイルの差動電圧には、この雑音が同相で効くため、出力への影響が殆ど無くなるからであり、更に、ブリッジ出力は、通常数百kΩ以上の非常に高い入力インピーダンスの差動アンプに接続され、増幅されて、次の処理回路に伝達されることとなるために、接触抵抗雑音は無視することが出来るからである。
このような本発明に従う金属管の偏肉測定方法及び装置によれば、金属管の肉厚分布が生じた場合の肉厚の偏りである偏肉を、材料の金属管全長に亘って保証することが出来るようになるのである。また、現状では、金属管の長手全長に亘る保証は、破壊検査となるために不可能と考えられており、一方、定尺物であれば、高い頻度で管端部を測定して、保証することとなるのであるが、本発明によれば、その工数が著しく軽減されるという特徴も有しているのである。
そして、金属管は、その偏肉が長手方向において変化する場合があるところから、そのような偏肉の変化を、本発明に従ってモニターするようにすれば、その長手全長に亘る保証が可能となるのであり、また異常検出も容易に可能となるのであり、更には、金属管の加工に際して、その加工機が偏肉を制御することが出来る場合にあっては、その制御用のモニターとしても、本発明に従う金属管の偏肉測定方法及び装置を利用することが出来る利点もある。
本発明に従う偏肉測定装置の本体部の一例を示す断面説明図である。 図1における回転円筒体のセンサセル配設部位を拡大して示す説明図であって、(a)は、その平面説明図、(b)は、(a)におけるA−A断面説明図である。 図1に示される装置に用いられているブリッジ回路に対する信号伝達系統を示す説明図である。 図1に示される装置において採用される信号処理部の一例を示すブロック図である。 金属管とコイルの関係を示す説明図であって、(a)は、それらの配設関係を示す平面説明図であり、(b)は、矩形コイルの平面説明図である。 実験例1においてライン走行テストの結果得られた被測定管の管軸方向の位置と最大肉厚差との関係を示すグラフである。 実験例1におけるライン走行テストの結果得られたΔTmax測定値と、マイクロメーターによるΔTmax測定値の関係を示すグラフである。 実験例1におけるライン走行テストにおいて得られた材料長手位置に対する偏肉方向の関係と、マイクロメーター測定に得られた結果を示すグラフである。 実験例1におけるライン走行テストにおいて得られた偏肉方向と、マイクロメーターによるオフライン測定で得られた偏肉方向との比較を示す図である。 実験例1において得られたコイル幅と出力電圧との関係を示すグラフである。 実験例1において得られた管肉厚と最適周波数との関係を示すグラフである。 実験例1において得られたコイル長さと出力電圧との関係を示すグラフである。 実験例2において得られたブリッジ回路における温度変化の影響を示す説明図である。 実験例3において得られた被測定管とコイルとの間のクリアランスに対する偏肉出力の関係を示す説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
一般に、上置コイルに交流電流を流して、金属体に近づけると、金属表面及び内部に渦電流が流れる一方、コイルに電流を流して発生する磁束を打ち消す方向に磁束が発生し、結果として、コイルに流れる電流が抑制されることとなって、インピーダンスの変化が生じることとなる。そして、かかる渦電流は、表皮効果で、周波数に応じて肉厚方向の強さが変化するものであるが、本発明においては、そのような渦電流が肉厚全体に生じる条件下で作動するようにされる。
そこで、コイル下の金属管の肉厚が異なるようになると、上記した理由により、それに応じたインピーダンスの変化が生じることとなる。そして、金属管の中心軸に対して、対向する位置(0度方向と180度方向)にコイルがある場合、対向する周方向での金属管の肉厚に応じたインピーダンス変化がそれぞれのコイルに生じるのである。そこで、対向する一対のコイルを、ブリッジ回路として構成し、差動出力を得ることで、インピーダンス差を検知することが出来るのであり、それによって、金属管の軸芯(中心)に対して、対称的に位置する管周上の対向する位置における金属管の肉厚差に比例した出力を得ることが出来るのである。
ところで、金属管は、一般には、マンドレルを円柱状金属に通し、ダイスとマンドレルとの間の円環状の隙間を金属が流れることで素管を製造し、その後、圧延や抽伸(引き抜き)により、管径、肉厚を絞って、所定の寸法の管として製造されている。また、鋳造によって金属管を製造する場合も同様に、円環状の隙間を作り、そこから金属溶湯を流出させて、目的とする管を製造するようになっている。このように、金属管を製造するに際しては、略真円の工具で構成される隙間が用いられることとなるのであるが、工具の軸撓み等、工具の芯にズレが生じると、得られる金属管の管壁の厚さに偏肉が発生するようになる。このことから容易に類推される如く、偏肉は、管の内径中心と管外径中心の位置ズレとして現れるのである。即ち、管周上の対向する位置の肉厚差は、管を一周するうち、最大が1カ所、その180度方向が、最小の1カ所となるのである。そして、この肉厚差に関して、配置される一対のコイルを、コイルA及びコイルBと定義して、極性(正負)を与えると、管を1周するうち、ある位置で最大(+)が得られ、更にそこから半周すると、最小(−)が得られることとなるのであり、そして周回によって、正弦波状の出力信号が得られるのである。
また、そのようにして得られた正弦波状の信号の振幅は、最大肉厚差:ΔTmaxに比例するものであるところから、その振幅を電圧信号に変換する回路を構成するか、或いはデジタル処理で振幅を計算する処理にて、振幅の大きさは容易に求めることが出来るのであり、また、ピーク位置と回転系の基準角度位置信号の時間差に基づいて、最大肉厚部位と最小肉厚部位の対向方向となる周方向を演算することも容易となるのである。
ところで、かくの如き本発明を実施するための装置の一例が、図1〜図3に示されており、また図4には、信号処理回路の一例が示されている。
それらの図において、先ず、図1から明らかなように、測定装置10は、筐体状の装置本体12を有し、その内部に、鋼製の回転円筒体14が、両端部側をベアリング16,16にてそれぞれ回転可能に支持されて、軸芯周りに回転せしめられ得るように、配置されている。そして、かかる回転円筒体14は、装置本体12に取り付けられたモーター18の回転駆動力が、タイミングベルト20aとプーリー20bを介して伝達せしめられることによって、軸芯周りに回転させられるようになっている。なお、ここで、かかるモーター18の回転駆動力は、タイミングベルト20aやプーリー20bを用いることなく、歯車等の公知の伝達手段にて伝達することも可能であり、また、モーターは、回転制御することの出来る、例えばACサーボモーター等を採用して、そのドライバを制御し、所定の回転数が得られるように構成されるが、そこでは、回転トルクは小さいため、そのギア比としては、1:1が有利に採用されることとなる。
また、被測定対象である金属管22は、連続して、測定装置10の装置本体12内を通過し得るように、構成されている。即ち、金属管22は、装置本体12の管出入口付近に設けられたガイド又はガイドロール24,24にて、その通過位置が回転円筒体14と同軸的となるように、換言すれば、金属管22の軸芯と回転円筒体14の軸芯とが一致するように拘束されて、通過せしめられ得るようになっている。
そして、回転円筒体14には、図1や図2から明らかな如く、その内面に、エンジニアリングプラスチック等の樹脂からなる円筒状のホルダ26が固設されており、このホルダ26に対して、一対のセンサコイル28a,28bが、回転円筒体14の切欠き窓部14a及びホルダ26の切欠き窓部26aを通じて差し入れられて、金属管22を中心にして対称的に位置した形態において、ホルダ26に、ネジや接着剤等によって、それぞれ固定せしめられている。なお、センサコイル28a,28bは、エンジニアリングプラスチック等の樹脂を用いて得られた、長手矩形体形状のボビン29の先端部に、所定の巻き線を施して形成される矩形コイル30を設けてなるものであって、一対のセンサコイル28a,28bが、それぞれの矩形コイル30,30において、金属管22に対面し、更に金属管22を中心にして、その両側に、所定距離離れた形態において、対称的に配置せしめられているのである。
さらに、かくの如く回転円筒体14に固定された一対のセンサコイル28a,28b(矩形コイル30,30)と共に、図3に示される如きブリッジ回路32を構成する2つの抵抗34a,34bが、かかる回転円筒体14に対して、接着又はジグにて固定せしめられている。要するに、一対のセンサコイル28a,28bと2つの抵抗34a,34bにて構成されるブリッジ回路32全体が、回転円筒体14に固定せしめられて、回転円筒体14と共に、金属管22の周りに回転させられ得るようになっている。
そして、かかる回転系に配置されたブリッジ回路32に対して、外部の発振器36から所定周波数の交流電流を供給すると共に、一対のセンサコイル28a,28bにて生じたインピーダンス変化を、それぞれ外部に取り出すために、スリップリング38や回転トランス等の公知の電気的接続手段が、回転せしめられる回転円筒体14と装置本体12との間に設けられている。
なお、図示はされていないが、装置本体12内には、回転円筒体14、ひいてはそれに組み込んだブリッジ回路32の回転角度の基準を設定する基準信号を得るために、光学センサや磁気センサが配設されて、回転円筒体14に固定されたフィンや磁石が、そのセンサを横切る際に信号が得られるようにして、回転の原点や回転位置がモニター出来るようにもなっている。
そして、回転円筒体14に組み込んだブリッジ回路32の電圧印加線2線(+、−)と出力線2線は、それぞれ、スリップリング38を介して外部に取り出され、前者は発振器36に接続せしめられる一方、後者は差動増幅器40に接続されて、インピーダンス差が検知され、更に、図4の如きブロック図で示される回路にて、信号処理されるようになっているのである。なお、そのような回路は、一般的なアブソリュート型の渦流探傷用回路と同等であり、新たな回路設計等は不要となるものであるところから、経済的に有利に装置を構成することが出来る利点がある。
ところで、ブリッジ回路32の出力には、センサコイル28a,28b周回系の軸と金属管22の軸の動的なズレ、即ちガタによる雑音信号が重畳しているところから、位相回転によるガタ成分の分離を行い、正弦波状の偏肉信号を抽出する必要がある。そこで、先ず、測定前に任意の管を装置に入れて、ガタを起こして、XY信号のY信号を観測して、このY信号が最も小さくなる移相を行い、その位置で固定し、次いで、偏肉が判っている基準管の数種を装置に入れて出力を測定して、検量線が求められることとなる。また、出力は、Y信号の振幅又は振幅−DC電圧変換回路出力を観測することにより行われることとなる。
そこで、Y信号は、正弦波状の信号となるものであるが、そのピーク位置(時間軸上)と、装置本体12に固定されたセンサに対して回転円筒体14に固定されたフィン等が横切ったときのパルス信号の回転原点信号とのズレ(時間的ズレ)を求めて、回転数から決められた周期に対してそのズレ量を角度換算すると、その方向が決まることとなる。そして、この方向が、偏肉方向(最大肉厚の方向)である。具体的には、デジタル処理の場合は、取り込んだ波形の任意区間(任意周期に相当)中の最大最小から振幅を求め、最大値の位置が求められる。回転位置パルスも同様に取り込み、その立ち上がり位置と最大値位置の時間差を計算して、偏肉方向が演算される。一方、アナログ処理の場合には、回転周期の周波数帯を通してDC分をカットするHPFを介して、ドリフト分を除去して、振幅−DC変換回路を通過させて振幅を取り出すと共に、ピーク位置パルス発生回路を設けて、ピークパルスを作り、このパルスと回転原点パルスから、その時間差に応じた長さのパルスを発生させ、更にこのパルスを用いてランプ電圧発生器と組み合わせ、そのパルス長さに応じた電圧を得ることが出来る。そして、この電圧を、回転1周毎にリフレッシュをかけてホールドすることで、1回転毎の偏肉方向の電圧を生成せしめ、これを出力することで、アナログ電圧の偏肉方向信号が得られるのである。
ところで、かかる本発明において対向する一対のセンサコイル28a,28bと必要な回転数、換言すれば、回転円筒体14の回転数は、被測定対象である金属管22の走行速度であるライン速度と管長手方向(走行方向)の偏肉変化のピッチから、適宜に設定されることとなる。例えば、センサコイルの回転が2000rpmでは、ライン速度:1000m/分において、センサコイル1回転あたり、金属管22は、0.5m進む。従って、0.5mで一周するような螺旋軌道をとることとなる。そこで、偏肉ピッチ(周期)が30mであれば、偏肉周期当たり60点の測定が可能となるのであり、これによって、充分な測定精度を得ることが出来るのである。また、ライン速度が100m/分である場合において、偏肉変動周期が、最短でも10mと予め判っている場合には、60点の分解能を得るには、0.16m/回転となり、それは、1000rpm以上であれば充分な精度が得られることが判る。なお、経験則上、金属管22の製造に際して、押出素管の偏肉変動は、1〜2山程度であって、押出後に抽伸する管では、ピッチが100m以上と考えられるところから、2000rpm程度で充分と考えられる。要するに、かかる回転数は、実態に沿って、適宜に設定すればよいのである。
また、センサコイル28a,28bに印加される交流電圧の周波数である検査周波数としては、表皮効果の関係から、また、後述するが、ガタ雑音の関係から、最適な周波数が設定されることとなる。具体的には、実験から、金属管22の管肉厚(管壁厚さ):tに応じて、周波数が決定されるところであって、本発明では、有利には、式:f=A・tB (但し、A、Bは、それぞれ、金属管22の材質に応じて定まる係数であって、金属管22が銅管である場合には、A=5200〜6000、B=−0.7〜−0.9となる)で示される周波数が、有利に採用されることとなるのである。
さらに、センサコイル28a,28bにおいて、その矩形コイル30のターン数は、出力を変化させるものであるが、差動増幅器40とのマッチングにて調整すればよく、後述する実験例では、80〜240ターン程度において実施されている。また、後述する図10に示されるように、センサコイル28a,28bの先端に配設された矩形コイル30の幅:Wは、金属管22の管径に応じて設定され、そこでは、管の曲率で効果が低減し、且つ周方向の分解能も低下するようになるところから、Wは、金属管22の直径:Dの0.45以下とすることが推奨される。なお、この矩形コイル30における幅:Wや、管軸方向長さ:Lは、大きいほど、出力が増加することとなるが、かかる管軸方向長さ:Lが長くなり過ぎると、金属管22が矩形コイル30に対して図5(a)に示される如く傾いた場合に、誤差が増えるようになるところから、例えば、6度程度傾斜したとして、ズレ量がコイル幅の50%となるコイル長さ:Lと管軸直交方向幅:Wとの比:L/Wは、5以下とすることが望ましいのである。更にまた、コイル内面積(=L×W;コイル中心間位置での長さと幅)が大きいほど、コイル−管表面を離すことが出来、即ち、コイルを貫く磁束が遠くまで届くために大きいほど良く、且つL/Wが大きいほど出力が大きくなるため、L/Wの値を1よりも小さくすることは、活用域として妥当ではない。従って、結果として、L/Wは、1以上5以下となるように、設定するのが望ましいのである。
なお、上述せる如き本発明に従う金属管の偏肉測定方法及び装置は、例示の実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでは決してなく、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることが理解されるべきである。
例えば、例示の実施形態に係るブリッジ回路32においては、一対のセンサコイル28a,28b、具体的には矩形コイル30,30の2つのみが2つの抵抗34a,34bと組み合わされて、目的とするブリッジ回路が構成されているのであるが、更に、そのようなブリッジ回路32に対して、一対のセンサコイル28a,28bとは逆位置となるように、2つの補償コイルを配置して、温度の影響を解消するような対策を講じることも有効である。
また、一対のセンサコイル28a,28bは、何れも、金属管22に対して矩形形状において対向する矩形コイル30,30を有する構造とされており、これによって、偏肉測定が有利に行なわれ得るようになっているが、また、その形状としては、公知の各種の形状のものが適宜に選択されることとなる。
ここにおいて、かかる例示の構造の装置を用いて、具体的に偏肉測定等を行った結果を、以下に明らかにすることとする。
−実験例1−
図1に示される本発明装置において、金属管22として、外径:15mm、肉厚:1.5mmの銅管を用いる一方、一対のセンサコイル28a,28bとしては、矩形コイル30のコイル幅(W):3mm、長さ(L):8mm、巻き数:200であるものが用いられ、そして、回転円筒体14(センサセル28a,28b)の回転数を2000rpm、更に検査周波数はf=4kHzとして、実験を行った。なお、信号処理は、図4に示される如き回路を用いて実施された。
先ず、図6には、管の走行速度を100m/分として走行させて、測定した結果が、被測定管(22)の管軸方向の位置と最大肉厚差:ΔTmaxとの関係において示され、また図7には、本発明装置による測定値:ΔTmaxとマイクロメーター実測値:ΔTmaxとの関係が示されている。そして、図6には、マイクロメーターにて実測された最大肉厚差:ΔTmaxも、同時に示されている。なお、図6や図7におけるマイクロメーター実測値は、走行後に管を一定長さに切断して、その管端をマイクロメーターで実測することにより、得られた値である。
また、偏肉方向の信号を、図6における測定と連動して、測定して得られた結果が、図8に示されている。さらに、オンラインで測定した管を定尺に切断して、その管端をマイクロメーターで測定し、肉厚分布を求め、その最大肉厚差が、図7に示されているのであるが、そこでは、その肉厚分布において、肉厚が最大の方向が偏肉方向である。回転原点は、装置の真上とされ、管が通過したときの上側が0度方向である。なお、中心等の管の方向が固定されている場合には、有効に利用出来る信号であるが、定尺に切断後に走行してくる管に対しては、ライン通過後はテーブルに並べられ、回転するようになるところから、偏肉方向の検出は意味がなくなるので、その場合には、入り側の工程での癖を把握するのに利用されることとなる。
そして、図9には、かかるライン走行テストにおける偏肉方向の測定と、マイクロメーターによるオフライン測定との比較が為されており、それらの相関と精度を把握することが出来る。
また、図10には、外径:20mm、肉厚:1.5mm、偏肉:0.2mmの銅管を走行せしめた場合における、センサコイル(矩形コイル)のコイル幅:Wと出力電圧との関係を求めた結果が、示されている。
さらに、図11には、各種の管外径と肉厚を有する銅管に対して印加せしめられる最適周波数を求めることによって得られた、下記表1に示される結果が、グラフとして示されており、そこでは、最適周波数fに関する近似式が求められている。
Figure 2012127888
加えて、図12には、センサコイル(矩形コイル)のコイル長さLと出力電圧Vとの関係が示されている。
−実験例2−
被測定管として、外径:10mm、肉厚:1mmの銅管を用いると共に、コイル幅(W):3mm、長さ(L):8mm、巻き線数:200の矩形コイルを有するセンサコイルを用いて、図1に示される装置により偏肉測定を実施し、得られたブリッジ回路の出力を図4に示される回路にて信号処理して、Y’信号を得た。そして、その際、周囲の測定環境である室温を変化させるようにした。
その結果を示す図13から明らかなように、Y’信号は、偏肉に相当する振幅で変化すると共に、温度変化に応じて、ブリッジ回路の中立点が変化するようになるのである。従来の測定方式でも、ブリッジ回路出力のY’信号から偏肉を測定する手法では、例えば、Y’信号の最高値をトレースすると、温度変化に応じて最高値が変化する。この図13の例では、温度低下につれて最高値が低下していることが認められる。しかし、上述のような振幅−DC変換信号(図13におけるE1信号)は、温度変化によらず一定である。振幅は偏肉の大きさに比例することが実験的にもシミュレーションでも判っており、本例の如く、振幅測定方式では、温度変化に影響されずに振幅、即ち偏肉を測定することが出来ることとなるのである。
−実験例3−
被測定管として、外径:15mm、肉厚:1.5mmの銅管を用いると共に、矩形コイルのコイル幅(W):3mm、長さ(L):8mm、巻き線数:nの矩形コイルを設けてなるセンサコイルを用いて、図1に示される構造の装置にて、偏芯測定を行った。なお、その際、コイルと銅管の外表面との間の距離(クリアランス)を種々変化させて、偏肉出力=Y’の振幅を測定し、その結果が、図14に示されている。本例では、コイルに加えるパワーを変化させて、その検出出力を示した結果であり、交流電流I×コイル巻き数nの積が、パワーに相当することとなる。なお、図14には、その積を意味する「AT」アンペア・ターンにて加えたパワーが示されている。また、各線は、コイルターン数と印加電流を変えたものを示している。
かかる図14の結果から明らかな如く、クリアランスを増大させると、出力が低下することが解るが、図の範囲内であれば、それ程大きくは低下していない。従って、被測定管に対するコイルの接触危険性を低減するには、出来るだけクリアランスを大きくとるのが望ましいと言うことが出来るのである。
10 測定装置
12 装置本体
14 回転円筒体
14a 切り欠き窓部
16 ベアリング
18 モーター
20a タイミングベルト
20b プーリー
22 金属管
26 ホルダ
26a 切り欠き窓部
28a,28b センサコイル
30 矩形コイル
32 ブリッジ回路
34a,34b 抵抗
36 発振器
38 スリップリング
40 差動増幅器

Claims (8)

  1. 管軸方向に走行する金属管の偏肉を肉厚に対する渦電流変化として連続的に測定する方法にして,
    一対のコイルと抵抗とによってブリッジ回路を構成すると共に、該一対のコイルが前記金属管を中心にして対称的に位置した形態において、該一対のコイルに交流電流を流しつつ、かかるブリッジ回路全体を該金属管の周りに回転せしめることにより、該金属管の肉厚全体に発生させた渦電流が該金属管の肉厚に応じて変化して生じた該一対のコイル間のインピーダンス差を検知し、そしてこのインピーダンス差に基づいて該金属管の偏肉状態を測定するようにしたことを特徴とする金属管の偏肉測定方法。
  2. 前記一対のコイル間のインピーダンス差を連続して検知し、その得られた正弦波状の偏肉差の出力の振幅が最大肉厚差に比例することに基づいて演算処理して、最大肉厚差、偏肉量或は偏肉率を求めることを特徴とする請求項1に記載の金属管の偏肉測定方法。
  3. 前記ブリッジ回路の回転角度の基準を設定する基準信号を有し、前記検知されるインピーダンス差の信号のピーク位置を、該基準信号に基づいて演算処理して、前記金属管の管周方向における偏肉の生じている部位を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属管の偏肉測定方法。
  4. 前記一対のコイルは、それぞれ、前記金属管の管軸方向における長さ(L)と管軸直角方向における幅(W)との比(L/W)が1以上、5以下となるように、且つかかる幅(W)が該金属管の直径(D)の0.45以下となるように、構成されている請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の金属管の偏肉測定方法。
  5. 前記金属管が銅管であって、その肉厚をtとしたとき、前記一対のコイルに流される交流電流が、次式:
    f=A・tB
    (但し、A=5200〜6000、B=−0.7〜−0.9)で示される周波数を有している請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の金属管の偏肉測定方法。
  6. 管軸方法に走行する金属管の偏肉を肉厚に対する渦電流変化として連続的に測定する装置にして、
    前記金属管が筒内に挿入されて、走行せしめられると共に、該金属管に対して同軸的に回転可能とされた円筒体と、
    該円筒体を、その軸心回りに回転せしめる回転駆動機構と、
    前記円筒体に固定されて、該円筒体と共に回転せしめられる、一対のコイルと抵抗とによって構成されるブリッジ回路であって、該一対のコイルが、前記金属管に対向位置して該金属管を中心にして対称的に配置されてなるものと、
    該ブリッジ回路の一対のコイルに流される交流電流にて、前記金属管の肉厚全体に発生させた渦電流が該金属管の肉厚に応じて変化して、生じた該一対のコイル間のインピーダンス差を検知する手段とを、
    有することを特徴とする金属管の偏肉測定装置。
  7. 前記インピーダンス差の検知手段にて得られた正弦波状の偏肉差の出力の振幅が最大肉厚差に比例することに基づいて演算処理し、最大肉厚差、偏肉量又は偏肉率を求める演算手段を、更に有している請求項6に記載の金属管の偏肉測定装置。
  8. 前記ブリッジ回路の回転角度の基準を設定する基準信号の発生手段を有し、前記検知されるインピーダンス差の信号のピーク値を、該基準信号に基づいて演算処理して、前記金属管の管周方向における偏肉の生じている部位が求められるようになっている請求項6又は請求項7に記載の金属管の偏肉測定装置。
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