JP2012124338A - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

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年伸 松野
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Abstract

【課題】画素サイズの微細化を実現するとともに、高感度及び低混色の固体撮像素子を提供する。
【解決手段】画素部100が行列状に配置された固体撮像素子10であって、画素部100は、ナノメートルオーダーの直径を有する半導体または金属からなる複数の微粒子114a、114bが分散され入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換膜115と、信号電荷を光電変換膜115から読み出す読み出しトランジスタ103を有する半導体層101とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換部を含む画素部がアレイ状に配列されたイメージセンサ等の固体撮像素子及びその製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ等に用いられる固体撮像素子は高画素化、高画質化や小型化が要望されているが、画素サイズの微細化に伴う感度低下が大きな課題となっている。従来の埋め込み型シリコンフォトダイオードを用いた表面照射型のイメージセンサにおいて、感度維持、向上は限界に近づいており、光電変換の効率を向上させるため、光電変換に用いられる新たな材料の検討や、入射する光の利用効率を改善するための構造が検討されている。
現在、一般に用いられているいわゆる表面照射型の固体撮像素子は、表面から入射した光を画素上に掲載したマイクロレンズにより集光し、フォトダイオード上に形成された画素の多層配線の間を通して、半導体基板内に形成されたフォトダイオードに入射させる構造となっている。そのため、微細化により画素サイズが小さくなると、画素部の開口面積に対する多層配線の占める割合が大きくなり、配線によって光が遮られ、フォトダイオードに十分な光量が入射できなくなるいわゆるケラレという現象が生じる。この課題を解決し、入射光を固体撮像素子のフォトダイオードに効率良く導入するため、以下に説明する裏面照射型の固体撮像素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。裏面照射型の固体撮像素子は、信号処理回路及び画素配線が形成された第一の面と半導体基板の反対の第二の面からなり、半導体基板内に形成されたフォトダイオードに対して、障害物のない第二の面である裏面から光を入射することで、入射効率を向上させる構造である。以下、従来技術について図面を用いて説明する。
図12は、特許文献1に記載の従来の裏面照射型の固体撮像素子501の構造を示す断面図である。この固体撮像素子501は、表面側から、支持基板502、配線部503、シリコン基板504、カラーフィルタ505、オンチップレンズ506が形成されて構成されている。配線部503は、層間絶縁層511を介して複数層の配線層512が形成されて成る。配線部503とシリコン基板504との間には、ゲート絶縁膜となる薄い絶縁膜513が形成され、この絶縁膜513の表面側に電荷を読み出すためのゲート電極514が形成されている。
シリコン基板504内には、受光センサ部のフォトダイオードを構成するn型領域517が厚さ方向に厚く形成されており、n型領域517の表面側に正電荷蓄積領域(p+領域)516が形成されている。また、ゲート電極514の下の読み出し領域を介して、n型のフローティングディフュージョン(FD)515が形成されている。支持基板502と配線部503とは、図示はないが、接着層等により接着されている。支持基板502としては、例えばシリコン基板を用いている。そして、光Lをオンチップレンズ506側、即ち配線部503とは反対の裏面側から入射させる構成となっており、いわゆる裏面照射型のCMOSセンサが構成されている。ゲート電極514と、n型領域517の先端部と、フローティングディフュージョン515とにより、読み出しトランジスタが構成されている。
また、固体撮像素子501には、図示しない断面において、シリコン基板504の表面側の部分に、画素内の他のトランジスタや周辺部の回路素子が形成されている。
従来の裏面照射型の固体撮像素子501においては以下のような利点がある。オンチップレンズ506と、受光センサ部(n型領域517)との間には配線層512がないので、配線層512による入射光のケラレを生じない。これにより、裏面照射型の固体撮像素子は、表面照射型の固体撮像素子と受光センサ部の面積が同じでも、表面照射型の固体撮像素子よりも入射光量を増すことができる。また、受光センサ部(n型領域517)の面積を増やしたり、n型領域517のパターン形状を光が入射し易いように設定したりすることも可能になり、感度の向上を図ることができる。配線部503に光を通す必要がないため、配線層512の配置レイアウトや設計の自由度が大きくなることから、例えば絶縁膜513の膜厚や抵抗を最適化することができ、高集積化や小型化を図ることができる。
特開2005−142221号公報
従来の裏面照射型の固体撮像素子で用いられているフォトダイオードの光電変換は、バルク結晶のシリコンの吸収係数に従うため、特に赤の光が半導体基板への進入長が大きく、通常、フォトダイオードは、数ミクロン以上の膜厚が必要とされる。また、従来の裏面照射型固体撮像素子においては、光電変換を行うためのフォトダイオードが信号処理回路を含む半導体基板の内部に埋め込まれており、裏面からRGBの各画素に各々の画素上に配置した対応するカラーフィルタを通して基板内の各色に対応して配置されている各フォトダイオードに入射する。
ある画素に入射した光及びフォトダイオードで光電変換された電荷が、隣接した画素に入ることによる混色を解決するため、特許文献1に示した従来技術では、受光センサ部(n型領域517)が形成されたシリコン層(シリコン基板)504の膜厚を10μmもしくは5μm以下と薄層化する手段や、隣接する画素の受光センサ部(n型領域517)の間には、画素分離領域として、p+領域(高濃度のp型領域)518が深さ方向の全体にわたって形成されることで、各画素のn型領域517を電気的に分離して、隣接する画素間における光学的、電気的混色を防止している。光のシリコン基板内での吸収を考えると、青及び緑(波長550nm付近)は、シリコン基板504の膜厚が5μm程度のとき100%吸収されるが、赤(波長750nm付近)は、シリコン基板504の膜厚が10μmのときでも100%は吸収されない。
すなわち、可視光領域で、実用可能な感度を得るためには、フォトダイオードのシリコン基板504の膜厚は少なくとも数μm以上は必要となる。
一方、画素が微細になると画素の開口面積とフォトダイオードとのアスペクトが大きくなるとともに、各画素のフォトダイオード領域の間隔が接近してくる。そのため、入射光の入射角が大きくなると、隣の画素の領域に他の色の光が入り込む。今後さらに画素サイズの微細化が進むと、フォトダイオードで光電変換されることによる混色の発生を避けることは本質的に困難となると考えられる。特に、裏面照射型の固体撮像素子においては、フォトダイオード上部の開口の脇に入射光を遮る配線は存在しないため、画素の微細化に伴い、斜め入射光に対して、混色が発生しやすいという課題がある。
本発明は、上記の課題を鑑み、画素サイズの微細化を実現するとともに、高感度及び低混色の固体撮像素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る固体撮像素子は、基板上に画素部が行列状に配置された裏面照射型の固体撮像素子であって、前記画素部は、ナノメートルオーダーの直径を有する半導体または金属からなる複数の微粒子が分散され、入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換膜と、前記信号電荷を前記光電変換膜から読み出す読み出しトランジスタを有する半導体層とを備える。
この構成によれば、固体撮像素子は、光電変換膜により光電変換を行うので、半導体層内にフォトダイオードを形成する必要がない。よって、フォトダイオードによる制約なく、半導体層の厚さを薄くすることが可能である。これにより、画素部に入射した斜め入射光による混色を軽減することができる。したがって、画素サイズの微細化を実現するとともに、高感度及び低混色の固体撮像素子を提供することができる。
また、微粒子のバンドギャップはその粒子径によって変化し、粒子径の減少と共にバンドギャップは小さくなる。光電変換膜は複数の微粒子を有するので、入射光の波長に応じて微粒子の大きさ(直径)を変更することにより、入射光の波長にかかわらず、光電変換膜の厚さを一定にすることができる。
また、前記光電変換膜は、二酸化シリコンで構成されていることが好ましい。
また、前記光電変換膜は、直径の異なる前記複数の微粒子を含む複数の層から構成されており、光入射面側の前記複数の層に含まれる前記複数の微粒子の粒子径は、前記半導体層側の前記複数の層に含まれる前記複数の微粒子の粒子径より小さいことが好ましい。
この構成によれば、光電変換膜は、直径の異なる複数の微粒子を含む複数の層からなるので、この複数層の周期構造によりミニバンドが構成され、光電変換膜内で発生した電荷を弾道的に伝導することができる。これにより、電荷の読み出し速度の向上が期待できる。
また、光電変換膜の伝導帯にエネルギー勾配を設けることができる。つまり、光電変換膜のエネルギーバンドギャップは、光入射面から、光電変換膜と半導体層との接触面に向かって減少するので、光電変換膜の光入射面と半導体層の表面との間でのバンドギャップ差が生じ、このエネルギー差により、光電変換された電子は半導体層へと移動する。この構造により、光電変換膜の表面側に電極を設けることなく、光電変換膜で発生した電荷を容易に読み出すことができる。
また、前記読み出しトランジスタのドレインまたはソースは、光電変換部から信号電荷が読み出される電荷転送領域であり、前記電荷転送領域の伝導帯のエネルギーは、前記光電変換膜との接触面から前記読み出しトランジスタのゲートに向かって減少することが好ましい。
この構成によれば、半導体層のエネルギーバンドギャップは、光電変換膜と半導体層との接触面である半導体層の第1主面から第2主面に向かって減少するので、半導体層の第1主面と第2主面との間でのエネルギーバンドギャップ差が生じ、このエネルギー差により、光電変換された電子は半導体層の表面から第2主面へと移動する。この構造により、光電変換膜から電荷を容易に読み出すことができる。
また、前記光電変換膜は、p型不純物をドープしたp型半導体領域で構成され、前記電荷転送領域は、n型不純物をドープしたn型半導体領域で構成されることが好ましい。
また、前記光電変換膜は、p型不純物をドープしたp型半導体領域で構成され、前記電荷転送領域は、前記光電変換膜と接触する面から深さ方向に、不純物のドープを行わないi型半導体領域と、n型不純物をドープしたn型半導体領域とで構成されることが好ましい。
この構成によれば、電荷転送領域の伝導帯のエネルギーが光電変換膜の伝導帯のエネルギーよりも低くなるようなエネルギー障壁が形成されるので、光電変換膜で発生した電荷を電荷転送領域に容易に読み出すことができる。
また、前記複数の微粒子間の距離は、1〜2nmであることが好ましい。
この構成によれば、光電変換膜において光電変換により発生した電荷を、トンネル現象により伝導することができる。
また、本発明の一形態に係る固体撮像素子の製造方法は、裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、基板上に熱酸化膜を形成する工程と、前記熱酸化膜上にシリコン過剰酸化膜を形成する工程と、前記シリコン過剰酸化膜上に二酸化シリコン膜を形成する工程と、前記に酸化シリコン膜上に支持基板を形成する工程と、前記支持基板を形成した後、アニール処理により、前記シリコン過剰酸化膜から前記熱酸化膜及び前記二酸化シリコン膜にシリコンからなる複数の微粒子を拡散して、光電変換膜を形成する工程とを含む。
また、前記基板上に熱酸化膜を形成する工程と前記支持基板を形成する工程との間に、前記シリコン過剰酸化膜を形成する工程と、前記二酸化シリコン膜を形成する工程とを複数回繰り返すことが好ましい。
また、本発明の一形態に係る固体撮像素子の製造方法は、裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、基板上に熱酸化膜を形成する工程と、前記熱酸化膜の表面近傍領域にシリコンイオンを注入する工程と、シリコンイオンを注入した後、前記熱酸化膜の表面に支持基板を形成する工程と、前記支持基板を形成した後、アニール処理によりシリコンからなる複数の微粒子を含む光電変換膜を形成する工程とを含む。
また、本発明の一形態に係る固体撮像素子の製造方法は、裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、基板中に埋め込み酸化膜層を形成する工程と、前記埋め込み酸化膜層中に、前記シリコンイオンを注入する工程と、前記シリコンイオンを注入した後、アニール処理によりシリコンからなる複数の微粒子を含む光電変換膜を形成する工程とを含む。
この構成によれば、複数の微粒子を含む光電変換膜を有する固体撮像素子を容易に形成することができる。また、複数層の光電変換膜を形成することができる。
本発明によれば、画素サイズの微細化を実現するとともに、高感度及び低混色の固体撮像素子を提供することができる。
本発明の固体撮像素子の回路構成図である。 本発明の固体撮像素子の画素部の構成の一例を示す断面概略図である。 本発明の固体撮像素子の光電変換膜及びシリコン層の断面概略図である。 本発明の固体撮像素子の光電変換膜及びシリコン層のエネルギーバンド構造図の一例である。 本発明の固体撮像素子の光電変換膜及びシリコン層のエネルギーバンド構造図の他の例である。 本発明の固体撮像素子の光電変換膜及びシリコン層のエネルギーバンド構造図の他の例である。 本発明の実施の形態1に係る固体撮像素子の第一の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態1に係る固体撮像素子の第一の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態2に係る固体撮像素子の第二の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態2に係る固体撮像素子の第二の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態3に係る固体撮像素子の第三の製造方法を示す工程断面図である。 従来の固体撮像素子の光電変換部の断面概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係る固体撮像素子について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で適宜変更は可能である。さらに、他の実施の形態との組み合わせも可能である。
本実施の形態に係る固体撮像素子は、基板上に画素部が行列状に配置された裏面照射型の固体撮像素子であって、画素部は、ナノメートルオーダーの直径を有する半導体または金属からなる複数の微粒子が分散され、入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換膜と、信号電荷を光電変換膜から読み出す読み出しトランジスタを有する半導体層とを備える。このような構成により、画素サイズの微細化を実現するとともに、高感度及び低混色の固体撮像素子を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る固体撮像素子10の回路構成図である。
本実施の形態に係る固体撮像素子10は、図1に示すように、複数の画素部100がアレイ状に配列されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)型の固体撮像素子である。
図1に示すように、固体撮像素子10は、撮像領域17と、垂直シフトレジスタ18と、水平シフトレジスタ19と、出力端21とを備える。撮像領域17には、複数の画素部100が、アレイ状に配列されている。複数の画素部100は、光電変換部(フォトダイオード)11と、浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)12と、読み出しトランジスタ13と、増幅トランジスタ14と、リセットトランジスタ15と、選択トランジスタ16とを備える。光電変換部11は、入射光を光電変換することで、信号電荷を生成する。光電変換部11によって生成された信号電荷は、読み出しトランジスタ13によって、浮遊拡散層12に読み出される。浮遊拡散層12に読み出された電荷は、増幅トランジスタ14によって増幅され、垂直シフトレジスタ18によって、制御された選択トランジスタ16、及び、出力信号線20を介し、水平シフトレジスタ19によって、出力端21から出力される。
なお、浮遊拡散層12に蓄積されている余剰電荷は、ドレイン領域が電源線に接続されたリセットトランジスタ15により排出される。
図1には示していないが、画素毎に、各光電変換部(フォトダイオード)11の上方に、緑色光を透過する緑フィルタ、赤色光を透過する赤フィルタ、及び、青色光を透過する青フィルタのいずれかが形成される。
続いて、本実施の形態に係る固体撮像素子10が備える画素部100の断面構成の一例について、図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係る画素部100の構成の一例を示す断面概略図である。
本実施の形態に係る固体撮像素子10の画素部100は、支持基板102と、絶縁層105と、シリコン層101と、光電変換膜115と、シリコン窒化膜108と、シリコン酸化膜109と、カラーフィルタ112a、112b、112cと、マイクロレンズ124とを備えている。
シリコン層101は、固体撮像素子10に光が入射される側の面である第1主面と、当該第1主面の反対側の面である第2主面とを有する。また、シリコン層101は、電荷転送領域103と、分離領域111と、浮遊拡散層104aと、STI分離領域104bとを有している。シリコン層101は、本発明における半導体層に相当する。電荷転送領域103は、図1に示した読み出しトランジスタ13に相当する読み出しトランジスタ104のソースまたはドレインであり、光電変換膜115から光電変換された信号電荷が読み出される。さらに、複数の電荷転送領域103のそれぞれは、分離領域111により電気的に分離されている。電荷転送領域103と浮遊拡散層104aは、STI分離領域104bにより電気的に分離されている。
光電変換膜115は、シリコン酸化膜(二酸化シリコン)からなり、光電変換膜115中にはシリコン超微粒子114a、114bが分散されている。光電変換膜115は、シリコン層101の第1主面側から入射した光を光電変換し、入射光量に応じた信号電荷を生成する。なお、光電変換膜115は、その他の絶縁膜により構成されてもよい。
絶縁層105は、読み出しトランジスタ104のゲート電極104c及び多層配線106を含んでいる。
また、シリコン酸化膜109は、隣接する画素の混色が生じないように、各画素の境界付近に遮光部110を有している。
なお、電荷転送領域103は、光電変換膜115と電気的に接続されており、シリコン層101の第1主面(表面)から第2主面(裏面)まで広がっている。複数の電荷転送領域103のそれぞれの間に形成された分離領域111は、例えばp型(第2導電型)の半導体領域から構成される。光電変換膜115及び電荷転送領域103は、図1に示す光電変換部11に相当している。
なお、シリコン層101の第1主面は、光電変換膜115に光が入射する面である光入射面であり、図2では、シリコン層101の上面である。また、シリコン層101の第2主面は、光入射面と反対側の面であり、図2では、シリコン層101の下面である。
読み出しトランジスタ104は、MOS型構造を用いており、浮遊拡散層104aを取り囲んで絶縁膜からなるSTI(Shallow Trench Isolation)分離領域104bが形成され、浮遊拡散層104a下方にゲート酸化膜(図示せず)を介して、ゲート電極104cが形成されている。
ゲート電極104cの下方には、絶縁膜(シリコン酸化膜、または、シリコン窒化膜)105が形成され、当該絶縁層105内に多層配線106が形成され、読み出しトランジスタ104を制御する。本実施の形態に係る固体撮像素子10では、光入射面とは反対側の面に配置された絶縁層105の多層配線106に信号電荷が読み出される。
さらに、支持基板102は、例えば、シリコン基板であって、絶縁層105の下方に貼り合わされている。シリコン層101は、例えば、1〜5μmと薄層であるため、支持基板102により補強されている。これにより、固体撮像素子10の強度を向上させることができる。
また、光電変換膜115の上には、光電変換膜115より高屈折率膜であるシリコン窒化膜108が、5〜100nmの厚みで形成されている。シリコン窒化膜108を設けることで、光電変換膜115への入射光強度が増加する。また、電荷転送領域103間でSTI(Shallow Trench Isolation)分離領域104b上方に形成された分離領域111は、電荷転送領域103の蓄積電荷の隣接画素への漏れこみを電気的な障壁で防止している。
また、本発明の実施の形態に係る固体撮像素子10は、シリコン窒化膜108の上方に、画素毎に形成された複数種類のカラーフィルタ112a、112b、112cを備えている。なお、本実施の形態に係る固体撮像素子10は、例えば、ベイヤ配列の固体撮像素子であり、カラーフィルタ112aは、透過光強度で青色光が高い青フィルタであり、カラーフィルタ112bは、透過光強度で緑色光が高い緑フィルタであり、カラーフィルタ112cは、透過光強度で赤色光が高い赤フィルタである。なお、各カラーフィルタ112a〜112cの厚みは、300〜1000nmである。
図2に示すように、シリコン層101内に形成された電荷転送領域103は、n型の不純物がドープされたn型(第1導電型)、不純物がドープされていないi型またはi型及びn型の拡散領域により構成されている。電荷転送領域103に蓄積された電荷を読み出すため、電荷転送領域103及び浮遊拡散層104aをソースまたはドレインとする読み出しトランジスタ104が形成されている。
光電変換膜115は、例えば、粒子の直径が数ナノメートル(nm)程度の複数のシリコン超微粒子114a、114bがシリコン酸化膜中に分散した構造から構成されている。各シリコン超微粒子114a、114b間の光電変換膜115の厚さは、光電変換で発生した電荷(電子、正孔)をトンネル現象により伝導することが可能な1〜2nmとすることが望ましい。また、量子ドット(シリコン超微粒子114a、114b)とトンネル酸化膜(光電変換膜115)とで形成される周期構造によりミニバンドが構成されるため、光電変換膜115内で発生した電荷は弾道的に伝導され、電荷の読み出し速度の向上が期待できる。
シリコン量子ドット(シリコン超微粒子114a、114b)のバンドギャップは、その粒子径によって変化し、粒子径が約10nm以下になると量子効果が顕著になり、粒子径の減少と共にバンドギャップは小さくなる。本実施の形態における光電変換膜115では、シリコン量子ドット(シリコン超微粒子114a、114b)の粒子径の代表的な例として2〜5nm程度を主として用いる。なお、この粒子径は、450〜800nm(光のエネルギー1.5〜2.8eV)の可視光近傍の光を受光する場合を想定したときの、相当バンドギャップに対応する量子ドットのサイズである。入射光の波長、光電変換膜115及び電荷転送領域103を含む構造のエネルギーバンド設計に応じて設定することは何ら問題ない。
なお、量子ドット(シリコン超微粒子114a、114b)及びトンネル酸化膜(光電変換膜115)の材料としてシリコン及びシリコン酸化膜を例に説明したが、GaAs、InP、InAs等の化合物半導体及びその混晶で構成してもよいし、Au、Ag等の金属微粒子、TiO2などの金属微粒子及びこれらの酸化物で構成しても良い。
また、光電変換膜115を構成するシリコン超微粒子114a、114bと光電変換膜115の接合状態として、前記の光電変換膜115にシリコン超微粒子114a、114bが一定の間隔で分散した状態のみでなく、単一または複数の互いに接触したシリコン超微粒子114a、114bが光電変換膜115で被覆されており、それらが、相互に接合された構成でも良い。この場合のシリコン超微粒子114a、114b間の光電変換膜115の厚さは、光電変換で発生した電荷をトンネル現象により伝導することが可能な1〜2nmが好適である。
図3は、本実施の形態に係る固体撮像素子10の光電変換膜115及びシリコン層101の断面概略図である。図3では、シリコン光電変換膜115と電荷転送領域103、電荷読み取り部を固体撮像素子の一画素分の断面構造を示している。シリコン層101の上に形成された光電変換膜115は、シリコン層101に形成された電荷転送領域103に電気的に接合されている。また、電荷転送領域103は、各画素部100をシリコン層101内で分離するための分離領域(p型半導体領域)111で周囲を囲まれている。光電変換で発生した電荷(本実施の形態では電子の場合で説明)は、電荷転送領域103の入射面の反対側の内部に蓄積され、ゲート電極104cに電圧を印加することで、浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)104aに読み出される。光電変換で生成した電荷を蓄積部(図示せず)まで障害なく読み出すために、光電変換膜115のシリコン超微粒子114a、114bはp型半導体領域で構成する。また、電荷転送領域103は、n型半導体領域、好ましくは、図3に示すように、光電変換膜115側でi型半導体領域103a、その下層がn型半導体領域103bとなるように構成する。また、光入射面と反対側のシリコン層101の表面(第2主面)には、絶縁層105の界面との欠陥に起因する光電変換以外で発生する電荷を補償するためのp型半導体領域103cが形成されている。
図4は、図3における本発明の固体撮像素子10の光電変換膜115及びシリコン層101の断面(A−B)のエネルギーバンド構造図の一例である。
光電変換膜115がp型半導体領域、電荷転送領域103がn型半導体領域で構成されると、伝導帯において電荷転送領域103のエネルギーが光電変換膜のエネルギーよりも低くなるようなエネルギー障壁が形成され、光電変換膜115で発生した電子が、電荷転送領域103に移動する。電荷転送領域103に入った電子は、分離領域(p型半導体領域)111があるため、n型半導体領域103b内部に蓄積される。
また、図4に示すように、電荷転送領域103をi型半導体領域103a及びn型半導体領域103bで構成することで、光電変換膜115の界面からi型半導体領域103aにかけて伝導帯の勾配が形成され、電子の移動が容易となる。
さらに、光電変換膜内の電子の移動を容易にするため、光電変換膜の伝導帯にエネルギー勾配を形成する目的で、粒子径の異なるシリコン量子ドット(シリコン超微粒子114a、114b)で構成し、固体撮像素子10に光が入射される側の面である第1主面(表面)のシリコン超微粒子114bの粒子径が、当該第1主面の反対側の面である第2主面(裏面)のシリコン超微粒子114bの粒子径より小さくなるように、すなわち、光電変換膜115の表面側のバンドギャップが大きくなるように構成する。例えば、粒子径が5nmの場合、バンドギャップ(Eg)は約1.5eV、波長(λ)は800nmとなる。これに対し、粒子径が2nmの場合、Eg=2.8eV、λ=450nmとなる。表面側でシリコン超微粒子114bの粒子径が2nm、第2主面側でシリコン超微粒子114aの粒子径が5nmとなるように構成すると、光電変換膜115の光入射面とシリコン層101の表面との間で約1.3eVのバンドギャップ差が生じ、このエネルギー差により、光電変換された電子はシリコン層101へと移動する。粒子径については他段階もしくは連続的に変化させても何ら問題ない。
この構造により、光電変換膜115の表面側に電極を設けることなく、発生した電荷を読み出すことが可能となる。光電変換で発生した電荷(正孔)は、より正孔に対してエネルギーポテンシャルの低い、電荷転送領域103の周辺のp型半導体領域103cへ移動し、回路の接地へと排出される。
なお、図5及び図6は、図3における本発明の固体撮像素子10の光電変換膜115及びシリコン層101の断面(A−B)のエネルギーバンド構造図の他の例である。図5に示すように、光電変換膜115をp型半導体領域、電荷転送領域103をn型半導体領域のみで構成しても良い。また、図6に示すように、光電変換膜115をp型半導体領域、電荷転送領域103をn型半導体領域とi型半導体領域で構成してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る固体撮像素子10の第1の製造方法について説明する。図7及び図8は、本実施の形態に係る固体撮像素子10の製造方法の一例を示す工程断面図である。なお、製造工程分かり易くするために、本断面図のハッチングを一部省略している。
まず、図7(a)に示すように、シリコン基板A200を用意し、表面洗浄等の前処理を行う。
次に、図7(b)に示すように、シリコン基板A200の表面に、500nm程度の熱酸化膜202を形成する。
続いて、図7(c)に示すように、シリコン基板A200に3.5×1016〜1×1017ions/cm2のドーズ量で水素イオン注入を行い、シリコン基板A200内に水素イオン注入領域203を形成する。
次に、図7(d)に示すように、熱酸化膜202の表面にシリコン過剰酸化膜(Si−Rich SiOX、X<2、以降SRO膜と略す。)204及び二酸化シリコン(SiO2)膜205を交互に蒸着する。ここで、最表面は張り合わせを行うため、SiO2膜205とする。蒸着方法についてはスパッタ法、電子線蒸着、レーザーアブレーション、CVD等の手段を用いる。SRO膜204及びSiO2膜205の各膜厚は、いずれも2〜3nm程度で、最終的に光電変換膜115としてのトータルの膜厚が500nm程度となるように構成する。
次に、図7(e)に示すように、支持基板としてシリコンウェハーであるシリコン基板B201を用意する。シリコン基板B201のウェハー表面の洗浄を行い、さらに親水化処理を施し、その後、図7(f)に示すように、シリコン基板A200のSiO2膜205が形成された面に重ね合わせて室温で接合する。
次に、図8(a)に示すように、接合させたシリコン基板A200及びシリコン基板B201を400〜600℃で熱処理し、水素イオン注入領域203においてシリコン原子の結合を弱くする。その後、水素イオン注入領域203においてシリコン基板A200を劈開し、シリコン基板A200の一部をウェハー表面から数ミクロン厚さで剥離させる。
続いて、シリコン基板A200とシリコン基板B201の界面を1000℃以上で熱処理する。この時、窒素雰囲気中にて1100℃で1時間熱処理を行うことで、SiO2膜205内にシリコン量子ドット206を形成する。熱処理を行う際の雰囲気ガスは、窒素以外にAr等の他の不活性ガスや酸素ガスも使用可能である。また、シリコン基板A200及びシリコン基板B201の接合前に熱処理を行い、シリコン量子ドット206を形成することも可能である。最後に、剥離したウェハー表面の精密研磨及び洗浄を行う。
洗浄後、図8(c)に示すように、エピタキシャル成長により、トランジスタのウェル層となるp型のシリコンエピタキシャル層207を形成する。上記の工程により、シリコン量子ドット206が分散された光電変換膜208を有するSOI基板が作製される。
以降は、従来のSOI基板を用いた固体撮像素子と同様に、順次画素領域のトランジスタや信号処理回路を形成する。ここで、イオン注入により、前述のシリコン量子ドット206からなる光電変換膜208と電荷の読み出し部を含むシリコン層101を電気的に接続するn型シリコン電荷転送領域を形成する。
すべてのトランジスタを形成後、図8(d)に示すように、多層配線を形成した絶縁層209が完成し、さらに保護膜を形成する。
次に、図8(e)に示すように、保護膜を形成した絶縁層209の表面に、接着層211を介して支持基板210を接合する。
続いて、図8(f)に示すように、支持基板C210を下にして、図8(g)に示すように、光電変換膜208上のシリコン基板B201をエッチングにより除去する。エッチングは、シリコン量子ドット206を含む光電変換膜208をエッチングストッパーとして、SiO2膜205に対して選択的にウェットエッチングもしくはドライエッチングにより行う。ドライエッチングのガスとして、例えば、三フッ化塩素(ClF3)または二フッ化キセノン(XeF2)ガス等を用いてもよい。また、ウェットエッチング及びドライエッチングを組み合わせて、シリコン基板B201の除去を行ってもよい。
さらに、図8(h)に示すように、露出された光電変換膜208の表面に、平坦化膜212及びRGBのカラーフィルタ213を形成し、集光のためのマイクロレンズ214を形成する。最後に、電極パッド(図示せず)を開口し、本発明の固体撮像素子10が完成する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態における固体撮像素子10の第2の製造方法は、実施の形態1における第1の製造方法と異なる。本実施の形態における固体撮像素子10の第2の製造方法について、図9及び図10を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すように、シリコン基板A300を用意し、表面洗浄等の前処理を行う。
次に、図9(b)に示すように側シリコン基板A300の表面に、500nm程度の熱酸化膜302を形成する。
続いて、図9(c)に示すように、シリコン基板A300に3.5×1016〜1×1017ions/cm2のドーズ量で水素イオン注入を行い、シリコン基板A300内に水素イオン注入領域303を形成する。
次に、図9(d)に示すように、シリコンイオンを注入したシリコンイオン注入領域304を形成する。ここで、図2に示したように光電変換膜115内でシリコン量子ドット(図2におけるシリコン超微粒子114a、114b)の粒子径が半導体基板(図2におけるシリコン層101)面側で大きく光の入射面側で小さくなるような構造は、イオン注入の深さを変えてSiイオン注入とアニールを複数回に分けて行うことにより実現が可能となる。
具体的には、最初のシリコンイオン注入で半導体基板A300において光電変換膜308(図10(b)参照)となるSiO2膜305(図10(b)参照)のシリコン基板A300側にSiの濃度ピークが来るように、シリコンイオンの注入を行う。その後、一回目の熱処理を行い、第一の量子ドット306(図2におけるシリコン超微粒子114aに相当)の形成を行う。次に、2回目のSiイオン注入を前記SiO2膜305(図10(b)参照)の表面近傍に行い、2回目の熱処理を行い、第二の量子ドット306(図2におけるシリコン超微粒子114bに相当)の形成を行う。この時、第一の量子ドット306は、熱処理を2回経ているため、量子ドットの粒子径を大きくすることが可能となる。
次に、図9(e)に示すように、支持基板としてシリコンウェハーであるシリコン基板B301を用意する。シリコン基板B301のウェハー表面の洗浄を行い、さらに親水化処理を施し、その後、図9(f)に示すように、シリコン基板A300のシリコンイオン注入領域304が形成された面に重ね合わせて室温で接合する。
次に、図10(a)に示すように、接合させたシリコン基板A300及びシリコン基板B301を400〜600℃で熱処理し、水素イオン注入領域303においてシリコン原子の結合を弱くする。その後、水素イオン注入領域303においてシリコン基板A300を劈開し、シリコン基板A300の一部をウェハー表面から数ミクロン厚さで剥離させる。
次に、シリコン基板A300とシリコン基板B301の界面を1000℃以上で熱処理する。この時、窒素雰囲気中にて1100℃で1時間熱処理を行うことで、SiO2膜305内にシリコン量子ドット306を形成する。熱処理を行う際の雰囲気ガスは、窒素以外にAr等の他の不活性ガスや酸素ガスも使用可能である。また、シリコン基板A300及びシリコン基板B301の接合前に熱処理を行い、シリコン量子ドット306を形成することも可能である。最後に、剥離したウェハー表面の精密研磨及び洗浄を行う。
洗浄後、図10(c)に示すように、光電変換膜308の上に、エピタキシャル成長により、トランジスタのウェル層となるp型のシリコンエピタキシャル層307を形成する。上記の工程により、シリコン量子ドット306が分散された光電変換膜308を有するSOI基板が作製される。
以降は、従来のSOI基板を用いた固体撮像素子と同様に、順次画素領域のトランジスタや信号処理回路を形成する。ここで、イオン注入により、前述のシリコン量子ドット306からなる光電変換膜308と電荷の読み出し部を含むシリコン層101を電気的に接続するn型シリコン電荷転送領域を形成する。
すべてのトランジスタを形成後、図10(d)に示すように、多層配線を形成した絶縁層309が完成し、さらに保護膜を形成する。
次に、図10(e)に示すように、保護膜を形成した絶縁層309の表面に、接着層311を介して支持基板310を接合する。
続いて、図10(f)に示すように、支持基板C310を下にして、図10(g)に示すように、光電変換膜308上のシリコン基板B301をエッチングにより除去する。
さらに、図10(h)に示すように、露出された光電変換膜308の表面に、平坦化膜312及びRGBのカラーフィルタ313を形成し、集光のためのマイクロレンズ314を形成する。最後に、電極パッド(図示せず)を開口し、本発明の固体撮像素子10が完成する。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態における固体撮像素子10の第3の製造方法は、実施の形態1及び2における第1及び第2の製造方法と異なる。本実施の形態における固体撮像素子10の第3の製造方法について、図11を用いて説明する。
まず、図11(a)に示すように、シリコン基板403上に順次形成された埋め込み酸化膜層402、SOIシリコン層401からなるSOI基板400を用意する。SOI基板400は、シリコン基板403、埋め込み酸化膜層402、SOIシリコン層401の構成からなるものであれば、その形成方法はどのようなものであってもよい。
次に、図11(b)に示すように、SOI基板400のSOIシリコン層401を通して、埋め込み酸化膜層402にシリコンイオンのイオン注入を行い、シリコンイオン注入領域404を形成する。次に、1000℃以上の温度で1時間以上熱処理を行い、シリコンイオン注入領域404に注入されたシリコンイオンを量子ドット化して、シリコン量子ドット406を形成する。また、イオン注入によるSOIシリコン層401のダメージの回復を行う。これにより、シリコン量子ドット406が分散された光電変換膜408を有するSOI基板が形成される。
続いて、図11(c)に示すように、SOIシリコン層401の上にシリコンのエピタキシャル成長を行い、p型のシリコンエピタキシャル層407を形成する。
以降は、実施の形態1もしくは実施の形態2と同様に、順次画素領域のトランジスタや信号処理回路を形成する。ここで、イオン注入により、前述のシリコン量子ドット406を有する光電変換膜408と電荷の読み出し部を含むシリコン層101を電気的に接続するn型シリコン電荷転送領域を形成する。
すべてのトランジスタを形成後、図11(d)に示すように、多層配線を形成した絶縁層409が完成し、さらに保護膜を形成する。
次に、図11(e)に示すように、保護膜を形成した絶縁層409の表面に、接着層411を介して支持基板410を接合する。
続いて、図11(f)に示すように、支持基板C410を下にして、図11(g)に示すように、光電変換膜408上のシリコン基板B403をエッチングにより除去する。除去の方法についてはドライエッチング、または機械的に研磨を行い薄層化した後にドライエッチングを用いても良い。
さらに、図11(h)に示すように、露出された光電変換膜408の表面に、平坦化膜412及びRGBのカラーフィルタ413を形成し、集光のためのマイクロレンズ414を形成する。最後に、電極パッド(図示せず)を開口し、本発明の固体撮像素子10が完成する。
以上、図面を用いて説明したように、本発明の実施の形態に係る固体撮像素子は、裏面照射型の固体撮像素子において、光入射面であるシリコン層(半導体基板)の第1主面に光電変換膜を積層する。光電変換膜として、SiO2膜にシリコン超微粒子を閉じ込めることで、シリコン層(半導体基板)内部での光電変換に寄与するシリコン層の膜厚を低減し、画素の微細化の際に課題となる混色を低減し、光電変換された電荷を効率良く読み出し、高効率化を図り、高感度、低混色の固体撮像素子を提供するものである。
これにより、シリコン半導体の超微粒子をバンドギャップの大きな材料(本実施の形態では、シリコン酸化膜)の内部に閉じ込め、Si系IV族材料における可視発光のメカニズムが量子サイズ効果(波数選択則の緩和、量子閉じ込め効果によるバンド構造変化等)により、本来は間接遷移材料であるシリコンが、擬似的に直接遷移することで、光電変換効率が向上することが期待できる。つまり、入射光を光電変換して信号電荷を得るときに、シリコン超微粒子により量子効果を利用して光電変換するので、入射光の進入長に対応した厚さの光電変換膜を用意する必要はなく、光電変換膜及び半導体層の合計の厚さを薄くすることが可能である。また、量子ドット(シリコン超微粒子)の粒子径を変えることで、等価的にバンドギャップのエネルギーを変化させ、光電変換膜における吸収の中心波長を入射光の波長に応じて最適化することも可能となる。
上記したように、量子ドットを用いた光電変換膜を固体撮像素子に応用し、感度の向上を図る場合、光電変換膜と半導体層に形成された信号処理回路(図示せず)とを多層配線により電気的に接続し、最終的に光電変換で発生した電荷をロスなく読み出し、信号処理を行う必要ある。上記した実施の形態に係る固体撮像素子の構造は、光入射面である半導体層の第1主面に量子ドット(シリコン超微粒子)を含む光電変換膜を積層し、光電変換膜に接触するように電荷転送領域を設け、信号電荷を電荷転送領域、浮遊拡散層等に読み出す構成である。また、電荷転送領域内のエネルギーポテンシャルが低くなるように、光電変換膜及び電荷転送領域の導電型を形成し、発生した信号電荷がロスなく移動、蓄積、読み出されるようにする構造を提供する。
また、量子ドット(シリコン超微粒子)はその粒子径を変化させることにより、量子効果により、バンドギャップを変えることが可能であり、粒子径を小さくするとバンドギャップは広がる。この特性を応用し、光電変換膜の光の入射面側(第1主面側)では微粒子の粒子径を小さくし、半導体層側(第2主面側)で大きくすることで、バンドギャップエネルギーに勾配を形成することができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形を行ってもよい。
例えば、本発明では、裏面照射型の固体撮像素子の第1主面上に形成した光電変換膜及び半導体層の膜厚は、上記した膜厚以外であってもよい。例えば、半導体基板自体の膜厚を1μm以下としてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る固体撮像素子の製造方法では、光電変換膜から電荷転送領域に電荷を効率良く読み出す構造を実現するため、裏面照射型の固体撮像素子の形成工程において、SOI(Silicon on Insulator)基板の埋め込み酸化膜層(BOX層)中にシリコン超微粒子を形成しているが、その他の方法により基板中にシリコン超微粒子を形成してもよい。
また、光電変換膜へのシリコン微粒子の形成方法は、シリコン酸化膜中にシリコンイオンのイオン注入を行い、1000℃以上の温度でアニールを行う方法を用いて、SOI基板の製造工程において貼り合わせ側の基板(支持基板)に量子ドットを形成する方法を用いてもよい。
また、他の形成方法として、シリコン過剰酸化膜(Si−Rich SiOX、X<2)とシリコン酸化膜SiO2を交互に蒸着し、窒素雰囲気中にて1100℃で1時間アニールを行うことでSiO2層内にシリコン微粒子を形成する方法を用いてもよい。
上記の工程で量子ドットからなる光電変換膜を作製した場合、量子ドット層と半導体層の界面が大気に曝されることなく形成されるため、物理的にも強固で、かつ、清浄な界面が実現可能である。また、複数のシリコン微粒子を含む溶液を裏面照射型固体撮像素子の光入射面上に塗布する方法であってもよい。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明に係る固体撮像素子には、上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る固体撮像素子を備えた各種デバイスなども本発明に含まれる。例えば、本発明に係る固体撮像素子を備えたムービーカメラも本発明に含まれる。
本発明の固体撮像素子は、小型、高画素化が求められるデジタルスチルカメラなどの撮像素子に利用することができる。
10 固体撮像素子
11 光電変換膜
12 浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)
13 読み出しトランジスタ
14 増幅トランジスタ
15 リセットトランジスタ
16 選択トランジスタ
17 撮像領域
18 垂直シフトレジスタ
19 水平シフトレジスタ
20 出力信号線
21 出力端
100 画素部
101 シリコン層
102 支持基板
103 電荷転送領域
103a i型半導体領域
103b n型半導体領域
103c p型半導体領域
104 読み出しトランジスタ
104a 浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)
104b STI分離領域
104c ゲート電極
105 絶縁膜
106 多層配線
108 シリコン窒化膜
109 シリコン酸化膜
110 遮光部
111 分離領域
112a、112b、112c カラーフィルタ
114a、114b シリコン超微粒子(微粒子)
115 光電変換膜
124 マイクロレンズ
200 シリコン基板A(基板)
201 シリコン基板B(支持基板)
202 熱酸化膜
203 水素イオン注入領域
204 シリコン過剰酸化膜
205 SiO2
206 シリコン量子ドット
207 シリコンエピタキシャル層
208 光電変換膜
209 絶縁層
210 支持基板
211 接着層
212 平坦化膜
213 カラーフィルタ
214 マイクロレンズ
300 シリコン基板A(基板)
301 シリコン基板B(支持基板)
302 熱酸化膜
303 水素イオン注入領域
304 シリコンイオン注入領域
305 SiO2
306 シリコン量子ドット
307 シリコンエピタキシャル層
308 光電変換膜
309 絶縁層
310 支持基板
311 接着層
312 平坦化膜
313 カラーフィルタ
314 マイクロレンズ
400 SOI基板
401 SOIシリコン層
402 埋め込み酸化膜層
403 シリコン基板B
404 シリコンイオン注入領域
405 SiO2
406 シリコン量子ドット
407 シリコンエピタキシャル層
408 光電変換膜
409 絶縁層
410 支持基板
411 接着層
412 平坦化膜
413 カラーフィルタ
414 マイクロレンズ
501 固体撮像素子
502 支持基板
503 配線部
504 シリコン基板
505 カラーフィルタ
506 オンチップレンズ
511 層間絶縁層
512 配線層
513 絶縁膜
514 ゲート電極
515 フローティングディフュージョン
517 n型領域

Claims (11)

  1. 基板上に画素部が行列状に配置された裏面照射型の固体撮像素子であって、
    前記画素部は、
    ナノメートルオーダーの半導体または金属からなる複数の微粒子が分散され、入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換膜と、
    前記信号電荷を前記光電変換膜から読み出す読み出しトランジスタを有する半導体層とを備える
    固体撮像素子。
  2. 前記光電変換膜は、二酸化シリコンで構成されている
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記光電変換膜は、直径の異なる前記複数の微粒子を含む複数の層から構成されており、
    前記複数の層のうち光入射面側の層に含まれる前記複数の微粒子の粒子径は、前記複数の層のうち前記半導体層側の層に含まれる前記複数の微粒子の粒子径より小さい
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  4. 前記読み出しトランジスタのドレインまたはソースは、光電変換膜から信号電荷が読み出される電荷転送領域であり、
    前記電荷転送領域の伝導帯のエネルギーは、前記光電変換膜との接触面から前記読み出しトランジスタのゲートに向かって減少する
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  5. 前記光電変換膜は、p型不純物をドープしたp型半導体領域で構成され、
    前記電荷転送領域は、n型不純物をドープしたn型半導体領域で構成される
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  6. 前記光電変換膜は、p型不純物をドープしたp型半導体領域で構成され、
    前記電荷転送領域は、前記光電変換膜と接触する面から深さ方向に、不純物のドープを行わないi型半導体領域と、n型不純物をドープしたn型半導体領域とで構成される
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  7. 前記複数の微粒子間の距離は、1〜2nmである
    請求項1〜6のいずれかに記載の固体撮像素子。
  8. 裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、
    基板上に熱酸化膜を形成する工程と、
    前記熱酸化膜上にシリコン過剰酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン過剰酸化膜上に二酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記に酸化シリコン膜上に支持基板を形成する工程と、
    前記支持基板を形成した後、アニール処理により、前記シリコン過剰酸化膜から前記熱酸化膜及び前記二酸化シリコン膜にシリコンからなる複数の微粒子を拡散して、光電変換膜を形成する工程とを含む
    固体撮像素子の製造方法。
  9. 前記基板上に熱酸化膜を形成する工程と前記支持基板を形成する工程との間に、
    前記シリコン過剰酸化膜を形成する工程と、前記二酸化シリコン膜を形成する工程とを複数回繰り返す
    請求項8に記載の固体撮像素子の製造方法。
  10. 裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、
    基板上に熱酸化膜を形成する工程と、
    前記熱酸化膜の表面近傍領域にシリコンイオンを注入する工程と、
    シリコンイオンを注入した後、前記熱酸化膜の表面に支持基板を形成する工程と、
    前記支持基板を形成した後、アニール処理によりシリコンからなる複数の微粒子を含む光電変換膜を形成する工程とを含む
    固体撮像素子の製造方法。
  11. 裏面照射型の固体撮像素子の製造方法であって、
    基板中に埋め込み酸化膜層を形成する工程と、
    前記埋め込み酸化膜層中に、前記シリコンイオンを注入する工程と、
    前記シリコンイオンを注入した後、アニール処理によりシリコンからなる複数の微粒子を含む光電変換膜を形成する工程とを含む
    固体撮像素子の製造方法。
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