JP2012124041A - カード用コネクタ - Google Patents

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隆志 川端
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Abstract

【課題】複数種類のカードに対応できて、小型のカード用コネクタを提供するものである。
【解決手段】形状の異なる複数種類のカードのいずれかを選択的に収納可能なカード収納領域が形成され、カードとの接続が可能な接点が設けられたハウジング30と、第1のカードの挿入方向の前側部と当接する第1の当接部と、第1のカードより挿入方向の長さが短い第2のカードの挿入方向の前側部と当接し、第1のカードの収納領域内に配置され、かつ第1の当接部よりも挿入口側に配置された第2の当接部とを備え、カードと共に移動可能なスライダ41と、スライダ41を付勢する付勢部材42と、スライダ41を所定の位置に付勢部材42の付勢力に抗して保持するロック部材43と、を有し、第1のカードの挿入にともなって、第2の当接部がカードの厚さ方向に移動し、第1のカードと第1の当接部とが当接可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、カード用コネクタに関し、特に、形状の異なる複数種類のカードに対応できるカード用コネクタに関するものである。
デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの電子機器では、撮影した画像をメモリーカード(以後、カードとする)と称される概ね矩形で板状の記録媒体に保存されることが多い。カード用コネクタは、カードを収納可能な領域に収納し、電子機器とカードとを接続するために用いられる。
カードには形状の異なる複数種類のカードが存在するため、ひとつのカード用コネクタで複数種類のカードへ対応することが求められている。また、昨今、デジタルカメラなどの電子機器では小型化した製品が増えており、カード用コネクタにも小型化が求められている。
小型化し、複数種類のカードに対応できるカード用コネクタとしては、下記の特許文献1に記載のカード用コネクタが知られている。
特開2004−280687号公報
ここで、カードの大きさ(長さ、幅、厚さ)について定義する。図3のように、カードの電極部が設けられている面において、電極部のある側からそれに対向する側までの寸法(L1、L2)を長さとし、長さ方向に直交する方向の寸法(W1、W2)を幅とし、電極部が設けられている面からその裏面までの寸法(T1、T2)を厚さとする。
特許文献1には、幅、長さ、厚さの異なる2種類のカードに対応したカード用コネクタについて記載されている。特許文献1に記載のカード用コネクタでは、挿入されたカードの幅方向をガイドするために、ブロック状のカードガイド部が設けられている。カードガイド部は、カードの幅方向の両内壁に沿って対向するように数箇所設けられている。対向して設けられたカードガイド部の間隔は、幅の狭いカードの幅寸法にあわせて設定されている。
カードガイド部は回転可能に配置され、幅の狭いカードが挿入された場合はそのままカードの幅方向をガイドするが、幅の広いカードが挿入された場合には、カードガイド部とカードとが当接し、カードと当接したカードガイド部がカードの挿入方向に90°回転し、カードの挿入スペースを確保すると共に、カードと当接した面でカードの幅方向をガイドする構造となっている。
カードガイド部を回転させる構造としているため、回転に必要なスペースが必要となり、特許文献1に記載のカード用コネクタはカードガイド部の回転構造が無いカード用コネクタと比較すると、カードの幅方向の寸法が大きくなっている。
この様に、大きさの異なる複数種類のカードに対応できる構造とすると、異なる大きさのカードをガイドや係止するための構造が必要となるため、市場のニーズに反して外形寸法が大きくなりやすいという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決して、複数種類のカードに対応できて、小型のカード用コネクタを提供するものである。
本発明は、形状の異なる複数種類のカードのいずれかを選択的に収納可能なカード収納領域が形成され、前記カードに設けられた電極部との接続が可能な接点部と、前記複数種類のカードのうちの1種類である第1のカードの挿入方向の前側部と当接する第1の当接部と、前記複数種類のカードのうちの1種類で前記第1のカードより挿入方向の長さが短い第2のカードの挿入方向の前側部と当接し前記第1のカードの収納領域内に配置されている第2の当接部と、が設けられたハウジングを有し、前記第1のカードの挿入にともなって、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動し、前記第1のカードと前記第1の当接部とが当接可能となる、という特徴を有する。
これにより、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動可能とすることで、前記カードの幅方向から当接させずに前記カードの挿入位置を調整することが可能となり、前記カードの幅方向の寸法が大きくなることを抑えることができ、カード用コネクタの小型化、薄型化が可能となるという効果を奏する。
また、本発明は、形状の異なる複数種類のカードのいずれかを選択的に収納可能なカード収納領域が形成され、前記カードに設けられた電極部との接続が可能な接点部と、が設けられたハウジングと、前記複数種類のカードのうちの1種類である第1のカードの挿入方向の前側部と当接する第1の当接部と、前記複数種類のカードのうちの1種類で前記第1のカードより挿入方向の長さが短い第2のカードの挿入方向の前側部と当接し、前記第1のカードの収納領域内に配置されている第2の当接部とを備え、挿入された前記カードと共に挿入方向および排出方向に移動可能なスライダと、前記スライダを排出方向に付勢する付勢部材と、カム溝が形成されたカム部材と前記カム溝内を摺動するロック部材とからなり、前記接点部と前記電極部とが電気的に接続する位置に前記スライダを前記付勢部材の付勢力に抗して保持するロック機構と、を有し、前記第1のカードの挿入にともなって、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動し、前記第1のカードと前記第1の当接部とが当接可能となる、という特徴を有する。
これにより、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動可能とすることで、前記カードの幅方向から当接させずに前記カードの挿入位置を調整することが可能となり、前記カードの幅方向の寸法が大きくなることを抑えることができ、排出機構を備えていてもカード用コネクタを小型化できるという効果を奏する。
また、本発明は、前記カードの厚さ方向に移動可能に配置され、前記複数種類のカードの挿着位置を切り換える仕切板を有し、前記第1のカードの挿入にともなって、前記仕切板が前記カードの厚さ方向に移動するとき、前記仕切板の移動により、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動する、という特徴を有する。
これにより、前記第1のカードの挿入にともなって前記カードの厚さ方向に移動する前記仕切板の動きに連動して、前記第2の当接部を前記カードの厚さ方向に移動させることで、挿入された前記カードの種類の識別を行うと共に、前記第1の当接部と前記第2の当接部の切り換えができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記第2の当接部は、弾性を有する金属板から形成され、弾性により前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動する、という特徴を有する。
これにより、前記第2の当接部を弾性を有する金属板から形成していることで、前記第2の当接部は、回転軸や摺動溝などの移動するための機構を設けず、弾性により撓ませることで簡易にカードの厚さ方向に移動可能となり、機構を簡易化することでカード用コネクタのサイズが大きくなることを抑えることができる。また、合成樹脂材で形成した場合に比べて、熱による変形や衝撃による欠損などが発生しにくく、より安定してカードの厚さ方向に移動させることができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記金属板には、前記第2の当接部を支持する補強部とともに、前記複数種類のカードの挿入方向で奥方に位置する前記ハウジングの壁と当接可能な係合部とが形成されている、という特徴を有する。
これにより、前記第2の当接部が前記補強部に支持され、前記係合部がハウジングの壁と当接することで、前記金属板がカードの挿入方向へ変形することなく安定してカードを保持することができるとともに、前記係合部がハウジングの壁と当接することで前記金属板全体を支持でき、より安定してカードを保持することができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記仕切板は、前記カードの厚さ方向に移動するときに、前記金属板と当接し、前記第2の当接部を前記カードの厚さ方向に移動させる、という特徴を有する。
これにより、前記仕切板が前記金属板に当接して、前記第2の当接部をカードの厚さ方向に移動させる構造としたことで、簡易な構成で前記第2の当接部を前記仕切板の移動にともなって前記カードの厚さ方向に確実に移動させることができ、構成部品の増加を抑えることでカード用コネクタの小型、薄型化の効果を奏する。
また、本発明は、前記金属板は、前記仕切板の動きに連動して前記カードの厚さ方向へ移動したとき、挿入された前記第1のカードによって更に前記カードの厚さ方向へ移動させられ、前記仕切板とは接触しない位置となる、という特徴を有する。
これにより、前記金属板を前記仕切板と接触しない位置まで移動させたことで、カードの挿抜方向へ移動する時に前記金属板と前記仕切板との摩擦はなく、容易に前記カードの挿抜を行なうことができるという効果を奏する。
本発明のカード用コネクタは、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動可能とすることで、前記カードの幅方向から当接させずに前記カードの挿入位置を調整することが可能となり、前記カードの幅方向の寸法が大きくなることを押さえることができ、排出機構の有無にかかわらずカード用コネクタの小型、薄型化が可能となるという効果を奏する。
実施形態のカード用コネクタを示す斜視図である。 実施形態のカード用コネクタの構成を示す分解斜視図である。 実施形態のカード用コネクタが対応するカードの外観図である。 構成部品の上ハウジング31を示す図である。 構成部品の下ハウジング32を示す図である。 構成部品のスライダ41を示す図である。 構成部品の可動弾性部材44を示す図である。 構成部品の仕切板50を示す図である。 識別ユニット5の概略構造図である。 第1のレバー54と第2のレバー55の組み込み位置を示す図である。 カード別の配置位置の違いを示す図である。 カード別の挿入位置の違いを示す図である。 第1のカード1と第2のカード2の当接位置の違いを示す図である。 その収納領域の最奥部における第2のカード2と仕切板50の当接位置を示す図である。 仕切板50に連動した可動弾性部材44の動きを示す図である。 第1のカード1と可動弾性部材44と仕切板50の位置関係を示す図である。 実施形態のカード用コネクタの構成を示す分解斜視図である。 構成部品の下ハウジング72を示す図である。 構成部品の上ハウジング71を示す図である。 構成部品の可動弾性部材73を示す図である。
なお、以下において、本発明の実施形態に係るカード用コネクタを具体的に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図16を用いて説明する。
図1は、本実施形態のカード用コネクタを示す斜視図である。図2は、本実施形態のカード用コネクタの構造を示す分解斜視図である。
また、図3は、本実施形態のカード用コネクタが対応するカードを示す図である。本実施形態のカード用コネクタが対応するカードは、図3(a)に示す第1のカード1と図3(b)に示す第2のカード2との2種類のカードである。第1のカード1の長さ寸法×幅寸法×厚さ寸法は、L1×W1×T1であり、同様に第2のカード2の寸法は、L2×W2×T2である。
第1のカード1と第2のカード2の長さ寸法×幅寸法×厚さ寸法を比較すると、L1>L2、W1>W2、T1>T2であり、長さ寸法、幅寸法、厚さ寸法すべてにおいて第1のカード1の方が大きい。
本実施形態のカード用コネクタは、図1、図2のように、一端面に開口部を有し、内部が中空構造の概して薄型の直方体形状に形成されている。
本実施形態のカード用コネクタは、図1、図2のように、カードを内部に収納し、本実施形態のカード用コネクタが取り付けられた電子機器(デジタルカメラなど)とカードとの間でデータの読み込みと書き込みを可能とする収納ユニット3と、カード用コネクタに収納されたカードを排出する排出ユニット4と、挿入されたカードを識別し、装着位置を切り換える識別ユニット5と、から構成される。
収納ユニット3は、第1のカード1と電気的に接続可能な上ハウジング31と、第2のカード2と電気的に接続可能な下ハウジング32とからなり、第1のカード1の収納領域と第2のカード2の収納領域とを合わせたカード収納領域を有するハウジング30と、前記カード収納領域上を覆うカバー33と、からなる。
排出ユニット4は、カード挿入方向およびカード排出方向に移動可能なスライダ41と、スライダ41をカード排出方向に付勢する付勢バネ(付勢部材)42と、付勢バネ42の付勢力に抗してスライダ41を所定の位置にロックさせるロックピン(ロック部材)43と、一端がスライダ41に係止され他端が第2のカード2の挿入時には当接可能で第1のカード1の挿入時にはカードの厚さ方向に移動可能な可動弾性部材(金属板)44と、からなる。
識別ユニット5は、第1の仕切板51と第2の仕切板52とそれらを繋ぎ合わせる第3の仕切板53とからなる仕切板50と、第1の仕切板51と下ハウジング32とに係合する第1のレバー54と、第2の仕切板52と下ハウジング32とに係合する第2のレバー55とからなる。
次に、構成部品について説明する。
上ハウジング31は、図4のように、合成樹脂材で板状部を有して形成されており、金属材でそれぞれの接点31aが第1のカード1の電極部と接触可能なように板状部から突出している。
下ハウジング32は、図5のように、合成樹脂材で、概略枡形状に成形されている。一側壁は一部を除き開放され、カード挿入口32bが形成され、カード挿入口32bの左右側には、挿入されたカードをガイドするガイドレール32cが設けられている。カード挿入口32bに対向する壁側の内底面からは金属材でそれぞれの接点32aが第2のカード2の電極部と接触可能なように突出している。
また、図5において、カード挿入口32b側から接点32a側へ向かう方向をカードの挿入方向、その逆方向をカードの排出方向とすると、下ハウジング32は、カードの挿入方向に向かって左奥に排出ユニット4を配置する収納部32dを有し、複数の接点32aとカード挿入口32b間の内底面には金属板で形成された片持ち梁状の支持部32eが2本形成されている。
下ハウジング32の複数の接点32aと上ハウジング31の複数の接点31aとが対向するように重ねることでハウジング30が構成される。
カバー33は、図2のように、金属板の両端を同じ方向に90°折り曲げた形状に形成されている。
スライダ41は、図6のように、合成樹脂材で、上面部にスライダ41を所定の位置に保持するためのカム溝(カム部材)41aを有し、一側面には第1のカード1と当接する第1の当接部41bを有する腕部41cが形成されている。
本実施形態ではロック機構を形成するカム部材がスライダ41と一体に形成されているため、スライダ41がカム溝41aを有する構成となっているが、カム部材と下ハウジング32とが一体に形成された構成であってもよい。
付勢バネ42は、図2のように、金属線材でコイル状に形成されている。
ロックピン43は、図2のように、金属線材の両端を同じ方向に90°折り曲げた形状に形成されている。
可動弾性部材44は、図7のように、弾性を有する金属板が加工され一端がT字状に分かれて形成されている。T字状に分かれた一端である当接端44dと、U字状に曲げ加工された係止端44eを有する。当接端44dのT字状に分かれた一端には第2のカード2と当接する第2の当接部44aが形成され、他端には下ハウジング32のカード挿入方向最奥側の内壁と係合する係合部44bが形成されている。また、第2の当接部44aの背面側には、補強部44cが形成され、第2の当接部44aの背面と補強部44cの面が垂直に交わる位置に配置される。
第1のレバー54と第2のレバー55は、図2のように、合成樹脂材で板状に形成され、長手方向の一端にスリットを有する。
第3の仕切板53は、図8のように、合成樹脂材で概略板状に形成されている。
第1の仕切板51は、図8のように、合成樹脂材で概略板状に形成され、第1のレバー54と当接する第1の押圧部51aと、第3の仕切板53と連結する第1の連結部51bとを有する。
第2の仕切板52は、図8のように、合成樹脂材で概略板状に形成され、第2のレバー55と当接する第2の押圧部52aと、第3の仕切板53と連結する第2の連結部52bとを有する。
仕切板50は、第3の仕切板53の一端を第1の連結部51bに連結し、他端を第2の連結部52bに連結することで構成される。
次に、本実施形態のカード用コネクタの構造について説明する。
まず、スライダ41は、カム溝41aを有する面の裏面が収納部32dの内底面と当接し、腕部41cが接点32a方向に突出する向きで、カードの挿入方向および排出方向へ移動可能に収納部32dに配置される。また、付勢バネ42は、収納部32dのカードの挿入方向奥側の内壁面とスライダ41の間に配置され、スライダ41を排出方向に付勢する。また、ロックピン43は、一端を収納部32dの排出方向側の内壁面に係合し、他端をカム溝41a内に挿入させる。
これにより、スライダ41がカードの挿入方向に押圧されると、スライダ41は挿入方向へ移動し、ロックピン43の一端はカム溝41a内を移動可能な方向へ摺動する。その移動方向での最奥部で押圧を開放すると、スライダ41は少し排出方向に戻った位置でロックされ、再度押圧されるとロックが解除され、その後は付勢バネ42の付勢力により初期位置に自動復帰する、いわゆるプッシュ・プッシュ方式のロック機構が形成される。挿入されたカードはこの機構を用いてロックおよび排出される。
また、可動弾性部材44は、第2の当接部44aをカード挿入口32b側に向けて、当接端44dがカードの厚さ方向に移動可能に、係止端44eをスライダ41の腕部41cに係止させる。これにより、第2の当接部44aは、第1のカード1の収納領域内に配置されるとともに、第1の当接部41bよりも挿入口側に配置される。
次に、仕切板50の組み込みの位置関係について、図9を用いて説明する。図9は第1のレバー54と第2のレバー55とカバー33と仕切板50と下ハウジング32との位置関係とその動きを側面方向から見た模式図である。
仕切板50は、図9(a)のように、収納ユニット3内で、支持部32eの先端部に当接し、支持部32eと上ハウジング31との間に配置され、カバー33側に付勢されている。また、仕切板50は、第1の押圧部51aが収納部32d側のカード挿入口32b側に来るように配置される。
次に、第1のレバー54と第2のレバー55の組み込み位置について、図9と図10を用いて説明する。図10は第1のレバー54と第2のレバー55の組み込み位置を示す図である。
第1のレバー54は、図10のように、カード挿入口32bから連なって収納部32d側にいた上に形成された側壁をスリット部で狭持し、傾倒可能に配置される。また、スリットのない側は、図9(a)のように、第1の押圧部51aとカバー33との間に狭持される。
また、第2のレバー55は、図10のように、第1のレバー54が配置された反対側にあるカード挿入口32bから連なって収納部32d側に板状に形成された側壁をスリット部で狭持し、傾倒可能に配置される。また、スリットのない側は、図9(a)のように、第2の押圧部52aとカバー33との間に狭持される。
このように、排出ユニット4と識別ユニット5とが収納ユニット3内に配置される。
次に、カードの配置位置の切り換え方法と、排出ユニット4とカードとの当接位置の切り替え動作とについて、図11ないし図13を用いて説明する。カードの配置位置の切り換えは、概略、図11のように仕切板50の位置によって接点31a側または接点32a側に振り分けられ、その際に排出ユニット4とカードとの当接位置の切り替えも行なわれる。以下に、詳細を説明する。
まず、サイズの小さな第2のカード2を挿入した場合について説明する。第2のカード2は、図12(a)で示す下方向に電極部を有した面を向けて、電極部側から挿入される。第2のカード2は、図12(b)のように、図12(a)の2点鎖線で示す位置Aである左右のガイドレール32cの間に挿入され、ガイドレール32cの内側面に沿ってガイドされる。
第2のカード2は、図13(a)のように、挿入途中でスライダ41に係止された可動弾性部材44の第2の当接部44aと当接し、第2の当接部44aを押圧し、スライダ41を押し込みながらその収納領域での最奥部まで挿入される。その後、第2のカード2を挿入するための押圧を解除すると、スライダ41は第2のカード2とともに、図13(b)のようにその移動方向での最奥部から少し戻った位置でロック機構によって保持される。
第2のカード2がその収納領域の最奥部まで挿入された後も、ユーザーによりさらに押圧されるケースがある。このとき、第2の当接部44aは背面を補強部44cで補強されており、第2の当接部44aの反対端には係合部44bが設けられ、押圧方向にあるハウジングの内壁と当接して押圧を受け止める為、押圧力により押圧方向へ当接位置が変化することを防止するという効果を奏する。
また、第2のカード2がその収納領域の最奥部まで挿入されたとき、図14のように、第2のカード2は幅方向の一端側は第2の当接部44aに当接し、他端側は仕切板50から接点32aの方向に突出したリブ部52cに当接し、第2のカード2の両端が保持される。これにより、第2のカード2は傾くことがなくなり、電極部以外の場所で接点32aと当接し接点32aを塑性変形させることはなくなる。したがって、接点32aの塑性変形により第2のカード2と接点32aとの電気的接続が不安定になることを防止する。
また、第2のカード2が挿入または排出される際、仕切板50は、接点31aを第2のカード2から遠ざかる方向へ弾性変形の範囲内で押し倒す。これにより、接点31aが移動途中の第2のカード2と当接して塑性変形することはなくなる。したがって、接点31aの塑性変形により第1のカード1と接点31aとの電気的接続が不安定になることを防止する。
また、第2のカード2の前端側にはテーパ面が設けられているが、テーパ面ではなく平坦面と第2の当接部44aとを当接させることで、第2のカード2が第2の当接部44aに乗り上げ、接点32aが変形することおよび第2のカード2の電極部が破損するのを防止する。
その収納領域の最奥部まで挿入された第2のカード2は、排出ユニット4により排出方向に少し戻り、排出ユニット4がロック状態になることで、第2のカード2の電極部と接点32aとが当接した状態で保持され、再度、挿入方向に押圧されると、排出ユニット4のロックが解除され、第2のカード2が排出される。
次に、サイズの大きな第1のカード1を挿入した場合について、図9と図12を用いて説明する。第1のカード1は、図12(a)で示す上方向に電極部を有した面を向けて、電極部側から挿入される。第1のカード1は、図12(c)のように、図12(a)の2点鎖線で示す位置Bである、ガイドレール32cのカバー33側の面とカード挿入口32bの内側面に沿ってガイドされる。
第1のカード1は、図9(b)のように、移動途中に第1のレバー54および第2のレバー55と当接し、図9(a)の矢印Dの方向へ傾倒させる。傾倒した第1のレバー54と第2のレバー55は、仕切板50を下ハウジング32の方向に押圧し、仕切板50に押圧された支持部32eが下ハウジング32の方向に撓むことで、仕切板50は下ハウジング32方向に移動される。
第1のカード1は、図9(c)のように、仕切板50が下ハウジング32方向に移動したことでできた仕切板50とカバー33との間のスペースに案内される。第1のカード1がさらに奥へ挿入されるにしたがって、仕切板50は、仕切板50を支持する支持部32eを撓ませながら、仕切板50と下ハウジング32とが当接するまで仕切板50は下ハウジング32方向に移動する。
仕切板50が下ハウジング32に当接する位置に移動することで、接点31aと第1のカード1の電極部が当接可能となる。
下ハウジング32と当接する位置まで移動した仕切板50は、接点32aを弾性変形の範囲内で第1のカード1から遠ざかる方向へ押し倒す。これにより、接点32aが移動途中の第1のカード1と当接して塑性変形することはなくなる。したがって、接点32aの塑性変形により第2のカード2と接点32aとの電気的接続が不安定になることを防止する。
また、第1のカード1が挿入されたことで、仕切板50が下ハウジング32に当接する位置まで移動するとき、図15のように、仕切板50は可動弾性部材44と当接する。金属板で形成されている可動弾性部材44は、仕切板50と当接すると押圧され、下ハウジング32方向に撓み、第2の当接部44aは第1のカード1とは当接しない位置に移動する。
第1の当接部41bよりもカード挿入口32b側に配置された第2の当接部44aが第1のカード1と当接しない位置に移動することで、第1のカード1は第2の当接部44aよりもさらに奥部に位置する第1の当接部41bと当接可能となる。図13(c)のように、第1の当接部41bと当接した第1のカード1は、第1の当接部41bを押圧し、図13(d)のように、スライダ41を押し込みながらその収納領域の最奥部まで挿入される。
この時、可動弾性部材44の一部は図16のように挿入途中の第1のカード1と当接し、さらに下ハウジング32方向(図16(b)の矢印C方向)に撓み、仕切板50から離れる。これにより、スライダ41が移動するときに、可動弾性部材44と仕切板50との摩擦が無くなり、第1のカード1の挿入および排出を簡易に行なうことができる。
第1のカード1がその収納領域の最奥部まで挿入された時、第1のカード1は、第1の当接部41bと共に、下ハウジング32のカード挿入口32bから見てその収納領域の最奥部付近に設けられた柱状部に当接し、第1のカード1は傾くことなく保持される。これにより、その収納領域の最奥部で第1のカード1が電極部以外の箇所で接点31aと当接し、接点31aが変形するのを防止する。したがって、接点31aの塑性変形により第1のカード1と接点31aとの電気的接続が不安定になることを防止する。
その収納領域の最奥部まで挿入された第1のカード1は、排出ユニット4により排出方向に少し戻り、排出ユニット4がロック状態になることで、電極部と接点32aとが当接した状態で保持され、再度、挿入方向に押圧されると、排出ユニット4のロックが解除され、排出される。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について、図1および図17ないし図20を用いて説明する。図17は、本実施形態のカード用コネクタの構造を示す分解斜視図である。図18は、下ハウジング72を示す図である。図19は上ハウジング71を示す図である。図20は可動弾性部材73を示す図である。
本実施形態のカード用コネクタは、第1実施形態のカード用コネクタにおける排出ユニット4が取り除かれ、排出ユニット4に設けていた第1の当接部41bの機能と第2の当接部44aの機能を、収納ユニット3に設けたもので、外観は第1実施形態と同様に図1のようであり、構成は以下の通りである。
本実施形態のカード用コネクタは、図17のように、カードを収納し、保持するとともに、取り付けられた電子機器(デジタルカメラなど)とカードとの間でデータの読み書きを可能とする収納ユニット7と、挿入されたカードを識別し、装着位置を切り換える識別ユニット8と、から構成される。
収納ユニット7は、第1のカード1の電極部と接続可能な接点71aを有する上ハウジング71と、第2のカード2の電極部と接続可能な接点72aを有する下ハウジング72とからなり、第1のカード1の収納領域と第2のカード2の収納領域とを合わせたカード収納領域を有するハウジング70と、カードの厚さ方向に移動可能な可動弾性部材(金属板)73と、前記カード収納領域上を覆うカバー74と、からなる。
識別ユニット8は、第1実施形態における識別ユニット5と同様に、第1の仕切板81と第2の仕切板82とそれらを繋ぎ合わせる第3の仕切板83とからなる仕切板80と、第1の仕切板81と下ハウジング72とに係合する第1のレバー84と、第2の仕切板82と下ハウジング72とに係合する第2のレバー85とからなる。
次に、各構成部品について説明するが、上ハウジング71、可動弾性部材73、カバー74および識別ユニット8は、形状および機能が第1実施形態の上ハウジング31、可動弾性部材44、カバー33および識別ユニット5と同じであることから、詳細な説明は割愛する。
ただし、以下で部品や構造を説明する上で必要となる部位については、第1実施形態と同一の機能を有する部位については部位名を第1実施形態と同一とし、符号は別符号を付与して用いる。
下ハウジング72は、図18のように、外形は第1実施形態における下ハウジング32と同様に、合成樹脂材で概略枡形状に成形されている。詳細な部位の説明は割愛し、上ハウジング31と異なる点のみ説明する。
下ハウジング72は、カード挿入口72bから見てカードの挿入方向の奥中央部付近に、第1のカード1の挿入方向側先端付近と当接する第1の当接部72dを有する。第1の当接部72dは、内底面から略壁状に2箇所突出して形成され、第1のカード1の電極部が図19に示す上ハウジング71の複数の接点71aと電気的に接続する位置で第1のカード1と当接するように配置されている。また、カード挿入口72bから見てカードの挿入方向の左奥には可動弾性部材73を係止する可動弾性部材取付部72eが形成されている。
次に、本実施形態のカード用コネクタの構造について説明する。ただし、第1実施形態と配置構成が異なる可動弾性部材73についてのみ説明し、その他の部品は取り付け位置や方法が第1実施形態と同じ事から説明を割愛する。
可動弾性部材73は、図20のように、第2の当接部73a、係合部73bおよび補強部73cが形成された当接端73dが移動可能に、第2のカード2の電極部が接点72aと電気的に接続する位置で第2のカード2と当接するように可動弾性部材取付部72eに係止端73eが係止される。これにより、第2の当接部44aは、第1のカード1の収納領域内に配置されるとともに、第1の当接部41bよりも挿入口側に配置される。
次に、カードの識別方法とカードとの当接位置の切り替え動作についてだが、本実施形態のカード用コネクタは、第1実施形態のカード用コネクタにおける排出ユニット4が取り除かれ、排出ユニット4が有していた第1の当接部41bの機能と第2の当接部44aの機能を、収納ユニット3に設けた以外は第1実施形態と同一構造のため、カードの識別方法とカードとの当接位置の切り替え動作については、第1実施形態と同様に行なわれるため、説明は割愛する。
このように、第1実施形態および第2実施形態のカード用コネクタは、長さ寸法、幅寸法、厚さ寸法が近似したカードに対応するために、それぞれのカードに対応する接点を天面と底面に分けて配置しているものの、カードの外観寸法に対して長さ方向、幅方向、長さ方向で極端に大きくなる機構は用いていないため、複数種類のカードに対応できて、小型のカード用コネクタを提供することが可能となる。
また、長さの違うカードを挿入した場合でも、カード用コネクタへの挿入長さを調整することとで、外部に突出したカードの長さを統一することができる。これにより、どのカードが挿入されても、本実施形態のカード用コネクタを搭載した電子機器についているカード挿入口を塞ぐためのコネクタ用カバー(蓋)で、突出したカードの端部を保持しカードの抜け落ちを防ぐことができる。したがって、カード用コネクタからカードの抜け落ち防止機構を省くことができ、カード用コネクタの小型化、薄型化に効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
(1)上記実施形態では、生産性やコストを考慮し、第1実施形態のカード用コネクタと第2実施形態のカード用コネクタとの部品や金型を兼用としたため、外形寸法を第1実施形態と第2実施形態とで同じとしたが、排出機構を取り除いた分、さらに小型するなどしても良い。
(2)上記実施形態では、第1のカードおよび第2のカードの2種類のカードを収納可能に対応したカード用コネクタとして説明したが、これら2種類のカードに加えて他の種類のカードも収納可能にしたカード用コネクタとしても良い。この場合、追加されるカードの形状に対応しての当接部およびカードの電極部に対応しての接点を適宜追加配置することで3種類以上のカードに対応したカード用コネクタを提供できる。
1 第1のカード
2 第2のカード
3 収納ユニット
30 ハウジング
31 上ハウジング
31a 接点
32 下ハウジング
32a 接点
32b カード挿入口
32c ガイドレール
32d 収納部
32e 支持部
33 カバー
4 排出ユニット
41 スライダ
41a カム溝
41b 第1の当接部
42c 腕部
42 付勢バネ(付勢部材)
43 ロックピン(ロック部材)
44 可動弾性部材(金属板)
44a 第2の当接部
44b 係合部
44c 補強部
44d 当接端
44e 係止端
5 識別ユニット
50 仕切板
51 第1の仕切板
51a 第1の押圧部
51b 第1の連結部
52 第2の仕切板
52a 第2の押圧部
52b 第2の連結部
52c リブ部
53 第3の仕切板
54 第1のレバー
55 第2のレバー
7 収納ユニット
70 ハウジング
71 上ハウジング
72 下ハウジング
72a 接点
72b カード挿入口
72c ガイドレール
72d 第1の当接部
72e 可動弾性部材取付部
73 可動弾性部材(金属板)
73a 第2の当接部
73b 係合部
73c 補強部
73d 当接端
73e 係止端
74 カバー
8 識別ユニット
80 仕切板
81 第1の仕切板
81a 第1の押圧部
81b 第1の連結部
82 第2の仕切板
82a 第2の押圧部
82b 第2の連結部
83 第3の仕切板
84 第1のレバー
85 第2のレバー

Claims (9)

  1. 形状の異なる複数種類のカードのいずれかを選択的に収納可能なカード収納領域が形成され、前記カードに設けられた電極部との接続が可能な接点部と、前記複数種類のカードのうちの1種類である第1のカードの挿入方向の前側部と当接する第1の当接部と、前記複数種類のカードのうちの1種類で前記第1のカードより挿入方向の長さが短い第2のカードの挿入方向の前側部と当接し、前記第1のカードの収納領域内に配置されている第2の当接部と、が設けられたハウジングを有し、
    前記第1のカードの挿入にともなって、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動し、前記第1のカードと前記第1の当接部とが当接可能となることを特徴とするカード用コネクタ。
  2. 形状の異なる複数種類のカードのいずれかを選択的に収納可能なカード収納領域が形成され、前記カードに設けられた電極部との接続が可能な接点部と、が設けられたハウジングと、
    前記複数種類のカードのうちの1種類である第1のカードの挿入方向の前側部と当接する第1の当接部と、前記複数種類のカードのうちの1種類で前記第1のカードより挿入方向の長さが短い第2のカードの挿入方向の前側部と当接し、前記第1のカードの収納領域内に配置されている第2の当接部とを備え、挿入された前記カードと共に挿入方向および排出方向に移動可能なスライダと、
    前記スライダを排出方向に付勢する付勢部材と、
    カム溝が形成されたカム部材と前記カム溝内を摺動するロック部材とからなり、前記接点部と前記電極部とが電気的に接続する位置に前記スライダを前記付勢部材の付勢力に抗して保持するロック機構と、を有し、
    前記第1のカードの挿入にともなって、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動し、前記第1のカードと前記第1の当接部とが当接可能となることを特徴とするカード用コネクタ。
  3. 前記カードの厚さ方向に移動可能に配置され、前記複数種類のカードの挿着位置を切り換える仕切板を有し、
    前記第1のカードの挿入にともなって、前記仕切板が前記カードの厚さ方向に移動するとき、前記仕切板の移動により、前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード用コネクタ。
  4. 前記第2の当接部は、弾性を有する金属板から形成され、弾性により前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード用コネクタ。
  5. 前記金属板には、前記第2の当接部を支持する補強部とともに、前記複数種類のカードの挿入方向で奥方に位置する前記ハウジングの壁と当接可能な係合部とが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のカード用コネクタ。
  6. 前記第2の当接部は、弾性を有する金属板から形成され、弾性により前記第2の当接部が前記カードの厚さ方向に移動することを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
  7. 前記金属板には、前記第2の当接部を支持する補強部とともに、前記複数種類のカードの挿入方向で奥方に位置する前記ハウジングの壁と当接可能な係合部とが形成されていることを特徴とする請求項6に記載のカード用コネクタ。
  8. 前記仕切板は、前記カードの厚さ方向に移動するときに、前記金属板と当接し、前記第2の当接部を前記カードの厚さ方向に移動させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のカード用コネクタ。
  9. 前記金属板は、前記仕切板の動きに連動して前記カードの厚さ方向へ移動したとき、挿入された前記第1のカードによって更に前記カードの厚さ方向へ移動させられ、前記仕切板とは接触しない位置となることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のカード用コネクタ。
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