JP2012122138A - 向上した防食性を有するマグネシウム部品 - Google Patents

向上した防食性を有するマグネシウム部品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、向上した防食性を有するマグネシウム部品に関する。
【解決手段】この部品は、Xが元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、Yが元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金が塗布されたものである。塗膜は、陰極線アトマイゼーションのような物理蒸着法により作製される。
【選択図】なし

Description

本発明は、向上した防食性を有するマグネシウム部品に関する。
各種製品のエネルギー効率に関して出されている要求が増大するなかで、軽量材料の作製は新製品の開発にさらに大きな役割を果たしている。この点で、マグネシウム合金は、強度/密度比が有利なので、既に比較的長い期間使用されてきた。しかしながら、マグネシウム合金の使用に対する最大の障壁は、保護されていない表面の耐食性が欠けたままであることである。このため、この材料群は自動車産業や飛行機旅行における特殊な使用分野から未だに除外されている。
水分の非存在下では、マグネシウムは大気中の酸素と反応して酸化マグネシウム(MgO)を生成し、この物質は、材料表面に極めて薄い灰色の層を形成する。酸化マグネシウムは素地であるマグネシウム基材よりモル容積が小さいので、多孔層を形成する。いわゆるピリング−ベトワース比は、層形成性酸化物のモル容積と基材のモル容積との比を表し、マグネシウムの場合には0.84である。したがって、酸化マグネシウムは材料を保護することができず、例えばアルミニウム材料上に生成する、ピリング−ベトワース比1.38の酸化アルミニウムも材料を保護することができない。
マグネシウム部品の腐食挙動は大気の湿度に依存するだけでなく、大気の化学組成にも依存する。様々なマグネシウム材料は、腐食の形態として面積状攻撃や穴状攻撃を示す。マグネシウム材料の典型的な腐食度は、0.5〜50mm/年である。
マグネシウム部品は通常、当該部品に保護層を適用することにより腐食から保護される。保護層は、普通次の種類に分けられる:(a)化成層、(b)電気化学保護層、(c)非金属保護層、(d)物理変化表面。
化成層は、クロム酸を含有する水溶液中での処理により生成する。最近では、RoHSに準拠した変換層が電気産業、電子産業、自動車産業にも提供されてきた。これらの層は、Cr6+を含有する代わりに、Cr3+だけを含有するか、またはクロムを含有しないことさえある。クロム酸処理層は極めて薄く、質量に変化を起こさないか、またはわずかな変化しか起こさない。用途により、透明または黄色のクロム酸処理層が用いられる。耐磨耗性が低いので、化成層は機械的摩耗からの保護を与えない。
マグネシウム部品に腐食保護をもたらすいっそうの可能性のある方法は、例えば陽極処理またはプラズマ電解酸化により、電気化学層を形成することである。マグネシウムの陽極処理には複数の方法、例えば、a)HAE法、b)マゴキシド−コート法、より最近ではc)アノマグ法、が利用できる。HAE法は、交流を用いたフッ化物陽極処理または流電陽極処理と考えられる。HAE層は、マグネシウム、アルミニウムおよびマンガンといった元素のスピネル、すなわち、二価および三価の金属イオンの混合酸化物、からなり、陽極変換層に分類される。脆弱層は、ほぼ半分は材料中に、半分は外部に形成される。HAE層は、摩耗からの保護と腐食からの保護用に適用され、塗料の下塗りの役もする。
マグネシウムの亜鉛メッキは、例えば、鋼鉄や黄銅上への金属被覆の付着よりはるかに困難である。これらの材料に慣用されている浴は、マグネシウム合金には適していない。このような浴におけるマグネシウムの化学的活性は、ゆるく粘着が弱い層の自発的無電解めっきをもたらす。
有機塗料に基づく被覆の作用形態は主として、腐食促進化合物である水と酸素が金属表面に近づくのを防ぐことからなる。この通過防止は、塗料の層の耐拡散性と、水分の作用下の基材への層の粘着―これは濡れ膜粘着として知られている―とにより決まる。エポキシ樹脂はマグネシウム部品に最良の防食を与えるといわれており、エポキシ−ポリエステルハイブリッド樹脂やポリエステル樹脂がこれに次ぐ。
有機被覆されたマグネシウム部品は糸状腐食に敏感であり、アルミニウム部品より糸状腐食に感じやすい。
欠陥が存在すると、金属塗膜およびその他の導電性塗膜は接触腐食を引起す可能性がある。
欧州特許出願公開第1826811A1号明細書
したがって、本発明の目的は、向上した防食性を持つマグネシウム部品であって、欠陥が存在しても接触腐食が起きないマグネシウム部品を提供することにある。本発明のさらなる目的は、0.01mm/年未満の腐食度を示すマグネシウム部品を提供することである。
上記の目的は、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金であって、Xが元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、Yは元素周期律表の第III族または第IV主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、当該合金が塗布されたマグネシウム部品により達成される。
Mg−X合金とMg−X−Y合金は、さらなる元素Z等も含有することができる。しかしながら、これらのさらなる元素は、好ましくは5原子%未満、より好ましくは1原子%未満、特に好ましくは0.5原子%未満、最も好ましくは0.1原子%未満、の少量で塗膜のマグネシウム合金中に存在するに過ぎない。
定義
本発明にしたがうと、“マグネシウム部品”という用語は、マグネシウム金属またはマグネシウム合金から製造されるいかなる部品をも意味する。これらは、自動車、航空機、船舶、機械等用の部品と思われるが、骨インプラント等のような医療用インプラントのこともある。マグネシウム部品のマグネシウム合金は、いかなる量(例えば1〜100原子%)のマグネシウムも含有することができる。マグネシウム部品のマグネシウム合金は、少なくとも50原子%、特に好ましくは、少なくとも70原子%のマグネシウムを含有するのが好ましい。マグネシウム合金は、元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素も含有するのが好ましいが、必要ではない。一例として、マグネシウム部品はAZ31、AZ91、AE42、ZM21、ZK31またはZE41合金、またはその他の慣用のマグネシウム合金から製造できる。
“ガラス質の”、“ガラス質合金”または“金属ガラス”という用語は、産業界では普通であり、アモルファス合金を意味する。このアモルファス合金は、結晶構造を生成せず、材料が溶融物中の原子と同様に、周期性のない、すなわち、長範囲の規則度のない、配列状態のままであるという事実により区別される。これらの合金はアモルファスとして表されるが、それにも拘らず、空間配列的にも化学的にも顕著な短範囲の規則度を常に有する。
“元素周期律表の第III族主族の元素”は、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)といった元素からなる。“元素周期律表の第IV族主族の元素”は、炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)からなる。“元素周期律表の第III族の遷移元素”は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、アクチニウム(Ac)からなる。“元素周期律表の第IV族の遷移元素”は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)からなる。“希土類元素”は、ランタノイド系列の元素とアクチニド系列の元素からなる。本願において、集合名“ランタノイド”は、ランタンに続く14種の元素、すなわち、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yt)、ルテチウム(Lu)、を意味すると解されたい。これらは、混合金属の形態で存在することが多い。本発明において、“希土類元素”は希土類元素またはランタノイドの混合金属からもなる。これは、そのような混合金属が“元素”XまたはYと解釈できることを意味する。
本発明によれば、欠陥が存在しても接触腐食が起きないマグネシウム部品を提供することができる。また、0.01mm/年未満の腐食度を示すマグネシウム部品を提供することができる。
本発明の第1の実施例に係る、マグネシウム/アルミニウム塗膜を形成した部品における、塗膜のアルミニウム濃度(重量%)に応じた腐食度mm/年と自然腐食電位mVを示すグラフである。 本発明の第3の実施例に係る、二元系マグネシウム−ガドリニウム塗膜を形成した部品における、塗膜のガドリニウム濃度(原子%)に応じた腐食度(mm/年)を示すグラフである。 本発明の第5の実施例に係る、二元系マグネシウム−ランタン塗膜を形成した部品における、塗膜のランタン濃度(原子%)に応じた腐食度(mm/年)を示すグラフである。
本発明は、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金であって、Xが元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、Yは元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、当該合金が塗布されたマグネシウム部品に関する。当該部品は、特に好ましくはXがAl、Gd、Laおよびランタノイドの群の混合金属からなる群から選ばれる、二元系Mg−X合金が塗布されていることが好ましい。または、当該部品は、特に好ましくはXがAl、Gd、Laおよびランタノイドの群の混合金属からなる群から選ばれ、特に好ましくはYがB、SiおよびZrからなる群から選ばれるか、またはAl、Gd、Laからなる群からのさらなる元素である、三元系Mg−X−Y合金が塗布されていることができる。
二元系合金Mg−Xにおける好ましい原子比は、Mgが90−50:Xが50−10、好ましくはMgが80−50:Xが50−20、特に好ましくはMgが75−60:Xが25−40であり、三元系合金Mg−X−Yにおける好ましい原子比は、Mgが90−50:Xが50−10:Yが25−0、好ましくはMgが80−50:Xが50−20:Yが25−0、特に好ましくはMgが75−60:Xが25−40:Yが10−5である。製造された層の腐食特性は、部品のMg−XまたはMg−X−Yの含量が熱力学平衡における状態線図にしたがい生成される金属間相の含量にほぼ相当する場合、特に低い腐食度を示す。
第1の実施態様によると、部品は、XがAlである二元系Mg−X合金が塗布されている。異種金属接触腐食が起こる可能性があるので、塗膜の電位は基材の電位より低い必要がある。アルミニウム含量が0〜50原子%の範囲内である場合、この必要がある。Alが約35〜50原子%、好ましくは約36〜45原子%、特に好ましくは約40〜42原子%の範囲であると、良好なパッシベーション(表面安定化処理)が達成される。この範囲内では、同様に層が極めて低い腐食度、最小限で約5μm/年、を示す。
当該合金にさらなる元素が添加されて、Yが元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、Mg−X−Y合金を形成すると、さらなる最適化が達成される。Yは好ましくはZrおよびLaからなる群から選ばれる。Y含量は好ましくは0〜25原子%、好ましくは1〜10原子%である。
第2の実施態様によると、部品は、XがGdである二元系Mg−X合金が塗布されている。Gd含量は好ましくは10〜50原子%である。当該合金にさらなる元素が添加されて、Yが元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、Mg−X−Y合金を形成すると、さらなる最適化が達成される。Yは好ましくはB、Si、ZrおよびAlからなる群から選ばれる。Y含量は好ましくは0〜25原子%、好ましくは1〜10原子%である。
第3の実施態様によると、部品は、XがLaである二元系Mg−X合金が塗布されている。La含量は好ましくは10〜50原子%である。当該合金にさらなる元素が添加されて、Yが元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である、Mg−X−Y合金を形成すると、さらなる最適化が達成される。Yは好ましくはB、Si、ZrおよびAlからなる群から選ばれる。Y含量は好ましくは0〜25原子%、好ましくは1〜10原子%である。
本発明に係る塗膜は、物理蒸着法、好ましくは陰極線アトマイゼーション(スパッタリング)、により製造できる。基材に塗布を施す陰極線アトマイゼーション法(スパッタリング法)では、プラズマによりイオン、好ましくはアルゴンイオンのような貴ガスイオン、が真空室内で生成され、陰極の方向に加速されて、アトマイズされる材料、すなわち塗布材料(ターゲット)、に対し衝突させられる。このような方法は一般的に知られている。このような方法は、例えば特許文献1に記載されており、本明細書中でも参照されている。ターゲットの下に磁石が嵌められているのが好ましい(マグネトロンアトマイゼーション、マグネトロンスパッタリング)。これには、合金の偏析が起こらないという利点がある。
部品の表面上に二元系Mg−X合金を作製するには2種の塗布材料の組合せを用いるのが好ましい。本願においては、“組合せ”という用語は、それぞれ異なった陰極線によりアトマイズされる少なくとも2種の別々の塗布材料(ターゲット)の組合せを意味する。したがって、一例として、第1の塗布材料としてのマグネシウムと少なくとも1種の第2の塗布材料との組合せであって、第2の塗布材料(X)が元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、Yは元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である組合せ、を用いるのが好ましい。第1および第2の塗布材料は、それぞれ異なった発生器により生成される陰極線によりアトマイズされるのが好ましい。
部品の表面上に三元系Mg−X−Y合金を作製することについても、同様のことが言える。この目的のため、第1の塗布材料としてのマグネシウムと、第2の塗布材料(X)と、第3の塗布材料(Y)との組合せであって、Xは上述のとおりであり、Yは元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素である組合せ、を用いるのが好ましい。合金作製のためには、ガラス質の二元系または三元系またはより複雑な合金層に相当する組成を持つ合金ターゲット、または様々な組成の複数の合金ターゲットであって、所望の層組成物を基材上に提供するだけの合金ターゲット、も同等に用いることができる。
陰極線アトマイゼーションの前に、試料を装置内で好ましくは10-7ミリバール未満のベース圧力で高真空下に置く。必要とされるスパッタリングガスは好ましくはアルゴンであり、好ましいスパッタリングガス圧力は0.0001〜1ミリバールである。次に材料を好ましくは5〜50eV、特に5〜10eVの運動エネルギーを持つArイオンでターゲットから除去する(陰極線アトマイゼーション)。
本発明に係る方法は、約106K/sより高い領域の高クエンチ速度を達成することが出来る。本発明において好ましい、約106K/sより高いクエンチ速度を設定する際、本発明に係るガラス質合金が好ましくは10nm未満の領域の結晶粒度(透過型電子顕微鏡により測定)を持って形成され、長範囲規則度は同定されない。このような微細構造は、従来の塗布方法では作製できない。
塗膜の好ましい層厚さは約5nm〜500μm、特に好ましくは1〜10μmである。
本発明に係るマグネシウム部品は、0.01mm/年未満の低い腐食度を示す。さらに、このマグネシウム部品はカソード防食を示す。
本発明を以下の実施例に基づき説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
2種の異なったターゲット、具体的にはMgターゲットとAlターゲット、を異なったエネルギーの陰極線でスパッタリングすることにより、ケイ素およびAZ31合金上に異なったMg:Al比を持つ各種マグネシウム/アルミニウム塗膜を形成した。膜厚は約3μm、事前の真空は約10-7ミリバール、スパッタリングガスはアルゴンで0.2Paのガス圧力で用いた。
図1は、塗膜のアルミニウム濃度(重量%)に応じた腐食度(実線)mm/年と自然腐食電位(破線)mVを示す。塗膜の腐食電位は0〜50重量%の範囲内において基材(AZ31)の電位より低いので、異種金属接触腐食の危険性を低下させる。Alが40〜50原子%の範囲内では、良好なパッシベーションが達成されている。この範囲内では、層は同様にきわめて低い腐食度を示し、約5μm/年の最低限である。
以下の表1は、合金の様々な特性を概述したものである:
Figure 2012122138
当該合金にさらなる元素が添加されてMg−Al−Y合金を形成すると、腐食特性がさらに最適化できる。本願において、腐食度を様々なランタン含量で検討した:
Figure 2012122138
実施例1のように、様々なMg:Gd比を持つ二元系マグネシウム−ガドリニウム塗膜を作製した。
図2は、塗膜のガドリニウム濃度(原子%)に応じた腐食度(mm/年)を示す。
Mg−Al系におけるように、塗膜の微細構造がナノクリスタル/アモルファスになるとすぐに、Mg−Gd系での腐食度も顕著に低下する。
Mg−Gd系においても、第3の元素を添加すると、以下の表に示すように腐食をさらに低下できる:
Figure 2012122138
実施例1および3のように、様々なMg:La比を持つ二元系マグネシウム−ランタン塗膜を作製した。
図3は、塗膜のランタン濃度(原子%)に応じた腐食度(mm/年)を示す。
ランタンではガドリニウムより良好な結果を得ることができる。ガラス質状態においても特に低い腐食度となる。

Claims (11)

  1. マグネシウム金属またはマグネシウム合金から作られた部品において、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金であって、Xが元素周期律表の第III族主族の元素、第III族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、Yが元素周期律表の第III族または第IV族主族の元素、第III族または第IV族の遷移元素、または希土類元素からなる群から選ばれた元素であり、二元系Mg−X合金における原子比Mg:Xが75:25〜60:40であり、三元系Mg−X−Y合金における原子比Mg:X:Yが75:25:10〜60:40:5である、当該合金が塗布された部品。
  2. 請求項1に係る部品において、XがAl、Gd、Laおよびランタノイドの群の混合金属からなる群から選ばれた、ガラス質の二元系Mg−X合金が塗布された部品。
  3. 請求項1に係る部品において、XがAl、Gd、Laおよびランタノイドの群の混合金属からなる群から選ばれ、YがB、SiおよびZrからなる群から選ばれるか、またはAl、Gd、Laからなる群に属するさらなる元素である、ガラス質の三元系Mg−X−Y合金が塗布された部品。
  4. 前項の請求項のいずれか一項に係る部品において、塗膜の層厚さは5nm〜500μmである部品。
  5. 前項の請求項のいずれか一項に係る部品において、70原子%より多量のマグネシウムを含有するマグネシウム合金から作られた部品。
  6. 請求項5に係る部品において、前記マグネシウム合金がAZ31合金である部品。
  7. マグネシウム金属またはマグネシウム合金から作られた部品上に、物理蒸着法によりガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金からなる塗膜を作製する方法において、XとYは請求項1に定義したとおりである方法。
  8. 請求項7に係る方法において、前記物理蒸着法として陰極線アトマイゼーション法(スパッタリング法)が用いられることを特徴とする方法。
  9. 請求項8に係る方法において、前記スパッタリング法はマグネトロンスパッタリング法であることを特徴とする方法。
  10. 請求項8および請求項9のいずれか一項に係る方法において、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金からなる前記塗膜が前記部品の数に応じた元素ターゲットを用いた複合法により作製され、それぞれの発生器の電力は所望の有利な組成が得られるように制御されることを特徴とする方法。
  11. 請求項8および請求項9のいずれか一項に係る方法において、ガラス質の二元系Mg−X合金またはガラス質の三元系Mg−X−Y合金からなる前記塗膜が1種以上の合金ターゲットを用いて作製されることを特徴とする方法。
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