実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、画像表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。画像表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、画像表示装置9とは別に、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1特別図柄に対応した第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2特別図柄に対応した第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器とを備えるようにしてもよい。この場合、第1飾り図柄表示器および第2飾り図柄表示器は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御され、例えば、2つのLEDや7セグメントのLEDによって構成される。
遊技盤6における画像表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における画像表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)である。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させる。しかし、いずれかの始動入賞口への入賞を優先させてもよい。例えば、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行するようにしてもよい。
画像表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、画像表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、画像表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。なお、図1に示す例では、左中右の各飾り図柄が、上下方向に移動表示(左中右のそれぞれの列において中央に表示される飾り図柄が変化するような表示)される。
画像表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は画像表示装置9の直下に設けられているが、画像表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、画像表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合計保留記憶数)を表示する領域(以下、合計保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合計保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合計保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、または、開放回数が増加される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、画像表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、画像表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合計保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する画像表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して、操作ボタン120からの検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、描画プロセッサ(VDP:ビデオディスプレイプロセッサ)109に画像表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して画像表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを画像表示装置9に出力する。
VDP109は、演出制御用CPU101の指示に従って、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。CGROMは、画像表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。VDP109は、演出制御用CPU101の指示に従って、CGROMから読み出したデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図4は、VDP109の回路構成を示すブロック図である。図4には、CPU(演出制御用CPU)101、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM112、およびワークメモリとして使用されるRAM113も示されている。
画像表示装置6の表示制御を実行する際に、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに応じた指令をVDP109に与える。VDP109は、指令に応じてCGROM83等から必要なデータを読み出す。CGROM83は、例えば、画像表示装置6に表示される飾り図柄や、キャラクタ(人物、動物)、文字、図形もしくは記号等からなる画像データ(動画像データや静止画像データ)を格納している。なお、CGROM83は、実写による動画像データや静止画像データを格納していてもよい。VDP109は、入力したデータに従って画像表示装置9に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を画像表示装置9に出力する。画像表示装置9は、表示素子を駆動するドライバ回路を内蔵し、例えば、多数の画素(ピクセル)を駆動するドットマトリクス方式による画面表示を行う。
VRAM84とフレームバッファ85とは、具体的には、SDRAMを用いて実現される。なお、この実施の形態では、VRAM84とフレームバッファ85とを別々に構成する場合を示しているが、VRAM84とフレームバッファ85とを共通のSDRAMを用いて実現してもよい。この場合、SDRAMには、フレームバッファの領域と、VRAMの領域とが設けられる。
VDP109は、描画制御部91(描画回路)と、画像表示装置9に信号を出力するための表示信号制御部87(表示回路)と、動画復号処理を行う動画伸張部89と、画像データの転送を行うデータ転送回路94とを含む。描画制御部91は、VRAMアドレス生成部等を含む。
また、VDP109の内部には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設けられており、データ転送回路94および動画伸張部89は、CGバスI/F98を介してCGROM83から画像データを読み出す。また、VDP109の内部には、CPUI/F92も設けられ、演出制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、演出制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。描画制御レジスタ95には、描画制御部91に対する演出制御用CPU101からの指令等が格納される。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示は、第1始動入賞口13に進入した遊技球が第1始動口スイッチ13aで検出されたことなどによって第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したことなどによって開始条件が成立したことにもとづいて開始される。第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14に進入した遊技球が第2始動口スイッチ14aで検出されたことなどによって第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したことなどによって開始条件が成立したことにもとづいて開始される。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示では、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特別図柄の可変表示での可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特別図柄の可変表示での可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字が大当り図柄であり、「5」を示す数字が小当り図柄であり、「−」を示す記号がはずれ図柄である。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間である所定期間(例えば29秒間)、または所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまで大入賞口を開放状態に制御され、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。ラウンド中に大入賞口を開放状態にした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止めつ。その後に大入賞口を閉鎖状態にして、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)である。ラウンドの実行回数が「15」である15ラウンド大当り状態における遊技を15回開放遊技ともいう。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板によって大入賞口を開放状態にする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)である。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)である。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態にする期間が第2期間になることと、ラウンドの実行回数が第2回数になることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技を、2回開放遊技ともいう。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態に戻すようにしてもよい。
また、15ラウンド大当り図柄である「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態および小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。「3」の数字を示す特別図柄のように、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄である「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに確変状態(高確率遊技状態)に制御される。以下、2ラウンド大当りを、突然確変(突確)大当りということがある。
確変状態では、各特別図柄の可変表示や飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となってさらに大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。確変状態は、特別図柄の可変表示の実行回数に関わりなく、次に可変表示結果が「大当り」になるまで継続してもよい。また、確変状態になった後に、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するようにしてもよい。「7」の数字を示す特別図柄のように、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄を、確変大当り図柄という。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、、第2回数に達するまで、特別可変入賞球装置20における開閉板によって大入賞口を第2期間に亘って開放する動作が繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態にする期間が第2期間であることと、大入賞口を開放状態にする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示における普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普通図柄の可変表示で普通図柄の可変表示結果が「普通図柄当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普通図柄当り」となったことにもとづく可変入賞球装置15の開放時間を通常状態のときよりも長くする制御、開放回数を通常状態のときよりも増加させる制御等、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくする制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、各制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、または、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリアなど)ではあらかじめ定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、または、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態になったことに対応して、画像表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。キャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(または単にリーチ演出)という。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、遅延時間を設ける処理を実行する。すなわち、RAM55の所定領域に遅延時間に相当する値(遅延時間値)をセットし(ステップS5A)、遅延時間値を−1する(ステップS5B)。遅延時間値が0になったらステップS6に移行する(ステップS5C)。遅延時間値が0になっていない場合には、ステップS5Bに戻る。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電力供給が開始されたときに、飾り図柄の画像データをVRAM84に展開する処理を実行する。遅延時間を設ける処理は、CPU56が遊技制御処理を実行する状態になる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100が飾り図柄の画像データをVRAM84に展開するための処理を完了させるために実行される。なお、遅延時間は、電力供給が開始されたときに演出制御用マイクロコンピュータ100の指令に応じてVDP109がCGROM83に記憶されている第2データ(例えば、飾り図柄の画像データ)をVRAM84に展開する処理を開始してから完了するまでの時間以上に設定される。遅延時間が経過するまで遊技制御用マイクロコンピュータ560はサブ基板にコマンドを送信することはないので、遅延時間を設ける処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がコマンドを送信可能になる時期を、第2データがVRAM84に転送される処理が終了するとき以降に遅延させるための遅延処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S44の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、表示結果特定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、変動パターンコマンドは、電力供給が停止したときに特別図柄および飾り図柄の可変表示が行われていたときにのみ送信される。
また、表示結果特定コマンドとして複数種類のコマンドがあるが、ステップS44の処理では、RAM55に保存されていた表示結果特定コマンド(電力供給が停止した時点において最後に送信した表示結果特定コマンド)を示すデータにもとづくコマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドには合算保留記憶数を示すデータが含まれるが、ステップS44の処理では、RAM55に保存されていた合算保留記憶数を示すデータを含む合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、変動パターンコマンドとして、RAM55に保存されていた変動パターンコマンド(電力供給が停止した時点において最後に送信した変動パターンコマンド)を示すデータにもとづくコマンドを送信する。
この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS10)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS11)。
ステップS10およびS11の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS12)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、画像表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
ステップS14では、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数およびリーチするか否か決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(乱数を発生するためのカウンタの取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS21〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS21)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS23)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(4)ランダム5:大当りとしない場合にリーチするか否か決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム6:遊技状態(確変状態/通常状態)を決定する(遊技状態決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数、および(5)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとカウントスイッチ23とのうちのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルは、ROM54に格納されている。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A))と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B))とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、有効始動入賞が生じたときに、ランダムRを生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とし、特別図柄の変動を開始するときに、大当り判定用乱数値が図8に示す大当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当たりとすることに決定する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときにも第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときにも同じ確率で通常大当り/確変大当り/突確大当りの振り分けがなされるが、すなわち、第1特別図柄の変動が行われるときにも第2特別図柄の変動が行われるときにも同じ確率で通常大当り/確変大当り/突確大当りの振り分けがなされるが、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときと第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときとで、例えば、確変大当り/突確大当りの振り分けを変えるようにしてもよい。一例として、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには突確大当りになる確率を0にして、確変状態(第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が開放状態になりやすく、かつ、開放時間が長くなっている。)において突確大当りになりづらくして、遊技の興趣を低下させないようにしてもよい。
図9は、遊技状態決定テーブルを示す説明図である。遊技状態決定テーブルとは、ランダム6(遊技状態決定用乱数)と比較される判定値が、大当り種別毎に設定されているテーブルである。なお、図9には、判定値そのものではなく、判定値の数が記載されている。また、遊技状態決定テーブルは、ROM54に格納されている。CPU56は、有効始動入賞が生じたときに、遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を遊技状態決定用乱数値とし、特別図柄の変動を開始するときに、遊技状態決定用乱数値が大当り種別毎に対応した判定値と一致すると、その大当り種別を、大当りの種類として決定する。
図10は、変動パターンの一例を示す説明図である。図10(A)に示すスーパーリーチの変動パターンでは、変動開始時から5秒間飾り図柄は高速変動し、左図柄が停止した後に右図柄が停止してリーチになる(左右図柄が揃って停止する)と、スーパーリーチの演出が実行される。そして、変動開始時からの変動時間か経過すると左中右図柄が最終停止する。図10(B)に示すノーマルリーチの変動パターンでは、変動開始時から5秒間飾り図柄は高速変動し、左図柄が停止した後に右図柄が停止してリーチになる(左右図柄が揃って停止する)と、ノーマルリーチの演出が実行される。そして、変動開始時からの変動時間か経過すると左中右図柄が最終停止する。なお、スーパーリーチの変動パターンによって飾り図柄の変動が行われるときには、ノーマルリーチの変動パターンによって飾り図柄の変動が行われるときに比べて、高い割合で、または100%の割合で大当りになる。
図10(C)に示すはずれの変動パターンでは、変動開始時から5秒間飾り図柄は高速変動し、左図柄が停止した後に中図柄および右図柄が停止する。図10(D)に示す突確/小当り時の変動パターンでは、変動開始時から2秒間飾り図柄は高速変動し、左中右図柄が停止する。なお、突確/小当り時の変動パターンは、小当りにすることに決定されているとき、および突然確変大当りにすることに決定されているときに使用される。
図10(E)に示すはずれの変動パターンは、確変状態においてはずれに決定されたとき、および時短状態においてはずれに決定されたときに使用される変動パターンである。なお、図10(D)に示す突確/小当り時の変動パターンと変動時間は同じであるが、画像表示装置9において変動中に実行される表示演出が異なる。
図11は、この実施の形態で使用される変動パターンおよび変動時間を示す説明図である。スーパーリーチの変動パターンである変動パターン1は、大当りにすることに決定されているときにのみ使用される。スーパーリーチの変動パターンである変動パターン2は、大当りにすることに決定されているときに使用されるが、はずれにすることに決定されているときにも低い割合で使用される。ノーマルリーチの変動パターンである変動パターン3,4は、大当りにすることに決定されているときにもはずれにすることに決定されているときにも使用される。ノーマルリーチの変動パターンである変動パターン5は、はずれにすることに決定されているときにのみ使用される。変動パターン6〜8は、遊技状態が確変状態または時短状態であるときに使用される。変動パターン9は、図10(C)に示された変動パターンであり、変動パターン10は、図10(D)に示された変動パターンであり、変動パターン11は、図10(E)に示された変動パターンである。
図12は、リーチ判定テーブルを示す説明図である。リーチ判定テーブルとは、ランダム5(リーチ判定用乱数)と比較されるリーチ判定値が設定されているテーブルである。リーチ判定テーブルは、ROM54に格納されている。リーチ判定テーブルには、第1特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が3以下(4未満)の場合に用いられる判定テーブル(図12(A)参照)と、第1特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が4以上の場合に用いられる判定テーブル(図12(B)参照)と、第2特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が3以下(4未満)の場合に用いられる判定テーブル(図12(C)参照)と、第2特別図柄の変動開始時に合算保留記憶数が4以上の場合に用いられる判定テーブル(図12(D)参照)とがある。
CPU56は、有効始動入賞が生じたとき(特別図柄の変動開始時でもよい。)に、ランダム5を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値をリーチ判定用乱数値とし、特別図柄の変動開始時に、大当りにしないことに決定された場合には、リーチ判定用乱数値が図12に示すリーチ判定値に一致するとリーチすることに決定する。
図12に示すように、合算保留記憶数が多い場合には、リーチすることに決定される割合は低い。また、第1特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブル(図12(A),(B)参照)と第2特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブル(図12(C),(D)参照)とを比較すると、リーチ判定値の数が異なっている。具体的には、第2特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブルにおけるリーチ判定値の数の方が少ない。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が4以上か否かで、使用するリーチ判定テーブルを変えているが、「4」は一例であって、使用するリーチ判定テーブルを変えるための値として他の値を用いてもよい。また、使用するリーチ判定テーブルを変えるための値として、複数の値を用いてもよい。一例として、合算保留記憶数が4未満の場合に用いられるリーチ判定テーブルと、合算保留記憶数が4〜6の場合に用いられるリーチ判定テーブルと、合算保留記憶数が7以上の場合に用いられるリーチ判定テーブルとを用いるようにする。また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブルと第2特別図柄の変動開始時に用いられるリーチ判定テーブルとを別にしているが、それらを1つのテーブルに共通化してもよい。その場合には、第1特別図柄の変動時と第2特別図柄の変動時とで、大当りにしない場合に、リーチする/しないの割合は同じになる。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、例えば、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1演出図柄の可変表示を行う第1演出図柄表示器(画像表示装置9とは異なる表示手段)が設けられ、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第2演出図柄の可変表示を行う第2演出図柄表示器(画像表示装置9とは異なる表示手段)が設けられている場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100が、いずれの演出図柄表示器において演出図柄の変動を行えばよいのかを判定するために使用できる。
図14および図15は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図14(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図14(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間(変動時間)が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図15(A)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図15(B)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、停電復旧指定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。RAM55に形成されている演出図柄種類格納領域は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄種類格納領域に保存されていたデータにもとづいて表示結果特定コマンドを送信する。また、RAM55に形成されている合算保留記憶数カウンタの値は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保存されていた合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
なお、ステップS311では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、入力ポートから入力した入力データのうち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aに対応するビットがオン状態であるか否かを確認してもよい。また、例えば、スイッチ処理(ステップS21参照)において、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aが2回連続してオン状態となったことにもとづいてフラグをセットするようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS311において、そのフラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(ランダム2)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄を停止させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。そうでない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を閉状態にして大入賞口を閉成する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
なお、ステップS213〜218の処理とステップS223〜228の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図18(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図18(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図18(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびランダム2,5,6(図7参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、乱数回路503から読み出したランダムR(大当り判定用乱数)、およびソフトウェア乱数であるランダム2,5,7(図7参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図19は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図18に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図8(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS64に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
小当りとすることに決定された場合には(ステップS72)、小当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、ステップS75に移行する。小当りとしない場合には、CPU56は、そのままステップS75に移行する。
ステップS64では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数を読み出し(ステップS65)、遊技状態決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定する。確変大当りとすることに決定した場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS66,S67)。また、突然確変大当りとすることに決定した場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS68,S69)。
そして、特別図柄の停止図柄を示すデータをRAM55の所定領域に記憶し(ステップS75)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
この実施の形態では、特別図柄の停止図柄は、確変大当りにすることに決定されている場合には「7」であり、突然確変大当りにすることに決定されている場合には「1」であり、通常大当りにすることに決定されている場合には「3」であり、小当りにすることに決定されている場合には「5」である。はずれにすることに決定されている場合には「−」である。ステップS80の処理では、それらの停止図柄を示すデータがRAM55に記憶される。なお、停止図柄を、乱数を用いた抽選によって決定するようにしてもよい。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS81)。大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS91に移行する。大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、小当りにすることに決定されているとき(小当りフラグがセットされているとき)または突然確変大当りフラグがセットされているときには(ステップS82)、変動パターンを突確/小当り時の変動パターンに決定し(ステップS83)、ステップS105に移行する。小当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていないときには、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。
そして、変動パターンを決定する。具体的には、確変状態であることを示す確変フラグまたは時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、大当り時短縮変動パターンテーブルから、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS102,S103)。大当り時短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン6または変動パターン7(図11参照)を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン8を選択しない。確変フラグおよび時短フラグがセットされていない場合には、大当り時非短縮変動パターンテーブルから、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する(ステップS102,S104)。大当り時非短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン1〜4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン5を選択しない。
そして、CPU56は、ステップS100、ステップS103またはステップS104で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図13参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。なお、ステップS101〜S104の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。また、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いる場合には、ステップS103,S104の処理で、例えば、特別図柄ポインタが示す変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。
また、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図11参照)に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。なお、ステップS105の処理の前にステップS106の処理が実行されるように構成してもよい。すなわち、変動パターンコマンドを送信する前に、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)を送信するようにしてもよい。
ステップS91では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS92)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS93,S94)。
次いで、乱数バッファ領域からリーチ判定用乱数を読み出す(ステップS95)。そして、RAM55の所定の領域に保存されている合算保留記憶数カウンタの値(ステップS58の処理で減算される前の値)が所定値(この例では4)以上であるか否か確認し(ステップS96)、所定値以上であれば、特別図柄ポインタの値および合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上である場合に用いるリーチ判定テーブルにもとづいてリーチするか否か決定する(ステップS97)。また、所定値未満であれば、特別図柄ポインタの値および合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満である場合に用いるリーチ判定テーブルにもとづいてリーチするか否か決定する(ステップS98)。
ステップS97の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値であれば図12(B)に示されたリーチ判定テーブルを用い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値であれば図12(D)に示されたリーチ判定テーブルを用いる。また、ステップS98の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値であれば図12(A)に示されたリーチ判定テーブルを用い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値であれば図12(C)に示されたリーチ判定テーブルを用いる。
ステップS97の処理またはステップS98の処理でリーチすることに決定した場合には、ステップS101に移行する。リーチしないことに決定した場合には、CPU56は、変動パターンを、はずれ変動パターンとして図11に示す変動パターン9(確変フラグまおよび時短フラグがセットされていない場合)または変動パターン11(確変フラグまたは時短フラグがセットされている場合)に決定する(ステップS100)。そして、ステップS105に移行する。
なお、はずれにする場合でリーチするとき(ステップS99の判定で「Y」であるとき)には、CPU56は、ステップS103の処理で、はずれ時短縮変動パターンテーブルから、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する。はずれ時短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン6〜8(図11参照)を示すデータが判定値に対応して設定されている。また、ステップS104の処理で、はずれ時非短縮変動パターンテーブルから、変動パターン決定用乱数の値に一致する判定値に応じた変動パターンを選択する。はずれ時非短縮変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン2〜5を示すデータが判定値に対応して設定されている。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS108で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
図23は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。確変大当りフラグも突然確変大当りフラグもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
CPU56は、ステップS116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りがセットされていない場合には、ステップS138に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
ステップS138では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS140)。小当りフラグがセットされている場合には、小当り/突確開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS144)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS145)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグも突然確変大当りフラグもセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。
確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。確変大当りフラグも突然確変大当りフラグもセットされていない場合には、時短フラグをセットし(ステップS162)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS163)。
図27は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS171)、小当り/突確終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS172)。そして、小当り終了表示タイマに、画像表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
次に、画像表示装置9における飾り図柄の変動中の表示演出を説明する。図28は、画像表示装置9における表示演出の例を示す説明図である。なお、図28に示す例では、飾り図柄9a,9b,9cは、画面の右から左に移動するようにして変動する。以下、画像表示装置9の画面の上段で変動する飾り図柄を第1飾り図柄9a、画像表示装置9の画面の中段で変動する飾り図柄を第2飾り図柄9b、画像表示装置9の画面の下段で変動する飾り図柄を第3飾り図柄9cという。
図28(A)に示すように、画像表示装置9の画面には、背景画像9Fが表示されている。また、第1飾り図柄9a、第2飾り図柄9bおよび第3飾り図柄9cの変動に伴って、変動方向とは逆方向に移動するキャラクタ画像9Dが表示されている。または、変動方向とは逆方向に移動する背景の画像(キャラクタ画像9Dを含む。)が表示される。
なお、図28(A)に示す例では、画像表示装置9の画面におけるキャラクタ画像9D、飾り図柄(第1飾り図柄9a、第2飾り図柄9bおよび第3飾り図柄9c)および星印の表示部分以外の部分(背景部分)において、背景画像9Fの他にも、背景の画像が表示されている。また、図28において、異なるキャラクタ画像に対して共通の符号9Dが付されているが、異なるキャラクタ画像のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100およびVDP109において、異なるものとして扱われている。
図28(B)に示す例では、画像表示装置9の画面において、第1飾り図柄9a、第2飾り図柄9bおよび第3飾り図柄9cの変動表示のみが行われている。すなわち、画像表示装置9の画面では、背景画像9Fは表示されず、キャラクタ画像9Dも表示されない。
また、図28(B)に示す例では、画像表示装置9の画面における飾り図柄および移動表示される星印(ブランク図柄)以外の領域は、黒色の表示または白色の表示がなされる。つまり、画像表示装置9の画面における飾り図柄および移動表示される星印以外の領域については、表示制御がなされない。
それぞれのキャラクタ画像9Dの画像データはCGROM83に格納されている。また、背景の画像の画像データもCGROM83に格納されている。VDP109は、VRAM84に展開された画像データをフレームバッファ85に転送し、フレームバッファ85に転送された画像データにもとづいて画像表示装置9に画像を表示させる。そして、所定の時期に、CGROM83から画像データを読み出して、VRAM84に書き込む。すなわち、VRAM84に展開する。画像データが圧縮(符号化)されている場合には、CGROM83から読み出した画像データを伸張する処理(復号する処理)を行う。
飾り図柄の変動を行うときに、図28(A)に示すように背景およびキャラクタも表示する場合、特に、キャラクタを移動表示したり、移動表示中にキャラクタの形状を変えたり背景を移動表示する場合には、VRAM84には他種類の画像データ(形状が異なるキャラクタの画像データや、シーンが異なる背景の画像データ)が展開されている必要がある。CGROM83からVRAM84に必要な画像データを展開するのに時間(例えば、数秒程度)がかかる。
遊技機に対する電力供給が開始されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100およびVDP109はリセットされ、初期設定処理を行うが、初期設定処理において、CGROM83からVRAM84に必要なキャラクタの画像データや背景の画像データが展開される。展開にはある程度に時間がかかるので、電力供給が開始された直後に特別図柄および飾り図柄の変動の開始条件が成立したときに、直ちに変動を開始すると、飾り図柄の変動に伴う背景およびキャラクタの表示を行うことができない。具体的には、VRAM84に必要なキャラクタの画像データや背景の画像データを展開する処理が完了するまで、背景およびキャラクタの表示を行うことができない。なお、飾り図柄の画像データもVRAM84に展開されている必要があるが、飾り図柄の画像データの展開に要する時間は、必要なキャラクタの画像データや背景の画像データの展開に要する時間に比べて短い。一般に、飾り図柄の形状は変化しないか、変化しても、キャラクタの形状を変えたり背景を移動表示する場合に比べて変化の程度は小さく、必要な飾り図柄の画像データのデータ量は、必要なキャラクタの画像データおよび背景の画像データのデータ量に比べて少ないからである。
よって、この実施の形態では、遊技機に対する電力供給が開始された直後に特別図柄および飾り図柄の変動の開始条件が成立したときには、演出制御用マイクロコンピュータ100およびVDP109は飾り図柄の画像データをVRAM84に展開する制御を実行した後、図28(B)に示すように、画像表示装置9において、表示演出として飾り図柄の変動のみが行われるように制御する。そして、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、主要なキャラクタの画像データや背景の画像データをVRAM84に展開する処理も開始するが、主要なキャラクタの画像データや背景の画像データのVRAM84への展開が完了したときに、画像表示装置9における表示演出を、図28(B)に示すような表示演出から図28(A)に示すような表示演出に切り替える。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100およびVDP109は、キャラクタや背景の表示を伴う表示演出に切り替えるように制御する。なお、VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100の指令に応じて制御を実行する。また、主要なキャラクタの画像データや背景の画像データとは、全ての変動パターンを通して、よく用いられるキャラクタの画像データや背景の画像データである。
図29は、フレームバッファ85の使用方法の一例を示す説明図である。図29に示すように、フレームバッファ85には、画像表示装置9の画面に相当する2つの領域(領域0,1)が確保されている。領域0,1を仮想領域またはフレームメモリ84Aと呼ぶ。フレームメモリ84Aにおける領域0,1には、適宜(例えば、画像データが必要になったとき。)、キャラクタ画像などの部品画像が、CGROM83から、VRAM84を介して画像データが展開される。また、VRAM84の領域に画像データが存在する場合には、その領域から領域0,1に画像データが展開される。そして、領域0に部品画像が展開されているときには領域1の画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力され、領域1に部品画像が展開されているときには領域0の画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力される。領域0に部品画像が展開されているときには領域0が描画領域であり、領域1に部品画像が展開されているときには領域1が描画領域である。また、領域0から画像データが読み出され、その画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力されているときには領域0が表示領域であり、領域1から画像データが読み出され、その画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力されているときには領域1が表示領域である。このように、領域0,1は、ダブルバッファとして用いられる。なお、この実施の形態では、ダブルバッファを用いるが、フレームメモリ84Aをシングルバッファにしてもよい。
図30は、VRAM84の使用方法の一例を示す説明図である。VRAM84には、部品画像のバッファ領域(CGROM83からの転送先領域)84b1,84b2が確保されている。CGROM83からの転送先領域には、その時点で使用される可能性が高い、すなわちフレームメモリ84Aの描画領域に描画される可能性が高い部品画像(具体的には部品画像のソースデータ)が格納される。バッファ領域84b1は、飾り図柄の画像データが記憶される領域である。また、バッファ領域84b2は、必要なキャラクタの画像データや背景の画像データが記憶される領域である。なお、バッファ領域84b1,84b2を、VRAM84における固定領域84bという。VRAM84には、固定領域84bの他に、一時記憶領域84cがある。固定領域84bは、定常的に部品画像の画像データが記憶される領域である。
なお、この実施の形態では、フレームバッファ85およびVRAM84がVDP109の外部に設けられているが、フレームバッファ85およびVRAM84を内蔵するVDP109を用いてもよい。
図31は、フレームメモリ84Aのアドレスマップの一例を示す説明図である。なお、図31には、領域0が例示されている。フレームメモリ84Aにおいて、画像表示装置9の表示画面の左上に対応する部分が最も小さいアドレスに割り当てられ、表示画面においてその右に対応する部分に次のアドレスが割り当てられ、表示画面においてその行の最右に対応する部分のアドレスの次のアドレスは、次の行の最左に対応する部分に割り当てられている。以下、同様に、ある行の最右に対応する部分のアドレスの次のアドレスは、次の行の最左に対応する部分に割り当てられている。なお、図31に示されているアドレスの値は一例である。
図32は、CGROM83からフレームメモリ84Aへの画像データの展開の仕方を説明するための説明図である。図32(A)に示すように、画像データは、VRAM84の固定領域84bからフレームメモリ84Aに転送されることがある。固定領域84bからフレームメモリ84Aへの画像データの転送は、VDP109によって実行されるのであるが、VDP109は、固定領域84bから1ワードずつ画像データを読み出して読み出した画像データをフレームメモリ84Aに書き込むのではなく、DMA(Direct Memory Access)転送によって画像データを転送する。すなわち、VDP109は、DMA転送機能を有する内蔵DMA回路(データ転送回路94)を備えている。DMA転送は、読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行うような転送方式である。
なお、この実施の形態では、DMA転送を用いる場合を例にするが、VDP109は、固定領域84bから1ワードずつ画像データを読み出して読み出した画像データをフレームメモリ84Aに書き込むようにしてもよい。その場合、読み出した画像データは、例えばVDP109のレジスタに一旦ストアされ、レジスタからフレームメモリ84Aに書き込まれる。
また、図32(B)に示すように、VDP109は、CGROM83から画像データを読み出し、読み出した画像データをVRAM84における一時記憶領域84cに記憶し、一時記憶領域84cからフレームメモリ84Aに転送することも可能である。その場合、VDP109は、CGROM83から読み出して一時記憶領域84cに記憶した画像データを、DMA転送によってフレームメモリ84Aに書き込む。
図33は、フレームメモリ84Aから表示信号制御部87(図4参照)を介する画像表示装置9への画像データの転送の様子を示す説明図である。VDP109における表示信号制御部87は、所定のタイミングでフレームメモリ84Aから画像データを読み出して画像表示装置9に出力する(図33(A)参照)。
VDP109は、画像表示装置9に画像データを出力する際に、演出制御用マイクロコンピュータ100から拡大の指令を受けると、画像を拡大して画像表示装置9に出力する(図33(B)参照)。なお、画像を拡大する際に、VDP109は、例えば、画素の補間処理を行う。例えば、画像を2倍(縦2倍、横2倍)に拡大するときには、1つの画素の画像データ(元画素データ)から4つの画素(縦方向2つ、横方向2つ(2×2))の画像データを生成する。すなわち、3つの画素の画像データを新たに生成する。その場合、一例として、元画素データと隣接する画素の画像データとの平均値を新たな画素の画像データとする。
図34は、VDP109における描画制御部91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスを示す説明図である。なお、図34では、CGバスI/F93(図4参照)は記載省略されている。図34に示すように、データバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。
この実施の形態では、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定され、静止画像(スプライト画像)データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定される。よって、スプライト画像の画像データは、64ビット単位でCGROM83から読み出され、動画像データは、32ビット単位でCGROM83から読み出される。
図35は、VDP109における描画制御部91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスの具体的な配線を示すブロック図である。図35に示すように、実際には、描画制御部91からの64ビットのデータバスのうち、下位32ビットが分岐して、それぞれROM83AとROM83Cとに配線されている。
図36は、描画制御レジスタ95における各レジスタの一例を説明するための説明図である。図36に示す例では、画像データを読み出す際のCGROM83の先頭アドレスを指定するためのCGROM先頭アドレスレジスタ、VRAM84の一時記憶領域84c(図30参照)に画像データを記憶する際の、またはVRAM84の一時記憶領域84cから画像データを読み出す際の先頭アドレスを指定するためのVRAM先頭アドレスレジスタ、VRAM84に画像データを転送する際の転送データのサイズを指定するためのVRAM転送データサイズレジスタ、CGROM83からVRAM84の固定領域84b(図30参照)へのデータ転送を指令するVRAM固定領域転送実行指示レジスタ、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域84cを経由してVRAM84の固定領域84bへのデータ転送を指令するVRAM自動転送実行指示レジスタがある。
さらに、フレームメモリ84Aに画像データを展開する際の先頭アドレスを指定するためのフレームメモリ先頭アドレスレジスタ、転送データのサイズを指定するためのフレームメモリ転送データサイズレジスタ、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域84cを経由してフレームメモリ84Aへのデータ転送を指令するフレームメモリ転送実行指示レジスタがある。
さらに、VRAM84の固定領域84bの先頭アドレスを指定する固定領域先頭アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域84bの最終アドレスを指定する固定領域最終アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域84bの任意のアドレスを指定するための固定領域内任意先頭アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域84bからフレームメモリ84Aへのデータ転送を指令する固定領域データ転送実行指示レジスタがある。
また、データバスのモードを32ビットモードにするのか64ビットモードにするのかを指令するデータバスモードレジスタ、CGROM83内の動画像データを読み出して一時記憶領域84cに一時記憶し、それらの動画像データを復号してフレームメモリ84Aへのデータ転送を指令する復号実行指示レジスタ、現在の表示領域を示す表示領域レジスタがある。
さらに、垂直拡大率(縦の拡大率)と水平拡大率(横の拡大率)とを設定するための拡大率設定レジスタがある。
なお、VRAM固定領域転送実行指示レジスタ、VRAM自動転送実行指示レジスタ、フレームメモリ転送実行指示レジスタ、固定領域データ転送実行指示レジスタ、復号実行指示レジスタに設定される値は、それぞれ1ビットでよいので、それらのレジスタに設定される値は、例えば、各々のレジスタにおける所定のビットに設定される。
また、図36に示すような描画制御レジスタ95の構成は一例であって、描画制御レジスタ95を構成するレジスタは、図36に示す構成とは異なるように構成されていてもよい。例えば、先頭アドレスを指定するためのレジスタの分類の仕方を、図36に示す例とは異なるようにしてもよい。
図37は、CGROM83に記憶される部品画像の画像データのうち動画像データのデータ構成を示す説明図である。動画像データは、最初のアドレスにファイルヘッダが設定され、続いて、各フレームのフレームヘッダと圧縮データとが順次設定された構成である。ストリームには、フレーム1〜N(フレーム画像1〜n)のフレームヘッダと圧縮データとが画像1から順に設定される。なお、動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)符号化方式によって符号化されている。符号化によって、符号化前の画像データのデータ量は減少しているので、符号化されている画像データを圧縮データという。
なお、図37には、2つの動画像データ(スーパーリーチの動画像データと客待ちデモンストレーションの動画像データ)が例示されているが、CGROM83に、さらに多くの動画像データを記憶してもよい。
また、圧縮データは、CGROM83において、32ビットを1ワードとするROMに格納される。そして、VDP109がCGROM83から圧縮データを読み出すときに、CGバスのバス幅が32ビットに設定される。従って、VDP109は、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出す。
次に、図38の説明図を参照して動画伸張部89によるデータ圧縮された動画像データ(圧縮データ)の復号の仕方について説明する。図38(A)に示すフレーム番号は、図37に示す動画像データにおけるフレームの通し番号である(フレーム1〜N)。そして、動画像データにおいてフレーム1〜Nの圧縮データは、図38(B)に示すような順で、MPEG2符号化方式で規定されているIピクチャ、BピクチャまたはPピクチャで構成されている。例えば、フレーム1はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6はBピクチャであり、フレーム4,7はPピクチャである。I,B,Pに付されている添え字は、それぞれのピクチャタイプでの通し番号である。
上述したように、動画像データとしてフレーム1〜N(フレーム画像1〜n)がフレーム1(画像1)から順に格納されている(図37参照)。例えば、ストリームにおけるフレーム1(画像1)はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6(画像2,3,5,6)はBピクチャであり、フレーム4,7(画像4,7)はPピクチャである。
なお、Iピクチャ(画像1)を復号する場合、動画伸張部89は、そのIピクチャのみを用いて復号処理を行う。また、Bピクチャを復号する場合、動画伸張部89は、そのBピクチャとともに、1枚または複数枚前のIピクチャまたはPピクチャと、1枚または複数枚後のIピクチャまたはPピクチャとを参照して、復号処理を行う。図37に示す例では、例えば、画像2を復号する場合、1つ前のIピクチャである画像1と、2つ後のPピクチャである画像4とを参照して、復号処理を行う。また、Pピクチャを復号する場合、動画伸張部89は、そのPピクチャとともに、1つまたは複数枚前のIピクチャまたはPピクチャを参照して、復号処理を行う。図37に示す例では、例えば、画像4を復号する場合、23つ前のIピクチャである画像1を参照して、復号処理を行う。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図39は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。次に、第2データ転送処理を行う(ステップS702)。第2データ転送処理は、VRAM84に固定領域84b(図30参照)を設定するとともに、VRAM84の固定領域84b(バッファ領域84b1:図30参照)に、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データ(例えば、0〜9の数字のそれぞれに所定の画像が付加されたものの画像データ:図28参照)を転送するための処理である。なお、この場合、VDP109は、CGバスにおけるデータバスのバス幅を64ビットに設定する。また、第2データ転送処理は、演出用識別情報を可変表示する際の表示演出に使用される複数の画像データを含むデータであって第1データのデータ量よりも少ないデータ量の第2データを転送する処理の一例である。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行し(ステップS703)、スプライト/映像データ転送処理を実行する(ステップS704)。スプライト/映像データ転送処理は、キャラクタ画像および背景の画像の画像データをCGROM83からVRAM84の固定領域84b(バッファ領域84b2:図30参照)に転送するための処理である。そして、タイマ割込フラグがセットされているか否か確認する(ステップS705)。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS706)、演出制御処理を実行する。なお、ステップS704のスプライト/映像データ転送処理は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに第1データを画像データ記憶手段から表示用記憶手段に転送する初期データ転送処理の一例である。また、ステップS704のスプライト/映像データ転送処理は、タイマ割込フラグがセットされていることを確認した後の処理として(例えば、ステップS709の処理に続いて実行される処理として)実行されるように構成してもよい。また、この実施の形態では、ステップS702の第2データ転送処理で飾り図柄の画像データを一括してVRAM84に転送するように制御するが、飾り図柄の画像データのデータ量が少ない場合等には、遊技機に対する電力供給が開始されたときに事前転送するのではなく、飾り図柄の可変表示が行われる都度、CGROM83からVRAM84に転送されるように制御することも可能である。その場合、遊技機に対する電力供給が開始されたときに画像表示装置9に表示される初期出目等に関わる画像データがCGROM83から一旦VRAM84に書き込まれる処理が、第2データ転送処理に相当する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS707)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置9の表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS703に移行する。
図40は、ROM112に格納されているデータテーブルの例を示す説明図である。図40には、ステップS702の処理で使用される第2データ転送領域データテーブルと、ステップS704の処理で使用されるスプライト/映像データ転送領域データテーブルとが例示されている。
第2データ転送領域データテーブルは、飾り図柄の画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。スプライト/映像データ転送領域データテーブルは、主要なキャラクタ画像および背景の画像の画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。なお、図40には、1つのスプライト/映像データ転送領域データテーブルが示されているが、遊技の進行に応じて、具体的には表示演出の内容に応じて必要とされるキャラクタ画像および背景の画像の種類は異なるので、適宜必要な画像データをVRAM84に設定しておくために、複数種類のスプライト/映像データ転送領域データテーブルが用意されていてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、必要な画像データがVRAM84に設定されていない場合には、必要な画像データをVRAM84に転送するためのスプライト/映像データ転送領域データテーブルを用いて、VDP109に画像データを転送させるための指令をVDP109に出力する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの表示演出が実行されるときにも、使用するキャラクタ画像および背景の画像の画像データがVRAM84に存在するようにするために、VDP109が全てのキャラクタ画像および背景の画像の画像データをVRAM84に転送するように、指令をVDP109に出力するようにしてもよい。その場合には、スプライト/映像データ転送領域データテーブルは1つあればよい。
図41は、図39に示す第2データ転送処理を示すフローチャートである。第2データ転送処理において、演出制御用CPU101は、VRAM84において固定領域84bを確保するために、固定領域84bとして使用する領域の先頭アドレスを、固定領域先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS921)。また、固定領域84bとして使用する領域の最終アドレスを、固定領域最終アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS922)。
次いで、第2データ転送領域データテーブルを参照して、CGROM83に格納されている飾り図柄の画像データをVRAM84に転送するための指令をVDP109に与える。すなわち、演出制御用CPU101は、ROM112における第2データ転送領域データテーブルの先頭アドレスを、例えば内部レジスタに設定し(ステップS923)、アドレスポインタに0をセットする(ステップS924)。そして、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS925)。
演出制御用CPU101は、画像データの転送が完了したか否か確認する(ステップS926)。画像データの転送が完了したことを確認したら、第2データ転送処理を終了する。なお、VDP109は、画像データの転送が完了すると、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする。演出制御用CPU101は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からVRAM84への画像データの転送が完了したことを認識できる。
図42は、固定領域データ転送制御処理を示すフローチャートである。固定領域データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、第2データ転送領域領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(CGROM83におけるデータ格納先頭アドレス(転送元先頭アドレス))を読み出す(ステップS931)。なお、ROM112における第2データ転送領域領域データテーブルの先頭アドレスは0000番地ではないので、第2データ転送領域領域データテーブルからデータを読み出すときには、アドレスポインタの値に、第2データ転送領域領域データテーブルの先頭アドレスをオフセット値として加算する。演出制御用CPU101は、第2データ転送領域領域データテーブルから読み出したデータを、CGROM先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS932)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS933)。
次いで、第2データ転送領域領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(VRAM84におけるバッファ領域84b1の格納格納先頭アドレス(転送先先頭アドレス))を読み出し(ステップS934)、読み出したデータを、VRAM先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS935)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS936)。
次に、第2データ転送領域領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(データ長)を読み出し(ステップS937)、読み出したデータを、VRAM転送データサイズレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS938)。そして、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをセットする(ステップS939)。
以上のようにして、演出制御用CPU101からVDP109に対して、CGROM83に格納されている飾り図柄の画像データをVRAM84に転送するための指令がVDP109に与えられたことになる。
VDP109は、演出制御用CPU101から画像データをVRAM84に転送するための指令が与えられると、CGROM83からVRAM84へのデータ転送を実行するが、具体的なデータ転送については後述する。
図43は、図39に示すスプライト/映像データ転送処理を示すフローチャートである。スプライト/映像データ転送処理において、演出制御用CPU101は、キャラクタ等転送完了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS941)。キャラクタ等転送完了フラグは、飾り図柄の変動に伴う表示演出で用いられるキャラクタ画像および背景の画像(主要なキャラクタ画像および背景の画像)の画像データのCGROM83からVRAM84へのデータ転送が終了していることを示すフラグである。キャラクタ等転送完了フラグがセットされている場合にはスプライト/映像データ転送処理を終了する。
キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合には、転送開始フラグがセットされているか否か確認する(ステップS942)。転送開始フラグは、主要なキャラクタ画像および背景の画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送させるための処理が開始されていることを示すフラグである。
転送開始フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、スプライト/映像データ転送領域データテーブルを参照して、CGROM83に格納されている飾り図柄の画像データをVRAM84に転送するための指令をVDP109に与える。すなわち、演出制御用CPU101は、ROM112におけるスプライト/映像データ転送領域データテーブルの先頭アドレスを、例えば内部レジスタに設定し(ステップS946)、アドレスポインタに0をセットする(ステップS947)。そして、固定領域データ転送制御処理(図42参照)を実行する(ステップS948)。その後、転送開始フラグをセットする。
なお、固定領域データ転送制御処理がスプライト/映像データ転送処理から呼び出された場合には、演出制御用CPU101は、ステップS931,S934,S937の処理において、第2データ転送領域領域データテーブルからデータを読み出すのではなく、スプライト/映像データ転送領域データテーブルからデータを読み出す。
転送開始フラグが既にセットされている場合には、演出制御用CPU101は、画像データの転送が完了したか否か確認する(ステップS943)。画像データの転送が完了していない場合には、スプライト/映像データ転送処理を終了する。画像データの転送が完了したことを確認したら、キャラクタ等転送完了フラグをセットするとともに(ステップS944)、転送開始フラグをリセットする(ステップS945)。なお、キャラクタ等転送完了フラグは、電力供給が停止するまでセット状態のままである。
なお、VDP109は、画像データの転送が完了すると、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする。演出制御用CPU101は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からVRAM84への画像データの転送が完了したことを認識できる。
以上のようにして、主要なキャラクタ画像および背景の画像の画像データがVRAM84に記憶される。なお、実際に変動パターンにもとづく表示演出が実行されるときに、必要なキャラクタ画像等の画像データがVRAM84に記憶されていないことも考えられるが(必要なキャラクタ画像等の画像データが主要なキャラクタ画像等の画像データに含まれていなかったような場合)、その場合には、飾り図柄の可変表示中等に適宜CGROM83からVRAM84に画像データが転送される。適宜CGROM83からVRAM84に転送される画像データのデータ量は少ないので、表示演出に支障を来すことはない。ただし、電力供給が開始されたときに、スプライト/映像データ転送処理において、CGROM83内の全てのキャラクタ画像および背景の画像をVRAM84に転送するように構成されている場合には、VRAM84への画像データの転送が完了した後では、必要なキャラクタ画像等の画像データがVRAM84に記憶されていないということはない(VRAM84への画像データの転送が完了する前に飾り図柄の変動が開始された場合は不足している画像データがありうる。)。なお、スプライト/映像データ転送処理において、ムービー画像の画像データが、VRAM84に展開されることもある。
図44は、図39に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS708)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信したかを確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信している場合には、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、画像表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、小当りが発生しているときにも大当り表示処理が実行されるが、小当りが発生している場合には、小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、画像表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、小当りが発生しているときにも大当り遊技中処理が実行される。
大当り終了処理(ステップS806):画像表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、小当りが発生しているときにも大当り終了処理が実行されるが、小当りが発生している場合には、小当り遊技の終了を報知するための画面を表示する制御を行う。
図45は、図44に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、変動パターンコマンド受信フラグは、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理においてセットされる。また、コマンド解析処理において、受信した変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータが、RAM113の変動パターンコマンド格納領域に保存される。
図46は、図44に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。
次いで、RAMの表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。また、表示結果特定コマンド格納領域には、コマンド解析処理において、受信した表示結果特定コマンドが格納される。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS841において、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて停止図柄を決定する。このとき、はずれを示す表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド)が受信されている場合には、はずれを想起させるような停止図柄の組み合わせを決定する。具体的には、変動パターンコマンド格納領域にリーチ演出を伴う変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータが格納されている場合には、左右図柄が一致するが中図柄とは一致しない停止図柄の組み合わせ(または、上下図柄が一致するが中図柄とは不一致、もしくは上下斜めのいずれかのラインにおいても2図柄が一致)を決定し、変動パターンコマンド格納領域にリーチ演出を伴わない変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータが格納されている場合には、左中右図柄が不一致の停止図柄の組み合わせ(または、上中下図柄が不一致、もしくは上下斜めのいずれのラインにおいても不一致)を決定する。
また、大当りまたは小当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド、表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド)が受信されている場合には、大当りまたは小当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、全ての図柄が一致)を決定する。なお、確変大当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果3指定コマンド)が受信されている場合には、確変大当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、「7」「7」「7」)を決定するようにしてもよい。ただし、突然確変大当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果4指定コマンド)が受信されている場合には左中右不揃いの飾り図柄の組み合わせであって突然確変大当りに対応する飾り図柄の組み合わせであるチャンス目(例えば、「1」「2」「3」)を決定するようにしてもよい。小当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果5指定コマンド)が受信されている場合にも、停止図柄の組み合わせとしてチャンス目を決定するようにしてもよい。また、大当りを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせを大当り図柄といい、はずれを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせをはずれ図柄ということがある。
次いで、演出制御用CPU101は、キャラクタ等転送完了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS842)。キャラクタ等転送完了フラグがセットされている場合には、変動パターンに応じたプロセステーブル(第1プロセステーブル)を選択し(ステップS842A)、ステップS843に移行する。なお、プロセステーブルを選択するとは、具体的には、例えば、演出制御のためのポインタに、選択したプロセステーブルの先頭アドレスを設定したり、選択したプロセステーブルの内容を、RAM113の所定領域に転送することである。演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルの先頭アドレスをポインタに設定する場合には、ポインタの値を+1させつつポインタが指す領域のデータにもとづいて制御を実行する。
キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合には、変動パターンに応じた第2プロセステーブルを選択し(ステップS842B)、簡易変動フラグをセットして(ステップS842C)、ステップS843に移行する。
キャラクタ等転送完了フラグがセットされているということは、飾り図柄の変動に伴う表示演出において用いられる主要なキャラクタ画像および背景の画像の画像データが既にVRAM84に展開されていることを意味する。すなわち、キャラクタ画像および背景の画像を用いた変動中の表示演出が実行可能であることを意味する。また、キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合には、キャラクタ画像および背景の画像を用いた変動中の表示演出が実行できないことを意味する。ただし、図39に示された第2データ転送処理(ステップS702)で飾り図柄の画像データは、VRAM84に展開されている。
なお、主要なキャラクタ画像や背景の画像の画像データは、スプライト/映像データ転送処理(図39におけるステップS704)で電源投入時(電力供給開始時)にCGROM83からVRAM84に転送するための制御が実行されるのでVRAM84に記憶されているが、これから開始する変動パターンの演出制御において使用するキャラクタ画像や背景の画像の画像データがVRAM84に記憶されていない場合もある。使用するキャラクタ画像や背景の画像が使用頻度が極めて少ないものであるような場合である。その場合には、演出制御用CPU101は、必要になるキャラクタ画像の画像データや背景の画像の画像データが記憶されているCGROM83のアドレス、フレームメモリ84Aの転送先のアドレス、および転送される画像データのデータ量が設定されたテーブル(あらかじめROM112に格納しておく。)を指定して、VDP109に、図63に示すCGROM→フレームメモリ転送処理を実行させる。
図47(A)は、プロセステーブル(第1プロセステーブル)の構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って画像表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理において、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図47(A)に示すプロセステーブルは、図49の説明図に示すように、演出制御基板80におけるROM112に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。
図47(B),(C)は、表示制御実行データの一例を示す説明図である。図47(B)には、静止画像に関する表示制御実行データが例示され、静止画像に関する表示制御実行データには、フレームメモリ84Aにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスを示すフレームメモリ先頭アドレス、フレームメモリ84Aにおける部品画像の画像データを展開する領域の最終アドレスを示すフレームメモリ最終アドレス、静止画であることを示すフラグ、部品画像を指定する部品画像指定データ(CGROM83における先頭アドレスやデータ長など)が設定されている。図47(B)には、動画像に関する表示制御実行データが例示され、動画像に関する表示制御実行データには、例えば、フレームメモリ84Aにおける動画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスを示すフレームメモリ先頭アドレス、フレームメモリ84Aにおける動画像の画像データを展開する領域の最終アドレスを示すフレームメモリ最終アドレス、動画であることを示すフラグ、ムービーデータ指定データ(CGROM83における先頭アドレスやデータ長など)が設定されている。さらに、複数の画像の合成を行わせる場合には、表示制御実行データに、合成の対象になる複数の画像を特定するデータも設定される。
図48(A)は、第2プロセステーブルの構成例を示す説明図である。図49の説明図に示すように、第2プロセステーブルも、演出制御基板80におけるROM112に格納され、また、各変動パターンに応じて用意されている。第2プロセステーブルの内容は、表示制御実行データに関して、飾り図柄の変動の態様を示すデータが記載されているが、キャラクタ画像や背景の画像についてのデータが設定されていない点で、プロセステーブル(第1プロセステーブル)の内容とは異なる。その他は、プロセステーブル(第1プロセステーブル)の内容と同じである。
すなわち、第2プロセステーブルの内容に従って演出制御が実行されると、図28(B)に例示されたような表示演出(キャラクタ画像や背景の画像は含まれない表示演出)が実行される。また、プロセステーブル(第1プロセステーブル)の内容に従って演出制御が実行されると、図28(A)に例示されたような表示演出(キャラクタ画像や背景の画像も含まれる表示演出)が実行される。
キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合には、第2プロセステーブルが選択されるので、キャラクタ画像や背景の画像が含まれない飾り図柄の変動に関する表示演出が実行される。なお、キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合にはキャラクタ画像や背景の画像の画像データはVRAM84に存在しないのでVDP109はキャラクタ画像や背景の画像を用いる演出制御を実行できないが、飾り図柄の画像データはVRAM84に存在するので、飾り図柄の変動制御を実行することができる。
ステップS843では、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブル(第1プロセステーブルまたは第2プロセステーブル)における演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS844)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、変動パターンがスーパーリーチ演出を伴うものである場合に、変動パターンに応じたプロセステーブルに、動画像データの転送を示すプロセスデータが含まれる。具体的には、表示制御実行データには、図47(C)に例示されたようなデータが含まれる。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS845)、プロセスデータ有効フラグをセットし(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS847)。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、後述するVブランク割込処理において、プロセスデータ有効フラグがセットされていることを条件として、適宜、VDP109に指令を出力する。ただし、ステップS844において、VDP109に指令を出力することが必要なデータが設定されていた場合には、そのデータに応じてVDP109に指令を出力する。
図50は、プロセステーブル(第1プロセステーブルまたは第2プロセステーブル)の内容に従って実行される表示演出を説明ずるための説明図である。図50(A)に示すように第1プロセステーブルを用いる場合(キャラクタ等転送完了フラグがセットされている場合)には、演出制御用CPU101およびVDP109は、図47に示すプロセステーブル(第1プロセステーブル)における表示制御実行データに従って表示制御を実行するので、図28(A)に例示されたように、飾り図柄の変動中に、必要なキャラクタ画像および背景の画像を伴う表示演出が実行される。また、図50(B)に示すように第2プロセステーブルを用いる場合(キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合)には、演出制御用CPU101およびVDP109は、図48に示す第2プロセステーブルにおける表示制御実行データに従って表示制御を実行するので、図28(B)に例示されたように、飾り図柄の変動中に、キャラクタ画像および背景の画像を伴わない表示演出が実行される。
図51は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS851)。
変動時間タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。なお、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理(ステップS707)において図柄確定指定コマンドを受信したときに確定コマンド受信フラグをセットする。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
また、飾り図柄の変動中に停電が生じ、その後、所定期間内に電源が復旧したような場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドを送信するので(図5におけるステップS44参照)、飾り図柄の変動が再開される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動の残り時間(変動時間−停電前に実行された変動の期間)が経過すると、図柄確定コマンドを送信する。演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、その変動パターンに応じた本来の変動時間に亘って飾り図柄の変動の制御を行うように動作するが、図柄確定コマンドの受信に応じて飾り図柄の変動を終了させるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560による遊技制御と演出制御用マイクロコンピュータ100による演出制御とがずれてしまうようなことはない。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定期間内に電源が復旧したような場合に変動パターンコマンドを送信しないように構成されていてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンド等のコマンドの受信に応じて飾り図柄を高速変動させて図柄確定コマンドを受信したときに飾り図柄の変動を終了させたり、飾り図柄の変動の制御を行わず、図柄確定コマンドを受信したときに、受信している表示結果特定コマンドの種類に対応する停止図柄を画像表示装置9に表示させる制御を行ったりする。なお、飾り図柄の変動の制御を行わないように構成される場合には、画像表示装置9には、例えば停止図柄を画像表示装置9に表示させる制御を行う時期まで、または所定期間、停電復旧画面が表示される。
確定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第2プロセステーブルを使用していることを示す簡易変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)。簡易変動フラグがセットされている場合には、キャラクタ等転送完了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS862)。キャラクタ等転送完了フラグがセットされている場合には、使用するプロセステーブルの切替を行う。すなわち、現在使用している第2プロセステーブルに対応するプロセステーブル(第1プロセステーブル)を、以後に使用するプロセステーブルにする(ステップS863)。第2プロセステーブルに対応するプロセステーブルとは、現在使用している第2プロセステーブルに対応する変動パターンに応じた第1プロセステーブルである(図49参照)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブル(第1プロセステーブル)における演出実行データmに対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS864)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータmの内容(表示制御実行データm、ランプ制御実行データm、音番号データm)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS865)。また、簡易変動フラグをリセットする(ステップS866)。
なお、プロセスデータmとは、プロセステーブルの切替(ステップS863)がなされた時点を基準として最後に用いられた第2プロセステーブルにおけるプロセスデータ(この実施の形態では、後述するVブランク割込処理で用いられる:図59参照)がm番目のプロセスデータであったとすると、そのmと同じm番目の第1プロセステーブルにおけるプロセスデータである。
例えば、第1プロセステーブルにおけるプロセスデータ100個ある場合には、第2プロセステーブルでも、同数(100個)のプロセスデータが設定される。また、第2プロセステーブルにおける各プロセスタイマの値は、第1プロセステーブルにおける各プロセスタイマの値と同じ値に設定される。
ステップS865の処理を実行することによって、第2プロセステーブルの使用を継続した場合と第1プロセステーブルに切り替えた場合とで、プロセステーブルを用いた演出制御の残り時間(プロセステーブルにおけるm番目のプロセスタイマ以降の各プロセスタイマのタイマ値の和)はほぼ同じになるが、厳密には同じにならない。第2プロセステーブルの使用を継続した場合と第1プロセステーブルに切り替えた場合とで、m番目のプロセスタイマが起動されるタイミングがずれるからである。しかし、変動中の演出制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定コマンドを受信した時点で終了し、飾り図柄の最終停止図柄が導出表されるので、「ずれ」は問題にならない。
なお、この実施の形態では、プロセステーブルにおける最初のプロセスデータにもとづく演出制御が開始された後、プロセステーブルにおけるプロセスタイマがタイムアウトしたことにもとづくプロセスデータの切替および切替後のプロセスデータにもとづく演出制御は、Vブランク割込処理で行われるが(図59参照)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中処理において、プロセスタイマがタイムアウトしたことにもとづくプロセスデータの切替および切替後のプロセスデータにもとづく演出制御を実行してもよい。
図52は、第2プロセステーブルから第1プロセステーブルへの切替を説明するための説明図である。第2プロセステーブルを使用して演出制御を行っているときにキャラクタ等転送完了フラグがセットされた場合には、図52に示すように、その時点から、第1プロセステーブルに設定されている各表示制御実行データに従って画像表示装置9の表示制御が実行される。
第2プロセステーブルを使用する場合には、キャラクタ画像および背景の画像を伴う表示演出は行われないが、飾り図柄の変動速度(1秒などの単位時間当たりの飾り図柄の切替数に相当)は、キャラクタ画像および背景の画像を伴う表示演出が行われる場合(簡易ではない通常の表示演出が行われる場合)と同様に制御される。例えば、通常の表示演出がリーチ演出を伴う表示演出であった場合には(図10参照)、飾り図柄は高速変動した後、リーチ演出に応じた変動速度(例えば、高速変動の変動速度よりも遅い変動速度や、いわゆるコマ送りや、高速変動の変動速度よりも速い変動速度や、一時停止(速度0)等であり、リーチ演出中に速度の切替もあり)で変動する。第2プロセステーブルを使用する簡易な変動を行う場合にも、飾り図柄の変動速度は、同様に制御される。
しかし、簡易な変動を行う場合には、飾り図柄の変動速度の制御を行わず、変動開始から変動終了まで変動速度を一定(例えば、高速変動の変動速度)にするようにしてもよい。
図53は、簡易な変動を行うときには飾り図柄の変動速度を一定にする場合の演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。この場合には、演出制御用CPU101は、キャラクタ等転送完了フラグがセットされていない場合には(ステップS842)、変動パターンに関わらず共通第2プロセステーブルを選択し(ステップS842D)、ステップS843に移行する。その他の処理は、図46に示された処理と同じである。なお、変動中の演出制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定コマンドを受信した時点で終了し、飾り図柄の最終停止図柄が導出表されることは。各変動パターンに応じた第2プロセステーブルを使用する場合と同様である。
図54は、共通第2プロセステーブルの構成例を示す説明図である。図54に示すように、共通第2プロセステーブルにおける各プロセスタイマには、同じ値(例えば、高速変動に応じた値)が設定されている。例えば、10図柄/秒の変動速度である場合(1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ左右に移動するような飾り図柄の変動(可変表示)が実行される場合)には、各プロセスタイマには0.1秒に相当する値が設定され、各表示制御実行データには、1つずつずれた飾り図柄の表示を指定するためのデータが設定される。つまり、プロセスタイマは100msで対応アウトするように設定されている。
また、図49に示された例では、それぞれの変動パターンに対応した第1プロセステーブルと第2プロセステーブルとがROM112に格納されていたが、共通第2プロセステーブルを用いる場合には、それぞれの変動パターンに対応した第1プロセステーブルと1つの共通第2プロセステーブルとがROM112に格納される。
図55は、簡易な変動を行うときには飾り図柄の変動速度を一定にする場合(すなわち、共通第2プロセステーブルを用いる場合)の演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。この場合には、演出制御用CPU101は、ステップS861〜S866の処理(図51参照)を実行しない。すなわち、キャラクタ等転送完了フラグの状態にもとづいてプロセステーブルを切り替える処理を実行しない。ステップS851〜S858の処理は、図51に示された処理と同じである。
図55に示すように、簡易な変動を行うときには、第2プロセステーブルから第1プロセステーブルへのプロセステーブルの切替を行わないので、変動開始から変動終了まで、画像表示装置9において、キャラクタ画像や背景の画像は表示されず、飾り図柄のみが表示(変動表示)される。そして、キャラクタ画像や背景の画像を伴う飾り図柄の変動は、次回の変動以降から実行される。ただし、飾り図柄の停止図柄を表示するとき(すなわち、図柄確定コマンドを受信したとき)に、画像表示装置9における背景の画像の表示を再開させるようにしてもよい。
なお、図46に示された制御を行う場合(飾り図柄の変動速度が一定とは限らない制御を行う場合)にも、図51に示す処理においてステップS861〜S866の処理を実行せず、キャラクタ画像や背景の画像を伴う飾り図柄の変動は、次回の変動以降から実行されるようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出用識別情報を可変表示する際の表示演出に使用される複数の画像データを含む第1データを用いた表示演出を実行するための条件に、少なくとも、電力供給が開始された後の1回目の可変表示が終了したことを含めるようにしてもよい。
図56は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS872)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS873)。また、プロセスデータ有効フラグをリセットしておく(ステップS874)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS875)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS876)。
大当りまたは小当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS877)。
図57は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS882)、セットされていたフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
すなわち、大当りの種類に応じた大当り遊技中演出または小当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS883)。そして、選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS884)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS885)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、プロセスデータ有効フラグをセットし(ステップS886)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS887)。
図58は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS890)。エンディング演出中フラグがセットされている場合には、ステップS897に移行する。エンディング演出中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、大当りの種類に応じた大当り終了演出(大当り遊技終了報知演出)または小当り終了演出(小当り遊技終了報知演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS891)。そして、選択したプロセステーブルにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS892)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS893)。また、プロセスデータ有効フラグをセットする(ステップS894)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマに演出時間に応じた値を設定し(ステップS895)、エンディング演出中フラグをセットする(ステップS896)。
ステップS897では、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマを1減算する。そして、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS898)。すなわち、エンディング演出の終了タイミングとなったか否かを判定する。演出期間計測タイマがタイムアウトしている場合には、プロセスデータ有効フラグをリセットし(ステップS899)、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS900)。
図59は、演出制御用CPU101が、VDP109からのVブランク割込に応じて実行するVブランク割込処理を示すフローチャートである。Vブランク割込は、画像表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、画像表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理でVDP109に対する指令を出力するが、他の処理において、図59に示す処理を実行するようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理において図59に示す処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
Vブランク割込処理において、演出制御用CPU101は、表示領域レジスタ(図36参照)のデータを参照して現在の表示領域が領域0であるのか領域1であるのかを確認する(ステップS821)。現在の表示領域が領域0であれば、表示領域レジスタに領域1を示すデータを設定して表示領域を領域1にする(ステップS822)。現在の表示領域が領域1であれば、表示領域レジスタに領域0を示すデータを設定して表示領域を領域0にする(ステップS823)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ有効フラグ(プロセスデータにもとづく演出制御を行っていることを示すフラグ)がセットされている場合には(ステップS824)、プロセスタイマの値を−1する(ステップS825)。プロセスタイマの値が0になったら(ステップS826)、プロセスデータポインタの値を+4する(ステップS827)。従って、プロセスデータポインタは、次のプロセスタイマ設定値を指し示す(図47(A)参照)。演出制御用CPU101は、プロセスデータポインタが指す領域(プロセスタイマ設定値が設定されている領域)の次に領域に設定されている表示制御実行データの内容をロードする(ステップS828)。なお、表示制御実行データの領域には、具体的な表示制御内容を示すデータが設定されていてもよいが、具体的な表示制御内容を示すデータが設定されているROM領域のアドレスが設定されていてもよい。
表示制御実行データとして、部品画像の描画すなわちフレームメモリへの展開を示すデータが設定されていた場合には(ステップS829)、描画制御処理を実行する(ステップS830)。例えば、0.1秒(100ms)毎に1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ左右に移動するような飾り図柄の可変表示が実行されているときには、プロセスタイマは100msで対応アウトするように設定されている。そして、プロセスタイマがタイムアウトする前では「5」の飾り図柄が表示されていたとすると、タイムアウトしたときに使用される表示制御実行データには、「6」の飾り図柄をフレームメモリに展開することを示すデータが設定されている。その場合、演出制御用CPU101は、部品画像の描画が必要であると判定する。
そして、プロセスデータポインタが指しているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS831)。すなわち、プロセスタイマをスタートさせる。
なお、この実施の形態では、フレームメモリは領域0,1のダブルバッファ構成であるが、フレームメモリが単一の領域で構成されていてもよい。その場合には、VDP109は、単一の領域に画像データを書き込む。表示信号制御部87は、フレームメモリに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力するのであるが、フレームメモリが単一の領域で構成されている場合に、フレームメモリへの画像データの書き込みと読み出しとが競合しないように、VDP109において、表示信号制御部87は、フレームメモリへの画像データの書込処理が終了してから、読出処理を実行する。
図60は、VDP109(具体的には、VDP109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からVRAM84の固定領域に画像データを転送する処理を示すフローチャートである。なお、演出制御用CPU101からの指令は、具体的には、例えば、電力供給が開始されたときに実行される固定領域データ転送制御処理(図42参照)におけるステップS939の処理によってVRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされたことである。
VDP109は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1001)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタ(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1002)。また、VRAM先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを、書込アドレスカウンタ(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1003)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1004)。
そして、データ転送処理を実行し(ステップS1005)、データ転送処理が終了したら、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1006)。演出制御用CPU101は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からVRAM84への画像データの転送が完了したことを認識できる(図41のステップS926等参照)。
図61は、ステップS1005のデータ転送処理を示すフローチャートである。なお、図61に示すサブルーチンとしてのデータ転送処理は、後述する他の処理でも実行される。
データ転送処理において、VDP109は、処理カウンタ(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に0を設定する(ステップS1100)。すなわち、処理カウンタを初期化する。
次に、読出アドレスカウンタが示すアドレスからデータを読み出す(ステップS1101)。この場合には、CGROM83から画像データが読み出される。そして、読み出したデータを、書込アドレスカウンタが示すアドレスに書き込む(ステップS1102)。次いで、読出アドレスカウンタ、書込アドレスカウンタおよび処理カウンタの値を、それぞれ+1する(ステップS1105)。処理カウンタの値が転送データ量保存領域に設定されている値(転送データ量)に一致したら、全ての画像データが転送先の領域に書き込まれたことになるので、処理を終了する(ステップS1106)。一致していない場合には、ステップS1101に戻る。
この実施の形態では、飾り図柄の画像データがCGROM83からVRAM84の固定領域84b(バッファ領域84b1:図30参照)に事前転送される。遊技機に対する電力供給が開始されVDP109が動作可能状態になったときに、描画制御レジスタ95の内容は初期化されるが、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図36参照)の初期値は「0」である。よって、飾り図柄の画像データがVRAM84の固定領域に事前転送されるときには、データバスモードレジスタには「0」がセットされた状態であって、CGバスのデータ幅は64ビットになっている。
なお、動画像の画像データを、CGROM83からVRAM84に転送する場合には、演出制御用CPU101は、CGバスのデータ幅を32ビットにするために描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図36参照)に「1」をセットする。そして、例えば、CGROM先頭アドレスレジスタに動画像の画像データが記憶されている領域の先頭アドレスを設定する。また、VRAM先頭アドレスレジスタに、VRAM84における転送先の領域の先頭アドレスを設定する。そして、復号実行指示レジスタの該当ビットをセットする。すると、VDP109は、復号された動画像の画像データをVRAMに転送する。その後、演出制御用CPU101は、CGバスのデータ幅を64ビットに戻すために描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図36参照)に「0」をセットする。
図62は、VDP109(具体的には、VDP109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からVRAM84の固定領域に画像データを転送する処理の変形例を示すフローチャートである。ここでは、VDP109は、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域84cを介して固定領域に画像データを転送する。
VDP109は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1001)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタ(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1002)。また、VRAM84の一時記憶領域84cの先頭アドレスを書込アドレスカウンタ(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1003A)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域(例えば、VDP109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1004)。
そして、データ転送処理を実行し(ステップS1005)、データ転送処理が終了したら、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、転送済みのデータの先頭アドレス、すなわち一時記憶領域84cの先頭アドレスを設定し(ステップS1007)、転送先先頭アドレスとして、VRAM先頭アドレスレジスタの内容を設定する(ステップS1008)。また、内蔵DMA回路に、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1009A)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1009B)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。VDP109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがVRAM84に転送されたことを認識し(ステップS10009C)、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1006)。
図63は、Vブランク割込処理(図59参照)における描画制御処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、まず、更新対象の部品画像を特定する(ステップS961)。一例として、0.1秒(100ms)毎に1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ上下または左右に移動するような飾り図柄の可変表示が実行されているときには、プロセスタイマは100msで対応アウトするように設定されている。そして、プロセスタイマがタイムアウトする前では「5」の飾り図柄が表示されていたとすると、タイムアウトしたときに使用される表示制御実行データには、「6」の飾り図柄をフレームメモリ84Aに展開することを示すデータが設定されている。その場合、演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理におけるステップ829の処理で、部品画像の描画が必要であると判定する。そして、ステップS961では、更新対象の部品画像を、「6」の飾り図柄であると特定する。また、0.1秒(100ms)毎に1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ上下または左右に移動するような飾り図柄の可変表示が実行されているときに、プロセスタイマを100msよりも短い時間(例えば、50ms)で対応アウトするように設定し、プロセスタイマがタイムアウトする前では「5」の飾り図柄のみが表示されていたとすると、タイムアウトしたときに使用される表示制御実行データには、「5」の飾り図柄の一部と「6」の飾り図柄の一部とがフレームメモリ84Aに展開されることを示すデータを設定してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、動画モードフラグがセットされていないことを条件として、動画への切替を行うべきか否か判定する(ステップS962)。動画への切替を行うべきか否かは、プロセステーブルに設定されたプロセスデータの内容にもとづいて判定される。すなわち、表示制御実行データに、動画であることを示すフラグが設定されているか否かによって判定される(図47(C)参照)。動画への切替を行うべきと判定したときには、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図36参照)に「1」をセットする(ステップS963)。そして、動画モードフラグをセットする(ステップS964)。
また、演出制御用CPU101は、動画モードフラグがセットされていることを条件として、静止画への切替を行うべきか否か判定する(ステップS965)。静止画への切替を行うべきか否かは、プロセステーブルに設定されたプロセスデータの内容にもとづいて判定される。すなわち、表示制御実行データに、静止画であることを示すフラグが設定されているか否かによって判定される(図47(B)参照)。静止画への切替を行うべきと判定したときには、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図36参照)に「0」をセットする(ステップS966)。そして、動画モードフラグをリセットする(ステップS967)
ステップS963の処理によって、演出制御用CPU101は、画像表示装置9において動画像表示が行われるときにCGROM83とVDP109との間のCGバスのバス幅を32ビットにするように指令することになる。また、画像表示装置9において動画像表示が行われなくなるときにCGROM83とVDP109との間のCGバスのバス幅を64ビットにするように指令することになる。
上述したように、動画像データ(圧縮データ)は、CGROM83において、32ビットのデータ入出力可能なROMに格納されている。従って、CGバスのバス幅を32ビットにしても、VDP109は、CGROM83から誤りなく画像データを読み出すことができる。
また、この実施の形態では、データバスモードレジスタに「1」がセットされると自動的にCGバスのバス幅を32ビットに設定し、データバスモードレジスタに「0」がセットされると自動的にCGバスのバス幅を64ビットに設定するようなVDP109を使用する。しかし、VDP109(具体的には、描画制御部91)が、データバスモードレジスタに設定された値に応じて64ビットデータバスのうちの上位32ビットを有効にする(バス幅を64ビットにする)制御を行ったり、無効にする(バス幅を32ビットにする)制御を行うように構成されたVDP109を用いてもよい。そのようなVDP109を用いた場合には、描画制御部91は、データバスモードレジスタに設定された値が変化すると、変化後の値に応じて、CGバスのバス幅を設定する処理を行う。
また、この実施の形態では、VDP109は、バス幅を32ビットにした後、次に静止画データがCGROM83から読み出されるときにバス幅を64ビットに戻すが、動画像データをCGROM83から読み出す処理が終了したときに、バス幅を64ビットに戻すようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、更新対象の部品画像があるか否か判定する(ステップS971)。ステップS971の処理は、更新対象の部品画像が複数ある場合があることを考慮した処理である。更新対象の部品画像がある場合には、その部品画像がVRAM84の固定領域84bに存在するか否か判定する(ステップS972)。この実施の形態では、各々の飾り図柄は、VRAM84の固定領域84bに存在する部品画像である。
部品画像が固定領域に存在する場合には、固定領域84bにおける部品画像の画像データが存在する領域の先頭アドレスを、固定領域内任意アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS973)。また、フレームメモリ84Aにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS974)。さらに、転送される画像データの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS975)。そして、固定領域データ転送実行指示レジスタ(図36参照)の該当ビットをセットする(ステップS976)。
部品画像が固定領域84bに存在しない場合には、演出制御用CPU101は、部品画像が動画像であるか否か判定する(ステップS980)。動画像でない場合には、CGROM83における部品画像(静止画)の画像データの先頭アドレスをCGROM先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS981)。また、フレームメモリ84Aにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS982)。さらに、転送される画像データの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタに設定する(ステップS983)。そして、フレームメモリデータ転送実行指示レジスタ(図36参照)の該当ビットをセットする(ステップS984)。
部品画像が動画像である場合には、CGROM83における部品画像(動画像)の画像データ(ムービーデータ)の先頭アドレスをCGROM先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS985)。また、フレームメモリ84Aにおける動画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS986)。さらに、ムービーデータの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタに設定する(ステップS987)。そして、復号実行指示レジスタ(図36参照)の該当ビットをセットする(ステップS988)。
図64は、VDP109(具体的には、VDP109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、VRAM84の固定領域からフレームメモリ84Aに画像データを転送する処理を示すフローチャートである。なお、VDP109は、フレームメモリ84Aにおける領域0が表示領域に設定されているときには、領域1を描画領域として画像データを転送し、領域1が表示領域に設定されているときには、領域0を描画領域として画像データを転送する。そのような制御を可能にするために、例えば、演出制御用CPU101は、フレームメモリ84Aのアドレスを指令するときには、常に領域0のアドレスを指令する。そして、VDP109は、領域1を描画領域として画像データを転送するときには、指令されたアドレスに対して、領域1のアドレスと領域0のアドレスとの差分を加算して、転送先のアドレスにする。
VDP109は、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1025)、ステップS973の処理で固定領域内任意先頭アドレスレジスタに設定された転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1026)。また、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1027)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1028)。
そして、データ転送処理(図61参照)を実行し(ステップS1029)、データ転送処理が終了したら、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1030)。なお、演出制御用CPU101は、必要ならば、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、VRAM84の固定領域84bからフレームメモリ84Aへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
図65は、VDP109(具体的には、VDP109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からフレームメモリ84Aに画像データを転送する処理を示すフローチャートである。
VDP109は、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1031)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1032)。また、転送先先頭アドレスとして、VRAM84の一時記憶領域84cの先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1033)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1034)。なお、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットは、例えば、ステップS984の処理(図63参照)でセットされる。
そして、データ転送処理(図61参照)を実行し(ステップS1035)、データ転送処理が終了したら、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、転送済みのデータの先頭アドレス、すなわち一時記憶領域84cの先頭アドレスを設定し(ステップS1036)、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを設定し、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1037)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1038)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。VDP109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがフレームメモリ84Aに転送されたことを認識し(ステップS1039)、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1040)。なお、演出制御用CPU101は、必要ならば、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からフレームメモリ84Aへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
CGROM83からフレームメモリ84Aに画像データを転送する必要がある場合、演出制御用CPU101は、アドレスに関して、CGROM83における先頭アドレスとフレームメモリ84Aにおける先頭アドレスとを指定するだけで(ステップS981,S982参照)、VDP109は、フレームメモリ84Aから画像データを読み出し、VRAM84の一時記憶領域84cを介してフレームメモリ84Aに画像データを展開する(ステップS1032〜S1039参照)。よって、フレームメモリ84Aから一時記憶領域84cを介してフレームメモリ84Aに画像データを転送するVDP109を用いても、演出制御用CPU101は、一時記憶領域84cにおけるアドレスを指定する必要はなく、CGROM83からフレームメモリ84Aへの画像データの転送に関する制御負担は増大しない。
図66および図67は、VDP109(具体的には、VDP109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からフレームメモリ84Aに動画像の画像データを転送する動画像復号処理を示すフローチャートである。動画像復号処理において、VDP109は、復号実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1041)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1042)。また、転送先先頭アドレスとして、VRAM84の一時記憶領域84cの先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1043)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1044)。
そして、データ転送処理(図61参照)を実行し(ステップS1045)、データ転送処理が終了したら、VDP109における動画伸張部89が、VRAM84の一時記憶領域84cに転送された動画像データ(圧縮データ)を例えば32ビット単位で復号する(ステップS1047)。
なお、この場合には、データ転送処理において、CGROM83から32ビット単位で画像データが読み出され、32ビット単位で画像データが一時記憶領域84cに書き込まれる。VRAM84が64ビットを1ワードとするように構成されている場合には、CGROM83から32ビット単位で2回画像データが読み出されたときに、2つの画像データが一時記憶領域84cに書き込まれる。
次いで、復号後の画像データを一時記憶領域における他の領域に保存する。動画像データがIピクチャである場合には、ステップS1045の処理で一時記憶領域に転送された動画像データのみを用いて復号することができる。しかし、動画像データがBピクチャまたはPピクチャである場合には、ステップS1045の処理で一時記憶領域に転送された動画像データのみを用いて復号することはできず、以前に復号されたフレームや以降に復号されるフレームの画像データも使用する必要がある。そこで、VDP109は、VRAM84の一時記憶領域に、Pピクチャの復号のために必要な過去に復号されたフレームの画像データを保存しておく。また、Bピクチャを復号するときには、Bピクチャの復号のために必要なフレームの画像データが復号されるまで、Bピクチャの圧縮データを一時記憶領域に保存し、Bピクチャの復号のために必要なフレームの画像データが復号されると、Bピクチャの画像データを復号する。
なお、この実施の形態では、フレームメモリ84AおよびVRAM84は、VDP109の外部に設けられているが、フレームメモリ84AおよびVRAM84がVDP109に内蔵されている場合には、動画像データ(圧縮データ)は、CGROM83からVDP109の内蔵RAMにおける一時記憶領域84cに転送され、内蔵RAMに転送された圧縮データについて復号がなされることになる。
次いで、VDP109は、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、復号後の画像データが保存されている一時記憶領域84cの先頭アドレスを設定し(ステップS1048)、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを設定し、復号後の画像データのデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1049)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1050)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。VDP109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがフレームメモリ84Aに転送されたことを認識し(ステップS1051)、復号実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1052)。なお、演出制御用CPU101は、必要ならば、復号実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からフレームメモリ84Aへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
また、この実施の形態では、VDP109は、CGROM83の動画像データ(圧縮データ)をVRAM84の一時記憶領域84cに保存し、一時記憶領域84cに保存されている圧縮データを対象として動画伸張部89が復号処理を行っている。しかし、VDP109が、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出しながら、読み出した圧縮データについて動画伸張部89が復号処理を行うようにしてもよい。そして、復号できた画像データを順次一時記憶領域84cに保存する。
以上のようにして、プロセスデータに設定されている表示制御実行データにもとづくフレームメモリ84Aへの描画制御が実行される。表示信号制御部87は、フレームメモリ84Aに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力して、画像表示装置9における画像表示を実現する。なお、表示信号制御部87は、Vブランク割込の発生間隔(例えば、33.3ms)の期間において、フレームメモリ84Aの領域0または領域1に展開されている画像データにもとづく画像信号を所定のクロック信号に同期して画像表示装置9に出力する。表示信号制御部87は、描画制御部91が描画領域としての領域0に対して画像データを展開しているときには表示領域としての領域1に展開されている画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力し、描画制御部91が描画領域としての領域1に対して画像データを展開しているときには表示領域としての領域0に展開されている画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、CGROM83に格納されている動画像データは、復号されたらフレームメモリ84Aに転送される。しかし、実際に動画像データにもとづく表示が行われる前に、事前にCGROM83に格納されている動画像データを復号して、例えばVRAM84の一時記憶領域84cに記憶するようにしてもよい。その場合には、例えば、プロセステーブルにおける最初の表示制御実行データに、動画像データを復号して一時記憶領域に展開するような指令(VDP109に対する)を格納し、以降の表示制御実行データにおいて、VRAM84の一時記憶領域からフレームメモリ84Aに画像データを転送させるための指令を設定すればよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、速やかに飾り図柄の可変表示を開始できる状態して、遊技者が遊技機に対して不審感を抱く可能性を低減できる。また、第1特別図柄の可変表示が行われるときでも第2特別図柄の可変表示が行われるときでも、画像表示装置において共通の表示演出(例えば、飾り図柄の変動方向が同じである等)が行われることから、可変表示に関して遊技者に違和感を与えることはない。
なお、上記の実施の形態では、VRAM84に展開される画像データはCGROM83に記憶(格納)され、VRAM84への画像データの展開はVDP109によってなされたが、演出制御用CPU101が、画像データを作成してVRAM84に書き込むようにしてもよい。一例として、演出制御用CPU101が、ポリゴンを用いて3次元画像データを作成し、作成した画像データを、VRAM84に書き込むようにしてもよい。演出制御用CPU101が画像データを作成してVRAM84に書き込むようにした場合に、表示演出で用いられる各画像データのうち、一部の画像データはVDP109によってCGROM83からVRAM84に転送され、他の画像データは演出制御用CPU101によって作成され、演出制御用CPU101からVRAM84に転送されるようにしてもよい。
例えば、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、演出制御用CPU101が、飾り図柄の画像データ(表示演出に使用される複数の画像データを含むデータであって第1データのデータ量よりも少ないデータ量の第2データの一例)を作成して(または、あらかじめ画像データが記憶されたROM112から読み出して、もしくは、演出制御用CPU101がCGROM83をアクセスできる場合にはCGROM83から読み出して)、VRAM84(表示用記憶手段の一例)に転送されるように制御する。また、VDP109は、キャラクタ画像や背景の画像の画像データ(演出用識別情報を可変表示する際の表示演出に使用される複数の画像データを含む第1データの一例)をVRAM84(表示用記憶手段の一例)に転送する制御を行う。演出制御用CPU101が、飾り図柄の画像データを直接的にVRAM84に書き込むように制御することによって、より早く飾り図柄の画像データがVRAM84に設定され、結果として、遊技機に対する電力供給が開始されたときに飾り図柄の変動をより早く開始することができる。
逆に、第2データはVDP109によってCGROM83からVRAM84に転送され、第1データは演出制御用CPU101によってCGROM83からVRAM84に対して転送されるように構成してもよい。この場合、第1データを画像データ記憶手段から表示用記憶手段に転送する初期データ転送処理を実行する初期データ転送手段は、演出制御用マイクロコンピュータ100で実現される。また、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、第1データ(または第2データ)を演出制御用CPU101によってCGROM83からVRAM84に対して転送されるように構成した場合に、第2データ(または第1データ)は、描画に必要になる都度、CGROM83からVRAM84に対して転送されるようにしてもよい。
また、一部の画像データ(上記の例では、第1データまたは第2データ)はVDP109によってCGROM83からVRAM84に転送され、他の画像データ(上記の例では、第2データまたは第1データ)は演出制御用CPU101によってCGROM83からVRAM84に対して転送されるように構成するのではなく、第1データと第2データとを、演出制御用CPU101によってCGROM83からVRAM84に対して転送されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100とVDP109とが共動してCGROM83からVRAM84への画像データの展開を実現するが、VDP109の機能(描画用プロセッサの機能)を、演出制御用マイクロコンピュータ100以外の他のマイクロコンピュータで実現してもよい。また、画像表示装置の表示状態を制御するための情報を出力する制御情報出力手段をVDP等の描画用プロセッサで実現してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100とVDPとが共動して表示制御を行う場合、複数のVDPを設けてもよい。
また、演出制御用CPU101が、画像データを作成してVRAM84に書き込むように構成された場合に、図60に示されたVブランク割込処理で、作成した画像データをVRAM84に書き込むようにしてもよい。
図68は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図68(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。なお、図68において、未だ保留が生じていないもの(図68(A)の例では3つ)についても枠部分が表示されているが、保留が生じていない個数については全くの未表示(枠等も表示しない。)であってもよい。
図68(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図68(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図68(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図68(C)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図68(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図68(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様(この例では青色の丸印の表示)で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶に対応する表示および第2保留記憶に対応する表示とは異なる態様で表示させるのではなく、例えば、既に表示されている個数が多い方の保留記憶の態様(例えば、第1保留記憶数の方が多い場合には赤色の丸印の表示態様)で表示させるようにしてもよいし、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、保留記憶数が増加しやすい保留記憶の態様(第2保留記憶に対応する緑色の丸印の表示態様)で表示させるようにしてもよい。また、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
図69〜図71は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図38(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAM113に形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAM113に形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS914)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS919)。ステップS919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS922)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS926)。「4」になっていなければ、ステップS935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS934)。ステップS934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS935に移行する。
ステップS935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS931では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS933)。そして、ステップS935に移行する。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS942)、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印または星印を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS943)。そして、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(ステップS944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS945)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS953)。
合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータでない場合には、「第2」を示すデータであるか否か確認する(ステップS946)。「第2」を示すデータであれば、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS947)。そして、ステップS951に移行する。合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第2」を示すデータでない場合には、不明始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS948)。そして、ステップS951に移行する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印または星印が1つ減る。
図72〜図74は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
図72(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図72(B)は、ステップS933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図72(C)は、ステップS913,S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図73(D)は、ステップS951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図73(E)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。
図73(F)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図73(F)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS923,S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図73(F)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図73(F)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図74(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図74(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図74(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図74(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図74(H)は、図74(H)の左側に示す状態(図74(G)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、 図74(H)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。
なお、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおいて、不明である保留記憶に応じた部分のみが、不明であることを示す青色で表示されたが(図68(D)参照)、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を、不明であることを示す青色で表示するようにしてもよい。
実施の形態2.
飾り図柄の変動等の表示演出を行うときに、VDP109は、画像の拡大処理を実行するようにしてもよい。図75は、画像の拡大処理を説明するための説明図である。VDP109における表示信号制御部87は、フレームメモリ84Aに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力するのであるが、演出制御用CPU101によって描画制御レジスタ95における拡大率設定レジスタ(図36参照)に拡大率が設定されると、画素の補間処理を行って画素数を増やし、それぞれの画素の画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力する。
例えば、画像表示装置9の画面の画素数が1024(横)×768(縦)(XVGA)である場合に、フレームメモリ84Aに1画面の画素数が640(横)×480(縦)(VGA)になる画像データが記憶されているときには、縦横1.6倍に画面を拡大する処理を行う。すなわち、水平方向の画素数を補間処理によって1.6倍にし、垂直方向の画素数を補間処理によって1.6倍にする。また、フレームメモリ84Aに1画面の画素数が800(横)×600(縦)(SVGA)になる画像データが記憶されているときには、縦横1.28倍に画面を拡大する処理を行う。すなわち、水平方向の画素数を補間処理によって1.28倍にし、垂直方向の画素数を補間処理によって1.28倍にする。
一例として、CGROM83に記憶されている静止画(スプライト画像)の1画面分に換算した画素数を800(横)×600(縦)とする。また、ムービー画像の1画面分に換算した画素数を640(横)×480(縦)とする。演出制御用CPU101は、画像表示装置9に、フレームメモリ84Aに展開された静止画の画像データにもとづく表示が行われる時期では、拡大率設定レジスタ(図36参照)に縦横1.6倍の拡大率を設定する。また、フレームメモリ84Aに展開されたムービー画像にもとづく表示が行われる時期では、拡大率設定レジスタ(図36参照)に縦横1.28倍の拡大率を設定する。
例えば、スーパーリーチ演出を伴う飾り図柄の変動が行われるときには、画像表示装置9に表示される画像としてムービー画像を用い、その他の演出を伴う飾り図柄の変動が行われるときには、画像表示装置9に表示される画像として静止画を用いる。その場合、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を開始するときに、拡大率設定レジスタに、1.6倍または1.28倍の拡大率を設定する。
なお、この実施の形態では、相対的にデータ量が多いムービー画像(スーパーリーチ演出を伴う演出における画像)について画素数を640(横)×480(縦)に相当するものにするが、スーパーリーチ演出を伴う演出における画像の画像データの方を、多い画素数(この例では、画素数を800(横)×600(縦))の画像データにしてもよい。その場合には、大当りになる信頼度がより高い場合に高解像度の画像による演出が実行されることになり、演出効果が高くなる。
図76は、第2の実施の形態における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブル(第1プロセステーブル)を選択したときに(ステップS842A)、変動パターンが動画(ムービー画像)を使用するスーパーリーチ演出を伴う変動パターンであるか否か確認する(ステップS842E)。スーパーリーチ演出を伴う変動パターンである場合には、拡大率設定レジスタに縦横1.28倍の拡大率を設定する(ステップS842F)。また、スーパーリーチ演出を伴う変動パターンでない場合には、拡大率設定レジスタに縦横1.68倍の拡大率を設定する(ステップS842G)。その他の処理は、図46に示された処理と同じである。
図77は、第2の実施の形態の変形例における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。変形例では、図76に示す飾り図柄変動開始処理を実行するのではなく、第1の実施の形態の場合と同様に、図46に示された飾り図柄変動開始処理を実行する。
そして、図77に示すように、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中処理において、リーチタイミングが到来したことを確認したら(ステップS867)、変動パターンが動画(ムービー画像)を使用するスーパーリーチ演出を伴う変動パターンであるか否か確認する(ステップS868)。スーパーリーチ演出を伴う変動パターンである場合には、拡大率設定レジスタに縦横1.28倍の拡大率を設定する(ステップS869)。また、スーパーリーチ演出を伴う変動パターンでない場合には、拡大率設定レジスタに縦横1.28倍の拡大率を設定する(ステップS870)。その他の処理は、図51に示された処理と同じである。
なお、リーチタイミングが到来するとは、リーチになった時点になることを意味する。図10に示す例では、変動開始から5秒経過したときである。演出制御用CPU101は、リーチタイミングが到来したか否かを、例えば、変動時間タイマの値にもとづいて判定する。また、この実施の形態では、飾り図柄の変動中のプロセステーブルにおけるプロセスデータの切替をVブランク割込処理で実行するので、Vブランク割込処理において、リーチタイミングが到来したときのプロセスデータの切替タイミングになったときに、リーチタイミングが到来したと判定してもよい。
図78は、第2の実施の形態における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、拡大率設定レジスタを初期化(例えば、拡大率1.0を設定する。)する処理を実行する(ステップS873A)。その他の処理は、図56に示された処理と同じである。
上記のように、VDP109における表示信号制御部87は、フレームメモリ84Aに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力するのであるが、拡大率設定レジスタに1.0以外の拡大率が設定されると、画素の補間処理を行って画素数を増やし、それぞれの画素の画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力する。従って、拡大率設定レジスタの設定に応じて、拡大された画像が画像表示装置9に表示される。
この実施の形態では、画像表示装置9の画素数が第1の実施の形態の場合と同じである場合、CGROM83に記憶される静止画およびムービー画像の画像データとして、第1の実施の形態の場合に比べて少ない画素数の画像データがCGROM83に記憶されていればよい。よって、同じ画素数の画像を表示する場合に、CGROM83の容量を少なくすることができる。
なお、この実施の形態では、VDP109が画像を拡大する処理を行ったが、画像を縮小する処理を行うこともできる。また、VDP109における表示信号制御部87が、画像表示装置9の画面の一部において表示される部品画像について拡大処理を実行するようにしてもよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理において、表示演出に必要とされる部品画像の画像データがフレームメモリ84Aに存在しない場合に、VRAM84またはCGROM83からフレームメモリ84Aに部品画像の画像データを転送する制御を行ったが、演出制御用CPU101は、表示演出に必要とされる部品画像の画像データがフレームメモリ84Aに存在するか否か確認し、存在しないことを確認したら、VDP109に対して部品画像の画像データを転送する指令を出力するようにしてもよい。
図79は、各変動パターンについて必要な部品画像の例を示す説明図である。なお、各変動パターンについて必要な部品画像を示すデータは、ROM112にテーブルとして記憶されている。
図80は、この実施の形態における部品画像データ転送領域データテーブルの構成例を示す説明図である。図80に示すように、部品画像データ転送領域データテーブルには、各部品画像の画像データのCGROM83における格納アドレス(先頭アドレス)とデータサイズ(データ長)とが設定されている。
図81は、コマンド解析処理(ステップS707)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
また、VRAM84に、変動パターンに応じた表示演出を行うために必要な部品画像の画像データが記憶されているか否か確認する(ステップS617)。なお、演出制御用CPU101は、VDP109に対して部品画像の画像データをVRAM84に転送する指令を出力したときに、その部品画像を特定可能なデータをRAM113等に記憶しておく。よって、演出制御用CPU101は、RAM113等に記憶されているデータにもとづいて、必要な部品画像の画像データがVRAM84に記憶されているか否か確認することができる。なお、演出制御用CPU101は、第2データ転送処理(ステップS702)で主要な部品画像の画像データをVRAM84に転送する指令をVDP109に出力するが、そのときにも、その部品画像を特定可能なデータをRAM113等に記憶しておく。
演出制御用CPU101は、ステップS617の処理で、VRAM84に画像データが記憶されていない部品画像があると判定した場合には、その部品画像に対応する部品画像データ転送領域データテーブルの先頭アドレスを、例えば内部レジスタに設定する(ステップS618)また、VRAM84のバッファ領域84b2における転送先領域の先頭アドレスを、描画制御レジスタ95におけるVRAM先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定し(ステップS619)、アドレスポインタに0をセットする(ステップS620。そして、部品画像データ転送制御処理を実行する(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドでない場合には、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS621)。そして、ステップS611に移行する。
図82は、部品画像データ転送制御処理を示すフローチャートである。部品画像データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、部品画像データ転送領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(CGROM83におけるデータ格納先頭アドレス(転送元先頭アドレス))を読み出す(ステップS631)。なお、ROM112における部品画像データ転送領域データテーブルの先頭アドレスは0000番地ではないので、部品画像データ転送領域データテーブルからデータを読み出すときには、アドレスポインタの値に、部品画像データ転送領域データテーブルの先頭アドレスをオフセット値として加算する。演出制御用CPU101は、部品画像データ転送領域データテーブルから読み出したデータを、CGROM先頭アドレスレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS632)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS633)。
次に、部品画像データ転送領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(データ長)を読み出し(ステップS634)、読み出したデータを、VRAM転送データサイズレジスタ(図36参照)に設定する(ステップS635)。そして、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをセットする(ステップS636)。
以上のようにして、演出制御用CPU101からVDP109に対して、CGROM83に格納されている部品画像の画像データをVRAM84に転送するための指令がVDP109に与えられたことになる。VDP109は、演出制御用CPU101から画像データをVRAM84に転送するための指令が与えられると、CGROM83からVRAM84へのデータ転送を実行する(図62参照)。
第1の実施の形態では、演出制御用CPU101は、第2データ転送処理(ステップS702)で主要な部品画像の画像データをVRAM84に転送する指令をVDP109に出力し、VDP109は、指令に応じて、主要な部品画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送し、それらの部品画像を用いた表示演出を実行可能な状態にした。そして、表示演出に用いる部品画像のうちVRAM84に画像データが記憶されていないものがあれば、演出制御用CPU101は、VDP109に対して、適宜、部品画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送する指定を出力した(図59および図63参照)。
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の場合と同様に、演出制御用CPU101は、第2データ転送処理(ステップS702)で主要な部品画像の画像データをVRAM84に転送する指令をVDP109に出力し、VDP109は、指令に応じて、主要な部品画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送し、それらの部品画像を用いた表示演出を実行可能な状態にした。そして、表示演出に用いる部品画像のうちVRAM84に画像データが記憶されていないものがあれば、演出制御用CPU101は、部品画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送するようにVDP109に指令を与えた(図81参照)。
例えば、表示演出に用いられる部品画像の画像データのうち、頻繁に用いられる部品画像(例えば、飾り図柄)は、あらかじめCGROM83からVRAM84に転送され、その後、VRAM84において不足の部品画像の画像データがあれば、その都度、部品画像の画像データをCGROM83からVRAM84に転送して、その部品画像を用いた表示演出を実行できる状態にした。
しかし、VRAM84の容量に余裕があれば、全ての種類の表示演出を直ちに実行可能にするために、いずれかの表示演出で用いられる部品画像の表示データの全てを、あらかじめVRAM84に転送することができる。その場合、例えば、図39に示されたスプライト/映像データ転送処理(ステップS704)において、いずれかの表示演出で用いられる部品画像の表示データの全てをVRAM84に転送するための制御を行う。
なお、上記の実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器(可変表示部)を備え、画像表示装置9において、特別図柄表示器における特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄を可変表示するように構成された遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。