JP2012120096A - ライン照明光学系及び原稿読取装置 - Google Patents

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Nobuaki Ono
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和宏 赤津
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Abstract

【課題】被照射部の照明色度のばらつきや色むらの低減効果に優れ、光利用効率の低下を抑えることができるとともに、装置の安全性を確保することができるライン照明光学系、及び原稿読取装置を提供する。
【解決手段】励起用のLEDチップ11、及び蛍光体12からなるLED光源1を、光照射される被照射部の主走査方向に沿って複数配設した発光部と、LED光源1から出射された光を反射して前記被照射部へ導く反射部材2とを備え、LED光源1が、光の出射方向が被照射部へ向かう方向とは異なるように配置され、反射部材2が、副走査方向断面で連なった複数のミラーからなる多面ミラーであり、前記多面ミラーを構成する複数の前記ミラーが、各ミラーによる反射光の同等の色度成分が、副走査方向において一点に集中しないように配置されたライン照明光学系、該ライン照明光学系を備えた原稿読取装置である。
【選択図】図3

Description

本発明は、白色LEDを光源とするライン照明光学系、及び該ライン照明光学系を備えるデジタル複写機やイメージスキャナなどの原稿読取装置に関する。
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」と表す)の開発が活発に行われている。LED素子の明るさは急激に高まっており、コストも低廉化してきている。LEDは、一般的に長寿命、高効率、高耐G性、単色発光などの利点を有しており、多くの照明分野への応用が期待されている。その用途の一つとして、従来はキセノンランプや例陰極管などの線状光源が用いられていた、デジタル複写機やイメージスキャナのような原稿読取装置の原稿照明装置としてのライン照明光学系が挙げられる。
白色発光型のLED素子における発光スペクトルは、可視域の波長帯をカバーしており、カラー画像を読取可能な原稿読取装置のライン照明光学系にも使用することができる。このため、疑似白色LEDを用いた多種多様なライン照明光学系が提案されている。
また、LEDを光源とする場合、照明効率が高いほど省エネルギー効果が高いため、LED光源を用いた照明効率の高い読取照明系(ライン照明光学系)を提供することは環境側面から重要である。
例えば、ライン照明光学系としては、発光点による光量ムラを軽減し安定な照度分布が得られるように、また高精度な画像読取、高品質な画像形成が可能となるように反射部材等を配置したものが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。原稿画像を縮小した像をつくりラインセンサで読み取る、いわゆる縮小光学系の画像読取装置としては、特許文献2に記載の光学系が、読取光軸を挟んで2方向から被照射部を照明するタイプにおいて最も光利用効率が高い照明光学系である。
しかしながら、光源として疑似白色LEDを用いる場合、擬似白色LEDの青色発光チップのサイズは黄色光に波長変換する蛍光体のサイズよりもかなり小さく、発光する位置も異なっているので、被照射部(原稿読取面上)で照明光の色度にばらつきが発生しやすいという問題がある。具体的には、副走査方向に色味が変わってしまい、照明光の中央付近は青色が強く、その周辺付近は黄色が強くなってしまうという問題がある。
これに対し、特許文献1では、LED光源近傍に平面反射鏡からなる反射部材を設け、平面反射鏡の組み合わせにより色ムラの発生を低減させる装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された装置では、直接光はそのまま広がっていくため光利用効率を向上させにくく、特許文献2に記載された装置のような優れた光利用効率が得られない。また、直接光と反射光とが混在するため、両者の被照射部までの距離が異なり、ミラーの位置ズレや形状公差によって照明性能が製品間でばらついたり、経時変化を起こしたりすることがある。
さらに、LED光源からの最も強度の強い方向の光が、直接コンタクトガラスのみを透過するだけで原稿面に到達していることにより、ユーザが直接光をコンタクトガラス越しに直視してしまうことがある。LED光源は、レーザ光と比較して、コヒーレンス性(可干渉性)が低く、人の目に入射しても網膜での結像光のパワー密度が小さくなるため危険度は低いものの、安全性の観点からは問題である。また、LED光源の光は、ランプ光源にくらべるとぎらつき感があるため、ユーザに不快感を与えることがある。
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、被照射部における照明色度のばらつきや色むらの低減効果に優れ、光利用効率の低下を抑えることができるとともに、装置の安全性を確保することができるライン照明光学系、及び原稿読取装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るライン照明光学系及び原稿読取装置は、以下のとおりである。
〔1〕 被照射部をライン状に光照射するライン照明光学系であって、
励起用のLEDチップ、及び該LEDチップから放射される光によって励起されて発光する蛍光体からなるLED光源を、光照射される前記被照射部の主走査方向に沿って複数配設した発光部と、
前記LED光源から出射された光を反射して前記被照射部へ導く反射部材とを備え、
前記LED光源が、光の出射方向が前記被照射部へ向かう方向とは異なるように配置され、
前記反射部材が、副走査方向断面で連なった複数の平面ミラーからなる多面ミラーであり、
前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光の同等の色度成分が、副走査方向における同一位置に集中しないように配置されたことを特徴とするライン照明光学系である。
〔2〕 前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側と他方側とにそれぞれ振り分けられるように配置されたことを特徴とする前記〔1〕に記載のライン照明光学系である。
〔3〕 前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側及び他方側、並びにその中央部にそれぞれ振り分けられるように配置されたことを特徴とする前記〔1〕に記載のライン照明光学系である。
〔4〕 前記多面ミラーの反射面と前記被照射部との間に、拡散板が配置されたことを特徴とする前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のライン照明光学系である。
〔5〕 前記LED光源から出射された光のうち、前記多面ミラーで反射されない光を前記被照射部へ導く対向ミラーを備えることを特徴とする前記〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のライン照明光学系である。
〔6〕 前記複数のLED光源及び前記反射部材からなるライン照明ユニットを、読取光軸に対し副走査方向に対称な位置に2つ備えることを特徴とする前記〔1〕から〔5〕のいずれかに記載のライン照明光学系である。
〔7〕 前記〔1〕から〔6〕のいずれかに記載のライン照明光学系を備え、
前記ライン照明光学系により照明された原稿の情報を、ミラー及びレンズの少なくともいずれかからなる読取光学系を介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取ることを特徴とする原稿読取装置である。
本発明の効果として、請求項1の発明によれば、被照射部をライン状に光照射するライン照明光学系であって、励起用のLEDチップ、及び該LEDチップから放射される光によって励起されて発光する蛍光体からなるLED光源を、光照射される前記被照射部の主走査方向に沿って複数配設した発光部と、前記LED光源から出射された光を反射して前記被照射部へ導く反射部材とを備え、前記LED光源が、光の出射方向が前記被照射部へ向かう方向とは異なるように配置され、前記反射部材が、副走査方向断面で連なった複数の平面ミラーからなる多面ミラーであり、前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光の同等の色度成分が、副走査方向における同一位置に集中しないように配置されたライン照明光学系であるため、被照射部における照明色度のばらつきや色むらの低減効果に優れ、光利用効率の低下を抑えることができるとともに、装置の安全性を確保することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載のライン照明光学系において、前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側と他方側とにそれぞれ振り分けられるように配置されたため、被照射部の照明色度のばらつきや色むらの低減効果により優れ、光利用効率の低下を抑えることができるとともに、装置の安全性を確保することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1に記載のライン照明光学系において、前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側及び他方側、並びにその中央部にそれぞれ振り分けられるように配置されたため、被照射部の照明色度のばらつきや色むらの低減効果に極めて優れ、光利用効率の低下を抑えることができるとともに、装置の安全性を確保することができる。
請求項4の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載のライン照明光学系において、前記多面ミラーの反射面と前記被照射部との間に、拡散板が配置されたためLED光源の実装ピッチが長い場合であっても、主走査方向の照度分布において、極大極小となるようなリップルの発生を低減させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載のライン照明光学系において、前記LED光源から出射された光のうち、前記多面ミラーで反射されない光を前記被照射部へ導く対向ミラーを備えるため、切り貼りや折り目などにより表面に段差を有する原稿において影の発生を低減させることができる。
請求項6の発明によれば、請求項1から5のいずれかに記載のライン照明光学系において、前記複数のLED光源及び前記反射部材からなるライン照明ユニットを、読取光軸に対し副走査方向に対称な位置に2つ備えるため、高い照度のライン照明光学系を構築することができる。
請求項7の発明によれば、請求項1から6のいずれかに記載のライン照明光学系を備え、前記ライン照明光学系により照明された原稿の情報を、ミラー及びレンズの少なくともいずれかからなる読取光学系を介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取る原稿読取装置であるため、被照射部である原稿読取面の照明色度のばらつきや色むらが低減され、光利用効率の高い照明により良好な画像読取が実現するとともに、装置の安全性を確保することができる。
本発明のライン照明光学系を備える原稿読取装置の要部の概略構成図である。 本発明のライン照明光学系の多面ミラーの一例を模式的に示す断面図である。 本発明のライン照明光学系における一の平面ミラーによる光路を示す概略図である。 本発明のライン照明光学系における他の平面ミラーによる光路を示す概略図である。 色むら低減をシミュレーションにより検証する方法の説明図である。 図5のライン照明光学系による被照射部の副走査方向における色度のグラフである。 比較例の構成を示す概略図である。 比較例における被照射部の副走査方向における色度のグラフである。 本発明のライン照明光学系の要部の概略構成図である。 図9のライン照明光学系におけるLED光源のスペクトルを示す。 図9のライン照明光学系における各平面ミラーの反射光の色度解析結果一覧である。 図9のライン照明光学系における多面ミラーの説明図である。 図9のライン照明光学系による被照射部の副走査方向における色度のグラフである。 本発明のライン照明光学系の要部の概略構成図である。 本発明のライン照明光学系の要部の概略構成図である。 主走査方向の照度分布形状を示すグラフである。 本発明のライン照明光学系の要部の概略構成図である。 本発明のライン照明光学系の要部の概略構成図である。
以下、本発明に係るライン照明光学系及び原稿読取装置について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施例の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
〔第1の実施態様〕
図1に本発明の原稿読取装置の要部の概略構成図を示す。
図1に示すように、本発明の原稿読取装置は、本発明のライン照明光学系により照明されたコンタクトガラス5上に載置された原稿6の読取面の被照射部の情報を、ミラー8,9a,9b及び読取レンズ10からなる読取光学系を介して撮像素子(ラインセンサ)13上に結像し、該撮像素子13による受光信号を電気信号に変換して読み取る。
図1中の破線で囲まれた本発明のライン照明光学系は、励起用のLEDチップ(青色LEDチップ)11、及び該LEDチップ11から放射される光によって励起されて発光する蛍光体(黄色蛍光体)12からなるLED光源1を、実装基板13に、光照射される被照射部の主走査方向に沿って複数配設した発光部と、LED光源1から出射された光を反射して被照射部4へ導く反射部材2とを備える。
なお、複数のLED光源1は、光の出射方向が被照射部4へ向かう方向とは異なるように配置される。例えば、LED光源1の出射面が、被照射部4とは略反対の方向を向くように配置される。これによりLED光源からの直接光がユーザの目に入射することが無く、ユーザの網膜の光損傷を未然に回避することができ、またぎらつきによる不快感を与えることもない。
LED光源の種類としては、様々なものがあるが、おおむね蛍光体12はLEDチップ11の10倍程度の大きさであり、例えば、青色LEDチップ11が0.2mm程度の大きさであるのに対し、黄色蛍光体12は2mm程度の大きさである。また、蛍光体12の厚さは約1mmであるため、見かけ上の光源の位置は、黄色の蛍光光に対して青色光が1mm程度奥まった位置から放射されることになる。
反射部材2は、副走査方向断面で連なった複数の平面ミラーからなる多面ミラーであり、該多面ミラーを構成する複数の平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光の同等の色度成分が、副走査方向における同一位置に集中しないように配置されている。
図2に多面ミラー2の反射面を拡大した断面図を示す。多面ミラー2は、例えば、m1、m2、m3、m4、m5、m6で示される複数の平面ミラーがそれぞれ反射面の機能を有し、異なる傾斜角で傾斜する平面が連結されて構成されている。
図3及び図4は、多面ミラー2を構成する平面ミラーによる反射光を説明する図である。
青色LED11から出射された光の一部は、黄色蛍光体12で吸収され、残りは透過してLED光源(以下、「LEDパッケージ」ともいう)1の外へ放射される。
LEDパッケージ1から放出され広がっていく青色光(実線)のうち、図3に示す平面ミラーm1で反射された光は、そのままの広がりを保って被照射部を照射する(31)。一方、黄色蛍光体12から放射された光(破線)は、蛍光体12のサイズと厚さに起因して、青色光よりも広がって被照射部を照射する(32)。
図3に示したように、平面ミラーm1で反射された青色の照度分布31と黄色の照度分布32とを比べると、ピークの位置も照度分布の広がりも異なる。このため、副走査方向(図3における左右方向)で青光と黄色の光配分が異なることになる。したがって、白色光であっても、図3に示した青色の照度分布31のピーク位置付近では青みがかった白で、黄色の照度分布32のピーク位置付近では黄色みがかった白となる。
平面ミラーm2で反射された光を、図4に示すように、被照射部における青色光(実線)の照射を41、黄色光(破線)の照射を42で示す。すなわち、図4に示した青色の照度分布41のピーク位置付近では青みがかった白で、黄色の照度分布42のピーク位置付近では黄色みがかった白となる。図4中、図3に示した平面ミラーm1による照度分布31、及び32をあわせて示している。
本発明のライン照明光学系によれば、平面ミラーm1及びm2からの反射光が被照射部で重なった場合、同等の色度成分である黄色みがかった光32及び42は、副走査方向において一点に集中しておらず、青色の光と黄色の光がうまく混じり、加法混色となるため、色むらが低減される。
〔検証方法〕
色むらが低減されることをシミュレーションにより検証する方法について図5により説明する。
計算ソフトとして、照度設計評価ソフトLightTools(ライトツールズ)、ver6.3(バージョン6.3)を使用した。計算モデルは、図5に示すようにLEDパッケージの青色チップをモデル化した光源51aと、蛍光体をモデル化した光源51bと、多面ミラー52とで構成し、多面ミラー52は、平面ミラー8枚で構成した。コンタクトガラス53上の被照射部54における色度解析を行った。(なお、読取レンズやラインセンサはモデル上、省略した。)
図6に、被照射部54で副走査方向(紙面における図5の左右方向)の±5mmのエリアにおける色度のグラフを示す。図6に示されているとおり、副走査方向におけるいずれの位置も、ほぼx,y=0.3,0.3の色度座標値であり、色むらが小さいことがわかる。なお、この色度座標は、CIE(国際照明委員会:Commission Internationale de l’Eclairage)色度図によるものである。
〔比較例〕
本発明のライン照明光学系により色ムラが低減されることを証明するため、図7に比較例を示して比較検証する。
図7の反射部材70は、多面ミラーではなく、副走査断面で楕円面形状となるリフレクタである。主走査方向(紙面における図7の奥行き方向)には、ミラーの集光パワーを有さない。リフレクタ70は、従来のキセノンランプを光源とする画像読取用照明光学系において使われてきたミラーである。ランプ(線状光源)を第一焦点付近に配置し、第二焦点は被照射部から適宜、離れた位置となるようにリフレクタ70のパラメータが決められていた。本比較例では、第二焦点は原稿面(被照射面)よりも上方(LED光源から離れる方向)となるように楕円ミラー形状を設定した。
なお、本発明との比較のため、光源は図5に示したのと同様のモデル化したLEDパッケージを用いた。
図7の比較例の被照射部で副走査方向(紙面における図7の左右方向)の±5mmのエリアにおける色度のグラフを図8に示す。
図8に示されるとおり、副走査位置が4mm以上、及び−1mm未満の位置で色度座標値が大きく変化している。これらのエリアでx、yともに0.3よりも大きな値であるため、黄色の光がこの領域に多く到達し、青色光は少ないことを意味している。逆に、副走査位置が−1mmから4mm以内のエリアでは、青味がかった光が多く、黄色の光が少ないことを意味している。この結果から、反射部材として多面ミラーではなく、副走査断面で楕円面形状となるリフレクタを用いた例では、色むらの発生がみられることがわかる。
図7の例におけるリフレクタは、副走査断面形状が楕円面形状であったが、パラボラ形状や球面形状であっても、同様に色むらの発生がみられる。これは、上述したようなLEDチップと蛍光体との大きさ、及び発光位置が異なることによる色むらの発生を、反射光の色度成分の振り分けにより解消できないためである。
なお、上述の例では、蛍光体として黄色蛍光体を用いて説明したが、緑色蛍光体と赤色蛍光体を用いる、いわゆる高演色LEDであっても本発明の効果が損なわれることはない。
〔第2の実施態様〕
図9に、本発明のライン照明光学系の他の態様を示す。
図9に示すライン照明光学系は、実装基板3に実装された青色LED(青用光源)51a及び黄色蛍光体(黄色用光源)51bからなるLED光源と、8個の平面ミラーからなる多面ミラー91と、読取光軸7を挟んで対向する位置に設置した対向ミラー92とで構成され、コンタクトガラス53上の被照射部54へ光を照射させる。
多面ミラー91を図12に示す。図12に示すように、多面ミラーを構成する各平面ミラーは、被照射部54から最も遠い位置に配置された順にミラー1、ミラー2、・・・、ミラー8という。
LED光源の発光スペクトルを図10に示す。白色LEDパッケージをモデル化した青用光源51aは、450nmでピーク波長となる発光スペクトル(図10のA)を与え、黄色用光源51bは570nmをピーク波長とする発光スペクトル(図10のB)とした。各光源モデルの光パワーは、51aが6mW、51bが10mWと定義した。なお、51a及び51bは、主走査方向に8個を等ピッチで配列した。
コンタクトガラス53の上面の被照射部54における色度解析を実施した。
多面ミラー91の平面ミラー1枚ごとに、その反射部からの反射光が被照射部54に到達した光の色度を計算した。グラフ化する際には、主走査位置の中央で副走査方向±3mmの領域でCIE色度座標x及びyを縦軸にとり、横軸を副走査位置とした。色度解析結果を図11に示す。
図11に示すように、各平面ミラーのうち、ミラー1、ミラー4、及びミラー6からの反射光は、黄色成分の多い光が副走査位置の正の領域にみられる。一方、ミラー3、ミラー5、及びミラー7からの反射光は、黄色成分の多い光が副走査位置の負の領域にみられる。残りのミラー2及びミラー8からの反射光は、黄色成分の多い光が副走査位置0の位置にみられるか、もしくは、色ずれのない光である。
このように、同等の色度成分である黄色成分の多い光が、副走査方向において同一位置に集中しないように、本発明のライン照明光学系における多面ミラーを構成する各平面ミラーはそれぞれ配置されており、例えば、設置角が下記表1に示す値になるよう調整されて配置されている。
設置角を表1のように調整された各平面ミラーの反射光で照射された被照射部の色度座標値を図13に示す。
図13に示されるように、副走査方向におけるいずれの位置も、ほぼ、x,y=0.3,0.3の色度座標値であり、図7に示した比較例における色度座標値(図8)と比較して明らかなように、極めて色むらが小さいことがわかる。
上述のとおり、反射光の同等の色度成分、具体的には黄色成分の多い光の領域を、副走査方向に振り分けることにより、混色されて色むらが低減することがわかる。したがって、同等の色度成分の振り分け方としては、例えば、以下のような方法が考えられる。(なお、副走査方向において被照射部中央を0として、LED光源が配置された一方側を負、他方側と正と表すことができる。)
(1)反射光の同等の色度成分を、副走査位置の正及び負に均等に振り分ける。(例えば、ミラーm1、m3、m5、・・・が副走査方向の正の位置に黄色を強め、ミラーm2、m4、m6、・・・が負の位置に黄色を強める。)
(2)反射光の同等の色度成分を、副走査位置の正、負、及び0付近の3箇所に振り分ける。
(3)反射光の同等の色度成分の該色度(例えば黄色味)の強度に応じ、副走査位置の正及び負への振り分け数を調整する。
(4)反射光の同等の色度成分の該色度(例えば黄色味)の強い光が、別のミラーからの色度の強い光とは全く重ならないように、全てを振り分ける。
なお、従来の光利用効率の高い照明系に比べると、本発明のライン照明光学系は、反射部材を平面ミラーの組み合わせとしたことによる効率低減と、色むらの発生を低減させるためのミラー調整によって被照射部近傍への光の回りこみによる効率低減が原理的に発生する。このため、多面ミラーの分割数は少なすぎると光利用効率が低下し、一方、分割数が多すぎると色むらを低減させるために各ミラーの設置角をさらに回転させていく必要があり、効率低下につながるという留意点がある。
〔第3の実施態様〕
また、本発明のライン照明光学系の構成としては、図14及び図15に示すように、LED光源1から出射された光のうち、多面ミラー2で反射されない光を被照射部4へ導く対向ミラー92、93を備えることにより、原稿6を副走査方向の2方向から照明することができる。このような構成とすることにより、切り貼り原稿を読み取る場合に段差の影が発生しにくく、また、折り目がある原稿等においても、折り目付近で照明の影が発生しづらい照明光学系となる。
対向ミラーは、図15に示すように、複数の平面ミラー部93a、93b、93c、93dで構成される多面ミラーの対向ミラー93とすることができる。該対向ミラー93によって反射光の被照射部4における色むらを低減させることができ、多面ミラー2による効果とあわせて、さらなる色むら低減効果が得られる。
さらに、本発明のライン照明光学系の構成としては、図14及び図15に示すように、多面ミラー2の反射面と被照射部4との間に、拡散板141を配置することができる。
拡散板141は、すりガラスのように表面に凹凸形状を有するシート状の部材であり、該凹凸形状を有する拡散面を配置する方向は、多面ミラー2側でもコンタクトガラス5側のいずれでも良い。
多面ミラー2で反射した光は、拡散板141に到達するまでは、図3及び図4にミラーm1及びm2の光路として示したものと同じ軌跡をたどる。拡散板141の拡散面を通過することにより光が拡散されるため、この拡散広がりが重畳され、被照射部4における光の混ざり方が向上し、色むらがさらに低減される。ただし、拡散の広がりが大きすぎると光利用効率が低下する。このような点から、拡散板141の拡散性については、色むらの低減と光利用効率との調整を図るよう、設計上留意する必要がある。
また、近年、LED光源1の明るさ(発光効率)は向上を続けており、同じ原稿面照度が必要な場合において、より発光効率が向上した新しいLED光源1を用いることにより、主走査方向に実装するLED光源1の個数を減らすことができる。
しかしながら、LED光源1の実装ピッチが長くなると、例えば、図16の照度分布形状162に示されるように、主走査方向の照度分布の平坦性が損われることがある。そこで少なくとも主走査方向に光を拡散させることにより、図16の分布形状162を、163のようにリップル(極大、極小となる照度分布)を低減させる形状とすることができる。
ただし、拡散により照度自体がやや低下する(分布形状162)。これに対し、LED光源への駆動電流を増加させるなどの対策をとることにより、所望の照度分布形状161が得られる。
なお、拡散板141は、表面もしくは内面にビーズや微粒子等を含有させてなる拡散シートであっても本発明の効果を損なわない。
〔第4の実施態様〕
本発明のライン照明光学系は、図17及び図18に示すように、複数のLED光源1からなる発光部、反射部材2、及びこれらを保持する保持部材142からなるライン照明ユニット2つ(17a,17b)を読取光軸7に対し副走査方向に対称な位置に備えることができる。
ライン照明ユニット17a及び17bが2つ配置されているため、非常に明るい照明が得られる。また、それぞれのライン照明ユニット17a及び17bに、図18に示すように拡散板141を追加することにより、各ライン照明ユニット使用されるLEDパッケージ1の個数を少なくしても、主走査方向にリップルの無い照度分布形状の照明を構築することができる。
上述のとおり、本発明のライン照明光学系は、照明色度のばらつきや色むらの低減効果に優れ、光利用効率の低下を抑えることができるため、複合機(コピー機)などの本発明の原稿読取装置のみならず、検査装置の照明光学系、例えば、液晶表示装置(液晶テレビ等)のガラス基板(マザーガラス)のごみ検出のためのライン照明などにも適用することができる。
1 LED光源
2 反射部材(多面ミラー)
3 実装基板
4 被照射部
5 コンタクトガラス
6 原稿
7 読取光軸
8 ミラー
9a ミラー
9b ミラー
10 読取レンズ
11 LEDチップ
12 蛍光体
13 ラインセンサ
特開2006−42016号公報 特開2002−142082第号公報 特許第3979741号公報 特開平9−61946号公報 特開平9−34027号公報

Claims (7)

  1. 被照射部をライン状に光照射するライン照明光学系であって、
    励起用のLEDチップ、及び該LEDチップから放射される光によって励起されて発光する蛍光体からなるLED光源を、光照射される前記被照射部の主走査方向に沿って複数配設した発光部と、
    前記LED光源から出射された光を反射して前記被照射部へ導く反射部材とを備え、
    前記LED光源が、光の出射方向が前記被照射部へ向かう方向とは異なるように配置され、
    前記反射部材が、副走査方向断面で連なった複数の平面ミラーからなる多面ミラーであり、
    前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光の同等の色度成分が、副走査方向における同一位置に集中しないように配置されたことを特徴とするライン照明光学系。
  2. 前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側と他方側とにそれぞれ振り分けられるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のライン照明光学系。
  3. 前記多面ミラーを構成する複数の前記平面ミラーが、各平面ミラーからの反射光のうち、前記LED光源の前記蛍光体からの蛍光光成分が、副走査方向において前記被照射部中央に対して前記LED光源が配置された一方側及び他方側、並びにその中央部にそれぞれ振り分けられるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のライン照明光学系。
  4. 前記多面ミラーの反射面と前記被照射部との間に、拡散板が配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のライン照明光学系。
  5. 前記LED光源から出射された光のうち、前記多面ミラーで反射されない光を前記被照射部へ導く対向ミラーを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のライン照明光学系。
  6. 前記複数のLED光源及び前記反射部材からなるライン照明ユニットを、読取光軸に対し副走査方向に対称な位置に2つ備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のライン照明光学系。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のライン照明光学系を備え、
    前記ライン照明光学系により照明された原稿の情報を、ミラー及びレンズの少なくともいずれかからなる読取光学系を介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取ることを特徴とする原稿読取装置。
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