JP2012118042A - 乾燥粉体分散供給装置及びそれを用いた粒度分布測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プローブ本体11と、プローブ本体11の上面から下面まで貫通するように配置される吸引管12の一端部とを有する吸引プローブ10と、側壁21と底面22とを有し、内部に被測定粒子群が収納される試料容器20とを備え、吸引管12の他端部が粒度分布測定装置1の測定空間に連結される乾燥粉体分散供給装置2であって、プローブ本体11の上部から下部まで貫通するように形成された貫通孔13とシール部材14とを備え、被測定粒子群を測定空間に供給する際には、シール部材14は、試料容器20の側壁21とプローブ本体11との間に配置される。
【選択図】図1
Description
粒度分布測定装置501は、測定空間を配置するための測定空間配置部83と、測定空間に対してレーザ光を照射する照射光学系82と、光強度分布を検出する検出光学系84と、測定空間にエアロゾル(被測定物)Sを供給するサンプル供給装置502と、データサンプリング回路85と、通信制御回路86と、粒度分布測定装置501全体を制御するコンピュータ(制御部)517とを備える(例えば、特許文献1参照)。
ここでは、乾燥粉体(被測定粒子群)Pを空気(媒体)L中に分散させたエアロゾルSを測定することにより、乾燥粉体Pの粒度分布を算出するものとする。
このような構成において、ポンプ92が駆動することによって、サンプル供給装置502内のエアロゾルSが、下側接続口から測定空間に流入し、そして、測定空間を下方から上方へ通過し、その後、上側接続口から流出するようになっている。
ターンテーブル521は、土台524の回転軸521aを中心として図中矢印で示す向きに回転可能となっている。ターンテーブル521の上面には、回転軸521aを中心とする円環状の溝520が形成されている。
充填器523は、溝520の内部に供給された乾燥粉体Pに対して振動等を与えることによって、溝520の内部に乾燥粉体Pを均一に充填するものである。
このような移送機構24によれば、吸引パイプ24bにより吸引された乾燥粉体Pは、エジェクタ24a内で高圧空気中に混入され、エアロゾル移送パイプ24fを通って移送され、エアロゾル移送パイプ24fの先端に装着された噴出ノズル24eからエアロゾルSとなって測定空間に噴出されるようになっている。
このような照射光学系82の構成において、レーザ光源81で発生されたレーザ光は、集光レンズ82a、空間フィルタ82b、コリメータ82cを通過して平行光とされ、前方向(図の左から右へ)に向かうように測定空間に照射される。
これにより、測定空間をエアロゾルSが通過していれば、レーザ光は、測定空間の乾燥粉体Pで回折・散乱して、空間的に回折・散乱光の光強度分布パターンが生ずることになる。
リングディテクタ84bは、互いに異なる半径を持つリング状ないしは半リング状の受光面を持つ64個の光検出素子を、集光レンズ84aの光軸を中心とするように同心円状に配置してあり、各光検出素子には、それぞれの位置に応じた回折・散乱角度を持つ光が入射するようにしてある。したがって、各光検出素子の出力信号は、各回折・散乱角度ごとの光の強度を表すことになる。
リングディテクタ84bの64個の各光検出素子の出力信号は、アンプ、マルチプレクサ及びA−D変換器からなるデータサンプリング回路85によって順次デジタル化され、回折・散乱光の光強度分布データとして汎用のコンピュータ517に送信される。
CPU540が処理する機能をブロック化して説明すると、光強度分布データを取得する光強度分布取得部41と、乾燥粉体Pの粒度分布を算出する粒度分布算出部43と、サンプル供給装置502を制御するサンプル供給制御部542とを有する。
なお、メモリ60は、光強度分布データを記憶するための光強度分布記憶領域と、粉体粒子P及び空気(媒体)Lの屈折率や、フラウンホーファ回折理論やミーの散乱理論に基づいた公知の演算式等を記憶するデータ記憶領域とを有する。
具体的には、乾燥粉体Pを測定空間に供給するために、ホッパ522は、乾燥粉体Pをターンテーブル521の溝520の内部に向けて落下させ、充填器523は、溝520の内部に供給された乾燥粉体Pに対して振動等を与えることによって、溝520の内部に乾燥粉体Pを均一に充填する。そして、吸引パイプ24bに対し真空が加えられたとき、乾燥粉体Pを吸引パイプ24bの内部にフィードする。吸引パイプ24bにより吸引された乾燥粉体Pは、エジェクタ24a内で高圧空気中に混入され、エアロゾル移送パイプ24fを通って移送され、エアロゾル移送パイプ24fの先端に装着された噴出ノズル24eからエアロゾルSとなって測定空間に噴出されるようになっている。
粒度分布算出部43は、光強度分布取得部41で得られた光強度分布データと、粉体粒子P及び空気Lの屈折率とを用いて、フラウンホーファ回折理論やミーの散乱理論に基づいた公知の演算を行うことによって、エアロゾルSに含まれる乾燥粉体Pの粒度分布を算出する制御を行う。
そこで、吸引プローブとサンプルホルダ(試料容器)とを用いる非加圧乾燥粉体分散装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。図9(a)は、非加圧乾燥粉体分散装置602の一例を示す垂直方向の断面図であり、図9(b)は、非加圧乾燥粉体分散装置602の一例を示す水平方向の断面図(図9(a)に示すD−D線断面図)である。
そして、吸引プローブ610の外部壁611の水平方向における断面は円形状であり、サンプルホルダ620の長手方向壁621の水平方向における断面は円環形状であり、吸引プローブ610の外部壁611の水平方向における断面の直径L10は、サンプルホルダ620の長手方向壁621の水平方向における断面の内径L9よりも少し小さくなっている。
そこで、本発明は、乾燥粉体を分散させながら測定空間に供給するために、安定した気流を発生することができる乾燥粉体分散供給装置及びそれを用いた粒度分布測定装置を提供することを目的とする。
よって、吸引管に対し真空が加えられたときには、空気は予め決められた大きさを有する貫通孔に入り、試料容器の貫通孔に沿って高速下向き空気流を形成し、下向き空気流が吸引管の一端部において方向を変え、被測定粒子群の表面より上で高せん断力を生成し、高せん断力が被測定粒子群を分散させ、分散された被測定粒子群を吸引管内にフィードすることになる。
また、本発明の乾燥粉体分散供給装置は、前記シール部材は、前記吸引プローブ又は試料容器に一体化されているようにしてもよい。
また、本発明の乾燥粉体分散供給装置は、前記試料容器は、前記プローブ本体に対して上下方向に移動可能であるか、或いは、前記プローブ本体は、前記試料容器に対して上下方向に移動可能であるようにしてもよい。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器内における乾燥粉体の残量が少なくなっても、試料容器を徐々に上方向に移動させたり、プローブ本体を徐々に下方向に移動させたりすることで、乾燥粉体を分散させながら測定空間に供給することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器に対する貫通孔の位置を変化させることで、乾燥粉体をより均一に分散させながら測定空間に供給することができる。
また、本発明の乾燥粉体分散供給装置は、前記シール部材は、前記プローブ本体の外周面に形成され、前記被測定粒子群を測定空間に供給する際には、前記シール部材は、前記試料容器の側壁の内周面と当接するように配置され、かつ、前記貫通孔の上部と下部との間に配置されるようにしてもよい。
また、本発明の乾燥粉体分散供給装置は、前記吸引プローブは、カバー部材を有し、前記シール部材は、前記カバー部材の内周面に形成され、前記被測定粒子群を測定空間に供給する際には、前記シール部材は、前記試料容器の側壁の外周面と当接するように配置されるようにしてもよい。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器の側壁の外周面にシール部材を配置するので、被測定粒子群の付着によるシール部材の摩滅を防ぎ、その結果、シール部材の寿命を長くできる。
また、本発明の乾燥粉体分散供給装置は、前記シール部材は、前記試料容器の側壁の上面と吸引プローブの側面とに当接するように配置され、前記試料容器の側壁の上面と吸引プローブの側面とに当接しながら、前記吸引プローブに対して上下方向に移動可能であるようにしてもよい。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器の側壁の上面でシールするので、試料容器の側壁の上面のどこかに接触していればよく、試料容器の側壁の内周面や外周面でシールするものと比較して、吸引プローブと試料容器とにおける水平方向に位置誤差があっても、シールを機能させることができる。すなわち、部品の寸法誤差や取り付け誤差を大きくとることができるので、製造コストや組み立てコストを削減することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器内における乾燥粉体の残量が少なくなっても、試料容器を徐々に上方向に移動させたり、プローブ本体を徐々に下方向に移動させたりすることで、乾燥粉体を分散させながら測定空間に供給することができる。また、上下動速度を変えることで、単位時間当たりの粒子供給量を変化させることができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器に対する貫通孔の位置を変化させることで、乾燥粉体をより均一に分散させながら測定空間に供給することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器の隅に存在する乾燥粉体も測定空間に供給することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、シール部材の変形量を多くとることができるので、吸引プローブと試料容器とにおける水平方向に位置誤差があっても、シールを機能させることができる。
また、「光強度」とは、光検出素子で検出される数値そのものではなくてもよく、被測定物を測定する前に既に検出されている初期余剰光の光強度が存在する場合もあるので、光検出素子で検出される数値と初期余剰光の数値との差分であることが好ましい。
図1は、本発明の第一実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。図2(a)は、図1に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す垂直方向の断面図であり、図2(b)は、図1に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す水平方向の断面図(図2(a)に示すA−A線断面図)である。なお、粒度分布測定装置501と同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態は、乾燥粉体(被測定粒子群)Pを空気(媒体)L中に分散させたエアロゾルSを測定することにより、乾燥粉体Pの粒度分布を算出するものである。
吸引プローブ10は、略円柱状の金属製のプローブ本体11と、プローブ本体11の上面の中央部から下面の中央部まで貫通するように配置される円管状の吸引管12と、プローブ本体11の上面の周縁部から下面の周縁部まで貫通するように形成された4個の円管状の気流発生口(貫通孔)13と、円環状のOリング(シール部材)14とを有する。
4個の気流発生口13は、プローブ本体11の先端部を軸方向から視ると、図2(b)に示す通り、プローブ本体11の周縁部に等間隔をあけて円形状に並ぶように配置されている。なお、複数個の気流発生口13の水平方向における断面の面積の合計値は、吸引管12の水平方向における断面の面積と同じであることが好ましい。よって、4個の気流発生口13の水平方向における断面の面積は、吸引管12の水平方向における断面の面積の1/4であることが好ましい。また、気流発生口13の個数は、何個でもよく、1個以上であることが好ましい。
そして、プローブ本体11の水平方向における断面は円形状であり、試料容器20の側壁21の水平方向における断面は円環形状であり、プローブ本体11の水平方向における断面の直径L2は、試料容器20の側壁21の水平方向における断面の内径L1よりも小さくなっている。また、Oリング14の水平方向における断面は円環形状であり、試料容器20の側壁21の内周面とプローブ本体11の外周面との間に配置されている。これにより、空気が試料容器20の側壁21の内周面とプローブ本体11の外周面との間を通過することがなくなる。
CPU40が処理する機能をブロック化して説明すると、光強度分布データを取得する光強度分布取得部41と、被測定粒子群Pの粒度分布を算出する粒度分布算出部43と、乾燥粉体分散供給装置2を制御するサンプル供給制御部42とを有する。
具体的には、乾燥粉体Pを測定空間に供給するために、吸引プローブ10が、試料容器20の内部で乾燥粉体Pの表面より少し上に配置される。そして、吸引管12に対し真空が加えられたとき、空気が予め決まった直径を有する4個の気流発生口13に入り、試料容器20の気流発生口13に沿って高速下向き空気流を形成し、下向き空気流が吸引プローブ10の下端部において方向を変え、乾燥粉体Pの表面より上で高せん断力を生成し、高せん断力が乾燥粉体Pを分散させ、分散された乾燥粉体Pを吸引管12の内部にフィードする。
図3は、本発明の第二実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。図4(a)は、図3に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す垂直方向の断面図であり、図4(b)は、図3に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す水平方向の断面図(図4(a)に示すB−B線断面図)である。なお、粒度分布測定装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
吸引プローブ110は、略円柱状の金属製のプローブ本体111と、プローブ本体111の上面の中央部から下面の中央部まで貫通するように配置される円管状の吸引管112と、プローブ本体111の上面の周縁部から下面の周縁部まで貫通するように形成された4個の円管状の気流発生口(貫通孔)113とを有する。
そして、プローブ本体111の水平方向における断面は円形状であり、試料容器120の側壁121の水平方向における断面は円環形状であり、プローブ本体111の水平方向における断面の直径L4は、試料容器120の側壁121の水平方向における断面の内径L3よりも小さくなっている。また、Oリング114の水平方向における断面は円環形状であり、試料容器120の側壁121の内周面とプローブ本体111の外周面との間に配置されるようになっている。これにより、空気が試料容器120の側壁121の内周面とプローブ本体111の外周面との間を通過することがなくなる。
図5は、本発明の第三実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。なお、粒度分布測定装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
粒度分布測定装置201は、測定空間を配置する測定空間配置部83と、測定空間に対してレーザ光を照射する照射光学系82と、光強度分布を検出する検出光学系84と、測定空間にエアロゾル(被測定物)Sを供給する乾燥粉体分散供給装置202と、データサンプリング回路85と、通信制御回路86と、粒度分布測定装置201全体を制御するコンピュータ(制御部)217とを備える。
試料容器保持機構270は、リフトテーブル271と、リフトテーブル271により回転可能に支持されたサンプルホルダベース272と、リフトテーブル271を上下方向に移動させたりサンプルホルダベース272を回転させたりするための駆動手段(図示せず)とを備える。
リフトテーブル271は、後述するサンプル供給制御部242によって、吸引プローブ110に対して上下方向に移動させられるようになっており、その結果、試料容器120は、吸引プローブ110に対して上下方向に移動させられることになる。
なお、試料容器120が移動しやすいように、Oリング114は回転用Oリングであることが好ましい。
CPU240が処理する機能をブロック化して説明すると、光強度分布データを取得する光強度分布取得部41と、被測定粒子群Pの粒度分布を算出する粒度分布算出部43と、乾燥粉体分散供給装置202を制御するサンプル供給制御部242とを有する。
具体的には、乾燥粉体Pを測定空間に供給するために、吸引プローブ110が、試料容器120の内部で乾燥粉体Pの表面より少し上に配置される。そして、吸引管112に対し真空が加えられたとき、空気が予め決まった直径を有する4個の気流発生口113に入り、試料容器120の気流発生口113に沿って高速下向き空気流を形成し、下向き空気流が吸引プローブ110の下端部において方向を変え、乾燥粉体Pの表面より上で高せん断力を生成し、高せん断力が乾燥粉体Pを分散させ、分散された乾燥粉体Pを吸引管112の内部にフィードする(図4(a)参照)。
さらに、サンプル供給制御部242は、エアロゾルSを測定するように入力装置51で入力されるとともに、入力装置51で「上昇速度」と「回転速度」とが入力されると、リフトテーブル271を吸引プローブ110に対して上方向に「上昇速度」で移動させるとともに、サンプルホルダベース272をリフトテーブル271に対して軸271aを回転軸として「回転速度」で回転させる。なお、「上昇速度」と「回転速度」は、測定者によって任意の数値に設定されるようになっている。
図10は、本発明の第四実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。なお、粒度分布測定装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
粒度分布測定装置801は、測定空間を配置する測定空間配置部83と、測定空間に対してレーザ光を照射する照射光学系82と、光強度分布を検出する検出光学系84と、測定空間にエアロゾル(被測定物)Sを供給する乾燥粉体分散供給装置802と、データサンプリング回路85と、通信制御回路86と、粒度分布測定装置801全体を制御するコンピュータ(制御部)17とを備える。
吸引プローブ810は、略円柱状の金属製のプローブ本体811と、円環形状のゴム製のシール部材814とを備え、プローブ本体811はプローブ本体上部811aと、プローブ本体上部811aの直径L18よりも大きくなる直径L19を有するプローブ本体下部811bとで構成される。
気流発生口(貫通孔)813は、プローブ本体下部811bの上面から下面まで貫通するように形成された4個の円管状であり、プローブ本体811の先端部を軸方向から視ると、プローブ本体811の周縁部に等間隔をあけて円形状に並ぶように配置されている。このとき、プローブ本体下部811bの高さは、例えば5mm〜20mmと低くなっており、気流発生口813がプローブ本体下部811bを貫通するように気流発生口813を容易に形成できるようになっている。
そして、プローブ本体下部811bの水平方向における断面は円形状であり、試料容器20の側壁21の水平方向における断面は円環形状であり、プローブ本体下部811bの水平方向における断面の直径L19は、試料容器20の側壁21の水平方向における断面の内径L1よりも小さくなっている。また、シール部材814の水平方向における断面は円環形状であり、試料容器20の側壁21の内周面とプローブ本体下部811bの外周面との間に配置されている。これにより、空気が試料容器20の側壁21の内周面とプローブ本体下部811bの外周面との間を通過することがなくなる。このとき、シール部材814を用いることにより、シール部材814の変形量を多くとることができるので、プローブ本体下部811bと試料容器20の側壁21とにおける水平方向に位置誤差があっても、シールを機能させることができるようになっている。
図11は、本発明の第五実施形態である粒度分布測定装置の全体構成を示す概略構成ブロック図である。図12(a)及び(b)は、図11に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す垂直方向の断面図であり、図13(a)は、図12に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す水平方向の断面図(図12(a)に示すE−E線断面図)であり、図13(b)は、図12に示す乾燥粉体分散供給装置の一例を示す水平方向の断面図(図12(a)に示すF−F線断面図)である。なお、粒度分布測定装置201と同様のものについては、同じ符号を付している。
吸引プローブ710は、略円柱状の金属製のプローブ本体711と、プローブ本体711の上面の中央部から下面の中央部まで貫通するように配置される円管状の吸引管712と、プローブ本体711の上面の周縁部から下面の周縁部まで貫通するように形成された4個の円管状の気流発生口(貫通孔)713とを有する。
そして、プローブ本体711の水平方向における断面は円形状であり、試料容器720の側壁721の水平方向における断面は円環形状であり、プローブ本体711の水平方向における断面の最大直径L11は、試料容器720の側壁721の水平方向における断面の内径L12よりも小さくなっている。
これにより、Oリング714aの水平方向における断面は円環形状であり、プローブ本体711の外周面とシール部材714の内周面との間に配置されるようになっている。また、Oリング714bの水平方向における断面は円環形状であり、試料容器720の側壁721の上面とシール部材714の下面との間に配置されるようになっている。よって、空気が試料容器720の側壁721の内周面とプローブ本体711の外周面との間を通過することがなくなる。このとき、Oリング714bは、試料容器720の側壁721の上面のどこかに接触していればよく、試料容器720の側壁721の内周面や外周面でシールするものと比較して、プローブ本体711と試料容器720とにおける水平方向に位置誤差が多少あっても、シールを機能させることができる。すなわち、部品の寸法誤差や取り付け誤差を大きくとることができるので、製造コストや組み立てコストを削減することができる。
また、プローブ本体711の下部の最大直径L11は、シール部材714の内径L15より大きくなっており、シール部材714を上方に押す力が働かなければ、図11(b)に示すように、シール部材714はプローブ本体711の下部の上面に押し付けられるようになっている。そして、シール部材714を上方に押す力が働いたときには、図11(a)に示すように、シール部材714はプローブ本体711の下部から離れてプローブ本体711に対して上方向に移動するようになっている。
具体的には、乾燥粉体Pを測定空間に供給するために、吸引プローブ710が、試料容器720の少し上に配置される。このとき、シール部材714は、試料容器720の側壁721の上面とプローブ本体711の外周面とに当接するように配置される。また、プローブ本体711と試料容器720とにおける水平方向に位置誤差が多少あっても、側壁721の水平方向における断面の内径L12と外径L17との差を充分にとっていれば、シールすることができる。よって、空気が試料容器720の側壁721の内周面とプローブ本体711の外周面との間を通過することがなくなる。
そして、吸引管712に対し真空が加えられたとき、空気が予め決まった直径を有する4個の気流発生口713に入り、気流発生口713に沿って高速下向き空気流を形成し、下向き空気流が吸引プローブ710の下方において方向を変え、乾燥粉体Pの表面より上で高せん断力を生成し、高せん断力が乾燥粉体Pを分散させ、さらに乾燥粉体P間や乾燥粉体Pと側壁721との間の衝突で分散され、分散された乾燥粉体Pを吸引管712の内部にフィードする。
このようにしてリフトテーブル271を吸引プローブ710に対して上方向に「上昇速度」で移動させると、吸引プローブ710が、スプリング716を圧縮しながら試料容器720の内部に挿入される。このとき、図11(a)に示すように、シール部材714はプローブ本体711の下部から離れてプローブ本体711に対して上方向に移動する。シール部材714は、試料容器720の側壁721の上面とプローブ本体711の外周面とに当接しているので、空気が試料容器720の側壁721の内周面とプローブ本体711の外周面との間を通過することはない。
そして、吸引管712に対し真空が加えられていれば、空気が予め決まった直径を有する4個の気流発生口713に入り、気流発生口713に沿って高速下向き空気流を形成し、下向き空気流が吸引プローブ710の下方において方向を変え、少なくなった乾燥粉体Pの表面より少し上で高せん断力を生成し、高せん断力が乾燥粉体Pを分散させ、さらに乾燥粉体P間や乾燥粉体Pと側壁721との間の衝突で分散され、分散された乾燥粉体Pを吸引管712の内部にフィードすることになる。
また、試料容器720の側壁721の上面でシールするので、試料容器720の側壁721の上面のどこかに接触していればよく、試料容器720の側壁721の内周面や外周面でシールするものと比較して、吸引プローブ710と試料容器720とにおける水平方向に位置誤差があっても、シールを機能させることができる。すなわち、部品の寸法誤差や取り付け誤差を大きくとることができるので、製造コストや組み立てコストを削減することができる。
(1)上述した乾燥粉体分散供給装置2において、Oリング14が、試料容器20の側壁21の内周面とプローブ本体11の外周面との間に配置されるような構成を示したが、試料容器20の側壁21の外周面と吸引プローブ310との間に配置されるような構成としてもよい。
図6(a)は、乾燥粉体分散供給装置の他の一例を示す垂直方向の断面図であり、図6(b)は、乾燥粉体分散供給装置の他の一例を示す水平方向の断面図(図6(a)に示すC−C線断面図)である。
吸引プローブ310は、略円柱状のプローブ本体311と、プローブ本体311の上面の中央部から下面の中央部まで貫通するように配置される円管状の吸引管312と、プローブ本体311の上面の周縁部から下面の周縁部まで貫通するように形成された4個の円管状の気流発生口(貫通孔)313と、プローブ本体311の外周に形成されプローブ本体311の上面に取り付けられた略円筒形状のカバー部材315と、円環状のOリング(シール部材)314とを有する。また、カバー部材315の下部の内周面には、凹部が形成されており、Oリング314がはめ込まれている。すなわち、吸引プローブ310にOリング314が一体的に形成されている。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器20の外側にOリング314が配置されるので、乾燥粉体Pの付着によるOリング314の摩滅を防ぎ、その結果、Oリング314の寿命を長くできる。
図7は、乾燥粉体分散供給装置のさらに他の一例を示す垂直方向の断面図である。
吸引プローブ410は、略円柱状の金属製のプローブ本体411と、プローブ本体411の上面の中央部から下面の中央部まで貫通するように配置される円管状の吸引管412と、プローブ本体411の上面の周縁部から下部(側面下部)まで貫通するように形成された4個の円管状の気流発生口(貫通孔)413とを有する。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器120内の側壁121に付着した乾燥粉体Pも巻き上げやすくなるという効果がある。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器内における乾燥粉体Pの残量が少なくなっても、プローブ本体を徐々に下方向に移動させることで、乾燥粉体Pを分散させながら測定空間に供給することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、試料容器に対する気流発生口の位置を変化させることで、乾燥粉体Pをより均一に分散させながら測定空間に供給することができる。
このような乾燥粉体分散供給装置によれば、4個の気流発生口を順番に空気を入れることで、乾燥粉体Pをより均一に分散させながら測定空間に供給することができる。
2 乾燥粉体分散供給装置
10 吸引プローブ
11 プローブ本体
12 吸引管
13 気流発生口(貫通孔)
14 シール部材
20 試料容器
21 側壁
22 底面
Claims (13)
- プローブ本体と、当該プローブ本体の上面から下面まで貫通するように配置される吸引管の一端部とを有する吸引プローブと、
側壁と底面とを有し、内部に被測定粒子群が収納される試料容器とを備え、
前記吸引管の他端部が粒度分布測定装置の測定空間に連結される乾燥粉体分散供給装置であって、
前記プローブ本体の上部から下部まで貫通するように形成された貫通孔と、
シール部材とを備え、
前記被測定粒子群を測定空間に供給する際には、前記シール部材は、前記プローブ本体と試料容器の側壁の内周面との間を気体が通過しないように、前記試料容器の側壁と吸引プローブとの間に配置されることを特徴とする乾燥粉体分散供給装置。 - 前記シール部材は、前記吸引プローブ又は試料容器に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記試料容器は、前記プローブ本体に対して上下方向に移動可能であるか、或いは、前記プローブ本体は、前記試料容器に対して上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記プローブ本体は、円柱体であり、
前記試料容器の側壁は、円筒形状であり、
前記試料容器は、前記プローブ本体に対して回転可能であるか、或いは、前記プローブ本体は、前記試料容器に対して回転可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。 - 前記シール部材は、前記プローブ本体の外周面に形成され、
前記被測定粒子群を測定空間に供給する際には、前記シール部材は、前記試料容器の側壁の内周面と当接するように配置され、かつ、前記貫通孔の上部と下部との間に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。 - 前記吸引プローブは、カバー部材を有し、
前記シール部材は、前記カバー部材の内周面に形成され、
前記被測定粒子群を測定空間に供給する際には、前記シール部材は、前記試料容器の側壁の外周面と当接するように配置されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。 - 前記シール部材は、前記吸引プローブ又は試料容器と別体であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記シール部材は、前記試料容器の側壁の上面と吸引プローブの側面とに当接するように配置され、前記試料容器の側壁の上面と吸引プローブの側面とに当接しながら、前記吸引プローブに対して上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項7に記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記試料容器は、前記プローブ本体に対して上下方向に移動可能であるか、或いは、前記プローブ本体は、前記試料容器に対して上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項8に記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記プローブ本体は、円柱体であり、
前記試料容器の側壁は、円筒形状であり、
前記試料容器は、前記プローブ本体に対して回転可能であるか、或いは、前記プローブ本体は、前記試料容器に対して回転可能であることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。 - 前記プローブ本体の下面は、当該下面の周縁部から下面の中央部に向かって徐々に突出するテーパ形状となっていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 前記シール部材は、ゴム製の円環形状の板状体を有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置。
- 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の乾燥粉体分散供給装置と、
測定光を出射する光源と、
光強度分布を検出する検出器と、
空気と被測定粒子群とを含む前記乾燥粉体分散供給装置から供給される被測定物を通過させる測定空間を光源と検出器との間に配置する測定空間配置部と、
前記光源からの測定光を被測定物に照射することにより発生する光強度分布を検出器で検出して取得する光強度分布取得部と、
前記光強度分布取得部で取得された光強度分布を用いて、前記被測定物に含まれる被測定粒子群の粒度分布を算出する粒度分布算出部とを備えることを特徴とする粒度分布測定装置。
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