JP2012116342A - 車両用乗降扉の空気式戸閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】戸閉め時、エアーは開閉電磁弁20からシリンダ4の給気側気室18に供給され、ピストン軸3が矢印方向(右方向)に動く。これにより、乗降扉左1aが右方向へ動き、また、ベルト6により移動方向が逆向きに変えられた乗降扉1bは左方向に動く。閉じ動作の途中で、乗降扉がある位置まで来ると一旦停止電磁弁15を励磁して、一定時間排気を遮断して、扉を一旦停止させる。次いで、閉め動作再開後、弱め電磁弁13を励磁して、シリンダ4の給気側気室18をレリーフ弁19に接続し、給気側気室18の圧力を下げて戸閉め力を弱める。
【選択図】 図1
Description
上記クッション機能のみを有するものにおいては、駆け込み乗車等の扉が閉まり掛けてからの乗車では、乗客または物が扉に挟まれる可能性があった。また、挟まれると抜け出すのが困難なため、車掌が乗降扉を再開閉する必要があり、列車の定時運行に影響を与える心配があった。
また、薄物を扉に挟んだ場合は、戸挟みが検知されないため、危険が生じた。このため、戸挟み感度が優れた車両用戸閉め装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、戸閉め時に一定時間戸閉め力を弱め、弱め動作中に乗客が扉を強制的に開き、戸閉めスイッチがオフしたら、弱め動作を打ち切って正常動作に戻し、扉が閉まって戸閉めスイッチが0Nしたら、再び弱め動作に戻る動作を設定時間内で繰り返すようにした戸閉め装置が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、弱め操作を行う条件が、戸閉スイッチON(扉閉め状態)で弱め操作を行い、戸閉スイッチOFF(扉閉め状態以外)で弱め操作を打ち切るため、乗客または鞄等の厚物が挟まれると、従来品と同様に、車掌が乗降扉を再開閉する必要があり、列車の定時運行に影響を与える心配があった。
また、扉閉め状態で弱め操作を行い、扉閉め状態以外で弱め操作を打ち切るものにおいても、乗客または鞄等の厚物が挟まれると、従来品と同様に、車掌が乗降扉を再開閉する必要があり、列車の定時運行に影響を与える心配があった。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車両用乗降扉を自動開閉させる空気式戸閉装置において、閉め動作中の乗降扉の動き方や、戸閉め力の強弱を工夫することで、乗降扉に乗客または物が挟まれるのを防止して、さらに万が一挟まれた場合には抜け出し易くすることである。
(1)本発明において、車両用乗降扉を自動開閉させる空気式戸閉装置において、乗降扉に乗客または物が挟まれるのを防止するため、扉閉め動作中に一旦停止し、さらに万が一挟まれた場合には抜け出し易くするため閉め動作再開後に戸閉め力を一定時間弱める。
すなわち、扉閉位置検出手段と、排気遮断用の一旦停止電磁弁とを設置し、扉閉位置検出手段により、乗降扉が予め設定された閉じ位置に達したことを検出し、一定時間、エアシリンダからの排気を遮断して、扉を一旦停止させる。
そして、閉め動作再開後には、弱め電磁弁により、エアシリンダから空気を抜いて空気圧を下げ、戸閉め力を弱める。
(2)上記のように、排気遮断用の一旦停止電磁弁を設置して、扉が閉め動作中のある位置まで来ると一定時間排気を遮断して扉を一旦停止させると、扉が不安定な開閉動作を繰り返すことがある。これを防止するため、排気路の途中に減圧弁を設置する。
すなわち、エアシリンダと排気路を結ぶ管路の途中に、減圧弁を設置し、乗降扉の閉動作を一旦停止させる際に発生する上記管路内の空気の脈動を抑制し、シリンダ内の空気の圧力変動をなくす。
(1)排気遮断用の一旦停止電磁弁を設置して、乗降扉の閉め動作中に一旦停止させているので、乗客が、乗降扉が閉まり掛けてから乗車した場合でも、挟まれるのを防止できる。
さらに、閉め動作再開後には、弱め電磁弁によりエアシリンダから、空気を抜いて空気圧を下げ、戸閉め力を弱めているので、万が一挟まれた場合でも抜け出し易くなるたり、安全を確保することができる。また、車掌が乗降扉を再開閉する必要がなくなるため、列車の定時運行を維持できる。
(2)排気路の途中に減圧弁を設置し、排気を遮断して乗降扉を一旦停止させる際に発生する管路内の空気の脈動を、上記減圧弁により抑制しているので、エアシリンダ内の空気の圧力変動をなくして、扉を一旦停止させる際、扉が不安定な開閉動作を繰り返すのを防止することができる。
図1に示すように、本実施例の空気式戸閉装置は、ピストン軸3を駆動するエアシリンダ4(以下シリンダという)を有し、シリンダ4内は、ピストン3aにより給気側気室18と排気側気室17に分けられ、ピストン3aにピストン軸3が連結され、ピストン軸3は扉連結金具左2aを介して乗降扉左1aに連結されている。
また、扉連結金具左2aは、連結棒左5aとも連結されていて、連結棒左5aは、図1に示すように(A部分の断面図参照)、可撓性を有するベルト6の上側に取付けられ、連結棒左5aが同図の左右方向に移動すると、ベルト6も連結棒左5aとともに左右方向に移動する。
ベルト6は左右2個のプーリー7a,7b間に張られていて、ベルト6の上側が例えば同図の矢印方向(右方向)に移動すると、プーリー7a,7bは同図の矢印方向に回転し、ベルト6の下側は同図の矢印方向(左方向)に移動する。すなわち、ベルト6は、上側と下側で移動方向が180°変わり、下側は上側と反対方向に動く。
したがって、図1において、ピストン軸3がシリンダ4に入る方向(右方向)に動くと、それに連結された乗降扉左1aは右方向に動く。また、ベルト6により動く向きを180°変えられた連結棒右5bに連結された乗降扉右1bは左方向に動き、左右の乗降扉の隙間が小さくなり、扉全閉状態に至る。
扉が閉じると、扉連結金具右2bに設けられた接触子21aが戸閉スイッチ21を動作させ、扉が閉じたことが検知される。
図1では、すべての電磁弁が無励磁の状態となる戸閉めの途中の状態を示しているが、図2に示すように、乗降用扉の開動作時に開閉電磁弁20が励磁され、乗降用扉の閉動作時、すべての電磁弁が無励磁となり(図2A)、閉動作中における一旦停止動作時に一旦停止電磁弁15は励磁され(図2B)、閉動作中において戸閉め力を弱めるときに弱め電磁弁13は励磁される(図2C)。
また、シリンダ4の排気側気室17は、管路14aを介して開閉電磁弁20に連結され、戸閉め時で開閉電磁弁20が無励磁のとき、シリンダ4からのエアーは、開閉電磁弁20から管路14b、減圧弁16を介して一旦停止電磁弁15に供給され、一旦停止電磁弁15が無励磁であると、一旦停止電磁弁15から排気される。
このため、ピストン軸3は同図の矢印方向(右方向)へ動き乗降用扉は閉じる。なお、後述するように、戸閉めの途中で一旦停止電磁弁15が励磁されると扉閉め動作は一旦停止し、その後、弱め電磁弁13が励磁され戸閉め力が一定時間弱められる。
すなわち、乗降用扉の開動作時には、開閉電磁弁20が励磁され、空気圧源から管路12aを介して供給されるエアーは励磁状態の開閉電磁弁20から管路14aを介してシリンダ4の排気側気室17に供給される。
また、シリンダ4の給気側気室18は、管路12cを介して開閉電磁弁20に連結され、開閉電磁弁20が励磁されていると、シリンダ4からのエアーは、開閉電磁弁20から管路14b、減圧弁16を介して、無励磁の一旦停止電磁弁15に供給され、一旦停止電磁弁15から排気される。このため、ピストン軸3は同図の矢印方向の反対方向(左方向)へ動き乗降用扉は開く。
また、前記管路12cが接続されるシリンダ4の給気側には、速度調整用の絞り18a,18bと逆止弁18cが設けられ、前記管路14aに接続されるシリンダ4の排気側には、同様に速度調整用の絞り18d,18eと逆止弁18fが設けられている。
これにより扉の開閉速度および、扉の閉じ/開き動作終了前に開閉速度をゆっくりさせるクッション動作時の速度を調整する。
すなわち、戸閉め時、管路12cから給気側気室18に供給され、ピストン軸3が右方向に移動すると、排気側気室17内のエアは、上記絞り18d,18e、管路14a、開閉電磁弁20、減圧弁16を介して一旦停止電磁弁15から大気に排気される。
ピストン軸3がさらに右方向に移動し、ピストン軸3aの凹部3bに管状の突起17aが係合すると、エアーの排出速度が低下するため、ピストン軸3の移動速度は低下し、扉の閉じ速度はゆっくりとなる。
これにより、制御器11からは適切なタイミングで電磁弁励磁信号が、信号線10bを通って、弱め電磁弁13と一旦停止電磁弁15に送られ、弱め電磁弁13と一旦停止電磁弁15が順次、励磁される。
一旦停止電磁弁15が励磁されると、管路14cが排気路から遮断され、管路12aと管路14cが連通し、シリンダ4からのエアーの排気が停止する。このため、ピストン軸3aの移動は一旦停止する。
また、弱め電磁弁13が励磁されると、管路12cへのエアーの供給が停止し、管路12cがレリーフ弁19に連通する。このため、管路12cおよびシリンダ4の給気側気室18の空気圧が下がり、戸閉め力が弱くなる。
乗降扉閉動作開始時には、開閉電磁弁20、一旦停止電磁弁15、弱め電磁弁13は無無励磁であり(図3(A))、前述したようにエアーは管路12cを介してシリンダ4の給気側気室18に供給され、乗降扉1a,1bは閉じる方向に移動する。
乗降扉1a,1bが一旦停止位置まで閉まると、対向位置に来たマグネットユニット8により、その位置を近接スイッチ9が検知して、その信号を信号線10a通して制御器11に伝達する。検知信号が制御器11に入力されると、制御器11は信号線10bを通して信号を出し、一旦停止電磁弁15を励磁させる(図3(B))。
一旦停止電磁弁15が励磁されると、管路14aからの排気を遮断し、管路14aを空気圧源に接続された管路12aに連通させる。これにより、シリンダ4のピストン軸3は停止し、乗降扉1a,1bの閉動作を一旦停止させる。
一旦停止電磁弁15が励磁されてから一定時間経過すると、一旦停止電磁弁15の励磁する信号が解除され、乗降用扉1a,1bは閉動作を開始する。
これにより、シリンダ内給気側気室18は、エアーが供給される管路12bから遮断され、レリーフ弁19に接続される。レリーフ弁19は、管路12cからのエアーを一部排出し、シリンダ内給気側気室18の圧力を下げる。このため、戸閉め力が弱まる(図3(C))。
一定時間経過後、制御器11からの弱め電磁弁13を励磁する信号が切れ、通常の戸閉め力に戻る(図3(A))。
なお、戸閉力弱め中に車両が動き出した場合には、車速5km/h以上の条件で、戸閉め力弱め電磁弁13を励磁する信号が切れ、通常の戸閉め力に戻る。
このため、駆け込み乗車等の扉が閉まり掛けてからの乗車に対して、乗降扉に乗客または物が挟まれるのを防止して、さらに万が一挟まれた場合には抜け出し易くすることができる。したがって、安全が確保でき、車掌が乗降扉を再開閉する必要もなくなり、列車の定時運行も維持できる。
また、排気遮断用の一旦停止電磁弁により、排気を遮断して乗降扉を一旦停止させる際に発生する排気管路内の空気の脈動を、該管路の途中に設置した減圧弁により抑制しているので、シリンダ内の空気の圧力変動を少なくし、扉を一旦停止させる際、扉が不安定な開閉動作を繰り返すのを防止することができる。
1b‥‥乗降扉右
2a‥‥扉連結金具左
2b‥‥扉連結金具右
3‥‥ピストン軸
4‥‥シリンダ
5a‥‥連結棒左
5b‥‥連結棒右
6‥‥ベルト
7a‥‥プーリー左
7b‥‥プーリー右
8‥‥マグネットユニット
9‥‥近接スイッチ
10a‥‥信号線(近接スイッチ〜制御器)
10b‥‥信号線(制御器〜電磁弁)
11‥‥制御器
12a〜12c‥‥管路
13‥‥弱め電磁弁
14a〜14c‥‥管路
15‥‥一旦停止電磁弁
16‥‥減圧弁
17‥‥シリンダ内排気側気室
18‥‥シリンダ内給気側気室
19‥‥レリーフ弁
20‥‥開閉電磁弁
21‥‥戸閉めスイッチ
Claims (2)
- エアシリンダ備え、該エアシリンダにより乗降扉を開閉する戸閉め機構と、
空気圧源に接続された給気管路および排気路と上記エアシリンダとを連通させ、空気圧により上記エアシリンダを駆動するための開閉電磁弁と、を備えた車両用乗降扉の空気式戸閉装置であって、
上記乗降扉の閉動作中に該乗降扉が予め設定された閉じ位置に達したことを検出して出力を発生する扉閉位置検出手段と、
上記エアシリンダと排気路を結ぶ管路の途中に設けられ、上記扉閉位置検出手段が出力を発生したとき、所定時間、上記エアシリンダと排気路を結ぶ管路を遮断し、乗降扉の閉動作を一旦停止させる一旦停止電磁弁と、
上記一旦停止電磁弁により乗降扉の閉動作を一旦停止した後で、乗降扉の閉動作を再開したとき所定時間動作し、上記エアシリンダとレリーフ弁を連通させ、上記エアシリンダに供給された空気圧を低下させ、戸閉め力を弱める弱め電磁弁を備えた
ことを特徴とする車両用乗降扉の空気式戸閉装置。 - エアシリンダと排気路を結ぶ管路の途中に、減圧弁を設置し、乗降扉の閉動作を一旦停止させる際に発生する上記管路内の空気の脈動を抑制し、シリンダ内の空気の圧力変動を無くす、ことを特徴とする請求項1に記載の空気式戸閉装置。
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