以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機本体12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、同支持機構によって遊技機本体12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置62が搭載されている。主制御装置62は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)及び電源を監視する機能(停電監視回路)を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明な合成樹脂材料等よりなる基板ボックス64に収容されてなる。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置62からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明な合成樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源・発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源・発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源・発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源・発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<音声ランプ制御装置66の構成>
次に、音声ランプ制御装置66の構成を図7〜図10に基づいて詳細に説明する。図7(a)は音声ランプ制御装置66の正面図、図7(b)は音声ランプ制御装置66の背面図、図8は音声ランプ制御装置66を正面側から見た斜視図、図9は音声ランプ制御装置66を正面側から見た分解斜視図、図10は音声ランプ制御装置66を背面側から見た分解斜視図である。
図8に示すように、音声ランプ制御装置66は、横幅が縦幅よりも僅かに大きくなるようにして形成された略矩形状の上記音声ランプ制御基板67と、同音声ランプ制御基板67の外形に合わせて形成された四角箱状の上記基板ボックス68(図8参照)とを備えており、当該基板ボックス68によって区画形成された内部空間に音声ランプ制御基板が収容されてなる。
音声ランプ制御基板67は、主たる制御を司るMPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態においては、これらMPU等が1チップ化されてなるMPUチップ91が同音声ランプ制御基板67に取り付けられている。また、詳細な説明は省略するが、音声ランプ制御基板67には上記MPUチップ91以外にも、入出力ドライバ用ICチップ,ラッチ用ICチップ,コンデンサ,抵抗などの各種素子や、複数のコネクタ92が搭載されている。
図9及び図10に示すように、音声ランプ制御基板67においてはMPUチップ91等の各種構成が全て同一の板面上に搭載されており、それら各種構成はその逆側の板面にて半田付けされている。つまり、音声ランプ制御基板67は、一方の板面が素子搭載面67aとなっており、他方の板面が半田面67bとなっている。なお、半田面67bとは、素子搭載面67aに搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面67bに対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス68は、音声ランプ制御基板67を収容する被包手段としての機能を有しており、当該基板ボックス68によって音声ランプ制御基板67へのアクセスが規制されている。基板ボックス68は、複数のボックス構成体として、音声ランプ制御基板67を素子搭載面67a側から覆う表側構成体(ボックスカバー)100と音声ランプ制御基板67を半田面67b側から覆う裏側構成体(ボックスベース)200とを有し、それら両構成体100,200が相互に組み合わされてなる。これら表側構成体100及び裏側構成体200は、基板ボックス68内に収容された音声ランプ制御基板67の素子搭載面67a及び半田面67bが基板ボックス68外から視認可能となるように透明性を有する材料によって形成されている。具体的には、基板ボックス68は無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されている。なお、基板ボックス68内部を必ずしも視認可能とする必要はなく、例えば同基板ボックス68を有色不透明とし、当該基板ボックス68の内部を視認不可とすることも可能である。
表側構成体100には、素子搭載面67aに対して隙間を隔てて対向する表側対向部101が形成されている。表側対向部101は、平板状のベース部102と当該ベース部102から音声ランプ制御基板67とは反対側に膨出する膨出部103とを有してなる。
ベース部102には、素子搭載面67aに配設された上記各コネクタ92に1対1で対応させてコネクタ用開口104が形成されており、これらコネクタ用開口104を介して各コネクタ92の挿入口が基板ボックス68の外部に露出した状態となっている。なお、ベース部102には、上記コネクタ用開口104以外にも、音声ランプ制御基板67に設けられた音量調整用の操作部93を基板ボックス68の外部に露出させる操作部用開口105や通気孔等が設けられている。
図10に示すように、表側対向部101の外縁には、表側構成体100の周縁を規定する表側周縁部111が形成されている。表側周縁部111は、表側対向部101から音声ランプ制御基板67側に起立しており、同音声ランプ制御基板67を囲っている。つまり、表側構成体100は音声ランプ制御基板67側に開放された略矩形箱状をなしており、当該表側構成体100によって囲まれた領域内に音声ランプ制御基板67が収容されているともいえる。
音声ランプ制御基板67は、表側構成体100の表側対向部101に対して半田面67b側からネジ止めされており、音声ランプ制御基板67の素子搭載面67aに搭載されたMPU91等の各種素子が音声ランプ制御基板67と表側構成体100とによって区画された領域外へ露出することが回避されている。
音声ランプ制御基板67が一体化された表側構成体100に対して上記裏側構成体200が固定されている。裏側構成体200は、図9に示すように、音声ランプ制御基板67の半田面67bに対向する略平板状の裏側対向部201と、当該裏側対向部201の周縁に沿って形成され音声ランプ制御基板67側に起立する裏側周縁部211とが一体形成されてなり、全体として音声ランプ制御基板67側に開放された略箱状をなしている。
表側構成体100に対して音声ランプ制御基板67の半田面67b側から裏側構成体200を組み合せることにより、表側構成体100の表側周縁部111と裏側構成体200の裏側周縁部211とが重なり、表側構成体100の開放部分が裏側構成体200によって塞がれた状態となっている。
ここで、表側構成体100と裏側構成体200との組み合せに関する構成について説明する。両構成体100,200の組み合せに関する構成としては、両構成体100,200の相対変位の方向を規定する規定手段と、両構成体100,200を相互に固定する固定手段とが採用されている。以下、先ず固定手段について説明し、その後、規定手段について説明する。
なお、以下の説明においては、表側構成体100の表側周縁部111において、音声ランプ制御基板67における短手方向両側に位置し同主制御基板63を挟んで対峙する部分(すなわち長辺部の外壁を構成している上壁面部及び下壁面部)を第1表側周壁部112,113、音声ランプ制御基板67における長手方向両側に位置し同音声ランプ制御基板67を挟んで対峙する部分(すなわち短辺部の外壁を構成している左壁面部及び右壁面部)を第2表側周壁部114,115と称し、裏側構成体200の裏側周縁部211において、音声ランプ制御基板67における長手方向両側に位置し同音声ランプ制御基板67を挟んで対峙する部分(すなわち長辺部の外壁を構成している上壁面部及び下壁面部)を第1裏側周壁部212,213、音声ランプ制御基板67における長手方向両側に位置し同音声ランプ制御基板67を挟んで対峙する部分(すなわち短辺部の外壁を構成している左壁面部及び右壁面部)を第2裏側周壁部214,215と称する。
<固定手段>
図9に示すように、表側構成体100の第1表側周壁部113及び裏側構成体200の第1裏側周壁部213には、基板ボックス68における本体部68a、すなわち音声ランプ制御基板67の収容空間を区画形成している部分から突出するようにして、固定部118,218が一体形成されている。裏側固定部218にはネジ孔が形成されており、このネジ孔に連通するようにして表側固定部118には連通孔が形成されている。表側構成体100側から連通孔を通じて挿入された破断ネジ69がネジ孔に螺着されることで、両固定部118,218が結合されている。これにより、両構成体100,200が一体化されている。
破断ネジ69は、ネジ溝を含む軸部と、その軸部を回転操作する際にドライバ等の工具が係合される工具係合部を含む頭部と、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより頭部と軸部とを分離させる分離部とを備えている。両固定部118,218を結合した状態では、頭部が分離されることにより上記工具を用いた破断ネジ69の取り外しが不可となる。これにより、基板ボックス68内に音声ランプ制御基板67が封入された状態となっている。
固定部118,218は、破断ネジ69によって固定されている部分と基板ボックス68において音声ランプ制御基板67の収容空間を区画形成している本体部68aとを連結する連結部118a,218aを有している。連結部118a,218aは、上記破断ネジ69、固定部118,218の本体部分、基板ボックス68の本体部68a等を破壊して基板ボックス68を開封するよりも、当該開封が容易となるように破壊しやすく形成されている。
例えばニッパ等の工具を用いて連結部118a,218aを切断することにより、破断ネジ69が固定部118,218とともに本体部68aから分離され、基板ボックス68が開封される。この場合、破壊の痕跡が基板ボックス68に残存することとなり、当該基板ボックス68が開封された事実を事後的に確認することが可能となる。
<規定手段>
次に、図9〜図11を参照して、規定手段について説明する。図11(a)は音声ランプ制御装置66の一部を破断させて示す側面図、図11(b)は図11(a)のA―A線部分断面図である。なお、図11(b)においては便宜上、コネクタ92を2点鎖線によって示している。
図9に示すように、裏側構成体200は規定手段を構成するフック部(係止部又は裏側規制部)221を有している。フック部221は、各第2裏側周壁部214,215の外面に一体成形されているとともにそれら第2裏側周壁部214,215にそれぞれ複数(詳しくは4つ)設けられている。それらフック部221は、所定の間隔で上記短手方向に並ぶようにして配列されている(図9参照)。
ここで、図9を参照してフック部221の形状について説明する。フック部221は、第2裏側周壁部214,215の先端部分から表側構成体100側に延出する延出部222と、延出部222の先端部に設けられ第1裏側周壁部213側に折れ曲る折曲部223とを有してなる。
一方、表側構成体100の第2表側周壁部114,115には、各フック部221に1対1で対応させて受け部121が設けられている。受け部121は、基板ボックス68の厚さ方向に貫通するスリット状をなしている。詳しくは、第2表側周壁部114,115は、内外2重に設けられた1対の対向壁部(外側壁部114a,115a及び内側壁部114b,115b)と、それら外側壁部114a,115a及び内側壁部114b,115bを連結する連結部114c,115cとを有しており、これら壁部114a,115a,114b,115b及び連結部114c,115cによって受け部121が構成されている。
受け部121は、裏側構成体200側に開放されており、当該開放部分を通じた上記フック部221の挿入が許容されている。また、外側壁部114a,115a及び内側壁部114b,115bの間隔は、挿入されたフック部221の受け部121内での変位を許容するように設定されている。外側壁部114a,115a及び内側壁部114b,115bの間隔について補足説明すれば、同間隔はフック部221の厚さと同等となるように設定されており、受け部121に挿入されたフック部221は外側壁部114a,115a及び内側壁部114b,115bによって挟まれた状態となっている。これにより、上記長手方向における両構成体100,200の相対変位が規制されている。
ここで、連結部114c,115cには、隣り合う受け部121を区画する機能が付与されており、同連結部114c,115cによって受け部121に対するフック部221の挿入箇所が制限されている。具体的には、連結部114c,115cは、スリット状の受け部121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、隣り合う連結部114c,115cによって構成されたフック部221用の入口部分の大きさは、フック部221の配列方向における大きさよりも大きくなっている。このため、受け部121に対して裏側からフック部221を挿入する場合には、同フック部221の挿入軌道上から連結部114c,115cが外れるようにすることにより、同受け部121へのフック部221の挿入が許容される。
表側構成体100と裏側構成体200とが一体化された状態では、図11に示すように、受け部121内にフック部221が挿入されており、フック部221の折曲部223が受け部121の連結部114c,115cに対して音声ランプ制御装置66における表側から当接している。これにより、フック部221と受け部121とが引っ掛かかり、裏側構成体200からの表側構成体100の浮き上がりが規制されている。また、同連結部114c,115cがフック部221の延出部222に対して折曲部223の先端側から当接しており、上記短手方向における組み合わせ側への両構成体100,200の相対変位が規制されている。
折曲部223と連結部114c,115cとは上記短手方向に延びており、両構成体100,200を相対変位させる際には組み合わせ完了位置を含む所定の範囲で当接状態が維持されるように形成されている。これにより、両構成体100,200が上記短手方向へのスライド操作により組み合せられる又は分離される構成となっている。
上述したように、受け部121に対するフック部221の挿入箇所が制限されている構成においては、受け部121とフック部221との位置関係を目視で確認しながら両構成体100,200を組み合せる必要が生じる。特に、フック部221及び受け部121を音声ランプ制御基板67を挟んだ両側にそれぞれ複数組設けている場合には、上述した浮き上がり等の規制機能を好適に発揮させることができる反面、両構成体100,200の組み合せ作業がやりにくくなると想定される。
そこで、本実施の形態においては、予め定められた手順で両構成体100,200を組み合せることにより、目視によって受け部121とフック部221との位置合わせを行うことなく、同受け部121の入口部分へとフック部221が導かれる構成、すなわち上記スライド操作の準備状態とする構成を採用している。以下、図9及び図11を参照して、かかる構成について説明する。
図11に示すように、表側構成体100の第1表側周壁部112と裏側構成体200の第1裏側周壁部212とは、前者が内側、後者が外側として内外に重なるよう形成されている。第1表側周壁部112の先端部分には、当該第1表側周壁部112から第1裏側周壁部212側に突出する突出部131が形成されている。
突出部131は、第1表側周壁部112から起立するようにして形成されたアーム部132と、当該アーム部132の先端部分を第1表側周壁部112の基端側へ折り曲げるようにして形成された爪部133とによって構成されており、少なくとも爪部133を含む部分が第1裏側周壁部212に形成された挿入部231に挿入されている。
挿入部231については、予め定められた方向からの上記突出部131の挿入を許容する一方で、同方向以外の方向からの突出部131の挿入を不可とするようにして形成されている。より詳しくは、挿入部231の入口部としての開口232は、上記規定手段によって規定されたスライド方向(短手方向)を向く成分と音声ランプ制御装置66の表側を向く成分とを有しており、当該スライド方向における擬似開口面積FSよりも、実際の開口面積AS(すなわちスライド方向とは異なる特定方向における実開口面積AS)のほうが大きくなっている。そして、それら開口面積FS,ASのうち擬似開口面積FSは突出部131の通過を不可とする大きさに設定され、実開口面積ASは突出部131の通過を許容する大きさに設定されている。つまり、裏側構成体200に対して表側構成体100を斜めに傾けた状態(上記特定方向となるように傾けた状態)で突出部131を挿入部231へ差し込むことにより、開口232と突出部131との干渉が回避され、爪部133が挿入部231内に嵌まる構成となっている。
挿入部231には、開口232を構成するとともに爪部133に対して突出部131の挿入方向における手前側から引っ掛かることで挿入部231からの突出部131の脱落を阻止する開口フランジ部233が形成されている。より具体的には、上述した特定方向からの挿入によって両構成体100,200のなす角が所定の角度となっている場合には突出部131(詳しくは爪部133)と開口フランジ部233との引っ掛かりを回避可能となっているが、表側構成体100及び裏側構成体200が両者のなす角度が上記所定の角度から外れている場合(例えば小さくなるように相対変位した場合)には、開口フランジ部233に対して突出部131が引っ掛かり、両構成体100,200の分離が制限されることとなる。
ここで、図12及び図13を参照して、両構成体100,200の組み合わせる際の作業の流れについて説明する。図12及び図13は、基板ボックス形成時の両構成体の相対位置の変位の様子を示す概略図であり、図12(a)→図12(b)→図13(c)→図13(d)の順に作業が行われる。なお、表側構成体100と裏側構成体200とは、相対変位によって組み合せられるが、この際、表側構成体100に対して裏側構成体200を変位させた場合と、裏側構成体200に対して表側構成体100を変位させた場合とでは実質的に同一の結果となる。そこで以下の説明では、裏側構成体200に対して表側構成体100をスライドさせた場合について例示する。
両構成体100,200を組み合わせる際には先ず、図12(a)に示すように、表側構成体100を裏側構成体200に対して斜めに傾ける。そして、図12(a)→図12(b)に示すように、表側構成体100を、当該表側構成体100の突出部131が裏側構成体200の挿入部231に嵌まるようにして移動させる。
突出部131が挿入部231に嵌まった後は、表側構成体100を挿入部231を中心として裏側構成体200側に回動させる。そして回動操作中に、表側構成体100を挿入方向とは逆側に引っ張ることにより、上記爪部133が開口フランジ部233に対して当接し、表側構成体100の回動中心のばらつきが抑えられる。
そのまま、表側構成体100を裏側構成体200に対して重なる位置へと回動させることにより、表側構成体100の受け部121に対して裏側構成体200のフック部221が挿入されることとなる。この際、爪部133と開口フランジ部233を当接させたまま回動させることにより、フック部221と受け部121とが干渉して表側構成体100と裏側構成体200との相対変位が妨げられるといった不都合を回避することができる。
図13(c)に示すように、表側構成体100の回動操作を終えた後は、表側構成体100を裏側構成体に対してスライド移動させる。具体的には、図13(c)に示す状態では、第1表側周壁部112と第1裏側周壁部212との間に隙間が生じたままとなっており、第1裏側周壁部212に対して第1表側周壁部112が当接するように、表側構成体100をスライド移動させる。
かかるスライド移動の過程では、先ずフック部221が受け部121の連結部112c,113cに対して表側から当接することにより、スライド方向以外の方向への移動が規制される。そして、図13(c)→図13(d)に示すように、表側構成体100が裏側構成体200に対する装着完了位置へ到達することにより、両構成体100,200の組み合わせが完了する。このように両構成体100,200の組み合わせを完了した後は、例えば図9に示す破断ネジ69等の固定具を用いて両固定部118,218を結合して両構成体100,200を一体化させることにより、音声ランプ制御基板67を基板ボックス68内に封印することができる。
次に、基板ボックス68を分解する場合の作業の流れについて説明する。基板ボックス68を分解する場合には、図12(a)→図12(b)→図13(c)→図13(d)の順に作業が行われる。
基板ボックス68を分解する場合には、連結部118a,218aを切断することで、破断ネジ69によって固定されている部分を基板ボックス68の本体部68aから分離する。
図5に示すように、音声ランプ制御装置66が遊技盤33に搭載されることで、音声ランプ制御装置66及び主制御装置62は前者を上側、後者を下側として上下に並んだ状態となる。音声ランプ制御装置66はハーネスHを介して主制御装置62に対して電気的に接続されている。より具体的には、ハーネスHはケーブルCAと当該ケーブルの両端に設けられたコネクタC1,C2を有してなり、コネクタC1が音声ランプ制御装置66(音声ランプ制御基板67)に設けられたコネクタ92に対して結合され、コネクタC2が主制御装置62に設けられたコネクタに対して結合されることで両制御装置62,66が電気的に接続されている。このハーネスHを通じて主制御装置62から音声ランプ制御装置66に各種信号が送信され、音声ランプ制御装置66においてはハーネスHを通じて受信した信号に基づき遊技にかかる各種処理を実行する。
このように複数の制御装置を併用して遊技に関する制御を分けて実行する構成とすることにより制御負荷を分散することができる。しかしながら、このような構成においては制御装置同士を電気的に接続するための手段として上記ハーネス等が必要となることに起因して、以下の不都合が生じ得る。すなわち、基板ボックス等で覆われている制御基板そのものではなく、接続手段又は信号伝達手段としてのハーネスが遊技機に対する不正行為の足掛かりとして狙われやすくなる。そこで、本実施の形態においては、上記ハーネスHの取り外しを規制する構成を採用し、防犯機能の向上を図っている。
以下、図5、図14及び図15に基づいて、ハーネスHの取り外しを規制する構成について説明する。本実施の形態においては、ハーネスHの取り外しを規制する構成として、上記各コネクタC1,C2に設けられ制御装置62,66からの取り外しを規制する手段としての係止部と、ハーネスHのケーブルCAを拘束することにより音声ランプ制御装置66からのハーネスHの取り外しを規制する規制手段とが設けられているが、前者については周知の構成であるため説明を省略し、後者の規制手段について詳細に説明する。図14はハーネスの取外規制にかかる構成を示す部分拡大図、図15はハーネスの取外規制にかかる構成を示す分解斜視図である。なお、図15においては便宜上音声ランプ制御基板67を省略している。
<ハーネスHの取り外しを規制する構成>
図5に示すように、音声ランプ制御装置66における複数のコネクタ92のうちハーネスHに対応するものについては音声ランプ制御装置66における左側の端部に配されている。そのコネクタ92の下方であって、同コネクタ92と主制御装置62との間となる部位に、ハーネスHを拘束する拘束部材300が配設されている。
図14及び図15に示すように、拘束部材300は音声ランプ制御装置66に取り付けられており、当該拘束部材300を介して音声ランプ制御装置66にハーネスHが取り付けられている。拘束部材300については、基板ボックス68の本体部68aから側方に張り出して設けられた部分に配設されている。これは、拘束部材300を経由させてハーネスHを配設した場合に、同ハーネスHが音声ランプ制御基板67の前方を横切ることを抑制している。ハーネスHを拘束した場合には、確認作業時等に手でハーネスHを邪魔にならない位置へずらすことが困難になる。そこで、予めハーネスHを音声ランプ制御基板67(詳しくは素子搭載面67a)の視認の妨げとなることを回避するようにして取り回すことにより、拘束部材300の採用に起因した作業性の悪化を回避している。
以下の説明においては、先ず図16を参照して拘束部材300単体の構成について説明し、その後、拘束部材300と音声ランプ制御装置66との関係について説明する。図16(a)は拘束部材の斜視図、図16(b)は拘束部材の正面図、図16(c)は図16(b)のB−B線断面図である。
図16(a)に示すように、拘束部材300は、撓み変形可能に設けられた帯状をなす複数のバンド310と、これら複数のバンド310の一端側を連結する本体部320とを有している。本体部320には、バンド310を挿入可能となっており、挿入されたバンド310と係合する係合孔321が形成されている。なお、以下の説明においてはバンド310において本体部320と連なっている側の端部を「基端部」、本体部320が形成されている側とは反対側の端部を「先端部」として区別する。
図16(c)に示すように係合孔321は本体部320を貫通しており、一方の開口が挿入口322、他方の開口が排出口323となっている。以下、挿入口322→排出口323へのバンド310の変位を第1方向への変位、排出口323→挿入口322へのバンド310の変位を第2方向への変位とする。
バンド310の片側の板面には当該バンド310の長手方向に凹凸が繰り返すように形成された歯部311が所定の範囲に亘って形成されており、係合孔321の途中位置には、バンド310が挿通された場合に歯部311と係合する突起324が形成されている。より詳しくは、係合孔321にバンド310が挿通されることにより同バンド310及び本体部320によって略環状の拘束部が形成されるが、この場合に歯部311が当該バンド310の内側を向くようにして上記挿入口322及び排出口323が設定されており、係合孔321の内周面において上記歯部311と対向する部位に突起324が形成されている。突起324が歯部311に対して係合することによりバンド310の第2方向への変位(戻り)が規制される。これらバンド310(歯部311を含む)及び係合孔321(突起324を含む)によってハーネスHを拘束する拘束手段が構成されている。
歯部311を構成する各凸部311aは略三角形状をなしており、それら凸部311aにおいてバンド310の先端側となる部位は比較的緩やかな傾斜面、基端側となる部位はそれに比べて急な(ほぼ垂直な)傾斜面となっている。一方、係合孔321の突起324についても略三角形状をなしており、同突起324において挿入口322側となる部位は比較的緩やかな傾斜面、排出口323側となる部位はそれに比べて急な(ほぼ垂直な)傾斜面となっている。
このため、第1方向へとバンド310が押し込まれた場合には、凸部311a及び突起324の緩やかな傾斜面同士が当接することにより、バンド310が突起324に対する掛かり代が小さくなる側へ押されることとなる。ここで、拘束部材300については、本体部320を含めた全体が弾性変形可能な合成樹脂材料によって形成されており、掛かり代が小さくなる側へ押されたバンド310が係合孔321の内壁面を押圧することにより、係合孔321が僅かに拡張されることとなる。これにより、第1方向へ向けた押し込み操作に基づくバンド310の変位については許容されることとなる。
一方、凸部311aと突起324とが係合している状態では、上記第2方向へバンド310を引っ張ったとしても、当接している部分が第2方向と略垂直となる平面状をなしているため、操作力が掛かり代が小さくなる側へバンド310を変位させるようには作用しない。つまり、拘束部材300については、一旦係合状態となった後は当該係合状態をバンド310を押し引きすることで解除することが困難となるように構成されている。拘束部材300による規制を解除する場合には、係合状態を解除するのではなく、ニッパやカッタ等の工具を用いてバンド310を破壊(切断)する必要がある。
本実施の形態における拘束部材300については、取り外しを規制している1のバンド310を破壊してハーネスHを取り外した場合に、同ハーネスHの取り外しを再度規制することができるように複数回の使用が許容される構成となっている。具体的には、図16(a)に示すように、複数組(詳しくは4つ)の拘束手段がバンド310の幅方向(すなわちハーネスHが通過する方向)に並設されている。
上述したように、ハーネスHの取り外し規制を解除する際にはバンド310の破壊が必要となる。このようにバンド310が破壊されるため、破壊されたバンド310を用いて再度ハーネスHの取り外しを規制することは困難になる。ここで、他のバンド310を用いてハーネスHの取り外しを規制することにより、取外規制を解除した痕跡を残存させつつ、ハーネスHの取り外しを再度規制することができる。
図16に示すように、拘束部材300の本体部320には、基板ボックス68に対する取付部331が、係合孔321を挟んでバンド310とは反対側に設けられている。取付部331は、係合孔321が形成されている部分からバンド310とは反対側に起立する板状部332と、当該板状部332の先端部分に設けられ上記第1方向に折れ曲る折曲部333とによって構成されている。以下、図14〜図17を参照して、基板ボックス68に対する拘束部材300の取り付けに関する構成について説明する。図17は(a)は図14(b)のC−C線部分断面図、図17(b)は図14(b)のD−D線部分断面図である。
図14に示すように、基板ボックス68には取付部331に対応させて取付ベース70が設けられている。取付ベース70は、図15に示すように、表側構成体100の第2表側周壁部114に設けられた表側ベース部150と、裏側構成体200の第2裏側周壁部214に設けられた裏側ベース部250とが組み合わされてなる。
図17に示すように、表側ベース部150には、拘束部材300の本体部320及び取付部331を収容する収容部151が形成されている。収容部151は、音声ランプ制御基板67の表側に開放された凹状をなしており(図15参照)、その内部に取付部331及び本体部320が収容する一方、バンド310について当該収容部151外に突出するようにして形成されている。
拘束部材300については、バンド310がフック部221及び受け部121によって規定された上記スライド方向と同じ方向に並ぶとともにそれらバンド310の先端部が本体部68a側を向くようにして配置されている。
このようにして配置された拘束部材300の本体部320において排出口323側となる部分及び板状部332に対して、収容部151の底部152が当接している。収容部151における表側への開放部分には、当該開放部分における本体部68aに対して遠い側の一部を覆うようにして覆い部153が形成されており、取付部331の先端部(折曲部333)が収容部151の内壁面に対して本体部68a側から当接した状態(取付完了位置に配された状態)においては、当該覆い部153が板状部332に対して音声ランプ制御装置66の表側から当接している。つまり、板状部332は覆い部153及び底部152によって挟まれた状態となっており、それら覆い部153及び底部152によって音声ランプ制御装置66の厚さ方向への変位が規制されている。
また、底部152には、裏側構成体200側に貫通する開口部154が形成されている(図15参照)。開口部154は、拘束部材300を取り付ける際に折曲部333の通過を許容する大きさに形成されており、折曲部333のほぼ全体が当該開口部154を通じて裏側構成体200側に露出している。
裏側ベース部250は表側ベース部150と対向する対向部251を有してなり、その対向部251によって上記開口部154が覆われている。このようにして、開口部154を覆うことにより、取付ベース70の外部から開口部154を通じて折曲部333にアクセスすることが困難となっている。
対向部251には、上記折曲部333に対して取付時のスライド方向における先側から当接することにより、拘束部材300の取外方向への変位を不可とするストッパ部252が形成されている。ストッパ部252は、表側ベース部150側に突出しており、少なくともその先端部分が、拘束部材300を取り外す際に折曲部333が通過する経路上に位置している。より詳しくは、両構成体100,200が組み合せられた状態では折曲部333が収容部151の内壁面とストッパ部252とによって挟まれるようにして形成されている。
本実施の形態においては、上記覆い部153及び底部152以外にも収容部151における拘束部材300の変位を規制する構成が採用されている。具体的には、図15に示すように、表側ベース部150において収容部151よりも本体部68a寄りとなる部位(表側ベース部150の基端部分)には、バンド310を挿通させる挿通部161が形成されている。
挿通部161は表側ベース部150の表面から突出するようにして形成され、バンド310の並設方向(構成体100,200のスライド方向)に延びる突条部分に収容部151側と本体部68a側とに開放された貫通孔が形成されてなる。挿通部161における貫通孔の内形はバンド310の外形に合わせて形成されている。挿通部161に対してバンド310を挿通させた状態では、同バンド310の挿通部161に当接することにより変位が規制されることとなる。
基板ボックス68において挿通部161に対して収容部151とは反対側となる部位には、上記膨出部103を構成する傾斜部107が位置している。傾斜部107の途中位置、詳しくは傾斜部107において膨出部103の頂部108寄りとなる位置には、バンド310が挿入される挿入孔109が形成されている。挿入孔109は基板ボックス68の内外に貫通しており、それら挿入孔109に対してバンド310の先端部が挿入されることで、バンド310の自由端を含む凡そ半分が基板ボックス68内に収容された状態となっている。但し、4つのバンド310のうち1つは、遊技機を組み立てた際に直ちに使用されることとなるため、挿入孔109については残りの3つに対応するものに限られている(図14(a)参照)。
基板ボックス68内にバンド310を収容した場合には、当該バンド310が音声ランプ制御基板67に搭載されたMPU91等の各種素子に干渉することは好ましくない。そこで、本実施の形態においては、取付ベース70よりも挿入孔109を頂部108に近い位置に配することで、そのような不都合の発生を抑えている。具体的には、挿入孔109に挿通されたバンド310は、頂部108に対して基板ボックス68の内側から当接し、更には自身が撓むことにより頂部108側へ付勢された状態となる。このため、バンド310の先端部分については自由端となっているものの、実質的に音声ランプ制御基板67側へ変位することがない。特に、バンド310は、挿通部161を経由しており、当該挿通部161によってバンド310の変位が規制されている。これにより、基板ボックス68内でのバンド310の変位が一層好適に抑えられている。
図17(a)に示すように、バンド310を、挿通部161に通した状態でその先端部を当該挿通部161側へ折り曲げてハーネスHの外周に沿うようにして湾曲させることにより、同ハーネスHがバンド310によって囲まれた状態となっている。バンド310の先端部は本体部320の係合孔321に挿通されており、バンド310及び本体部320によって環状をなす拘束部が形成されている。そして、バンド310の歯部311と係合孔321の突起324とが係合することで、ハーネスHの取り外しが不可となっている。
バンド310及び本体部320によって形成されたハーネスH用の通過領域については、上述の如くバンド310と本体部320とが係合した状態では、ハーネスHの両側の端部に設けられたハーネス側コネクタC1,C2の通過を不可とする大きさとなるように設定されている。このため、係合状態となった後は、コネクタC1,C2の何れかを上記通過領域を潜らせてバンド310を取り外すといった行為が困難となる。
以上詳述したようにバンド310及び係合孔321によってハーネスHを拘束し、同ハーネスHの音声ランプ制御装置66からの取り外しを規制する構成においては、バンド310において上記拘束部を構成している環状部分が係合孔321への挿入方向とは反対側へ引っ張られることで、上記拘束状態が無理矢理に解除されることが懸念される。仮に、このような行為がなされた場合には、ハーネスHが不正なものに交換されたとしても、その事実を把握することが困難となる。
本実施の形態においては、このような不正行為を考慮して、ハーネスHの不正交換(取り外し)が行われた事実の隠蔽を妨げる工夫が施されている。すなわち、拘束部材300からハーネスHを取り外す場合にバンド310の破壊が必須となるように構成されており、例えばバンド310を上記挿入方向とは反対側へ引っ張る等して係合状態を解除することでバンド310を破壊することなく拘束を解除するといった行為が不可となるような工夫が施されている。
具体的には、図16(a)に示すように、バンド310において歯部311が形成されている側とは反対側には、局所的に強度が低くなるようにして形成された脆弱部312が複数(本実施の形態においては2つ)形成されている。脆弱部312は、バンド310の幅方向に延びる切込み状をなしており、バンド310の他の部分と比較して薄くなるようにして形成されている。
それら脆弱部312は、図17(a)に示すハーネスHの拘束状態においては、係合孔321とバンド310との係合箇所(詳しくは突起324)よりも上記挿入方向における手前側に位置している。より詳しくは、脆弱部312はバンド310の長手方向に並べて配されており、少なくともそれら脆弱部312のうちバンド310の先端寄りに配された1つが、係合孔321内(詳しくは突起324よりも挿入口322寄りとなる領域)に位置している。言い換えれば、バンド310における脆弱部312の位置は、ハーネスHの外形との関係からそれ以上の挿入が不可となるまでバンド310が押し込まれることにより同脆弱部312が係合孔321内(詳しくは突起324よりも挿入口322寄りとなる領域)に配置されるように設定されている。かかる配置を採用することにより、仮にバンド310において音声ランプ制御装置66の正面側へ凸となっている部分が引っ張られた場合には、その負荷が脆弱部312に集中する構成となっている。
脆弱部312は、歯部311及び突起324による係合を解除するのに必要な操作力よりも小さな操作力によって破壊されるようにしてその強度が設定されている。このため、上述したようにバンド310が引っ張られた場合には、その力が係合解除のレベルに達する前に破壊強度を超えるため、脆弱部312が破壊されてハーネスHの取り外しの痕跡が残存することとなる。これにより、取り外しの痕跡を残さないようにしてハーネスHが取り外されるといった不都合を生じにくくしている。
拘束部材300と両構成体100,200との関係の説明に戻る。表側ベース部150の底部152には係合孔321に連通する表側連通孔155が形成されており、裏側ベース部250の対向部251には表側連通孔155に連通する裏側連通孔255が形成されている。各連通孔155,255は係合孔321の延長方向に貫通している。これら係合孔321及び連通孔155,255によってバンド310用の通路が形成され、バンド310の先端部が係合孔321→表側連通孔155→裏側連通孔255を通じて基板ボックス68の裏側へ突出している。
本実施の形態においては、バンド310を用いて両構成体100,200の分離を規制することを特徴の1つとしている。以下、かかる機能を実現する構成について図18を参照して説明する。図18は図14のE−E線部分断面図であり、バンド310、係合孔321、連通孔155,255の関係を示す概略的に示している。
なお、以下の説明においては、4つのバンド310及び係合孔321のうち、最も回動先端寄りに位置するものを「第1バンド310A」及び「第1係合孔321A」と称し、同第1バンド310A及び第1係合孔321Aと横並びとなる他のものを順に「第2バンド310B」〜「第4バンド310D」及び「第2係合孔321B」〜「第4係合孔321D」と称する。
表側ベース部150における表側連通孔155は、各係合孔321A〜321Dに1対1で対応する複数の貫通孔によって構成されている。これに対して、裏側ベース部250の裏側連通孔255は、全ての表側連通孔155A〜155Dに対応させて設けられた1のスリットによって構成されている。
裏側連通孔255において表側連通孔155A〜155Dとは反対側の端部には、内方へ凸とつなる開口縁部256が形成されている。開口縁部256は、両構成体100,200の組み合わせが完了している状態では、各係合孔321A〜321Dの延長領域(すなわち裏側連通孔255においてバンド310が通過し得る領域)から外れた位置に存在している。
本実施の形態においては、既に説明したように、両構成体100,200を分離する場合には、先ず構成体100,200の一方をスライドさせて回動許容状態へ切り替える必要がある。このスライド移動にて開口縁部256が変位し得る経路が上記延長領域のうち第1係合孔321A及び第2係合孔321Bに対応するものと交差している。なお、図18においては、両構成体100,200の相対位置が変化してそれら構成体100,200を分離可能となる位置すなわち回動が許容される場合のを2点鎖線によって示している。
このため、第1バンド310A及び第2バンド310Bの少なくとも何れかが、上記延長領域に存在している場合には、当該バンド310A,310Bに対して開口縁部256が干渉し、それ以上のスライド操作が妨げられることとなる。
特に、係合孔321、連通孔155,255によって構成されるバンド310用の通路の幅寸法(詳しくはバンド310の厚さ方向における通路壁面間の距離寸法)については、バンド310の厚さ寸法とほぼ同等に設定されている。このため、当該通路に挿通されている状態では、バンド310が当該バンド310の厚さ方向に撓みにくくなっている。
つまり、バンド310A,310Bが開口縁部256によって押された場合に、同バンド310A,310Bが撓み変形して開口縁部256が上記延長領域を素通りするといった不都合を生じにくくしている。
<音声ランプ制御装置66の組立作業及びハーネスHの装着作業>
ここで、図19〜図21を参照して、音声ランプ制御装置66の組立作業及びハーネスHの装着作業の流れについて説明する。図19〜図20は作業の流れを示す概略図であり、図19(a)→図19(b)→図20(c)→図20(d)→図21(e)→図21(f)の順に作業を行うことで、音声ランプ制御装置66からのハーネスHの取り外しが規制された状態となる。なお、図21においては、2点鎖線によって取付台及び遊技盤33を概略的に示している。
音声ランプ制御装置66の組立作業においては先ず、図19(a)に示すように、表側構成体100に対して音声ランプ制御基板67を固定する。表側構成体100と音声ランプ制御基板67とを一体化させた後は、表側構成体100に対して拘束部材300を装着する。
具体的には、図19(a)の1点鎖線に示すように、バンド310A〜310Dの先端部を1対1で対応する挿通部161にそれぞれ通した後に、バンド310B〜310Dを挿入孔109を通じて基板ボックス68内に挿入する。この際、各バンド310B〜310Dを最も奥側へ挿入することにより、拘束部材300の取付部331が表側ベース部150の覆い部153との干渉が回避された位置に配されることとなる(図19(b)参照)。
その後は、拘束部材300の本体部320を収容部151の底部152側へ押し込んで、取付部331の折曲部333を開口部154内に挿入させるとともに、本体部320(板状部332を含む)を底部152に対して当接させる。かかる状態となった後は、拘束部材300を基板ボックス68の本体部68aから遠ざかる側、すなわちバンド310A〜310Dの挿入量が減少する側へ拘束部材300を変位させる。
図20(c)に示すように、拘束部材300の折曲部333が収容部151における本体部68aとは反対側の壁部に対して当接する位置に到達することにより、表側構成体100に対する拘束部材300の取り付けが完了する。
表側構成体100に対する拘束部材300の取り付けが完了した後は、図20(c)→図20(d)に示すように、両構成体100,200を相互に組み付ける。具体的には、図12〜図14を用いて説明したように、表側構成体100の突出部131を裏側構成体200の挿入部231に挿入させて同表側構成体100を裏側構成体200に対して近づく側へ回動させ、その後、表側構成体100を裏側構成体200に対してスライドさせることにより、両構成体100,200の組み付けが完了する。
両構成体100,200の組み付けが完了した状態では、図20(d)に示すように、裏側構成体200のストッパ部252が拘束部材300の取外方向における先側から折曲部333に対して当接する。これにより、拘束部材の離脱が規制されることとなる。その後、図9等に示した破断ネジ69を用いて両構成体100,200を結合することにより、音声ランプ制御基板67が基板ボックス68内に封入され、音声ランプ制御装置66の組立作業が完了する。
音声ランプ制御装置66の組立作業が完了した後は、図21(e)に示すように、台座を介して遊技盤33に音声ランプ制御装置66を搭載する。音声ランプ制御装置66を搭載した後は、音声ランプ制御装置66のコネクタ92にハーネスHのコネクタC1を結合させるとともに主制御装置62のコネクタに同ハーネスHのコネクタC2を結合させる。これにより、ハーネスHを介して音声ランプ制御装置66と主制御装置62とが電気的に接続された状態となる。
ハーネスHの接続作業を終えた後は、図21(e)に示すように、ハーネスHの一部が拘束部材300の本体部320と挿通部161との両者に当接するようにして当該ハーネスHを配置する。そして、基板ボックス68内に収容されていない第1バンド310Aを用いてハーネスHを拘束する。
具体的には、第1バンド310AをハーネスHを囲むようにして撓ませるとともに、同第1バンド310Aの先端部を本体部320の第1係合孔321Aに挿入する。ここで、両構成体100,200の相互の組み付けが完了している状態では、第1係合孔321Aと第1表側連通孔155Aと裏側連通孔255とが連通している。このため、第1係合孔321Aを通過した第1バンド310Aは、第1表側連通孔155A→裏側連通孔255を通じて音声ランプ制御装置66の裏側へ突出する。
その後も第1バンド310Aの挿入操作を継続することで、第1バンド310Aの歯部311が第1係合孔321Aの突起324に対して引っ掛かる。つまり、第1バンド310Aの先端部が裏側連通孔255から突出した後に、第1バンド310Aの歯部311と第1係合孔321Aの突起324とが係合する。このようにして、第1バンド310Aと第1係合孔321Aとが係合することで、音声ランプ制御装置66からのハーネスHの取り外しが規制される。
第1バンド310Aが更に押し込まれると、同第1バンド310AとハーネスHとが当接し、同ハーネスHによってそれ以上の押し込みが不可となる。この場合、バンド310に形成された脆弱部312のうち最も先端寄りとなる1つは、係合孔321内において挿入口322と突起324との間に位置することとなる(図21(f)参照)。つまり、ハーネスHの変位を不可とすることで、脆弱部312の少なくとも1つが係合孔321内に収容された状態となる。
<ハーネスHの取外作業>
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置66からハーネスHを取り外す場合の作業の流れについて説明する。図22は作業の流れを示す概略図であり、図22(a)→図22(b)の順に作業を行うことで、音声ランプ制御装置66からのハーネスHの取り外すことができる。なお、図22においては、2点鎖線によって取付台及び遊技盤33を概略的に示している。
図22(a)に示すように、音声ランプ制御装置66に対してハーネスHが装着されている状態では、第1バンド310AによってハーネスHが囲まれているものの、当該第1バンド310Aが挿通部161を経由していることで、ハーネスHと第1バンド310Aとの間に隙間が形成されている。図22(b)に示すように、この隙間が生じている部分にてハーネスHをニッパやカッタ等の工具を用いて切断することにより、第1バンド310A(拘束部材300)によるハーネスHの拘束(音声ランプ制御装置66からの取り外し規制)が解除される。これにより、音声ランプ制御装置66からのハーネスHの取り外しが可能となるとともに、拘束部材300に拘束解除の痕跡(ハーネスHの取外規制解除の痕跡)が形成される。
拘束部材300については、基板ボックス68からの取り外しが規制されたままとなる。このため、上記痕跡が音声ランプ制御装置66に残存することととなり、ハーネスHが取り外された事実を事後的に確認することができる。
以上詳述した、ハーネスHの取り外しについては、音声ランプ制御装置66が遊技盤33に搭載されたまま実行される。音声ランプ制御装置66が遊技盤33に搭載されている状況下においては、分離片310aを引き抜く際の当該分離片310aの移動経路上に遊技盤33が位置しており、分離片310aの引き抜きが当該遊技盤33によって規制された状態となっている。言い換えれば、第1バンド310Aが切断された後も少なくとも音声ランプ制御装置66を遊技盤33から取り外すまでは、上記分離片310aによる両構成体100,200の分離規制が継続されることとなる。
上述した過程を経てハーネスHを取り外した後に、同ハーネスHを再び取り付ける場合には、拘束部材300の第2バンド310B及び第2係合孔321Bを使用する。これら第2バンド310B及び第2係合孔321Bを用いた再取付けの手順については、図21(e)→図21(f)を用いて説明した手順と同様であるため、説明を省略する。
第2バンド310BによってハーネスHが拘束された場合には、第1バンド310Aと同様に、当該第2バンド310Bによって両構成体100,200の分離が規制されることとなる。
本実施の形態においてはバンド310が4つ設けられており、1の拘束部材300によるハーネスHの拘束が4度まで許容されている。遊技機のメンテナンス作業や確認作業が行われる場合には、例えば音声ランプ制御装置をパチンコ機10から取り外すことで、作業の容易化を図ることができるため、上述の如く、複数回の拘束を許容することで、拘束部材300の交換を抑制している。かかる構成においても、ハーネスHが取り外される度にその痕跡が残存することとなるため、同ハーネスHの取り外し回数を事後的に把握することができる。
但し、かかる構成を採用したとしてもバンド310の数には限りがあるため、全てのバンド310が破壊された後は、拘束部材300を未使用のものに交換することで、再度ハーネスHの取り外し規制を実行可能となる。
<拘束部材300の取外作業及び音声ランプ制御装置66の開封作業>
次に、図22〜図24を参照して、拘束部材300の取外作業及び音声ランプ制御装置66の開封作業について説明する。図23及び図24は作業の流れを示す概略図であり、図22(a)→図22(b)→図23(c)→図23(d)→図24(e)→図24(f)の順に作業を行うことで、音声ランプ制御装置66が開封されるとともに拘束部材300が取り外される。
拘束部材300の取外作業においては先ず、音声ランプ制御装置66からハーネスHの取外規制を解除して、当該音声ランプ制御装置66を遊技機から取り外す。ハーネスHの取り外し作業については、図22(a)及び図22(b)を用いて説明した通りなので、説明を省略する。
バンド310を切断して音声ランプ制御装置66からハーネスHを取り外した後は、図22(b)→図23(c)に示すように、音声ランプ制御装置66を遊技機から取り外す。その後、切断されたバンド310の先端部分(分離片310a)を指等で摘んで裏側連通孔255から引き抜いて、同先端部分を基板ボックス68から分離する。
なお、音声ランプ制御装置66が遊技盤33に搭載されている状況下においては、分離片310aを引き抜く際の当該分離片310aの移動経路上に遊技盤33が位置している。このため、分離片310aの引き抜きが規制された状態となっている。そこで、上述したように先ず音声ランプ制御装置66を遊技機から取り外すことにより、遊技盤33による引抜規制が解除される。
分離片310aにおいて裏側連通孔255から突出している部分を、指で挟んで音声ランプ制御装置66の裏側へ引き抜くことにより、分離片310aの除去が完了する(図23(c)参照)。これにより、分離片310aによる両構成体100,200の分離規制が解除されることとなる。具体的には、表側構成体100と裏側構成体200との相対変位(スライド操作)が許容されることとなる。
その後、図23(d)に示すように、両構成体100,200を分離することにより、それまで拘束部材300の取り外し方向への変位を妨げていた裏側構成体200のストッパ部252が阻止位置から外れる。これにより、拘束部材300の変位が許容される。なお、両構成体100,200が分離されることで、基板ボックス68からの音声ランプ制御基板67の取り外しが可能となる。
次に図24(e)に示すように、拘束部材300を取り外し方向へとスライドさせる。バンド310の基端部よりも挿通部161のほうが収容部151の底部152からの高さが大きく設定されているため、上記スライド操作により本体部320が挿通部161に近づくことで、拘束部材300が底部152から浮き上がる側への付勢力が大きくなる。そして板状部332が覆い部153との重なりが回避される位置に到達することで本体部320が底部152から浮き上がることとなる。これにより、収容部151からの拘束部材300の引き出し操作が容易化される。
その後、図24(f)に示すように、バンド310が挿通部161から外れるようにして拘束部材300を引っ張ることにより、同拘束部材300の音声ランプ制御装置66からの分離が完了する。
例えば、拘束部材300を取り外した後、未使用の拘束部材300に交換した場合には、それまでのハーネスHの取り外しの痕跡が排除されるものの、拘束部材300の取り外しが行われた可能性があることが、基板ボックス68の両固定部118,119に形成された破壊痕跡(基板ボックス68の開封痕跡)によって明示されることとなる。これにより、何らの痕跡を残すことなく拘束部材300の交換がなされることを抑制することができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、第1の実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づき説明する。図25では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置62に設けられた主制御基板63には、主制御回路702と停電監視回路703とが内蔵されている。主制御回路702にはMPU711が搭載されている。MPU711には、当該MPU711により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM712と、そのROM712内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM713と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM713は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置83に設けられた電源・発射制御基板721からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU711には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路702の入力側には、主制御基板63に設けられた停電監視回路703、払出制御装置82に設けられた払出制御基板722及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。特に主制御装置62とは別体で設けられた払出制御装置82等についてはハーネス等の接続手段を用いて接続されている。停電監視回路703には電源・発射制御基板721が接続されており、主制御回路702には停電監視回路703を介して電力が供給される。
一方、主制御回路702の出力側には、停電監視回路703、払出制御基板722、音声ランプ制御基板67等がハーネスを用いて接続されている。払出制御基板722には賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力され、音声ランプ制御基板67には表示コマンドなどといった各種コマンドが出力される。
停電監視回路703は、主制御回路702と電源・発射制御基板721とを中継し、また電源・発射制御基板721から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板722は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU731は、そのMPU731により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM732と、ワークメモリ等として使用されるRAM733とを備えている。
払出制御基板722のRAM733は、主制御回路702のRAM713と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板721からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板722のMPU731には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板722の入力側には、主制御回路702、電源・発射制御基板721及び裏パック基板79が接続されている。また、払出制御基板722の出力側には、主制御回路702及び裏パック基板79が接続されている。
電源・発射制御基板721は、電源部736と発射制御部737とを備えている。電源部736は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路702や払出制御基板722等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部737は、遊技者によるハンドル装置59の操作にしたがって遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板67は、各種ランプ部、スピーカ部、表示制御装置755を制御するものである。演算装置であるMPU91は、そのMPU91により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶した上記ROM742と、ワークメモリ等として使用される上記RAM743とを備えている。
音声ランプ制御基板67のMPU91にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板67の入力側には中継端子板723に中継されて主制御回路702が接続されており、主制御回路702から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部、スピーカ部、表示制御装置755を制御する。表示制御装置755は、音声ランプ制御基板67から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音声ランプ制御装置66と主制御装置62とを繋ぐハーネスHの取り外しを拘束部材300を用いて規制することにより、当該ハーネスHを不正なものに交換するといった行為を難しくすることができる。このようにハーネスHを足掛かりとした主制御装置62に対する不正なアクセスを妨げることにより、例えば不正なハーネスを介して主制御装置62の出力ポート等に過度の電圧を印加する等して主制御装置62を誤作動させるといった行為を難しくすることができる。これにより、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
拘束部材300を用いてハーネスHの取り外しを規制する場合には、当該拘束部材300ごとハーネスHが取り外されることを回避することが望ましい。しかしながら、拘束部材300の取り外しを規制しようとすれば、その構成が大掛かりなものとなったり同拘束部材300の装着作業が難しくなったりすると想定される。この点、本実施の形態においては、相互に組み合せられた表側構成体100及び裏側構成体200によってハーネスHの取り外しを規制することにより、ハーネスの取り外しを規制するための構成を簡素なものとしつつ作業を簡略化を図っている。故に、防犯機能を向上させつつ、それに起因した作業性の低下等を好適に抑制することができる。
より詳しくは、所定の設置位置へ拘束部材300を配置することにより当該拘束部材300の取り外しが規制された状態となる構成を採用しようとすれば、拘束部材300の取付手段として規制状態と解除状態とに弾性変形可能なフック等が採用されやすいと想定される。しかしながら、このようなフック(弾性変形)等を利用して規制状態へ移行させようとすれば、拘束部材300を装着する際の作業性の向上と拘束部材300の取り外し規制にかかる強度の向上とを両立させることが難しくなる。また、このような強度不足をネジ等の他の固定手段を採用することで補おうとすれば、拘束部材300の固定にかかる構成が複雑になったり同拘束部材300の固定作業が煩雑になったりすると想定される。
この点、両構成体100,200を組み合わせる前に拘束部材300を設置し、その後両構成体100,200を組み合せることで、拘束部材300の取り外しが規制される構成とすれば、上述したような弾性変形に頼ることなく規制状態への移行が可能となるため、作業性の向上と拘束部材300の強度の向上とを好適に両立させることができる。特に、取外規制にかかる強度の向上を図ることで、拘束部材300を無理やり引っ張る等して規制状態を不正に解除するといった行為を難しくすることが可能となる。故に、更なる防犯機能の向上に貢献することができる。
上述したように、両構成体100,200の組み合せに先行して拘束部材300を設置する構成においては、両構成体100,200を組み合わせる際に構成体100,200と拘束部材300とが干渉して組み合わせ作業が妨げられるといった不都合が生じ得る。このような不都合を回避しようとして、例えば拘束部材300を手で持ったまま両構成体100,200の組み合わせ作業を行おうとすれば、当該組み合わせ作業が煩雑になると懸念される。そこで、本実施の形態においては、拘束部材300を所定の設置位置に保持する構成とすることで、構成体100,200の組み合わせが完了する前に拘束部材300を取り付ける構成を採用したとしても、それに起因した上記不都合の発生を抑えることが可能となっている。
拘束部材300の取外規制手段を構成するストッパ部252及び折曲部333については、両構成体100,200を組み合せることで、それら両構成体100,200によって覆われることとなる。このため、外部からストッパ部252等にアクセスして拘束部材300の取外規制を不正に解除するといった行為を難しくすることができる。
フック部221及び受け部121によって規定された両構成体100,200のスライド方向(分離側への相対変位方向)と、収容部151によって規定された拘束部材300(詳しくは本体部320)のスライド方向(取り外し側への変位方向)とが直交する構成としている。これにより、仮に両構成体100,200を分離側へ押し引きしたとしても、それに起因した拘束部材300の取外規制機能の低下を好適に回避することができる。また、拘束部材300を取り外し方向へ押し引きしたとしても、それによって両構成体100,200の相対位置が変化し音声ランプ制御基板67の封印機能が低下することを回避することができる。
拘束部材300のバンド310を係合孔321に挿入し、所定の係合位置(ハーネスHを拘束する位置)へ押し込むことにより、同バンド310が表側連通孔155に挿通される。表側連通孔155の内形はバンド310の外形に合わせて形成されており、表側連通孔155の長手方向と交差する方向へのバンド310の変位が規制される。当該表側連通孔155の長手方向は収容部151における拘束部材300のスライド方向と直交しており、同バンド310と表側連通孔155とが当接することで、拘束部材300の取り外し方向への変位が規制されることとなる。このように、ハーネスHを拘束することで、拘束部材300の取り外しが一層好適に規制されることで、当該拘束部材300ごとハーネスHを取り外すといった行為を難しくすることができる。
このように、拘束部材300の取外規制を強化したとしても、以下の不都合が発生する可能性を払拭することは困難である。すなわち、拘束部材300を細かく破壊する等して基板ボックス68から取り外すとともに別途用意した拘束部材300を再設置することにより、不正なハーネスへの入替の痕跡が隠蔽され得る。
ここで、本実施の形態においては、両構成体100,200を組み合わせた状態では、拘束部材300の上記設置位置(装着完了位置)への配置が不可となる。更には、設置位置から外れた位置に配置されている状態では、係合孔321排出口323の先に底部152が位置することとなり、バンド310を係合位置へ到達させることができない構成となっている。これにより、上述したように痕跡を残存させることなくハーネスHを不正なものと入れ替えるといった行為を困難なものとすることができる。
ハーネスHを拘束した状態ではバンド310が表側連通孔155及び裏側連通孔255に跨るようにして配置され、当該バンド310によって両構成体100,200の分離(基板ボックス68の開放)が規制されることとなる。これにより、構成の複雑化を抑えつつ音声ランプ制御基板67に対する不正行為を抑制することが可能となる。
ハーネスHを拘束する機能が付与されたバンド310については、ある程度の強度確保が必要となる。このように強度が確保される構成を用いて両構成体100,200の分離規制を行うことで、分離規制機能を好適に発揮させることができる。
バンド310を用いて両構成体100,200の分離を規制する構成においては、当該バンド310によって両構成体100,200を括ることも可能である。しかしながら、このような作業を必須とすれば、防犯機能の向上を達成できる反面、作業が煩雑化すると懸念される。
この点、上記実施の形態においては、本体部320の係合孔321に対してバンド310を挿入し、同バンド310を係合位置まで押し込むことで、両構成体100,200の分離が規制される。このように、バンド310によって両構成体100,200を括るのではなく孔に通すだけで分離を規制することができるため、バンド310を利用した分離規制作業を簡易化できる。
連通孔155,255は、係合孔321に対してバンド310の挿入方向における先側に配されている。これにより、バンド310においてハーネスの拘束機能が付与されている部分と構成体100,200の分離規制機能が付与されている部分とを区別することが可能となっている。かかる構成によれば、バンド310に上記分離規制機能を付与することに起因して拘束機能が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
バンド310による分岐規制を解除する場合には、バンド310を破壊(切断)する必要が生じる。つまり、バンド310による分離規制を解除して基板ボックス68を開封した場合には、その開封痕跡が拘束部材300に残存することとなる。この際バンド310の分離片310aを裏側連通孔255を通じて引き抜く必要がある。本実施の形態においては、ハーネスHを拘束した場合に、当該バンド310の先端が裏側連通孔255の開放部分から突出する構成となっている。このように、バンド部の一部を通路部から突出させておくことで、上記分離片310aの引き抜き操作の容易化を図っている。
以上詳述した、バンド310による両構成体100,200の分離規制機能は、初回に限って有効となるのではなく、基板ボックス68を開封した後に2つ目のバンド310Bを利用することで同様の機能を享受できる構成となっている。本実施の形態においては、痕跡手段としての破断ネジ69による両構成体100,200の固定は初回に限って有効であり、同破断ネジ69は一度開封された基板ボックス68を再度封印する手段として機能しない。ここで、第2バンド310BによりハーネスHを拘束することにより、当該バンド310Bによる両構成体100,200の分離規制が可能となることで、第2バンド310Bを基板ボックス68用の封印手段又は痕跡手段として活用することができる。
音声ランプ制御基板67の検査等を行う場合には、音声ランプ制御装置66を遊技機から取り外すことで、作業を容易に進めることができる。この際、ハーネスHの拘束を解除すれば、バンド310による両構成体100,200の分離規制が解除される又は分離規制の解除が許容されることとなるため、検査等にかかる一連の作業(ハーネスH除去→音声ランプ制御装置66の取り外し→基板ボックス68の開封→音声ランプ制御基板67の取り出し)の円滑化に貢献することができる。
バンド310には、当該バンド310における他の部位よりも破壊が容易な脆弱部312が形成されており、同脆弱部312は、バンド310によってハーネスHを拘束している状態では、バンド310及び係合孔321の係合箇所よりもハーネスH寄りに位置するようにして構成されている。かかる構成によれば、バンド310においてハーネスHを拘束している部分を引っ張る等して無理矢理に拘束状態(分離規制状態)を解除させようとした場合であっても、脆弱部312が破壊されることとなる。これにより、痕跡を残存させることなくハーネスHを取り外したり両構成体100,200を分離したりする行為を困難なものとすることができる。
脆弱部312は、上記拘束状態となっている場合に、係合孔321内に位置するようにして構成されている。かかる構成を採用することにより、バンド310における上記係合箇所と脆弱部312との間となる部位を掴んで引っ張るといった行為を難しくし、当該脆弱部312による不正防止機能を好適に発揮させることができる。また、脆弱部312の所在を隠すことによる防犯機能の向上も期待できる。
係合孔321,表側連通孔155,裏側連通孔255によって構成される通路つていは、バンド310において上記通路内に挿入されている部分の厚さ方向が両構成体100,200のスライド方向に対して直交する方向となるようにして形成されている。上述したようにバンド310を用いてハーネスHを拘束する構成においては、バンド310の撓み変形を許容することが望ましい。しかしながら、このように撓み変形を許容した場合には、上記分離規制機能の強化が難しくなると想定される。この点、バンド310において通路内に挿入されている部分の厚さ方向が上記スライド方向に対して直交する方向となる構成とすれば、例えば厚さを薄くして上記撓み変形を容易としたとしても、分離規制機能を好適に発揮させることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態においては、「制御装置」としての音声ランプ制御装置66にハーネスHを拘束する構成を適用したが、主制御装置62や払出制御装置82等の他の制御装置に対して上記拘束する構成を適用することも可能である。
また、拘束の対象となるハーネスについては必ずしも制御装置同士を接続するものである必要はない。例えば、主制御装置62については、その入力側に多数のセンサ(例えば入球検知用のセンサ)がハーネスを介して接続されているが、このハーネスの主制御装置62からの取り外しを規制する構成としてもよい。これにより、ハーネスを不正なものと入れ替えてセンサからの信号を改ざんするといった行為を難しくすることができる。また、払出制御装置82については、その出力側に払出装置78がハーネスを介して接続されているが、このハーネスを払出制御装置82からの取り外しを規制する構成としてもよい。これにより、ハーネスを不正なものと入れ替えて払出装置78に出力される信号を改ざんするといった行為を難しくすることができる。故に、信号の改ざんによる遊技球の不正取得を抑制できる。
(2)上記実施の形態では、「ケース構成体」としての表側構成体100及び裏側構成体200のうち前者に「拘束手段」又は「規制手段」としての拘束部材300を配設したが、後者に拘束部材300を配設してもよい。つまり、「設置部」を両構成体100,200のうちどちらに設けるかは任意である。
但し、ハーネスや拘束部材300の確認作業や取付/取外作業の容易化を考慮すれば、表側構成体100を配設対象とすることが好ましい。
(3)上記実施の形態では、「第1ケース構成体」としての表側構成体100と「第2ケース構成体」としての裏側構成体200とによって拘束部材300を挟み込むことにより、同拘束部材300の基板ボックス68からの取り外しを規制する構成としたが、少なくとも両構成体100,200が相互に結合されることにより拘束部材300の取り外しが規制されるのであれば足りる。以下、図26(a)の概略図を参照して、取外規制に関する構成の変形例について説明する。
音声ランプ制御装置66Xの基板ボックス68Xによって区画された領域には、音声ランプ制御基板67とともに拘束部材300Xの一部(詳しくはその本体部320X)が収容されている。拘束部材300Xは、本体部320が表側構成体100Xの内部に形成された設置部180Xに設置されることにより表側対向部101Xに隣接するようにして存在している。
表側対向部101Xには、基板ボックス68Xの内外に貫通する貫通孔181Xが形成されており、当該貫通孔181Xを通じてバンド310Xが基板ボックス68X外に突出している。また、表側対向部101Xには、本体部320Xの係合孔321Xに連通する連通孔182Xが形成されている。バンド310Xの先端部分が連通孔182X→係合孔321Xに挿通されることで、バンド310X及び係合孔321Xが係合している。これにより、ハーネスHXが拘束された状態となっている。
本変形例においては、両構成体100X,200Xを相互に組み付けることにより、拘束部材300Xの基板ボックス68Xからの取り外しが規制されることとなる。特に、本体部320Xを基板ボックス68X内に収容することで、音声ランプ制御装置66Xの外部からの本体部320Xへのアクセスを困難なものとし防犯機能の向上を図っている。
(4)上記実施の形態では、両構成体100,200を組み付ける場合のそれら構成体100,200の相対変位に基づいて基板ボックス68からの拘束部材300の取り外しが不可となる構成としたが、これに限定されない。両構成体100,200を結合してそれら構成体100,200の分離を規制することで、拘束部材の取り外しが不可となる構成としてもよい。例えば、両構成体100,200を結合する結合手段としてネジ等の固定具を取り付けることで、拘束部材の取り外しが不可となるようにしてもよい。
(5)上記実施の形態では、拘束部材300を用いてハーネスHを拘束した場合に余剰となるバンド310の一部によって、両構成体100,200の分離が規制される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、拘束部材300に付与された両構成体100,200の分離規制機能を省略することも可能である。
特に、音声ランプ制御装置66は封印手段を構成する破断ネジ69によって開封不可となるように固定されており、1度目の開封時にはその開封痕跡が基板ボックス68に残存する構成となっている。故に、複数のバンド310及び係合孔321の組み合せのうち少なくとも初期(製造時)に使用されるバンド310及び係合孔321については、バンド310による両構成体100,200の分離規制機能を省略することで、防犯機能を担保しつつ、基板ボックス68の開放作業を容易化することができる。以下、当該変形例に示す思想を実現するための構成を、図26(b)を参照して説明する。図26(b)は、バンド310と裏側連通孔255との関係を示す概略図である。
本変形例においては、「通路部」を構成する裏側連通孔255が上記実施の形態と相違している。具体的には、裏側連通孔255Yに形成された開口縁部256が一部省略され、上記挿入部231を中心とした回動が許容される位置へと両構成体100,200が相対変位した場合であっても、裏側連通孔255Yの壁面部と第1バンド310Aとの干渉が回避される構成となっている。これにより、第1バンド310AによってハーネスHを拘束している状態では、当該第1バンド310Aによる両構成体100,200の分離規制が行われることはない。
また、裏側連通孔255には、当該裏側連通孔255Yを、各表側連通孔155A〜155Dに1対1で対応するようにして区画する区画壁部257B〜257Dが形成されている。第2バンド310B〜第4バンド310DのいずれかによってハーネスHが拘束されている場合には、上記相対変位に基づく区画壁部257B〜257Dの移動経路上に、それら第2バンド310B〜第4バンド310Dが位置することとなる。これにより、2度目以降のハーネスHの取り外しの際には、それら第2バンド310B〜第4バンド310Dによって両構成体100,200の分離が規制されることとなる。
上記実施の形態に示すように、固定部118,218及び破断ネジ69によって基板ボックス68の開封痕跡を残存させる機能が初回にのみ対応している場合には、バンドによる分離規制を2回目以降に対して適用することで簡易的な痕跡手段(カシメ)としても利用できる。
(6)上記変形例(5)に示したように、拘束部材300を用いてハーネスHを拘束した場合であっても、バンド310による両構成体100,200の分離規制がなされない構成を採用する場合には、併せて以下の変更を行うとよい。
例えば、本体部320の係合孔321において突起324から排出口323までの距離を拡大することで、ハーネスHが拘束されている場合にバンド310の先端が係合孔321内に収容された状態となる構成としてもよい。かかる変形例を採用する場合には、係合孔321を有底として排出口323を削除することにより、基板ボックス68外からの係合箇所へのアクセスを抑制することができる。
また、表側連通孔155の全長を拡大することにより、バンド310によってハーネスHが拘束されている場合にバンド310の先端が表側連通孔155内に収容された状態となる構成としてもよい。更には、裏側連通孔255の全長を拡大することにより、バンド310によってハーネスHが拘束されている場合にバンド310の先端が裏側連通孔255内に収容された状態となる構成としてもよい。このようにして各連通孔155,255からのバンド310の突出を回避する場合には、連通孔155,255を有底とすることで、出口部分を削除することも可能である。これら各変形例を採用すれば、係合孔321へのアクセスを抑制、拘束状態が不正に解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
更に、上記実施の形態においては、バンド310に脆弱部312を形成して当該バンド310の強度を部分的に弱くすることにより、バンド310を引っ張っることで無理矢理に係合を解除しようとしても、当該脆弱部312が係合解除よりも先に破壊される構成を採用した。これにより、バンド310に破壊痕跡を残存させることなくハーネスを取り外すといった行為を難しくしている。同実施の形態では、ハーネスHの外形及びバンド310の長さ(詳しくは脆弱部312の位置)によって脆弱部312が係合孔321内に収容されるように設定したが、これではハーネスの径の変更への追従性がよくない。そこで、上記変形例に示したように係合孔321、連通孔155,255の何れかを有底として、ハーネスHの先端部が底部に対して当接する位置まで押し込まれることでハーネスHの拘束作業が完了する構成とすれば、ハーネスHの径に関係なく脆弱部312の位置を一義的に定めることができ、より確実に同脆弱部312を係合孔321内に配置することができる。これにより、ハーネスHの径の許容範囲を好適に拡げることができる。
なお、脆弱部312については、必ずしも部分的にバンド310の厚さを薄くすることで形成する必要はない。少なくともバンド310と係合孔321との係合力よりも引っ張り力が大きくなる前に当該引張り力が脆弱部の破壊強度を上回るように構成されていればよく、例えばバンド310に当該バンド310の幅方向に延びるスリットを形成して、部分的に強度を下げることで脆弱部を構成してもよい。
(7)バンド310の歯部311と係合孔321の突起324とが係合した後に、更にバンド310の押し込み操作がなされることでバンド310の上記余剰部分が裏側連通孔255に到達する構成としてもよい。また、上記余剰部分が裏側連通孔255に到達した後に、更にバンド310の押し込み操作がなされることで上記歯部311と突起324とが係合する構成とすることも可能である。
(8)上記実施の形態では、拘束部材300が、ハーネスHを拘束する機能と、構成体100,200の分離を規制する機能との2つの機能を付与したが、これに限定されるものではない。拘束部材300については、少なくともハーネスHを拘束する機能を有していれば足りる。
(9)上記実施の形態では、バンド310によってハーネスHが拘束されている場合には、当該バンド310の先端(上記余剰部分)が裏側連通孔255から突出する構成としたが、これを変更し、ハーネスHが拘束されている場合であっても同バンド310が裏側連通孔255から突出しない構成とすることも可能である。
但し、バンド310には、両構成体100,200の分離を規制する機能が付与されており、バンド310を切断してハーネスHを取り外した後は、バンド310の分離片310aを裏側連通孔255から引き抜く必要がある。この引き抜き作業の容易化を考慮すれば、上述の如くバンド310の先端が裏側連通孔255から突出する構成とすることが好ましい。
(9)上記実施の形態では、バンド310によってハーネスHが拘束されている場合に、基板ボックス68からの拘束部材300の取り外しが不可となる構成とした。具体的には、表側連通孔155に対してバンド310が挿通されている場合には当該表側連通孔155の内壁面とバンド310とが当接することで、拘束部材300の取外方向への変位が妨げられる構成とした。但し、「変位規制部」としてのストッパ部252を有する構成においては、バンド310に対して拘束部材300の取り外しを規制する機能を付与する必要は必ずしもなく、かかる機能を省略してもよい。
(10)脆弱部312の数は任意である。但し、少なくとも1つの脆弱部312については、バンド310によってハーネスHが拘束されている状態にて係合孔321内に収容される構成とすることが好ましい。特に、複数の脆弱部312を有する構成においては、最も先端寄りのものが挿通孔内(望ましくは突起と入口との間)に位置するように設定することが好ましい。
(11)上記実施の形態では、「構成体用案内手段」としてのフック部221及び受け部121によって案内されるスライド区間の全域にてバンド310の折曲部333と裏側構成体200のストッパ部252とが当接する構成(拘束部材300の取外方向への変位が不可となる構成)とした。これを変更し、両構成体100,200の組み合わせが完了することに併せて折曲部333とストッパ部252とが当接し、拘束部材300の取外方向への変位が不可となる構成としてもよい。例えば、フック部221及び受け部121を省略し、両構成体100,200を挿入部231を中心として回動させることで、組み合わせが完了する構成においては、当該変形例を適用するとよい。
(12)上記実施の形態では、バンド310の先端部分が裏側連通孔255から突出する位置へ到達することで、バンド310(詳しくは歯部311)と係合孔321(詳しくは突起324)とが係合する構成としたが、バンド310の先端部分が裏側連通孔255から突出する位置へ到達する前にバンド310と係合孔321とが係合する構成とすることも可能である。例えば、バンド310の先端部分が裏側連通孔255に到達し、両構成体100,200の分離が規制される状態となった場合に、バンド310と係合孔321とが係合する構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、「設置部」としての収容部151を、基板ボックス68において音声ランプ制御基板67を収容する収容空間を区画形成している本体部68aではなく、当該本体部68aから突出する表側ベース部150に配設したが、本体部自身に収容部を設けてもよい。
但し、バンド310を用いて両構成体100,200の分離を規制する場合には、バンド310を両構成体100,200に跨るようにして待機させる必要がある。上記変形例を採用した場合には音声ランプ制御基板67が邪魔になってバンドの取り回しに対する制約が強くなる。また、音声ランプ制御基板67を回避したとしても表側連通孔155に相当する構成と裏側連通孔255に相当する構成との間隔が拡がり、バンドの全長が過度に長くなる。これは分離規制機能を低下させたり、バンド310による拘束作業をやりにくくしたりする要因となり得る。故に、好ましくは上記実施の形態に示したように基板ボックス68の本体部から突出する部分に収容部151を配設することで、両連通孔155、255を近づけるとよい。
(14)上記実施の形態では、「通路部」を構成する表側連通孔155及び裏側連通孔255を係合孔321に対してバンド310の挿入方向における先側に配する構成としたが、これを変更し、それら連通孔155,255を係合孔321に対して上記挿入方向における手前側に配する構成とすることも可能である。
また、表側連通孔155を係合孔321に対して挿入方向における手前側、裏側連通孔255を係合孔321に対して挿入方向における先側に配することも可能である。更には、両構成体100,200のうち拘束部材300の設置対象となっている側の通路部(表側連通孔155)を省略することも可能である。但し、かかる変更を行った場合、裏側連通孔255と係合孔321とによって両構成体100,200の分離が規制されることとなり、両構成体100,200が分離方向へ引っ張られた場合には、係合孔321に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、係合孔321が本来有しているバンド310との係合機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、両連通孔155,255を連通させて、係合孔321に生じる負荷が大きくならないようにし、当該係合孔321の保護を図るとよい。
(15)上記実施の形態では、バンド310を破壊することで形成される分離片310aを「通路部」としての連通孔155,255から引き抜く経路上に遊技盤33が位置することで、音声ランプ制御装置66を遊技盤33に装着したままでは、同音声ランプ制御装置66の開封が不可となる構成とした。これに限定されるものではなく、分離片310aを引き抜く経路上から遊技盤33等の障害物を排除し、音声ランプ制御装置66を遊技盤33に装着したまま同音声ランプ制御装置66の開封を許容する構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、「設置部」としての収容部151に収容された拘束部材300を装着完了位置へ配置する際のスライド方向と、「規定手段」としての受け部121及びフック部221によって規定された両構成体100,200のスライド方向とが直交する構成としたが、必ずしも直交させる必要はなく、拘束部材300のスライド方向と両構成体100,200のスライド方向とが交差する構成とすれば足りる。
(17)上記実施の形態においては、「基板ケース」としての基板ボックス68と「拘束手段」又は「規制手段」としての拘束部材300とを別体とし、それら別のもの同士を結合させて一体化したが、基板ボックスと拘束部材とを1つのものとしてもよい(例えば一体成形してもよい)。
また、拘束部材300においては「バンド部」としてのバンド310と「係合孔」としての係合孔321を有する本体部320とを一体成形する必要は必ずしもなく、両者を別々に設けてもよい。かかる変形例を採用する場合には、係合孔321に相当する構成を基板ボックス68に形成するとともに、バンド310に相当する構成を基板ボックス68とは別体で形成することも可能である。更には、バンド310に相当する構成と本体部320(係合孔321)に相当する構成とを両構成体100,200のうち同一対象に配設する必要はなく、別々の対象に配設してもよい。
(18)上記実施の形態においては、バンド310と係合孔321とをそれぞれ4つずつ採用することにより、ハーネスHを4度取り外し可能としたが、バンド310及び係合孔321の組み合わせの数(許容される拘束回数)については任意である。但し、基板ボックス68を開封する際に、ハーネスHの取り外しを必須とする構成においては、ハーネスの拘束許容回数を、基板ボックス68の開封許容回数よりも多く設定することが好ましい。
(19)上記実施の形態においては、ハーネスHを拘束した場合にバンド310における同ハーネスHと対向する側の板面に歯部311を形成し、反対側の板面に脆弱部312を形成したが、これを逆にすることも可能である。すなわち、ハーネスHと対向する側の板面に脆弱部312を形成し、反対側の板面に歯部311を形成することも可能である。
(20)上記実施の形態においては、「係合部」としての係合孔321の延びている方向と直交する方向(詳しくは両構成体100,200のスライド方向)に複数のバンド310を並べて設けたが、これに限定されるものではない。係合孔321の延びている方向と同じ方向に複数のバンド310を並べて設けるもとも可能である。かかる構成によれば、係合孔321を複数設ける必要はなく、1の係合孔321をそれら各バンド310の係合対象として利用することができる。
特に、バンド310を破壊してハーネスHを取り外した後、別のバンド310を用いてハーネスHを再度拘束する場合には、係合孔321に残存する分離片310aを別のバンド310を挿入することで、係合孔321から押し出すことができる。これにより、例えば音声ランプ制御装置66を取り外して分離片310aを引き抜くといった作業が不要となる。
(21)上記実施の形態では、「拘束手段」としてバンド310及び係合孔321を有する拘束部材300を採用したが、これに代えて、「拘束手段」としてハーネスHが挿通される略環状の挿通部材と当該挿通部材を基板ボックス68に取り付ける破断ネジとを採用し、これら挿通部材及び破断ネジによって基板ボックス68からのハーネスHの取り外しを規制する構成としてもよい。
このような変形例を採用した場合には、破断ネジによってハーネスHの取り外しを規制した場合(挿通部材の取り付けを完了した場合)に、当該破断ネジが両構成体100,200に跨るようにして位置する構成とすることにより、同破断ネジによって両構成体100,200の分離を規制することができる。なお、当該変形例を採用する場合には、破断ネジによって固定される固定ベース部を両構成体100,200にそれぞれ設けるとともにそれら各固定ベース部と基板ボックス68の本体部と繋ぐ連結部を設け、当該連結部が破壊されることで、基板ボックスからハーネスが取り外されるとともに当該破断ネジによる両構成体100,200の分離規制が解除される構成とすればよい。
なお、上記実施の形態に示した拘束部材300の取り外し規制にかかる構成を変更し、本変形例に示す破断ネジによって取り付けることで同拘束部材300の基板ボックス68からの取り外しを規制する構成とすることも可能である。
(22)上記実施の形態では、「基板ケース」としての基板ボックス68が「ケース構成体」として表側構成体100と裏側構成体200とを有する構成とした。すなわち、2つの構成体100,200を組み合わせることにより基板ボックス68を形成する構成とした。「ケース構成体」の数は2つに限定されるものではなく任意である。例えば、3個以上の構成体が組み合わされて基板ボックス68が形成されていてもよい。
(23)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技に関する制御を行う制御基板(音声ランプ制御基板67)と、内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス68)と、を有する制御装置(音声ランプ制御装置66等)を備え、
前記基板ケースは、相互に組み付けられることにより前記内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(表側構成体100)及び第2ケース構成体(裏側構成体200)を有し、
前記制御装置と、当該制御装置とは別に設けられた遊技機器(例えば主制御装置62)と、がハーネス(ハーネスH)によって電気的に接続される遊技機において、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体を相互に組み付けることにより、前記制御装置からの前記ハーネスの取り外しが規制されることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、両ケース構成体を相互に組み付けることで制御装置からのハーネスの取り外しが規制される。これにより、両ケース構成体を相互に組み付けた状態のままハーネスを不正なものに交換するといった行為を難しくし、遊技機における防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴A2.前記ハーネスを拘束することにより同ハーネスの前記制御装置からの取り外しを規制する規制手段(拘束部材300)を備え、
前記規制手段は、前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相互に組み付けられている場合に、それらケース構成体によって挟まれることで前記基板ケースからの取り外しが規制されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A1等に示したように制御装置と遊技機器とをハーネスによって接続する構成においては、メンテナンス作業や動作確認作業等の際にハーネスが取り外される可能性がある。ハーネスの取り外し→拘束が繰り返されることは、ハーネスの取外規制機能を低下させたり消失させたりする要因となり得る。更には、ハーネスの取り外しに起因して制御装置全体の交換が必要になることは好ましくない。
そこで、本特徴に示すように基板ケースからの規制手段の取り外しを許容し、例えば使えなくなった規制手段を未使用のものと交換可能とすれば、制御装置等をそのまま流用しつつ取外規制機能を担保でき、実用上好ましい構成を実現することができる。
また、防犯機能の向上を考慮すれば、ハーネスの拘束解除に際して規制手段の破壊を要し、当該破壊に基づいてハーネスの取り外しの痕跡(拘束解除の痕跡)を残存させるとともに破壊された部分を用いたハーネスの再拘束を不可とする手段(痕跡手段)を規制手段に設けることが望ましい。例えば当該痕跡手段を複数設けることで、規制手段を基板ケースから取り外すことなく(両ケース構成体を分離することなく)、ハーネスの取り外し→取り付けを複数回実行可能となる。
但し、かかる痕跡手段が採用されている場合であっても、ハーネスの拘束回数が上限を超えた場合には、規制手段の交換が必要となる。そこで、上述の如く規制手段を基板ケースから取外可能としておくことにより、実用上好ましい構成を実現することができる。
しかしながら、上述の如く規制手段を基板ケースから取外可能とした場合には、上記効果が期待できる反面、規制手段が不正の足掛かりとして狙われやすくなる。つまり、ハーネスを規制手段ごと基板ケースから取り外すといった不正行為が行われやすくなると想定される。
この点、本特徴によれば、両ケース構成体が相互に組み付けられている場合には規制手段がそれらケース構成体によって挟まれることで基板ケースからの取り外しが規制される。これにより、両ケース構成体を相互に組み付けたまま規制手段を取り外すことが困難になる。故に、例えばハーネスを規制手段ごと基板ボックスから取り外して同ハーネス等を不正なものに交換するといった行為を抑制することができる。
なお、特徴A1及び特徴A2においては特に、基板ケースに、内部空間の開放に際して痕跡が残るように形成された又は当該内部空間の開放に際して痕跡を残す手段を設けるとよい。
特徴A3.前記基板ケースに設けられ、前記ハーネスを拘束することにより同ハーネスの前記制御装置からの取り外しを規制する規制手段(拘束部材300)を備え、
前記両ケース構成体が相互に組み付けられる場合に、それら両者の相対位置の変位に基づいて前記基板ボックスからの前記規制手段の取り外しが規制された状態となることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、両ケース構成体を相互に組み付ける作業によって基板ケースからの規制手段の取り外しが規制される。
両ケース構成体を相互に組み付ける場合のそれらケース構成体の相対位置の変位に基づいて基板ボックスからの規制手段の取り外しが規制された状態となるため、規制手段の取り外しを規制するための別途操作が不要とすることができる。これにより、規制手段の取り外しを規制する構成を採用して防犯機能を向上したとしても、それに起因して遊技機の組み立て作業等が煩雑になるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、「ハーネス」がケーブル部(ケーブルCA)と当該ケーブル部の端部に設けられたコネクタ部(コネクタC1)とを有している構成を想定した場合、コネクタ部と「制御基板」等に設けられたコネクタとが結合している状態で「制御装置」からのハーネスの取り外しを規制する係止爪部を採用することでコネクタの脱落を抑制することができる。
特徴A1乃至特徴A3に示す「規制手段」は、コネクタ部の結合を維持することで結果としてハーネスHの取り外しを規制するものではなく(コネクタに付与された上記係止爪部等を示すものではなく)、ケーブル部を拘束等することでハーネスの取り外しを規制するものを示している。
特徴A4.前記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段が設置される設置部(取付ベース70の表側ベース部150)を備え、
前記設置部は、前記両ケース構成体が相互に組み付けられることにより当該設置部からの前記規制手段の取り外しが規制される設置完了位置と、当該設置部からの前記規制手段の取り外しが許容される取外許容位置との両位置間における前記規制手段の変位を許容するものであり、
前記規制手段が前記設置完了位置から前記取外許容位置へ変位する場合に、同規制手段の変位方向が所定の案内方向となるようにして当該規制手段を案内する規制手段用案内部(収容部151の内壁面や覆い部153等)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記両ケース構成体が相互に組み付けられている状態においては前記設置完了位置に配された前記規制手段に対して前記規制手段用案内部による前記案内方向の先側から当接することにより同規制手段の前記取外許容位置への変位を規制する変位規制部(ストッパ部252)と
を備え、
前記変位規制部は、前記規制手段が前記設置完了位置に設置された状態にて前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相互に組み付けられることにより、前記第1ケース構成体及び前記規制手段の少なくとも一方と前記第2ケース構成体とによって覆われることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4に示すように変位規制部を用いて規制手段の取り外しを規制する構成を採用すれば、特徴A2等に示した技術的思想を容易に具現化できる。しかしながら、かかる構成においては、仮に変位規制部へのアクセスが容易となると、以下の不都合が生じやすくなると想定される。すなわち、変位規制部を変形等させて両ケース構成体を分離させることなく規制手段を取り外すといった不正行為が行われやすくなると懸念される。
また、そのような不正行為に対処すべく、変位規制部の配設対象となっている第2ケース構成体単独で当該変位規制部の基板ケース外への露出を抑えようとした場合、変位規制部の機能を担保することが難しくなると想定される。
そこで、本特徴に示すように相対変位の対象となっている第1ケース構成体(又は規制手段)及び第2ケース構成体の両者によって変位規制部を覆う構成とすれば、変位規制部の機能を担保しつつ基板ケース外への同変位規制部の露出を好適に抑えることができる。これにより、基板ケースの外部から変位規制部にアクセスして規制手段の取外規制を不正に解除するといった行為を難しくすることができる。
特徴A5.前記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段が設置される設置部(取付ベース70の表側ベース部150)を備え、
前記設置部は、前記両ケース構成体が相互に組み付けられることにより当該設置部からの前記規制手段の取り外しが規制される設置完了位置と、当該設置部からの前記規制手段の取り外しが許容される取外許容位置との両位置間における前記規制手段の変位を許容するものであり、
前記規制手段が前記設置完了位置から前記取外許容位置へ変位する場合に、同規制手段の変位方向が第1案内方向となるようにして当該規制手段を案内する規制手段用案内部(収容部151の内壁面や覆い部153等)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記両ケース構成体が組み合せられている状態においては前記設置完了位置に配された前記規制手段に対して前記規制手段用案内部による前記案内方向の先側から当接することにより同規制手段の前記取外許容位置への変位を規制する変位規制部(ストッパ部252)と、
前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相対変位する場合に、それら両ケース構成体の変位方向が第2案内方向となるように案内するケース構成体用案内部(フック部221及び受け部121)と
を備え、
前記規制手段用案内部及び前記ケース構成体用案内部は、前記第1案内方向と前記第2案内方向とが互いに交差する方向となるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、規制手段が第1案内方向に押される等した場合に両ケース構成体の相対位置が変化してケース構成体間に隙間が生じたり、両ケース構成体の一方が第2方向における分離側に引っ張られる等した場合に規制手段の取外規制機能が低下したりすることを好適に抑制できる。これにより、防犯機能を一層好適なものとすることができる。
特徴A6.前記規制手段は、取外規制手段であり、
前記規制手段用案内部は、前記取外規制手段が前記取外許容位置から前記設置完了位置へ変位する場合に、当該取外規制手段を案内するように構成されており、
前記設置完了位置に前記取外規制手段が配置されている場合には当該取外規制手段による前記ハーネスの拘束を許容するとともに、前記規制手段用案内部によって案内される範囲内であって前記設置完了位置以外の位置に前記取外規制手段が配置されている場合には同取外規制手段による前記ハーネスの拘束を規制する拘束規制手段(例えば底部152)を備えていることを特徴とする特徴A4又は特徴A5に記載の遊技機。
特徴A4等に示すように、設置部における取外規制手段の変位を許容している構成においては、作業ミス等によって同取外規制手段が設置完了位置に到達していない状態で両ケース構成体が相互に組み付けられる可能性がある。
ここで、本特徴によれば、規制手段が設置完了位置に配置されている場合には当該規制手段によるハーネスの拘束が許容される一方、同規制手段が設置完了位置から外れた位置に配置されている場合にはハーネスの拘束が規制されることとなる。これにより、作業ミス等によってハーネスの取り外しが完全に規制されていないにも関わらずあたかも同ハーネスの取り外しが完全に規制されているかのようになることを回避することができる。故に、特徴A1等に示した防犯機能を好適に発揮させることができる。
特徴A7.前記取外規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記係合孔部は、前記バンド部の挿入方向における先側に開放されており、
前記拘束規制手段は、
前記係合孔部に対して前記バンド部の挿入方向における先側に配され、当該係合孔部に対向する対向壁部(収容部151の底部152)と、
前記対向壁部に設けられ、前記バンド部を挿入可能な挿入部(表側連通孔155)と
を有し、
前記設置完了位置に前記取外規制手段が配置されている場合には、前記係合孔部と前記挿入部とが連通して同係合孔部から同挿入部へのバンド部の変位が許容されることで前記バンド部の前記係合孔部に対する係合位置への到達が許容され、
前記規制手段用案内部によって案内される範囲内であって前記設置完了位置以外の位置に前記取外規制手段が配置されている場合には、前記係合孔部の前記開放部分が前記対向壁部によって覆われることで前記バンド部の前記係合位置への到達が規制されることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、取外規制手段が設置完了位置に配置されている場合には、バンド部を挿入部→係合孔部に挿入することで、係合位置へと到達させることができ、当該バンド部によってハーネスを拘束することができる。一方、取外規制手段が設置完了位置から外れている場合には、挿入部の開放部分が対向壁部によって覆われることとなる。そして、バンド部を係合孔部分に挿入した場合には、同バンド部の先端が対向壁部に当たることで、それ以上の挿入が妨げられることとなる。これにより、バンド部の係合位置への到達が規制され、同バンド部を用いたハーネスの拘束が規制される。
取外規制手段が設置完了位置に配置されていない場合にバンド部を用いたハーネスの拘束を規制することにより、作業ミス等によってハーネスの取り外しが完全に規制されていないにも関わらずあたかも同ハーネスの取り外しが完全に規制されているかのようになることを回避することができる。
特徴A8.前記係合孔部には、前記バンド部に設けられた歯部(歯部311)に対して係合する突起(突起324)が形成されており、
前記取外規制手段は、前記歯部及び前記突起が係合することで前記拘束状態となるものであり、
前記歯部は、前記係合孔部に挿入された前記バンド部が前記対向壁部に対して当接した状態では前記突起との係合が回避されるように、当該バンド部において前記係合孔部に挿入される側の先端部位を除く部位に形成されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8に示すように、バンド部において係合孔部に挿入される側の端部では歯部を不採用とすることで、バンド部を係合孔部に挿入する際の作業の容易化に後見することができる。
また、このような歯部が形成されていない部位を利用して、バンド部が対向壁部に当たった場合に歯部と突起とを係合しないままとすることができる。これにより、作業ミス等によってハーネスの取り外しが完全に規制されていないにも関わらずあたかも同ハーネスの取り外しが完全に規制されているかのようになることを回避することができる。
特徴A9.記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段が設置される設置部(取付ベース70の表側ベース部150)を備え、
前記設置部は、前記両ケース構成体が相互に組み付けられることにより当該設置部からの前記規制手段の取り外しが規制される設置完了位置と、当該設置部からの前記規制手段の取り外しが許容される取外許容位置との両位置間における前記規制手段の変位を許容するものであり、
前記取外許容位置から前記設置完了位置へ前記規制手段を変位させることにより同設置完了位置への前記規制手段の配置が許容され、
前記両ケース構成体が相互に組み付けられている状態にて、前記取外許容位置から前記設置完了位置への前記規制手段の変位を規制する変位規制部(ストッパ部252)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2等に示したように規制手段を介してハーネスと基板ケースとを一体化する構成においては、以下の不都合が生じ得る。すなわち、規制手段を細かく破壊する等して基板ケースから取り外すとともに、別途用意した規制手段によって不正なハーネスへの入替を行うことでその痕跡が隠蔽されると懸念される。
そこで、本特徴に示すように、両ケース構成体が相互に組み付けられている状態では規制手段の設置完了位置への配置を妨げることにより、上述した隠蔽工作を困難なものとすることができる。これにより、防犯機能の更なる向上が期待できる。
なお、特徴A5との組み合せにおいては特に、当該特徴A4等に示した「変位規制部」と本特徴に示す変位規制部とを同一のものとすることも可能である。
特徴A10.前記規制手段は、当該規制手段によって前記基板ケースからの前記ハーネスの取り外しが規制された状態となっている場合に、前記両ケース構成体の分離側への相対変位を規制するものであることを特徴とする特徴A2乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、規制手段を用いて基板ケースからのハーネスの取り外しを規制することで、両ケース構成体の分離が妨げられることとなる。これにより、ケース構成体を分離して、ハーネスを規制手段ごと不正なものに交換するといった行為を難しくすることができる。
なお、例えば規制手段によるハーネスの拘束を解除することで、両ケース構成体の分離規制が解除される又は解除可能となるように構成するとよい。
特徴A11.前記規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記バンド部は、前記拘束状態となった場合に、少なくとも当該バンド部の一部が前記係合孔部から当該係合孔部への前記挿入方向における先側に突出するように構成されており、
前記バンド部において前記係合孔部から突出する余剰部分によって前記両ケース構成体の分離側への相対変位が規制されることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、バンド部の余剰部分を利用して両ケース構成体の分離を規制することにより、規制手段に同機能を付与したとしても、それに起因して規制手段の拘束機能が低下することを抑えることができる。
特徴A12.前記両ケース構成体には、前記係合孔部に連通するとともに、前記バンド部において前記係合孔部から突出している部分が挿入される一連の通路部(連通孔155,255)が形成されており、
前記通路部は、前記規制手段が前記拘束状態となっている場合に、前記バンド部の前記余剰部分が前記両ケース構成体に跨る位置に到達するように構成されており、
前記第1ケース構成体において前記通路部を構成する第1壁部が前記余剰部分に対して一方側から当接するとともに、前記第2ケース構成体において前記通路部を構成する第2壁部が前記余剰部分に対して前記第1壁部とは反対側から当接することにより、前記両ケース構成体の分離が規制されることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、両ケース構成体に形成された一連の通路部に対して余剰部分が挿入され、同余剰部分に対して第1壁部及び第2壁部が当接することで、両ケース構成体の分離が規制される。バンド部においてハーネスを拘束している部分ではなく、余剰となっている部分を活用することで、ハーネスの拘束機能と、基板ケースの分離規制機能とを好適に共存させることができる。
また、係合孔部にバンド部を押し込む作業によって両ケース構成体の分離を規制することができ、基板ケースの分離規制機能を付与することでハーネスの拘束作業が難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A13.前記係合孔部は、前記バンド部との係合状態となっている場合には、当該係合孔部に対する同バンド部の挿入方向への当該バンド部の変位を許容するとともに、同挿入方向とは反対側への同バンド部の変位を不可とするように構成されており、
前記通路部は、前記バンド部の前記挿入方向における先側に開放されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
制御基板等の確認を目的として制御装置を遊技機から取り外す場合には、先ずバンド部においてハーネスを拘束している部分を切断してハーネスを基板ケースから取り外す。次に、バンド部において係合孔部に残存している部分(例えば上記余剰部分)を通路部の開放部分から引き抜くことで、当該バンド部による両ケース構成体の分離規制が解除される。規制手段による両ケース構成体の分離規制を解除した場合には、基板ケース(詳しくは規制手段のバンド部)に破壊痕跡が残存することとなる。これにより、基板ケースが開封された事実を事後的に確認可能となる。
特徴A14.前記規制手段は、前記拘束状態となっている状況下にて前記バンド部の先端が前記通路部の前記開放部分から突出した状態となるように形成されていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A13に示したようにバンド部を切断した後(破壊痕跡が形成された後)は、バンドが2つに分断される。ここで、上述したバンド部の引き抜き操作を行う際に、開放部分から突出している部分を引っ張ることで、ケース構成体の分離規制機能が付与されている部分を引き抜くことができる。このように、バンド部の一部を通路部から突出させておくことで、分離規制の解除作業の容易化に貢献することができる。
特徴A15.前記通路部は前記両ケース構成体を貫通する孔状をなしていることを特徴とする特徴A13又は特徴A14に記載の遊技機。
特徴A13等に示したように、通路部が挿通孔側とは反対に開放されている構成においては、当該開放部分を通じて係合孔部への不正なアクセスがなされることが懸念される。これは、拘束状態の不正解除の足掛かりとなるため好ましくない。そこで、通路部を孔状とすれば、当該通路部に挿通されたバンド部の余剰部分を回避しながら上記係合箇所へアクセスすることが困難になる。これにより、防犯機能を好適に担保することができる。
特徴A16.前記通路部は、前記第1ケース構成体に設けられた第1通路部(表側連通孔155)と、前記第2ケース構成体に設けられた第2通路部(裏側連通孔255)とによって構成されており、
前記第1通路部は、前記係合孔部と前記第2通路部との間に存在していることを特徴とする特徴A12乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、バンド部を変位ストッパとして利用した場合のストッパ機能の安定化を図りつつ、負荷が拘束機能に影響を与えることを好適に抑えることができる。
特徴A17.前記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段が設置される設置部(取付ベース70の表側ベース部150)を備え、
前記設置部は、前記両ケース構成体が相互に組み付けられることにより当該設置部からの前記規制手段の取り外しが規制される設置完了位置と、当該設置部からの前記規制手段の取り外しが許容される取外許容位置との両位置間における前記規制手段の変位を許容するものであり、
前記規制手段が前記設置完了位置から前記取外許容位置へ変位する場合に、同規制手段の変位方向が所定の案内方向となるようにして当該規制手段を案内する規制手段用案内部(収容部151の内壁面や覆い部153等)を備え、
前記規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記バンド部は、前記拘束状態となった場合に、少なくとも当該バンド部の一部が前記係合孔部から突出するように構成されており、
前記係合孔部は、前記規制手段用案内部による前記案内方向と交差する方向に延びており、前記拘束状態となった場合に、少なくとも当該バンド部の一部が前記係合孔部から突出するように構成されており、
前記第1ケース構成体には、前記係合孔部に連通する連通孔(例えば連通孔155)が形成されており、
少なくとも前記拘束状態となっている場合には前記バンド部において前記係合孔部から突出する余剰部分が前記連通孔に挿入され、前記余剰部分が前記連通孔に対して当接することで前記規制手段の前記取外許容位置への変位が規制されることを特徴とする特徴A2乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、規制手段によってハーネスを拘束した場合には、バンド部の余剰部分により、基板ケースからの規制手段の取り外しが規制されることとなる。これにより、ハーネスを規制手段ごと基板ケースから取り外すといった行為を困難なものとし、防犯機能の向上に貢献することができる。
特徴A18.前記第1ケース構成体に設けられ、前記規制手段が設置される設置部(取付ベース70の表側ベース部150)を備え、
前記設置部は、前記両ケース構成体が相互に組み付けられることにより当該設置部からの前記規制手段の取り外しが規制される設置完了位置と、当該設置部からの前記規制手段の取り外しが許容される取外許容位置との両位置間における前記規制手段の変位を許容するものであり、
前記規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記設置部は、前記拘束手段における少なくとも前記係合部を収容可能な凹状をなしており、
前記第1ケース構成体における前記設置部の開放部分の周辺であって前記取外許容位置へ向けた変位方向の先側となる部分に設けられ、前記バンド部が挿通される挿通部(挿通部161)を備え、
前記バンド部が前記挿通部に挿通された状態にて、前記規制手段が前記取外許容位置へ変位した場合には、前記設置部が開放されている側へ同規制手段が同挿通部によって誘導されることを特徴とする特徴A2乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18によれば、バンド部によって第1ケース構成体(挿通部)とハーネスとを共締めすることにより、ハーネス及び第1ケース構成体を一体化することができる。これにより、ハーネスを拘束手段ごと基板ボックスから取り外すといった行為を難しくすることができる。
また、設置部を凹状とし、その内部に規制手段(詳しくは係合孔部)を収容することにより、当該係合孔部の露出を抑えることができる。これにより、係合孔部へのアクセスを制限し、拘束状態が不正に解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
しかしながら、かかる構成においては、係合孔部が設置部に収容されることで、当該設置部から規制手段を取り外しにくくなると想定される。そこで、規制手段が取外許容位置への変位によって設置部の開放部位側へ変位する構成とすれば、当該規制手段を取り外す際には規制手段が開放部位側へと浮き上がることで、作業を容易に進めることができる。これにより、防犯機能の向上を図りつつ、それに起因して規制手段の取外作業が難しくなることを抑制できる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、遊技に関する制御処理を実行する制御装置を備えている。制御装置は、各種センサ,他の制御装置,払出装置等の遊技機器に対してハーネスにより電気的に接続されている。そして、それら遊技機器からの信号に基づいて各種制御を行ったり、同遊技機器に対して各種信号を出力したりする。
この種の遊技機では、制御装置等が遊技者や遊技ホールの利益等に関係していることが多く、それら制御装置等に対する不正行為に対処すべく、例えば制御基板を収容する基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば特開2003−180917号公報参照)。
しかしながら、上述したような不正対策がなされた遊技機においては制御基板等へ直接アクセスすることが困難になるものの、各種信号の伝達にハーネスを採用しているため当該ハーネスが制御基板等に対する不正の足掛かりとして狙われやすくなると懸念される。例えばハーネスを不正なものと交換して信号を改ざんしたり制御装置等を誤作動させたりすることにより、制御装置等に対して直接アクセスすることなく、利益の不正取得等がなされる可能性がある。
特徴B1.遊技に関する制御を行う制御基板(音声ランプ制御基板67)と、内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板を収容する基板ケース(基板ボックス68)と、を有する制御装置(音声ランプ制御装置66等)を備え、
前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより前記内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(表側構成体100)及び第2ケース構成体(裏側構成体200)を有し、
前記制御装置と、当該制御装置とは別に設けられた遊技機器(例えば主制御装置62)と、がハーネス(ハーネスH)によって電気的に接続される遊技機において、
前記制御装置からの前記ハーネスの取り外しを規制する規制手段(拘束部材300)を備え、
前記規制手段は、前記ハーネスの取り外しを規制している状態で前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の分離を規制するものであることを特徴とする遊技機。
制御装置と遊技機器とをハーネスによって電気的に接続する構成においては、制御装置に対する不正行為の足掛かりとしてハーネスが狙われやすくなる。例えばハーネスを不正なものと交換することにより、信号を改ざんしたり制御装置等を誤作動させたりするといった行為が行われると懸念される。そこで、規制手段によってハーネスの取り外しを不可とすることにより、それら不都合の発生を抑えることができる。
本特徴においては、両ケース構成体の分離が規制手段によって規制されることとなる。これにより、ケース構成体を分離して、ハーネスを規制手段ごと不正なものに交換するといった行為を難しくすることができる。また、規制手段にハーネスの取り外しを規制する機能と両ケース構成体の分離を規制する機能とを付与することにより、構成の複雑化を抑えつつハーネス及び制御基板に対する不正行為を抑制することが可能となる。
特徴B2.前記規制手段は、前記基板ケースからの前記ハーネスの取り外しを規制する位置に装着されることで、前記両ケース構成体の分離を規制する状態となることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、ハーネスの取り外しを規制することにより、ケース構成体の分離が規制される。このように、ハーネスの取外規制にかかる操作によって両ケース構成体の分離が規制されることにより、防犯機能の向上を図りつつそれに起因した作業性の低下を抑えることができる。
例えば、規制手段によるハーネスの取外規制を解除することで、両ケース構成体の分離規制が解除される又は解除可能となるように構成するとよい。
特徴B3.前記規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記バンド部は、前記拘束状態となった場合に、少なくとも当該バンド部の一部が前記係合孔部から突出するように構成されており、
前記バンド部において前記係合孔部から突出する部分によって前記両ケース構成体の分離側への相対変位が規制されることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、バンド部を係合孔部に挿入することでハーネスを拘束することができる。ここで、係合孔部から突出している部分を利用して両ケース構成体の分離を規制することにより、ハーネスの拘束機能とケース構成体の分離規制機能とを共存させることが可能となり、特徴B1等に示した技術的思想を好適に実現することができる。
特徴B4.前記両ケース構成体には、前記係合孔部に連通するとともに、前記バンド部において前記係合孔部から突出している部分が挿入される一連の通路部(連通孔155,255)が形成されており、
前記通路部は、前記規制手段が前記拘束状態となっている場合に、前記バンド部において前記係合孔部から突出している部分が前記両ケース構成体に跨る位置に到達するように構成されており、
前記第1ケース構成体において前記通路部を構成する第1壁部が前記突出している部分に対して一方側から当接するとともに、前記第2ケース構成体において前記通路部を構成する第2壁部が前記突出している部分に対して前記第1壁部とは反対側から当接することにより、前記両ケース構成体の分離が規制されることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、両ケース構成体に形成された一連の通路部に対してバンド部の一部(係合孔部から突出している部分)が挿入され、当該バンド部に対して第1壁部及び第2壁部が当接することで、両ケース構成体の分離が規制される。これにより、基板ケースを開放して制御基板へ不正にアクセスするといった行為を抑制することができる。
また、一連となる係合孔部及び通路部にバンド部を押し込む作業によって両ケース構成体の分離を規制することができ、基板ケースの分離規制機能を付与することでハーネスの拘束作業が難しくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B5.前記通路部は、前記係合孔部に対して前記バンド部の挿入方向における先側に配されており、
前記バンド部において前記係合孔部から前記挿入方向の先側へ突出する余剰部分によって前記両ケース構成体の分離側への相対変位が規制されることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、バンド部においてハーネスの拘束機能が付与されている部分とケース構成体の分離規制機能が付与されている部分とを係合部(挿通孔)を境に区別できる。バンド部における余剰部分を利用して両ケース構成体の分離規制を行うことにより、バンド部に上記分離規制機能を付与することに起因して拘束機能が低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B6.前記係合孔部は、前記バンド部との係合状態となっている場合には、当該係合孔部に対する同バンド部の挿入方向への当該バンド部の変位を許容するとともに、同挿入方向とは反対側への同バンド部の変位を不可とするように構成されており、
前記通路部は、前記バンド部の挿入方向における先側に開放されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
制御基板等の確認を目的として制御装置を遊技機から取り外す場合には、先ずバンド部においてハーネスを拘束している部分を切断することにより、ハーネスを基板ケースから取り外す。次に、バンド部において係合孔部に残存している部分(例えば上記余剰部分)を通路部の開放部分から引き抜くことで、当該バンド部による両ケース構成体の分離規制が解除されることとなる。このように、バンド部の切断→余剰部分の引き抜きによって分離規制の解除を可能とすることで、解除作業の簡素化に貢献することができる。
なお、規制手段による両ケース構成体の分離規制を解除した場合には、基板ケース(詳しくは規制手段)に破壊痕跡が残存することとなる。これにより、基板ケースが開封された事実を事後的に確認可能となる。
特徴B7.前記規制手段は、前記拘束状態となった場合に、前記バンド部の先端が前記通路部の前記開放部分から突出するようにして形成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6に示したようにバンド部を切断した後(破壊痕跡が形成された後)は、バンドが2つに分断される。ここで、上述したバンド部の引き抜き操作を行う際に、開放部分から突出している部分を引っ張ることで、ケース構成体の分離規制機能が付与されている部分を引き抜くことができる。このように、バンド部の一部を通路部から突出させておくことで、分離規制の解除作業の容易化に貢献することができる。
特徴B8.前記規制手段は、バンド部(バンド310)と当該バンド部を挿入可能に形成され挿入された同バンド部に係合する係合孔部(本体部320の係合孔321)とを有し、それらバンド部及び係合孔部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記バンド部には、当該バンド部における他の部位よりも破壊が容易な脆弱部(脆弱部312)が形成されており、
前記脆弱部は、前記拘束状態となっている場合に、前記係合孔部に対する係合部位よりも前記ハーネス寄りに位置するようにして構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
バンド部及び係合孔部によってハーネスを拘束する構成においては、バンド部において係合孔部から突出している部位を同係合孔部への挿入方向とは反対側へ引っ張る等することで、それらバンド部及び係合孔部の係合が無理矢理解除され得る。仮に、このような行為がなされた場合には、その事実を事後的に確認することが困難になる。つまり、ハーネスや制御基板に対する不正行為が行われた場合であっても、遊技機のメンテナンス作業や確認作業時にその事実を把握することが難しくなる。
この点、本特徴によれば、バンド部においてハーネスを拘束している部分を引っ張る等して無理矢理に拘束状態(分離規制状態)を解除させようとした場合には、脆弱部が破壊されることとなる。これにより、不正行為(痕跡)の隠蔽を困難にすることができる。
特に、特徴B5等との組み合わせ(通路部が係合孔部に対してバンド部の挿入方向における先側に配されている構成)においては、脆弱部が係合部位よりもハーネス寄りに位置しているため(脆弱部よりも前記バンド部における挿入先端部分とは反対側の端部寄りに位置しているため)、分離されたバンド部の一部(詳しくは分離規制機能が付与されている部分)が係合孔部及び通路部内に残った状態となる。これにより、両ケース構成体を不正に分離させるといった行為を妨げることができる。
なお、例えば脆弱部の強度をバンド部と係合部との係合強さよりも小さく設定するとよい。
特徴B9.前記バンド部には、当該バンド部における他の部位よりも破壊が容易な脆弱部(脆弱部312)が形成されており、
前記規制手段は、前記バンド部によって前記ハーネスが拘束されている場合に、前記脆弱部が前記係合孔部内に位置するようにして構成されていることを特徴とする特徴B5乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
バンド部及び係合孔部によってハーネスを拘束している場合、バンド部において係合孔部から突出している部位を同係合孔部への挿入方向とは反対側へ引っ張る等することで、それらバンド部及び係合孔部の係合が無理矢理解除され得る。仮に、このような行為がなされた場合には、その事実を事後的に確認することが困難になる。つまり、ハーネスや制御基板に対する不正行為が行われた場合であっても、遊技機のメンテナンス作業や確認作業時にその事実を把握することが難しくなる。
この点、本特徴によれば、バンド部においてハーネスを拘束している部分を引っ張る等して無理矢理に拘束状態(分離規制状態)を解除させようとした場合には、脆弱部が破壊されることとなる。これにより、不正行為(痕跡)の隠蔽を困難にすることができる。
しかしながら、このような脆弱部を採用している場合であっても、係合部位と脆弱部との間となる部位をペンチ等の工具によって挟んで引っ張ることにより、脆弱部に対して負荷が生じないようにして上記不正な係合解除が実行され得る。
そこで、本特徴においては、脆弱部を係合孔部内に収容し、基板ケース外への露出を抑える構成とした。これにより、バンド部における上記係合部位と脆弱部との間となる部位を掴んで引っ張るといった行為を難しくし、当該脆弱部による不正防止機能が無効化されることを回避できる。また、脆弱部の所在を分かりにくくすることによる防犯機能の向上も期待できる。
特徴B10.前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体が相対変位する場合に、それら両ケース構成体の変位方向が所定の案内方向となるように案内するケース構成体用案内部(フック部221及び受け部121)を備え、
前記バンド部は、前記拘束状態となっている場合に前記ハーネスを囲む環状部位を形成するものであり、
前記環状部位の中心軸線は、前記案内方向と同じ方向に延びており、
前記バンド部は、前記案内方向における厚さ寸法が、前記係合孔部への前記挿入方向及び前記案内方向の両方向に直交する方向における厚さ寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
バンド部によってハーネスを囲む環状部位を形成する構成においては、バンド部の撓み変形を容易とすることが望ましい。しかしながら、単に撓み変形を容易とした場合には、上記分離規制機能の担保が難しくなると想定される。
この点、本特徴によれば、ハーネスを拘束する場合には、相対的に厚さ寸法が小さく設定されている側へ同バンド部を撓ませることにより上記環状部位を形成することができる。また、案内方向と同じ方向での厚さ寸法は相対的に大きく設定されているため、ケース構成体の分離を妨げる際の同バンド部の変形を抑えることができる。これにより、ハーネスを拘束する際の作業の容易化と分離規制機能の担保とを好適に両立することができる。
特徴B11.前記通路部は、
前記第1ケース構成体に設けられた第1通路部(表側連通孔155)と、
前記第2ケース構成体に設けられ、前記第1通路部に連なる第2通路部(裏側連通孔255)と
を有してなり、
前記第1通路部及び前記第2通路部の少なくとも何れかは、それら第1通路部及び第2通路部の並設方向と交差する方向への前記バンド部の変位を規制するようにして形成された孔状をなしていることを特徴とする特徴B4乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、第1通路部(第1壁部)及び第2通路部(第2壁部)によって押されたバンド部が変形/変位することを抑え、分離規制機能を好適に発揮させることができる。
また、特徴B6等(通路部の開放部位からバンド部の欠片を引き抜く構成)との組み合わせにおいては特に、通路部を通じた挿入孔へのアクセスを難しくして拘束状態を不正に解除するといった行為を困難なものとすることができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を上記特徴B10(詳しくは特徴B4等の通路部を有する構成との組み合せ)に適用することも可能である。
特徴B12.前記バンド部による前記ハーネスの拘束状態を解除することにより、当該バンド部による前記両ケース構成体の分離規制が解除される又は分離規制の解除が許容されることを特徴とする特徴B4乃至特徴B11のいずれか1つに記載の遊技機。
制御基板の検査等を行う場合には、制御装置を遊技機から取り外すことで、作業を容易に進めることができる。この際、ハーネスの拘束を解除すれば、バンド部による両ケース構成体の分離規制が解除される又は分離規制の解除が許容されることとなるため、検査等にかかる一連の作業(ハーネス除去→制御装置の取り外し→基板ケースの開封→制御基板の取り出し)の円滑化に貢献することができる。
特徴B13.前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の分離を阻害するように設けられ、当該阻害状態が解除された場合に前記分離の痕跡を残存させる痕跡部を備え、
前記バンド部は第1バンド部、前記係合部は第1係合部であり、
前記規制手段は、帯状をなす第2バンド部と前記第2バンド部に係合する第2係合部とを有し、それら第2バンド部及び第2係合部が係合することでハーネスを拘束する拘束状態となるように形成されており、
前記第2バンド部は、前記拘束状態となった場合であっても、前記ケース構成体同士の分離を規制しない構成となっており、
前記痕跡部によって前記両ケース構成体の分離が阻害されている場合には、前記第2バンド部及び前記第2係合部によって前記ハーネスが拘束されており、
前記痕跡部によって前記両ケース構成体の分離が阻害されていない場合には、前記第1バンド部及び前記第1係合部によって前記ハーネスが拘束されていることを特徴とする特徴B4乃至特徴B11のいずれか1つに記載の遊技機。
痕跡部により両ケース構成体の分離が阻害されていない場合に第1バンド部及び第1係合部を使用して、同第1バンド部により両ケース構成体の分離を規制する構成をすれば、防犯機能を担保しつつ、開封作業が複雑になることを抑制できる。
一方、制御装置を遊技機に対してはじめて搭載する場合には、制御装置が単独で存在する期間を考慮して単独で成立する痕跡部を使用すればよい。このように痕跡部により保護されている場合には、第2バンド部及び第2係合部を使用することで、その後の開封作業時の作業効率を高めることができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、遊技制御処理を実行するCPU、遊技制御プログラムが記憶されたROM、遊技の進行により発生する各種データを一時的に記憶するRAM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された制御プログラムに従って、CPUにより遊技機に搭載されている各種遊技機器が制御され、一連の遊技が実行される。制御基板は、基板ケースに収容された状態で遊技機に取り付けられており、同制御基板の基板ケース外への露出等が抑制されている。
この種の遊技機では、制御基板そのものや同制御基板のROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)が正規のものとは異なる不正なものに交換されるといった不正行為が数多く報告されている。このような不正行為に対処すべく、例えば、上記基板ケースに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ケースの開封時には破壊等による開封痕跡を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば特開2003−180917号公報参照)。このような不正対策は、基板ケースが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果がある。
しかしながら、上記封印構造等の不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われているのが実状であり、制御装置における防犯機能の向上については未だ改善の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(ハンドル装置59)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レール部47,48によって挟まれた領域)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘40等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口34等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。