本発明のパチンコ遊技機では、1対の装飾部材が分離状態から合体し、その後、合体状態で一体的に回転し、その後、合体状態から分離するように動作する。以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4の前面側に遊技領域4aが形成されている。開閉扉3に窓3aが形成され、窓3aに透明板3bが装着され、透明板3bにより遊技領域4aの前側が覆われている。
開閉扉3には、窓3aの下側に貯留皿5が設けられ、貯留皿5に演出ボタン6が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が存在する場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に投入される。
図1、図2に示すように、遊技盤4には、多数の障害釘10、第1始動口11、第2始動口装置12、ゲート13、大入賞口装置14、複数の一般入賞口15、センタ役物16、画像表示器17、演出役物装置18、遊技表示盤19が図1に示す配置で装着され、遊技盤4の裏面側に遊技制御を実行する制御装置20が装着されている。
第1始動口11には入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11aが付設され、ゲート13には通過した遊技球を検出するゲートSW13aが付設され、各一般入賞口15には入賞した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ15aが付設されている。尚、「SW」はスイッチを意味する。
第2始動口装置12は、第2始動口12a、第2始動口12aを開閉する開閉部材12b、第2始動口12aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW12c、開閉部材12bを開閉駆動する第2始動口SOL12dを有する。尚、「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する。開閉部材12bは、閉位置で第2始動口12aへの遊技球の入賞を不可能にし、開位置で第2始動口12aへの遊技球の入賞を可能にする。
大入賞口装置14は、大入賞口14a、大入賞口14aを開閉する開閉部材14b、大入賞口14aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW14c、開閉部材14bを開閉駆動する大入賞口SOL14dを有する。開閉部材14bは、閉位置で大入賞口14aへの遊技球の入賞を不可能にし、開位置で大入賞口14aへの遊技球の入賞を可能にする。
ここで、図3〜図5に示すように、遊技盤4には比較的大きな盤穴4bが形成されている。遊技盤4にはその後側から遊技盤裏カバー9が装着され、遊技盤裏カバー9には盤穴4bの後側に位置する矩形の盤裏カバー穴9aが形成されている。
センタ役物16は、遊技領域4aの半分以上を占めるサイズで枠状に形成され、遊技盤4の盤穴4bに前側から嵌合した状態で装着されている。画像表示器17は、遊技盤裏カバー9に後側から装着され、画像表示器17の画面が遊技盤裏カバー9の盤裏カバー穴9aからセンタ役物16の内側領域に臨んでいる。
演出役物装置18は、遊技盤裏カバー9に装着されて、その大部分が遊技盤4と遊技盤裏カバー9の間に配置されている。演出役物装置18は、遊技演出を行う本案特有の装置であり、例えば、特別図柄の変動中の特定演出実行中に大当り期待度を高めるように画像表示器17の画面前側で作動する。演出役物装置18については後で詳しく説明する。
遊技表示盤19は、第1特別図柄表示器19a、第2特別図柄表示器19b、普通図柄表示器19c、第1特別図柄保留ランプ19d、第2特別図柄保留ランプ19e、普通図柄保留ランプ19fを備えている。
第1特別図柄表示器19aには、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄が図柄変動後に停止表示され、第2特別図柄表示器19bには、第2始動口12aへの遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄が図柄変動後に停止表示される。第1又は第2特別図柄表示器19a又は19bに大当り図柄が停止表示された場合、大当り遊技が発生して、大入賞口装置14が、開閉部材14bを開閉動作させ、通常は閉塞の大入賞口14aを複数ラウンドに亙って開閉させる。
普通図柄表示器19cには、ゲート13への遊技球の入賞(通過)に基づいて普通図柄が図柄変動後に停止表示される。普通図柄表示器19cに当り図柄が停止表示された場合、補助遊技が発生して、第2始動口装置12が、開閉部材12bを開閉動作させ、通常は閉塞の第2始動口12aを1又は複数回開閉させる。
第1特別図柄保留ランプ19dには、第1始動口11に入賞した遊技球の所謂第1特図保留数が最大で4個表示され、第2特別図柄保留ランプ19eには、第2始動口12aに入賞した遊技球の所謂第2特図保留数が最大で4個表示され、普通図柄保留ランプ19fには、ゲート13に入賞した遊技球の所謂普図保留数が最大で4個表示される。
発射ハンドル7を回動操作することで、遊技領域4aの上部に発射投入された遊技球は、複数の障害釘10に当たって方向を変えながら落下して、入賞口11,12a,14a,15の何れかに入賞した場合、そこから遊技領域4a外へ排出され、入賞口11,12a,14a,15の何れにも入賞しなかった場合には、最終的に、遊技領域4aの下端部に形成されたアウト口4cから遊技領域4a外へ排出される。
パチンコ遊技機1の制御系について説明すると、図2に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTCを備えている。遊技制御基板21は盤用外部情報端子基板26に接続され、払出制御基板22は枠用外部情報端子基板27に接続されている。尚、「RTC」はリアルタイムクロックを意味する。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW11a,12c、ゲートSW13a、大入賞口SW14c、一般入賞口SW15aからの信号と、払出制御基板22からの制御情報とを受けて、第2始動口SOL12d、大入賞口SOL14d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22と演出制御基板23と盤用外部情報端子基板26とに制御情報(遊技情報)を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報と、払出球検出SW31、球有り検出SW32、満タン検出SW33からの信号とを受けて、払出モータ30を制御し、入賞口11,12a,14a,15への遊技球の入賞1個について、入賞口11,12a,14a,15毎に設定された数の遊技球を貯留皿5に払出し、遊技制御基板22と枠用外部情報端子基板27とに制御情報(払出情報)を出力する。
演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報と、演出ボタン6からの信号とを受けて、画像制御基板24に制御情報を出力し、更に、画像制御基板24からの制御情報を受けて、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器17とスピーカ35とを制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、主に画像制御基板24のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ36と盤ランプ38と演出役物装置18とを制御する。
次に、演出役物装置18について詳しく説明する。
図1〜図9に示すように、演出役物装置18(上下1対の演出装置18A,18B)は、上下1対の装飾部材40A,40Bと、1対の装飾部材40A,40Bを夫々保持する上下1対の装飾保持部材41A,41Bと、1対の装飾部材40A,40Bと1対の装飾保持部材41A,41Bを夫々分離状態から合体させ且つ合体状態から分離させる役物合体分離機構42と、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bを役物合体分離機構42で合体させた状態で1対の装飾部材40A,40Bを一体的に動くように駆動する役物駆動機構43とを備えている。
1対の装飾部材40A,40Bと1対の装飾保持部材41A,41Bは、役物合体分離機構42により、大部分がセンタ役物16の後側に隠れる退避位置(図3〜図5の仮想線、図6、図7参照)と、大部分がセンタ役物16の後側から画像表示器17の画面前側に現れる作動位置(図1、図3〜図5の実線、図8、図9参照)とに亙って切換えられる。
図3〜図11に示すように、1対の装飾部材40A,40Bは夫々半円形に且つ同サイズに形成され、1対の装飾部材40A,40Bが退避位置のとき、上側の装飾部材40Aの下端となるストレート端縁が水平になって画像表示器17の画面上端近傍に位置し、下側の装飾部材40Bの上端となるストレート端縁が水平になって画像表示器17の画面下端近傍に位置する。
1対の装飾部材40A,40Bが作動位置のとき、それらのストレート端縁同士が当接状に合体して円板状になり1つのエンブレムを形成する。1対の装飾部材40A,40Bは、合体状態における全上下長が画像表示器17の画面上下長と略一致するサイズに形成されている。各装飾部材40A,40Bは、前面板部40aと、前面板部40aよりも後方へ張出す外周側部分である外周円弧部40bとを有し、1対の装飾部材40A,40Bの外周円弧部40bには、その外周部に全周に亙ってギヤ歯71が形成されている。
図3〜図9、図12〜図15に示すように、1対の装飾保持部材41A,41Bは夫々装飾部材40A,40Bよりも少しだけ大きい半円形に且つ同サイズに形成され、1対の装飾保持部材41A,41Bが退避位置のとき、1対の装飾部材40A,40Bが退避位置のときと同様に、上側の装飾保持部材41Aの下端となるストレート端縁が水平になって画像表示器17の画面上端近傍に位置し、下側の装飾保持部材41Bの上端となるストレート端縁が水平になって画像表示器17の画面下端近傍に位置する。
1対の装飾保持部材41A,41Bが作動位置のとき、それらのストレート端縁同士が当接状に合体して円板状になり、円板状の1対の装飾部材40A,40Bを回転自在に支持する。各装飾保持部材41A,41Bは、後面板部41aと、後面板部41aよりも前方へ張出す外周側部分である内側外周円弧部41b及び外側外周円弧部41cとを有し、各装飾保持部材41A,41Bには、その両外周円弧部41b,41cの前側に位置する円弧カバー41dが設けられている。
装飾部材40A,40Bの外周円弧部40bが、装飾保持部材41A,41Bの内側外周円弧部41bと外側外周円弧部41cの間に挿入されるとともに、内側外周円弧部41bに外嵌状に摺動自在に係合している。円弧カバー41dにより、外周円弧部40bが内側外周円弧部41bから前側へ係合解除しないように、即ち、装飾部材40A,40Bが装飾保持部材41A,41Bから前側へ脱落しないように抜止めされている。
1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが夫々合体した状態で、1対の装飾保持部材41A,41Bの内側外周円弧部41b及び外側外周円弧部41cが略環状になって、その内側外周円弧部41bが円板状の1対の装飾部材40A,40Bの外周円弧部40bを回転自在に支持する。
尚、図示省略するが、1対の装飾保持部材41A,41Bの後面板部41aの前面に夫々LED基板が装着され、各LED基板の前面部に複数のLEDが実装され、一方、1対の装飾部材40A,40Bの前面板部40aには、前記複数のLEDの光を拡散して前方へ通す1又は複数のレンズが装着されている。これにより、1対の装飾部材40A,40Bを電飾することができる。
上側の装飾保持部材41Aの左端下部と下側の装飾保持部材41Bの右端上部には夫々係止部材45が設けられている。各係止部材45は、装飾保持部材41A,41Bの外周円弧部41b,41cの一端部近傍において外周円弧部41b,41cよりも径方向外側部分に前後方向の軸45aを介して回動自在に支持され、先端部が装飾部材40A,40Bに向かう方向へ捩じりバネ46により回動付勢されている。
1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが分離した状態で、各係止部材45が、装飾保持部材41A,41Bに対して装飾部材40A,40Bを回転させないように、捩じりバネ46の付勢力で装飾部材40A,40Bの外周部(例えば、ギヤ歯71)を押圧する。
1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが合体する際、各係止部材45が、もう一方の係止部材45を装備した装飾保持部材41A,41Bによって捩じりバネ46の付勢力に抗して回動され、装飾部材40A,40Bの外周部への押圧を解除して、装飾部材40A,40Bの回転を妨げないようになる。係止部材45は1対の装飾保持部材41A,41Bを合体させるように位置決めする機能も有る。
1対の装飾保持部材41A,41Bは上下1対のアーム部材47A,47Bの先端部に夫々固定され、1対のアーム部材47A,47Bの基端部が遊技盤裏カバー9に固定された静止側の上下1対のベース部材48A,48Bに夫々前後方向の支軸48aを介して回動自在に支持されている。
上側のアーム部材47Aは、退避位置における上側の装飾保持部材41Aの上部から右方へ水平に延び、その途中部から右斜め下側へ延びるヘ字形状に形成され、アーム部材47Aの右部近傍に上側のベース部材48Aが配置されている。上側の装飾部材40A及び装飾保持部材41A及びアーム部材47Aが上側の可動部材49Aを構成し、この可動部材49Aが、退避位置(第1位置)と退避位置よりも高さ位置が低い作動位置(第2位置)とに亙って移動自在に上側のベース部材48Aに支持されている。
下側のアーム部材47Bは、退避位置における下側の装飾保持部材41Bの下部から左方へ水平に延び、その途中部から左斜め上側へ延びる逆ヘ字形状に形成され、アーム部材47Bの左部近傍に下側のベース部材48Bが配置されている。下側の装飾部材40B及び装飾保持部材41B及びアーム部材47Bが下側の可動部材49Bを構成し、この可動部材49Bが、退避位置(第1位置)と退避位置よりも高さ位置が高い作動位置(第2位置)とに亙って移動自在に下側のベース部材48Bに支持されている。
図3〜図9、図12〜図24に示すように、役物合体分離機構42は、1対の装飾保持部材41A,41B(1対の可動部材49A,49B)を退避位置と作動位置とに亙って夫々移動駆動(揺動駆動)する上下1対の役物移動駆動機構50A,50Bと、1対の装飾保持部材41A,41Bを作動位置において連結解除可能に連結する装飾保持部材連結機構60とを有し、1対の装飾保持部材41A,40Bを分離・合体させることで、1対の装飾部材40A,40Bを分離・合体させるように構成されている。
図5、図7、図9、図12、図13、図16〜図20に示すように、上側の役物移動駆動機構50Aは、ベース部材48Aに回動可能に設けられたピン支持部材である円板部材51と、円板部材51に可動部材49A(アーム部材47A)の方へ突出状に設けられた係合ピン52と、可動部材49Aに設けられ係合ピン52が係合可能な水平方向に長いピン係合部53と、係合ピン52が公転するように円板部材51を回動させる回動モータ54(電動モータ54)を有するピン回動機構55とを有する。
上側の役物移動駆動機構50Aは、ピン係合部53の下側においてピン係合部53に沿って水平方向に延びるように可動部材49Aに設けられ、係合ピン52がピン係合部53に係合する際に係合ピン52を収容する第1穴部56と、第1穴部56の左端側に連なり且つその第1穴部56よりも上方へ延びるように可動部材49Aに設けられ、可動部材49Aが退避位置から作動位置へ下降移動する際に係合ピン52を収容する第2穴部57とを備えている。
上側の役物移動駆動機構50Aは、係合ピン52が上限位置のときにピン係合部53に下側から係合して可動部材49Aを退避位置に保持し、係合ピン52が上限位置から所定方向(図7、図9に矢印αで示す方向)に回動するとピン係合部53から外れて可動部材49Aが退避位置から作動位置まで回動して下降し、係合ピン52が下限位置から前記所定方向に回動すると再度ピン係合部53に下側から係合して可動部材49Aを作動位置から退避位置まで回動させて上昇させるように構成されている。
上側の可動部材49Aは、アーム部材47Aに水平方向へは相対移動可能に且つ上下方向へは相対移動不可能にピン59aと長穴59bを介して連結された可動プレート58を有し、この可動プレート58がベース部材48Aに上下方向へ移動自在にガイドされ、この可動プレート58にピン係合部53及び第1,第2穴部56,57が形成されている。可動プレート58は役物移動駆動機構50Aに含まれるものである。
ここで、上側のベース部材48Aは、アーム部材47Aを挟んで前後に位置するベース前部材48bとベース後部材48cとを有する。ベース前部材48bに支軸48aが後方突出状に設けられ、この支軸48aにボールベアリング48dを介してアーム部材47Aの基端部が回動自在に外嵌されている。また、ベース前部材48bには支軸48aを中心とする略円弧状のリブ48eが後方突出に設けられ、このリブ48eにアーム部材47Aが後側から摺動自在に当接して、アーム部材47Aが前後に振れるのを抑制している。
可動プレート58はベース後部材48cに上下移動自在にガイドされている。可動プレート58に後方突出状に設けられた環状リブにより第1,第2穴部56,57が形成され、その環状リブの一部がピン係合部53を形成している。可動プレート58よりも後側に円板部材51と回動モータ54が配設され、回動モータ54はベース後部材48cに前向きに取付けられ、その出力軸に円板部材51の中心部が直結されている。この円板部材51の外周近傍部に係合ピン52が前方突出状に設けられ、この係合ピン52が第1,第2穴部56,57内に挿入されて、ピン係合部53に係合可能になっている。
第1穴部56(ピン係合部53)は、円板部材51の中心と係合ピン52との間の長さよりも少し長い左右長を有し、係合ピン52が上限位置及び下限位置のときにピン係合部53の左端近傍部に位置する。第2穴部57は、円板部材51の中心と係合ピン52との間の長さよりも少し広い最大左右幅を有するとともに、可動部材49Aが退避位置と作動位置とに亙って回動する際のピン59aの上下ストロークと略同じ最大上下長を有する。また、可動プレート58に前方突出状に設けられた環状リブにより水平方向に長い長穴59bが形成されている。アーム部材47Aの長さ方向途中部にピン59aが後方突出状に設けられ、このピン59aが長穴59bに摺動自在に係合している。
ベース後部材48cにはセンサ基板50aが取付けられ、このセンサ基板50aに回動原点SW50bが取付けられている。回動原点SW50bは、例えば、フォトセンサからなり、可動プレート58(或いは、アーム部材47A)に取付けられた遮蔽部(図示略)を検知して、可動部材49Aの回動原点を検出する。
ここで、可動部材49Aを上方へ回動付勢する圧縮コイルバネからなるバネ部材50Acが設けられている。上側の役物移動駆動機構50Aにおいて、係合ピン52が上限位置から前記所定方向に回動するとピン係合部53から外れて上側の可動部材49Aがその重力を含む力で退避位置から作動位置まで回動し下降する。その際、バネ部材50Acによって可動部材49Aの重力による急激な落下が緩和される。また、可動部材49Aを上方へ回動駆動する際、その上方駆動がバネ部材50Acによってアシストされる。
尚、可動部材49Aがその重力だけで作動位置まで下降しない場合には、係合ピン52が前記所定方向に回動して上限位置から下限位置へ移動する際に、可動プレート58の第2穴部57の下端縁を押下げて、可動部材49Aを作動位置に下降させることができる。
一方、図5、図7、図9、図14、図15に示すように、下側の役物移動駆動機構50Bは、ベース部材48Bに回動可能に設けられたピン支持部材である円板部材51と、円板部材51に可動部材49B(アーム部材47B)の方へ突出状に設けられた係合ピン52と、可動部材49Bに設けられ係合ピン52が係合可能な水平方向に長いピン係合部53と、係合ピン52が公転するように円板部材51を回動させる回動モータ54(電動モータ54)を有するピン回動機構55とを有する。
下側の役物移動駆動機構50Bは、ピン係合部53の上側においてピン係合部53に沿って水平方向に延びるように可動部材49Bに設けられ、係合ピン52がピン係合部53に係合する際に係合ピン52を収容する第1穴部56と、第1穴部56の右端側に連なり且つその第1穴部56よりも下方へ延びるように可動部材49Bに設けられ、可動部材49Bが退避位置から作動位置へ上昇移動する際に係合ピン52を収容する第2穴部57とを備えている。
下側の役物移動駆動機構50Bは、係合ピン52が下限位置のときにピン係合部53に上側から係合して可動部材49Bを退避位置に保持し、係合ピン52が下限位置から所定方向(図7、図9に矢印βで示す方向)に回動するとピン係合部53から外れて可動部材49Bが退避位置から作動位置まで回動して上昇し、係合ピン52が上限位置から前記所定方向に回動すると再度ピン係合部53に上側から係合して可動部材49Bを作動位置から退避位置まで回動させて下降するように構成されている。
下側の可動部材49Bは、アーム部材47Bに水平方向へは相対移動可能に且つ上下方向へは相対移動不可能にピン50aと長穴50bを介して連結された可動プレート58を有し、この可動プレート58がベース部材48Bに上下方向へ移動自在にガイドされ、この可動プレート58にピン係合部53及び第1,第2穴部56,57が形成されている。可動プレート58は役物移動駆動機構50Bに含まれるものである。
ここで、下側の可動部材49Bを上方へ回動付勢する比較的強力な圧縮コイルバネからなるバネ部材50Bcが設けられている。下側の役物移動駆動機構50Bにおいて、係合ピン52が下限位置から前記所定方向に回動するとピン係合部53から外れて可動部材49Bがバネ部材50Bcの付勢力を含む力で退避位置から作動位置まで回動し上昇する。
尚、可動部材49Bがバネ部材50Bcの付勢力だけで作動位置まで上降しない場合には、係合ピン52が前記所定方向に回動して下限位置から上限位置へ移動する際に、可動プレート58の第2穴部57の上端縁を押上げて、可動部材49Bを作動位置に上昇させることができる。
尚、下側の役物移動駆動機構50Bに関する構成については、上側の役物移動駆動機構50Aに関する構成と基本的に上下且つ左右に対称となる構成であるため、上側の役物移動駆動機構50Aに関する構成と適宜同一符号を付して、他の詳細な説明を省略する。
図5、図7、図9、図13〜図15、図21〜図23に示すように、装飾保持部材連結機構60は、上側の装飾保持部材41Aに設けられた1対のフック部材61、動力伝達部材62、バネ部材63、連結解除SOL64(ソレノイドアクチュエータ64)と、下側の装飾保持部材41Bに設けられた1対のフック係合部66とを有し、1対のフック部材61が1対のフック係合部66に夫々係合して、1対の装飾保持部材41A,41Bが合体して連結状態になる。
1対のフック部材61、動力伝達部材62、バネ部材63、連結解除SOL64は、略半円形のケース部材65に収容状に装着されている。ケース部材65のストレート端縁は開放状に形成され、ケース部材65は、そのストレート端縁が装飾保持部材41Aのストレート端縁と一致するように、上側の装飾保持部材41Aの後面部に固定されている。
1対のフック係合部66はフック形成部材67に形成され、フック形成部材67は、その1対のフック係合部66が下側の装飾保持部材41Bのストレート端縁よりも上側の装飾保持部材41Aの方へ突出するように、下側の装飾保持部材41Bの後面部に固定されている。1対の装飾保持部材41A,41Bが合体した状態で、1対のフック係合部66がケース部材65の内部に挿入され、その1対のフック係合部66に1対のフック部材61が係合可能になる。
1対のフック部材61は、左右に適当に間隔を空けて対称に配置され、夫々1対のフック係合部66に係合する係合位置(図22参照)と1対のフック係合部66から係合解除する係合解除位置(図23参照)とに亙って、前後方向に向く支軸61cを介して回動自在にケース部材65に支持されている。
各フック部材61は、フック片61aと連結片61bとを有する略L形に形成され、その中央部分が支軸61cに連結され、フック部材61が係合位置のとき、中央部分からフック片61aが下側へ鉛直に延び連結片61bが内側へ水平に延びる姿勢になる。フック片61aの外側端部にフック部61dが形成され、このフック部61dがフック係合部66に係合し、また、フック片61aの内側端部にテーパ案内面61eが形成されている。尚、1対のフック部材61が対向する方向を内側、その反対方向を外側とする。
1対のフック部材61の連結片61bの内側端部が、夫々動力伝達部材62の左右両端部に前後方向の支軸61fを介して回動自在に連結されている。1対のフック部材61が係合位置から係合解除位置へ回動すると、動力伝達部材62が下限位置から上限位置へ移動するように、また、1対のフック部材61が係合解除位置から係合位置へ回動すると、動力伝達部材62が上限位置から下限位置へ移動するように、1対のフック部材61と動力伝達部材62が連動する。
バネ部材63は鉛直姿勢に配置された引っ張りコイルバネからなり、このバネ部材63の上端部が動力伝達部材62に連結され、下端部がケース部材65に連結されている。つまり、バネ部材63により動力伝達部材62が下限位置に付勢され、即ち、動力伝達部材62を介して1対のフック部材61が係合位置に回動付勢されている。
連結解除SOL64は鉛直下向き姿勢に配置され、この連結解除SOL64のプランジャ64aの下端部が動力伝達部材62に連結され、連結解除SOL64が励磁されることで動力伝達部材62を上方へ駆動する。つまり、連結解除SOL64により、動力伝達部材62が上限位置に移動操作され、その動力伝達部材62を介して1対のフック部材61が係合解除位置に回動操作される。
装飾保持部材連結機構60は、以上の構成に基づいて、次の動作を実現するように構成されている。1対の装飾保持部材41A,41Bが分離した状態で、連結解除SOL64は非励磁状態となって、1対のフック部材61は係合位置に位置する。1対の装飾保持部材41A,41Bが分離状態から合体する際、係合位置の1対のフック部材60のテーパ案内面61eがバネ部材63の付勢力に抗して1対のフック係合部66で夫々押動されて、1対のフック部材60が係合位置から係合解除位置に回動する。
1対の装飾保持部材41A,41Bが合体して、一旦は係合解除位置に回動した1対のフック部材60が、バネ部材63の付勢力で係合位置に復帰して、1対のフック部材60のフック部61dが1対のフック係合部66に係合する。1対の装飾保持部材41A,41Bが合体状態から分離する際、連結解除SOL64が励磁され、この連結解除SOL64により、1対のフック部材61が係合位置から係合解除位置に回動され、1対のフック部材61のフック部61dがフック係合部66から係合解除する。
図7、図9、図10、図11、図14、図15、図17、図18、図24に示すように、役物駆動機構43は、1対の装飾部材40を合体させた状態で一体的に回転させる役物回転駆動機構70からなる。
役物回転駆動機構70は、1対の装飾部材40A,40Bの外周部に形成された前記ギヤ歯71と、このギヤ歯71に噛合するピニオン72と、このピニオン72に噛合するギヤ列73と、このギヤ列73を介してピニオン72を回転させる回転モータ74(電動モータ74)とを有する。
ピニオン72とギヤ列73は、下側のアーム部材47Bの内部に収容され夫々回転自在に且つ互いに噛合した状態で、アーム部材47Bの基端側部分から先端側部分に亙って装着され、ピニオン72は、装飾保持部材41Bの外側外周円弧部41cに形成された切欠きから外側外周円弧部41c内に突出している。回転モータ74は下側のアーム部材47Bの基端側部分の後面部に前向きに取付けられ、この回転モータ74の出力軸にギヤ列73の最上流側のギヤが結合されている。
下側のアーム部材47Bにはセンサ基板70aが取付けられ、このセンサ基板70aに回転原点SW70bが取付けられている。回転原点SW70bは、例えば、フォトセンサからなり、装飾部材40Bに取付けられた遮蔽部(図示略)を検知して、装飾部材40A,40Bの回転原点を検出する。
図2に示すように、ランプ制御基板25のコンピュータが、演出役物装置18を制御し、この場合、演出制御基板23のコンピュータからの制御指令を受け、回動原点SW50b、回転原点SW70bからの検出信号に基づいて、回動モータ54、連結解除SOL64、回転モータ74を制御する。
以上説明した演出役物装置18の作用・効果について説明する。
先ず、演出役物装置18が非作動状態のとき、1対の装飾部材40A,40Bが1対の装飾保持部材41A,41Bに夫々保持された状態で、役物合体分離機構42により、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが、画像表示器17の画面前側の上下両側に分かれるように分離して退避位置に位置し、それらの大部分がセンタ役物16の後側に隠れた状態になる。
一方、演出役物装置18が特別図柄の変動中の特定演出実行中に作動して、大当り期待度を高めたり大当りを報知したりする演出や、演出役物装置18が大当り遊技中の特定演出実行中に作動して、より有利な大当り遊技への昇格を報知する演出等が行われる。
演出役物装置18が作動することで、先ず、役物合体分離機構42により、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが分離状態から合体される。この場合、役物合体分離機構42において、1対の役物移動駆動機構50A,50Bにより、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが退避位置から作動位置へ夫々移動され、それらの大部分が画像表示器17の画面前側に出現し、装飾保持部材連結機構60により、1対の装飾保持部材41A,41Bが作動位置において連結解除可能に連結される。
1対の装飾保持部材41A,41Bが合体することで、1対の装飾部材40A,40Bが当接状に合体し、合体状態の1対の装飾保持部材41A,41Bにより1対の装飾部材40A,40Bが回転自在に支持される。そして、役物回転駆動機構70(役物駆動機構43)により、1対の装飾部材40A,40Bが合体した状態で一体的に回転駆動され、その際、1対の装飾部材40A,40BがLED及びレンズで鮮やかに電飾される。
その後、役物合体分離機構42により、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが合体状態から分離される。この場合、役物合体分離機構42において、装飾保持部材連結機構60により、1対の装飾保持部材41A,41Bが作動位置において連結解除され、1対の装飾部材40A,40Bが1対の装飾保持部材41A,41Bに夫々保持された状態で、1対の役物移動駆動機構50A,50Bにより、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bが作動位置から退避位置へ夫々移動駆動され、演出役物装置18の作動が終了する。
このように、役物合体分離機構42が、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bを分離状態から合体させ且つ合体状態から分離させ、役物回転駆動機構70が、1対の装飾部材40A,40Bを役物合体分離機構42で合体させた状態で一体的に回転させるように駆動するので、1対の装飾部材40A,40Bの斬新で且つインパクトの有る動作を実現して演出効果を高めることができる。
役物合体分離機構42が、1対の装飾保持部材41A,41Bを退避位置と作動位置とに亙って夫々移動駆動する1対の役物移動駆動機構50A,50Bと、1対の装飾保持部材41A,41Bを作動位置において連結解除可能に連結する装飾保持部材連結機構60とを有し、合体状態の1対の装飾保持部材41A,41Bが1対の装飾部材40A,40Bを回転自在に支持するので、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bを確実に合体・分離させることができ、1対の装飾部材40A,40Bを合体させた状態で確実に回転させることができる。
1対の装飾部材40A,40Bを夫々半円形に形成したので、1対の装飾部材40A,40Bを合体させて円板状にすることができ、その円板状の1対の装飾部材40A,40Bを回転させて、特有の演出を実現することができる。
1対の装飾保持部材41A,41Bに1対の装飾部材40A,40Bの外周円弧部40bが係合する内側外周円弧部41bを設け、1対の装飾部材40A,40Bと1対の装飾保持部材41A,41Bが夫々合体した状態で、1対の装飾保持部材41A,41Bの内側外周円弧部41bが1対の装飾部材40A,40Bの外周円弧部40bを回転自在に支持するので、1対の装飾部材40A,40Bを回転自在に支持する構造を上手く実現して、1対の装飾部材40A,40Bを合体させた状態で確実に回転させることができる。
役物回転駆動機構70は、1対の装飾部材40A,40Bの外周部に形成されたギヤ歯71と、このギヤ歯71に噛合するピニオン72と、このピニオン72に噛合するギヤ列73と、このギヤ列73を介してピニオン72を回転させる回転モータ74とを有するので、比較的重量が重い回転モータ74をアーム部材47Bの基端側部分に取付けて、可動部材49Bの回動負荷を大きくしないようにして、1対の装飾部材40A,40Bを確実に回転駆動することができ、また、これにより、回転モータ74及びそれに接続される配線を前側から見えないようして整然と配置することもできる。
各装飾保持部材41A,41Bの外周円弧部40b,40cの一端部付近に係止部材45が設けられ、1対の装飾保持部材41A,41Bが分離した状態で、この係止部材45が装飾保持部材41A,41Bに対して装飾部材40A,40Aを回転させないように装飾部材40A,40Aの外周部を押圧するので、装飾部材40A,40Aが装飾保持部材41A,41Bに対して回転して不格好な姿勢になったり脱落したりしないようにして、演出役物装置18の作動信頼性を高めることができる。
1対の装飾保持部材41A,41Bを合体させた状態で連結解除可能に連結する装飾保持部材連結機構60は、作動位置の(つまり、上下に隣接する)1対の装飾保持部材41A,40Bのうちの上側の装飾保持部材41Aに設けられた1対のフック部材61と、下側の装飾保持部材41Bに設けられ且つ1対のフック部材61が夫々係合する1対のフック係合部66とを有するので、1対の装飾保持部材41A,41Bを合体させた状態で確実に連結し、その連結状態を確実に維持することができる。
1対のフック部材61がフック係合部62に係合する係合位置とフック係合部62から係合解除する係合解除位置とに亙って回動自在に設けられ、装飾保持部材連結機構60は、1対のフック部材61を係合位置に回動付勢するバネ部材63を有し、1対の装飾保持部材41A,41Bが合体する際、係合位置の1対のフック部材61が1対のフック係合部62で夫々押動されて係合解除位置に回動した後、係合位置に復帰して1対のフック係合部62に係合するように構成されたので、1対の装飾保持部材41A,41Bを退避位置から作動位置へ移動させるだけで、1対のフック部材61を1対のフック係合部62に自動的に確実に係合させることができる。
装飾保持部材連結機構60は、1対のフック部材61を係合解除位置に回動操作する連結解除SOL64を有するので、1対のフック部材61が1対のフック係合部62に係合した状態で連結解除SOL64を駆動することで、1対のフック部材61を1対のフック係合部62から係合解除させて、1対の装飾保持部材41A,41Bを合体状態から確実に分離させることができる。
装飾保持部材連結機構60は、上側の装飾保持部材41Aに可動に設けられた動力伝達部材62を有し、この動力伝達部材62を介して、バネ部材63が1対のフック部材61を係合位置に回動付勢するとともに、連結解除SOL64が1対のフック部材61を係合解除位置に回動操作するので、1対のフック部材61を確実に連動させて係合位置と係合解除位置とに亙って回動させることができ、装飾保持部材連結機構60の作動信頼性を確保することができる。バネ部材63と連結解除SOL64を1対のフック部材61に共通のものにして構造を簡単化することができる。
1対の役物移動駆動機構50A,50Bは、夫々、ベース部材48A,48Bに回動可能に設けられた円板部材51と、ピン支持部材51に可動部材の方へ突出状に設けられた係合ピン52と、可動部材49A,49Bに設けられ係合ピン52が係合可能な水平方向に長いピン係合部53と、係合ピン53が公転するように円板部材51を回動させる回動モータ54を有するピン回動機構55とを備えている。
依って、上側の役物移動駆動機構50Aでは、係合ピン52が上限位置のときにピン係合部53に係合して可動部材49Aを退避位置に確実に保持し、係合ピン52が上限位置から所定方向に回動するとピン係合部52から外れて可動部材49Aを退避位置から作動位置まで円滑に且つ迅速に且つ作動位置では確実に位置決め可能に移動させ、係合ピン52が下限位置から前記所定方向に回動すると再度ピン係合部52に係合して可動部材49Aを作動位置から退避位置まで確実に移動させるように構成することができる。
また、下側の役物移動駆動機構50Bでは、係合ピン52が下限位置のときにピン係合部53に係合して可動部材49Bを退避位置に確実に保持し、係合ピン52が下限位置から所定方向に回動するとピン係合部52から外れて可動部材49Bを退避位置から作動位置まで円滑に且つ迅速に且つ作動位置では確実に位置決め可能に移動させ、係合ピン52が上限位置から前記所定方向に回動すると再度ピン係合部52に係合して可動部材49Bを作動位置から退避位置まで確実に移動させるように構成することができる。
1対の可動部材49A,49Bには、夫々、ピン係合部53に沿って水平方向に延び、係合ピン52がピン係合部53に係合する際に係合ピン52を収容する第1穴部56と、第1穴部56の一端側に連なり且つその第1穴部53よりも上方又は下方へ延び、可動部材49A,49Bが退避位置から作動位置へ移動する際に係合ピン52を収容する第2穴部57とを設けたので、可動部材49A,49Bの作動位置と退避位置とに亙っての移動を確実に行うことができる。
1対の可動部材49A,49Bは、夫々、ベース部材48A,48Bに基端部が回動自在に支持されたアーム部材47A,47Bと、このアーム部材47A,47Bに水平方向へは相対移動可能に且つ上下方向へは相対移動不可能にピン50aと長穴50bを介して連結された可動プレート58とを有し、可動プレート58がベース部材48A,48Bに上下方向へ移動自在にガイドされ、この可動プレート58にピン係合部53及び第1,第2穴部56,57が形成されたので、係合ピン52からの駆動力を可動プレート58を介して回動自在に支持されたアーム部材47A,47Bに入力して、そのアーム部材47A,47Bと共に装飾部材40A,40B及び装飾保持部材41A,41Bを作動位置から退避位置へ移動させることができる。
上側の役物移動駆動機構50Aでは、係合ピン52が上限位置のときにピン係合部53に係合して可動部材49Aを退避位置に保持し、係合ピン52が上限位置から前記所定方向に回動するとピン係合部53から外れて可動部材49Aがその重力を含む力で退避位置から作動位置まで下降移動し、下側の役物移動駆動機構50Bでは、係合ピン52が下限位置のときにピン係合部53に係合して可動部材49Bを退避位置に保持し、係合ピン52が下限位置から前記所定方向に回動するとピン係合部53から外れて可動部材49Bがバネ部材50Bcの付勢力を含む力で退避位置から作動位置まで上昇移動するため、1対の装飾部材40A,40B及び1対の装飾保持部材41A,41Bを退避位置から作動位置に円滑に且つ迅速に移動させて当接状に確実に合体させることができる。
次に、実施例1を部分的に変更した実施例2以降の実施例について説明する。但し、実施例1と基本的に同じものについては、適宜同一符号を付して説明を省略する。