JP2012114854A - 通信システム、制御装置、及び、制御方法 - Google Patents

通信システム、制御装置、及び、制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動局の高速移動時でのハンドオフ成功率を高める通信システムの提供。
【解決手段】少なくとも一つの移動局と、移動局と無線によって通信する複数の基地局と、各基地局と接続される少なくとも一つの制御装置とを備える通信システムであって、制御装置は、各基地局の位置を示す位置情報を保持し、移動局の位置情報と、移動局が移動する速度及び移動する方角とを取得し、取得された移動局の位置情報と、移動する速度及び移動する方角と、保持された各基地局の位置情報とに基づいて、移動局が通過する範囲を予測し、予測された移動局が通過する範囲に位置する、第1の基地局を抽出し、第1の基地局に関するハンドオフを移動局が開始するか否かを、移動局に判定させるための電力強度の閾値を決定する。
【選択図】図10

Description

本発明は、通信システムに関し、特に、移動局が基地局にハンドオフする機能を有する通信システムに関する。
従来の移動体通信システムにおいて、移動局が移動することによって、移動局が属する基地局が追加されたり、削除されたりする場合がある。移動局は、各基地局から送信される信号に含まれるセル識別子を判定することによって、いずれの基地局から送信された信号であるかを識別する。
従来の移動局は、移動局によって測定された、パイロット電力強度(Pilot Strength)と、所定のパイロット閾値とを比較することによって、新たな基地局の追加、又は、従来の基地局の削除を開始する。ここで、パイロット電力強度とは、各基地局から送信されるパイロット信号の、移動局における受信電界強度から抽出された希望波受信信号エネルギーと、全受信信号エネルギーとの比である。具体的に、希望波受信信号エネルギーと、全受信信号エネルギーとの比は、希望波受信信号エネルギーを全受信信号エネルギーによって除算することによって算出される。
また、ここでパイロット閾値とは、移動局と通信する基地局を追加又は削除するためのハンドオフを、開始するか否かを判定するための閾値である。従来のパイロット閾値は、予め管理者等によって、各移動局に設定される。
基地局のセル識別子は、順方向パイロットチャネル(Forward Pilot Channel)によって、基地局から送信される。移動局は、基地局から受信した順方向パイロットチャネルの電力強度を測定する。そして、測定されたパイロット電力強度が、パイロット閾値よりも高い場合、移動局は、その基地局をハンドオフ追加対象、すなわち、その基地局を新たに通信する基地局とする。
一方、移動局は、既に通信している基地局から送信されたパイロット電力強度がパイロット閾値よりも低い場合、その基地局をハンドオフ削除対象、すなわち、その基地局を移動局と通信しない基地局とする。
なお、パイロット閾値には、パイロット追加閾値と、パイロット削除閾値とが含まれる。パイロット追加閾値は、移動局が新たな基地局と通信するか否かを判定するための閾値である。パイロット削除閾値は、移動局がそれまで通信していた基地局と通信しないか通信を継続するかを判定するための閾値である。
なお、図22に示す移動局401が用いるパイロット削除閾値は、パイロット追加閾値よりも低い値である。
従来の移動体通信システムにおけるハンドオフ処理を、図22、図23及び図24を参照し説明する。
図22は、従来技術の移動体通信システムにおいて移動局401が移動した場合のセル範囲を示す説明図である。
図22において、移動局401は矢印の方向に移動する。移動局401が移動する先には、基地局402、基地局403、基地局404、基地局405、基地局406、及び、基地局407が配置される。基地局402、基地局403、基地局404、及び、基地局405は、基地局制御装置414と接続され、基地局406及び基地局407は、基地局制御装置415と接続される。
また、基地局402、基地局403、基地局404、基地局405、基地局406、及び、基地局407は、各々セル範囲408、セル範囲409、セル範囲410、セル範囲411、セル範囲412、及び、セル範囲413を持つ。セル範囲(408〜413)は、各基地局(402〜407)が、十分な電力強度によって、移動局と通信できる範囲(通話圏域)である。また、セル範囲(408〜413)は、パイロット追加閾値によって定められる範囲である。
図22において、移動局401は、既に基地局402と通信している状態から、矢印上の時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4の順に場所を移動する。
時刻t1において、移動局401は、基地局404のセル範囲410に入る。このため、移動局401において測定される基地局404からのパイロット電力強度は、パイロット閾値以上である。このため、移動局401は、基地局404をハンドオフ追加対象と判定する。そして、基地局制御装置414に、基地局402を介して、基地局404へのハンドオフ要求メッセージを送信する。
基地局制御装置414は、ハンドオフ要求メッセージを受信した後、予め取得された基地局404のリソースを示す情報などに基づいて、ハンドオフの可否を判定する。そして、基地局制御装置414は、移動局401による、基地局404に対応するパイロット信号のアクティブセットへの追加を許可することによって、移動局401が基地局404と通信することを許可する。
アクティブセット(Active Set)とは、移動局401と通信している全ての基地局のパイロット信号の集合である。アクティブセットとは、移動局401と基地局制御装置414とによって管理される。
時刻t2において、移動局401は、基地局403のセル範囲409に入る。このため、移動局401は、基地局403をハンドオフ追加対象と判定する。そして、時刻t1における処理と同じく、基地局制御装置414に基地局402を介して、ハンドオフ要求メッセージを送信する。そして基地局制御装置414は、基地局403のパイロット信号をアクティブセットへ追加する。
一方、時刻t3の後、移動局401において測定される基地局402からのパイロット電力強度が、パイロット削除閾値よりも下回ると、移動局401は、移動局401に備わり、基地局402に対応するハンドオフ削除処理のためのタイマーを起動する。
そして、基地局402に対応するタイマーが予め与えられている一定の時間を過ぎた後、移動局401は、基地局制御装置414に、基地局404を介して、基地局402に関するハンドオフ要求メッセージを送信する。これによって、移動局401は、基地局制御装置414に、基地局402のパイロット信号をアクティブセットから削除することを要求する。
基地局制御装置414は、移動局401からハンドオフ要求メッセージを受信した後、移動局401にハンドオフを指示する。そして、基地局402に対応するパイロット信号をアクティブセットから削除することによって、移動局401と基地局402との通信を切断させる。
時刻t4の後、移動局401において測定される基地局404からのパイロット電力強度が、パイロット削除閾値よりも下回ると、移動局401は、基地局404に対応するハンドオフ削除処理のためのタイマーを起動する。そしてタイマーの満了後、基地局制御装置414に、基地局403を介して、基地局404に関するハンドオフ要求メッセージを送信する。そして、基地局制御装置414は、基地局404のパイロット信号をアクティブセットから削除する。これによって、移動局401と基地局404との通信が切断される。
図23は、従来技術のパイロット電力強度を示す説明図である。
移動局401が図22に示す矢印の方向に移動する場合の、基地局402、基地局403、及び、基地局404のパイロット電力強度501、パイロット電力強度502、及び、パイロット電力強度503を各々示す図である。また、T_ADD_1は、パイロット追加閾値504を示し、T_DROP_1は、パイロット削除閾値505を示す。
また、図22における移動局401において、アクティブセット506、アクティブセット507、及びアクティブセット508は、アクティブイセットに追加された基地局402、基地局403、及び基地局404の各パイロット信号を示す。図23におけるアクティブセット506、アクティブセット507、及びアクティブセット508は、各基地局へハンドオフ追加処理を行うことができる時間を示す。
各時刻において、基地局からのパイロット電力強度がパイロット追加閾値504よりも高い場合、各基地局からのハンドオフ追加が実施される。基地局からのパイロット電力強度がパイロット追加閾値504を超える時刻が、各基地局のパイロット信号をアクティブセットへ追加する契機となる。
例えば、時刻t1及び時刻t2において、パイロット電力強度503及びパイロット電力強度502が、パイロット追加閾値504を超えるため、基地局404及び基地局403をハンドオフ追加する処理が実行される。
また、各時刻において、基地局からのパイロット電力強度がパイロット削除閾値505よりも下回ると、各基地局からのハンドオフ削除処理に対応するタイマーが起動される。基地局からのパイロット電力強度がパイロット削除閾値505を下回る時刻が、各基地局のパイロット信号をアクティブセットから削除する契機となる。
例えば、時刻t3の後、パイロット電力強度501が、パイロット削除閾値505よりも下回ると、基地局402のハンドオフ削除処理に対応するタイマーが起動される。また、時刻t4の後、パイロット電力強度503が、パイロット削除閾値505よりも下回ると、基地局404のハンドオフ削除処理に対応するタイマーが起動される。
図24は、従来技術のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。
図24は、移動局401が図22に示す矢印の方向に移動する際に、移動局401が基地局402、基地局403、及び基地局404との間でハンドオフするためのメッセージシーケンスを示す。
時刻t1前において、移動局401と基地局402とは通信する(601)。
時刻t1において、移動局401は、基地局402を介して基地局制御装置414にハンドオフを要求する(602)。その後、基地局制御装置414は、基地局402を介して移動局401に、基地局404のハンドオフ追加を許可する(603)。シーケンス603の後、移動局401は基地局402と基地局404と通信する(604、605)。
時刻t2において、移動局401は、基地局402を介して基地局制御装置414にハンドオフを要求する(606)。その後、基地局制御装置414は、基地局402を介して移動局401に、基地局403のハンドオフ追加を許可する(607)。シーケンス607の後、移動局401は、基地局402と基地局403と基地局404と通信する(608、609、610)。
時刻t3の後、基地局402からのパイロット電力強度がハンドオフ削除閾値を下回ると、基地局402のハンドオフ削除処理に対応するタイマーが起動される。そして、タイマーが満了した後、移動局401は、基地局404を介して基地局制御装置414にハンドオフを要求する(611)。その後、基地局制御装置414は、基地局404を介して移動局401に、基地局402のハンドオフ削除を許可する(612)。シーケンス612の後、移動局401は、基地局403と基地局404と通信する(613、614)。
時刻t4の後、基地局404からのパイロット電力強度がハンドオフ削除閾値を下回ると、移動局401は、基地局404のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、移動局401は、基地局403を介して基地局制御装置414にハンドオフを要求する(615)。その後、基地局制御装置414は、基地局403を介して移動局401に、基地局404のハンドオフ削除を許可する(616)。シーケンス616の後、移動局401は、基地局403と通信する(617)。
図22から図24に示す従来の移動体通信システムのハンドオフ処理において、移動局は、基地局からのパイロット電力強度がパイロット追加閾値を超えた場合、どこにある基地局であっても必ずハンドオフを実施する。例えば、基地局と距離は離れているが、基地局と移動局との間に障害物がなく、基地局からたまたま電波が届いた場合であっても、パイロット電力強度がパイロット追加閾値より高ければ、実際に距離が離れている基地局であってもハンドオフを実施してしまう問題があった。
この様な問題を解決するため、GPSを用いて移動局の位置情報、移動方角、基地局の位置情報、及び地理情報を取得し、取得された情報に基づいて、ハンドオフを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1における基地局制御装置は、移動局が移動する際、移動局の位置及び移動方角を示す情報が取得される。そして、基地局の位置情報と海や山などの近辺の地理情報とに基づいて、基地局制御装置は、移動局のハンドオフの有効性を判断し、ハンドオフの実施又は非実施を基地局及び移動局に指示することによって、特定の基地局へのハンドオフを制御する。
例えば、海上などの見通しの良いところでは、電波が飛びやすいため、距離が十分に離れている基地局であっても、移動局において基地局の電波を受信することができる。ここで、特許文献1に記載された移動体通信システムは、地理情報を用いることによって、距離が十分に離れた基地局などの特定の基地局に、ハンドオフしないように設定することが可能である。これによって、通信する必要のない基地局にはハンドオフしないシステムが提供され、無駄なハンドオフを削減することができた。
特許第4057728号公報
従来の移動体通信システムにおいて、ある特定のパイロット閾値が基地局及び移動局に格納され、これによって各基地局のセル範囲が定められた。このパイロット閾値には、一つの移動局にとって、すべての基地局に対して同一のパイロット閾値を用いていたので、各基地局のセル範囲は固定されていた。
セル範囲が固定されているシステムにおいてハンドオフが行われる場合、移動局は、ハンドオフをする前に通信していた基地局と通信を継続している間に、次に通信をする隣接基地局とのハンドオフ処理(ハンドオフ追加処理)を終える。これによって、移動局と基地局との無線通信回線が切れることなく通話を続けることができた。
だが、移動局が高速に移動する場合、移動局が次に通信する隣接基地局とのハンドオフ追加処理を終える前に、移動局が現基地局のセル範囲を離脱する場合がある。この場合、移動局からの無線通信回線がすべて切れてしまい、これによって、通話が切れてしまう可能性があった。
また、特許文献1における方法は、移動局の位置情報、及び、移動局が移動する方角と共に、基地局の位置情報と近辺の地理情報とを用いて、特定の基地局へのハンドオフを抑制することによって、無駄なハンドオフを削減した。しかし、地理情報の変更などが起きた場合、すみやかに地理情報データベースを更新しないと、ハンドオフを抑制すべきでない基地局へのハンドオフを抑制したり、ハンドオフを抑制すべき基地局へのハンドオフを抑制しない可能性があった。
さらに、特許文献1において、地理情報の変更が発生するたびに各基地局制御装置の地理情報データベースを更新しなければならないため、通信事業者にとって、運用コストが高まるという問題があった。また、特定の地理情報に依存してハンドオフの有効性を判断するため、移動局が地理的に特徴のない場所に属した場合、移動局の移動方角に関わらず、基地局からのパイロット電力強度がパイロット追加閾値以上であれば、必ずハンドオフを実施するとの問題があった。
本発明は、移動局が高速に移動する場合においても、ハンドオフの成功率を上げることを目的とする。また、ハンドオフをするべきでない基地局へのハンドオフを抑制し、無駄なハンドオフの発生を防ぐことを目的とする。
本発明の代表的な一形態によると、少なくとも一つの移動局と、前記移動局と無線によって通信する複数の基地局と、前記各基地局と接続される少なくとも一つの制御装置とを備える通信システムであって、前記制御装置は、前記各基地局の位置を示す位置情報を保持し、前記移動局の位置情報と、前記移動局が移動する速度及び移動する方角とを取得し、前記取得された移動局の位置情報と、移動する速度及び移動する方角と、前記保持された各基地局の位置情報とに基づいて、前記移動局が通過する範囲を予測し、前記予測された移動局が通過する範囲に位置する、第1の基地局を抽出し、前記第1の基地局に関するハンドオフを前記移動局が開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の閾値を決定する。
本発明の一実施形態によると、ハンドオフの成功率を高めることができる。
本発明の実施形態の移動体通信システムの基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の基地局制御装置の論理的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の移動局の論理的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を低い値に制御した後のセル範囲を示す説明図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を低い値に制御した後のパイロット電力強度を示す説明図である。 本発明の実施形態のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値に制御した後のセル範囲を示す説明図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値に制御した後のパイロット電力強度を示す説明図である。 本発明の実施形態のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値と低い値とによって制御した場合の移動体通信システムを示す説明図である。 本発明の実施形態の基地局制御装置のハンドオフ制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の移動局においてパイロット追加閾値を制御する処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の移動局の移動速度に従ったグループの割り当てテーブルを示す説明図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を下げた場合にハンドオフ処理を行うことができる距離を示す説明図である。 本発明の実施形態のパイロット追加閾値を上げた場合のハンドオフするための距離を示す説明図である。 本発明の実施形態の移動局がグループAである場合の基地局とセル範囲とを示す説明図である。 本発明の実施形態の移動局がグループBである場合の基地局とセル範囲とを示す説明図である。 本発明の実施形態の移動局がグループCである場合の基地局とセル範囲とを示す説明図である。 本発明の実施形態の移動局がグループDである場合の基地局とセル範囲とを示す説明図である。 本発明の実施形態の予測移動経路上の基地局の判定方法を示す説明図である。 本発明の実施形態の予測移動経路を複数の領域に分割した場合の基地局及びセル範囲を示す説明図である。 従来技術の移動体通信システムにおいて移動局が移動した場合のセル範囲を示す説明図である。 従来技術のパイロット電力強度を示す説明図である。 従来技術のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。
以下、CDMA方法を採用した移動体通信システムにおける実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。本実施形態は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられたコンソーシアムによって提供される、「C.S0024 cdma2000高速パケットデータエアインタフェース仕様(C.S0024 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification)」(cdma2000規格)の1xEV−DO(Evolution−Data Optimized)に基づく。
(移動体通信システムの基本構成)
図1は、本発明の実施形態の移動体通信システムの基本構成を示すブロック図である。
本実施形態の移動体通信システムは、交換機101、基地局制御装置102(102−1、102−2)、基地局103(103−1〜103−4)、及び、移動局105を備える。また、基地局103(103−1〜103−4)は、各々セル範囲104(104−1〜104−4)を生成する。
交換機101は、移動局105から受信した信号を、信号に含まれる宛先に従って、各基地局制御装置に転送するための装置である。交換機101は、他の交換機、又は、公衆電話交換機と接続されており、サービスに従って適切な回線に接続する。
基地局制御装置102は、基地局103に接続され、ハンドオフを基地局103及び移動局105に指示する装置である。基地局制御装置102は、相互に接続される。
図1に示す基地局制御装置102は、基地局制御装置102−1及び基地局制御装置102−2の2台のみであるが、本発明の基地局制御装置102は、1台でも複数でもよい。
基地局103は、移動局105と無線によって通信する装置である。図1に示す基地局103は、基地局103−1〜基地局103−4の4台のみであるが、本発明の基地局103は、1台でも複数台でもよい。
移動局105は、携帯電話等の端末であり、ユーザによって移動される。図1に示す移動局105から送信された信号は、基地局103−2、基地局制御装置102−1を介して交換機101に送信される。
セル範囲104は、移動局105が、基地局103と一定の電力強度によって通信できる範囲を示す。本実施形態のセル範囲104は、パイロット閾値が示す電力強度によって、移動局105が基地局103と通信できる範囲を示す。
(基地局移動局装置102及び移動局105)
(基地局制御装置102のブロック構成図)
図2は、本発明の実施形態の基地局制御装置102の論理的な構成を示すブロック図である。
基地局制御装置102は、プロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェース、及び、記憶装置などを備える計算機である。基地局制御装置102は、プロセッサによって、記憶装置に格納されたプログラムをメモリに展開し、展開されたプログラムを実行することによって、機能を実装する。
基地局制御装置102は、受信部201、移動局位置情報検出部202、位置情報記憶メモリ部203、移動局移動速度・方角検出部204、基地局位置情報データベース205、閾値制御部206、及び、送信部207を備える。
位置情報記憶メモリ部203は、基地局制御装置102に備わるメモリ等によって実装される。基地局位置情報データベース205は、基地局制御装置102に備わる記憶装置等によって実装される。
受信部201は、移動局105から送信される移動局105の位置情報等を含む信号を、ネットワークインターフェースによって受信するための機能である。移動局位置情報検出部202は、受信された移動局105の位置情報等を含む信号から、移動局105の位置情報等をプロセッサに抽出させるための機能である。
位置情報記憶メモリ部203は、移動局105の位置情報等を少なくとも二つ、メモリ等に格納するための機能である。移動局移動速度・方角検出部204は、位置情報記憶メモリ部203から、移動局105の現在と過去との位置情報を取得し、現在における移動局105の移動速度及び方角を、プロセッサによって算出させるための機能である。
基地局位置情報データベース205は、基地局制御装置102に接続される基地局103の位置情報を、記憶装置等を用いて保持するための機能である。
閾値制御部206は、移動局105の絶対位置、移動速度、移動方角、及び、基地局103の位置情報に基づいて、パイロット閾値を算出するための機能である。算出されるパイロット閾値には、パイロット追加閾値が含まれる。
送信部207は、算出されたパイロット閾値を、基地局103を介して移動局105に送信する機能である。送信部207は、移動局105に備わるネットワークインタフェースによって実装される。
基地局制御装置102の閾値制御部206は、移動局105の現在の位置と、移動速度及び移動方角とに基づいて、移動局105がこれから移動するであろう移動経路(以降、予測移動経路と記載)を算出する。また、閾値制御部206は、算出された移動局105の予測移動経路上にある基地局103を、移動局105のハンドオフ対象とするため、又は、予測移動経路上にない基地局103を移動局105のハンドオフ対象外とするため、制御後のパイロット閾値を適用する基地局103を、基地局位置情報データベース205を参照することによって決定する。
具体的には、本実施形態の基地局制御装置102は、移動局105の移動方角に従って、移動局105の予測移動経路を算出し、算出された移動局105の予測移動経路上に存在する基地局103に対応するパイロット追加閾値を下げ、移動局105の予測移動経路上に存在しない基地局103に対応するパイロット追加閾値を上げるように、パイロット閾値を算出する。これによって、本実施形態の基地局制御装置102は、ハンドオフを制御する。また、パイロット閾値の上げ・下げ幅などを移動局の移動速度に従って算出する。これらに関する閾値制御部206については、後述する。
(移動局105のブロック構成図)
図3は、本発明の実施形態の移動局105の論理的な構成を示すブロック図である。
移動局105は、プロセッサ及びメモリ等を備える。移動局105は、メモリにおいて展開されたプログラム等を実行することによって、機能を実装してもよい。また、各機能を、物理的な装置によって実装してもよい。
移動局105は、GPSアンテナ301、位置情報検出部302、送信制御部303、送信部304、受信部305、パイロット閾値検出部306、閾値記憶メモリ部307、閾値設定制御部308、ハンドオフ制御部309、及び、パイロット検出部310を備える。
GPSアンテナ301は、移動局105の位置を示す信号(GPS信号)を受信するためのアンテナである。位置情報検出部302は、受信されたGPS信号から移動局105の位置情報(例えば、経緯度の情報等)を抽出するための機能である。GPS信号から抽出される位置情報には、例えば、経度及び緯度を示す情報等が含まれる。
送信制御部303は、位置情報検出部302によって抽出された移動局105の位置情報を、基地局制御装置102へ送信するための機能である。送信部304は、移動局105の位置情報とハンドオフ要求メッセージとを、基地局103を介して基地局制御装置102へ送信するための機能である。
受信部305は、各基地局103に対応するパイロット閾値を示す情報を、基地局103を介して基地局制御装置102から受信するための機能である。パイロット閾値検出部306は、受信されたパイロット閾値を示す情報から、パイロット閾値を抽出するための機能である。
閾値記憶メモリ部307は、パイロット閾値検出部306によって抽出されたパイロット閾値を保持するための機能である。閾値記憶メモリ部307は、移動局105に備わるメモリ等によって実装される。
閾値設定制御部308は、基地局制御装置102から送信されたパイロット閾値を、移動局105に反映させるための機能である。ハンドオフ制御部309は、パイロット電力強度とパイロット閾値とを比較することによって、ハンドオフを開始するか否かを判定するための機能である。パイロット検出部310は、基地局103から送信された信号のパイロット電力強度を測定するための機能である。
本実施形態の移動局105に備わる送信制御部303は、GPSアンテナ301によって受信された移動局105の位置情報を、定期的に基地局制御装置102に送信してもよい。また、移動局105によって基地局制御装置102に前回送信された移動局105の位置情報が示す地点から、移動局105が一定以上移動した場合、送信制御部303は、移動局105の新たな位置情報を基地局制御装置102に送信してもよい。送信制御部303は、移動局105が基地局103と通信中にのみ、移動局105の位置情報が基地局103を介して基地局制御装置102へ送信されるよう、移動局105の位置情報を制御する。
移動局105に備わる閾値設定制御部308は、受信された各基地局103に対応するパイロット閾値を、パイロット検出部310によって抽出された情報に基づいて、移動局105に反映する。閾値設定制御部308によるパイロット閾値の反映については、詳細を後述する。
(ハンドオフ制御)
(パイロット追加閾値を下げることによるハンドオフ制御)
図4、図5、及び、図6を参照して、本発明の実施形態における、パイロット追加閾値を下げることによるハンドオフ処理を説明する。
図4は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を低い値に制御した後のセル範囲104を示す説明図である。
図4の移動体通信システムは、移動局105と、複数の基地局103(103−1〜103−6)と、複数の基地局制御装置102(102−1、102−2)とを備える。また、基地局103−1〜103−6は、セル範囲104(104−1〜104−8)を生成する。
セル範囲104のうち、セル範囲104−1〜104−6は、閾値設定制御部308によってパイロット閾値を制御される前のセル範囲104であり、セル範囲104−7及びセル範囲104−8は、閾値設定制御部308によってパイロット閾値を制御された後のセル範囲104である。移動局105は、時刻t5、時刻t6、時刻t7、及び、時刻t8に示す矢印上の点を順に移動する。
基地局制御装置102−1が、移動局105の現在位置と、移動局105の移動速度及び移動する方角とに基づいて、移動局105の予測移動経路を算出する。図4において、移動局105の予測移動経路は、矢印によって示される。基地局制御装置102−1は、移動局105がセル範囲104−1及びセル範囲104−2に入る前に、予測移動経路上に配置される基地局103を、基地局103の位置情報によって特定する。そして、予測移動経路上に配置される基地局103−1及び基地局103−2に対応するパイロット閾値に、本実施形態の制御後のパイロット追加閾値を適用する。
なお、本実施形態のパイロット追加閾値の制御前のパイロット閾値を、標準閾値と記載する。また、特に、本実施形態のパイロット追加閾値の制御前のパイロット追加閾値を、標準追加閾値と記載する。
基地局制御装置102−1は、移動局105に適用する、基地局103−1及び基地局103−2についての制御後のパイロット追加閾値を、標準追加閾値より低い値にすることによって、基地局103−1及び基地局103−2のセル範囲104を、セル範囲104−7及びセル範囲104−8に広げることができる。
時刻t5の前において、移動局105には、本実施形態の制御後のパイロット追加閾値が適用される。このため、移動局105は、時刻t5においてセル範囲104−8に入り、基地局103−2へのハンドオフ追加処理を始め、時刻t6においてハンドオフ追加処理を行わない。
図4における移動局105は、時刻t8の後、基地局103−1のパイロット電力強度がパイロット削除閾値を下回ると、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、図4における移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理を開始する。
なお、本実施形態におけるパイロット削除閾値は、説明のため、パイロット追加閾値より低いものとする。
本実施形態の移動局105は、パイロット追加閾値を変更することによって、論理的にセル範囲104を広げることができる。移動局105が高速に移動している場合、セル範囲104を広げることによって、移動局105によるハンドオフ追加処理の開始を早めることができる。
これによって、本実施形態の移動局105は、ハンドオフ追加処理を行うための時間をパイロット追加閾値の制御前より長くすることができ、移動局105の高速移動時においても、ハンドオフ追加処理を行うための一定の時間を確保することが可能である。このため、ハンドオフの成功率を高めることができる。
具体的には、移動局105が高速に移動している場合、移動局105が低速に移動している場合に比べ、同じ時間に移動する距離が長い。このため、セル範囲104を広げることによってハンドオフの開始が早まり、ハンドオフ追加処理のために十分な時間を確保することができるため、本実施形態の移動局105はハンドオフの成功率を高めることができる。
また、本実施形態の移動局105は、パイロット削除閾値を、移動局105が高速移動時においても、変更させない。このため、ハンドオフ削除処理は、パイロット追加閾値の制御から影響を受けない。
図5は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を低い値に制御した後のパイロット電力強度を示す説明図である。
図5に示すパイロット電力強度801及び802は、図4に示す基地局103−1及び基地局103−2のパイロット電力強度である。図5に示すT_ADD_1、T_ADD_2、及びT_DROP_1の関係は、T_ADD_1>T_ADD_2>T_DROP_1である。
図5におけるパイロット追加閾値803は、T_ADD_1であり、本実施形態の標準追加閾値である。
図5におけるパイロット追加閾値804は、T_ADD_2であり、本実施形態の制御後のパイロット追加閾値である。図5におけるパイロット削除閾値805は、T_DROP_1である。
図4に示すセル範囲104−1及びセル範囲104−2は、図5におけるパイロット追加閾値803によって定められる。また、図4に示すセル範囲104−7及びセル範囲104−8は、図5におけるパイロット追加閾値804によって定められる。
図4において、基地局103−1及び基地局103−2には、パイロット追加閾値804が用いられる。このため、時刻t5において、パイロット電力強度802がパイロット追加閾値804より高くなり、移動局105は、基地局103−2へのハンドオフ追加処理を開始する。時刻t6は、ハンドオフ追加閾値を制御する前におけるハンドオフ追加処理の契機である。
また、基地局103−1及び基地局103−2には、パイロット削除閾値805が用いられる。このため、時刻t8の後、パイロット電力強度801がパイロット削除閾値805を下回ると、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、基地局103−1のハンドオフ削除処理を開始する。
ここで、基地局103−2のハンドオフ追加処理は、基地局103−1のハンドオフ削除処理が開始するまでに、終了する必要がある。これは、移動局105が、基地局103−1及び基地局103−2の両方と通信ができない状態を回避するためである。そのため、本実施形態の標準追加閾値であるパイロット追加閾値803が適用された場合、移動局105が基地局103−2にハンドオフするために用いることができる時間は、時刻t6からハンドオフ削除処理が開始されるまでの時間である。一方、本実施形態におけるパイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値804が適用された場合、移動局105がハンドオフする時間は、時刻t5からハンドオフ削除処理が開始されるまでの時間である。
また、距離806は、パイロット追加閾値803を用いた場合において、ハンドオフ追加処理を開始してからハンドオフ削除処理を開始するまでに、移動局105が移動する距離である。距離807は、パイロット追加閾値804を用いた場合において、ハンドオフ追加処理を開始してからハンドオフ削除処理を開始するまでに、移動局105が移動した距離である。
ここで、距離807は、距離806よりも長い。このため、本実施形態のパイロット追加閾値の制御によれば、移動局105の移動速度に従って、パイロット追加閾値を変化させることによって、ハンドオフ追加処理のための一定の時間を確保することができる。
また、この様な本実施形態のパイロット追加閾値の制御において、移動局105の移動速度に従ってパイロット追加閾値の下げ幅を変化させることが可能である。パイロット追加閾値の制御に関する詳細は後述する。
図6は、本発明の実施形態のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。
図6は、移動局105が図4に示す矢印の方角に移動する際に、移動局105が基地局103−1及び基地局103−2との間でハンドオフするために発生するメッセージシーケンスを示す。
時刻t5前において、移動局105は、基地局103−1と通信する(901)。そして、予め管理者等によって定められた周期(位置通知周期)に従って、移動局105は、GPS等によって取得された自らの位置情報を基地局103−1に通知し、基地局103−1は、受信された移動局105の位置情報を基地局制御装置102−1に送信する(902、903、904)。
移動局105の位置情報を受信した後、基地局制御装置102−1は、受信された移動局105の位置情報に基づいて、移動局105の移動速度及び移動する方角を算出する。そして、移動速度及び移動する方角を示す情報と、基地局位置情報データベース205に格納される情報とに基づいて、基地局103のパイロット閾値を決定する(905)。さらに、基地局制御装置102−1は、決定されたパイロット閾値と、パイロット閾値を決定された基地局103のセル識別子とを、基地局103−1を介して移動局105に送信する(906)。
パイロット閾値を受信した後、移動局105は、受信されたパイロット閾値を、受信されたセル識別子に基づいて、各基地局103のパイロット電力強度の判定において適用する(907)。
時刻t5において、移動局105は、セル範囲104−8に入るため、基地局103−1を介して基地局制御装置102−1に基地局103−2へのハンドオフ追加に関するハンドオフ要求メッセージを送信する(908)。その後、基地局制御装置102−1は、受信されたハンドオフ要求メッセージの情報に基づいて、移動局105のハンドオフが有効だと判定した場合、基地局103−1を介して移動局105にハンドオフを許可する(909)。シーケンス909によるハンドオフを実施した後、移動局105は基地局103−1及び基地局103−2と通信する(910、911)。
時刻t6において、移動局105は、パイロット追加閾値が制御される前のパイロット追加閾値によるセル範囲104−2に入るが、シーケンス907においてパイロット追加閾値を制御されているため、ハンドオフをしない。
時刻t8の後、基地局103−1からのパイロット電力強度がハンドオフ削除閾値を下回ると、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、基地局103−1のハンドオフ削除処理を開始する。具体的には、タイマーが満了した後、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除に関するハンドオフ要求メッセージを、基地局103−2を介して基地局制御装置102−1に送信する(912)。
その後、基地局制御装置102−1は、受信されたハンドオフ要求メッセージの情報に基づいて、移動局105のハンドオフが有効だと判定した場合、基地局103−2を介して移動局105にハンドオフを許可する(913)。シーケンス913によるハンドオフの実施後、移動局105と基地局103−1との通信は切断され、移動局105は基地局103−2のみと通信する(914)。
以上のように、パイロット追加閾値を低く制御することによって、移動局105の予測移動経路上にある基地局103のセル範囲104を広くすることができる。そして、セル範囲104を広げることによって、基地局103から受信されたパイロット信号を、移動局105のアクティブセットに追加され易くする。
また、移動局105が高速移動している場合、基地局103に対応するパイロット追加閾値を低く制御することによって、ハンドオフ処理のための一定の時間を確保することができ、ハンドオフの成功率を高めることが可能である。
(パイロット追加閾値を上げることによるハンドオフ制御)
図7、図8、及び、図9を参照して、本発明の実施の形態における、パイロット追加閾値を上げることによるハンドオフ処理を説明する。
図7は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値に制御した後のセル範囲104を示す説明図である。
図7の移動体通信システムは、移動局105と、複数の基地局103(103−1〜103−6)と、複数の基地局制御装置102(102−1、102−2)とを備える。また、基地局103−1〜基地局103−6は、セル範囲104−1〜セル範囲104−6、及びセル範囲104−9〜セル範囲104−12を生成する。
セル範囲104のうち、セル範囲104−1〜セル範囲104−6は、閾値設定制御部308によってパイロット閾値を制御される前のセル範囲104であり、セル範囲104−9〜セル範囲104−12は、閾値設定制御部308によってパイロット閾値を制御された後のセル範囲104である。移動局105は、時刻t9、時刻t10、時刻t11、及び、時刻t12に示す矢印上の点を順に移動する。
基地局制御装置102−1が、移動局105の現在位置と、移動局105の移動速度及び移動する方角とに基づいて、移動局105の予測移動経路を算出する。図7において、移動局105の予測移動経路は、矢印によって示される。基地局制御装置102−1は、移動局105がセル範囲104−1及びセル範囲104−2に入る前に、予測移動経路上に配置される基地局103を、基地局103の位置情報によって特定する。そして、予測移動経路外に配置される基地局103に対応するパイロット閾値に、本実施形態の制御によるパイロット追加閾値を適用する。
基地局制御装置102−1は、移動局105に適用するパイロット追加閾値を、標準追加閾値より高い値に制御することによって、基地局103−3、基地局103−4、基地局103−5及び基地局103−6のセル範囲104を、セル範囲104−9、セル範囲104−10、セル範囲104−11及びセル範囲104−12に狭めることができる。
時刻t9の前において、移動局105には、本実施形態の制御後のパイロット追加閾値が適用される。このため、本実施形態の移動局105は、時刻t9において基地局103−3のセル範囲104に入らないため、ハンドオフ処理を行わない。
時刻t10において、移動局105は、基地局103−2のセル範囲104−2に入るため、基地局103−2へのハンドオフ追加処理を開始する。また、時刻t11の後、基地局103−1のパイロット電力強度がパイロット削除閾値を下回ると、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、基地局103−1のハンドオフ削除処理が開始される。
時刻t12の後、基地局103−3のパイロット電力強度がパイロット削除閾値を下回る。しかし、移動局105は、基地局103−3へのハンドオフ追加処理を行っていないため、基地局103−3からのパイロット信号はアクティブセットに含まれていない。このため、時刻t12の後も、移動局105は、基地局103−3のハンドオフ削除処理を行わない。
前述の通り、図7の移動局105は、基地局103−3のセル範囲104が狭められたことによって、基地局103−3をハンドオフ追加しない。
本実施形態の移動局105は、パイロット追加閾値を高い値に制御することによって、論理的にセル範囲104を狭めることができる。そして、基地局103−3へのハンドオフが行われない。すなわち、基地局103−3へのハンドオフ処理を行う必要がない場合、基地局103−3に対応するパイロット追加閾値を高い値に制御することによって、移動局105による基地局103−3へのハンドオフを防ぐことができる。この結果、より効率的な移動体通信システムのハンドオフ処理を実現することができる。
図8は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値に制御した後のパイロット電力強度を示す説明図である。
図8に示すパイロット電力強度1101、1102及び1103は、図8に示す基地局103−1、基地局103−2及び基地局103−3のパイロット電力強度である。図8に示すT_ADD_1、T_ADD_2、及びT_DROP_1の関係は、T_ADD_2>T_ADD_1>T_DROP_1である。
図8におけるパイロット追加閾値1105は、T_ADD_1であり、本実施形態の標準追加閾値である。図8におけるパイロット追加閾値1104は、T_ADD_2であり、本実施形態のパイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値である。図8におけるパイロット削除閾値1106は、T_DROP_1である。
図7に示すセル範囲104−1、セル範囲104−2及びセル範囲104−3は、図8におけるパイロット追加閾値1105によって定められる。また、図7に示すセル範囲104−9及びセル範囲104−10は、図8におけるパイロット追加閾値1104によって定められる。
図7において、基地局103−1及び基地局103−2には、パイロット追加閾値1105が適用される。また、基地局103−3には、パイロット追加閾値1104が適用される。
このため、時刻t9においても、パイロット電力強度1103は、パイロット追加閾値1104よりも低い値であるため、移動局105は、基地局103−3へのハンドオフ追加処理を開始しない。また、時刻t10において、パイロット電力強度1102が、パイロット追加閾値1105より高い値になるため、移動局105は、基地局103−2へのハンドオフ追加処理を開始する。
そして、時刻t11の後、パイロット電力強度1101がパイロット削除閾値1106よりも下回ると、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、基地局103−1のハンドオフ処理が開始される。
なお、基地局103−3のパイロット信号はアクティブセットに含まれていないため、時刻t12の後も、ハンドオフ削除処理は行われない。
基地局103−1、及び基地局103−2には、パイロット追加閾値の制御を行わず、基地局103−3には、本実施形態のパイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値1104を適用することによって、効率的なハンドオフ処理を行うことができる。このような制御後のパイロット追加閾値は、移動局105の移動速度に従ってパイロット追加閾値の上げ幅を調整することも可能である。パイロット追加閾値を決定する処理の詳細は後述する。
図9は、本発明の実施形態のハンドオフ処理を示すシーケンス図である。
図9は、移動局105が図7に示す矢印の方角に移動する際に、移動局105が基地局103−1及び基地局103−2との間でハンドオフするために発生するメッセージシーケンスを示す。
図9のシーケンス1201からシーケンス1205の処理は、図6のシーケンス901からシーケンス907の処理と同じである。
時刻t9において、移動局105は、基地局103−3のセル範囲104に入らないため、ハンドオフ処理を行わない。
時刻t10において、移動局105は、セル範囲104−2に入るため、基地局103−1を介して基地局制御装置102−1に基地局103−2へのハンドオフ追加に関するハンドオフ要求メッセージを送信する(1206)。その後、基地局制御装置102−1は、受信されたハンドオフ要求メッセージの情報に基づいて、移動局105のハンドオフが有効だと判定した場合、基地局103−1を介して移動局105にハンドオフを許可する(1207)。シーケンス1207によるハンドオフを実施した後、移動局105は基地局103−1及び基地局103−2と通信する(1208、1209)。
時刻t11の後、基地局103−1のパイロット電力強度がパイロット削除閾値を下回ると、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除処理に対応するタイマーを起動する。そして、タイマーが満了した後、基地局103−1のハンドオフ削除処理が開始される。具体的には、タイマーが満了した後、移動局105は、基地局103−1のハンドオフ削除に関するハンドオフ要求メッセージを、基地局103−2を介して基地局制御装置102−1に送信する(1210)。
その後、基地局制御装置102−1は、受信されたハンドオフ要求メッセージの情報に基づいて、移動局105のハンドオフが有効だと判定した場合、基地局103−2を介して移動局105にハンドオフを許可する(1211)。シーケンス1211によるハンドオフの実施後、移動局105と基地局103−1との通信は切断され、移動局105は基地局103−2のみと通信する(1212)。
基地局103−3のパイロット信号はアクティブセットに含まれていないため、時刻t12の後も、移動局105は、基地局103−3のハンドオフ削除処理を行わない。
以上のように、移動局105の予測移動経路外にある基地局103に対応するパイロット追加閾値を高い値に制御することによって、移動局105の予測移動経路外にある基地局103のパイロット信号が移動局105のアクティブセットに追加されないようにすることができる。
本実施形態は、基地局103において処理しなければならないデータの量を削減することによって、基地局103における処理に掛かる負担を減らし、さらに、基地局103が、移動局105との通信のため使う無線リソースの無駄を削減することによって、基地局リソースを確保する。これによって、パイロット追加閾値の制御前より効率的な移動体通信システムを実現する。
このような効果を実現するため、移動局105は、移動局105の予測移動経路外にある基地局103にハンドオフする必要がない場合がある。このような場合に、前述の通りパイロット追加閾値を高く制御すれば、ハンドオフする必要がない基地局103を、ハンドオフせずに移動局105を通過させることができる。そして、ハンドオフに伴って移動局105から送信されるデータの量を削減し、基地局103における処理のための消費電力を削減し、移動局105及び基地局103間の無線リソースの無駄を削減できる。これによって、基地局103及び無線リソースを確保できるため、効率的な移動体通信システムを実現することが可能である。
(パイロット追加閾値を変化させるハンドオフ制御)
図10は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を高い値と低い値とによって制御した場合の移動体通信システムを示す説明図である。
図10は、図4及び図7において示すハンドオフ制御を両方行った場合のセル範囲104を示す。移動局105の予測移動経路上にある基地局103のパイロット追加閾値には、ハンドオフ追加処理がされ易くするため、低い値を適用する。また、移動局105の予測移動経路外にある基地局103のパイロット追加閾値には、ハンドオフ追加処理がされ難くするため、高い値を適用する。
図10に示すセル範囲104−1からセル範囲104−6までは、本実施形態のパイロット追加閾値の制御をする前のセル範囲104である。また、セル範囲104−7及びセル範囲104−8は、基地局103−1及び基地局103−2に対応するパイロット追加閾値を低い値に制御することによって、生成されたセル範囲104である。また、セル範囲104−9からセル範囲104−12は、基地局103−3から基地局103−6に対応するパイロット追加閾値を高い値にパイロット追加閾値の制御することによって、生成されたセル範囲104である。
これらの基地局103に対応するパイロット追加閾値は、移動局105の位置情報、移動速度、及び移動する方角によって各移動局105に異なるパイロット追加閾値が適用されてもよい。即ち、各移動局105は、自らの移動速度及び移動する方角に従って、それぞれ異なるセル範囲104を持つことが可能である。このように、各移動局105に各基地局103に対応するそれぞれ異なるパイロット追加閾値を適用することによって、従来の移動体通信システムに比べ、より柔軟なハンドオフ処理を実行することができる。
(基地局制御装置と移動局での動作)
(基地局制御装置でのパイロット追加閾値制御動作フロー)
図11は、本発明の実施形態の基地局制御装置102のハンドオフ制御を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、基地局制御装置102が、移動局105に適用するパイロット閾値を算出する処理である。
基地局制御装置102は、まず、移動局105の位置情報が受信部201によって受信されたか否かを判定する(1401)。具体的には、受信部201によって受信された信号の中から、移動局位置情報検出部202が、移動局105の位置情報を抽出するか否かを判定する。なお、移動局105は、予め管理者等によって定められた距離を自らが移動した場合、自らの位置情報を基地局103を介して移動局105に送信する。
基地局制御装置102は、ステップ1401において、移動局105の位置情報が受信されていないと判定した場合、図11に示す処理を終了する。基地局制御装置102は、図11に示す処理を終了した後、ステップ1401を実行し、移動局105の位置情報を受信するまで、待機する。
基地局制御装置102の移動局位置情報検出部202は、ステップ1401において、移動局105の位置情報が受信されたと判定した場合、移動局105の位置情報が受信された時刻を取得する。そして、抽出された移動局105の位置情報と、移動局105の位置情報が受信された時刻とを、位置情報記憶メモリ部203に格納する(1402)。
ステップ1402の後、基地局制御装置102は、移動局105の移動速度及び移動する方角を、移動局移動速度・方角検出部204によって算出する(1404)。
具体的には、移動局移動速度・方角検出部204は、ステップ1404において、位置情報記憶メモリ部203に蓄積された移動局105の位置情報のうち、いずれか一つの過去の位置情報を抽出する。そして、現在の位置情報から、抽出された過去の位置情報を減算することによって過去から現在までの距離を算出する。そして、抽出された過去の位置情報が受信された時刻と、現在の位置情報が受信された時刻との差時間を算出し、算出された距離を、算出された差時間によって除算することによって、移動局105の移動速度を算出する。
また、移動局移動速度・方角検出部204は、ステップ1404において、抽出された過去の位置情報と抽出された現在の位置情報とを比較することによって、過去から現在までに移動した方角を算出する。本実施形態の位置情報は、相対的な座標によって示されてもよいし、緯度及び経度によって示されてもよい。
ステップ1404の後、基地局制御装置102の閾値制御部206は、算出された移動局105の移動速度が、いずれの速度であるかを判定する。図11に示す閾値制御部206は、移動局105の移動速度が25Km/h未満であるか否かを判定する(1405)。移動局105の移動速度が25Km/h未満1405である場合、移動局105をGroupAに割り当てる(1408)。
また、移動局105の移動速度が25Km/h以上である場合、閾値制御部206は、移動局105の移動速度が25Km/h以上かつ75Km/h未満であるか否かを判定する(1406)。移動局105の移動速度が25Km/h以上かつ75Km/h未満である場合、移動局105をGroupBに割り当てる(1409)。
また、移動局105の移動速度が75Km/h以上である場合、閾値制御部206は、移動局105の移動速度が75Km/h以上かつ150Km/h未満であるか否かを判定する(1407)。移動局105の移動速度が75Km/h以上かつ150Km/h未満である場合、移動局105をGroupCに割り当てる(1410)。
また、移動局105の移動速度が150Km/h以上である場合、閾値制御部206は、移動局105をGroupDに割り当てる(1411)。なお、ステップ1405からステップ1411までの閾値は、管理者等によってあらかじめ定められるものであり、前述の値以外のいずれの値であってもよい。
ステップ1408、ステップ1409、ステップ1410、又はステップ1411において、移動局105に割り当てるグループが決定した後、閾値制御部206は、割り当てられた各グループに従って、移動局105の現在位置、移動速度及び移動する方角に基づいて、移動局105の予測移動経路を算出する(1412)。本実施形態における予測移動経路の具体的な算出方法は、後述する。
ステップ1412において移動局105の予測移動経路が算出された後、閾値制御部206は、本実施形態のパイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値を適用する基地局103の範囲、即ち、移動局105の予測移動経路からどの程度の距離にある基地局103にパイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値を適用するかを、ステップ1412において算出された移動局105の予測移動経路と基地局位置情報データベース205とに基づいて、決定する(1413)。本実施形態のパイロット追加閾値の決定方法は、後述する。
ステップ1413においてパイロット追加閾値を適用する基地局103の範囲が決定された後、閾値制御部206は、決定された範囲のうち予測移動経路上にある基地局103と予測移動経路外にある基地局103とに、それぞれどのようパイロット追加閾値を適用するかを決定する(1414)。具体的には、閾値制御部206は、ステップ1414において、移動局105の移動速度、又は、ステップ1405からステップ1411において割当てられた移動局105のグループによって、パイロット追加閾値を決定する。
ステップ1414の後、送信部207は、ステップ1414において決定されたパイロット追加閾値とそのパイロット追加閾値を適用する基地局103のセル識別子とを、基地局103を介して移動局105に送信する(1415)。
例えば、ステップ1405からステップ1411において移動局105がグループBであると判定された場合、送信部207は、予測移動経路上の基地局103に対応するセル識別子と、予測移動経路上の基地局103に割り当てられたグループBのパイロット追加閾値と、予測移動経路外の基地局103に割り当てられたグループBのパイロット追加閾値とを含む信号を、基地局103を介して移動局105に送信する。
そして、移動局105の受信部305は、基地局制御装置102から送信された信号を受信し、パイロット閾値検出部306は、受信された信号から、パイロット追加閾値とセル識別子とを抽出する。そして、抽出されたパイロット追加閾値とセル識別子とを閾値記憶メモリ部307に格納する。
ここで、パイロット閾値検出部306は、予測移動経路上の基地局103に対応するセル識別子と、予測移動経路上の基地局103に割り当てられたグループBのパイロット追加閾値とを対応させて、閾値記憶メモリ部307に格納する。そして、予測移動経路外の基地局103に割り当てられたグループBのパイロット追加閾値を、予測移動経路上の基地局103のセル識別子以外のセル識別子に対応させるパイロット追加閾値として、閾値記憶メモリ部307に格納する。
すなわち、閾値記憶メモリ部307には、予測移動経路上のセル識別子に割り当てるパイロット追加閾値と、予測移動経路上のセル識別子以外のセル識別子に割り当てるパイロット追加閾値とが格納される。
なお、予測移動経路上からの距離に従って、段階的にパイロット追加閾値を変化させる場合、閾値記憶メモリ部307は、各段階のセル識別子とパイロット追加閾値とを対応させて保持する。
(移動局105におけるパイロット追加閾値の制御)
図12は、本発明の実施形態の移動局105においてパイロット追加閾値を制御する処理を示すフローチャートである。
移動局105の受信部305は、移動をしている際に、パイロット信号を受信するか否かを判定する(1501)。パイロット信号を受信しない場合、移動局105は、図12に示す処理を終了する。その後受信部305は、ステップ1501を実行し、パイロット信号を受信するまで待機する。
ステップ1501においてパイロット信号が受信されたと判定された場合、移動局105は、受信されたパイロット信号のすべてに、ステップ1503からステップ1511の処理を実行する(1502)。
ステップ1501の後、パイロット検出部310は、受信部305によって受信されたパイロット信号からセル識別子を抽出する。パイロット検出部310は抽出されたセル識別子を閾値設定制御部308に送る。閾値設定制御部308は、抽出されたセル識別子によって閾値記憶メモリ部307を検索し、予測移動経路上の基地局103のセル識別子か、予測移動経路上の基地局103のセル識別子以外かを判定する(1503)。具体的には、閾値設定制御部308は、ステップ1503において、閾値記憶メモリ部307に格納されるセル識別子か否かを判定する。
抽出されたセル識別子が閾値記憶メモリ部307に既に格納されている場合、すなわち、抽出されたセル識別子が予測移動経路上の基地局103のセル識別子に対応する場合、閾値設定制御部308は、抽出されたセル識別子に対応する基地局103に、予測移動経路上のパイロット追加閾値を適用する(1504)。
抽出されたセル識別子が閾値記憶メモリ部307に格納されていない場合、すなわち、抽出されたセル識別子が予測移動経路上の基地局103以外の基地局103のセル識別子に対応する場合、閾値設定制御部308は、予測移動経路外のパイロット追加閾値を適用する(1505)。
なお、予測移動経路上からの距離に従って、段階的にパイロット追加閾値を変化させる場合、閾値設定制御部308は、ステップ1503からステップ1505において、受信されたパイロット信号のセル識別子によって閾値記憶メモリ部307を検索し、該当するパイロット追加閾値を抽出する。
ステップ1504又はステップ1505の後、ハンドオフ制御部309は、ステップ1501において受信されたパイロット信号のパイロット電力強度が、ステップ1504又はステップ1505において適用されたパイロット追加閾値よりも高い値であるか否かを判定する(1506)。
ステップ1506において、ハンドオフ制御部309は、受信されたパイロット強度がパイロット追加閾値を超えるとアクティブセットへ追加するための処理を始める。(1507)。これは、ハンドオフ制御部309は、受信されたパイロット信号を送信した基地局103に、ハンドオフ追加処理をするためである。
また、ステップ1506において、受信されたパイロット信号のパイロット電力強度が、適用されたパイロット追加閾値よりも高い値ではない場合、ハンドオフ制御部309は、あらかじめ保持されたパイロット削除閾値を取得する。そして、ハンドオフ制御部309は、受信されたパイロット信号のパイロット電力強度が、パイロット削除閾値よりも低い値であるか否かを判定する(1508)。
受信されたパイロット信号のパイロット電力強度が、パイロット削除閾値よりも低い値ではない場合、移動局105は、次のパイロットを処理するため、ステップ1503に戻るか、又は、ステップ1502の処理を終了する。
受信されたパイロット信号のパイロット電力強度が、パイロット削除閾値よりも低い値である場合、受信されたパイロット信号を送信した基地局103に、ハンドオフ削除処理を行うため、ハンドオフ制御部309は、タイマーを起動する(1509)。そしてハンドオフ制御部309は、ステップ1511において開始したタイマーが満了したか否かを判定し(1510)、タイマーの満了まで待機する。タイマーが満了した後、ハンドオフ制御部309は、受信されたパイロット信号をアクティブセットから削除する(1511)。
なお、ステップ1510において、パイロット電力強度がパイロット削除閾値より高いパイロット信号が一度でも受信された場合、ハンドオフ制御部309は、ステップ1510の処理を終了し、移動局105は、次のパイロット信号にステップ1502の処理を開始する。
ステップ1502の処理が終了した後、ハンドオフ制御部309は、アクティブセットが変更されたか否かを判定する(1512)。アクティブセットが変更されていない場合、移動局105は、図12に示す処理を終了する。
アクティブセットが変更された場合、送信部304は、ハンドオフ要求メッセージを基地局103を介して基地局制御装置102に送信する(1513)。
(移動速度に従ったハンドオフ制御)
(予測移動経路上又は予測移動経路外のパイロット追加閾値の制御)
図13は、本発明の実施形態の移動局105の移動速度に従ったグループの割り当てテーブル1601を示す説明図である。
図13は、図11のステップ1414において、移動局105の予測移動経路上にある基地局103と移動局105の予測移動経路外にある基地局103へのパイロット追加閾値を決定するための、グループごとの割り当てテーブル1601を示す。
本実施形態の基地局制御装置102は、図13に示す割り当てテーブル1601を用いて、予測移動経路上の基地局103に、移動局105の移動速度が速いほど、低いパイロット追加閾値を適用する。これによって、予測移動経路上の複数の基地局103のセル範囲104が、各々重なる部分を広げることができる。すなわち、移動局105の速度が上がった場合も、基地局103とのハンドオフ処理に必要な一定の時間を、確保することができる。
一方、本実施形態の基地局制御装置102は、図13に示す割り当てテーブル1601を用いて、移動局105の予測移動経路外に配置される基地局103に、高いパイロット追加閾値を適用する。これによって、予測移動経路外に配置される基地局103へのハンドオフを抑制することができる。
図13に示す割り当てテーブル1601において、移動局105がグループAの場合、すなわち、移動局105が移動速度が0km/h以上25km/h未満によって移動する場合、予測移動経路上の基地局103に対応するパイロット追加閾値は、"−7"である。そして、移動局105がグループBの場合、すなわち、移動局105が移動速度が25km/h以上75km/h未満によって移動する場合、予測移動経路上の基地局103に対応するパイロット追加閾値は"−8"である。
また、移動局105がグループAの場合、すなわち、移動局105が移動速度が75km/h以上150km/h未満によって移動する場合、予測移動経路上の基地局103に対応するパイロット追加閾値は"−9"である。そして、移動局105がグループAの場合、すなわち、移動局105が移動速度が150km/h以上によって移動する場合、予測移動経路上の基地局103に対応するパイロット追加閾値は"−10"である。
また、図13に示す割り当てテーブル1601において、予測移動経路外のパイロット追加閾値は、移動局105がグループAである場合、"−7"である。そして、移動局105がグループB〜Dである場合、すべて"−4"である。なお、図13に示すグループB〜Dの予測移動経路外のパイロット追加閾値は、すべて同じ値であるが、移動局105の移動速度に従って値を変化させてもよい。
図13に示すパイロット追加閾値の標準追加閾値は、"−7"である。すなわち、移動局105がグループAである場合、予測移動経路上の基地局103に対応するパイロット追加閾値と予測移動経路外の基地局103に対応するパイロット追加閾値との各々は、標準追加閾値である。
これによって、図13に示す割り当てテーブル1061は、移動局105が、所定の速度以上(図13においては25km/h以上)によって移動した場合、パイロット閾値を標準閾値から変更することを示す。そして、移動局105の移動速度が速ければ速いほど、予測移動経路上の基地局103に低いパイロット追加閾値を適用する。
(パイロット追加閾値の上げ幅と下げ幅との制御)
図14及び図15は、移動局105の移動速度に従い、パイロット追加閾値の上げ幅と下げ幅とを変化させた場合のパイロット電力強度を示す。
図14は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を下げた場合にハンドオフ処理を行うことができる距離を示す説明図である。
図14に示す図は、移動局105によって受信された基地局103−1のパイロット電力強度1701及び基地局103−2のパイロット電力強度1702と、基地局103−2に適用するパイロット追加閾値1703、パイロット追加閾値1704、パイロット追加閾値1705、及び、パイロット追加閾値1706と、パイロット削除閾値1707とを示す。また、各パイロット追加閾値において、移動局105が基地局103をハンドオフ追加するために用いることができる距離1708、距離1709、距離1710、及び、距離1711を示す。
パイロット追加閾値1703、パイロット追加閾値1704、パイロット追加閾値1705、パイロット追加閾値1706及びパイロット削除閾値1707は、各々T_ADD_1、T_ADD_2、T_ADD_3、T_ADD_4、及びT_DROP_1である。T_ADD_1、T_ADD_2、T_ADD_3、T_ADD_4、及びT_DROP_1の関係は、T_ADD_1>T_ADD_2>T_ADD_3>T_ADD_4>T_DROP_1である。
図14における基地局103−2には、移動局105の移動速度が速いほど、パイロット追加閾値1703からパイロット追加閾値1706へ、パイロット追加閾値が段階的に低く割り当てられる。パイロット追加閾値1703は、パイロット追加閾値1704、パイロット追加閾値1705、及び、パイロット追加閾値1706は、図24の割り当てテーブル1601において、移動局105の予測移動経路上のパイロット追加閾値の、グループAからDまでの各グループに割り当てられるパイロット追加閾値に相当する。
そして、距離1708から距離1711は、移動局105の移動速度が速いほど長くなるため、移動局105がハンドオフするために用いることができる時間は、いずれのハンドオフ追加閾値においても一定に保つことができる。このため、基地局103−2へのハンドオフ追加処理の成功率を高めることができる。これは、ハンドオフ追加処理の開始が遅ければ、基地局103−1から受信するパイロット電力強度が弱まり、かつ、基地局103−2へのハンドオフ追加処理もまだ不十分である状態が発生することが予想されるためである。
図15は、本発明の実施形態のパイロット追加閾値を上げた場合のハンドオフするための距離を示す説明図である。
図15に示す図は、移動局105によって受信された基地局103−1のパイロット電力強度1801、基地局103−2のパイロット電力強度1802及び基地局103−3のパイロット電力強度1803と、基地局103−3に適用するパイロット追加閾値1804、パイロット追加閾値1805、パイロット追加閾値1806及びパイロット追加閾値1807と、パイロット削除閾値1810とを示す。移動局105が、基地局103−2にハンドオフ処理を行うことができる距離1808、距離1809とを示す。
パイロット追加閾値1804、パイロット追加閾値1805、パイロット追加閾値1806、パイロット追加閾値1807及びパイロット削除閾値1810は、各々T_ADD_7、T_ADD_6、T_ADD_5、T_ADD_1及びT_DROP_1である。T_ADD_1、T_ADD_5、T_ADD_6、T_ADD_7及びT_DROP_1の関係は、T_DROP_1<T_ADD_1<T_ADD_5<T_ADD_6<T_ADD_7である。
図15における基地局103−3には、移動局105の移動速度が速いほど、パイロット追加閾値1807からパイロット追加閾値1804へ、パイロット追加閾値が段階的に高く割り当てられる。パイロット追加閾値1804、パイロット追加閾値1805、パイロット追加閾値1806及びパイロット追加閾値1807は、図24の割り当てテーブル1601において、移動局105の予測移動経路外のパイロット追加閾値の、グループDからAまでの各グループに割り当てられるパイロット追加閾値に相当する。
そして、パイロット追加閾値が高くなるほど、パイロット電力強度1803がパイロット追加閾値よりも低くなるため、移動局105が基地局103−3へハンドオフすることが困難になる。
図14及び図15の通り、パイロット追加閾値を移動局105の移動速度によって段階的に変更することによって、隣接するセル範囲104と重なる部分を極力小さくすることができる。そして、これによって、移動局105と基地局103との無駄な通信を削減することができる。
(パイロット追加閾値の適用範囲制御)
基地局制御装置102に備わる閾値制御部206は、図11に示すステップ1413において、基地局103が移動局105の予測移動経路上にあるか否かを判定する。閾値制御部206は、ステップ1413において、移動局105の位置情報と、移動速度及び移動する方角と、基地局位置情報データベース205とに基づいて、予測移動経路上の基地局103を判定する。
図16から図20は、閾値制御部206が、移動局105の移動速度及び移動する方角に基づいて、パイロット追加閾値の制御後のパイロット追加閾値を適用する予測移動経路上の基地局103と予測移動経路外の基地局103とを判定した結果を示す。
図16は、本発明の実施形態の移動局105がグループAである場合の基地局103とセル範囲104とを示す説明図である。
図16における移動局105は、移動速度が25km/h未満であり、図13に示すGroupAに属する。このため、移動する方角に関わらず、本実施形態の標準閾値が全ての基地局103のセル範囲104−A〜セル範囲104−Yに適用される。
図17は、本発明の実施形態の移動局105がグループBである場合の基地局103とセル範囲104とを示す説明図である。
図17における移動局105は、移動速度25km/h以上75km/h未満であり、図13に示すGroupBに属する。図17の移動局105は、矢印の方向に向かって移動する。また、範囲2001は、閾値制御部206によって算出された予測移動経路を示す。
図17において、セル範囲104−H、セル範囲104−I及びセル範囲104−Mの各基地局103は、移動局105の予測移動経路上(すなわち、範囲2001内)に配置される。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I及びセル範囲104−M以外のセル範囲104(104−A〜104−G、104−J〜104−L、104−N〜104−Y)の基地局103は、移動局105の予測移動経路外(すなわち、範囲2001外)に配置される。
このため、閾値制御部206は、セル範囲104−H、セル範囲104−I及びセル範囲104−Mの各基地局103に、標準追加閾値より低いパイロット追加閾値を割り当てる。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I及びセル範囲104−M以外のセル範囲104に、標準追加閾値より高いパイロット追加閾値を割り当てる。
図18は、本発明の実施形態の移動局105がグループCである場合の基地局103とセル範囲104とを示す説明図である。
図18における移動局105は、移動速度75km/h以上150km/h未満であり、図13に示すGroupCに属する。図18の移動局105は、矢印の方向(予測移動経路上)に向かって移動する。また、範囲2101は、閾値制御部206によって算出された予測移動経路を示す。
図18において、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L及びセル範囲104−Mの基地局103が、移動局105の予測移動経路上(すなわち、範囲2101内)に配置される。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L及びセル範囲104−M以外のセル範囲104(104−A〜104−G、104−J、104−K、104−N〜104−Y)の基地局103は、移動局105の予測移動経路外(すなわち、範囲2101外)に配置される。
このため、閾値制御部206は、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L及びセル範囲104−Mの各基地局103に、低いパイロット追加閾値を割り当てる。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L及びセル範囲104−M以外のセル範囲104に、標準追加閾値より高いパイロット追加閾値を割り当てる。
図19は、本発明の実施形態の移動局105がグループDである場合の基地局103とセル範囲104とを示す説明図である。
図19における移動局105は、移動速度150km/h以上であり、図13に示すGroupDに属する。図19の移動局105は、矢印の方向(予測移動経路上)に向かって移動する。また、範囲2201は、閾値制御部206によって算出された予測移動経路を示す。
図19において、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L、セル範囲104−M、セル範囲104−Q及びセル範囲104−Rの基地局103が、移動局105の予測移動経路上(すなわち、範囲2201内)に配置される。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L、セル範囲104−M、セル範囲104−Q及びセル範囲104−R以外のセル範囲104(104−A〜104−G、104−J、104−K、104−N〜104−P、104−S〜104−Y)の基地局103は、移動局105の予測移動経路外(すなわち、範囲2201外)に配置される。
このため、閾値制御部206は、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L、セル範囲104−M、セル範囲104−Q及びセル範囲104−Rの各基地局103に、低いパイロット追加閾値を割り当てる。また、セル範囲104−H、セル範囲104−I、セル範囲104−L、セル範囲104−M、セル範囲104−Q及びセル範囲104−R以外のセル範囲104に、標準追加閾値より高いパイロット追加閾値を割り当てる。
基地局103の予測移動経路の算出方法を、図20において説明する。
図20は、本発明の実施形態の予測移動経路上の基地局103の判定方法を示す説明図である。
図20は、移動局105が、矢印の方向に移動していることを示す。図20において、移動局105の位置は地点2301、基地局103の位置は地点2302によって示す。
閾値制御部206は、基地局103が予測移動経路上であるか、又は予測移動経路外であるかを判定するため、まず、移動する方向(予測移動方向)と水平となる方向(予測水平方向)を算出し、予測移動方向と垂直する方向(予測垂直方向)を算出する。
なお、予測水平方向及び予測垂直方向を算出されるために、移動局105の二つ以上の位置情報が用いられる。
ここで、基地局103の地点2302を通過する予測垂直方向と、移動局105の地点2301を通過する予測水平方向とが直行した地点を、地点2303に示す。また、地点2301と地点2303との距離を予測水平距離D1と示し、地点2302から地点2303までの距離を予測垂直距離D2と示す。
閾値制御部206は、各基地局103について、移動局105の二つ以上の位置情報を用いて、予測水平距離D1と予測垂直距離D2とを算出する。そして、予め管理者等によって与えられた予測水平範囲閾値と予測水平距離D1とを比較し、予測水平距離D1が予測水平範囲閾値内にある場合、その基地局103を移動局105の予測移動経路上にある基地局103と判定する。ここで、予測水平範囲閾値とは、移動局105が一定時間内に移動する距離である。
また、閾値制御部206は、予め管理者等によって与えられた予測垂直範囲閾値と予測垂直距離D2とを比較し、予測垂直距離D2が予測垂直範囲閾値内にある場合、その基地局103を移動局105の予測移動経路上にある基地局103と判定する。
予測垂直範囲閾値は、地点2302からの距離であり、基地局103から受信される信号の受信電力が、予め定められた値以上となる位置までの最大距離である。基地局103から受信される信号の受信電力は、基地局103の送信電力から電波伝播損失を減算することによって算出され、電波伝播損失は地点2302からの距離によって算出される。
閾値制御部206は、予測水平距離D1に基づいて判定された基地局103と、予測垂直距離D2基づいて判定された基地局103とのうち、両方に共通する基地局103を抽出し、予測移動経路上にある基地局103と判定してもよい。
なお、予測移動経路上の基地局103の判定方法は、前述の方法以外であってもよい。
また、前述の予測移動経路の判定は、予測移動経路上と予測移動経路外の2領域のみを判定したが、基地局103から送られる信号の受信電力に従って、複数の領域に分割し、各々の領域に属する基地局103に、異なるパイロット追加閾値を割り当ててもよい。
図21は、本発明の実施形態の予測移動経路を複数の領域に分割した場合の基地局103及びセル範囲104を示す説明図である。
閾値制御部206は、図20に示す方法において、予測垂直範囲閾値を変更することによって、範囲2401及び範囲2402を算出する。そして、範囲2401に属する基地局103のセル範囲104−I、セル範囲104−L、セル範囲104−M及びセル範囲104−Qには、標準追加閾値より低いパイロット追加閾値を割り当てる。さらに、範囲2402に属するが範囲2401に属さない基地局103のセル範囲104−H、及びセル範囲104−Rには、標準追加閾値と同じパイロット追加閾値を割り当てる。そして、範囲2402の外にある基地局103のセル範囲104(104−A〜104−G、104−J、104−K、104−N〜104−P、104−S〜104−Y)には、標準追加閾値より高いパイロット追加閾値を割り当てる。
前述の例において、各段階に割り当てるパイロット追加閾値は、標準追加閾値よりも低いパイロット追加閾値、標準追加閾値と同じパイロット追加閾値、又は、標準追加閾値よりも高いパイロット追加閾値が割り当てられたが、いずれの値を各範囲の基地局103に割り当ててもよい。
閾値制御部206は、予め図13の割り当てテーブルの行を増やすことによって、閾値制御部206は、パイロット追加閾値を段階的に割り当てることができる。
パイロット追加閾値を、予測移動経路からの距離に従って変更することによって、ハンドオフのし易さを、より柔軟に実装することができる。
例えば、移動局105が予測移動経路から外れた場合においても、予測移動経路から近い順にパイロット追加閾値を割り当てられているため、すぐにハンドオフし難くならない。すなわち、基地局制御装置102による予測がはずれ、移動局105が高い速度によって予測移動経路を外れた場合においても、ただちにパイロット追加閾値が高くなることがなく、移動局105は、ハンドオフ追加処理を比較的早く開始することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、パイロット追加閾値を下げることによって、予測移動経路上の基地局103のセル範囲104を拡大する。その結果、移動局105が高速に移動している場合においても、移動局105は、ハンドオフのための時間を十分に保持することができ、ハンドオフ成功率を上げることができる。
パイロット追加閾値を、移動速度によって段階的に下げることによって、ハンドオフが可能な距離を、移動速度によって伸ばすことが可能となり、ハンドオフのための一定の時間を確保することができる。
また、本実施形態によれば、パイロット追加閾値を上げることによって、予測移動経路外の基地局103のセル範囲104を縮小することができる。その結果、ハンドオフをする必要がない基地局103へのハンドオフを防ぐことができ、基地局103において処理しなければならないデータが削減される。また、その結果、基地局制御装置102、基地局103及び移動局105の無線リソース及びプロセッサ等のリソースの消費を抑えることができる。
さらに、パイロット追加閾値を、移動速度によって段階的に上げることによって、隣接するセル範囲104が重なる範囲を狭めることができ、無駄な通信を削減することができる。
また、移動局105の移動速度及び方角に基づいてパイロット追加閾値を制御するため、移動局105の周辺の地理情報データベースなどを用いることがない。このため、地理情報データベースを管理するための消費電力を削減し、運用コストを削減できる。また、地理情報データベースを用いないことによって、地理情報が変更された場合においても、効率的なハンドオフを行うことができる。
なお、前述の実施形態においては、1xEV−DOを用いたが、本発明はCDMAを使用した全ての移動体通信システム、例えば「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)によって提供されている、w−cdma規格にも適用することが可能である。
102、102−1、102−2 基地局制御装置
103、103−1〜103−4 基地局
104、104−1〜104−12、104−A〜104−Y セル範囲
105 移動局
201 受信部
202 移動局位置情報検出部
203 位置情報記憶メモリ部
204 移動局移動速度・方角検出部
205 基地局位置情報データベース
206 閾値制御部
207 送信部
301 GPSアンテナ
302 位置情報検出部
303 送信制御部
304 送信部
305 受信部
306 パイロット閾値検出部
307 閾値記憶メモリ部
308 閾値設定制御部
309 ハンドオフ制御部
310 パイロット検出部

Claims (14)

  1. 少なくとも一つの移動局と、前記移動局と無線によって通信する複数の基地局と、前記各基地局と接続される少なくとも一つの制御装置とを備える通信システムであって、
    前記制御装置は、
    前記各基地局の位置を示す位置情報を保持し、
    前記移動局の位置情報と、前記移動局が移動する速度及び移動する方角とを取得し、
    前記取得された移動局の位置情報と、移動する速度及び移動する方角と、前記保持された各基地局の位置情報とに基づいて、前記移動局が通過する範囲を予測し、
    前記予測された移動局が通過する範囲に位置する、第1の基地局を抽出し、
    前記第1の基地局に関するハンドオフを前記移動局が開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の閾値を決定することを特徴とする通信システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記複数の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第1の閾値を保持し、
    前記複数の基地局と前記移動局との通信を切断するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第2の閾値を保持し、
    前記第1の閾値を、標準値と異なる値に決定し、
    前記第2の閾値を、標準値と同じ値に決定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記移動局の位置を示す位置情報を、少なくとも二回、前記移動局から前記各基地局を介して受信し、
    前記少なくとも二回受信された位置情報を用いて算出された、前記移動局が移動する速度及び移動する方角を取得し、
    前記第1の閾値を、標準値より低い値に決定することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記予測された移動局が通過する範囲に位置しない第2の基地局を抽出し、
    前記第2の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第3の閾値を、標準値より高い値に決定することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記予測された移動局が通過する範囲からの距離に近い順に、前記複数の基地局から、第3の基地局、第4の基地局、及び第5の基地局を抽出し、
    前記第3の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第4の閾値を、標準値より低い値に決定し、
    前記第4の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第5の閾値を、標準値と同じ値に決定し、
    前記第5の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第6の閾値を、標準値より高い値に決定することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記制御装置は、前記取得された移動する速度が高い程、前記第1の閾値を低い値に決定することを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 少なくとも一つの移動局と無線によって通信する複数の基地局と、接続される少なくとも一つの制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記各基地局の位置を示す位置情報を保持し、
    前記移動局の位置情報と、前記移動局が移動する速度及び移動する方角とを取得し、
    前記取得された移動局の位置情報と、移動する速度及び移動する方角と、前記保持された各基地局の位置情報とに基づいて、前記移動局が通過する範囲を予測し、
    前記予測された移動局が通過する範囲に位置する、第1の基地局を抽出し、
    前記第1の基地局に関するハンドオフを前記移動局が開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の閾値を決定することを特徴とする制御装置。
  8. 前記制御装置は、
    前記複数の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第1の閾値を保持し、
    前記複数の基地局と前記移動局との通信を切断するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第2の閾値を保持し、
    前記第1の閾値を、標準値と異なる値に決定し、
    前記第2の閾値を、標準値と同じ値に決定することを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記移動局の位置を示す位置情報を、少なくとも二回、前記移動局から前記各基地局を介して受信し、
    前記少なくとも二回受信された位置情報を用いて算出された、前記移動局が移動する速度及び移動する方角を取得し、
    前記第1の閾値を、標準値より低い値に決定することを特徴とする請求項8に記載の制御装置。
  10. 前記制御装置は、
    前記予測された移動局が通過する範囲に位置しない第2の基地局を抽出し、
    前記第2の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第3の閾値を、標準値より高い値に決定することを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記制御装置は、
    前記予測された移動局が通過する範囲からの距離に近い順に、前記複数の基地局から、第3の基地局、第4の基地局、及び第5の基地局を抽出し、
    前記第3の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第4の閾値を、標準値より低い値に決定し、
    前記第4の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第5の閾値を、標準値と同じ値に決定し、
    前記第5の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを、前記移動局に判定させるための電力強度の第6の閾値を、標準値より高い値に決定することを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記制御装置は、前記取得された移動する速度が高い程、前記第1の閾値を低い値に決定することを特徴とする請求項11に記載の制御装置。
  13. 少なくとも一つの移動局と無線によって通信する複数の基地局と、接続される少なくとも一つの制御装置とによる制御方法であって、
    前記制御装置は、前記各基地局の位置を示す位置情報を保持し、
    前記方法は、
    前記制御装置が、前記移動局の位置情報と、前記移動局が移動する速度及び移動する方角とを取得する手順と、
    前記制御装置が、前記取得された移動局の位置情報と、移動する速度及び移動する方角と、前記保持された各基地局の位置情報とに基づいて、前記移動局が通過する範囲を予測する手順と、
    前記制御装置が、前記予測された移動局が通過する範囲に位置する、第1の基地局を抽出する手順と、
    前記制御装置が、前記第1の基地局に関するハンドオフを前記移動局が開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の閾値を決定する手順とを含むことを特徴とする制御方法。
  14. 前記制御装置は、
    前記複数の基地局と前記移動局とが通信するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第1の閾値を保持し、
    前記複数の基地局と前記移動局との通信を切断するためのハンドオフを開始するか否かを、前記移動局に判定させるための電力強度の第2の閾値を保持し、
    前記電力強度の閾値を決定する手順は、
    前記制御装置が、前記第1の閾値を、標準値と異なる値に決定する手順と、
    前記制御装置が、前記第2の閾値を、標準値と同じ値に決定する手順とを含むことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
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