JP2012110999A - プロテクター締め付け装置及びプロテクター締め付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロテクター締め付け装置1は、ねじ付管2を保持する保持部3と、ねじ付管2のねじ部21に螺着されるプロテクター41を把持して回転させる締め付け本体部4とを備えている。締め付け本体部4は、プロテクター41を把持するプロテクターチャック42と、プロテクターチャック42を回転させるサーボモータ43と、制御部44とを有している。制御部44は、トルクが予め定められたトルク制限値に達するとトルクをトルク制限値に保持するトルク制御を開始し、トルク制御の開始から予め定められた所定時間経過した後にサーボモータ43の回転速度の設定値を零に減少させる回転停止制御を開始し、サーボモータ43の回転速度の設定値が零になるとトルク制御を停止する。
【選択図】図2
Description
このプロテクターを一定範囲内のトルクで締め付ける作業を、トルクレンチを用いて人力で行う場合、極めて非効率的な作業となる。
また、締め付けのトルクの制御を自動で行う装置として、例えば、特許文献1〜5に記載の装置が知られているが、いずれの装置においても締め付けのトルクの制御を精度よく行うことができない。
プロテクター締め付け装置1は、ねじ付管2を固定保持する保持部3と、ねじ付管2の管端に設けられたねじ部21に螺着されるプロテクター41を把持して回転させる締め付け本体部4とを備えている。
保持部3は、ねじ付管2を周囲より保持するパイプクランプ31を有しており、種々の外径のねじ付管2を保持する。
締め付け本体部4は、プロテクター41を把持する回転自在なプロテクターチャック42と、プロテクターチャック42を回転させるサーボモータ(モータ)43と、サーボモータ43等の各部位の動作を制御する制御部44とを有している。プロテクターチャック42とサーボモータ43とは、減速ギア45とプロテクターチャック駆動軸47とによって接続されており、サーボモータ43の回転速度が減速されてプロテクターチャック42に伝達される。
締め付け本体部4は、パイプクランプ31に保持されたねじ付管2の芯の位置と、プロテクター41の芯の位置とを合わせられるように、上下方向及びパイプクランプ31に向かって左右方向(図1において紙面に垂直な方向)にシリンダ等(図示せず)によって移動可能である。また、締め付け本体部4は、シリンダ等(図示せず)によって保持部3に向かって前進及び後退可能であり、プロテクター41の螺着時には、制御部44は、締め付け本体部4を保持部3に向かって前進させる。サーボモータ43には、サーボモータ43に流れる電流値に基づいてトルクを検出するトルク検出回路部43a(トルク検出部)が設けられており、トルク検出回路部43aは検出したトルクを制御部44に伝達する。制御部44は、トルク検出回路部43aから伝達されたトルクに基づいてサーボモータ43のトルクを制御する。また、制御部44は、サーボモータ43に設けられた回転速度センサ(図示せず)が検出した回転速度に基づいてサーボモータ43の回転速度を制御する。プロテクターチャック駆動軸47には、トルク検出器46が設けられており、トルク検出器46は検出したトルクを制御部44に伝達する。制御部44は、トルク検出器46から伝達されたトルクを記憶する。トルク検出器46は、例えば、プロテクターチャック駆動軸47に圧電体を取り付け、プロテクターチャック駆動軸47に発生する歪からトルクを検出するトルクセンサである。なお、トルク検出回路部43aは、制御部44の中に設けても良い。
図2及び3は、プロテクター41の締め付け時のプロテクター締め付け装置1の状態を経時的に示す図であり、上から順にサーボモータ43の回転速度設定値の推移、プロテクターチャック42の開閉動作、トルク制御のオン/オフ、トルクの推移を示す。
図2は、トルクがトルク制限値に達すると直ぐにサーボモータの回転速度の設定値を零にする回転停止制御を開始する制御方法の場合のトルクの推移を示す。
ねじ付管2へのプロテクター41の螺着は、最初にパイプクランプ31に任意の外径のねじ付管2が保持される。プロテクターチャック42には、パイプクランプ31に保持されたねじ付管2の外径とねじ形状等に応じたプロテクター41が把持される。締め付け本体部4は、ねじ付管2とプロテクター41の両者の芯の位置が合うように、上下方向及びパイプクランプ31に向かっての左右方向の位置を調整される。続いて、制御部44は、締め付け本体部4を保持部3に向かって前進させると共にサーボモータ43の回転を開始する。
プロテクター41がねじ付管2の管端に当接すると、螺着が開始される。制御部44は、トルク検出回路部43aから伝達されたトルクが予め定められたトルク制限値を超えないようにサーボモータ43のトルクを制御する。サーボモータ43のトルク制限値は、プロテクター41がねじ付管2のねじ部21を締め付けるトルクの設定値から決められ、プロテクター41がねじ付管2のねじ部21を過剰なトルクで締め付けないように設定されている。
このトルクの減少を、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、ねじ付管2のねじ部21にプロテクター41が螺着される状態を示す。図5(a)は、ねじ付管2のねじ部21の先端がプロテクター41の底部41aに当接したときの、ねじ部21とプロテクター41との接触状態を示す断面図であり、図5(b)は、サーボモータ43のトルクがトルク制限値に到達したときの、ねじ部21とプロテクター41との接触状態を示す断面図である。尚、ねじ部21はテーパねじであり、プロテクター41の内周面もテーパねじに応じた形状となっているが、図5(a)(b)では、簡略化のために、ねじ部21の形状をテーパねじの形状でなく平行ねじの形状とした(以下の図5(c)も同じ)。
ねじ付管2のねじ部21の先端がプロテクター41の底部41aに当接した後、プロテクター41の回転が続くので、プロテクター41は底部41aと各ねじ山との間がねじ付管2の管軸方向に伸ばされる力を受けて弾性変形し(図4)、その反力Pによるねじ部21のフランク面21aとの摩擦力によって締め付け力が発生する(図5(a))。
トルクがトルク制限値に達した後も、所定時間経過してサーボモータ43の回転停止制御を開始するまでトルクがトルク制限値に保持されると、プロテクター41のフランク面41bは、大きく塑性変形し、ねじ部21のフランク面21aとの接触面積が大きくなる。このために、サーボモータ43の回転速度の設定値が零になりトルク制御が停止したとき、プロテクター41のねじ表面にかかる面圧が小さいのでプロテクター41は塑性変形しない。従って、プロテクター41の周方向のねじれによるエネルギーは、全て反力としてねじ部21に伝えられるため、トルクが大きく減少せずにトルク制限値の近傍に維持される。即ち、プロテクター41のねじ表面にかかる面圧が小さいために、プロテクター41のねじ表面は塑性変形せず、プロテクターチャック42の回転エネルギーは、全てプロテクター41のねじ内部が弾性変形するために消費されることになり、プロテクター41の締め付けのトルクが設定値の近傍に維持される。
21・・・ねじ部
41・・・プロテクター
42・・・プロテクターチャック
43・・・サーボモータ(モータ)
43a・・・トルク検出回路部(トルク検出部)
44・・・制御部
46・・・トルク検出器(トルク検出部)
Claims (2)
- 管端に設けられたねじ部にプロテクターを螺着させて締め付けるプロテクター締め付け装置であって、
前記プロテクターを把持するプロテクターチャックと、
前記プロテクターチャックを回転させ、該プロテクターを前記ねじ部に螺着させるモータと、
前記モータのトルクを検出するトルク検出部と、
前記モータの回転速度とトルクとを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記プロテクターが前記ねじ部に螺着されるときに、前記トルク検出部によって検出されたトルクが予め定められたトルク制限値に達すると、前記トルクを前記トルク制限値に保持するトルク制御を開始し、前記トルク制御の開始から予め定められた所定時間経過した後に前記モータの回転速度の設定値を零に減少させる回転停止制御を開始し、該モータの回転速度の設定値が零になると該トルク制御を停止することを特徴とするプロテクター締め付け装置。 - 管端に設けられたねじ部にプロテクターを螺着させて締め付けるプロテクター締め付け方法であって、
前記プロテクターをプロテクターチャックによって把持し、
前記プロテクターチャックをモータによって回転させて該プロテクターを前記ねじ部に螺着させ、
前記螺着をさせるときに、前記モータのトルクが予め定められたトルク制限値に達すると、前記トルクを前記トルク制限値に保持するトルク制御を開始し、前記トルク制御の開始から予め定められた所定時間経過した後に前記モータの回転速度の設定値を零に減少させる回転停止制御を開始し、該モータの回転速度の設定値が零になると該トルク制御を停止することを特徴とするプロテクター締め付け方法。
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