JP2012110811A - 変性物、燃料電池用電極触媒、膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

変性物、燃料電池用電極触媒、膜電極接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素還元触媒活性が高く、燃料電池用電極触媒として好適な新規の変性物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体の含有物を、500℃以上で変性処理して得られたことを特徴とする変性物(式中、Q〜Qは、それぞれ独立に、結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に環を形成する基であり;R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである)。
Figure 2012110811

【選択図】なし

Description

本発明は、変性物、該変性物を含む組成物、該変性物又は組成物を含む触媒、該触媒からなる燃料電池用電極触媒、該燃料電池用電極触媒を用いた膜電極接合体、及び該膜電極接合体を用いた燃料電池に関する。
ある種の金属錯体の変性物は、レドックス触媒として作用することから、様々な化合物の製造時の材料や、添加剤、改質剤、電池、センサー、エレクトロルミネッセンス素子等の材料として使用されている。このような変性物としては、配位子としてフタロシアニン又はポルフィリン等の大環状骨格を有する金属錯体を、カーボン担体と共に加熱処理することにより得られたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−205393号公報
しかし、上述の変性物は、酸素還元触媒活性が不十分であり、例えば、燃料電池用電極触媒には不向きであるという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素還元触媒活性が高く、燃料電池用電極触媒として好適な新規の変性物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、下記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体の含有物を、500℃以上で変性処理して得られたことを特徴とする変性物を提供する。
Figure 2012110811
(式中、Q〜Qは、それぞれ独立に、結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に環を形成する基であり;R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
本発明の変性物においては、前記Mにおける金属原子又は金属イオンの金属種が、バナジウム、鉄、コバルト又は銅であることが好ましい。
本発明の変性物においては、前記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体が、下記一般式(2)で表されるベンゾポルフィリン錯体であることが好ましい。
Figure 2012110811
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり、複数のR〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
本発明の変性物においては、前記ポルフィリン錯体の含有物が、さらにカーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明の変性物においては、前記変性処理が600〜1200℃での加熱処理であることが好ましい。
また、本発明は、上記本発明の変性物と、カーボンブラック及び/又は高分子化合物と、を含むことを特徴とする組成物を提供する。
また、本発明は、上記本発明の変性物又は組成物を含むことを特徴とする触媒を提供する。
また、本発明は、上記本発明の触媒からなることを特徴とする燃料電池用電極触媒を提供する。
また、本発明は、上記本発明の燃料電池用電極触媒から得られる触媒層を備えたことを特徴とする膜電極接合体を提供する。
また、本発明は、上記本発明の膜電極接合体を備えたことを特徴とする燃料電池を提供する。
本発明により、酸素還元触媒活性が高い新規の変性物を提供できる。本発明の変性物は、例えば、燃料電池用電極触媒として好適である。
<変性物>
本発明の変性物は、下記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体(以下、ポルフィリン錯体(1)と略記することがある)の含有物を、500℃以上で変性処理して得られたことを特徴とする。
Figure 2012110811
(式中、Q〜Qは、それぞれ独立に、結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に環を形成する基であり;R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
(ポルフィリン錯体(1))
ポルフィリン錯体(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Q、Q、Q及びQは、それぞれ独立に、結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に環を形成する基である。すなわち、Qは、ポルフィリン骨格を構成するピロール環の3位及び4位の炭素原子と結合し、これら炭素原子と共に環を形成している。Q〜Qも同様である。
1〜Q4の好ましいものとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基が例示できる。
〜Qにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよいし、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記炭化水素基が環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記炭化水素基が不飽和炭化水素基である場合、不飽和結合(二重結合、三重結合)の数及び位置は特に限定されない。
〜Qが置換基を有するとは、Q〜Qの一つ以上の炭素原子が置換基で置換されているか、又は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていることを指し、炭素原子及び水素原子が共に置換基で置換されていてもよい。
炭素原子を置換する前記置換基としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が例示できる。
水素原子を置換する前記置換基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲノ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;メルカプト基;スルホン酸基;ニトロ基;ホスホン酸基;炭素数1〜4のアルキル基を有するシリル基;アルキル基;アルコキシ基;アリール基が例示できる。
水素原子を置換する前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。前記アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、シクロへキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、n−オクチル基、イソオクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロデシル基、アダマンチル基、イソボルニル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等の炭素数1〜50のアルキル基が例示できる。
水素原子を置換する前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等の、炭素数1〜50の前記アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
水素原子を置換する前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基等の炭素数6〜60のアリール基が例示できる。
水素原子を置換する前記置換基は、ハロゲノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、クロロ基、ブロモ基、カルボキシル基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基であることがより好ましい。
炭素原子を置換する前記置換基、水素原子を置換する前記置換基は、いずれもその数及び位置は特に限定されず、前記置換基が複数の場合にはすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部が同じでもよい。
〜Qは、これらが結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に、芳香環又は芳香族複素環を形成していることが好ましく、これら芳香環又は芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。ここで置換基は、前記炭化水素基が有していてもよい置換基と同様である。
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基である。
〜Rにおけるヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよいし、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれでもよい。前記炭化水素基が環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記炭化水素基が不飽和炭化水素基である場合、不飽和結合(二重結合、三重結合)の数及び位置は特に限定されない。
前記ヒドロカルビル基の好ましいものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基が例示できる。
〜Rにおけるアルキル基及びアリール基は、水素原子を置換する前記アルキル基と同様である。
〜Rにおけるアルケニル基又はアルキニル基としては、前記アルキル基の炭素原子間の一つの単結合が二重結合又は三重結合に置換されたものが例示できる。
〜Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基又は9−アントリル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
式中、Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。該金属原子又は金属イオンの金属種は、変性物の触媒活性が優れる点から、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛であることが好ましく、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅であることがより好ましく、バナジウム、鉄、コバルト又は銅であることが特に好ましい。
好ましいポルフィリン錯体(1)の具体例としては、下記一般式(1−a)〜(1−g)で表されるものが例示でき、これらの中でも、熱安定性の観点から、下記一般式(1−a)〜(1−f)で表されるものがより好ましく、下記一般式(1−a)〜(1−e)で表されるものがさらに好ましく、下記一般式(1−a)〜(1−c)で表されるものが特に好ましく、下記一般式(1−a)で表されるものがとりわけ好ましい。これらポルフィリン錯体(1)は、一つ以上の水素原子が前記置換基で置換されていてもよい。
Figure 2012110811
Figure 2012110811
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
前記一般式(1−a)〜(1−g)において、R〜R及びMは、前記一般式(1)におけるR1〜R4及びMと同様である。
なかでも、ポルフィリン錯体(1)としては、下記一般式(2)で表されるベンゾポルフィリン錯体が好ましい。
Figure 2012110811
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり、複数のR〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり、前記一般式(1)におけるR〜Rと同様である。また、R〜Rも、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり、前記一般式(1)におけるR〜Rと同様である。
複数のR〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。すなわち、4個のRは、すべて同一でも異なっていてもよく、一部が異なっていてもよい。R〜Rも同様である。
〜Rは、それぞれ4個のうち2〜4個が水素原子であることが好ましく、3〜4個が水素原子であることがより好ましく、4個すべてが水素原子であることが特に好ましい。
ポルフィリン錯体(1)は、分子全体として電荷の総和がゼロであることが好ましい。したがって、Mが金属イオンである場合には、ポルフィリン錯体(1)は、対イオン(アニオン)を有していてもよい。そして、ポルフィリン錯体(1)は、中性分子を有していてもよい。
前記対イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫化物イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオン、チオシアン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、アセチルアセトナート、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオンが例示できる。
これらの中でも、前記対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、アセチルアセトナート、テトラフェニルホウ酸イオンが好ましい。
前記中性分子としては、溶媒和して溶媒和塩を形成する分子が例示でき、具体的には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、2−メトキシエタノール、1,1−ジメチルエタノール、エチレングリコール、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メチルエチルエーテル、1,4−ジオキサンが例示できる。
これらの中でも、前記中性分子としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノ−ル、エチレングリコール、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンが好ましい。
ポルフィリン錯体(1)1分子が2個以上の前記中性分子又は対イオンを有する場合、前記中性分子のみを有していてもよいし、前記対イオンのみを有していてもよく、前記中性分子及び対イオンを共に有していてもよい。
ポルフィリン錯体(1)1分子が2個以上の前記中性分子を有する場合、これら中性分子は一種でもよいし、二種以上でもよい。同様に、ポルフィリン錯体(1)1分子が2個以上の前記対イオンを有する場合、これら対イオンは一種でもよいし、二種以上でもよい。
前記ポルフィリン錯体(1)の含有物は、ポルフィリン錯体(1)以外にその他の成分を含んでいてもよい。好ましい前記その他の成分としては、担体が例示できる。担体を併用して、ポルフィリン錯体(1)を担体に分散させることで、酸素還元触媒活性がより高い変性物が得られる。
前記担体は、表面積が大きいものほど好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、カーボン、チタニア、ジルコニアが例示でき、シリカ、アルミナ、カーボン又はチタニアであることがより好ましく、アルミナ又はカーボンであることがさらに好ましく、カーボンであることが特に好ましい。
前記カーボンとは、炭素材料全般を意味するが、本発明の変性物を触媒用として使用する場合には、導電性を有するカーボン(導電性カーボン)が好ましい。導電性カーボンは一般的に、炭化水素ガス、石油、原油、ピッチ等を1250℃以上の高温下で燃焼させることにより製造できる。そして、高温で燃焼させるほどカーボンのグラファイト化がより進むことから、燃焼温度は1300℃以上が好ましく、1400℃以上がより好ましく、1500℃以上が特に好ましい。
導電性カーボンとして具体的には、黒鉛、無定形炭素、カーボンブラックが例示でき、これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。そして、カーボンブラックとしては、ノーリット(商標登録)、ケッチェンブラック(商標登録)、バルカン(商標登録)、ブラックパール(商標登録)、アセチレンブラック(商標登録)等の導電性カーボン粒子が好ましく、ケッチェンブラック(商標登録)、バルカン(商標登録)、ブラックパール(商標登録)、アセチレンブラック(商標登録)がより好ましく、ケッチェンブラック(商標登録)、バルカン(商標登録)が特に好ましい。なお、前記導電性カーボンとしては、窒素で化学修飾した窒素修飾導電性カーボンを用いてもよい。
前記導電性カーボンの導電率は、1×10−2S/cm以上であることが好ましく、1×10−1S/cm以上であることがより好ましく、1S/cm以上であることがさらに好ましく、10S/cm以上であることが特に好ましい。
前記担体等のその他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
(変性処理)
次に、変性処理について説明する。
本発明の変性物は、前記ポルフィリン錯体(1)の含有物(通常、固形分からなる。)を、500℃以上で変性処理して得られたものである。このように、ポルフィリン錯体(1)を変性物とすることにより、水への溶解性をより低くすることができる。
変性処理において、ポルフィリン錯体(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポルフィリン錯体(1)の含有物が前記その他の成分を含む場合、該含有物の調製方法は特に限定されず、例えば、各配合成分をそれぞれ適切な分散媒に分散させてから、これらを混合することで調製してもよいし、同じ分散媒に各配合成分を加えて混合することで調製してもよく、乾式で混練することで調製してもよい。ただし、分散媒を使用した場合には、混合して得られた分散物からこの分散媒を除去することで、前記混合物とする。分散媒は、例えば、常圧下又は減圧下において、室温で又は加熱して分散物を乾燥させることで除去できる。すなわち、本明細書において変性処理に供する「ポルフィリン錯体(1)の含有物」には、分散媒は含まれないものとする。
これらの中でも、より均質なポルフィリン錯体(1)の含有物が得られることから、各配合成分をそれぞれ適切な分散媒に分散させてから混合するか、又は同じ分散媒に各配合成分を加えて混合することで調製する方法が好ましい。
前記含有物における固形分中のポルフィリン錯体(1)の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、前記含有物における固形分中のポルフィリン錯体(1)の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
また、前記含有物における固形分中の前記担体の含有量は、担体の種類や変性物の用途に応じて適宜調節すればよいが、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、前記含有物における固形分中の担体の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
変性処理は、500℃以上で、少なくとも加熱することで行うが、該加熱処理に加えて、放射線照射処理及び放電処理のいずれか一方又は両方を組み合わせて行ってもよい。ただし、加熱処理のみでも十分な効果が得られる。
変性処理は、前記含有物を予め15〜200℃で、6時間以上乾燥させた後に行うことが好ましい。
変性処理は、処理前後の前記含有物の質量減少率(すなわち、処理前の前記含有物の質量に対する、処理で得られた変性物の質量の減少率)が、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、特に好ましくは5%以上となるまで行えばよい。また、質量減少率の上限は、80%が好ましく、70%がより好ましく、60%が特に好ましい。
処理後の変性物は、炭素含有率が高いと安定性により優れる。このような観点から、処理後の変性物は、炭素含有率が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、40質量%以上であることがとりわけ好ましい。
変性物の炭素含有率は、例えば、前記含有物中の担体としてのカーボンの含有量を高くすることで、又は変性処理の温度を高くすることで、高くできる。
変性処理の温度は、600℃〜1200℃であることが好ましい。このようにすることで、前記含有物をより十分に変性させることができる。さらに、変性処理の下限温度は、700℃であることがより好ましく、800℃であることが特に好ましい。そして、変性処理の上限温度は、1100℃であることがより好ましく、1000℃であることが特に好ましい。
変性処理は、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アンモニアガス、空気、酸素ガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、アセトニトリルガス、又はこれらから選択される二種以上の混合ガス雰囲気下で行うのが好ましく、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アンモニアガス、空気、酸素ガス、ネオンガス、アルゴガスン、又はこれらから選択される二種以上の混合ガス雰囲気下で行うのがより好ましく、水素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、アルゴンガス、又はこれらから選択される二種以上の混合ガス雰囲気下で行うのが特に好ましい。
変性処理の時間は、処理時の雰囲気、温度等に応じて適宜調整すればよい。例えば、変性処理時には、前記雰囲気とするためのガスで満たした状態又は該ガスを通気させた状態において、室温から徐々に温度を上昇させ、目的とする温度に到達した後、直ちに温度を低下させてもよいが、目的とする温度に到達した後、この温度を所定時間保持することが好ましい。このように加熱することで、より十分に変性処理できる。前記温度の保持時間は、30分〜100時間であることが好ましく、1〜40時間であることがより好ましく、1〜10時間であることがさらに好ましく、1〜3時間であることが特に好ましい。
前記加熱処理は、例えば、オーブン、ファーネス、IHホットプレート等の装置を使用して、常法により行えばよい。
前記放射線照射処理は、α線、β線、中性子線、電子線、γ線、X線、電波、マイクロ波、レーザー等の電磁波、あるいは粒子線等の放射線を照射して行えばよく、X線、電子線、マイクロ波、レーザーを照射するのが好ましく、マイクロ波、レーザーを照射するのがより好ましい。
前記放電処理は、コロナ放電、グロー放電、プラズマ(低温プラズマを含む)等による処理が例示でき、低温プラズマによる処理が好ましい。
前記放射線照射処理及び放電処理は、いずれも一種のみを行ってもよいし、二種以上を行ってもよい。二種以上を行う場合、これら処理を同時に行ってもよいし、一種ずつ順次行ってもよい。
なお、前記放射線照射処理及び放電処理は、通常、高分子フィルムの表面を改質処理する際に用いる機器及び方法を適用して行うことが可能であり、例えば、「日本接着学会編、「表面解析・改質の化学」、日刊工業新聞社、2003年12月19日発行」等に記載された方法で行うことができる。
<組成物>
本発明の変性物は、そのまま単独で使用してもよいし、さらにその他の成分と併用して組成物として使用してもよい。組成物とする場合、好ましい前記その他の成分としては、担体、高分子化合物が例示できる。前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
変性物と併用する前記担体は、変性物の製造に使用する前記担体と同様であり、カーボンであることが好ましく、導電性カーボンであることがより好ましく、カーボンブラックであることが特に好ましい。そして、変性物と併用する前記担体は、変性物の製造に使用した前記担体と同じでもよいし、異なっていてもよい。
前記組成物において、前記変性物100質量部に対する、担体の配合量は、10〜300質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましい。
前記高分子化合物としては、各種樹脂が例示でき、バインダー樹脂が好ましい。好ましい前記高分子化合物として、具体的には、ナフィオン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・エーテル)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリベンズイミダゾール、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリピリジン、及びこれら重合体にスルホン酸基が導入されたものが例示でき、イオン交換樹脂として機能するものがより好ましく、ナフィオン(登録商標)、及び前記各重合体にスルホン酸基が導入されたものがより好ましい。
前記組成物において、高分子化合物の含有量は、前記変性物100質量部に対して、10〜300質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましい。
前記組成物は、例えば、高分子化合物を含むものが後述する触媒、特に燃料電池用電極触媒として好適であり、酸素還元触媒活性に優れる。
前記変性物及び組成物は、いずれも常法で加工することにより、形状を変化させることができる。
<触媒>
本発明の触媒は、前記変性物又は組成物を含むことを特徴とし、燃料電池用電極触媒として使用できる。
前記触媒中の変性物及び組成物は、いずれも一種でもよいし二種以上でもよい。
前記触媒は、前記変性物及び組成物以外に、その他の成分を含んでいてもよい。
前記触媒中の変性物及び組成物の総含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。
<変性物、組成物及び触媒の用途>
本発明の変性物、組成物及び触媒(以下、変性物等と略記する)は、酸素添加反応、酸化カップリング反応、脱水素反応、水素添加反応、酸化物分解反応等の、電子移動を伴うレドックス反応における触媒(レドックス触媒)として作用する。したがって、有機合成反応の触媒として有用であり、その他にも、添加剤、改質剤、電池、センサー材料、エレクトロルミネッセンス(EL)材料等の用途にも好適である。
なかでも本発明の変性物等は、レドックス触媒として用いることが好ましく、具体的には、燃料電池用電極触媒(例えば、固体高分子電解質型燃料電池用の電極触媒)、膜劣化防止剤(例えば、水電気分解用のイオン伝導膜の劣化防止剤)、過酸化水素等の過酸化物の分解触媒、芳香族化合物の酸化カップリング触媒、排ガス及び排水の浄化用触媒(例えば、脱硫・脱硝触媒)、色素増感太陽電池の酸化還元触媒、二酸化炭素の還元触媒、改質水素製造用触媒、酸素センサー、医農薬や食品の抗酸化剤等として特に有用である。
例えば、本発明の燃料電池用電極触媒を、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、又はこれらから選択される二種以上の混合液に分散させたのち、ナフィオン(登録商標)等の電解質膜上にダイコーターやスプレーを用いて塗布するか、あるいは、本発明の燃料電池用電極触媒を適当な大きさ及び形状に成型したのち、前記電解質膜上に熱転写して圧着させることにより、膜電極接合体を作製できる。このような燃料電池用電極触媒から得られる触媒層を備えた膜電極接合体は、セパレータ、ガスケット、集電板と組み合わせて、エンドプレート等で固定することで、燃料電池セルとして用いることができる。
また、本発明の触媒を芳香族化合物の酸化カップリング触媒として用いる場合、ポリフェニレンエーテルやポリカーボネート等のポリマー製造に関わる触媒として好適である。前記触媒は、例えば、反応液に直接添加したり、ゼオライトやシリカ等に担持させて使用できる。
また、本発明の触媒を脱硫・脱硝触媒として用いる場合には、前記触媒を、例えば、工場の排ガスの通気塔に充填したり、自動車のマフラーに充填すればよい。
また、本発明の変性物等は、改質水素中のCO(一酸化炭素)を変成させる触媒としても好適である。改質水素中には、通常COなどが含まれており、改質水素を燃料電池で使用する場合、燃料極がCOの被毒を受けることが問題となるので、COの濃度を極力低減することが望まれる。本発明の変性物等をこのような用途で使用する場合、具体的には、例えば、「Chemical Communication,3385(2005)」に記載の方法等が適用できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例1]
<ポルフィリン錯体(2−a)の製造>
ポルフィリン錯体(2−a)を以下の反応式に従って合成し、製造した。
Figure 2012110811
窒素雰囲気下において、0.030gのベンゾポルフィリン(フロンティアサイエンティフィック社製、製品コードT510)と0.015gの酢酸コバルト4水和物とを含んだN,N’−ジメチルホルムアミド10mL溶液を100mLのナスフラスコに入れ、130℃に加熱しながら21時間攪拌したところ、褐色固体が生成した。反応溶液を、100mLのジエチルエーテルで再沈殿した後、乾燥させることにより、ポルフィリン錯体(2−a)0.015gを得た。
ポルフィリン錯体(2−a)のエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)のデータを以下に示す。
ESI−MS[M+]:567.0
[製造例2]
<ポルフィリン錯体(2−b)の製造>
ポルフィリン錯体(2−b)を以下の反応式に従って合成し、製造した。
Figure 2012110811
窒素雰囲気下において、0.030gのベンゾポルフィリンと0.015gの酢酸鉄とを含んだN,N’−ジメチルホルムアミド10mL溶液を100mLのナスフラスコに入れ、130℃に加熱しながら21時間攪拌したところ、黒色固体が生成した。反応溶液を、100mLのジエチルエーテルで再沈殿した後、乾燥させることにより、ポルフィリン錯体(2−b)を0.009g得た。
ポルフィリン錯体(2−b)のESI−MSのデータを以下に示す。
ESI−MS[M+]:563.9
[実施例1]
<変性物(a11)の製造>
窒素雰囲気下において、0.020gのポルフィリン錯体(2−a)を含んだエタノール10mL溶液に、カーボン担体(商品名:ケッチェンブラック(商標登録)EC600JD、ライオン社製)を、ポルフィリン錯体(2−a):カーボン担体=1:4の質量比となるように混合し、得られた混合液を、室温にて攪拌後、200Paの減圧下で12時間乾燥させることにより、ポルフィリン錯体(2−a)の含有物(a1)を得た。
次いで、含有物(a1)を、管状炉を用いて、窒素雰囲気下、800℃で1時間加熱することにより、変性物(a11)を得た。用いた管状炉及び加熱条件を以下に示す。また、含有物(a1)の加熱処理前後の質量減少率(%)、及び変性物(a11)の炭素含有率(質量%)を表1に示す。
管状炉:プログラム制御開閉式管状炉EPKRO−14R(いすゞ製作所製)
熱処理雰囲気:窒素ガスフロー(200mL/分)
昇温速度及び降温速度:200℃/時間
[実施例2]
<変性物(b11)の製造>
ポルフィリン錯体(2−a)に代えて、ポルフィリン錯体(2−b)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、ポルフィリン錯体(2−b)の含有物(b1)、及び変性物(b11)を得た。含有物(b1)の加熱処理前後の質量減少率(%)、及び変性物(b11)の炭素含有率(質量%)を表1に示す。
Figure 2012110811
[比較例1]
<変性物(ra11)の製造>
窒素雰囲気下において、0.020gの5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンコバルト(III)(アルドリッチ社製、製品コード252190)を含むエタノール10mL溶液に、カーボン担体(商品名:ケッチェンブラック(商標登録)EC600JD、ライオン社製)を、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンコバルト(III):カーボン担体=1:4の質量比となるように混合し、得られた混合液を、室温にて攪拌後、200Paの減圧下で12時間乾燥させることにより、比較用である5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンコバルト(III)の含有物(ra1)を調製した。
次いで、含有物(a1)に代えて、含有物(ra1)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較用の変性物(ra11)を得た。
<酸素還元能の評価>
(測定用電極の作製)
電極として、ディスク部がグラッシーカーボン(直径4.0mm)、リング部が白金(リング内径5.0mm、リング外径7.0mm)であるリングディスク電極を使用して、下記手順に従って測定用電極を作製した。
すなわち、変性物(a11)、変性物(b11)又は変性物(ra11)2mgを入れたサンプル瓶へ、水0.6mL、エタノール0.4mL、ナフィオン(登録商標)溶液(Aldrich社製、5質量%溶液)20μLを加えた後、超音波で分散させた。得られた懸濁液4.4μLを前記電極のディスク部に滴下した後、室温にて12時間乾燥させることにより、測定用電極を得た。
(回転リングディスク電極による酸素還元能の評価)
前記測定用電極を回転させることにより、その時点での酸素還元反応の電流値の測定・評価を行った。電流値の測定は、室温において、酸素を飽和させた状態、窒素を飽和させた状態でそれぞれ行い、酸素を飽和させた状態での測定で得られた電流値から、窒素を飽和させた状態での測定で得られた電流値を引いた値を酸素還元の電流値とした。そして、得られた酸素還元の電流値から、可逆水素電極に対して0.6Vにおける電流密度を算出し、その値から酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。なお、測定装置及び測定条件は、それぞれ以下の通りである。
測定装置:
RRDE−2回転リングディスク電極装置、ALSモデル701Cデュアル電気化学アナライザー(いずれも、ビー・エー・エス株式会社製)
測定条件:
セル溶液:0.05モル/L硫酸水溶液(酸素飽和)
溶液温度:25℃
参照電極:銀/塩化銀電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:5mV/秒
電極回転速度:600rpm
Figure 2012110811
表2に示す結果から明らかなように、本発明の変性物は、電流密度が高いことから、従来の変性物に比べ酸素還元能(すなわち、酸素還元触媒活性)に優れ、燃料電池用電極触媒等として好適であることが確認できた。
本発明は、レドックス触媒として利用可能であり、特に、燃料電池用電極触媒、膜劣化防止剤、過酸化物の分解触媒、芳香族化合物の酸化カップリング触媒、排ガス及び排水の浄化用触媒、色素増感太陽電池の酸化還元触媒、二酸化炭素の還元触媒、改質水素製造用触媒、酸素センサー、医農薬や食品の抗酸化剤等として有用である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体の含有物を、500℃以上で変性処理して得られたことを特徴とする変性物。
    Figure 2012110811
    (式中、Q〜Qは、それぞれ独立に、結合しているピロール環の2つの炭素原子と共に環を形成する基であり;R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
  2. 前記Mにおける金属原子又は金属イオンの金属種が、バナジウム、鉄、コバルト又は銅であることを特徴とする請求項1に記載の変性物。
  3. 前記一般式(1)で表されるポルフィリン錯体が、下記一般式(2)で表されるベンゾポルフィリン錯体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の変性物。
    Figure 2012110811
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子又はヒドロカルビル基であり、複数のR〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく;Mは第4周期の金属原子又は金属イオンである。)
  4. 前記ポルフィリン錯体の含有物が、さらにカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性物。
  5. 前記変性処理が600〜1200℃での加熱処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性物と、カーボンブラック及び/又は高分子化合物と、を含むことを特徴とする組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性物又は請求項6に記載の組成物を含むことを特徴とする触媒。
  8. 請求項7に記載の触媒からなることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  9. 請求項8に記載の燃料電池用電極触媒から得られる触媒層を備えたことを特徴とする膜電極接合体。
  10. 請求項9に記載の膜電極接合体を備えたことを特徴とする燃料電池。
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