JP2012110147A - 車両用コンバータ装置および車両用コンバータの制御方法 - Google Patents

車両用コンバータ装置および車両用コンバータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過電圧回避制御実施後に昇圧コンバータが再び過電圧状態になるのを確実に防止する。
【解決手段】車両用コンバータ装置10は、昇圧コンバータ14と、昇圧コンバータ14を制御する制御装置20とを備える。制御装置20は、昇圧コンバータ14について過電圧回避制御が実行されているときに通常昇圧制御への復帰に際し昇圧コンバータ14をシャットダウンするシャットダウン実行部(S36)と、通常昇圧制御への復帰時にモータ18の誘起電圧によって昇圧コンバータ14が過電圧状態とならないようにするためにシャットダウン中に検出されるシステム電圧VHの時間変化率ΔVHに基づいて通常昇圧制御への復帰の可否を判定する第1判定部(S38)と、モータ回転数に基づいて通常昇圧制御への復帰を再度試行する第2判定部(S46)とを含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両用コンバータ装置および車両用コンバータの制御方法に係り、特に、車載電源から入力される電力を昇圧してモータへ出力することができる昇圧コンバータとこの昇圧コンバータの動作を制御する制御装置とを備えた車両用コンバータ装置、および車両用コンバータの制御方法に関する。
従来、モータを走行用動力源として搭載した電動車両において、車載バッテリから供給される直流電圧を昇圧コンバータにより昇圧してモータの駆動電力として用いることが行われている。このような昇圧コンバータは、一般に、リアクトルと上下アームにそれぞれ設けられる2つのスイッチング素子とを含んでいる。そして、これらのスイッチング素子をオンオフ制御することにより昇圧チョッパ回路として機能させ、昇圧された電力でモータを駆動することにより車両の動力性能を高めている。
上記のような昇圧コンバータから出力された電力は、キャパシタ等の蓄電装置を介してモータに供給される。あるいは、モータが交流モータである場合には、昇圧コンバータから出力された直流電力は、インバータにより交流変換されてモータに供給される。
昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子は、制御装置によってオンオフ制御される。制御装置は、アクセル開度やブレーキ操作等の運転情報に基づきモータ必要電圧または目標電圧を算出し、その目標電圧が出力されるように昇圧コンバータのスイッチング素子を制御する。しかし、車両の急な運転操作により目標電圧が急激に変化し、それに応じて昇圧コンバータの出力電圧を急激に変化させた場合、上記キャパシタの端子間電位が上記スイッチング素子の許容電圧を超える過電圧状態になることがあり、スイッチング素子の寿命を短くするおそれがあった。
これに関連して特開2009−55699号公報(特許文献1)に開示される車両用インバータ回路では、測定される昇圧コンバータの出力電圧が目標出力電圧よりも大きいときには、昇圧コンバータに含まれる上アームスイッチング素子をオンオフ制御してキャパシタに蓄えられた電力を放電させて端子間電圧を低下させ、これにより昇圧コンバータのスイッチング素子に過大な電流が流れるのを防ぎつつ昇圧コンバータの過電圧状態を迅速に解消することが記載されている。
特開2009−55699号公報
上記特許文献1に記載されるように昇圧コンバータの出力電圧を低下させる制御を行って過電圧状態が解消された後に昇圧コンバータを通常の昇圧制御に戻すときに、上下アームの2つのスイッチング素子が同時にオンする短絡状態が発生するのを防止するため、上記2つのスイッチング素子を一時オフ状態に固定して昇圧コンバータをシャットダウン状態にすることが考えられる。その場合、シャットダウンを解除して昇圧コンバータを通常昇圧制御に移行させるときにモータが回転していると、モータによる誘起電圧または逆起電力によって昇圧コンバータが再び過電圧状態になるおそれがある。
本発明の目的は、昇圧コンバータの出力電圧を低下させる制御を行った後にシャットダウンを経て昇圧コンバータの動作を通常昇圧制御に戻すときに昇圧コンバータが過電圧状態となるのを確実に防止することができる、車両用コンバータ装置および車両コンバータの制御方法を提供することにある。
本発明の一態様である車両用コンバータ装置は、車載電源から入力される電力を昇圧してモータへ出力することができる昇圧コンバータと、昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子を制御して前記昇圧コンバータの出力電圧を前記モータの運転状態に応じて調整する制御装置とを備える車両用コンバータ装置であって、
前記制御装置は、前記昇圧コンバータの出力電圧が所定閾値を超えたときに出力電圧を下げるよう前記スイッチング素子をオンオフ制御する過電圧回避制御部と、前記出力電圧が目標電圧に低下した後に前記昇圧コンバータの動作状態を通常昇圧制御に戻す通常昇圧制御復帰部とを有し、
前記通常昇圧制御復帰部は、前記通常昇圧制御への復帰に際し前記スイッチング素子をオフして前記昇圧コンバータをシャットダウンするシャットダウン実行部と、前記通常昇圧制御への復帰時に前記モータの誘起電圧によって前記昇圧コンバータが過電圧状態とならないようにするために、前記シャットダウン中に検出される前記出力電圧の時間変化率および電圧値の少なくとも一方に基づいて前記通常昇圧制御への復帰の可否を判定する判定部とを含み、
前記通常昇圧制御復帰部は、さらに、前記判定部により否定判定されて前記通常昇圧制御への復帰が失敗したときのモータ回転数および失敗履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に前記失敗履歴が記憶されている場合に前記モータの現状の回転数が前記モータ回転数から求められる閾値よりも低くなったときに前記通常昇圧制御への復帰を再度試行することを許可する第2判定部とを含む。
本発明の別態様である車両用コンバータの制御方法は、車載電源から入力される電力を昇圧してモータへ出力することができる昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子を制御して前記昇圧コンバータの出力電圧を前記モータの運転状態に応じて調整する車両用コンバータの制御方法であって、
前記昇圧コンバータの出力電圧が所定閾値を超えたときに出力電圧を下げるよう前記スイッチング素子をオンオフ制御して過電圧回避制御を実行し、
前記過電圧回避制御実行中に、前記昇圧コンバータの通常昇圧制御への復帰に際し前記スイッチング素子をオフして前記昇圧コンバータをシャットダウンさせ、
前記通常昇圧制御への復帰時に前記モータの誘起電圧によって前記昇圧コンバータが過電圧状態とならないようにするために、前記シャットダウン中に検出される前記出力電圧の時間変化率および電圧値の少なくとも一方に基づいて前記通常昇圧制御への復帰の可否を判定し、
前記通常昇圧制御への復帰が失敗したときのモータ回転数および失敗履歴を記憶し、前記失敗履歴が記憶されている場合に前記モータの現状の回転数が前記モータ回転数から求められる閾値よりも低くなったときに前記通常昇圧制御への復帰を再度試行する。
本発明に係る車両用コンバータ装置および車両用コンバータの制御方法によれば、昇圧コンバータによる通常昇圧制御への復帰が失敗したことを記憶または学習して、その後、モータ回転数に基づいて通常昇圧制御への復帰を再度試行するので、昇圧コンバータが再び過電圧状態となるのをより確実に防止しながら通常昇圧制御への復帰を速やかに行うことができる。これにより、昇圧コンバータを構成するスイッチング素子の耐久性の向上を図れるとともに、車両動力性能の低下期間をできるだけ短縮することができる。
本発明の一実施形態である車両用コンバータ装置が組み込まれたモータ駆動システムの概略構成図である。 図1の車両用コンバータ装置の制御装置において実行される過電圧回避制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図2の過電圧回避制御ルーチンにおいて用いられるデューティ比を差分電圧との関係で規定したテーブルをグラフ形式で示す図である。 図2の過電圧回避制御ルーチンにおいて用いられるデューティ比を制御開始からの経過時間との関係で規定したテーブルをグラフ形式で示す図である。 制御装置において過電圧回避制御ルーチンおよび通常昇圧制御復帰ルーチンが実行されたときの様子を示すタイミングチャートである。 制御装置において実行される通常昇圧制御復帰ルーチンの処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
本実施形態の車両用コンバータ装置は、車載電源から供給される電力を昇圧してモータに印加することにより駆動して走行用動力を出力させるモータ駆動システムを搭載した車両であれば、電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車等の各種の電動車両に用いることができる。
図1は、本実施形態の車両用コンバータ装置10を組み込んだモータ駆動システム100の概略構成を示す。モータ駆動システム100は、バッテリ(車載電源)12と、昇圧コンバータ14と、インバータ16と、モータ18と、制御装置20とを備える。
バッテリ12には、リチウムイオン電池等の二次電池が好適に用いられる。ただし、バッテリに代えてキャパシタ等の他の蓄電装置が用いられてもよいし、あるいは、バッテリに加えて燃料電池が車載電源として併用されてもよい。バッテリ12には、電圧センサ22が設けられている。電圧センサ22により検出されたバッテリ電圧Vbは制御装置20へ送信されるようになっている。
バッテリ12の正極および負極の各端子には、正極母線24および負極母線26が接続されている。そして、正極母線24にはシステムメインリレーSMR1が配置され、負極母線26にはシステムメインリレーSMR2が配置されている。これらのシステムメインリレーSMR1,SMR2は、制御装置20からの信号に応じてオンオフ制御され、これによりバッテリ12と昇圧コンバータ14との間の電気経路が接続または遮断されるようになっている。
また、正極母線24および負極母線26間には平滑コンデンサ28が接続されている。平滑コンデンサ28は、バッテリ12から放電される直流電力のリップルを除去して後段の昇圧コンバータ14へ供給する機能を果たす。
昇圧コンバータ14は、バッテリ12から入力される電力を昇圧して後段のインバータ16へと出力する機能を有する。昇圧コンバータ14は、リアクトルLと、上アームに設けられたスイッチング素子E1およびダイオードD1と、下アームに設けられたスイッチング素子E2およびダイオードD2とを含む。リアクトルLは、一端がスイッチング素子E1,E2間の接続線30に接続され、他端が正極母線24およびシステムメインリレーSMR1を介してバッテリ12の正極に接続されている。
スイッチング素子E1,E2には、たとえばIGBT等の電力用トランジスタが好適に用いられる。上アームスイッチング素子E1と下アームスイッチング素子E2とは後段の正極母線24と負極母線26との間に直列に接続されている。また、上アームスイッチング素子E1のエミッタと下アームスイッチング素子のコレクタとが接続線30によって接続されている。さらに、各ダイオードD1,D2は、各スイッチング素子E1,E2に対してエミッタ側からコレクタ側へ電流を流す方向にそれぞれ逆並列接続されている。そして、各スイッチング素子E1,E2は、制御装置20からのスイッチング信号S1,S2を受けてオンオフ制御され、これによりバッテリ電圧Vbを目標出力電圧へと昇圧することができるようになっている。
昇圧コンバータ14とインバータ16とは正極母線25および負極母線26によって接続されている。正極母線25および負極母線26間には、コンデンサまたはキャパシタ32が接続されている。このコンデンサ32は、昇圧コンバータ14から出力される電力を蓄電して放電することによりリプルを除去してインバータ16へ供給する機能を果たす。コンデンサ32の端子間電圧、すなわち昇圧コンバータ14の出力電圧は電圧センサ34によって検出され、制御装置20に送信されるようになっている。以下において、昇圧コンバータ14の出力電圧およびインバータ16の入力電圧を適宜にシステム電圧VHという。
インバータ16は、正極母線25および負極母線26との間に互いに並列に設けられる、U相アーム36、V相アーム38およびW相アーム40を含む。各相アーム36,38,40は、正極母線25および負極母線26間に直列接続された2つのスイッチング素子と、各スイッチング素子に対して逆並列にそれぞれ接続された2つのダイオードとから構成される。詳細には、U相アーム36はスイッチング素子E3,E4およびダイオードD3,D4からなり、V相アーム38はスイッチング素子E5,E6およびダイオードD5,D6からなり、W相アーム40はスイッチング素子E7,E8およびダイオードD7,D8からなっている。各スイッチング素子E3〜E8には、例えばIGBT等を好適に用いることができる。スイッチング素子E3〜E8は、制御装置20からのスイッチング信号S3〜S8を受けてオンオフ制御され、これにより昇圧コンバータ14から供給された直流電圧を交流電圧に変換して出力することができる。
モータ18は、たとえば三相交流モータジェネレータにより好適に構成される。インバータ16の各相アーム36,38,40の中間点は、モータ18のU相、V相およびW相(以下、適宜に「三相」という)の各相コイルの各一端にそれぞれ接続されている。各相コイルの他端は、モータ18内の中性点Nに共通接続されている。また、U相およびV相の各コイルに流れる電流は、電流センサ42によってそれぞれ検出されて制御装置20へ送信されるようになっている。なお、W相コイルに流れる電流は、三相電流の総和がゼロになる関係から算出可能である。
また、モータ18には、ロータ回転角を検出するための回転角センサ44が設けられている。回転角センサ44、例えばレゾルバ等によって好適に構成される。回転角センサ44による検出値θは、制御装置20に入力されてモータ18の回転数Nmの算出等に用いられる。
制御装置20は、CPUまたはMPUを中心としたマイクロコンピュータにより好適に構成され、後述する制御プログラム等を予め記憶するROMおよび検出データ等を一時記憶するRAMを含むメモリ(記憶部)と、入出力ポートとを含む。
制御装置20の入力ポートには、バッテリ電圧Vb、システム電圧VH、モータ電流Iu,Iv、モータ回転角θなどの各種検出値が入力され、制御装置20の出力ポートからシステムメインリレーSMR1,SMR2のオンオフ信号、昇圧コンバータ14のスイッチング素子E1,E2のスイッチング信号、インバータ16のスイッチング素子E3〜E8のスイッチング信号などが出力されるようになっている
また、制御装置20の入力ポートには、図示しないアクセルペダルの操作状況を示すアクセル開度信号Accと、図示しないブレーキペダルの操作状況を示すブレーキ操作信号Brkとが入力されるようになっている。これにより制御装置20は車両の運転操作状態に応じてモータ駆動システム100を制御することができる。
ただし、動力源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド自動車の場合、エンジン動作とモータ動作とを統括制御する上位制御ユニットからモータ18に対するトルク指令が制御装置20に入力され、このトルク指令に基づきモータ18の作動を制御するものであってもよい。
なお、本実施形態における昇圧コンバータ14および制御装置20が、本発明における昇圧コンバータおよび制御装置にそれぞれ対応する。
次に、上記構成からなるモータ駆動システムの動作について説明する。
制御装置20は、入力されるアクセル開度信号Acc、ブレーキ操作信号Brk等の運転関連情報に基づいてモータ18の制御モードを適したものに設定するとともに、その制御モードによる運転に必要な電圧、すなわちモータ必要電圧を供給するように昇圧コンバータ14およびインバータ16を制御する。
具体的には、制御装置20は、モータ必要電圧がバッテリ電圧Vbよりも高い場合、そのモータ必要電圧を目標出力電圧(すなわちシステム電圧VH)としてバッテリ電圧Vbを昇圧するように昇圧コンバータ14のスイッチング素子E1,E2をオンオフ制御する。このような昇圧制御を以下において通常昇圧制御ということとする。
ここで昇圧コンバータ14における通常昇圧制御について詳しく説明する。通常昇圧制御は、上アームスイッチング素子E1をオフに維持しつつ、下アームスイッチング素子E2をオンオフ制御することによって行う。下アームスイッチング素子E2がオンしたとき、バッテリ12からリアクトルLを介して下アームスイッチング素子E2のコレクタからエミッタに電流が流れる。その後、下アームスイッチング素子E2をオフにすると、リアクトルLには下アームスイッチング素子E2側を正とする誘起電力が発生する。
そのため、バッテリ電圧Vbにリアクトル誘起電力を加えた電圧が、コンデンサ32の端子間電圧よも大きい場合、ダイオードD1は順方向電圧が与えられることにより通電する。これにより、バッテリ電圧Vbにリアクトル誘起電力を加えた電圧でコンデンサ32を充電し、出力電圧を昇圧することができる。
リアクトルLに発生する誘起電力は、電流が遮断される直前にリアクトルLに流れていた電流の大きさに依存する。そして、リアクトルLに流れる電流は、下アームスイッチング素子E2がオンされた後、時間の経過と共に増加する。したがって、バッテリ電圧Vbにリアクトル誘起電力を加えた電圧が目標出力電圧となるように、下アームスイッチング素子E2のオン時間を設定することで、コンデンサ32を目標出力電圧と同一値の電圧で充電し、昇圧コンバータ14の出力電圧を目標出力電圧まで昇圧することができる。
なお、下アームスイッチング素子E2をオンしたときは、コンデンサ32の充電電圧はダイオードD1に対して逆方向電圧となり、ダイオードD1は遮断状態となる。これにより、コンデンサ32がダイオードD1を介して放電することが回避される。
上記のように制御装置20は、アクセル開度やブレーキ操作等の運転情報に基づきモータ必要電圧または目標電圧を算出し、その目標電圧が出力されるように昇圧コンバータ14のスイッチング素子E1,E2を制御する通常昇圧制御を実行する。しかし、車両の急な運転操作により目標電圧が急激に変化し、それに応じて昇圧コンバータ14の出力電圧を急激に変化させた場合、コンデンサ32の端子間電位が上記スイッチング素子E1,E2の許容電圧を超える過電圧状態になることがあり、スイッチング素子の寿命を短くするおそれがある。そこで本実施形態の車両用コンバータ装置10では、制御装置20において次のような過電圧回避制御を実行する。
図2に、制御装置20において実行される過電圧回避制御ルーチンの処理手順を示す。この過電圧回避制御は、電圧センサ34から読み込んだ検出電圧が所定閾値VHlimを超えたときに制御装置20によって実行される。この制御は、下アームスイッチング素子E2をオフに維持し、上アームスイッチング素子E1をオンオフ制御することによって行う。
コンデンサ32に電池電圧より高い電圧が充電されている状態において、上アームスイッチング素子E1をオンとし、下アームスイッチング素子E2をオフとすると、コンデンサ32から上アームスイッチング素子E1を介してリアクトルLに放電電流が流れる。これによって、コンデンサ32の端子間電圧を下げ、出力電圧を下げることができる。放電電流は、リアクトルLに含まれる抵抗成分によるジュール熱を発生させると共に、バッテリ12に流入してバッテリ12を充電する。
放電電流は、コンデンサ32の端子間電圧と電池電圧との差異が大きい程大きい。したがって、差分電圧が大きい場合には、上アームスイッチング素子E1、リアクトルL、およびバッテリ12に過大電流が流れるおそれがある。これを解消するために制御装置20は、システム電圧VHとバッテリ電圧Vbとの差異に応じて定められたデューティ比で上アームスイッチング素子E1をオンオフ制御する。
上アームスイッチング素子E1に対しオンオフ制御を行った場合、放電電流は上アームスイッチング素子E1がオフとなるごとに遮断される。放電電流は一度遮断されると、再び上アームスイッチング素子E1がオンにされたときに電流値0から増加する。これによって、放電電流が増加し続けることを回避し、上アームスイッチング素子E1およびリアクトルLに過大な電流が流れることを防ぐことができる。
オンオフ制御による放電電流値の振れ幅は、デューティ比を大きくする程大きくなるが、コンデンサ32の放電が進むにつれて小さくなる。そこで、制御装置20は、放電によってコンデンサ32の端子間電圧が低下すると共にデューティ比を増加させる制御を行う。これによって、過大電流とならないできる限り大きな電流によってコンデンサ32を放電することができ、迅速にシステム電圧VHを下げることができる。
制御装置20は、このような原理に基づいて、図2のフローチャートに示す制御を行う。制御装置20はまずステップS10において、下アームスイッチング素子E2をオフとする。そして、ステップS12において、電圧センサ22によって検出されるバッテリ電圧Vbを読み込み、電圧センサ34によって検出されるコンデンサ32の端子間電圧であるシステム電圧VHを読み込む。
次いで、制御装置20は、ステップS14において、システム電圧VHからバッテリ電圧Vbを減じた差分電圧(VH−Vb)を求める。そして、ステップS16において、ROMに記憶されているデューティ比テーブルを参照し、差分電圧に対応するデューティ比を取得する。
ここで、デューティ比テーブルは、入出力差分電圧に対応するデューティ比を定めたものである。図3はデューティ比テーブルの一例を、その内容をグラフ形式で示したものである。図3のデューティ比テーブルは、差分電圧(VH−Vb)がVth未満のときはデューティ比を1とし、差分電圧(VH−Vb)が閾値電圧Vth以上であるときは差分電圧が大きい程デューティ比を小さくすることを示す。
制御装置20は、ステップS16で取得したデューティ比および所定のオンオフ周期に従って、ステップS18において次のように上アームスイッチング素子E1のオンオフ制御を行う。
制御装置20は、上アームスイッチング素子E1をオンにする。そして、ステップS16で取得したデューティ比にオンオフ周期を乗じた時間だけ下アームスイッチング素子E2をオンにした後、上アームスイッチング素子E1をオフとする。
制御装置20は、1オンオフ周期の残りの時間だけ上アームスイッチング素子E1をオフとした後、再び上アームスイッチング素子E1をオンとし、以後同様にして、下アームスイッチング素子E2のオンオフ制御を行う。
制御装置20は、ステップS20において、電圧センサ34により検出されるシステム電圧VHを読み込み、続くステップS22においてシステム電圧VHと目標電圧とを比較する。ここで目標電圧は例えばバッテリ電圧Vbとすることができる。そして、システム電圧VHが目標電圧まで低下していない場合にはステップS12に戻り、差分電圧(VH−Vb)に対応するデューティ比に基づくオンオフ制御を続ける。一方、システム電圧VHが目標電圧になった場合には、昇圧コンバータ14の出力電圧を下げる制御を終了する。
このような制御によって、制御装置20は、デューティ比テーブルに基づくデューティ比で上アームスイッチング素子E1のオンオフ制御を行う。デューティ比テーブルは、差分電圧(VH−Vb)が閾値電圧Vth以上である場合には、差分電圧が小さい程大きいデューティ比を示す。したがって、差分電圧が閾値電圧Vth以上である場合には、放電によってコンデンサ32の端子間電圧が低下し、差分電圧が小さくなると共にデューティ比を増加させる制御を行うことができる。これによって、過大電流を防ぎつつ迅速にシステム電圧VHを下げることができる。
また、デューティ比テーブルは、差分電圧が閾値電圧Vth未満である場合には、デューティ比として1を示す。したがって、差分電圧が閾値電圧Vth未満である場合には、上アームスイッチング素子E1がオンに維持され、最も迅速にコンデンサ32を放電することができる状態となる。これによって、迅速にシステム電圧VHを下げることができる。
デューティ比テーブルは、バッテリ12、リアクトルL、上アームスイッチング素子E1等に対して規定された許容電流に基づき、評価実験、シミュレーション等によって作成することができる。
なお、ここでは差分電圧に応じてデューティ比を決定する制御について説明した。このような制御の他、システム電圧VHを下げる制御の開始時からの経過時間に応じてデューティ比を決定する制御を行ってもよい。
図4は制御開始時からの経過時間とデューティ比とを対応付けたデューティ比時間変化テーブルの例を、その内容をグラフ形式で示したものである。図4のデューティ比時間変化テーブルは、制御開始から時間tまでの間にデューティ比を0から1まで増加させ、時間t以後はデューティ比を一定値1とすることを示す。
制御装置20は、デューティ比時間変化テーブルを参照し、制御開始時からの経過時間に基づいてデューティ比を取得する。そして、下アームスイッチング素子E2をオフとし、取得したデューティ比に基づいて上アームスイッチング素子E1をオンオフ制御する。
このような制御によれば、システム電圧VHを下げる制御の開始時から時間が経過すると共にデューティ比が増加する。また、コンデンサ32の端子間電圧は、放電が進むと共に低下する。したがって、コンデンサ32の端子間電圧が低下すると共にデューティ比を増加させる制御を行うことができる。これによって、過大電流とならないできる限り大きな電流によってコンデンサ32を放電することができ、迅速にシステム電圧を下げることができる。
また、この制御では、バッテリ電圧Vbおよびシステム電圧VHを読み込む必要がない。そのため、制御装置20の制御プログラムを簡単にすることができ、設計コストを下げることができる。
デューティ比時間変化テーブルは、バッテリ12、リアクトルL、上アームスイッチング素子E1等に対して規定された許容電流、コンデンサ32の放電特性シミュレーション結果等に基づいて作成することができる。
過電圧状態となった場合、従来のモータ駆動車両では、昇圧コンバータ回路に過大電流が流れることを回避するため、迅速に出力電圧を下げることが困難であった。また、過電圧状態でモータを回転させると、電気部品に過大電流が流れ、電気部品の寿命が短くなるおそれがある。そのため、従来のモータ駆動車両では、過電圧状態となった場合には強制的に停車制御を行うこととしていた。これに対して本実施形態に係るモータ駆動車両では、迅速に過電圧状態を解消することができる。したがって、スイッチング素子等の電気部品の寿命の短縮、車両の強制的な停止を回避することができる。
図5は、図2に示す過電圧回避制御ルーチンおよび図6を参照して後述する通常昇圧制御復帰ルーチンを実行したときのシステム電圧VHの変化の様子を示すタイミングチャートである。上から1段目がシステム電圧VH、同2段目が過電圧回避制御実施フラグ、同3段目が昇圧コンバータシャットダウン実施フラグ、同4段目がシステム電圧変化率ΔVH、同5段目がモータ回転数Nm、最下段が通常昇圧制御復帰トライの失敗履歴をそれぞれ示しており、横軸はいずれも時間軸としてある。
図5を参照すると、時間t1のタイミングでシステム電圧VHが所定閾値VHlimを超えたときに、過電圧回避制御実施フラグ1が立って上述したような制御が実行される。これによりシステム電圧VHは、時間t2のタイミングで所定閾値VHlimを下回ってバッテリ電圧Vbまで迅速に低下する。
このようにシステム電圧VHを低下させる制御を行って過電圧状態を解消した後に昇圧コンバータ14を通常昇圧制御に戻すときに、上下アームスイッチング素子E1,E2が同時にオンする短絡状態が発生するのを防止するため、上記スイッチング素子E1,E2を一時オフ状態に固定して昇圧コンバータ14をシャットダウンすることが好ましい。その場合、シャットダウンを解除して昇圧コンバータ14を通常昇圧制御に移行させるときにモータ18が回転していると、モータ18による誘起電圧(または逆起電力)によって昇圧コンバータが再び過電圧状態になるおそれがある。
そこで本実施形態の車両用コンバータ装置10では、制御装置20において図6に示す通常昇圧制御復帰ルーチンを実行することによって、通常昇圧制御に戻すときに昇圧コンバータ14が再び過電圧状態となるのを確実に防止することとしている。以下に、図5と共に図6を参照して制御装置20において実行される通常昇圧制御復帰の処理手順について説明する。
制御装置20は、まずステップS30において、過電圧回避制御が実行中であるか否かを判定する。この判定は過電圧回避制御実施フラグに1が立っているかどうかによって判別できる。そして、過電圧回避制御が実施されていない場合には、そのまま処理を終了することになる。
一方、上記フラグ1が立っていて過電圧回避制御が実行中であると判定されると、制御装置20は、続くステップS32において、通常昇圧制御への移行が必要であるか否かを判定する。この判定では、たとえば、通常昇圧制御への復帰を試行するとき(図5中のタイミングt4)にモータ必要電圧であるシステム電圧指令値VH*がバッテリ電圧Vbよりも高いときに昇圧が必要であるため通常昇圧制御への復帰が必要であると判定する。
そして、通常昇圧制御への移行が必要であると判定されると、続くステップS34において、通常昇圧制御への復帰失敗履歴の有無を判定する。このとき、過電圧回避制御が実行されて初めての通常昇圧制御への復帰試行時には上記復帰失敗履歴がないので、図5中の最下段に示すように通常昇圧制御復帰トライ失敗履歴のフラグが0になっている。したがって、最初のステップS34の処理では肯定的判定(ステップS34でYES)がなされることになる。
次に、ステップS36において、昇圧コンバータシャットダウン実施フラグに1を立てて(図5中3段目参照)、昇圧コンバータ14を所定時間シャットダウンする。このシャットダウンにより、上アームスイッチング素子E1および下アームスイッチング素子E2はいずれも同時にオフとなる。昇圧コンバータ14をシャットダウンする所定時間は、この間にコンデンサ32の端子間電圧が過電圧状態まで上がっていないことを確認するのに十分な時間として予め設定してメモリに記憶させておくことができる。
続いて、制御装置20は、ステップS38において、システム電圧変化率ΔVHが所定の変化率閾値ΔVHthrよりも小さいか否かを判定する。ここで変化率閾値ΔVHthrは、昇圧コンバータ14がシャットダウンされている所定時間内にモータ18の回転により生じる誘起電圧によってコンデンサ32の端子間電圧が上記システム電圧閾値VHlimを超えないことを確認するための値として予め設定されてメモリに記憶されたものである。
ステップS38において肯定的判定、すなわちシステム電圧変化率ΔVHが変化率閾値ΔVHthrよりも小さいとの判定がなされたとき、続くステップS40において通常昇圧制御への移行を実行する。このとき、昇圧コンバータ14のシャットダウン実施フラグがクリア(すなわち0にセット)して、この制御ルーチンを終了する。これにより昇圧コンバータ14は、シャットダウンが解除されて作動を開始し、下アームスイッチング素子E2のオンオフ制御によりバッテリ電圧Vbをシステム電圧指令値VH*に昇圧して出力する。
他方、電圧センサ34によって検出されるコンデンサ32の端子間電圧の時間変化率が上記変化率閾値ΔVHthr以上である場合、コンデンサ32の端子間電圧がシステム電圧VHthrよりも高くなって通常昇圧制御へ移行したときに昇圧コンバータ14が再び過電圧状態になる可能性があることから、ステップS38において否定的判定がなされる。このとき、ステップS42において、昇圧コンバータ14のシャットダウン状態を一時解除し(図5中の3段目参照)、続くステップS44において、通常昇圧制御への復帰失敗を履歴としてメモリに記憶する。すなわち、図5中の最下段の時間t5のタイミングで、復帰失敗履歴フラグを1にセットする。これと同時に、ステップS44において、通常昇圧制御への復帰失敗時のモータ回転数(以下、復帰失敗時回転数という)Nmを取得してメモリに記憶する。このモータ回転数Nmは、回転角センサ44による検出値θに基づき制御装置20において算出されたものである。
そして、ステップS44の処理後に、この制御ルーチンの処理を終了する。すなわち、通常昇圧制御への復帰が失敗したことにより、過電圧回避制御が継続され(図5中の2段目参照)、図2を参照して説明した制御によってシステム電圧VHが再びバッテリ電圧Vbへと低下する(図5中の1段目参照)。
図6に示す通常昇圧制御復帰ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。したがって、上記のように通常昇圧制御への復帰が失敗した後も、上記ステップS30からの処理が繰り返し実行されることになる。
通常昇圧制御への復帰が失敗した後、上記ステップS30およびS32で肯定的判定がなされて、ステップS34が処理されるとき、上記のように復帰失敗履歴フラグが1となっていることから否定的判定(ステップS34でNO)がなされる。
そして、続くステップS46において、モータ18の現在の回転数Nmがモータ回転数閾値Nm_thrより小さいか否かが判定される。ここで、モータ回転数閾値Nm_thrは、上記復帰失敗時回転数よりも低い回転数に設定される。具体的にはモータ回転数閾値Nm_thrは、例えば、上記復帰失敗時回転数から所定回転数Aを減じた値、または、上記復帰失敗回転数に1より小さい係数Bを乗じた値に設定される。上記所定回転数Aまたは係数Bは、経験、実験、又はシュミレーション等から得られた値として予め記憶しておくことができる。
上記ステップS46において否定的判定、すなわちモータ18の現在の回転数Nmがモータ回転数閾値Nm_thr以上であると判定されると(ステップS46でNO)、そのまま制御ルーチンを終了する。すなわち、通常昇圧制御への復帰試行を行わない。
他方、上記ステップS46において肯定的判定、すなわちモータ18の現在の回転数Nmがモータ回転数閾値Nm_thrよりも小さいと判定されると(ステップS46でYES)、上述したステップS36およびS38によって通常昇圧制御への復帰が再度試行される。このときの状態が図5中の時間t6〜t7のタイミングに相当する。つまり、ステップS36で昇圧コンバータ14が所定時間シャットダウンされ、その間にステップS38によってシステム電圧変化率ΔVHが変化率閾値ΔVHthrよりも小さいか否かが判定される。そして、肯定的判定されると、続くステップS40で通常昇圧制御へ移行する。このとき、復帰トライ失敗履歴フラグがクリア(0にリセット)される(図5中の最下段参照)。
上記ステップS38で否定的判定、すなわちシステム電圧変化率ΔVHが変化率閾値ΔVHthr以上であると判定されると(ステップS38でNO)、ステップS42およびS44において、昇圧コンバータ14のシャットダウンを解除するとともに、通常昇圧制御への復帰の再失敗を履歴としてメモリに記憶する。この場合、復帰トライ失敗履歴フラグが1のまま保持されることになる。また、これと同時に、通常昇圧制御への復帰再失敗時のモータ回転数Nmを取得してメモリに記憶する。この再失敗時モータ回転数Nmに基づいてモータ回転数閾値Nm_thrが再度算出されて更新記憶され、次回の通常昇圧制御への復帰試行を行うかどうかのステップS46の判定に用いられることになる。なお、更新後のモータ回転数閾値Nm_thrは、通常昇圧制御へ復帰した後もメモリに記憶しておき、過電圧回避制御ルーチンが実行される次の機会に通常昇圧制御への復帰を再度試行するときのステップS46における閾値として用いてもよい。
このように本実施形態の車両用コンバータ装置10によれば、昇圧コンバータ14について過電圧回避制御の実行中にシャットダウンを経て通常昇圧制御に移行する際、モータ18の誘起電圧によって昇圧コンバータ14が過電圧状態とならないようにするためにシャットダウン中に検出される昇圧コンバータ14の出力電圧の時間変化率ΔVHに基づいて通常昇圧制御への復帰の可否を判定するから、通常昇圧制御へ移行したときに昇圧コンバータ14が再び過電圧状態となるのを確実に防止することができる。これにより、昇圧コンバータ14を構成するスイッチング素子E1,E2等の電気部品の短寿命化を防止できるとともに、電気部品の損傷による車両の強制停止等の緊急措置を回避できる。
これに加えて、昇圧コンバータ14による通常昇圧制御への復帰が失敗したことを記憶または学習して、その後、モータ回転数Nmに基づいて通常昇圧制御への復帰を再度試行するので、昇圧コンバータ14が再び過電圧状態となるのをより確実に防止しながら通常昇圧制御への復帰を速やかに行うことができる。これにより、昇圧コンバータ14を構成するスイッチング素子E1,E2の耐久性の向上を図れるとともに、車両動力性能の低下期間をできるだけ短縮することができる。
なお、本実施形態において図2に示す過電圧回避制御ルーチンが本発明における過電圧回避制御部に相当し、本実施形態において図6に示す通常昇圧制御復帰ルーチンが本発明における通常昇圧制御復帰部に相当する。また、図6中のステップ36が本発明におけるシャットダウン実行部に相当し、図6中のステップS38が本発明における第1判定部に相当し、図6中のステップS46が本発明における第2判定部に相当する。
上記においてはステップS38においてシステム電圧変化率ΔVHを変化率閾値ΔVHthrと比較して通常昇圧制御への復帰の可否を判定するものとして説明したが、本発明に係る車両用コンバータ装置はこれに限定されるものではない。例えば、上記ステップS38において、システム電圧変化率ΔVHが変化率閾値ΔVHthrよりも小さく、且つ、検出されるシステム電圧VHの電圧値が第2閾値VHlim_2よりも小さいか否かが判定されてもよい。ここでの第2閾値VHlim_2は、上記の所定閾値VHlimよりも小さい値として予め設定されてメモリに記憶されている。このようにシステム電圧変化率ΔVHに加えて、検出されるシステム電圧VHの電圧値に基づいて通常昇圧制御への復帰の可否を判定することによって、昇圧コンバータ14が再び過電圧状態になってしまうのをより確実に防止することができる。
あるいは、上記ステップS38において、検出されるシステム電圧VHの電圧値が第2閾値VHlim_2よりも小さいか否かだけで通常昇圧制御への復帰の可否を判定してもよい。
10 車両用コンバータ装置、12 バッテリ、14 昇圧コンバータ、16 インバータ、18 モータ、20 制御装置、22,34 電圧センサ、24,25 正極母線、26 負極母線、28 平滑コンデンサ、30 接続線、32 コンデンサまたはキャパシタ、34 電圧センサ、36 U相アーム、38 V相アーム、40 W相アーム、42 電流センサ、44 回転角センサ、100 モータ駆動システム、D1〜D8 ダイオード、E1 上アームスイッチング素子、E2 下アームスイッチング素子、E3〜E8 インバータ用スイッチング素子、Iu,Iv モータ電流、L リアクトル、N 中性点、Nm 回転数、Nm_thr モータ回転数閾値、SMR1,SMR2 システムメインリレー、Vb バッテリ電圧、VH システム電圧、VHlim 所定閾値、VHlim_2 第2閾値、ΔVH システム電圧変化率、ΔVHthr 変化率閾値、θ モータ回転角。

Claims (2)

  1. 車載電源から入力される電力を昇圧してモータへ出力することができる昇圧コンバータと、昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子を制御して前記昇圧コンバータの出力電圧を前記モータの運転状態に応じて調整する制御装置とを備える車両用コンバータ装置であって、
    前記制御装置は、前記昇圧コンバータの出力電圧が所定閾値を超えたときに出力電圧を下げるよう前記スイッチング素子をオンオフ制御する過電圧回避制御部と、前記出力電圧が目標電圧に低下した後に前記昇圧コンバータの動作状態を通常昇圧制御に戻す通常昇圧制御復帰部とを有し、
    前記通常昇圧制御復帰部は、前記通常昇圧制御への復帰に際し前記スイッチング素子をオフして前記昇圧コンバータをシャットダウンするシャットダウン実行部と、前記通常昇圧制御への復帰時に前記モータの誘起電圧によって前記昇圧コンバータが過電圧状態とならないようにするため、前記シャットダウン中に検出される前記出力電圧の時間変化率および電圧値の少なくとも一方に基づいて前記通常昇圧制御への復帰の可否を判定する第1判定部とを含み、
    前記通常昇圧制御復帰部は、さらに、前記判定部により否定判定されて前記通常昇圧制御への復帰が失敗したときのモータ回転数および失敗履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に前記失敗履歴が記憶されている場合に前記モータの現状の回転数が前記モータ回転数から求められる閾値よりも低くなったときに前記通常昇圧制御への復帰を再度試行することを許可する第2判定部とを含む、
    車両用コンバータ装置。
  2. 車載電源から入力される電力を昇圧してモータへ出力することができる昇圧コンバータに含まれるスイッチング素子を制御して前記昇圧コンバータの出力電圧を前記モータの運転状態に応じて調整する車両用コンバータの制御方法であって、
    前記昇圧コンバータの出力電圧が所定閾値を超えたときに出力電圧を下げるよう前記スイッチング素子をオンオフ制御して過電圧回避制御を実行し、
    前記過電圧回避制御実行中に、前記昇圧コンバータの通常昇圧制御への復帰に際し前記スイッチング素子をオフして前記昇圧コンバータをシャットダウンさせ、
    前記通常昇圧制御への復帰時に前記モータの誘起電圧によって前記昇圧コンバータが過電圧状態とならないようにするために、前記シャットダウン中に検出される前記出力電圧の時間変化率および電圧値の少なくとも一方に基づいて前記通常昇圧制御への復帰の可否を判定し、
    前記通常昇圧制御への復帰が失敗したときのモータ回転数および失敗履歴を記憶し、前記失敗履歴が記憶されている場合に前記モータの現状の回転数が前記モータ回転数から求められる閾値よりも低くなったときに前記通常昇圧制御への復帰を再度試行する、
    車両用コンバータの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013132922A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電動車両用インバータ装置

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