以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、説明を簡単にするために、配信される広告は、電子書籍端末上で動作するアプリケーションランチャの画面上に表示されると想定するが、これに限定されるものではない。
本実施の形態では、以下の用語を用いる。
「販路」は、配信される広告を受信する端末の販売経路を指す。たとえば、端末が携帯電話端末であると想定した場合、携帯電話は、通信サービスを提供する企業毎に販売される。または電子書籍を閲覧するための電子書籍端末であれば、電子書籍端末の販売企業を指す。したがって、ここでは、販路は当該企業に相当する。「販路ID」は、販路を識別するための情報を指す。
「クリエイティブ」は、広告を表現するためのコンテンツ、たとえば静止画・動画の画像、文字、音声など、広告の実体を指す。ここでは、説明を簡単にするためにクリエイティブは画像であるとする。「クリエイティブID」は、当該クリエイティブを一意に識別または指定するための情報を指す。本実施の形態では、クリエイティブまたはクリエイティブ画像を用いる。
「キャンペーン」は、1または複数のクリエイティブからなる集合を指す。
「広告枠」は、1または複数のキャンペーンが表示される画面上の表示領域を指し、「広告枠ID」は、当該領域を一意に識別するための識別子(画面上の座標値)を指す。1つの広告枠には、1または複数のキャンペーンが関連付けられる。
「オンライン」は、端末が外部装置との間で確立した通信回線を介して通信可能な状態を指し、「オフライン」とは当該通信回線が断たれて通信不可能な状態を指す。
「広告ブックマーク」とは、クリエイティブ(広告)であって、ユーザがお気に入り、または興味があるクリエイティブとして端末に登録したものを指す。
<システム構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る広告配信システムは、広告を配信するサーバ100、サーバ100と通信ネットワークNTを介して通信する複数の情報処理端末を含む。通信ネットワークNTは、インターネットを含む各種ネットワークを含む。複数の情報処理端末には、携帯可能な端末1と固定設置されるPC(Personal Computerの略)200が含まれる。各端末1および各PC200には、サーバ100からクリエイティブを含む広告に関する情報(広告情報という)が配信される。ここでは、説明を簡単にするために、サーバ100から広告情報が配信される情報処理端末として、端末1を例示する。なお、PC200であっても、端末1と同様に配信される広告情報の処理機能を有する。
サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101、記憶部102、図示のない一時記憶部、および通信ネットワークNTを介して外部装置と通信するための通信部105を備える。
記憶部102はハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)など各種記憶デバイスからなる。記憶部102には、広告枠管理DB(データベースの略)1021、クリエイティブDB1022およびユーザ情報DB1023が格納される。
端末1のそれぞれは同様の構成を有する。端末1は、CPU2、プログラムおよびデータを格納するための不揮発性メモリを含む記憶部3、作業領域およびデータの一時記憶領域として利用される一時記憶部4、ユーザが情報を入力するために操作する操作部5、情報を表示するための表示部6、アンテナ8を接続する電話網通信部7、通信部9、カード状の記憶媒体であるメモリカード11が着脱自在に装着されて、装着されたメモリカード11のデータにアクセスするためのI/F(インターフェイス)10、および時間を計時するタイマ12を備える。
ここでは、端末1は電話機能を備えるが、電話機能を備えない携帯型の端末(たとえば、通信ネットワークNTの接続機能を備えるPDA(Personal Digital Assistant)、通信ネットワークNTの接続機能を備える電子書籍閲覧端末)であってもよい。
通信部9は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a/b/g/nなどの規格に従う無線LAN(Local Area Network)または、有線LANによりインターネットに接続する。また端末1の電話網通信部7は、携帯電話網などを介してインターネットに接続する。
操作部5は、ユーザによる情報の入力操作を受付けるための機能を有し、ボタン、キー、トラックボール、タッチパネルなどからなる。
<端末の機能構成>
図2を参照して端末1が有する機能の一部について説明する。図2の(A)を参照して、端末1のCPU2は、表示部6を用いて情報を表示するための表示処理部20、通信ネットワークNTを介してサーバ100から広告情報を取得するための広告取得部21、ブックマーク処理部23、取得した広告情報を格納するための広告データ格納部25、広告データ格納部25のデータを検索するためのデータ検索部27および操作受付部28を含む。
操作受付部28は、操作部5を介したユーザの操作を受付け、受付けた操作に基づく指示を出力する。操作受付部28は、選択受付部29を含む。選択受付部29は、操作部5を介したユーザのタップ、ロングタップなどの選択操作を受付けて、受付けた操作に基づく指示を出力する。広告データ格納部25は、記憶部3の一部分に相当する。
表示処理部20は、操作受付部28からの指示に基づき表示部6に情報を表示する。表示処理部20は、第1表示処理部20Aおよび第2表示処理部20Bを含む。第1表示処理部20Aは、広告データ格納部25に格納された所定の広告情報を表示部6に表示する。第2表示処理部20Bは、選択受付部29により受付けられた操作に従って広告データ格納部25から検索された広告情報を表示部6に一覧表示する。
また、表示処理部20は、Web(World Wide Webの略)ブラウジング機能(以下、ブラウザという)、電子書籍閲覧のための電子書籍ビューア機能なども有する。
ブラウザは、URL(Uniform Resource Locator)に基づき通信ネットワークNTを経由して、当該URLが指示する所定サイトの情報を取得して、取得した情報を表示部6に表示する機能を有する。
電子書籍ビューア機能は、記憶部3に格納された電子書籍コンテンツのデータを表示部6にユーザが閲覧可能なように表示する。この場合、ユーザは、操作部5を介して閲覧するページを繰ることができる。
ブックマーク処理部23は、広告ブックマークを処理するために、端末1における広告ブックマークを管理するためにブックマーク管理部23Aおよび広告ブックマークを登録するためのブックマーク登録部23Bを有する。
端末1のCPU2は、端末1の状態が、通信ネットワークNTを経由してサーバ100を含む他の装置との間で通信回線を確立して通信可能なオンラインであるか、または通信回線が遮断されて通信できないオフラインであるかを検知する機能部(図示しない)を有する。オンラインおよびオフラインの別を、電話網通信部7または通信部9が外部に出力する信号に対するサーバ100を含む外部装置からの応答に基づき検知する。
CPU2のこれらの機能部は、CPU2が、記憶部3に記憶されているプログラムを実行することによって実現されるモジュールであると想定する。なお、これら機能部は、モジュールに限定されず、CPU2を含むマイクロコンピュータ、マイクロコントローラまたはハードウェア回路で構成されてもよく、またはモジュールとハードウェア回路の組合せにより構成されてもよい。
また、図2の(B)を参照して、サーバ100のCPU101は、通信部105を介して端末1に広告情報を配信するための広告配信部1011を有する。広告配信部1011は、CPU101が、記憶部102に記憶されているプログラムを実行することによって実現されるモジュールであると想定する。なお、モジュールに限定されず、CPU101を含むマイクロコンピュータ、マイクロコントローラまたはハードウェア回路で構成されてもよく、またはモジュールとハードウェア回路の組合せにより構成されてもよい。
<端末の外観>
図3を参照して端末1は、タッチパネル入力装置5Aおよびキー・トラックボール部5Bを、ユーザが外部から操作可能なように備える。タッチパネル入力装置5Aは、操作部5と表示部6とを一体的に備える。タッチパネル入力装置5Aは、表示部6の画面上の操作位置を検出し、検出した位置に基づく情報を入力し、または、操作の種類を判別する。ここでは、操作の種類として“タップ”と“ロングタップ”を例示する。“タップ”とは、表示部6の画面の表面に指で素早く触れて、その指を持上げる動作を指す。“ロングタップ”は、一定時間画面の表面を指でタッチし、その指を持上げる操作を指す。操作の種類は、これらに限定されるものではなく、たとえばドラック操作(タッチしたまま、指を滑らせる操作)、フリック操作(タッチしたまま所定の方向へ指を軽く弾く動作)などであってもよい。
<表示画面の遷移>
図4を参照して、表示部6に表示される画面の遷移について説明する。表示処理部20は、操作受付部28からの指示に従って表示部6における表示画面を切換える。
図4の(A)には、アプリケーションランチャ起動時の表示画面61が示される。
画面61は、アプリケーションランチャの画面613には、配列された複数のアイコン612、ならびに広告枠61Aおよび61Bが表示される。各アイコン612は、端末1のアプリケーションのそれぞれに対応し、対応するアプリケーションを表現する絵柄を含む。アプリケーションランチャを含む各種アプリケーションプログラムは、予め記憶部3に格納されている。ユーザがアイコン612をタップすると、CPU2はタップされたアイコン612に対応のアプリケーションを起動する。なお、“起動”とは、CPU2が、アプリケーションプログラムを記憶部3から読出し、読出されたアプリケーションプログラムの状態を実行可能状態に遷移させること、または実行開始することを指す。
広告枠61Aには、当該端末1の販路などの条件に応じた広告が表示される。広告枠61Bには、アプリケーションランチャ起動時に、定められた規則に従って選択された広告が表示される。
オフライン時において広告枠61B内の部分がタップされると、表示部6の画面は、画面61から図4の(B)の画面62に切換わる。オフラインまたはオンラインのときに広告枠61B内の部分がロングタップされると、広告枠61Bにはコンテクストメニュー611が表示される。オンライン時において広告枠61Bの部分がタップされると、画面61は図4の(D)の画面64に切換わる。
コンテクストメニュー611は“広告ブックマーク登録”、“広告ブックマーク管理”および“広告リスト表示”の3つの項目を含む。オンラインおよびオフラインのいずれにおいても、コンテクストメニュー611の項目がタップされると、次位の画面に遷移する。具体的には“広告ブックマーク登録”がタップされると、画面61は図4の(B)の画面62に切換わる。“広告ブックマーク管理”がタップされると、画面61は図4の(E)の画面65に切換わる。“広告リスト表示”がタップされると、画面61は図4の(C)の画面63に切換わる。
画面62においては、広告枠61Bに表示される広告をブックマーク処理するか否かを問合せるためのダイアログ620が表示される。ダイアログ620において、ユーザがブックマーク処理を希望し、“はい”を指定操作すると、画面62には、メッセージ621のウインドウが表示されて、広告枠61Bの広告がブックマーク処理されたことが表示される。
コンテクストメニュー611の“広告ブックマーク管理”がタップされると、画面61は、図4の(E)の画面65に切換わる。画面65は、広告データ格納部25に格納されるブックマーク登録された広告名の一覧表示である。つまり、“広告ブックマーク登録”によるブックマーク登録がされた各クリエイティブについて、当該クリエイティブのデータD81に含まれる“広告名”の一覧表示である。
コンテクストメニュー611の“広告リスト表示”がタップされると、画面61は図4の(C)の画面63に切換わる。画面63は、広告リスト632を含む。広告リスト632により、複数種類の広告633が一覧表示される。広告リスト632の広告633のうちから、ユーザが所望の広告633をタップすると、タップした位置に応じて、画面63は、オンライン時には図4の(D)の画面64に切換わり、オフライン時には図4の(B)の画面62に切換わる。
図4の(D)の画面64は、タップされた広告に関連付けられるURL641に基づき、ブラウザにより表示される画面を指す。
画面63の広告633を、オンラインおよびオフラインのいずれの場合においてもロングタップすると、表示部6には、当該広告633に重畳してコンテクストメニュー631が表示される。コンテクストメニュー631は、“広告ブックマーク登録”および“広告ブックマーク管理”の項目からなる。“広告ブックマーク登録”の項目をタップすると、画面63は図4の(B)のダイアログ620の表示画面62に切換わる。“広告ブックマーク管理”の項目をタップすると、画面63は図5の(E)の画面65に切換わる。
図4の(E)の画面65の広告名の一覧において、オンライン時に所望の広告名をタップすると、画面65は当該所望広告名に関連付けられるURLに基づき、ブラウザにより表示される図4の(D)の画面64に切換わる。
<動作シーケンス>
図5〜図7を参照して、本実施の形態に係る動作シーケンスについて説明する。図6と図7には、図5のシーケンスにおいて扱われるデータが例示される。
まず、ユーザは販売店に端末1の購入を申込む(ステップT1)。販売店は、店内の入力用端末を介してサーバ100と通信し、サーバ100に登録情報D2(図6の(A)参照)の新規登録を要求する。これにより、サーバ100のCPU101は、登録情報D2を受信し、受信した登録情報D2をユーザ情報DB1023に格納し(ステップT2)、登録完了情報D3(図6の(B)参照)を要求元に送信する(ステップT3)。登録完了情報D3は当該ユーザを識別するためのユーザIDである。販売店の店員は、ユーザに、サーバ100から受信したユーザIDを伝え、端末1をユーザに販売する(ステップT4)。ユーザは、伝えられたユーザID(図6の(C)のデータD4参照)を、購入した端末1の記憶部3に、操作部5を介して格納する(ステップT5)。
ユーザがオフライン時に端末1を操作して、サーバ100に対して図6の(D)のアクティベーションD6(ユーザIDを有効にするための手続き要求)が送信される(ステップT6)。アクティベーションD6はオンライン時に送信される。
その後、たとえば、オフラインからオンラインに切換わったタイミング、または、オンラインにおいてタイマ12が計時する時刻が所定時刻を指示したとき、端末1はサーバ100に対し図6の(E)の広告取得要求D7を送信する(ステップT7)。
サーバ100は、広告取得要求を受信すると、端末1に図7の広告メタデータD8を送信する(ステップT8)。端末1を購入後に初めて広告メタデータD8を受信する場合には、広告メタデータD8が指示する複数のクリエイティブ画像もサーバ100から端末1に送信される。端末1は、受信した各クリエイティブ画像を記憶部3の所定領域に格納する。各クリエイティブについて、当該クリエイティブが格納された領域を指示する情報(記憶部3のアドレス情報など)は、広告メタデータD8に各クリエイティブに対応する“クリエイティブ画像保存パス”として登録される。
その後は、端末1は、新たに受信する広告メタデータD8を参照して、更新されたクリエイティブ画像が存在するか否かを判定する。更新されたクリエイティブ画像があると判定すると、端末1は、サーバ100に対し図6の(F)のクリエイティブ画像要求D9を送信する(ステップT9)。サーバ100は端末1に対し、要求されたクリエイティブ画像D10(図6の(G)参照)を送信する(ステップT10)。端末1は更新されたクリエイティブ画像D10を受信し、記憶部3に格納する。更新された各クリエイティブ画像に対してこの処理を繰返す。
ユーザは端末1の操作部5を操作して、アプリケーションランチャを起動させる(ステップT11)。これにより、表示部6には、図4の(A)の画面61が表示される(ステップT12)。ユーザが画面61を操作(タップなど)すると(ステップT13)、当該操作に応じた画面に切換わる。
図6の(A)のユーザの登録情報D2は、ユーザの氏名、生年月日および性別、販路ID、ならびに端末シリアル番号を含む。
図6の(B)の登録完了情報D3は、登録情報D2のユーザ情報DB1023への格納が完了した当該ユーザを識別するためにサーバ100によって割当てられたユーザIDを指す。図6の(C)および(D)のデータD4およびアクティベーションD6は、当該ユーザIDを指す。
図6の(E)の広告取得要求D7は、販路IDを指す。この販路IDは、ユーザIDの上位2桁により表される。
図6の(F)のクリエイティブ画像要求D9は、広告メタデータD8(図7)のクリエイティブ画像保存パスのデータ(後述する)により表される。
画面61では、広告枠61A,61Bは画面下部に表示したが、表示位置は下部以外の位置であってもよい。また、広告枠61Bのクリエイティブをタップした際に、オフラインであった場合には、端末1は広告とは別のイメージを表示するようにしてもよい。広告枠61A,61Bに表示するべきクリエイティブがない場合は、広告枠自体を表示させなくてもよいし、代替画像を表示させてもよい。
広告ブックマーク登録確認のダイアログ620において「はい」が選択されてクリエイティブをブックマーク登録すると、その後、呼び出し元の画面63が表示されてもよい。また、ダイアログ620において「広告ブックマークを表示」のボタンを設け、当該ボタンが選択操作された場合には、広告ブックマークの画面65へ遷移しても良い。
広告リスト632を表示する画面63について、以下のような表示制御がされてもよい。オフラインの場合には、コンテクストメニュー611を経由せずに、画面61から直接に広告リスト632の画面63が表示されてもよい。また、広告リスト632のクリエイティブの並び順は、ユーザが指定できてもよい(たとえば、広告の有効期限、クリエイティブをタップした回数、クリエイティブの更新日等の順番で並び順を指定する)。
広告リスト632のクリエイティブを広告ブックマークに登録した際に、当該クリエイティブは広告リスト632による表示対象から外してもよい。広告ブックマークに登録されているクリエイティブを、広告リスト632に表示する場合は、ブックマーク済みであることを表す態様で表示してもよい。
オフラインにおいて、タップされた広告リスト632のクリエイティブは、その旨を表す態様で表示してもよい。その場合、オンラインになった際に、当該クリエイティブに対応のデータD81のリンク先情報(URL)に従い取得した情報をポップアップまたはアイコンを使って提示しても良い。ポップアップとは、ブラウザが画面に新しいウインドウを自動的に開き、当該ウインドウに情報を表示することを指す。
<広告メタデータ>
端末1は、表示部6に表示される広告枠(画面61の広告枠61A,61B)のそれぞれにおいて、当該広告枠に関連付けされた1つまたは複数のキャンペーンのデータを表示する。各キャンペーンのデータは、図7の広告メタデータD8により表わされる。
図7を参照して、広告メタデータD8は、種別、書籍コンテンツを識別する書籍コンテンツID、広告枠ID、キャンペーンIDおよび1つ以上のデータD81を含む。
「種別」は、「広告枠」が表示されるアプリケーションの種別を指す。たとえば、図4に示したように、広告枠は「アプリケーションランチャ」(というアプリケーション)が起動されている時に表示される画面上に表示される。したがって、本実施の形態では、当該種別は「アプリケーションランチャ」を指す。なお、広告枠は、他のアプリケーション起動時の表示画面において表示されてもよいが、本実施の形態では、説明を簡単にするために、端末1が受信する広告メタデータD8の“種別”は、アプリケーションランチャを指示すると想定する。
CPU2は、サーバ100から受信した広告メタデータD8の種別に基づき、いずれのアプリケーションを起動時に広告枠を表示するべきかを判定することができる。また、広告枠IDに基づく領域(画面上の座標位置)に、広告枠を表示することができる。
図8には、“キャンペーンID”の詳細が示される。図8を参照して、キャンペーンIDは、キャンペーン種類、期間指定、1日のインプレッション数/クリック数の上限値、配信期間指定、広告料金設定、配信比率およびキャンペーン内に含まれるクリエイティブの情報を含む。
各データD81は、キャンペーンに含まれる各クリエイティブのデータを表す。データD81の詳細は、後述する。
<サーバ側のデータベースの説明>
本実施の形態では、サーバ100は、データベースを用いて電子書籍コンテンツと、電子書籍コンテンツIDに対応して1以上の広告枠IDおよび1以上のクリエイティブIDとからなる組からなる広告メタデータD8を1つ以上準備する。同じ組合わせは存在しない。
図9には広告枠管理DB1021のレコードR1が例示される。広告枠管理DB1021は複数のレコードR1を有し、レコードR1は、図9の右端で例示される値を含む。各レコードR1は、上述した組のそれぞれに対応する。図9では、レコードR1を説明するために“コラム”と“型”が示される。つまり、レコードR1は、“コラム”で指示される複数種類のデータのそれぞれに対応した値を含み、当該値は対応の“型”(整数(integer)、ストリング(string)など)によって表わされる。
図9を参照して、レコードR1は、当該レコードR1を識別するためのIDおよび、対応する組の種別、書籍コンテンツID、広告枠IDならびに広告枠に表示されるクリエイティブのIDの各値を含む。
図10にはクリエイティブDB1022の各クリエイティブに対応したレコードR2が例示される。クリエイティブDB1022は複数のレコードR2を有し、レコードR2は、図10の右端で例示される値を含む。各レコードR2では、当該レコードR2を説明するために“コラム”と“型”が示される。つまり、レコードR2は、“コラム”で指示される複数種類のデータのそれぞれに対応した値を含み、当該値は対応の“型”(整数(integer)、ストリング(string)など)によって表わされる。
図10を参照して、レコードR2は、対応するクリエイティブのID、当該クリエイティブの広告の名称、当該クリエイティブが端末1で表示された回数、当該クリエイティブの最新の更新時刻、当該クリエイティブをタップしたときに表示される当該クリエイティブに関連(リンク)する情報のURL、クリエイティブ画像の格納場所(アドレス情報)であるクリエイティブ画像保存パス、当該クリエイティブ画像データのタイプ、当該クリエイティブの有効期間(表示開始日時および終了日時)、当該クリエイティブを表示するべき時間帯および曜日、表示コンテンツ範囲(ページ範囲など)、広告の最大表示回数、当該クリエイティブの表示が許容される対象ユーザの最低年齢および性別、オフライン時に当該クリエイティブを表示するか否かを指定するデータ、当該クリエイティブの表示の順序に関する優先度、当該クリエイティブはデフォルトとして表示されるか否かを指定するフラグ、および当該クリエイティブの広告が属する商品のジャンル(電化製品、食品など)の各値を含む。
サーバ100は、前述した所定の組合わせに基づき、広告枠管理DB1021とクリエイティブDB1022との情報から広告メタデータD8を生成し、要求元の端末1に送信する。所定の組合せは、広告枠管理DB1021の“クリエイティブID”の値と、クリエイティブDB1022の“クリエイティブID”の値とに基づき決定される。つまり、広告枠管理DB1021の“クリエイティブID”の値に一致した値を有する“クリエイティブID”を有する各クリエイティブ管理DBのデータが、データ81として広告メタデータD8を生成するのに供される。
図7を参照して広告メタデータD8の各データD81は、上述したクリエイティブDB1022のレコードR2の各種のデータに対応する値を含む。
このように、サーバ100と端末1とはそれぞれ、同じ構造のデータベースとしてクリエイティブDB1022と広告メタデータD8をそれぞれ有する。サーバ100は配信すべき各クリエイティブの情報を管理するためにクリエイティブDB1022を使用し、端末1は、配信された各クリエイティブの情報を管理するために広告メタデータD8を使用する。
したがって、「クリエイティブ画像保存パス」は、広告メタデータD8では端末1におけるクリエイティブ画像の格納先(アドレス情報)を指し、クリエイティブ管理DB102ではサーバ100におけるクリエイティブ画像の格納先(アドレス情報)を指す。また、端末1の表示処理部20は、クリエイティブ画像を表示する毎に、広告メタデータD8の「クリエイティブ表示回数」を1カウントアップする。これにより、クリエイティブ画像の端末1における表示回数をカウントすることができる。
図11には、ユーザ情報DB1023が示される。ユーザ情報DB1023は、図5のユーザ登録(ステップT5)によりサーバ100に登録されたユーザのそれぞれに対応して、データD2に基づくレコードR3を格納する。レコードR3には、ユーザID、生年月日、性別および販路IDが格納される。
サーバ100は、端末1から受信したユーザIDに基づきユーザ情報DB1023を検索して、当該ユーザIDに対応するユーザの生年月日および性別を読出す。読出した生年月日に従うユーザの年齢および性別に基づきクリエイティブDB1022を検索する。検索結果に基づき、当該年齢および性別に合致する“対象年齢”および“対象性別”の値を格納するレコードR2のうち有効期間内を指示する広告情報を配信する。
本実施の形態では、広告取得要求D7が指す販路IDは、ユーザIDの上位2桁により表される。これにより、端末1のユーザを完全に特定することはできないが、当該端末1の販路を特定することができるので、当該販路IDに対応する広告メタデータD8およびクリエイティブのみを端末1に送信することができる。
<処理フロー>
図12を参照して、本実施の形態に係るメイン処理について説明する。なお、端末1には、複数の広告メタデータD8と当該広告メタデータD8により参照されるクリエイティブ画像は、広告データ格納部25に格納されていると想定する。
まず、端末1の電源がオンされる(ステップS1)。続いて端末1の操作受付部28は、ユーザが操作するのを待機する(ステップS3)。
操作を受付けると、CPU2は、受付けた操作がアプリケーションランチャの起動の操作か否かを判定する(ステップS5)。操作はアプリケーションランチャの起動操作ではないと判定すると、当該操作に基づく指令に対応の他の処理を実行し(ステップS7)、処理は再びステップS3に戻る。
アプリケーションランチャの起動操作と判定されると(ステップS5でYES)、アプリケーションランチャを起動する。これにより、表示処理部20は、画面61を表示する(ステップS9)。この処理については後述する。
その後、操作受付部28はユーザが操作するのを待機し(ステップS11)、操作を受付けると、操作は何であるかを判定する(ステップS13)。操作は広告枠61Bの広告のタップであると判定すると、CPU2は電話網通信部7の送受信信号または通信部7の送受信信号に基づき端末1の状態はオンラインであるか否かを判定する(ステップS15)。オンラインであると判定すると(ステップS15でYES)、ステップS17において、表示処理部20のブラウザが起動する。ブラウザは、タップされた広告に関連付けられたURLのページ(ランディングページという)を取得し表示する。その後、ステップS3の処理に移行する。
ここで、ランディングページのURLは、当該広告枠61Bに表示されるクリエイティブの“リンク先情報”の値を、メタデータD8から読出すことにより取得できる。本実施の形態では、広告枠61Bに現在表示中のクリエイティブのデータD81は、ポインタD82により指示される(図7参照)。したがって、CPU2は、ポインタD82が指示するデータD81から、“リンク先情報”の値を読出すことにより、URLを取得して、取得したURLを表示処理部20のブラウザに出力する。
一方、端末1はオンラインでない、すなわちオフラインと判定されると(ステップS15でNO)、表示処理部20は、広告枠61Bに表示中の広告をブックマーク登録するかどうかをユーザに確認するための画面62を表示する(ステップS19)。
なお、オンラインの場合も、ユーザは、広告枠61Bのクリエイティブを後でも見たいと希望する場合があるので、オンラインにおいても、広告をブックマーク登録できるようにしてもよい。また、オフラインでは、ユーザに確認せずに広告をブックマーク登録してもよい。
操作受付部28は、画面62のダイアログ620の操作がされるか否かを判定する。CPU2は、操作受付部28が受付けた操作に基づき、ブックマーク登録が要求されているか否かを判定する(ステップS21)。ブックマーク登録が要求されると判定されると(ステップS21でYES)、ブックマーク登録部23Bにより後述の広告ブックマーク登録処理(ステップS23)が行なわれる。広告ブックマーク登録処理においては、タップされた広告枠61Bに表示中のクリエイティブのデータD81に対応してデータB(i)(ただし、i=1,2,3・・・m)が付加される。データB(i)は、対応のデータD81のクリエイティブが広告ブックマークとして登録済であることを指す。変数iは、ブックマーク登録された順番を指す。
広告ブックマーク登録処理が終了すると、広告ブックマーク登録完了のメッセージ621が画面に表示される(ステップS25)。その後、ステップS3の処理に移行する。なお、ステップS25の処理の後は、画面65に切り替え表示してもよい。
さらに、オフラインに登録された広告ブックマークは、のちにオンラインに変わった時点で、自動的に当該広告ブックマークに関連付けされたランディングページを表示するようにしてもよい。
一方、ステップS21で広告ブックマーク登録が要求されないと判定されると(ステップS21でNO)、処理はステップS3に戻る。
ここで、ステップS13の処理に戻る。ステップS13おいて、操作受付部28が受付けた操作は、画面61におけるアプリアイコン中の広告ブックマークアプリアイコンのタップであると判定されると、処理はステップS27に移行し、CPU2は、ブックマーク処理部23による広告ブックマークアプリを起動する。これにより、第2表示処理部20Bにより画面65が表示される。この詳細は後述する。
その後、画面65に一覧表示された広告ブックマークされたデータD81のクリエイティブのうちから、1件のブックマーク(クリエイティブ)がタップされるのを待機する(ステップS29)。操作受付部28の選択受付部29はタップを受付けると、ステップS17の処理において、タップされたクリエイティブのデータD81から読出されたURLを用いて、ブラウザによりランディングページが表示される。
ステップS13の処理に戻り、操作受付部28は受付けた操作の種類は、アイコン612のうちの広告ブックマークアプリ以外のアイコンのタップであると判定されると、処理はステップS31に移行する。ステップS31においては、タップされたアイコンに対応するアプリケーションが起動されて実行される。その後、ステップS3の処理に移行する。
ステップS13において、操作受付部28は広告枠61Bにおける操作は、ロングタップであると判定すると、ステップS33において、表示処理部20によりコンテクストメニュー611が表示される(ステップS33)。なお、オフラインであれば、コンテクストメニュー611は表示せずに、広告リスト632を表示するようにしてもよい。
続いて、表示されたコンテクストメニュー611におけるユーザの操作が判別される(ステップS35)。操作受付部28の選択受付部29は、項目「広告ブックマーク管理」がタップされたと判定すると、ステップS27の処理に移り、以降の処理が、前述と同様に行なわれる。
項目「広告ブックマーク登録」がタップされたと判定されると、処理はステップS19に移行する。ステップS19以降の処理が前述と同様に行なわれる。
項目「広告リスト表示」がタップされたと判定されると、ステップS37において広告リスト画面処理が起動される(ステップS37)。この処理の詳細は後述する。
その後、操作受付部28はユーザの操作を待機し(ステップS39)、操作を受付けると、受付けた操作の種類を判定する(ステップS41)。
受付けた操作が、リスト表示されている「広告」(クリエイティブ)のタップであると判定すると、ステップS15の処理に移行し、ステップS15の処理が前述と同様に行なわれる。
受付けた操作が、リスト表示されている「広告」(クリエイティブ)のロングタップであると判定すると、ステップS43においてコンテクストメニュー631が表示される。
その後、操作受付部28はユーザの操作を待機する(ステップS45)。ステップS45において操作受付部28は、「広告ブックマーク登録」の項目が選択されたと判定すると、処理はステップS27に移る。ステップS27以降の処理が前述と同様に行なわれる。
「広告ブックマーク管理」の項目が選択されたと判定すると、処理はステップS19に移行する。ステップS19以降の処理が前述と同様に行なわれる。
上述のステップS17、S31、S21およびS25では1例として、当該処理を終了後は、元のメイン画面(図示せず)に戻るが、処理前の表示画面に戻っても良い。たとえば、ステップS17の処理後は、ブラウザ起動前の状態(たとえば広告ブックマークアプリの画面が表示された状態や、アプリケーションランチャ画面61が表示された状態や、広告リスト632の画面63が表示された状態)に戻ってもよい。
画面65において、オフラインで広告ブックマークがタップされた場合は、次のいずれかの処理に移行してもよい。
ユーザに、関連するURLを用いて通信接続するかどうかを問い合わせるダイアログを表示するとしてもよい。接続OKの指示が入力されると通信ネットワークNTを介して、ブラウザはランディングページを表示しようとする。URLを用いた通信を確立できなかった場合は、表示処理部20は「接続できません」というダイアログを表示する。
また、オフラインに表示することを目的として、広告データ取得時にあらかじめ端末1内に取得しておいた、別のデータを表示してもよい。たとえば、簡易版のランディングページデータ(HTML(Hyper Text Markup Language)データなど)を、ブラウザにより表示する。または、別の画像データ(たとえば、情報量の多い、よりサイズの大きな画像)を表示してもよい。
<アプリケーションランチャ画面処理>
アプリケーションランチャ画面処理(ステップS9)について図13を参照して説明する。
まず表示処理部20は、図4の(A)の画面61のアプリケーションアイコン表示領域において、登録済みの各アプリケーションに対応のアイコン612を並べて表示する(ステップS51)。
ここでは、記憶部3には、予め格納されている複数種類のアプリケーションのそれぞれに対応して、当該アプリケーションを一意に識別するためのアイコン612のデータが格納されている。したがって、表示処理部20は、当該アイコン612のデータを、記憶部3から読出し、画面61に配列して表示する。
その後、広告枠61Aに対する表示広告の選択処理(ステップS53)がされる。この表示広告選択処理の詳細は後述する。
続いて、CPU2は、表示広告選択処理の結果に基づき、広告枠61Aに表示するべきクリエイティブが有るか否かを判定する(ステップS55)。クリエイティブがないと判定すると(ステップS55でNO)、処理はステップS59に移行するが、有ると判定すると(ステップS55でYES)、ステップS57において、広告枠61Aに、販路IDなどの所定条件に応じたクリエイティブが表示される(ステップS57)。その後、ステップS59において、広告枠61Bに対する表示広告の選択処理(ステップS59)がされる。この表示広告選択処理の詳細は後述する。
続いて、CPU2は、表示広告選択処理の結果に基づき、広告枠61Bに表示するべきクリエイティブが有るか否かを判定する(ステップS61)。ないと判定すると(ステップS61でNO)、処理は図12の元の処理に移行するが、有ると判定すると(ステップS61でYES)、ステップS63において、広告枠61Bに、現在有効なクリエイティブのうち、所定規則に従って選択されたクリエイティブが表示される。その後処理は図12に戻る。
本実施の形態では、アプリケーションランチャ起動時の画面61において、広告枠61A,61Bの2つの広告枠を表示するが、広告枠は他の画面において表示されてもよい。また、1画面上に表示される広告枠の数は2つに限定されない。また、広告枠は特定の画面おいて表示することなく、ポップアップ表示されるウインドウ(領域)内において表示する方法であってもよい。
また、広告枠の領域において表示されるクリエイティブのデータは、画像データ(静止画、アニメーション、GIF(Graphic Interchange Format)/PNG(Portable Network Graphics)に従う画像、動画)、HTMLデータ、テキストデータなどであってよい。
<表示広告選択処理>
表示広告選択処理(図13のステップS53,S59)を、図14を参照して説明する。図14では、広告枠61A,61Bに表示するべきクリエイティブの選択手順が示される。
まず、第1表示処理部20Aは、記憶部3の広告メタデータD8のうちから、広告枠61Aに割り振られた“広告枠ID”に対応付くキャンペーンの広告メタデータD8を取得する(ステップS71)。したがって、広告枠IDにより、対応する広告メタデータD8を識別することができる。ここでは、複数個のキャンペーンの広告メタデータD8が取得されると想定する。
続いて、取得した複数個の広告メタデータD8のうち、キャンペーンIDの配信期間が現在時刻と合わない広告メタデータD8を除外する(ステップS73)。つまり、タイマ12が計時する現在時刻が、キャンペーンIDの配信期間(開始日時と終了日時)に該当しない広告メタデータD8を除外する。
残ったキャンペーンの広告メタデータD8それぞれについて、表示回数がキャンペーンIDの“1日のインプレッション数/クリック数の上限値”以上を指す広告メタデータD8を除外する。
第1表示処理部20Aは、当該広告メタデータD8の各データD81について、当該データ81が指すクリエイティブの広告枠における表示回数を1日単位でカウントするとともに、このカウント値を用いて広告メタデータD8の全てのクリエイティブについての表示回数のトータルカウント値を算出する。各クリエイティブに対応のデータD81の“クリエイティブ表示回数”の値は、当該クリエイティブが表示される毎にインクリメントされる。したがって、“クリエイティブ表示回数”の値により1日単位での表示回数が指示される。したがって、これらカウント値と、“1日のインプレッション数/クリック数の上限値”とを比較し、比較結果に基づき、1日単位でカウントまたはトータルカウント値が、当該上限値以上を指すと判定したときは、当該広告メタデータD8を除外する(ステップS75)。
残った複数の広告メタデータD8のうち、キャンペーンIDの“配信比率”に従って、当該広告枠に表示するべきクリエイティブの1個の広告メタデータD8を選択する(ステップS77)。ここでは、配信比率は、広告メタデータのうち当該広告メタデータのクリエイティブが当該広告枠に表示される確率を指す。
たとえば、ステップS75の処理により、3つの広告メタデータD8(たとえば、広告メタデータA,B,Cとする)が取得されて、“配信比率”として広告メタデータAには“7”が、広告メタデータBには“2”が、広告メタデータCには“1”が設定されている場合、ステップS77では、広告メタデータA,B,Cのそれぞれは、7:2:1の比率に従う確率で1つ選択される。選択されなかった広告メタデータは表示対象から除外される。なお、“配信比率”が指定されていない場合は、各広告メタデータD8は同じ比率で選択される。
続いて、ステップS77の結果、選択された広告メタデータD8内のクリエイティブのデータD81(複数個)を取得する(ステップS79)。
続いて、取得されたデータD81のうちから、配信期間と現在時刻と合致しないデータD81を除外する(ステップS81)。つまり、配信期間(有効期限開始日時と有効期限終了日時)がタイマ12が計時する現在時刻に該当しないデータD81を除外する。
続いて、残ったデータD81のうち、表示期間が現在時刻と合致しないデータD81を除外する(ステップS83)。つまり、表示期間(表示時間帯および表示曜日)がタイマ12が計時する現在時刻(時間帯および曜日)に該当しないデータD81を除外する。
続いて、残ったデータD81のうちから、クリエイティブIDの値が、表示処理部20により指定された所定の“書籍コンテンツID”の値と一致するデータD81を抽出する(ステップS85)。ここでは、データD81は複数個抽出されると想定する。
抽出されたデータD81のうち、書籍コンテンツの現在表示中の“表示コンテンツ範囲”が、表示処理部20により指定された書籍コンテンツの範囲に該当するデータD81を抽出する。たとえば、表示処理部20により電子書籍の100頁〜110頁が指定された場合には、“100頁〜110頁”の範囲に該当する頁を指す“表示コンテンツ範囲”を指すデータD81が抽出される(ステップS87)。なお、データD81が抽出されない場合もあるが、1個または複数個(2個以上)のデータD81が抽出される場合もある。
ステップS87により抽出されたデータD81の数を判定する(ステップS89)。抽出されたデータD81は“なし”と判定されると(ステップS89で“なし”)、記憶部3に予め格納されているデフォルト広告のクリエイティブが選択される(ステップS91)。
ステップS87で抽出されたデータD81が“複数”と判定されると(ステップS89で“複数”)、各データD81の“優先度”の値に従って、1個のデータD81が選択される(ステップS93)。優先度は、たとえば1−9のいずれかの整数値で示される。したがって、優先度の値が最小であるデータD81が選択される。
残ったデータD81は“1つ”と判定されると(ステップS89で“1つ”)、当該データD81が選択される。
上述のようにして選択されたデータD81またはデフォルト広告のクリエイティブは、ステップS95の処理において、図13の処理に返される。その後、処理は図13に戻る。
上述の書籍コンテンツの“表示コンテンツ範囲”について説明する。
たとえば、端末1を電子書籍閲覧端末として利用すると想定する。各電子書籍コンテンツには識別ID(=書籍コンテンツID)が付与されており、端末1で現在表示中の電子書籍コンテンツの書籍コンテンツIDは、上述の「表示コンテンツID」を指示する。この「表示コンテンツID」は、たとえば電子書籍ビューア(電子書籍コンテンツの内容を表示する表示処理部20の1機能)が電子書籍コンテンツの表示を開始する際に、その書籍コンテンツIDを端末1を一時記憶部4に格納する。一時記憶部4から書籍コンテンツIDを読出すことにより、前述の所定の“書籍コンテンツID”を取得できる。
電子書籍コンテンツを表示中には、現在表示中の位置(たとえば電子書籍のページ数や、全体ページ数に対する現在表示ページ数の割合(パーセント数))を、電子書籍ビューアが、一時記憶部4に格納される。書籍コンテンツの現在表示中の“表示コンテンツ範囲”を取得できる。
このように本実施の形態では、各広告枠について、当該広告枠に表示するべきクリエイティブを、上述のように2段階で選択する。まず、当該広告枠に関連付けられた各キャンペーンのうち表示制御条件を満たさないものを除外し、続いて、除外されずに残った各キャンペーンについて、含まれる各クリエイティブのうち表示制御条件を満たさないものを除外する。これにより、所定の表示制御条件を満たすクリエイティブのみを選択することができる。
なお、本実施の形態では、広告枠61A(または61B)に表示するべきクリエイティブを抽出できない(存在しない)場合は、デフォルトのクリエイティブを選択するとしているが、選択手順はこれに限定されない。
たとえば、広告枠は表示するが、広告枠内には何も表示しないとしてもよいし、広告枠内に、端末1の記憶部3に格納する代替画像(デフォルトのクリエイティブではない画像)を表示するとしてもよく、また、広告枠自体を表示しないとしてもよい。
<広告の特性に応じた他の表示制御条件>
広告枠61Aと61Bに表示されるクリエイティブの選択条件は、図14に示す条件に限定されない。図15には、他の条件の一例が表形式で示される。
図15の表に示すように、広告主、広告配信社は配信する広告(クリエイティブ)に対して表示制御条件を設定することができる。販路ID、対象年齢、対象性別、有効期間、表示曜日、表示時間、分野、配信対象地域など、これらの指定条件と、端末1に格納された情報を比較照合することで、クリエイティブの表示制御が可能となる。
図15の条件に従うデータを、各クリエイティブに対応するデータD81に追加登録することにより、データD81の条件と、端末1が格納しているユーザ情報などとの比較により、広告枠61A,61Bにおけるクリエイティブの表示制御、広告リスト632におけるクリエイティブの表示制御および画面65における広告ブックマークの表示制御をすることができる。このように、端末1のユーザの嗜好など個人情報を外部に送信しなくとも、ユーザの情報および広告主の希望に応じたクリエイティブの配信(表示)が可能となる。
図15の表では、各“番号”に対応して、“広告の特性”、“広告枠内の表示”、“広告リスト内の表示”および“広告ブック内の表示”からなる表示制御条件の組が記載される。“広告の特性”は表示制御に関する広告の特性を指す。“広告枠内の表示”は、広告枠におけるクリエイティブの表示態様を指す。“広告リスト内の表示”は、広告リスト632におけるクリエイティブの表示態様を指す。“広告ブックマークの表示”は、画面65におけるクリエイティブの表示態様を指す。これら表示態様は、通常のクリエイティブ表示態様とは異なる。
図15の表示制御条件の各組については、○印が付いた行の条件は適用してもよい(適用しなくてもよい)ことを指し、○印のない条件は適用しないことを指す。なお、○印のついた適用可能な条件については、複数を組み合わせてもよい。
図15の(*1)が指す表示方法変化の例を説明する。
広告枠61A,61Bによるクリエイティブの表示、広告リスト632によるクリエイティブの表示および画面65の広告ブックマークの表示に共通で使える方法の例としては、広告枠の色を変える、クリエイティブの色みや明度などを変えて表示(たとえば、現在有効でないクリエイティブは明度を下げて暗く表示)する。クリエイティブをフラッシュさせる(短い時間、光ったようなエフェクトをかける)。クリエイティブを点滅表示する。クリエイティブを回転させる(広告枠とその内部のクリエイティブ画像が回転)。クリエイティブをシェイクさせる(短い時間、広告枠の表示位置を小さく移動させ、クリエイティブを震えたように見せる)。効果音を鳴らす。端末1を振動させる(端末1の図示のないバイブレーション機能を使って、端末1を短時間振動させる)。クリエイティブをマークを付加して表示する。などである。
また、広告枠について、広告枠の表示位置を変える(たとえば、通常はアプリケーションランチャ画面61の下部に表示するのであれば、表示位置を画面61の上部に変える、など。)。
このように表示態様を変化させることで、ユーザにとっては、興味のある広告を見逃しにくくなることが期待でき、広告主にとっては広告効果の向上が期待できる。
図15の(*2)が指す表示優先度の変化の例としては、条件に該当するクリエイティブを上位(優先的に最初に)に表示したり、逆に下位に表示したりするなどである。
図15の(*3)については、対応する広告特性に合致するクリエイティブは、表示対象から外して表示しないようにする、表示はするが現在無効であることが分かるような表示態様で表示するなどしてよい。または、現在無効なクリエイティブは表示しないようにしてよい。
図15の番号(08)〜(17)に対応する(*4)の広告の特性を満たすクリエイティブが複数ある場合には、表示の優先順位を指定しておくことができる。
図15の(*5)が指示する広告の特性を満たす複数のクリエイティブについては、最近利用したクリエイティブほど表示頻度を上げたり、表示時間を延長してよい。
図15の(*6)が指示するクリエイティブについては、「広告ブックマーク登録された、またはタップされた」ことにより、「ユーザの興味を引くという目的は達成したので、その後は表示しない、またはその後の表示では優先度をさげたり目立たなくする」という態様で表示してよい。または、「ユーザの興味をひいたクリエイティブであるので、より優先度を上げたり目立たせたりして継続して表示する」という態様で表示してもよい。
図16には、クリエイティブの表示順序の制御についての制御方法の一例が示される。広告リスト632および広告ブックマーク画面65において、クリエイティブを一覧表示する際のクリエイティブの並び順の制御については、図16に示す条件設定により制御することができる。
図16の表に示す設定条件について説明する。表の○印は、当該○印に対応する「ソートの方法」の欄に記載された方法を適用してもよい(適用しなくてもよい。)。また、○印のないところは、対応する「ソートの方法」の欄に記載された方法は適用しない。また、○印のついた適用可能なソート方法については、複数の方法を組み合わせることもできる。
<広告リスト画面処理>
ここでは、前述した図14のステップS87の処理において、複数のデータD81が抽出されたと想定する。抽出された複数のデータD81は、広告リスト画面処理に渡される。
図17を参照して、図12の広告リスト画面処理(ステップS37)について説明する。
表示処理部20の第2表示処理部20Bは、図14のステップS87の処理において抽出された複数のデータD81を取得する(ステップS101)。
続いて、取得したデータD81を“優先度”の値に従って昇順または降順にソート処理する(ステップS103)。第2表示処理部20Bは、ソートされたデータD81のクリエイティブ画像を“クリエイティブ画像保存パス”に基づき記憶部3から読出し、読出したクリエイティブ画像の広告633を、広告リスト632として一覧表示する(ステップS105:図4の画面63を参照)。その後、処理は図12に戻る。
なお、第2表示処理部20Bは、ステップS13でユーザがロングタップしたクリエイティブ(広告枠61Bに表示されていたクリエイティブ)を、当該広告リスト632の当該クリエイティブが表示されていた位置(すなわち、広告枠61Bに該当する位置)に割込ませて並べる。
一般的には、選択したクリエイティブを、続けてタップすると考えることができるので、このようにロングタップされたクリエイティブを、ロングタップ時と同じ(または近い)位置に表示させることで、ユーザの操作性を損なわないようにできる。
なお、必ずしもこのような配置にする必要はなく、ロングタップにより選択したクリエイティブも、他のクリエイティブと同等に扱い、ソート順番に従う位置に表示するようにしてもよい。
広告リスト632によれば、ユーザが今見て選択した広告枠61Bの広告(クリエイティブ)以外の広告も同時に表示されるので、広告をユーザに提示する機会が増え、広告主にとって、広告効果の向上が期待できる。
また、ユーザは、過去に見た広告を再度見たい場合、提示された広告リスト632から容易に探すことが可能になる。
また、広告配信側が設定したデータD81の各属性の値に従う広告表示制御方法に沿ってだけではなく、ユーザが能動的に広告リスト632から広告を選んで見ることも可能になる。
また、広告リスト632のクリエイティブ数により、広告リスト632表示領域の大きさを可変にしてもよい。クリエイティブ数が少ないときは表示領域を小さくし、多いために広告リスト632が1画面内に収まらないときは、画面をスクロールして広告リスト632を確認できるようにしてもよい。
<広告ブックマークアプリ起動>
図18を参照して、図12の広告ブックマークアプリの起動(ステップS27)について説明する。
CPU2は、登録済みの広告ブックマークの一覧を取得する(ステップS111)。具体的には、広告データ格納部25の広告メタデータD8からデータB(i)が付加された各データD81の“クリエイティブ画像保存パス”の値(アドレス)を読出す。そして、読出し値に基づき広告データ格納部25を検索して、対応するクリエイティブ画像を読出す。これにより、広告ブックマーク一覧表示のためのクリエイティブ画像が取得される。
CPU2は、取得したクリエイティブ画像を第2表示処理部20Bに出力する。第2表示処理部20Bは、与えられるクリエイティブ画像を表示部6の表示領域に一覧表示する(ステップS113:図4の画面65を参照)。その後、処理は図12に戻る。
画面65の表示領域に関しては、一覧表示されるクリエイティブ数により、表示領域の大きさを可変にしてもよい。少ないときは小さくし、多くて1画面内に収まらないときはスクロールできるようにしてもよい。
「広告ブックマーク」を利用することにより、ユーザが興味を持った広告をブックマーク(データB(i))を付加して記憶させておくことができる。これにより、ユーザにとっては、広告ブックマークアプリを起動させるだけで、興味のある広告を速やかに閲覧することができる。この結果、広告主にとっては、ユーザ獲得機会の拡大、広告効果の向上が期待できる。
ここでは、「広告ブックマーク」機能を、ブラウザが有する一般的なブックマーク機能とは個別に扱っているが、ブラウザのブックマーク機能を利用した「広告ブックマーク」機能が提供されてもよい。つまり、ユーザがお気に入りの広告(クリエイティブ)に関連付けられたランディングページのURL、すなわち当該クリエイティブのデータD81の“リンク先情報”の値(URL)をブラウザのブックマーク機能を使って管理してもよい。この場合には、ブラウザは、お気に入りの広告(クリエイティブ)のURLを記憶部3の所定領域に管理(記憶)する。オンラインにおいてブラウザが記憶部3から読出したURLを表示し、表示したURLをユーザ指定操作すると、ブラウザは指定されたURLのランディングページを取得し、表示部6に表示するとしてもよい。これによっても、ユーザは、お気に入り広告の関連情報を取得できる。
また、ユーザは操作部5を介して、画面65の広告ブックマークのクリエイティブの一覧から、所望のクリエイティブの削除を指示することができる。これにより、当該クリエイティブのデータD81に付加されているデータB(i)が削除されて、当該クリエイティブのブックマーク登録は解除される。または、この操作により、当該クリエイティブのデータD81とクリエイティブ画像が広告データ格納部25から削除されるとしてもよい。
<広告ブックマーク登録処理>
図19を参照して、図12の広告ブックマーク登録処理(ステップS23)について説明する。
ブックマーク登録部23Bは、広告枠61Bでタップされたクリエイティブまたは広告リスト632においてタップまたはロングタップされたクリエイティブのデータD81を、広告メタデータD8から読出す(ステップS121)。
そして、読出したデータD81を、広告ブックマークとして登録する(ステップS123)。つまり、当該データD81のデータB(i)を付加する。その後、図12の処理に戻る。これにより、ユーザがタップまたはロングタップにより指定したお気に入りまたは興味のある広告(クリエイティブ)を“広告ブックマーク”として登録することができる。
なお、ここでは、ブックマーク登録部23Bは、データD81にデータB(i)を付加することにより、広告ブックマークの登録をしたが、広告データ格納部25の広告ブックマーク管理用の図示のないデータベースを用いてもよい。つまり、ユーザがタップまたはロングタップしたクリエイティブのデータD81を広告メタデータD8から読出し、広告データ格納部25の広告ブックマーク管理用データベースに登録してもよい。
広告ブックマークを、ユーザがボタンを操作することにより、またはメニューの項目を指定することにより、ブックマーク管理部23Aにより指定の広告ブックマークを削除してもよい。つまり、付加されたデータB(i)の削除、または広告ブックマーク管理用データベースから対応するクリエイティブのデータD81を削除する(または、広告ブックマーク管理用データベースにおいて当該データD81を読出し不可能状態に設定する)。また、ユーザの指示によらず、ブックマーク管理部23Aは、登録された広告ブックマークのうち、対応のデータD81の“有効期間開始日時”および“有効期間終了日時”で指示される有効期間が終了したものを、上述の手順で削除するとしてもよい。
なお、有効期間に基づき削除する際は、削除されたことがユーザに分かるように、削除後は所定の回数または所定の時間、削除済みを示すマークを表示する。またはマークの表示色を変える。また、ユーザは有効期間に基づく削除をキャンセルして広告ブックマークデータを復活させるようにしてもよい。復活は、対応のデータD81にデータB(i)を再度、付加すること、または広告ブックマーク管理用データベースにおいて読出し不可能状態にあった当該データD81を、読出し可能状態に変更すること、などを指す。
ブックマーク管理部23Aは、広告ブックマークを、グループ化(フォルダによる分類)して管理できるようにしてもよい。
広告ブックマークについては、広告主や広告配信者は、広告ブックマークのクリエイティブに対して、対応のデータD81の“有効期間開始日時”および“有効期間終了日時”とは独立に、広告ブックマークの有効期間を設定できるようにしてもよい。たとえば、“有効期間開始日時”および“有効期間終了日時”は、当該クリエイティブ配信開始後1週間を示すとしても、当該クリエイティブがブックマークされた場合には、広告ブックマークの有効期間は、広告配信開始後2週間とするようにしてもよい。
<広告データ取得メイン処理>
本実施の形態では、端末1の広告取得部21は、図20と図21の処理フローに従って、定期的に、または非定期にサーバ100から広告情報(広告メタデータD8およびクリエイティブ)を取得する。ここでは、広告データ格納部25には複数個の広告メタデータD8が格納されていると想定する。
広告取得部21は、サーバ100から広告メタデータD8およびクリエイティブを取得するために、各広告メタデータD8に対応した図22の状態データ33を用いる。
図22の状態データ33は、記憶部3に格納される。状態データ33は、フラグの集合である。フラグは1ビットに相当する。状態データ33の各ビットは、対応する広告メタデータD8の各データD81に1対1で対応する。データD81に対応のフラグが“OFF”(“0”)の場合、当該データD81のクリエイティブは取得できなかったことを指し、“ON”(“1”)の場合、当該データD81のクリエイティブを取得できたことを指す。
図20を参照して、広告取得部21は、広告メタデータD8の各データ81の配信期間(“有効期間開始日時”および“有効期間終了日時”により示される期間)と、タイマ12が出力する計時データが指す現在時間とを比較する。比較結果に基づき、現在時間が配信期間に該当しないデータD81を広告メタデータD8から削除する(ステップS131)。これにより、記憶部3について空き容量が不足するのを回避できる。
次に、広告取得部21は、広告メタデータD8に対応の状態データ33の全てのフラグをOFFにセットする(ステップS133)。
続いて、広告取得部21は広告メタデータD8から“広告枠ID”の値を読出し(ステップS135)、読出した“広告枠ID”を含む広告メタデータの取得要求を、サーバ100宛てに送信する(ステップS137)。なお、通信ネットワークNTの状態によって、端末1が取得要求を送信できない場合には、取得要求の送信を繰返すようにしてもよい。
サーバ100の広告配信部1011は、端末1から取得要求を受信する(ステップS1381)。そして、受信した取得要求の“広告枠ID”基づき、広告枠管理DB1021を検索し、当該“広告ID”の値を指示する“ID”を有したレコードR1を読出す。そして、読出したレコードR1の“クリエイティブID”に基づき、クリエイティブDB1022を検索し、当該“クリエイティブID”の値を指示する“クリエイティブID”を有した1または複数のレコードR2を読出す。そして、このようにして読出されたレコードR1とR2とから広告メタデータD8を生成する(ステップS1382)。生成した広告メタデータD8を端末1に送信する(ステップS1383)。サーバ100は、端末1から取得要求を受信しなくなると(ステップS1384でYES)、処理を終了するが、受信する間は、ステップS1381の処理に戻る。
端末1は、サーバ100から広告メタデータD8を受信すると(ステップS139)、広告データ取得のサブルーチン処理(図21参照)に移行する。
図21を参照して、サブルーチン処理では、広告取得部21は、サーバ100から、デフォルトのクリエイティブ画像を取得する(ステップS151)。その後、デフォルトのクリエイティブ画像を広告データ格納部25に格納する(ステップS153)。
広告取得部21は、受信した広告メタデータD8を1件読出す(ステップS155)。読出した広告メタデータD8は対応するキャンペーンに関する情報(以下、キャンペーン情報という)を指す。広告取得部21は、キャンペーン情報について配信期間をチェックする(ステップS157)。つまり、“キャンペーンID”により指定される“配信期間”とタイマ12が計時する現在時間とに基づき、現在時間が当該配信期間に該当すれば有効と判定され、該当しないキャンペーン情報は無効として廃棄される。チェックの結果、有効と判定されたキャンペーン情報について、以降の処理がされる。
まず、広告取得部21は、キャンペーン情報の広告メタデータD8から1件のデータ81を読出す(ステップS159)。続いて、読出したデータD81について、配信期間(“有効期限開始日時”および“有効期限終了日時”が指す期間)とタイマ12が計時する現在時間とが比較される。比較結果に基づき、現在時間が配信期間に該当しないデータD81は無効として廃棄される。ここでは、データD81は、現在時間が配信期間に該当するような有効なデータで有ると想定する(ステップS161)。
続いて、広告取得部21は、データD81から“クリエイティブID”の値を読出し、当該値を含むクリエイティブ画像の取得要求をサーバ100に送信する(ステップS163)。サーバ100の広告配信部1011は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれる“クリエイティブID”の値に基づき記憶部102を検索して、該当するクリエイティブ画像を取得する。取得したクリエイティブ画像を端末1に送信する。なお、広告配信部1011は、送信するクリエイティブ画像に、当該画像の最新の更新時刻のデータを付加して送信する。なお、“クリエイティブID”は、クリエイティブ画像に関するURLを指しても良い。
広告取得部21は、クリエイティブ画像の受信に成功したか否かを判定する(ステップS165)。クリエイティブ画像の取得に失敗したと判定すると(ステップS165で“失敗”)、処理はステップS159に移り、次のデータD81について処理が行われる。
一方、クリエイティブ画像の取得に成功または更新なしと判定すると(ステップS165で“成功/更新なし”)、処理はステップS167に移行する。ここでは、広告取得部21は、受信したクリエイティブ画像に付加されている更新時刻のデータと、データD81の“クリエイティブ更新時刻”とを比較する。比較結果、付加されていた更新時刻が、“クリエイティブ更新時刻”以前を指すと判定すると、広告取得部21は、クリエイティブ画像は“更新なし”と判定し、“クリエイティブ更新時刻”より後を指すと判定すると、クリエイティブ画像の取得に“成功”と判定する。
ステップS167においては、広告取得部21は、“成功”と判定された、すなわち更新されていたクリエイティブ画像を広告データ格納部25に格納するとともに、“成功/更新なし”と判定された当該クリエイティブ画像のデータD81に対応の状態データ33のフラグを“ON”にセットする(ステップS167)。なお、広告取得部21は、当該データD81の“クリエイティブ画像保存パス”の値(アドレス値)に基づき、広告データ格納部25にクリエイティブ画像を格納する。
なお、受信されたクリエイティブ画像は“更新なし”と判定された場合には、すなわち端末1が受信(取得)済みのクリエイティブ画像に一致すると判定された場合には、当該クリエイティブ画像を広告データ格納部25に格納する必要はなく、広告取得部21は、当該クリエイティブ画像を破棄する。
続いて、広告取得部21は、キャンペーン情報の広告メタデータD8からすべてのデータD81を読出したか否かを判定する(ステップS169)。すべてのデータD81をまだ読出していないと判定すると(ステップS169でNO)、処理はステップS159にもそり、次のデータD81が読出されて、同様の処理がされる。
すべてのデータD81を読出したと判定すると(ステップS169でYES)、状態データ33の“OFF”のフラグに対応するデータD81を、キャンペーン情報の広告メタデータD8から削除する(ステップS171)。
続いて、広告取得部21は、すべてのキャンペーン情報の広告メタデータD8を読出したか否かを判定する(ステップS173)。すべてをまだ読出していないと判定すると(ステップS173でNO)、処理はステップS155に戻り、次のキャンペーン情報の広告メタデータD8について、以降の処理が同様に行なわれる。
一方、すべてのキャンペーン情報の広告メタデータD8を読出したと判定すると(ステップS173でYES)、当該広告枠の各広告メタデータD8に対応する各状態データ33のフラグがOFFのデータD81を、当該広告メタデータD8から削除する(ステップS175)。その後、図20の元の処理に戻る。
図20の処理に戻り、図21の処理を終了後、広告取得部21は、ステップS143において、すべての広告枠IDについて広告に関するデータを取得したか否かを判定する(ステップS143)。すべてのデータを取得したと判定すると(ステップS143でYES)、後述のステップS145に移るが、取得していないと判定すると、処理をステップS135に移し、次の広告枠IDについて、以降の処理が同様に行なわれる。
ステップS145においては、各広告メタデータD8について、対応の状態データ33のフラグに基づき、サーバ100から対応のクリエイティブ画像が送信されなかったデータD81を削除する。これにより、記憶部3の空き容量を大きくすることができる。
続いて、広告取得部21は、参照されないクリエイティブ画像を広告データ格納部25から削除する(ステップS147)。つまり、広告取得部21は、上述の処理により削除されたデータD81の“クリエイティブ画像保存パス”により指示されるクリエイティブ画像を、広告データ格納部25から削除する。これにより、記憶部3の空き容量を増やすことができる。
広告取得部21は、上述の処理を、図12のメインフローとは独立(非同期)に端末1のオフラインにおいて開始してもよいし、ユーザ操作によって指示されたとき開始するようにしてもよい。また、それらの両方において実行してもよい。
オフラインにおける広告取得部21による処理の時刻を決めることもできる。たとえば、定期的に処理する場合には、1週間に1回(たとえば、日曜日の午前零時)、1日1回(たとえば、毎日の午前零時)、毎時1回(たとえば、毎時0分)などである。
また、端末1がオフラインからオンラインに変化した際に処理を開始するとしてもよい。つまり、他の操作などで端末1がオフラインからオンラインに変化する毎に、または何回かに1回、処理を開始する。または、無線LANによる接続が確立されたときに処理を開始するとしてもよい。
取得済みのクリエイティブのデータに応じて処理を開始するとしてもよい。たとえば、“有効期間終了日時”が指す日時を過ぎている、または、“有効期間終了日時”が近いデータD81が広告メタデータD8に所定数(または所定割合)含まれる場合には、上述の処理を開始するようにしてもよい。
上述の処理では、クリエイティブの表示制御条件として配信期間を用いている。表示制御条件が設定されたクリエイティブは、その条件を満たさなくなると、広告データ格納部25から削除されて、以降は表示部6に表示されないようにしたが、削除することなく、表示処理部20がクリエイティブ画像を表示する際に、表示制御条件に基づき表示/非表示を判定するようにしてもよい。
広告取得部21は、毎回、全てのクリエイティブ画像を取得してもよいが、表示制御条件が“無効”となっているクリエイティブ画像についてのみ、新しいクリエイティブ画像を取得して差替えるとしてもよい。また、取得するタイミングは、1週間に1回(たとえば、日曜日の午前零時)、1日1回(たとえば、毎日の午前零時)、毎時1回(たとえば、毎時0分)などである。
本実施の形態によれば、ユーザが広告(クリエイティブ)を見損なった場合に、その広告が表示される操作を行う。再度表示された広告が目的の広告と違っていた場合でも、その広告枠を(クリックやタップ等の入力操作により)選択することで、そこの広告枠に表示されていた広告(ダウンロードしているが、まだ表示されていない広告も含む)の一覧が表示され、その中から簡単に目的の広告を探すことができる。
また、広告情報を削除するのは有効期限が切れた時点であり、期限が切れるまではオフラインであっても、広告情報をユーザに提示することができる。また、再度オンラインになった場合に、期限切れの広告情報を更新する事も可能であり、ユーザが期限切れ広告から混乱するのを防止できる。
また、オフライン時にタップ操作した場合は、本来のアクセス先を変更することなく、ブックマークへの登録などの操作をすることで、ユーザの操作を無駄にすることなく、次回のオンライン時に有効な情報へ到達する機会を得ることができる。
(変形例)
広告取得部21による広告取得処理では、サーバ100は、広告枠IDに合致する広告データを端末1に送信(配信)していたが、広告枠IDに代替してデータD4(図6の(C)参照)のユーザIDに合致する広告データを配信するようにしてもよい。
具体的には、端末1はデータD4を含む取得要求をサーバ100に送信する。サーバ100の広告配信部1011は、受信したデータD4のユーザIDに基づき、Iユーザ情報DB1023を検索し、当該ユーザの年齢および性別の情報を読出す。そして、“対象年齢”と“対象性別”の値が、読出された年齢および性別に合致し、且つ“有効期限開始日時”・“有効期限終了日時”が有効期間を指示するクリエイティブ画像を配信するようにしてもよい。
または、サーバ100は、販路IDに合致するクリエイティブ画像を端末1に配信するようにしてもよい。つまり、各ユーザに割当てられるユーザIDの上位2桁が販路IDを示すから、サーバ100は、端末1から受信する取得要求からは、ユーザの個人情報などを完全に特定することはできないが、販路を特定することができる。したがって、販路が合致する広告情報のみを配信できる。
[他の実施の形態]
上述の広告の配信方法、表示方法および管理方法などは、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。たとえば、図1の構成では、CPU2を備えてコンピュータの機能を有する端末1には、メモリカード11を用いて当該プログラムを供給することができる。CPU2は、I/F10を介してメモリカード11に格納されたプログラムを読出し、実行する。また、端末1には、通信ネットワークNTを介したダウンロードによって、プログラムを記憶部3に格納することもできる。
PC200にも同様な方法でプログラムが提供される。図23にはPC200の構成例が示される。図23を参照して、PC200は、処理部201、CRT(陰極線管)・液晶ディスプレイなどからなるディスプレイ202、キーボード203およびマウス204を有する。処理部201は、該PC200自体を集中的に制御するためのCPU205、ROMまたはRAMを含んで構成されるメモリ206、固定ディスク207、FD(フレキシブルディスク)212が着脱自在に装着されて、装着されたFD212をアクセスするFD駆動装置211、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)214が着脱自在に装着されて、装着されたCD−ROM214をアクセスするCD−ROM駆動装置213、通信ネットワークNTと、該PC200とを通信接続するための通信インターフェィス209を含む。これらの各部はバスを介して通信接続される。
PC200には、カセット形式の磁気テープが着脱自在に装着されて磁気テープをアクセスする磁気テープ装置が設けられても良い。
図23のPC200には、FD212およびCD−ROM214を用いてプログラムを提供することができる。また、PC200には、通信ネットワークNTを介したダウンロードによって、プログラムをメモリ206または固定ディスク207に格納することもできる。
このように、端末1とPC200には、上述した実施の形態に従う方法をコンピュータを用いて実現するためのプログラム製品が供給される。プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。