JP2012107883A - 比吸収率測定用治具 - Google Patents

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隆弘 井山
Teruo Onishi
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Abstract

【課題】従来よりも再現性の高い比吸収率測定用治具を提供する。
【解決手段】比吸収率測定用治具は、無線端末1を取り付けるための第一接続部6と、ホスト機器3を取り付けるための第二接続部7と、第一接続部6と第二接続部7とを電気的に接続し、グランド線81を含む複数の配線8と、第一接続部6が設けられ、グランド線81が接地されたグランド板9と、を含む。この比吸収率測定用治具を用いることで、ホスト機器3が異なっても、グランド板9の中の無線端末1を取り付ける位置を所定の位置に固定することができる。このため、異なる複数のホスト機器3についてホスト機器3の中の無線端末1を取り付ける位置の差異による影響を受けずに比吸収率の測定が可能となる。
【選択図】図3

Description

この発明は、無線端末の比吸収率を測定するための技術に関する。
カード型無線端末やUSB型無線端末の比吸収率の測定は、図1に例示するように、無線端末1が取り付けられたホスト機器3の近傍に配置されたファントム2に充填された組織模擬液剤4の内部を電界プローブ5によって走査することによって行われる(例えば、非特許文献1参照。)。
また、非特許文献2は、比吸収率の測定を行う際のカード型無線端末やUSB型無線端末とファントムとの間の距離について定めている。
IEC 62209−2 FCC KDB 447498
しかしながら、図2に例示するように、ホスト機器が異なればホスト機器の中の無線端末を取り付ける位置が一般的に異なる。図2では、ホスト機器Aの側面の端部に無線端末1が取り付けられており、ホスト機器Bの側面の中央部に無線端末1が取り付けられている。このため、無線端末1とファントム2との間の距離が一定の距離LCであっても、ホスト機器Aとファントム2との距離LAと、ホスト機器Bとファントム2との距離LBとは異なる。具体的には、距離LA>距離LBである。このため、この距離LA及び距離LBの差異に起因して、無線端末1とファントム2との間の距離が一定であってもホスト機器が異なれば比吸収率の測定値も変化する可能性がある。この点において、比吸収率の測定の再現性が高くない。
この発明の課題は、従来よりも再現性の高い比吸収率測定用治具を提供することである。
この発明の1つの観点による比吸収率測定用治具は、無線端末を取り付けるための第一接続部と、ホスト機器を取り付けるための第二接続部と、第一接続部と第二接続部とを電気的に接続し、グランド線を含む複数の配線と、第一接続部が設けられ、グランド線が接地されたグランド板と、を含む。
この比吸収率測定用治具を用いることで、ホスト機器が異なっても、グランド板の中の無線端末を取り付ける位置を所定の位置に固定することができる。このため、異なる複数のホスト機器についてホスト機器の中の無線端末を取り付ける位置の差異による影響を受けずに比吸収率の測定が可能となる。この点において、従来よりも比吸収率の測定の再現性が高くなる。
比吸収率の測定を説明するための図。 従来の比吸収率測定用治具が有する問題を説明するための図。 第一実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第一実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第一実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第二実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第三実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第四実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第五実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第六実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第七実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第七実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。 第八実施形態の比吸収率測定用治具を説明するための図。
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。
[第一実施形態]
第一実施形態の比吸収率測定用治具は、図3に示すように、第一接続部6、第二接続部7、複数の配線8、グランド板9を例えば含む。
第一接続部6は、無線端末1を取り付けるためのインターフェースである。第一接続部6は、USB、コンパクトフラッシュ(登録商標)、エクスプレスカード、PCMCIA等のホスト機器3が有する汎用的なインターフェースである。無線端末1は、その汎用的なインターフェースに取り付け可能な、USB型無線端末等の無線機器である。
第二接続部7は、ホスト機器3を取り付けるためのインターフェースである。第二接続部7は、USB、コンパクトフラッシュ、エクスプレスカード、PCMCIA等のラップトップコンピュータが有する汎用的なインターフェースである。ホスト機器3は、例えばノートPC等のラップトップコンピュータである。このホスト機器3は、第二接続部7が取り付けられるインターフェースを備えている。
複数の配線8は、第一接続部6及び第二接続部7を電気的に接続する。複数の配線8の少なくとも1つはグランド線81である。図3では、グランド線81、電源線、信号線のそれぞれを一本づつ示しており、配線8の数は3本であるが、配線の数は4以上であってもよい。配線8の数は、第一接続部6及び第二接続部7が基づく規格に依存する。配線8は、第一接続部6の及び第二接続部7の対応するピンを接続する。
グランド板9に、第一接続部6が設けられている。また、配線8のグランド線81が、グランド板9に接地されている。グランド板9は、ホスト機器3の電気的特性を模擬した形状及び材質とする。例えば、グランド板9の形状を第一接続部6が設けられた面方向から見たときに方形とした場合には、各辺の長さを無線端末1が使用する周波数に対応する波長の1/3よりも長くする。下記に述べるように、各辺の長さが1/3波長以上である場合には、比吸収率の測定結果は大きく変化しないと考えられるためである。
図4のように、ラップトップコンピュータを方形の完全導体10で模擬し、USB型無線端末を逆Fアンテナ11で模擬して、ファントム2内の比吸収率の計算を行った。図5は、このような状況において、ラップトップコンピュータを模擬した完全導体10を所定の大きさから小さくした場合の比吸収率の計算値を示している。この例では、比吸収率として、組織模擬液剤4の10g体積あたりの比吸収率の平均値である10gSARを用いた。図5のグラフの横軸は、上記所定の大きさの完全導体10の一辺の長さを1として場合の、比吸収率を計算の対象となっている完全導体10の一辺の長さを示す。図5のグラフの実線はUSB型無線端末が使用する周波数を1950MHzとした場合の計算結果を示し、図5のグラフの破線はUSB型無線端末が使用する周波数を835MHzとした場合の計算結果を示す。
1950MHzの場合には、完全導体10の一辺の長さが0.25以上であれば、計算結果は大きく変化しない。また、835MHzの場合には、完全導体10の一辺の長さが0.5以上であれば、計算結果は大きく変化しない。これを波長に換算すると、使用する周波数の1/3波長以上であれば、計算結果は大きく変化しないということになる。この計算から、グランド板9の一辺の長さが1/3波長以上であれば、この発明においても測定結果が大きく変化しないと考えられるのである。
図3の例では、第一接続部6は、グランド板9の一辺の中央部に設けられているが、他の場所に設けられていてもよい。例えば、第一接続部6は、グランド板9の角部に設けられていてもよい。また、図3の例では、第一接続部6は、グランド板9の一方の面に設けられているが、グランド板9の他方の面に設けられていてもよい。また、第一接続部6は、グランド板9に埋め込むようして設けられていてもよい。
測定対象となる無線端末1が、第一接続部6に取り付けられる。また、測定対象となる、無線通信用ソフトウェア等がインストールされたホスト機器3が、第二接続部7に取り付けられる。
図3に図示してはいないが、グランド板9の近傍には組織模擬液剤4が充填されたファントム2が配置されている。電界プローブがこの組織模擬液剤4を走査することによって、比吸収率の測定が行われる。
この比吸収率測定用治具を用いることで、ホスト機器3が異なっても、グランド板9の中の無線端末1を取り付ける位置を所定の位置に固定することができる。このため、異なる複数のホスト機器3についてホスト機器3の中の無線端末1を取り付ける位置の差異による影響を受けずに比吸収率の測定が可能となる。この点において、従来よりも比吸収率の測定の再現性が高くなる。
[第二実施形態]
図6を参照して、第二実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第二実施形態の第一接続部6と第二接続部7とは仕様が異なる。例えば、第一接続部6がコンパクトフラッシュ用のインターフェースであり、第二接続部7がPCMCIA用のインターフェースであるとする。
変換部12が、仕様が異なる第一接続部6のピンと第二接続部7のピンとを適宜対応付ける。変換部12は、無線端末1が第一接続部6を介して入出力する信号と、ホスト機器3が第二接続部7を介して入出力する信号とを相互に変換してもよい。なお、変換部12は、必要に応じて信号を変換してもよい。この例では、変換部12は、グランド板9の面上に設けられているが、その限りではない。
このように変換部12を設けることにより、ホスト機器3が、測定を行いたい無線端末1のインターフェースを持っていなくても、比吸収率の測定を行うことができる。
[第三実施形態]
図7を参照して、第三実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第三実施形態の比吸収率測定用治具のグランド板9は、第一接続部6の位置を変更可能な位置変更部91を更に含む。図7の位置変更部91は、グランド板9の面上に設けられたスライドレールである。このスライドレールに係合された第一接続部6を図7の矢印の方向にスライドさせることにより、第一接続部6を所望の場所に位置させることができる。
なお、位置変更部91を、スライド式ではなく、着脱式としてもよい。
ホスト機器3の中の無線端末1を取り付ける位置は、ホスト機器3により異なる。第三実施形態の比吸収率測定治具を用いることで、測定対象となるホスト機器3の中の無線端末1を取り付ける位置をも模擬することができ、更に信頼性が高い比吸収率の測定が可能となる。
[第四実施形態]
図8を参照して、第四実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第四実施形態の比吸収率測定用治具は、配線8を覆うノイズ吸収体13を含む。ノイズ吸収体は、例えばフェライトコア、電磁波シールド材である。
配線8の中の信号線に外来の電磁ノイズが重畳した場合、無線端末1とホスト機器3との間の信号の送受信が正しく行われず、無線端末1とホスト機器3との少なくとも一方が正常に動作しない可能性がある。ノイズ吸収体13によりそのような外来の電磁ノイズの重畳を防ぐことにより、更に信頼性の高い比吸収率の測定を行うことができる。
[第五実施形態]
図9を参照して、第五実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第五実施形態の比吸収率測定用治具においては、配線8にロータリージョイント14が施されている。
例えば、配線8の長さとホスト機器3の設置位置によっては配線8にテンションが掛かることが考えられる。ロータリージョイント14によってそのテンションを除去又は低減することにより、更に信頼性の高い吸収率の測定を行うことができる。
[第六実施形態]
図10を参照して、第六実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第六実施形態の比吸収率測定用治具においては、第一接続部6及びグランド板9は、ホスト機器3を模擬したケース15に覆われている。ケース15は、ホスト機器3を模擬した、誘電体、金属等の材料により構成される。
このように、ホスト機器3を更に電気的に近い形で模擬することにより、更に信頼性の高い吸収率の測定を行うことができる。
[第七実施形態]
図11を参照して、第七実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第七実施形態においては、グランド板9は、ホスト機器3が有する部品を模擬した部品92を含む。
部品92は、例えばホスト機器3が有する汎用的な部品を模擬した、誘電体、金属等の材料により構成される。
ホスト機器3がラップトップコンピュータである場合には、例えばそのラップトップコンピュータのディスプレイを部品92で模擬しようとする。この場合、図12に例示するように、グランド板9とほぼ同じ大きさの金属板である部品92を、グランド板9の一辺に設ける。
このように、ホスト機器3を更に電気的に近い形で模擬することにより、更に信頼性の高い吸収率の測定を行うことができる。
[第八実施形態]
図13を参照して、第八実施形態の比吸収率測定用治具を説明する。以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第八実施形態の比吸収率測定用治具においては、グランド板9は位置センサ93を含む。位置センサ93は、ファントム2からの距離を測定する。位置センサ93の位置検出の方法として、無線端末の放射する高周波を使わない方式、例えば赤外線や超音波による方式が望ましい。
位置センサ93により、グランド板9とファントム2との距離、無線端末1とファントム2との距離をより正確に所望の距離に決めることができる。これにより、更に信頼性の高い吸収率の測定を行うことができる。
[変形例等]
この発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態は適宜組み合わせることができる。その他、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
1 無線端末
3 ホスト機器
4 組織模擬液剤
6 第一接続部
7 第二接続部
8 配線
81 グランド線
9 グランド板
91 位置変更部
92 部品
93 位置センサ
12 変換部
13 ノイズ吸収体
14 ロータリージョイント
15 ケース

Claims (9)

  1. 無線端末を取り付けるための第一接続部と、
    ホスト機器を取り付けるための第二接続部と、
    上記第一接続部と上記第二接続部とを電気的に接続し、グランド線を含む複数の配線と、
    上記第一接続部が設けられ、上記グランド線が接地されたグランド板と、
    を含む比吸収率測定用治具。
  2. 請求項1に記載の比吸収率測定用治具において、
    上記無線端末が上記第一接続部を介して入出力する信号と、上記ホスト機器が上記第二接続部を介して入出力する信号とを相互に変換する変換部を更に含む、
    比吸収率測定用治具。
  3. 請求項1又は2に記載の比吸収率測定用治具において、
    上記グランド板は、上記第一接続部の位置を変更可能な位置変更部を更に含む、
    比吸収率測定用治具。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の比吸収率測定用治具において、
    上記配線は、ノイズ吸収体により覆われている、
    比吸収率測定用治具。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の比吸収率測定用治具において、
    上記配線は、ロータリージョイントを含む、
    比吸収率測定用治具。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の比吸収率測定用治具において、
    上記第一接続部及び上記グランド板は、上記ホスト機器を模擬したケースに覆われている、
    比吸収率測定用治具。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の比吸収率測定用治具において、
    上記グランド板は、上記ホスト機器が有する部品を模擬した部品を含む、
    比吸収率測定用治具。
  8. 請求項7に記載の比吸収率測定用治具において、
    上記ホスト機器はラップトップコンピュータであり、上記ホスト機器が有する部品はそのラップトップコンピュータのディスプレイである、
    比吸収率測定用治具。
  9. 請求項1から8の何れかに記載の比吸収率測定用治具において、
    上記グランド板は、ファントムからの距離を測定する距離測定部を含む、
    比吸収率測定用治具。
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