JP2012105914A - 便座取付具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】便座取付具30は、便器本体80に固定される筒部材40と、筒部材40内に挿入されて昇降可能にガイドされる軸部材60と、軸部材60に抗力を付与するダンパー機構32とを備える。ダンパー機構32は、筒部材40の内部に形成されて軸部材60の昇降に伴って容積が増減する空気室72と、筒部材40の底壁部52に形成されて空気室72内と筒部材40外とを連通させるオリフィス54と、筒部材40の内周と軸部材60の外周との摺接領域における空気の流通を抑制又は規制するシール部材71(流通阻害手段)とを備える。
【選択図】図9
Description
軸部材が支持部材と一体となって昇降する際には、空気室内と筒部材の外部空間との間でオリフィスを通る空気の流通が行われ、このオリフィスにおいて生じる流動抵抗により、軸部材にはその昇降方向と逆向きの抗力が付与される。本発明では、昇降する軸部材をガイドする手段である筒部材にダンパー機構を設けたので、筒部材とは別に専用のダンパー機構を設ける場合に比べると、部品の数を少なく抑えることが可能である。
オリフィスにおいて空気室から筒部材の外部空間側へ向かう空気の流れの方向は、下向きとなっているので、筒部材の外部の異物がオリフィスを通って空気室内に侵入する虞はない。
オリフィスにおける底壁部の外面側の開口部は、底壁部の最下端面よりも上方の位置で開口しているので、異物がオリフィスを通って空気室内に侵入するのを確実に防止することができる。
筒本体に圧縮コイルバネと底壁構成部材を組み付ける際には、底壁構成部材で圧縮コイルバネを押して軸線方向に弾縮させるため、圧縮コイルバネからの弾性反力により、底壁構成部材が径方向に滑って圧縮コイルバネから外れることが懸念されるのであるが、本発明によれば、筒状突部を圧縮コイルバネの内部に挿入することによって、底壁構成部材と圧縮コイルバネとを略同軸状に位置決めしておくことができるので、作業性が向上する。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図11を参照して説明する。図1,2に示すように、昇降便座は、便座装置10と、便座装置10を便器本体80に対して昇降可能に取り付けるためのリフトアップ装置20とを備えて構成されている。
図4,6に示すように、便座取付具30は、便器本体80に取り付けた状態において軸線を上下方向に向けた状態で便器本体80に固定される筒部材40と、筒部材40内に挿入されることで上昇位置(図2,5,6を参照)と下降位置(図1,3,4を参照)との間で昇降可能にガイドされる軸部材60と、軸部材60を上方へ付勢するための圧縮コイルバネ73と、軸部材60を上昇位置に保持するための保持手段31と、昇降する軸部材60に対して抗力を付与するためのダンパー機構32とを備えて構成されている。
図4,6に示すように、筒部材40は、上下両端面が開放された円筒形をなす合成樹脂製の筒本体41と、筒本体41の上端側の開口部に取り付けられる合成樹脂製の筒用固定部材42と、筒本体41に対しその下端面の開口部を塞ぐように取り付けられる合成樹脂製のねじ込み部材48(本発明の構成要件である底壁構成部材)とを備えて構成されている。
図4,6,11に示すように、軸部材60は、筒部材40と同軸状の円柱形をなす金属製の軸本体61と、軸本体61の上端部に取り付けられる金属製の軸用固定部材65と、軸本体61の下端部に取り付けられる金属製のリング部材68と、ゴム製のシール部材71(本発明の構成要件である流通阻害手段)とを備えて構成されている。
軸部材60を筒部材40に取り付けた状態では、軸部材60が、筒部材40にガイドされて上昇位置と下降位置との間で上下動する。軸部材60の昇降ストロークの全領域において、軸部材60の下端部(係止部62とシール部材71を含む領域)は、常に、筒部材40の内部に収容されるのに対し、軸部材60の上端部(フランジ部66)は、常に、筒部材40の上方外部へ突出している。シール部材71は、軸部材60の昇降ストロークの全領域において、常に、筒部材40の縮径部45及び受けリング47よりも下方に位置して、筒本体41の内周に対して気密状に摺接する。一方、係止部62は、軸部材60が上昇位置にあるときには、受けリング47よりも上方に位置して、係止面64を受けリング47に対して上から係止させる状態となる。また、軸部材60が上昇位置よりも下方に位置するときには、係止部62は、受けリング47よりも下方に位置する。
筒部材40に対する軸部材60と圧縮コイルバネ73の組付けは、次の手順で行われる。筒本体41に受けリング47と筒用固定部材42を組み付けておくとともに、軸本体61にシール部材71とリング部材68を組み付けておく。次に、軸本体61を下方から筒本体41内に挿入し、軸本体61の上端部を筒本体41の上方へ突出させ、その軸本体61の上端部に軸用固定部材65を組み付ける。この後、圧縮コイルバネ73の上端部を下方から筒本体41内に挿入し、その圧縮コイルバネ73の下端部にねじ込み部材48の筒状突部50を嵌入する。そして、ねじ込み部材48により圧縮コイルバネ73を押して軸方向に弾縮変形させながら、ねじ込み部材48の雄ネジ部49を筒本体41の雌ネジ部51に螺合する。
本実施形態の昇降便座は、常には、便座装置10(支持部材13)と軸部材60を下降位置に保持した状態で使用される。支持部材13と軸部材60を下降位置に保持する手段としては、下プレート21に左右へのスライド可能に設けた操作部材(図示省略)の係止爪を、上プレート22の係止縁部(図示省略)に係止させる構造が用いられる。この係止状態は、操作部材をスライドさせて係止爪を係止縁部から外すことによって解除される。軸部材60と便座装置10が下降位置に保持されている状態では、圧縮コイルバネ73が最も弾縮させられているとともに、空気室72の容積が最小となっている。
便座装置10と軸部材60を上昇位置に保持するための保持手段31は、筒部材40の内周に径方向への弾性変位を可能に設けた受けリング47と、軸部材60の外周に設けた係止部62とを備えて構成され、受けリング47に対して係止部62が上から係止することで、軸部材60と支持部材13を上昇位置に保持し、上昇位置に保持されている軸部材60に対して受けリング47と係止部62の係止力を上回る下向きの外力を付与すると、受けリング47が径方向に弾性変位して係止部62との係止を解除するようになっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、オリフィスが筒部材の底壁部を上下方向に貫通する形態としたが、オリフィスは、筒部材の側壁部を水平方向に貫通する形態でもよい。
(2)上記実施形態では、オリフィスを筒部材の下端よりも少し上方の位置に配置したが、上下方向におけるオリフィスの位置は、筒部材の下端部、上端部、中央部のいずれの位置であってもよい。
(3)上記実施形態では、筒部材に形成するオリフィスの数を1つだけとしたが、筒部材に形成するオリフィスの数は、複数であってもよい。
(4)上記実施形態では、筒部材の外面におけるオリフィスの開口位置を、筒部材の最下端面よりも上方の位置としたが、オリフィスを筒部材の最下端面上に開口させてもよい。
(5)上記実施形態では、流通阻害手段として、筒部材の内周と軸部材の外周との間に、軸部材の昇降動作を妨げないようなシール部材を介装し、筒部材の内周と軸部材の外周との間では空気の流動が行われないようにしたが、筒部材の内周と軸部材の外周との間に、軸部材の昇降動作の円滑化を図るためのクリアランスを設け、このクリアランスを通ってオリフィスよりも少量の空気の流動が行われるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、軸部材を上方へ付勢するための圧縮コイルバネを設けたが、本発明は、軸部材を上方へ付勢する手段を設けない場合にも適用することができる。
(8)上記実施形態では、筒部材を、筒本体と底壁構成部材(ねじ込み部材)とを含む複数の部品を組み付けて構成したが、筒本体と底壁構成部材を一体部品化したものであってもよい。
(9)上記実施形態では、オリフィスを筒状突部の上端部に形成したが、オリフィスは、筒状突部における上端部よりも下方の部分を水平に貫通した形態であってもよい。
(10)上記実施形態では、オリフィスを筒状突部に形成したが、オリフィスは、底壁部のうち筒状突部以外の領域を上下に貫通する形態でもよい。
(11)上記実施形態では、底壁部(ねじ込み部材)に筒状突部を形成したが、本発明は、底壁部に筒状突部が形成されていない場合にも適用できる。
(12)上記実施形態では、軸部材の昇降ストロークの範囲内において、軸部材の下端部が、常に、筒部材の内部に収容された状態に保持されるようにしたが、本発明は、軸部材が下降位置にあるときに、軸部材の下端部が筒部材の下端から下方へ突出する場合にも適用できる。
13…支持部材
30…便座取付具
32…ダンパー機構
40…筒部材
41…筒本体
48…ねじ込み部材(底壁構成部材)
50…筒状突部
52…底壁部(壁部)
54…オリフィス
60…軸部材
71…シール部材(流通阻害手段)
72…空気室
73…圧縮コイルバネ
80…便器本体
Claims (4)
- 便座を回動可能に支持する支持部材を、便器本体の上面側に昇降可能に取り付けるための便座取付具であって、
前記便器本体に対し軸線を上下方向に向けて固定される筒部材と、
前記支持部材に対し下方へ突出する形態で取り付けられ、前記筒部材内に挿入されることで前記支持部材と一体となって昇降可能にガイドされる軸部材と、
昇降する前記軸部材に対して抗力を付与するダンパー機構とを備え、
前記ダンパー機構は、
前記筒部材の内部に形成され、前記軸部材の昇降に伴って容積が増減する空気室と、
前記筒部材を構成する壁部に形成されて、前記空気室内と前記筒部材の外部空間とを連通させるオリフィスと、
前記筒部材の内周と前記軸部材の外周との摺接領域における空気の流通を抑制又は規制する流通阻害手段とを備えて構成されていることを特徴とする便座取付具。 - 前記オリフィスが、前記筒部材の底壁部を上下方向に貫通する流路の少なくとも一部を構成していることを特徴とする請求項1記載の便座取付具。
- 前記底壁部には、上方へ筒状に突出するとともに、上端の開口部が絞られた形態の筒状突部が形成されており、
前記筒状突部の上端の開口部が前記オリフィスとなっていることを特徴とする請求項2記載の便座取付具。 - 前記筒部材が、前記軸部材を包囲する下面開放の筒本体と、前記筒状突部が形成されていて前記筒本体に対しその下面の開口部を塞ぐように取り付けられる底壁構成部材とを備えて構成され、
前記空気室内には、前記軸部材を上方へ付勢するための圧縮コイルバネが収容され、
前記筒状突部が前記圧縮コイルバネの内部に挿入されていることを特徴とする請求項3記載の便座取付具。
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WO2013081093A1 (ja) * | 2011-12-02 | 2013-06-06 | スガツネ工業株式会社 | 枢動体支持装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2000005100A (ja) * | 1998-06-24 | 2000-01-11 | Inax Corp | 便座の取付具 |
JP2007268211A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Nidec Sankyo Corp | 便座昇降装置 |
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