JP2012103551A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Kenji Ishii
賢治 石井
Masaaki Yoshikawa
政昭 吉川
Tetsuo Tokuda
哲生 徳田
Yoshinori Yamaguchi
嘉紀 山口
Yutaka Ikefuchi
豊 池淵
Naoki Iwatani
直毅 岩谷
Takahiro Imada
高広 今田
Toshihiko Shimokawa
俊彦 下川
Hiroshi Yoshinaga
洋 吉永
So Goto
創 後藤
Yuji Arai
裕司 荒井
Ippei Fujimoto
一平 藤本
Hirotada Takagi
啓正 高木
Arinobu Yoshiura
有信 吉浦
Takuya Seshimo
卓弥 瀬下
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Abstract

【課題】良好な画像品質の維持及び構成部材の長寿命化を図りつつジャム防止が可能な定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト21と、加圧ローラ31と、定着ベルト21の内周側に配置され、定着ベルト21を介して加圧ローラ31と当接してニップ部を形成する当接部材26前記定着ベルト21を加熱するヒータ及び加熱部材22と、定着ベルト21の内周側であって当接部材26よりもニップ部の出口側に配置され、定着ベルト21をその内面から押圧して前記ニップ部出口における定着ベルト21をその外周側に突出させて支持可能な突出部材51を有し、突出部材51を定着ベルト21の内周側または外周側に移動させて、定着ベルト21の前記ニップ部出口における当接部材26表面から加圧ローラ31側への突出量x1を変更する分離機能調整機構と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱と圧力により記録媒体にトナーを定着させる定着装置及び該定着装置を備える電子写真方式、静電記録方式等を利用したFAX、プリンタ、複写機またはそれらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録媒体(被定着材、用紙、記録紙ともいう)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録媒体上のトナー画像を定着する過程により成立している。
この定着装置では、対向するローラもしくはベルトもしくはそれらの組み合わせにより構成された定着部材及び加圧部材が当接してニップ部を形成するように配置されており、該ニップ部に記録媒体を挟みこみ、熱および圧力を加え前記トナー像を記録媒体上に定着することを行っている。
前記定着装置の一例を挙げると、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような定着ベルトを用いた装置は、定着部材としての定着ベルト(無端状ベルト)、定着ベルトを張架・支持する複数のローラ部材、複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に内設されたヒータ、加圧ローラ(加圧部材)、等で構成されている。ヒータは、ローラ部材を介して定着ベルトを加熱する。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されたニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される(ベルト定着方式)。
ここで、主に樹脂で構成されているトナーはこのニップ部で溶融し、定着ベルトと粘着する性質があるため、そのままでは定着ベルトに記録媒体が貼り付いたままとなるため、記録媒体の巻き付きによる不具合(ジャム)の原因となった。
そこで、特許文献2では、ニップ部における記録媒体通過方向の下流側(ニップ部出口)で定着ベルトの内周側にある金属熱伝導体に凸部を設けることにより、定着ベルトの曲率を局所的に大きくして、記録媒体が自然分離しやすし、記録媒体の巻き付きによる不具合を防止する発明が提案されている。
また、特許文献3では、ニップ部において、加圧部材を定着ベルトを介して定着ローラに押圧させることにより、前記定着ローラの耐熱性弾性体層に歪みを生じさせて、曲率を調整することにより分離性を向上させた構成が提案されている。
しかしながら、特許文献2の構成では、通紙する用紙種類により分離性が異なるため、薄紙の記録媒体でも分離可能な凸部を設けると、該凸部の先端の曲率がかなり大きくなり、普通紙や厚紙通紙時には分離機能としては過剰になってしまい、定着ベルトの摩耗が加速されて、その寿命が問題となった。
また、特許文献3の構成では、定着ローラ(耐熱性弾性体層)に歪みを生じさせることから表層離型層(PFAチューブ)に変形、波打ちが発生し、異常画像の問題が発生した。さらに、定着ローラに替えて定着ベルトと摺動しながらニップ部を形成する当接部材とした場合、該当接部材には定着ベルトとの摺動抵抗を低下させるために低摩擦係数の摺動シートを設けているが、ニップ部出口における曲率を大きくするように当接部材を変形させるようにすると摺動シートへ局部的に高圧力がかかるようになることから該摺動シートの短寿命化につながった。
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、良好な画像品質の維持及び構成部材の長寿命化を図りつつジャム防止が可能な定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。なお、カッコ内に本発明を実施するための形態において対応する部位及び符号等を示す。
〔1〕 回転する無端状ベルトの定着部材(定着ベルト21)と、前記定着部材の外周面と当接する加圧部材(加圧ローラ31)と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接して、通過する記録媒体上の未定着トナーを該記録媒体に定着させるニップ部を形成する当接部材(当接部材26、補強部材23及び断熱部材27)と、前記定着部材を加熱する加熱手段(ヒータ25及び加熱部材22、誘導加熱部50及び加熱部材22)と、前記定着部材の内周側であって前記当接部材よりもニップ部の出口側に配置され、前記定着部材をその内面から押圧して前記ニップ部出口における該定着部材をその外周側に突出させて支持可能な少なくとも前記定着部材の外周方向に凸形状となった突出部材(突出部材51)を有し、該突出部材を前記定着部材の内周側または外周側に移動させて、該定着部材の前記ニップ部出口における前記当接部材表面から前記加圧部材側への突出量を変更する分離機能調整機構(図6)と、を備えることを特徴とする定着装置(定着装置20、図2,図3,図4,図9,図10)。
〔2〕 前記分離機能調整機構は、画像形成条件により前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置(図7,図8)。
〔3〕 前記分離機能調整機構は、前記記録媒体の厚さに応じて前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする前記〔2〕に記載の定着装置(図7)。
〔4〕 前記分離機能調整機構は、前記記録媒体上の画像情報に応じて前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする前記〔2〕に記載の定着装置(図8)。
〔5〕 前記突出部材は、その凸形状表面がフッ素系樹脂からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の定着装置。
〔6〕 前記突出部材は、その凸形状表面が潤滑剤を坦持可能な多孔質体からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置。
〔7〕 前記突出部材は、その凸形状表面に潤滑剤を坦持可能な凹凸(凹凸52)を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(図4)。
〔8〕 前記突出部材は、その凸形状表面に前記定着部材の回転移動方向とは直交する方向に延びる複数の溝(溝53)を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(図5)。
〔8〕 前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の定着装置(定着装置20)を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置1、図1)。
本発明の定着装置によれば、分離機能調整機構により突出部材の定着部材の押圧状態を調整できるので、画像品質を劣化させることなく構成部材の長寿命化を図ることができるとともに、ジャムの発生防止が可能となる。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を備えるので、長期に安定しかつ良好な画像形成を行うことができる。
本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の基本構成(1)を示す断面図である。 図2のニップ部周辺の構成を示す拡大断面図である。 図2の定着装置で使用される突出部材の構成例(1)を示す斜視図である。 図2の定着装置で使用される突出部材の構成例(2)を示す斜視図である。 図2の定着装置における分離機能調整機構の移動に関する構成を示す概略図である。 図2の定着装置における分離機能調整機構の制御例(1)を示すフローチャートである。 図2の定着装置における分離機能調整機構の制御例(2)を示すフローチャートである。 本発明に係る定着装置の基本構成(2)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の基本構成(3)を示す断面図である。
以下に、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の構成について説明する。
図1にて、本発明に係る画像形成装置全体の構成例について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
つぎに、本発明に係る定着装置について説明する。
図2は、本発明に係る定着装置の基本構成を示す断面図である。ここでは、本発明の要部となる分離機能調整機構は省略してある。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、加熱部材22、補強部材23、ニップ部を形成する当接部材26、断熱部材27、熱源としてのヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、定着ベルト21の温度を検知してヒータ25を制御するための温度センサ(不図示)などから構成されている。
ここで、定着部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、基材上に弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
また、定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナー(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。本実施形態では、定着ベルト21の直径は例えば30mmに設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、ヒータ25(熱源)、加熱部材22、補強部材23、当接部材26、断熱部材27、等が固設されている。これにより、定着ベルト21は、補強部材23によって補強された当接部材26に押圧されて、加圧ローラ31との間にニップ部を形成する。
加熱部材22は、例えば薄肉の金属板が曲げ加工されて形成された略パイプ状のものであって、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に対向するように略円形に形成され、ニップ部の位置では断熱部材27を介して当接部材26を収納して保持するように凹部が形成されている。また、加熱部材22は、その幅方向(軸方向)両端部が定着装置20の側板に固定支持されている。
補強部材23は、ニップ部における当接部材26の強度を補強する断面形状がT字型の部材であり、幅方向(軸方向)の長さが当接部材26の長手方向の長さと同等になるように形成されており、定着ベルト21の内周側においてその幅方向両端部が定着装置20の側板に固定支持されている。
ヒータ25は、ハロゲンヒータやカーボンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている。そして、装置本体の電源部により出力制御されたヒータ25の輻射熱によって、加熱部材22が加熱される。さらに、加熱部材22によって定着ベルト21が全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像に熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサによるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
加熱部材22は、ニップ部の位置を除く定着ベルト21の内周面全域に対向するように固設されていて、ヒータ25の輻射熱により加熱されて定着ベルト21を加熱する(熱を伝える。)。加熱部材22の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることが好ましい。
当接部材26は、加圧ローラ31との対向面が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
また、当接部材26を形成する材料としては、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料(例えば、高剛性の金属やセラミック等である。)で形成されている。
ここで、当接部材26は、定着装置20に対して着脱自在に設置されている。具体的に、当接部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板に、ネジやスナップフィット等によって着脱自在に固定されている。これにより、長時間の使用にともない定着ベルト21との摺接により当接部材26の磨耗が大きくなっても、当接部材26のみを効率的に交換(メンテナンス)することができる。
なお、当接部材26と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、当接部材26の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、当接部材26と定着ベルト21との間に潤滑剤を塗布したりすることが好ましい。具体的に、当接部材26の摺接面に、テフロン(登録商標)、メッキ、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、ガラスコート等の表面コートを施すことにより、摺接面の表面粗さをRz=64μm以下にすることが望ましい。
加圧ローラ31は、直径が30mmであって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21を介して当接部材26に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギアに噛合するギアが設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板に軸受を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
以上のように構成された定着装置20は、つぎのように動作する。
まず装置本体の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された当接部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像が定着される。その後、記録媒体Pは、ニップ部から排出される。
このように、本実施形態における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されることなく、加熱部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
[分離機能調整機構]
図3は、定着装置20における要部構成を示すニップ部周辺の断面拡大図である。
定着装置20は、図3に示すように、定着ベルト21の内周側かつ加熱部材22の凹部内であって、当接部材26よりもニップ部の出口側(図中上側)に配置され、定着ベルト21をその内面から押圧してニップ部出口における定着ベルト21をその外周側に突出させて支持可能な少なくとも定着ベルト21の外周方向に凸形状となった突出部材51を有し、該突出部材51を定着ベルト21の内周側または外周側に移動させて、定着ベルト21のニップ部出口における当接部材26表面から加圧ローラ31側への突出量x1を変更する分離機能調整機構を備える。
これにより、ニップ部出口における定着ベルト21の曲率が変化し、さらにはその曲率変化部分の長さが変化するので、記録媒体Pの分離機能を強めたり弱めたりすることができる。
ここで、突出部材51は、定着ベルト21の回転移動方向に対応する厚みy1が0.5〜2mm程度で、当接部材26の長手方向の長さと同等の長さをもち、定着ベルト21側の先端が所定の曲率を持った凸形状となった板状部材である。また、突出部材51は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やLCP(液晶ポリマー)等の耐熱性樹脂やアルミ、鉄等の金属材料で構成されても良いが、定着ベルト21から熱を奪うことにより熱効率が低下するため熱伝導率が低い材料を用いる方が望ましい。
なお、当接部材26には定着ベルト21を介して加圧ローラ31と当接する部分には低摩擦係数のPTFEの摺動シートを設けているが、突出部材51の先端部分は狭い範囲で定着ベルト21と常に摺動して他の部分に比べて磨耗速度が速いため、当接部材26と突出部材51の両部材を摺動シートで保護しようとすると、予め厚い摺動シートを使用する必要があり高コストに繋がってしまう。そこで、突出部材51は、その凸形状表面がフッ素系樹脂からなることが好ましい。例えば、突出部材51は、基材がPPS(ポリフェニレンサルファイド)やLCP(液晶ポリマー)等の樹脂で構成され、その表面がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の様に摺動性に優れた材料がコーティング塗布されたものとする。
これにより、突出部材51と定着ベルト21との摺動性を高めることにより、両者が接触摺動しても著しく磨耗したり、摺動抵抗が高くなることなく、定着ベルト21外面と加圧ローラ31を接触回転させて、摩擦力によって定着ベルト21を回転駆動する構成でも、低トルクで定着ベルト21を回転させることができる。なお、突出部材51と接する定着ベルト21内面に、例えばフッ素グリスやシリコーングリス等の耐熱性グリスを塗布したり、シート状のPTFE、PFAを貼り付けたりした構成とするとよりよい。
また、突出部材51は、その凸形状表面が潤滑剤を坦持可能な多孔質体からなることが好ましい。例えば、突出部材51は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の様に摺動性に優れた材質で構成し、さらに放射線架橋等により多孔質化した構成とするとよい。
定着ベルト21内面には例えばフッ素グリスやシリコーングリス等の耐熱性グリス(潤滑剤)が塗布してあり、定着ベルト21と接触摺動する当接部材26や突出部材51との接触摺動による磨耗や摺動抵抗を低減させている。このとき、当接部材26は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やLCP(液晶ポリマー)等の樹脂で形成したものやフッ素樹脂等の弾性体であり、その表面は摺動抵抗を低減させるためにシート状のPTFE、PFAによって保護されている。一方、突出部材51は、前述の通り小サイズ部品であることから、PTFE、PFAのシートを巻きつけることは困難であり、巻きつけられたとしても該シートを巻いた状態で部品の組付け精度を維持することは困難である。そこで、突出部材51を摺動性に優れた樹脂材料で構成し、さらに放射線架橋等により多孔質化した構成とすることにより、樹脂材料自体の摺動性に加えて、多孔質化した表面層に潤滑剤を保持させることにより、より優れた摺動機能を継続して付与することが可能となり、部品の高寿命化を図ることができる。
あるいは、突出部材51は、その凸形状表面に潤滑剤を坦持可能な凹凸を有することが好ましい。例えば、図4に示すように、突出部材51の定着ベルト21接触面に、深さ0.1〜1mm、幅0.1〜1mm程度の凹凸52を複数設けるとよい。これにより、定着ベルト21との接触面積を減らして摺動抵抗を低減させ、さらに凹部分にグリス(潤滑剤)が入り込むことにより継続的に摺動抵抗を低減させることが可能となり、部材の磨耗防止、駆動トルクの低減を図ることができる。また、定着ベルト21の内面と突出部材51との間では突出部材51の凸部の頂点のみが接触するようになるので熱伝導が低下し、定着ベルト21の熱が突出部材51に伝わり難くなるため定着ベルト21からの熱移動が必要以上に行われることなく、ウォームアップ時間の遅延もなく分離性を高めることができる。
また、突出部材51は、その凸形状表面に定着ベルト21の回転移動方向とは直交する方向に延びる複数の溝を有することが好ましい。例えば、図5に示すように、突出部材51の定着ベルト21接触面に深さ0.1〜1mm、幅(定着ベルト21回転移動方向の長さ)0.1〜1mm程度の溝53を定着ベルト21回転移動方向とは直角方向に設けるとよい。これにより、定着ベルト21との接触面積を減らして摺動抵抗を低減させ、さらに溝53の部分にグリス(潤滑剤)が入り込むことにより継続的に摺動抵抗を低減させることが可能となる。
また、ニップ部は、当接部材26と定着ベルト21を挟んで加圧ローラ31が押圧することによって構成され、突出部材51は該ニップ部を構成しない位置に配置されている。すなわち、突出部材51は、当接部材26とは独立した状態で該当接部材26に対して定着ベルト21の回転移動下流側に隣接して配置されており、突出部材51と定着ベルト21は接触しているが、この部分では加圧ローラ31と定着ベルト21は接触しない構成とする。
図6に、分離機能調整機構の具体的構成を示す。
図6には、分離機構調整機構における突出部材51の移動に関する構成例が示されており、突出部材51の長手方向(軸方向)の両端部に定着ベルト21の内周側に直線状に延設されるラックギア51gと、それぞれに対応して配置されるステッピングモータ60の回転軸に設けられるピニオンギア60gとを歯合させて組み合わせた構成となっている。これにより、2つのステッピングモータ60の回転方向及び回転数を調整して、突出部材51を加圧ローラ31に対して平行状態を維持したまま、定着ベルト21の内周側または外周側に移動させて、定着ベルト21のニップ部出口における当接部材26表面(定着ベルト21接触面)から加圧ローラ31側への突出量を変更することができる。なお、その突出量は、例えば0.5〜2mm程度の範囲とする。
ここで、突出部材51を定着ベルト21の外周側に移動させて前記突出量を増やすと、定着ベルト21は加圧ローラ31側に押し出され、ニップ部出口における定着ベルト21の曲率が局部的に大きくなることにより、該ニップ部を通過する記録媒体Pについて自身の剛性による自然分離性が強まることになる。ただし、突出部材51の先端部分の定着ベルト21への押圧力が増加することから、定着ベルト21内周面の磨耗は促進されるようになる。逆に、突出部材51を定着ベルト21の内周側に移動させて前記突出量を減らすと、定着ベルト21の加圧ローラ31側への押し出しは減って、ニップ部出口における定着ベルト21の曲率は比較的小さくなることから、該ニップ部を通過する記録媒体Pの自然分離性は前記突出量を減らすにしたがって徐々に弱まることになる。このとき、突出部材51の先端部分は定着ベルト21をほとんど押圧しなくなり、定着ベルト21内周面の磨耗は抑制されるようになる。なお、突出部材51を最も内周側に移動させるとその先端部分は当接部材26表面位置まで退避するようになり(突出量0)、ニップ部出口における定着ベルト21の曲率は当接部材26表面の曲率となる。
また、前記分離機能調整機構は、画像形成条件により突出部材51の移動位置を変更し、定着ベルト21の前記突出量を調整することが好ましい。
ここでいう画像形成条件とは、ニップ部出口における分離機能に影響する条件であり、記録媒体Pの厚さや記録媒体P上で坦持される画像に関する情報(画像面積、画像範囲、画像密度から選ばれる1又は複数の情報)である。例えば、薄紙の記録媒体Pを通紙する場合、画像先端に高濃度の画像がある場合には、突出部材51を定着ベルト21の外周側に移動させてその突出量を増やす制御を行う。図7,図8にその制御のフローチャートを示す。
図7は、前記画像形成条件が記録媒体Pの厚さ情報である場合の分離機能調整機構の制御フローである。
分離機能調整機構は、記録媒体Pの厚さに応じて定着ベルト21の前記突出量を変更する制御を行うが、例えば記録媒体Pとして薄紙を通紙させる場合、ニップ部を通過する際に熱を与えられたトナーの粘性に抗する剛力(クラーク剛度)が薄紙は弱く定着ベルト21と密着し易く分離性能が低下する傾向にある。そのため、通紙される記録媒体Pの厚さとして薄紙の情報を受けた場合には突出部材51は定着ベルト21の外周側(突出させる方向)に移動してニップ部出口における定着ベルト21の曲率を大きくすることにより分離機能を高める。逆に、通紙される記録媒体Pの厚さとして厚紙等の情報を受けた場合には突出部材51は定着ベルト21の内周側(退避させる方向)に移動して、定着ベルト21の磨耗を抑制する。
具体的には以下のような制御を行う。なお、装置駆動の初期状態では、分離機能調整機構における突出部材51は定着ベルト21の最も内周側となる位置に退避した状態にあるとする。
(S11) 画像形成装置1に印刷ジョブが入力されると、まずオペレータによって操作部またはパソコンのドライバーから入力された記録媒体Pに関する情報(用紙情報)を受け、その用紙情報(薄紙、普通紙、厚紙)に基づいて、通紙される記録媒体Pが薄紙であるか否かを判定する。薄紙通紙でない(普通紙、厚紙である)場合(S11のNo)、突出部材51を移動させることなく、ステップS13の通紙開始に進む。
(S12) 薄紙通紙の場合(S11のYes)、分離機能調整機構は、突出部材51を定着ベルト21の外周側の所定の突出位置まで移動させ、ニップ部出口における定着ベルト21を突出させる。
(S13) 画像形成装置1が印刷ジョブに従い、通紙を開始する。このとき、記録媒体Pの厚さに応じた適切な分離機能が付与されているため、記録媒体Pの分離が正常に行なわれる。すなわち、薄紙通紙の場合であっても、定着装置20ではニップ部出口において定着ベルト21が当接部材26表面よりも加圧ローラ31側に突出して局部的に曲率が大きな状態となっているため、記録媒体Pの分離が適切に行なわれる。
(S14) 当該印刷ジョブが終了すると、当該印刷ジョブが最終ジョブであるか否かを確認する。
(S15) 次の印刷ジョブが入力されていた場合(S14のNo)、次の印刷ジョブの用紙情報(薄紙、普通紙、厚紙)に基づいて、通紙される記録媒体Pが薄紙であるか否かを判定する。
(S16) 次の印刷ジョブも薄紙通紙の場合(S15のYes)、分離機能調整機構は、突出部材51を前回の突出位置のまま維持し、ニップ部出口における定着ベルト21を突出させた状態とする。
(S17) 次の印刷ジョブが薄紙通紙でない場合(S15のNo)、突出部材51を初期状態の位置まで退避させる。
(S18) 画像形成装置1が印刷ジョブに従い、通紙を開始する。このとき、記録媒体Pの厚さに応じた適切な分離機能が付与されているため、記録媒体Pの分離が正常に行なわれる。ついで、当該印刷ジョブが終了すると、ステップS14に戻る。
(S19) ステップS14において最終ジョブである場合(S14のYes)、突出部材51を初期状態の位置まで退避させて、終了する。
このように、薄紙通紙のときは突出部材51の前記突出量を増やし、普通紙や厚紙通紙のときには逆に前記突出量を減らすようにすることで、適切な分離機能を維持しつつ、突出部材51の磨耗劣化による経時での分離機能低下や定着ベルト21等の構成部材の交換に関わる作業、コストを低減することが可能となる。
図8は、前記画像形成条件が記録媒体P上の画像情報である場合の分離機能調整機構の制御フローである。
分離機能調整機構は、記録媒体P上の画像情報(画像面積、画像範囲、画像密度)に応じて定着ベルト21の前記突出量を変更する制御を行うが、例えば先端部分に高密度の画像が印字された記録媒体Pを通紙させる場合、ニップ部と通過する際に熱を与えられたトナーの粘性によって定着ベルト21と密着し易く分離性能が低下する傾向にある。このような画像情報を受けた場合には突出部材51は定着ベルト21の外周側(突出させる方向)に移動してニップ部出口における定着ベルト21の曲率を大きくすることにより分離機能を高める。逆に、低密度の画像が印字される情報を受けた場合には突出部材51は定着ベルト21の内周側(退避させる方向)に移動して、定着ベルト21の磨耗を抑制する。
具体的には以下のような制御を行う。なお、装置駆動の初期状態では、分離機能調整機構における突出部材51は定着ベルト21の最も内周側となる位置に退避した状態にあるとする。
(S21) 画像形成装置1に印刷ジョブが入力されると、まずオペレータによって操作部またはパソコンのドライバーから入力された記録媒体P上の画像に関する情報(画像情報)を受け、その画像情報(画像面積、画像範囲、画像密度)に基づいて、通紙される記録媒体P上に高密度の画像がある面積以上形成されるか(高画像面積通紙と称する)否かを判定する。高画像面積通紙でない場合(S21のNo)、突出部材51を移動させることなく、ステップS23の通紙開始に進む。
(S22) 高画像面積通紙の場合(S21のYes)、分離機能調整機構は、突出部材51を定着ベルト21の外周側の所定の突出位置まで移動させ、ニップ部出口における定着ベルト21を突出させる。
(S23) 画像形成装置1が印刷ジョブに従い、通紙を開始する。このとき、記録媒体P上に形成される画像状態に応じた適切な分離機能が付与されているため、記録媒体Pの分離が正常に行なわれる。すなわち、高画像面積通紙の場合であっても、定着装置20ではニップ部出口において定着ベルト21が当接部材26表面よりも加圧ローラ31側に突出して局部的に曲率が大きな状態となっているため、記録媒体Pの分離が適切に行なわれる。
(S24) 当該印刷ジョブが終了すると、当該印刷ジョブが最終ジョブであるか否かを確認する。
(S25) 次の印刷ジョブが入力されていた場合(S24のNo)、次の印刷ジョブの画像情報(画像面積、画像範囲、画像密度)に基づいて、高画像面積通紙であるか否かを判定する。
(S26) 次の印刷ジョブも高画像面積通紙の場合(S25のYes)、分離機能調整機構は、突出部材51を前回の突出位置のまま維持し、ニップ部出口における定着ベルト21を突出させた状態とする。
(S27) 次の印刷ジョブが高画像面積通紙でない場合(S25のNo)、突出部材51を初期状態の位置まで退避させる。
(S28) 画像形成装置1が印刷ジョブに従い、通紙を開始する。このとき、記録媒体P上に形成される画像状態に応じた適切な分離機能が付与されているため、記録媒体Pの分離が正常に行なわれる。ついで、当該印刷ジョブが終了すると、ステップS24に戻る。
(S29) ステップS24において最終ジョブである場合(S24のYes)、突出部材51を初期状態の位置まで退避させて、終了する。
このように、全面ベタ等高画像面積通紙のときは突出部材51の前記突出量を増やし、文字等の低画像面積通紙のときには逆に前記突出量を減らすようにすることで、適切な分離機能を維持しつつ、突出部材51の磨耗劣化による経時での分離機能低下や定着ベルト21等の構成部材の交換に関わる作業、コストを低減することが可能となる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、突出部材51は、板状部材のものを前提に説明したが、回転自在に保持されたローラであってもよい。この場合、分離機能調整機構では、ローラ形状の突出部材51のローラ軸両端を支持するとともに、該突出部材51を加圧ローラ31に対して平行状態を維持したまま、定着ベルト21の内周側または外周側に移動させて、定着ベルト21のニップ部出口における当接部材26表面(定着ベルト21接触面)から加圧ローラ31側への突出量を変更することができるような移動機構とするとよい。
定着装置20の基本構成は、図2に示したものに限定されるものではなく、例えば図9に示すように、図2のヒータ25に替えて、電磁誘導加熱方式の誘導加熱部50を加熱部材22の外周側に配置して、該誘導加熱部50により加熱部材22を介して定着ベルト21を加熱するようにしてもよい。それ以外の構成は図2に示したものと同じである。なお、補強部材23を省略してもよい。
また、定着装置20の基本構成として、図10に示す構成としてもよい。ここでは、図2に示す構成において、当接部材26を省略し、ニップ部において加熱部材22が定着ベルト21を介して加圧ローラ31と当接している。このとき、加熱部材22は断面が略円形であってニップ部に対応する位置が平面となるように形成されている。また、補強部材23がニップ部位置の加熱部材22を裏面側から支持する構成となっており、補強部材23と加熱部材22との間に加熱効率を低下させないように断熱部材27が設けられている。それ以外の構成は図2に示したもののと同じである。
また、加圧部材として、加熱ローラ31に替えて加圧ベルト方式の構成としてもよい。
1 画像形成装置(装置本体)
3 露光部
4Y,4M,4C,4K 作像部
5Y,5M,5C,5K 感光体ドラム
12 給紙部
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加熱部材
23 補強部材
25 ヒータ(熱源)
26 当接部材
27 断熱部材
31 加圧ローラ(加圧部材)
32 加圧ローラ芯金
33 加圧ローラ弾性層
50 誘導加熱部
51 突出部材
51g ラックギア
52 凹凸
53 溝
60 モータ
60g ピニオンギア
75 帯電部
76 現像装置
77 クリーニング部
78 中間転写ベルト
79Y,79M,79C,79K 1次転写バイアスローラ
80 中間転写クリーニング部
82 2次転写バックアップローラ
83 クリーニングバックアップローラ
84 テンションローラ
85 中間転写ユニット
89 2次転写ローラ
97 給紙ローラ
98 レジストローラ対
99 排紙ローラ対
100 スタック部
101 ボトル収納部
102Y,102M,102C,102K トナーボトル
P 記録媒体
T トナー
特開平11−2982号公報 特開2007−334205号公報 特開平11−133776号公報

Claims (9)

  1. 回転する無端状ベルトの定着部材と、
    前記定着部材の外周面と当接する加圧部材と、
    前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接して、通過する記録媒体上の未定着トナーを該記録媒体に定着させるニップ部を形成する当接部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱手段と、
    前記定着部材の内周側であって前記当接部材よりもニップ部の出口側に配置され、前記定着部材をその内面から押圧して前記ニップ部出口における該定着部材をその外周側に突出させて支持可能な少なくとも前記定着部材の外周方向に凸形状となった突出部材を有し、該突出部材を前記定着部材の内周側または外周側に移動させて、該定着部材の前記ニップ部出口における前記当接部材表面から前記加圧部材側への突出量を変更する分離機能調整機構と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記分離機能調整機構は、画像形成条件により前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記分離機能調整機構は、前記記録媒体の厚さに応じて前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記分離機能調整機構は、前記記録媒体上の画像情報に応じて前記定着部材の突出量を変更することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記突出部材は、その凸形状表面がフッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記突出部材は、その凸形状表面が潤滑剤を坦持可能な多孔質体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記突出部材は、その凸形状表面に潤滑剤を坦持可能な凹凸を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記突出部材は、その凸形状表面に前記定着部材の回転移動方向とは直交する方向に延びる複数の溝を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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